JP4133988B2 - 高周波合成回路の電力制御方法 - Google Patents

高周波合成回路の電力制御方法 Download PDF

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Description

本発明は高周波合成回路の電力制御方法に関し、特に移動体通信に用いられる送信機において、異なる周波数の高周波信号を合成し、各々の周波数の送信出力制御を行う高周波合成回路の電力制御方法に関する。
一般に、移動体通信システムでは、無線基地局と該無線基地局の通信エリア内に位置する複数の移動端末局(携帯電話機や自動車電話等)との間で無線通信が行われ、各移動端末局に対して通話やデータ通信サービス等が提供される。
無線基地局と移動端末局間の通信方式には様々な方式があるが、周波数の異なる複数の電波(搬送波)を用い、各移動端末局に対して異なる周波数を割り当てて通信を行うマルチキャリア伝送方式が知られている。
このマルチキャリア伝送方式を採用する移動体通信システムの無線基地局は、送信装置に、各移動端末局へ送信する複数の周波数信号(変調波)を合成するための高周波合成回路を用いる。また、送信装置は、自局の通信エリア内で予め実施したフィールド試験結果等にもとづく設計値に等しいように、かつ各周波数信号のバランスがとれるように各々の送信電力を制御する必要がある。これは特に、送信電力過多は電波法に違反することになるからである。
従来の移動体通信に用いられる送信機は、異なる周波数(例えば、f1、f2)毎に検波器、制御器が必要なため回路規模が増大していた。
図5は従来の高周波合成回路を示すブロック図であり、周波数の異なる2つの周波数信号(周波数f1、f2)を合成する。
従来の高周波合成回路320は、増幅器105、106と、増幅器105、106で増幅された信号を合成する合成器109と、増幅器105の出力電力を測定する検波器107と、増幅器106の出力電力を測定する検波器108とを有している。
さらに、増幅器105の入力電力を減衰させる減衰器103と、増幅器106の入力電力を減衰させる減衰器104とを有している。さらにまた、検波器107の測定結果に基づいて減衰器103の減衰量を制御する制御器111と、検波器108の測定結果に基づいて減衰器104の減衰量を制御する制御器112とを有する構成である。
入力端子101を介して、周波数信号(周波数f1)が減衰器103に入力され、入力端子102を介して、周波数信号(周波数f2)が減衰器104に入力される。また、合成器109の出力信号は出力端子110を介して出力される。
検波器107は、増幅器105の出力信号を検波することで、出力電力に比例する電圧を制御器111に出力する。また、検波器108は、増幅器106の出力信号を検波することで、出力電力に比例する電圧を制御器112に出力する。
減衰器103は、制御器111からの制御信号にしたがって増幅器105の入力電力を減衰させる電圧制御型の可変減衰器である。減衰器104は、制御器112からの制御信号にしたがって増幅器106の入力電力を減衰させる電圧制御型の可変減衰器である。
合成器109は、入力される第1の周波数信号(周波数f1)及び第2の周波数信号(周波数f2)の電力をそれぞれ半減(入力電力の1/2)して出力する。合成器109には、周囲の環境変化(温度変化や経年変化)に対してロス(減衰量)が固定値で維持され、かつ周波数に対する変換偏差が少ない、例えばウイルキンソン型の高周波合成器が用いられる。
増幅器105及び増幅器106には、例えばMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:MOS型電界効果トランジスタ)を有する高周波増幅回路が用いられる。これらの増幅器は、その回路構成を工夫することである程度特性を改善できるが、通常、周囲の環境変化に応じて利得(ゲイン)が大きく変動する。従って、増幅器105及び増幅器106の利得変動によって合成器109の出力電力が変動し、高周波合成回路320を有する送信装置の送信電力も変動してしまう。
この送信電力変動を抑えるために高周波合成回路320は、増幅器105及び増幅器106の出力電力を検波器107及び検波器108を用いて測定する。その後、それらの値が所望の設計値に等しくなるように制御器111により減衰器103の減衰量を制御し、制御器112により減衰器104の減衰量を制御することで、高周波合成回路320からの総出力電力を所望の設計値に維持している。
