JP4133821B2 - コントロールセンタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力用プラント等に使用されるモータの起動制御・保護などを行う配電盤としてのコントロールセンタに関するものであり、特に複数の制御ユニットを収納するコントロールセンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コントロールセンタは、電力用プラント等に使用されモータや照明等の設備機器と各々電線でつながれ、各設備機器に電力を配電するとともに設備機器の制御をするものである。このコントロールセンタ内には、一般に、各設備機器と各々電線でつながる制御ユニットと、この制御ユニットに電力を供給する母線とが収納されている。
【0003】
制御ユニットは、上述の設備機器を制御するためにブレーカーあるいはヒューズスイッチ、更にリレー、スイッチ等が内蔵され、ユニット単位で構成されている。制御ユニットは、母線からの電力を設備機器に配電するとともに、外部から入力される制御信号又は、外部からの手動操作に基づいてこの配電をコントロールする。また、制御ユニットは、ブレーカーあるいはヒューズによって事故電流から設備機器を保護する。
【0004】
ユニット単位で構成された複数の制御ユニットを有するコントロールセンタとして、例えば、特開昭58−33908号公報に記載されたものが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようする課題】
しかしながら、このコントロールセンタにおいては、各制御ユニットが盤に向かって左右方向に幅が広い。そのため、コントロールセンタが非常に大型である。
【0006】
これに対して、近年、コントロールセンタの小型・集約化を図るために、一つのコントロールセンタに多くの制御ユニットを高密度に実装することが求められている。
【0007】
この発明は上述の問題点を解消するためになされたもので、高密度実装を適切に実現できるコントロールセンタを得ようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明のコントロールセンタは、盤の前面に開口部を有し奥行き方向に長尺の複数の単位制御ユニットを多段多列整列して又前方に引出可能に収納するユニット室を有し、ユニット室の後部に単位制御ユニットの主回路を外部主回路に接続する主回路接続部を有するコントロールセンタにおいて、複数の単位制御ユニットのそれぞれは、底面部、片側の側面を覆う側面部、及び上部の一側に形成された細板部で構成されるユニットベースと、前面を覆う前面板とを備え、主回路接続部には、主回路を電源側及び負荷側外部主回路に接続する主回路コネクタ及び制御回路を外部回路に接続する制御回路コネクタが取り付けられ、側面部には、前面板を貫通する操作ハンドルを有する遮断装置と制御動作を行う電磁開閉器とが取り付けられ、棚板で段方向に区分けされた複数のユニット室に単位制御ユニット間を仕切る仕切板を設け、仕切板で仕切られたユニット室内に単位制御ユニットを複数台並置して一列を構成し、制御ユニットの奥行方向に操作ハンドル,遮断装置,電磁開閉器,主回路コネクタを順に並べて配置し、制御回路コネクタを主回路コネクタの下部に並べて配置し、細板部及び仕切板は、単位制御ユニットを出し入れする際のガイドとして機能する。
【0009】
また、主回路コネクタは、各相端子が上下方向になるように電源側,負荷側のコネクタが並べて配置されている。
【0010】
また、主回路コネクタは、各相端子が水平方向になるように電源側,負荷側のコネクタが並べて配置されている。
【0011】
また、制御回路コネクタは、制御ユニットの主回路接続位置および試験位置で外部回路に接続可としている。
【0012】
また、遮断装置は、ヒューズスイッチを使用している。
【0013】
さらに、遮断装置は、ノーヒューズブレーカを使用している。
【0014】
【発明の実施の形態】
実施例1.
