JP4134750B2 - 燃焼装置、並びに、湯水加熱装置 - Google Patents

燃焼装置、並びに、湯水加熱装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は燃焼装置に関するものであり、特に着火時における動作に特徴を有するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、下記特許文献1に示すように、燃料を噴霧する噴霧ノズルを備え、この噴霧ノズルから噴霧された燃料を燃焼する燃焼装置がある。前記噴霧ノズルには、燃料タンク側から供給された燃料の一部を再度燃料タンク側に戻すリターン流路を備えたいわゆるリターン型ノズルが採用されている。
【0003】
図7は、上記したリターン型ノズルを備えた従来技術の燃焼装置の燃料系統図である。従来技術の燃焼装置では、ノズル101に燃料タンク102から燃料を供給する燃料往路103と、ノズル101から燃料タンク102に燃料を戻す燃料復路105とからなる燃料流路106が接続されている。燃料往路103の中途には電磁弁108およびポンプ110が接続されている。また、燃料復路105には、逆止弁111および比例弁112が設けられている。従来技術の燃焼装置では、比例弁112の開度を調整することにより、ノズル101から燃料タンク102に戻る燃料の量を調整し、これにより燃料の噴霧量を調整している。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−227453号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術の燃焼装置では、ポンプ110の内圧が一定であることを条件として、燃料復路105に設けられた比例弁112の開度を調整することにより燃料の噴霧量を調整する構成となっている。そのため、ポンプ110の内圧が不安定である条件下では、燃料の噴霧状態が不安定となり着火動作の安定性が損なわれてしまうという問題がある。さらに具体的には、燃焼装置の起動直後や、一度燃焼が停止してから次の着火までの間隔が長い場合は、ポンプ110の内圧が低い。ポンプ110の内圧が低い場合、ノズル101から噴霧される燃料の粒径が大きくなると共に、燃料の噴霧角度が小さくなってしまうため、燃料への着火をスムーズに行えないという問題がある。
【0006】
そこで本発明は、上記した問題に鑑み、燃料への着火をスムーズに行える燃焼装置、並びに、当該燃焼装置を具備した湯水加熱装置の提供を目的とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、従来技術の燃焼装置の着火安定性を向上すべく鋭意研究を重ねた結果、着火時における燃料の噴霧状態が不安定であると着火安定性が損なわれることを見いだした。本発明者らは、噴霧手段に燃料を圧送するポンプ等の圧送手段の内圧が低下すると、燃料の噴霧状態が不安定となることを見いだした。そこで本発明者らは、着火時に噴霧する燃料の量を減少させて実験を行ったところ、燃焼装置の着火安定性が向上することが判明した。
【0008】
しかし、従来の湯水加熱装置の熱源として上記した燃焼装置を採用し、着火時に噴霧する燃料の量を減少させた状態で着火動作を繰り返すと、湯水加熱装置に設けられた熱交換器等にススやタールが付着してしまうという問題が発生した。そこで本発明者らがさらに研究を重ねた結果、着火時の風量に対して燃料の噴霧量が少ないため、空気が過剰な状態となってしまい、その結果として着火時にススやタールが発生していることが判明した。即ち、燃料の噴霧量を減少させて着火動作を行うと、圧送手段の圧力がさほど低下していない状態では、従来技術の場合よりも燃料の噴霧量と空気の供給量とのバランスが悪くなってしまう。そのため、圧送手段の圧力がさほど低下していない状態で燃料の噴霧量を減少させて着火動作を行うと、ススやタールの発生量が噴霧量を減少させずに着火した時よりも増加してしまう。
【0009】
そこで上記した知見に基づき提供される請求項1に記載の発明は、燃料を噴霧する噴霧手段と、当該噴霧手段に燃料を圧送する圧送手段とを備え、前記噴霧手段から噴霧された燃料を燃焼する燃焼装置において、燃焼停止から着火までの時間を計時し、当該計時時間が所定時間以上である場合に、着火時における燃料の噴霧量を計時時間が所定時間未満である場合よりも少量となるように調整する着火調整手段を具備しており、前記着火調整手段は、燃料の噴霧圧が所定圧力未満である場合の着火時における燃料の噴霧量を、燃料の噴霧圧が所定圧力以上である場合よりも減少させることを特徴とする燃焼装置である。
【0010】
また、同様の問題を解決すべく提供される請求項2に記載の発明は、燃料を噴霧する噴霧手段と、当該噴霧手段に燃料を圧送する圧送手段とを備え、前記噴霧手段から噴霧された燃料を燃焼する燃焼装置において、着火時における燃料の噴霧量を複数段に調整可能な着火調整手段を具備し、当該着火調整手段は、燃焼停止から着火までの時間を計時し、当該計時時間が所定時間以上である場合に、着火時における燃料の噴霧量を計時時間が所定時間未満である場合よりも少量となるように調整し、燃料の噴霧圧が所定圧力未満である場合の着火時における燃料の噴霧量を、燃料の噴霧圧が所定圧力以上である場合よりも減少させることを特徴とする燃焼装置である。
【0011】
請求項1,2に記載の燃焼装置は、いずれも噴霧手段に燃料を圧送するポンプ等の圧送手段を備えているが、ひとたび燃焼を停止すると、次回の点火までの間に圧送手段の内圧が徐々に低下する。即ち、本発明の燃焼装置では、燃焼停止から再点火までの時間の経過に伴って燃料の噴霧圧が低下するものと想定される。そのため、本発明の燃焼装置では、燃焼停止から再点火までの間隔の長短によって着火時に噴霧手段から噴霧される燃料の噴霧圧が変動し、燃料の噴霧状態が不安定になるおそれがある。燃料の噴霧状態が不安定であると、燃料の着火不良が発生しやすい。