また従来の高周波合成回路及び送信装置は、複数のキャリアを使用するマルチキャリア方式の多重無線装置において、制御回路は高出力増幅器の出力側の検波器出力電圧と可変減衰器入力側の合成器出力側の検波器出力電圧との比較から制御電圧を発生する。この制御電圧にもとづき、可変減衰器により減衰量を変化させ、合成器出力端から高出力増幅器出力端までの電力増幅部の利得が一定になるように制御している(例えば、特許文献1参照。)。
特開平3−254236号公報(第3頁、図1)
上述した従来の高周波合成回路及びこれを用いた電力検出方法、電力制御方法並びに送信システムは、各増幅器の出力電力をそれぞれ測定するための検波器が必要なので、より多くの移動端末局と無線基地局間の通信を実現する構成では検波器の数がさらに増えてしまうという欠点を有している。
また、検波器の増加に伴って制御器の数あるいは回路規模が増大するため、送信装置のコストが上昇するという欠点を有している。
さらにまた、高出力増幅器を使用しているためパッケージサイズの大型化や発熱量による放熱材が必要なため、回路規模が増大するという欠点を有している。
本発明の目的は、回路規模を低減し、かつ送信装置のコスト低減に寄与する高周波合成回路及びこれを用いた電力検出方法、電力制御方法並びに送信システムを提供することにある。
本発明の高周波合成回路電力制御方法は
第1の周波数信号電力と第2の周波数信号電力とを加算した周波数合成出力電力値Aを記憶する第1の記憶ステップと;
前記第2の周波数信号電力を1/m(m>1)に減衰し、前記周波数合成出力電力を検波して測定し、前記第1の周波数信号電力と前記第2の周波数信号電力の1/mとを加算した電力値Bを記憶する第2の記憶ステップと;
前記第2の周波数信号電力を、m×(電力値A−電力値B)の演算により測定する第1の電力値測定ステップと;
前記第1の周波数信号電力を、(電力値A−測定した第2の周波数信号電力)の演算により測定する第2の電力値測定ステップと;
測定した前記第1及び第2の周波数信号電力の値とこれらの周波数信号電力に対する所望の設計値とを比較する比較ステップと;
この比較ステップでの比較結果により、前記第1及び第2の周波数信号に対応する減衰量を各々制御する減衰制御ステップと;
を備えたことを特徴としている。
本発明の高周波合成回路及びこれを用いた電力検出方法、電力制御方法並びに送信システムは、周波数の異なる複数の周波数信号に対応する減衰量を制御し、これら減衰量を制御した周波数信号を合成し、この合成出力信号の検波出力により、周波数の異なる複数の周波数信号単位で減衰制御を行い、周波数の異なる複数の周波数信号毎の出力電力が測定できるので、検波器の数を削減することができる。従って、周波数合成回路の回路規模が低減され、高周波合成回路及びそれを備えた送信装置のコストを低減できるという効果を有している。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の送信システムの一つの実施の形態を示すシステムブロック図である。
なお、図1に示す送信システムは周波数の異なる2つの周波数信号(周波数f1、周波数f2)を合成して送信する構成であり、移動体通信システムの無線基地局に用いている例を示す。
図1に示す本実施の形態は、送信装置31と制御装置34とを備えている。
送信装置31は、周波数の異なる複数の周波数f1信号28および周波数f2信号29を生成し、出力端子25,26から出力する信号発生回路33を有している。さらに、信号発生回路33から供給された周波数f1信号28および周波数f2信号29をそれぞれ入力端子1、入力端子2から入力し、これら周波数信号を合成して出力端子10から出力する高周波合成回路32を有している。
また、制御装置34は、プロセッサ(CPU:Central Processing Unit,DSP:Digital Signal Processor)や論理回路等で構成された処理装置である。制御装置34は、高周波合成回路32の出力電力の調整を開始させるための電力調整指示信号27の送出および予め設定された障害発生時の処理(障害処理)等を含み、送信装置31全体の動作を制御する。
なお、高周波合成回路32の出力端子10から出力される合成後の周波数信号はアンテナ装置(図示せず)を介して各移動端末局へ向けて送信される。
図2は図1の送信装置の複数周波数信号を合成する高周波合成回路の一構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、高周波合成回路32は、電力増幅を行う複数の増幅器5a、増幅器5b、増幅器5nと、増幅器5a,5b,5nで増幅された信号を合成する合成器9とを有している。さらに、合成器9の出力電力を測定する検波器8と、増幅器5aの入力電力を減衰させる減衰器3aと、増幅器5bの入力電力を減衰させる減衰器3bと、増幅器5nの入力電力を減衰させる減衰器3nとを有している。さらにまた、検波器8の測定結果に基づいて減衰器3a,3b,3nの減衰量をそれぞれ制御する制御器12とを有している。