図1はこの発明のコントロールセンタ(配電盤)の一実施例を示す正面図である。図2はコントロールセンタ(配電盤)の斜視図である。図1及び図2において、概略矩形箱状のコントロールセンタ(配電盤)1の内部には、複数の制御ユニット3が縦横碁盤目状に規則正しく配列されて収納されている。本実施例のコントロールセンタ1においては、水平方向に4列、縦方向に10段、全体で40個の制御ユニット3が収納されている。
【0015】
図3は図1及び図2のIII-III線に沿う矢視断面図である。図4は図1のIV-IV線に沿う矢視断面図である。図5は図4の一部を拡大して示す要部図である。図3から図5において、水平方向に4個並べられた制御ユニット3の背面側に、概略薄幅箱状の電源分配器4が配設されている。電源分配器4は、各段に並設された4個の制御ユニット3に対して1個が設けられている。すなわち、電源分配器4は、制御ユニット3の1段に1個が設けられている。電源分配器4は後で述べるようにこの4個の制御ユニット3に電力を分配する働きをする。
【0016】
電源分配器4には、後で詳しく述べる吸気口4a、及び排気口4b,4cが形成されている。
【0017】
電源分配器4のさらに裏面に、コントロールセンタ1の高さ方向全体にわたって母線室5が形成されている。母線室5内には、電源分配器4に電力を供給する垂直分岐母線(母線)16が上下方向に延設されている。垂直分岐母線16は、外部からコントロールセンタ1の内部に3相4極の電力を供給する。垂直分岐母線16は、3相及び中性相の4本の導体からなり、3本の導体は断面L字型を成し、1本の導体は断面I字型を成している。母線室5は内部に通風空間を有している。
【0018】
一方、制御ユニット3及び電源分配器4の側方には、コントロールセンタ1の高さ方向全体にわたって配線室6が形成されている。配線室6には、制御ユニット3から外部の設備機器に延びる図示しない配線が収納されている。配線室6は内部に通風空間を有している。
【0019】
図6は1個の制御ユニット3を示す斜視図である。図7は制御ユニット3を背後から見た斜視図である。1個の制御ユニット3はコントロールセンタ1の奥行き方向に長尺の概略直方体の形状を成している。制御ユニット3は、前面を覆う前面板31、底面及び片側の側面を覆うユニットベース32、及び裏面を覆う主回路コネクタ取付金具38,制御回路コネクタ取付金具40を有している。ユニットベース32は、上部の一側に形成された細板部32aと片側の側面を全面にわたって覆う側面部32bとを有している。制御ユニット3の上面及びユニットベース32と反対側の側面は密閉されておらず大きく開口している。これは、制御ユニット3組立時の作業性を向上するものである。
【0020】
制御ユニット3は、外部の設備機器を制御するために内部に種々の機器を搭載している。すなわち、まず前部にヒューズスイッチまたはノーヒューズブレーカからなる遮断装置34を搭載している。そして後部に電磁開閉器35を搭載している。なお、電磁開閉器35は、詳細には電磁接触器35aとサーマルリレー35bとから構成されている。
【0021】
制御ユニット3の前面には、遮断装置34のオン/オフを切り換える操作ハンドル33が設けられている。操作ハンドル33は、前面板31を貫通して遮断装置34と接続されており、軸を中心に左右に回転させることにより遮断装置34のオン/オフを切り換える。
【0022】
一方、制御ユニット3の後部においては、まず上側に設けられた主回路コネクタ取付金具38に、電源側主回路コネクタ(ユニット側電源グリップ)36と負荷側主回路コネクタ(ユニット側負荷グリップ)37が上下方向に平行に並べて設けられている。さらに、下側に設けられた制御回路コネクタ取付金具40には、ユニット側制御回路コネクタ39が水平に設けられている。
【0023】
図8はコントロールセンタ1から制御ユニット3を全て取り外しさらに配線室6の扉を外した状態を示す斜視図である。図9は制御ユニット3を取り外した一つのユニット室2を示す断面図である。コントロールセンタ1には、棚板1aで区分けされた複数のユニット室2が上下方向に複数段形成されている。各段に設けられたユニット室2は、後で述べる仕切板で仕切られて制御ユニット3を各々4個収納する部屋を形成する。
【0024】