【0012】
請求項1,2に記載の燃焼装置は、上記した知見に基づき提供されるものであり、着火調整手段が、燃焼停止から再点火までの時間を計時することによって燃料の噴霧圧を推定し、この推定に基づいて燃料の噴霧状態が着火に適した状態となるように燃料の噴霧量を調整するものである。そのため、本発明の燃焼装置は、着火時における燃料の噴霧圧、即ち燃焼停止から再点火までに経過した時間の長短によらず着火状態が安定している。
【0013】
また、上記したように、本発明の燃焼装置では、着火時における燃料の噴霧状態が最適な状態となるように燃料の噴霧量が調整されるため、いかなる条件下で着火動作を行ってもススやタールがほとんど発生しない。即ち、本発明の燃焼装置では、圧送手段の内圧が低い場合における着火不良が殆ど発生しないばかりか、圧送手段の内圧が高い場合においても燃料の噴霧量と空気量とのバランスがよく、着火時のススやタールの発生量が少ない。そのため、請求項1,2に記載の燃焼装置は、長期にわたって使用したり、着火と燃焼停止とを頻繁に行う条件下で使用されてもススやタールの発生に伴う不具合が発生しない。
【0014】
また、上記請求項1又は2に記載の燃焼装置において、着火調整手段は、計時時間が所定時間以上である場合に、着火時における燃料の噴霧量を、計時時間が所定時間未満である場合よりも少量となるように調整することを特徴とする。
【0015】
従来技術の燃焼装置では、燃焼停止から次回の着火までの間に圧送手段の内圧が徐々に低下し、燃料の噴霧圧が低下してしまう。噴霧圧が低下すると燃料の噴霧状態が不適切となり、着火不良が発生してしまうおそれがある。その一方で、圧送手段の内圧がさほど低下していない状態で、着火時に噴霧する燃料の量を減少させて着火動作を行うと、ススやタールが発生しやすい。要するに、従来技術の燃焼装置では、着火時における圧送手段の内圧と燃料の噴霧量とのバランスが不適切であるため、ススやタールの発生や着火不良が起っていた。
【0016】
そこで、本発明の燃焼装置では、着火動作を安定化し、ススやタール等の発生を抑制すべく、着火調整手段が燃焼停止から着火までの間隔を計時し、この計時時間が所定時間より長い場合に限って着火時の燃料の噴霧量を燃焼量に相当する燃料の噴霧量よりも少量に調整する構成を取っている。さらに詳細に説明すると、前回の燃焼動作が終了してから次の燃焼動作の開始までの間隔(計時時間)が短い場合は、圧送手段の内圧が高いため、比較的多くの燃料を噴霧手段から噴霧しても噴霧状態が安定しており、燃料への着火を安定して行える。
【0017】
一方、前記計時時間が長い場合は、圧送手段の内圧がリークし低下したり、ポンプの温度が低下することにより内部にある燃料の体積が減少し内部圧力が低下していると想定される。そのため、計時時間が長い場合は、着火調整手段によって燃料の噴霧量を減少させることによって、燃料の噴霧状態を最適化して着火動作を行うことができ、着火不良の発生を最小限に抑制できる。また、計時時間が長い場合は、仮に幾分の着火不良が起こっても燃料の噴霧量自体が少ないため、着火不良に伴うススやタールの発生量は極めて少ない。そのため、本発明の燃焼装置によれば、圧送手段の内圧の高低にかかわらず着火動作を安定して行え、着火時におけるススやタールの発生量を最小限に抑制できる。
【0018】
従来技術の燃焼装置の着火安定性を向上すべく、本発明者らがさらに鋭意研究を重ねた結果、噴霧手段に燃料を圧送するポンプ等の圧送手段の圧力変動に応じて燃焼に供する空気の供給量を調整することによっても着火動作が安定し、着火時におけるススやタールの発生量を抑制できることを見い出された。
【0019】
そこで上記した知見に基づき提供される請求項3に記載の発明は、燃料の燃焼に必要な空気を導入する送風手段を備え、着火調整手段は、燃焼停止から着火までの時間を計時し、当該計時時間が所定時間以上である場合の送風量を計時時間が所定時間より短い場合の送風量よりも減少させることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃焼装置である。
【0020】
本発明の燃焼装置によれば、着火時における燃料の噴霧量と空気の供給量とのバランスを最適化し、着火動作の安定性を向上すると共に、ススやタールの発生量を最小限に抑制できる。
【0021】
請求項4に記載の発明は、燃料を噴霧する噴霧手段と、当該噴霧手段に燃料を圧送する圧送手段と、燃料の燃焼に必要な空気を導入する送風手段とを備え、前記噴霧手段から噴霧された燃料を燃焼する燃焼装置において、燃焼停止から着火までの時間を計時し、当該計時時間が所定時間以上である場合の送風量を計時時間が所定時間より短い場合の送風量よりも減少させる着火調整手段を具備しており、前記着火調整手段は、燃料の噴霧圧が所定圧力未満である場合の着火時における燃料の噴霧量を、燃料の噴霧圧が所定圧力以上である場合よりも減少させることを特徴とする燃焼装置である。
【0022】
上記したように、燃焼停止から次回の着火までに要する時間(計時時間)に応じて圧送手段の内圧が低下し、燃料の噴霧量が低下するため、計時時間の長短に応じて着火状態を安定化するために必要な空気量が変動する。本発明の燃焼装置は、着火調整手段が計時時間に応じて着火時の送風量を調整する構成であるため、圧送手段の内圧の高低にかかわらず着火動作を安定して行え、着火時におけるススやタールの発生量を最小限に抑制できる。
【0023】