入力端子1を介して周波数f1信号28aが減衰器3aに入力され、入力端子2を介して周波数f2信号28bが減衰器3bに入力され、入力端子nを介して周波数fn信号28nが減衰器3nに入力される。減衰器3a,3b,3nは電圧制御型の可変減衰器であり、制御器12が出力する制御信号15aにしたがって増幅器5aへ入力する周波数f1信号28aの電力を減衰させる。同様に、減衰器3bは電圧制御型の可変減衰器であり、制御器12が出力する制御信号15bにしたがって増幅器5bへ入力する周波数f2信号28bの電力を減衰させる。さらに同様に、減衰器3nは電圧制御型の可変減衰器であり、制御器12が出力する制御信号15nにしたがって増幅器5nへ入力する周波数fi信号28nの電力を減衰させる。
また、合成器9は、入力される周波数f1信号28a、周波数f2信号28b、周波数fi信号28nの電力をそれぞれ合成して出力する。合成器9には、周囲の環境変化(温度変化や経年変化)に対してロス(減衰量)が固定値で維持され、かつ周波数に対する変換偏差が少ない、例えばウイルキンソン型の高周波合成器が用いられる。合成器9による合成後の出力信号は、出力端子10を介して出力される。
検波器8は、合成器9の出力信号を検波することで、出力電力に比例する電圧を検波出力14として制御器12に出力する。
増幅器5a,5b,5nには、例えばMOSFETを有する高周波増幅回路が用いられる。これらの増幅回路は、回路構成を工夫することである程度利得特性を改善できるが、通常、周囲の環境変化(例えば、温度変化、経年変化)に応じて利得(ゲイン)が大きく変動する。
図2では、複数の周波数fiの電力をPi、各々の周波数に対する減衰器の減衰量をCij、周波数合成器の出力電力を検波器にて測定した測定値をAjとすると、
Figure 0004133988
の行列方程式の関係を満たす。
減衰量を示すCijの行列要素を制御することで、個々の周波数電力Piを測定できる。これは行列Cijが正則条件を満たす場合、Piが求められるからである。
ここで一例として、制御器12の演算手順を、入力周波数f1,f2,f3・・・fiに対応してn=i個の減衰器、n=i個の増幅器について記す。
a.合成器9の出力電力を検波器8にて測定し、A1として記憶する。
(P1電力)+(P2電力)+(P3電力)+・・+(Pi電力)=A1
b.2番目の減衰器(i=2)にて2番目の増幅器(i=2)の入力電力を半減(1/2)し、合成器9の出力電力を検波器8にて測定し、A2として記憶する。
(P1電力)+(P2電力/2)+(P3電力)+・・+(Pi電力)=A2
c.同様に、3番目の減衰器(i=3)にて3番目の増幅器(i=3)の入力電力を半減し、合成器9の出力電力を検波器8にて測定し、A3として記憶する。
(P1電力)+(P2電力)+(P3電力/2)+・・+(Pi電力)=A3
d.以下同様に、i番目の減衰器(i=i)にてi番目の増幅器(i=i)の入力電力を半減し、合成器9の出力電力を検波器8にて測定し、Aiとして記憶する。
(P1電力)+(P2電力)+(P3電力)+・・+(Pi電力/2)=Ai
e.上述のa項〜d項の式はi行i列の方程式であり、P1電力、P2電力、P3電力、Pi電力について解が求まるので、P1電力、P2電力、P3電力、Pi電力を測定することができる。
f.P1電力、P2電力、P3電力、Pi電力の所望の設計値と測定値を比較する。比較結果により、i個の減衰器の減衰量を制御する。
増幅器5a,5b,5nの利得が変動すると、高周波合成回路32の出力電力が変動し、送信装置31の送信電力も変動することになる。
なお、上述のa〜e項で、入力電力を半減(1/2)した場合を説明しているが、必ずしも1/2に制限されるものではない。
図3は図2の高周波合成回路で、2周波数信号を合成する場合の高周波合成回路を示すブロック図である。
図3の高周波合成回路32は、電力増幅を行う増幅器5及び増幅器6と、増幅器5及び増幅器6で増幅された信号を合成する合成器9とを有している。さらに、合成器9の出力電力を測定する検波器8と、増幅器5の入力電力を減衰させる減衰器3と、増幅器6の入力電力を減衰させる減衰器4と、検波器8の測定結果にもとづいて減衰器3及び減衰器4の減衰量をそれぞれ制御する制御器12とを有している。