図10はユニット室2を形成する棚板1aの斜視図である。図11は棚板1aの上面図である。図12はユニット室2を仕切る仕切板1bの斜視図である。図13は仕切板1bの正面図である。図14は仕切板1bの側面図である。棚板1aには奥行き方向に延びる4組のスリット1a1が穿孔されている。仕切板1bは、このスリット1a1に下部に形成された突部1b1を差し込まれて立設される。仕切板1bは、各段の棚板1aに各々4枚が立設され、各段のユニット室2を4個の部屋に仕切る。仕切板1bは、概略断面Γ(ガンマ)状を成し、側面板1b2と、側面板1b2の上部から水平に折り曲げられてなる水平部1b3と、水平部1b3からさらに下方に折り曲げられた幅の狭いガイド部1b4とを有する。
【0025】
奥行き方向に長尺の概略直方体の制御ユニット3は、仕切板1bで仕切られた奥行き方向に長尺の概略直方体の空間に収納される。そして、前面開口部方向に引き出しのように引き出せる構造とされている。上述のガイド部1b4は、後で述べるように制御ユニット3を出し入れする際にガイドの働きをする。
【0026】
図15は制御ユニット3と電源分配器4が接続されている様子を示す斜視図である。電源分配器4には4個の制御ユニット3が接続可能であるが、図15では解り易いように両端に各々1個の制御ユニット3が接続されている。電源分配器4は接続された複数の制御ユニット3に電力を供給する。本実施例の電源分配器4は、横方向に並設された4つの制御ユニット3に対して1個が設けられ、厚さの薄い直方体状の筐体を有し、対応する4つの制御ユニット3の裏面を幅広面で覆うように制御ユニット3に隣接して配設されている。電源分配器4は、各段のユニット室2の後ろに1個が設けられており、すなわち、上下方向に複数個が並べて設けられており、全体で碁盤目状に配列された制御ユニット3群の裏面を覆うように配設されている。
【0027】
図4や図5に示されるように、電源分配器4群の後ろ側に母線室5が設けられている。母線室5はコントロールセンタ1の上下方向にコントロールセンタ1の高さ方向全体にわたって形成されている。母線室5内には、電源分配器4に電力を供給する垂直分岐母線16が収納されている。
【0028】
図16は電源分配器4の斜視図である。図16に示されるように、電源分配器4の前面、すなわち、制御ユニット3側には、制御ユニット3で加熱された空気を吸入するスリット状の吸気口4aが設けられている。一方、電源分配器4の裏面、すなわち、母線室5側には、制御ユニット3からの熱気を排出するスリット状の排気口4bが設けられている。そして、電源分配器4の内部には、制御ユニット3からの熱気を流通させる通風空間が空いている。
【0029】
そして、電源分配器4群の後ろに設けられた母線室5には、上下方向に延びる通風空間が空いている。さらに母線室5の上方には図示しない排気口が設けられている。そして、制御ユニット3からの熱気は、電源分配器4及び母線室5を経由して外部に排出される。すなわち、母線室5は、電源分配器4を介して移動した熱気を外部に排出する排気室の働きをしている。
【0030】
このように構成されたコントロールセンタ1においては、ユニット室2の前面開口部から流入した空気は、制御ユニット3で暖められ、電源分配器4及び排気室としての母線室5を通って外部に流れる。すなわち、電源分配器4を熱気を逃がす通風路として活用することができる。このようなことから、本実施例のコントロールセンタ1は、多くの制御ユニット3を高密度に実装することができ、且つ、特別な通風構造を設けることなく制御ユニット3からの熱気を外部に排出することができる。
【0031】
図17はコントロールセンタ1内部の制御ユニット3の側面部分を一部拡大して示す要部斜視図である。制御ユニット3群及び電源分配器4群の側面側に配線室6が形成されている。配線室6は制御ユニット3と外部の設備機器とをつなぐ配線を収納しコントロールセンタ1の上下方向全長にわたって形成された空間である。配線室6の内部には、制御ユニット3からの熱気を流通させる十分な通風空間が空いている。
【0032】