また請求項5に記載の発明は、燃料を噴霧する噴霧手段と、当該噴霧手段に燃料を圧送する圧送手段と、燃料の燃焼に必要な空気を導入する送風手段とを備え、当該噴霧手段から噴霧された燃料を燃焼する燃焼装置において、着火時における燃料の噴霧量を複数段に調整可能な着火調整手段を具備し、当該着火調整手段は、燃焼停止から着火までの時間を計時し、当該計時時間が所定時間以上である場合の送風量を計時時間が所定時間より短い場合の送風量よりも減少させ、燃料の噴霧圧が所定圧力未満である場合の着火時における燃料の噴霧量を、燃料の噴霧圧が所定圧力以上である場合よりも減少させることを特徴とする燃焼装置である。
【0024】
本発明の燃焼装置は、計時時間が所定時間以上で着火時における燃料の噴霧量が少ない場合に送風量を減少させる構成である。そのため、本発明の燃焼装置によれば、圧送手段の内圧が低い場合であっても着火動作を安定して行え、着火時におけるススやタールの発生量を最小限に抑制できる。
【0025】
【0026】
請求項6に記載の発明は、燃焼部と、湯水を加熱する熱交換部とを有し、燃焼部において発生した燃焼ガスを熱交換部に送り、熱交換部で水を加熱する湯水加熱装置において、燃焼部には請求項1乃至5のいずれかに記載の燃焼装置が採用されていることを特徴とする湯水加熱装置である。
【0027】
上記した湯水加熱装置において採用されている燃焼装置は、着火時における燃料の噴霧圧の高低にかかわらず着火動作を安定して行え、ススやタールの発生量も少ない。そのため、本発明の湯水加熱装置は、着火と燃焼停止とを頻繁に行う条件下で使用されてもススやタールの発生が少なく、これらによる排気閉塞等の不具合が発生しない。
【0028】
また同様に、上記請求項1乃至5に記載の燃焼装置は、湯水が貯留される貯留部と、貯留部を貫通する燃焼ガス通路とを有し、燃焼部で発生した燃焼ガスを燃焼ガス通路に導入して貯留部内の湯水を加熱する湯水加熱装置の燃焼部として採用することも可能である。
【0029】
【発明の実施の形態】
続いて本発明の一実施形態である燃焼装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態である燃焼装置および給湯装置を示す正面図である。図2は、図1に示す燃焼装置の燃料流路図である。図3は、図1に示す燃焼装置が具備しているインジェクター弁を示す断面図である。図4は、図1に示す燃焼装置の作動原理図である。図5は、図1に示す燃焼装置の動作を示すフローチャート図である。図6は、図1に示す給湯装置の変形実施例を示す正面図である。
【0030】
図1において、1は本実施形態の給湯装置(湯水加熱装置)である。給湯装置1は、熱源として燃焼装置2を備えており、燃焼装置2の下方に燃焼ケース3と熱交換器5(熱交換部)とを備えている。燃焼ケース3は、燃焼装置2における燃焼動作に伴い発生する高温の燃焼ガスが流れる部分である。燃焼ケース3の周囲には、内部を流れる高温の燃焼ガスにより過度に高温となるのを防止すべく、水管6が巻き付けられている。
【0031】
熱交換器5は、燃焼ケース3の下方にあり、燃焼ケース3内に水管9を挿通したものである。熱交換器5は、燃焼ケース3内を流れる高温の燃焼ガスとの熱交換により、水管9内の湯水を加熱するものである。
【0032】
燃焼装置2は、空気ケース7の内部に端部が開放したノズル収納筒8と、ノズル収納筒8の端部に接続された燃焼筒10とを具備している。空気ケース7には、燃焼筒10内に空気を送り込むための送風機11(送風手段)が接続されている。また、ノズル収納筒8の内側には、燃料を燃焼筒10側に向けて噴霧するための燃料噴射ノズル12(噴霧手段)が収納されている。
【0033】
燃料噴射ノズル12は、燃料を噴霧するための噴霧開口(図示せず)を有する。燃料噴射ノズル12は、内部に噴霧開口に至る燃料往路(図示せず)と燃料復路(図示せず)とを具備した、いわゆるリターン型ノズルである。即ち、燃料噴射ノズル12は、燃料往路を介して燃料噴射ノズル12の外部から供給された燃料を噴霧開口から噴霧し、噴霧されずに残った燃料を燃料復路を通じて排出する構成を有する。
【0034】
図2に示すように、燃料噴射ノズル12は燃料流路13に接続されている。燃料流路13は、燃料が貯留されている燃料タンク15から燃料噴射ノズル12に向けて燃料を供給する燃料往路16と、燃料噴射ノズル12側から燃料タンク15に向けて燃料を戻す燃料復路17とにより構成されている。
【0035】
燃料往路16の中途には、電磁ポンプ18(圧送手段)、電磁弁20および、逆止弁21が設けられている。逆止弁21は常時は閉成されており、開成するのに必要な圧力(最低作動圧)は、燃料往路16に接続された燃料タンク15内に貯留されている燃料の位置水頭よりも大きい。即ち、燃料タンク15内に貯留されている燃料の影響で逆止弁21に作用する圧力は、逆止弁21を開成するのに必要な最低作動圧に満たない。そのため、燃料タンク15内に貯留されている燃料は、電磁ポンプ18によって加圧しない限り燃料噴射ノズル12側には流れ出さない。
【0036】
燃料復路17は、燃料噴射ノズル12において噴霧されずに残った燃料を燃料タンク15側に戻すものである。燃料復路17の下流端側は、燃料往路16の中途であって、電磁ポンプ18よりも上流側(燃料タンク15側)に接続されている。燃料復路17の中途には、燃料復路17内を流れる燃料の温度を検知する温度センサ22(温度検知手段)が設けられている。また、温度センサ22の下流側には燃料噴射ノズル12側から燃料タンク15側へ燃料を流し、燃料の逆流を阻止すべく逆止弁23が設けられている。逆止弁23の下流側には、断続的又は周期的に開閉するインジェクター弁25(間欠開閉弁)が設けられている。また、インジェクター弁25と逆止弁23との間には、燃料復路17内を流れる燃料の圧力を緩衝すべく、アキュムレータ26が設けられている。