入力端子1を介して周波数f1信号28が減衰器3に入力され、入力端子2を介して周波数f2信号29が減衰器4に入力される。減衰器3は電圧制御型の可変減衰器であり、制御器12が出力する制御信号15にしたがって増幅器5へ入力する周波数f1信号28の電力P1を減衰させる。同様に、減衰器4は電圧制御型の可変減衰器であり、制御器12が出力する制御信号16にしたがって増幅器6へ入力する周波数f2信号29の電力P2を減衰させる。合成器9は、入力される周波数f1信号28の電力P1及び周波数f2信号29の電力P2をそれぞれ合成して出力する。合成器9による合成後の出力信号は、出力端子10を介して出力される。検波器8は、合成器9の出力信号を検波することで、出力電力に比例する電圧を検波出力として制御器12に出力する。
図4は図1の送信装置の信号発生回路の一構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、信号発生回路33は、送信装置31の運用に必要な周波数の異なる周波数f1信号28、周波数f2信号29を生成するベースバンド器21を有している。また、図3の高周波合成回路32に対する周波数f1信号28および周波数f2信号29の出力/停止をそれぞれ制御するオンオフ制御器24を有している。さらにオンオフ制御器24からの制御信号41にしたがって図3の高周波合成回路32へ周波数f1信号28を供給する切替器22を有している。さらにまた、オンオフ制御器24からの制御信号42にしたがって高周波合成回路32へ周波数f2信号29を供給する切替器23を有している。
次に、2周波数の場合を想定しn=i=2として、図1、図3および図4を用いて具体的な数値例により、本実施の形態の動作をより詳細に説明する。
以下では、高周波合成回路32の周波数f1信号28の出力電力(設計値)P1が10.0Wであり、周波数f2信号29の出力電力(設計値)P2が20.0Wとして説明する。
電力調整指示信号27が制御装置34から送信装置31の信号発生回路33に送信されると、まず信号発生回路33はオンオフ制御器24により切替器22及び切替器23を動作させる。オンオフ制御器24は切替器22及び切替器23をそれぞれ制御信号41、42により周波数信号がスルーに出力されるように設定して、周波数f1信号28及び周波数f2信号29を高周波合成回路32に出力する。
高周波合成回路32の制御器12は、合成器9の出力信号を検波器8により検波し、合成器9の出力電力を測定する。ここでは、増幅器5及び増幅器6の利得がそれぞれ変動することで出力電力の測定値が30.0Wであったとする。制御器12は、この値を記憶(仮に、”メモリ1”と記す)する。
続いて、制御器12は、減衰器4に対して現時点の減衰量より3dB多く減衰させる。制御器12は、再び合成器9の出力信号を検波器8により検波し、合成器9の出力電力を測定する。ここでは、出力電力の測定値が21.0Wであったとする。制御器12は、この値を記憶(仮に、”メモリ2”と記す)する。
制御器12は、これらの値により(1)式から、周波数f1信号28の電力P1及び周波数f2信号29の電力P2を測定する。所定の演算により、メモリ1およびメモリ2の値は次の値になる。
・(P1電力)+(P2電力)=メモリ1=30.0W
・(P1電力)+(P2電力/2)=メモリ2=21.0W
すなわち、(1)式から(2)式の行列方程式が得られ、[Cij]は正則条件を満たすので、P1,P2の値が求められる。
Figure 0004133988
(2)式より、P2電力およびP1電力は下記の通り、各々の現在の電力が測定される。
・P2電力=2×(メモリ1−メモリ2)=2×9.0=18.0W
・P1電力=メモリ1−P2電力=30.0−18.0=12.0W
制御器12は、測定値が所望の設計値と一致するように減衰器3及び減衰器4の減衰量を制御する。周波数f1に対して所望の設計値は10.0Wであり、周波数f2に対して所望の設計値は20.0Wなので、
・P1電力=12.0W−10.0W となる。
従って、周波数f1は、設計値よりも2W高く出力されている。
また、f2に対しては、
・P2電力=18.0W−20.0W となる。
よって、周波数f2は、設計値よりも2W低く出力されている。
従って、制御器12は、制御信号15により減衰器3に対して、現在の減衰量よりも2W多く減衰させる。また、制御器12は、制御信号16により減衰器4に対して、現在の減衰量よりも2W少なく減衰させることになる。つまり減衰量を2Wアップさせる。