【0037】
インジェクター弁25は、極めて短い時間で断続的あるいは周期的に開閉する機能を備えたものである。インジェクター弁25は、図3に示すようにケーシング30内にアクチュエータ31と、アクチュエータ31を駆動させるための電磁コイル32と、アクチュエータ31に連動する弁体33とを備えている。ケーシング30の両端部には、ケーシング30内に燃料を供給するための燃料流入口35と、燃料を流出する燃料流出口36とが設けられている。また、ケーシング30の内部には、燃料流入口35から流入した燃料が流通する流路37が設けられている。
【0038】
ケーシング30には、接続端子38が設けられている。接続端子38は、電磁コイル32に接続されており、接続端子38を介して電流を供給すると電磁コイル32が励磁される。その結果、ケーシング30内のアクチュエータ31が駆動し、アクチュエータ31と連動して弁体33が開く。即ち、本実施形態で採用するインジェクター弁25は、電磁コイル32に電流が供給されている間、弁体33が開き、電流が停止すると弁体33が閉じる。弁体33は、極めて鋭敏に反応し、瞬間的に開閉される。また、インジェクター弁25は、電磁コイル32への通電の停止中は、弁体33が完全に閉止している。即ち、インジェクター弁25は、電磁コイル32への通電を停止することにより、燃料復路17を完全に閉止することができる。
【0039】
接続端子38は、図2,3に示すように燃料噴射ノズル12から噴霧される燃料の噴霧量や送風機11の駆動を制御する制御手段40(着火調整手段)に接続されている。制御手段40は、電磁コイル32への通電を周期的あるいは断続的に行わせることにより弁体33の開閉を制御し、燃料噴射ノズル12から噴霧される燃料の噴霧量を調整し、燃焼量を制御する。また、制御手段40には、燃焼停止から次回の燃焼要求までに要する時間を計時する計時タイマー41(計時手段)が内蔵されている。
【0040】
温度センサ22は、燃料噴射ノズル12から燃料復路17に戻された燃料の温度を検知するものであり、制御手段40に接続されている。
【0041】
燃焼装置2が燃焼動作中である場合、制御手段40は、弁体33の開閉周期Lと、当該開閉周期L中に占めるオンタイムtとをデューティー比制御することにより、弁体33の開閉を制御し、燃料噴射ノズル12からの燃料の噴霧量を調整する。即ち、制御手段40は、燃焼装置2に要求される燃焼量に応じて弁体の開閉周期Lと、開閉周期Lに対する燃料噴射ノズル12の電磁コイル32へパルス電流iを印加する時間の比率(デューティー比r)を制御し、燃料復路17内を流れる燃料の流量を調整することにより燃料噴射ノズル12における燃料の噴霧量を調整する。
【0042】
制御手段40の制御信号に基づき接続端子38にパルス電流が流れると、弁体33が開きインジェクター弁25の燃料流出口36から燃料が噴霧される。ここで、燃料の噴射量にかかわらず電磁ポンプ18によって弁体33に作用する圧力が一定であれば、弁体33が開いた際にインジェクター弁25の燃料流出口36から流れ出る燃料の圧力は常時一定である。即ち、燃料噴射ノズル12に燃料を圧送する電磁ポンプ18の内圧が一定である条件下において弁体33が開くと、燃料は燃料噴射ノズル12からほぼ一定の軌跡を描くように噴霧される。従って、本実施形態の燃焼装置2では、電磁ポンプ18の内圧が一定である限り、燃料噴射ノズル12における燃料の噴霧量を、制御手段40によるデューティー比制御によって調整することができる。
【0043】
燃料噴射ノズル12は、図1に示すようにノズル収納筒8内に収納されている。ノズル収納筒8は、燃料噴射ノズル12を直接内蔵するノズル収納内筒50と、その外側に設けられたノズル収納外筒51とによる2重構造となっている。
【0044】
ノズル収納内筒50は、内部に燃料噴射ノズル12と、燃料噴射ノズル12から噴霧された燃料を点火するための点火プラグ52とを収納している。ノズル収納筒8は、燃焼筒10と接続されて一体化されている。ノズル収納内筒50およびノズル収納外筒51の側面には、燃焼筒10の内部に空気を導入するための空気導入孔(図示せず)が設けられている。
【0045】
燃焼筒10は、図1に示す様に二段形状の筒体であり、ノズル収納筒8に接続された第1燃焼筒53と、当該第1燃焼筒53に連続し、第1燃焼筒53よりも大径の第2燃焼筒55とから構成されている。第1燃焼筒53の周部には、燃焼筒10内に空気を導入するための空気導入口56が複数設けられている。また同様に、第2燃焼筒55の周部にも、燃焼筒10内に空気を導入するための空気導入口57が複数設けられている。また、第2燃焼筒55の下方には、燃焼筒10内における燃料の攪拌を促進するための燃料拡散部材58が取り付けられている。
【0046】
燃料噴射ノズル12から噴霧された燃料は、燃焼筒10および燃焼ケース3内において所定のパターンで拡散した後燃焼し、高温の燃焼ガスを発生する。この燃焼ガスは、燃焼ケース3の下方に配置された熱交換器5において熱交換を行い、水管9内の水を加熱する。
【0047】
熱交換器5には、図4に示すように流水回路60が接続されている。流水回路60は、外部から供給された湯水を熱交換器5に供給すると共に、熱交換器5において加熱された湯水をカラン等に向けて供給するものである。流水回路60は、熱交換器5に外部から水を給水する給水回路61と、熱交換器5において加熱された湯水が流れる給湯回路62と、給水回路61から分岐されたバイパス回路63とを有し、要求に応じて外部に湯水を供給するものである。そしてバイパス回路63を流れる冷水のバイパス水量をバイパス水量調節弁65によって調節すると共に、給湯回路62に流れる高温の湯水の量を水量調整弁59によって調整し、これらの湯水を給湯回路62とバイパス回路63との接続部にある湯水攪拌機構66において混合して湯水の温度を調節する。なお、バイパス回路63には、バイパス水量を検知するバイパス水量センサ64が設けられている。
【0048】
給湯回路62とバイパス回路63との混合部分の下流側には、出湯センサ67が設けられている。出湯センサ67によって検知された温度が前記したバイパス水量調節弁65等にフィードバックされる。給水回路61には、水量センサ68と、温度センサ69が設けられている。制御手段40は、水量センサ68および温度センサ69の検知信号に基づき、湯の温度が80℃程度となるように燃焼装置2における燃焼量を調節する。
【0049】
上記したように、本実施形態の給湯装置1が備える燃焼装置2は、燃焼装置2に対する要求燃焼量Qに応じてインジェクター弁25の電磁コイル32に印加される電源の周波数を調整し、燃焼量を調整するものである。
【0050】
燃焼装置2では、通常運転時は電磁ポンプ18の内圧が安定しており、燃料流路13の内圧が高いため、燃料の温度kや要求燃焼量Qに拘わらず燃料噴射ノズル12から噴霧される燃料の噴霧量および噴霧状態が安定している。そのため、通常運転時に燃焼筒10内に噴霧された燃料は、燃焼筒10内において空気と十分混合された後、完全燃焼される。
【0051】
しかし、燃焼装置2の起動直後や、燃焼要求の停止からある一定を超える時間が経過した場合、電磁ポンプ18の内圧が各部からリークして低下してしまうため、燃焼要求に見合った量の燃料を所定のパターンで噴霧するには不十分であることが想定される。そこで、本実施形態の燃焼装置2では、燃焼装置2の起動直後や、燃焼要求の停止からある一定時間以上の時間が経過した場合、着火時に制御手段40によってインジェクター弁25のデューティー比rを大きく設定し、燃料噴射ノズル12から戻る燃料の流量を増加させることによって燃料の噴霧量を減少させている。このように、燃焼装置2では、電磁ポンプ18の内圧が低いと想定される場合における燃料の噴霧量が少ないため、燃料の噴霧状態が電磁ポンプ18の内圧等によらずほぼ一定である。そのため、燃焼装置2では、電磁ポンプ18の内圧が低い状態であっても、燃料への着火不良が起らない。以下、燃焼要求があった場合における燃焼装置2および制御手段40の動作について図5に示すフローチャート図を参照しながら詳細に説明する。
【0052】
燃焼装置2は、ステップ1において運転スイッチ(図示せず)が投入されると、ステップ2において燃焼要求の有無を検知する。即ち、流水回路60に接続されたカランを開栓するなどした結果、外部から湯水が供給され、水量センサ68により検知される給水量が最小作動水量(Minimam Operation Quantity)を超えると、制御手段40は燃焼装置2に対して燃焼要求があったものと判断する。制御手段40は、ステップ2において燃焼要求を検知すると、制御フローをステップ3へと進める。
【0053】
ステップ2において制御手段40が検知した燃焼要求は、燃焼装置2の電源投入後最初の燃焼要求であり、電磁ポンプ18の内圧が要求燃焼量に見合った量の燃料を所定パターンで噴霧するためには不十分であるおそれがある。そこで、制御手段40は、ステップ3において弁入力信号を「0」に設定し、インジェクター弁25のデューティー比rを調整する。さらに具体的には、制御手段40は、ステップ3においてインジェクター弁25のデューティー比rを調整し、燃料噴射ノズル12への燃料の供給量が所定量(本実施形態では10〜14cc/分)となるように調整する。より詳細には、制御手段40は、ステップ3においてインジェクター弁25のデューティー比rを、後述するステップ20において設定されるデューティー比よりも大きく設定する。これにより、後述するステップ20の場合よりも多くの燃料を、燃料噴射ノズル12から燃料タンク15側に戻し、燃料の噴霧量を10〜14cc/分に調整する。
【0054】
続いて制御手段40は、ステップ4において電磁ポンプ18の電源をONにし、燃料噴射ノズル12に燃料を圧送する。この時燃料噴射ノズル12には、電磁ポンプ18によって供給された燃料を所定のパターンで噴霧するのに十分な圧力が作用している。そのため、燃料噴射ノズル12に供給された燃料は、所定のパターンで第1燃焼筒53および第2燃焼筒55内に噴霧される。燃料噴射ノズル12から噴霧された燃料は、空気導入口56,57から導入された外気と十分混合される。
【0055】
制御手段40は、ステップ4において電磁ポンプ18の電源がONになると、続いてステップ5で点火プラグ52によって第1燃焼筒53および第2燃焼筒55内に噴霧された燃料への着火動作を行う。ステップ5において燃料が着火されると、制御手段40は、ステップ6において燃焼状態を比例制御運転へと移行させる。即ち、制御手段40は、燃料の着火が完了すると制御フローをステップ6へと進行させ、インジェクター弁25のデューティー比rを要求燃焼量Qに見合った値に調整し、これにより燃料の噴霧量を調整する。
【0056】
制御手段40は、ステップ7において燃焼装置2に対する燃焼要求を監視し、燃焼要求のある間は燃焼動作を継続する。ここで、燃焼要求が途絶えると、制御手段40はステップ8においてインジェクター弁25の弁体33を閉止し、燃料噴射ノズル12への燃料の供給を停止して燃焼を停止させる。
【0057】