なお、減衰器3、減衰器4は、増幅器等の想定されるゲイン変動を考慮して基準減衰量を設定し、この基準減衰量に対して加減衰制御することもできる。
以上の動作により、高周波合成回路32の周波数f1信号28の出力電力P1および周波数f2信号29の出力電力P2を所望の設計値に設定できることになる。
上述の具体例の演算手順をまとめると下記a〜fのようになる。
a.合成器9の出力電力を検波器8にて測定し、メモリ1として記憶する。
(P1電力)+(P2電力)=メモリ1・・・A
b.減衰器4にて増幅器6の入力電力を半減し、合成器9の出力電力を検波器8にて測定し、メモリ2として記憶する。
(P1電力)+(P2電力/2)=メモリ2・・・B
c.P2電力を測定する。
P2電力=2×(A−B)=2×(メモリ1−メモリ2)
d.P1電力を測定する。
P1電力=メモリ1−P2電力
e.所望の設計値と測定値を比較する。
f.比較結果により、減衰器3及び減衰器4の減衰量を制御する。
なお、b項の操作は減衰器3にて増幅器5の入力電力を半減してもよい。
増幅器5及び増幅器6の利得が変動すると、高周波合成回路32の出力電力が変動し、送信装置31の送信電力も変動することになる。
なお、減衰器の減衰量を1/2(3dBの減衰)に設定したが、これに限定されるものでなく、任意の減衰量あるいは任意の増加量でも同様である。
上述の通り、本発明の高周波合成回路及びこれを用いた電力検出方法、電力制御方法並びに送信システムは、制御器により複数の周波数に対応する減衰器を2段階に制御して各々の検波電力を計算する。すなわち、第1段階で検波器を用いて合成器の出力電力を測定して記憶する。
第2段階で2番目の減衰器を3dB減衰させ、検波器を用いて合成器の出力電力を測定して記憶し、逐次残りの減衰器を3dB減衰させ、検波器を用いて合成器の出力電力を測定して記憶する。第1および第2段階の各々の測定値を用いて演算を実行する。この演算により、周波数の異なる複数の周波数信号毎の出力電力を測定できるので、検波器の数を減らすことができる。従って、周波数合成回路の回路規模が低減され、高周波合成回路及びそれを備えた送信装置のコストを低減できる効果を有している。
本発明は、携帯、自動車等の移動体を対象とする移動体通信基地局送信機に利用可能である。
本発明の送信システムの一つの実施の形態を示すシステムブロック図である。 図1の送信装置の複数周波数信号を合成る高周波合成回路の一構成例を示すブロック図である。 図2の高周波合成回路で2周波数の信号を合成する場合の高周波合成回路を示すブロック図である。 図1の送信装置の信号発生回路の一構成例を示すブロック図である。 従来の高周波合成回路を示すブロック図である。
符号の説明
1,2,n 入力端子
3,3a,3b,3n 減衰器
4 減衰器
5,5a,5b,5n 増幅器
6 増幅器
8 検波器
9 合成器
10 出力端子
12 制御器
14 検波出力
15,15a,15b,15n 制御信号
16 制御信号
21 ベースバンド器
22,23 切替器
24 オンオフ制御器
25,26 出力端子
27 電力調整指示信号
28,28a 周波数f1信号
28b 周波数f2信号
28n 周波数fn信号
29 周波数f2信号
31 送信装置
32 高周波合成回路
33 信号発生回路
34 制御装置
41 制御信号
42 制御信号
101,102 入力端子
103,104 減衰器
105,106 増幅器
107,108 検波器
109 合成器
110 出力端子
111,112 制御器

Claims (1)

  1. 第1の周波数信号電力と第2の周波数信号電力とを加算した周波数合成出力電力値Aを記憶する第1の記憶ステップと;
    前記第2の周波数信号電力を1/m(m>1)に減衰し、前記周波数合成出力電力を検波して測定し、前記第1の周波数信号電力と前記第2の周波数信号電力の1/mとを加算した電力値Bを記憶する第2の記憶ステップと;
    前記第2の周波数信号電力を、m×(電力値A−電力値B)の演算により測定する第1の電力値測定ステップと;
    前記第1の周波数信号電力を、(電力値A−測定した第2の周波数信号電力)の演算により測定する第2の電力値測定ステップと;
    測定した前記第1及び第2の周波数信号電力の値とこれらの周波数信号電力に対する所望の設計値とを比較する比較ステップと;
    この比較ステップでの比較結果により、前記第1及び第2の周波数信号に対応する減衰量を各々制御する減衰制御ステップと;
    を備えたことを特徴とする高周波合成回路の電力制御方法。
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