燃焼が停止すると、制御手段40は、ステップ9において計時タイマー41を作動させ、燃焼装置2の運転停止から次回の燃焼要求までの時間Tの計時を開始する。計時タイマー41が作動を開始すると、制御手段40は、燃焼装置2の運転スイッチがOFFであるか否かを検知する。ここで、運転スイッチがOFFとなった場合、制御手段40は一連の制御フローを終了する。一方、制御手段40は、運転スイッチがONである限り計時を継続すると共に、ステップ11において燃焼装置2に対する燃焼要求の有無を検知する。
【0058】
ステップ11において燃焼装置2に対する燃焼要求があると、制御手段40は、計時タイマー41を参照し、前回の運転停止から今回の要求燃焼までに要した時間Tを確認する。ここで確認された時間Tが基準時間a(本実施形態では30秒)以上である場合、制御手段40は制御フローをステップ13へと進行させる。また逆に、前記時間Tが基準時間aに満たない場合は制御フローを後述するステップ20へと進行させる。
【0059】
ここで、本実施形態において、基準時間aは、電磁ポンプ18の内圧の高低を判断する基準として採用している。即ち、本実施形態において、時間Tが基準時間aに満たない場合とは、燃焼装置2自身が高温で、電磁ポンプ18の内圧が比較的高い状態を指す。この場合、着火に際して上記した弁入力信号を「0」に設定した時の噴霧量を超え、着火時に供給される風量に相当する量の燃料(本実施形態では20cc/分)を噴霧しても所定の噴霧状態で燃料を噴霧し、安定した着火動作が可能である。また逆に、時間Tが基準時間a以上である場合とは、前回の燃焼停止時から相当時間が経過して燃焼装置2自身が低温となっている状態を指す。この場合、電磁ポンプ18の内圧が既にリークしてしまっており、着火に際して上記したインジェクター弁25への入力信号を「0」に設定した時の噴霧量を超える量の燃料を噴霧すると燃料が所定の噴霧状態で噴霧されず、燃焼不良が発生するおそれがある。
【0060】
ステップ12において時間Tが基準時間a以上である場合、制御手段40は、燃焼装置2の運転スイッチ投入直後のステップ3〜5と同様のステップ13〜15を経て着火動作を行う。即ち、時間Tが基準時間a以上で電磁ポンプ18の内圧がリークしてしまっていると想定される場合、制御手段40は、ステップ13においてインジェクター弁25への入力信号を0に設定し、燃料噴射ノズル12への燃料の供給量を10〜14cc/分に調整する。その後、制御手段40は、ステップ14において電磁ポンプ18を起動させ、ステップ15においてこの燃料を着火させる。
【0061】
一方、ステップ12において時間Tが基準時間aに満たない場合、即ち電磁ポンプ18の内圧が比較的高い場合、制御手段40は、弁入力信号を「1」に設定する。弁入力信号が「1」に設定されると、制御手段40は、インジェクター弁25のデューティー比rを燃料の噴霧量が20cc/分になるように調整する。制御手段40は、ステップ21において電磁ポンプ18を起動させると共に、ステップ22において着火動作を行う。
【0062】
ステップ15およびステップ22において燃料の点火が完了すると、制御フローはステップ16において要求燃焼量Qに応じてインジェクター弁25のデューティー比を調整し、比例制御運転を行う。制御手段40は、ステップ17において燃焼装置2に対する燃焼要求の監視すると共に、比例制御運転を継続する。ここで、燃焼要求が途絶えると、制御手段40は制御フローをステップ18へと進行させ、燃焼を停止させる。
【0063】
ステップ18において燃焼運転が停止すると、制御フローはステップ19に進行する。制御手段40は、ステップ19において燃焼装置2の運転スイッチがOFFであるか否かを確認し、運転スイッチが引き続きONである場合は制御フローをステップ9へと戻す。また、ステップ19において運転スイッチがOFFである場合、制御手段40は一連の制御フローを完了する。
【0064】
上記したように、本実施形態の燃焼装置2では、起動後初回の着火時と、燃焼要求の間隔(時間T)が所定の基準時間を超え、電磁ポンプ18の内圧が低いと想定される場合に限って、通常の着火時よりも燃料の噴霧量を減少させ、一定の噴霧状態で燃料を噴霧させる構成としている。要するに、燃焼装置2では、電磁ポンプ18の内圧が低く、燃料流路13内の燃料の温度が低下している場合に、燃料の噴霧量を減少させる。さらに具体的には、燃焼装置2では、時間Tが所定の基準時間を超える場合における燃料の噴霧量を通常時の50〜70%としている。従って、燃焼装置2では、電磁ポンプ18の内圧が低い場合であっても燃料が所定のパターンで噴霧され、さらにその噴霧粒径が小さくなりやすいため、着火時に燃料全体への着火が拡がりやすくなる。その結果、燃焼装置2では、電磁ポンプ18の内圧の高低にかかわらず着火不良が起りにくい。また燃焼装置2では、仮に幾分の着火不良が起ったとしても、着火時に噴霧される燃料が比較的少ないため、ススやタールの発生量はごく微量である。また、上記した手順によって燃料が着火された頃には、電磁ポンプ18の内圧が十分上昇しており、要求燃焼量Qに応じた量の燃料を噴霧しても燃料は所定のパターンで噴霧され、その噴霧粒径も小さい。そのため、上記した構成によれば、全体として良好な着火動作を実現することができる。
【0065】
本実施形態の燃焼装置2は、着火時における電磁ポンプ18の内圧に応じて燃料の噴霧量を2段に調整可能である。そのため、本実施形態の燃焼装置2によれば、着火時における電磁ポンプ18の内圧の高低にかかわらず着火不良を起こさず、未燃成分やスス等を殆ど発生させることなく燃焼動作を行える。従って、本実施形態の燃焼装置2は、燃焼動作のON/OFFが頻繁に行われる業務用給湯装置等の熱源として好適に採用することができる。
【0066】
本実施形態では、着火時における燃料の噴霧状態の安定性を判断する基準として、燃焼装置2に対する燃焼要求の間隔(時間T)を採用し、この時間Tが基準時間aを超えるか否かで着火時における燃料の噴霧量を調整するものであった。換言すれば、燃焼装置2では、燃料の噴霧圧、即ち電磁ポンプ18の内圧が時間Tに応じて関数的に変化するものと捉え、この時間Tを基準として着火時に燃料噴射ノズル12に圧送され、噴霧される燃料の量を調整するものであった。しかし、本発明の燃焼装置は上記した実施形態に限定されるものではなく、例えば燃料の噴霧圧を検知する噴霧圧検知手段を設けて噴霧圧を検知したり、燃料復路17に設けられた温度センサ22によって燃料の温度を検知するなどの手法により、燃料の噴霧圧を直接的あるいは間接的に検知し、この検知信号に基づいて燃料の噴霧量を調整する構成とすることも可能である。
【0067】
また、上記した燃焼装置2では、前回の燃焼停止からの経過時間に相当して電磁ポンプ18の内圧が低下し、着火時における燃料の噴霧量が減少する。また逆に、燃焼停止してから直ちに着火する場合には、電磁ポンプ18の内圧が十分高く、着火時における燃料の噴霧量が比較的多い。そのため、燃焼装置2では、電磁ポンプ18の内圧、即ち前回の燃焼停止からの経過時間着火に応じて着火を安定して行うのに最適な風量が異なる。従って、上記実施形態の燃焼装置2は、燃焼要求の間隔(時間T)に応じて燃料噴射ノズル12への燃料の供給量を調整する代わりに、時間Tに応じて送風機11のファンの回転数を変更し、送風量を調整することによっても着火状態を最適化できる。
【0068】
さらに詳細に説明すると、燃焼装置2は、上記時間Tが短く電磁ポンプ18の内圧が高い場合、燃料の噴霧量が比較的多いため、空気の供給量が多くても安定して着火することができる。これとは逆に、燃焼要求の間隔が長い場合や、燃焼装置2の運転スイッチ投入後初回の着火時は、燃料の噴霧量が少なく、着火の安定性を確保するためには空気の供給量を減少させることが望ましい。従って、上記実施形態の燃焼装置2は、着火時における燃料の噴霧量を調整する代わりに、電磁ポンプ18の内圧、即ち燃焼要求の間隔(時間T)に応じて送風機11のファンの回転数を変更する構成としても着火の安定性を確保できる。さらに具体的には、燃焼装置2は、図5のステップ3,13,20でインジェクター弁25のデューティー比を調整する代わりに送風量を増減させる構成であってもよい。また、燃焼装置2は、図5のステップ3,13,20でインジェクター弁25のデューティー比を調整すると共に、着火動作を行うステップ5,15,22以前に、燃料の噴霧量に対して最適な送風量となるように送風機11の回転数を調整するステップを別途設ける構成としてもよい。なお、このように送風量を調整する場合、燃焼装置2は、上記実施形態における燃料の噴霧量の調整と同様に、ある一定の計時時間あるいは噴霧圧を境として送風量を多段に調整する構成であっても、計時時間あるいは噴霧圧に応じて送風量を適宜変更する構成であってもよい。
【0069】
本実施形態の燃焼装置2では、燃料噴射ノズル12における燃料の噴霧量を的確に調整すべく、インジェクター弁25を採用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、従来技術の燃焼装置において一般的に採用されている比例弁等を採用することも可能である。
【0070】
上記実施形態において、給湯装置1は、燃焼装置2と、湯水を加熱する熱交換器5とを有し、燃焼装置2において発生した高温の燃焼ガスを熱交換器5側に送ることによって水管9内の湯水を加熱するものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図6に示すようなものとすることが可能である。
【0071】
図6は、本発明の一実施形態である給湯装置70(湯水加熱装置)を示す模式図である。給湯装置70は、大別して本体部71と燃焼部72と消音器73により構成されている。
【0072】
本体部71は、大きく燃焼空間部75と貯留部76とに分かれている。燃焼部72と燃焼空間部75とは、貯留部76内に貯留される熱媒体を加熱する加熱手段77として機能する。本体部71は、全体形状が円筒形であり、2重構造となっており、その内部に湯水を貯留するための貯留部76が形成されている。貯留部76には、複数の燃焼ガス通路78が形成されている。燃焼ガス通路78は、貯留部76を軸方向に貫通する貫通孔である。
【0073】
燃焼部72には、上記実施形態におけるものと同一の燃焼装置2が採用されており、本体部71の下方に位置する燃焼空間部75に接続されている。燃焼装置2は、ノズル収納筒8と燃焼筒10と送風機11とを有し、燃焼筒10の開口端が燃焼空間部75側を向くように配置されている。
【0074】
一方、本体部71の上部には、消音器73が設けられている。消音器73は、内部がラビリンス構造となっており、燃焼音を低減させるものである。なお、図6において、消音器73のラビリンス構造は図示せず省略している。
【0075】
貯留部76には、上記第1実施形態の給湯装置1におけるのと同様の流水回路60が接続されている。即ち、貯留部76の入水口81には、外部から水を給水する給水回路61が接続され、貯留部76の出湯口83には、貯留部76において加熱された湯水が流出する給湯回路62が接続されている。
【0076】
上記した給湯装置1および給湯装置70は、共に上記した燃焼装置2を採用したものであるため、着火時における燃料の噴霧圧の高低にかかわらず着火動作を安定して行え、ススやタールの発生量も少ない。そのため、給湯装置1および給湯装置70は、例えば業務用の給湯装置のように着火と燃焼停止とを頻繁に行う条件下で使用されてもススやタールの発生が少なく、これらによる排気閉塞等の不具合が発生しない。
【0077】
【発明の効果】
請求項1,2に記載の発明によれば、着火時における燃料の噴霧圧の高低によらず着火状態が安定しており、着火動作に伴いススやタールがほとんど発生しない燃焼装置を提供できる。
【0078】
請求項1,2に記載の発明によれば、着火時における圧送手段の内圧と燃料の噴霧量とのバランスを適切に維持できるため、着火不良が起らない。
【0079】
請求項3に記載の発明によれば、着火時における燃料の噴霧量と空気の供給量とのバランスを最適化し、着火動作の安定性を向上すると共に、ススやタールの発生量を最小限に抑制できる。
【0080】
請求項4,5に記載の発明によれば、着火時における圧送手段の内圧が低い場合であっても着火動作を安定して行える。
【0081】
請求項1乃至5のいずれかに記載の発明によれば、噴霧圧検知手段によって着火時における燃料の噴霧圧を直接的あるいは間接的に検知することにより、着火動作の安定性を向上させることができる。
【0082】
請求項6に記載の発明によれば、着火と燃焼停止とを頻繁に行う条件下で使用されてもススやタールの発生が少なく、これらによる排気閉塞等の不具合が発生しない湯水加熱装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態である燃焼装置および給湯装置を示す正面図である。
【図2】 図1に示す燃焼装置の燃料流路図である。
【図3】 図1に示す燃焼装置が具備しているインジェクター弁を示す断面図である。
【図4】 図1に示す燃焼装置の作動原理図である。
【図5】 図1に示す燃焼装置の動作を示すフローチャート図である。
【図6】 図1に示す給湯装置の変形実施例を示す正面図である。
【図7】 従来技術の燃焼装置の燃料系統図である
【符号の説明】
1 給湯装置(湯水加熱装置)
2 燃焼装置
5 熱交換器(熱交換部)
9 水管
11 送風機(送風手段)
12 燃料噴射ノズル(噴霧手段)
13 燃料流路
16 燃料往路
17 燃料復路
18 電磁ポンプ(圧送手段)
22 温度センサ
25 インジェクター弁(間欠開閉弁)
40 制御手段(着火調整手段)
41 計時タイマー(計時手段)
72 燃焼部
76 貯留部
78 燃焼ガス通路

Claims (6)

  1. 燃料を噴霧する噴霧手段と、
    当該噴霧手段に燃料を圧送する圧送手段とを備え、
    前記噴霧手段から噴霧された燃料を燃焼する燃焼装置において、
    燃焼停止から着火までの時間を計時し、当該計時時間が所定時間以上である場合に、着火時における燃料の噴霧量を計時時間が所定時間未満である場合よりも少量となるように調整する着火調整手段を具備しており、
    前記着火調整手段は、燃料の噴霧圧が所定圧力未満である場合の着火時における燃料の噴霧量を、燃料の噴霧圧が所定圧力以上である場合よりも減少させることを特徴とする燃焼装置。
  2. 燃料を噴霧する噴霧手段と、
    当該噴霧手段に燃料を圧送する圧送手段とを備え、
    前記噴霧手段から噴霧された燃料を燃焼する燃焼装置において、
    着火時における燃料の噴霧量を複数段に調整可能な着火調整手段を具備し、
    当該着火調整手段は、燃焼停止から着火までの時間を計時し、当該計時時間が所定時間以上である場合に、着火時における燃料の噴霧量を計時時間が所定時間未満である場合よりも少量となるように調整し、
    燃料の噴霧圧が所定圧力未満である場合の着火時における燃料の噴霧量を、燃料の噴霧圧が所定圧力以上である場合よりも減少させることを特徴とする燃焼装置。
  3. 燃料の燃焼に必要な空気を導入する送風手段を備え、着火調整手段は、燃焼停止から着火までの時間を計時し、当該計時時間が所定時間以上である場合の送風量を計時時間が所定時間より短い場合の送風量よりも減少させることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃焼装置。
  4. 燃料を噴霧する噴霧手段と、
    当該噴霧手段に燃料を圧送する圧送手段と、
    燃料の燃焼に必要な空気を導入する送風手段とを備え、
    前記噴霧手段から噴霧された燃料を燃焼する燃焼装置において、
    燃焼停止から着火までの時間を計時し、当該計時時間が所定時間以上である場合の送風量を計時時間が所定時間より短い場合の送風量よりも減少させる着火調整手段を具備しており、
    前記着火調整手段は、燃料の噴霧圧が所定圧力未満である場合の着火時における燃料の噴霧量を、燃料の噴霧圧が所定圧力以上である場合よりも減少させることを特徴とする燃焼装置。
  5. 燃料を噴霧する噴霧手段と、
    当該噴霧手段に燃料を圧送する圧送手段と、
    燃料の燃焼に必要な空気を導入する送風手段とを備え、
    当該噴霧手段から噴霧された燃料を燃焼する燃焼装置において、
    着火時における燃料の噴霧量を複数段に調整可能な着火調整手段を具備し、
    当該着火調整手段は、燃焼停止から着火までの時間を計時し、当該計時時間が所定時間以上である場合の送風量を計時時間が所定時間より短い場合の送風量よりも減少させ、
    燃料の噴霧圧が所定圧力未満である場合の着火時における燃料の噴霧量を、燃料の噴霧圧が所定圧力以上である場合よりも減少させることを特徴とする燃焼装置。
  6. 燃焼部と、湯水を加熱する熱交換部とを有し、燃焼部において発生した燃焼ガスを熱交換部に送り、熱交換部で水を加熱する湯水加熱装置において、燃焼部には請求項1乃至5のいずれかに記載の燃焼装置が採用されていることを特徴とする湯水加熱装置。
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