電源分配器4の前面、すなわち、制御ユニット3側には、上述のように制御ユニット3で加熱された空気を吸入するスリット状の吸気口4aが設けられている。一方、電源分配器4の側面、すなわち、配線室6側は、全面にわたって開口されており、この開口は制御ユニット3からの熱気を排出する排気口4cを形成している。そして、配線室6の内部には、制御ユニット3からの熱気を流通させる通風空間が空いている。この通風空間は、コントロールセンタ1の上下方向に延び、配線室6の上方には図示しない排気口が設けられている。制御ユニット3からの熱気は、電源分配器4及び配線室6を経由して外部に排出される。すなわち、配線室6は、電源分配器4を介して移動した熱気を外部に排出する排気室の働きをしている。
【0033】
このように構成されたコントロールセンタにおいては、ユニット室2の前面開口部から流入した空気は、制御ユニット3で暖められ、電源分配器4及び排気室としての配線室6を通って外部に流れる。すなわち、電源分配器4を熱気を逃がす通風路として活用することができる。このようなことから、多くの制御ユニット3を高密度に実装することができ、且つ、特別な通風構造を設けることなく制御ユニット3からの熱気を外部に排出することができるコントロールセンタを得ることができる。
【0034】
一方、電源分配器4の側面に形成された排気口4cは、電源分配器4の内部で発生するアーク放出用の開口を兼ねている。すなわち、図17に示されるように吸気口4a及び排気口4cが設けられた部分である電源分配器4の上部に形成された部屋は、いずれの機器も設けられていない全くの空間とされている。そして、この空間は排気専用に特別に設けられたものである。そのため、制御ユニット3の事故で発生する例えばアークガスをこの経路にて容易に放出することができ、母線室5内に収納された母線へ影響が及ぶ心配が無く、ユニット室2内で発生した事故の拡大を防止することができる。
【0035】
図18は電源分配器4と垂直分岐母線16との接続の様子を示す断面図である。図19は盤内の主な構成要素を示す分解斜視図である。電源分配器4のさらに後ろ側には、外部の母線に接続されコントロールセンタ1内にほぼ垂直に延設された4本の垂直分岐母線16が設けられている。垂直分岐母線16は、導電材料で作製され断面L字状または断面I字状を成し一側の幅広面を互いに対向するようにして上下方向に1列に整列して並設されている。この4本の垂直分岐母線16は、上下方向に並設された複数の電源分配器4の後ろ側でコントロールセンタ1の高さ方向にほぼ全長にわたって垂直に延設されている。この4本の垂直分岐母線16は、コントロールセンタ1内に3相4極の電力を供給している。
【0036】
図20は電源分配器4の上面図である。図21は電源分配器4の右側面図である。図22は電源分配器4の構成部品を示す分解斜視図である。図23は電源分配器4の内部を詳細に示す斜視図である。図24は電源分配器4の内部の分岐導体の引き回しの様子を示す正面図である。図25は図24のXXV-XXV線に沿う矢視断面図である。図26は分岐導体8及び分配導体9の構造を示す分解斜視図である。
【0037】
図20から図26において、電源分配器4は、概略薄幅箱状の直方体を成し、前面である制御ユニット3側に平板状の前面パネル4d、裏面である垂直分岐母線16側に後部パネル4eを有している。そして、電源分配器4の裏面には、母線係合手段として4対の共通電源グリップ7が垂直分岐母線16側に延びるように立設されている。
【0038】
4対の共通電源グリップ7は、各々4本の垂直分岐母線16に対応する位置に設けられている。共通電源グリップ7は、対向する2個の端子7a,7bを有し、この2個の端子7a,7bで4本の垂直分岐母線16を挟んで所謂クリップ接続をする。2個の端子7a,7bは、所定の間隔を有してほぼ並行に設けられており、先端部内側には若干の面取りが施されており、また先端部および対向する内側部には一段低くなった段差が形成されている。そして、2個の端子7a,7bは、立設方向に移動されながら、すなわち、コントロールセンタ1の奥行き方向に移動されながら、垂直分岐母線16を挟み込んで垂直分岐母線16と接続される。
【0039】
電源分配器4をコントロールセンタ1に載置する際には、電源分配器4を垂直分岐母線16に向けて共通電源グリップ7の立設方向に移動させることにより、共通電源グリップ7が垂直分岐母線16を挟み込み、共通電源グリップ7と垂直分岐母線16とが接続される。
【0040】
次に、電源分配器4の内部の説明をする。図23に良く示されるように4本の分岐導体8は、一端8aをボルト8cで締着されてそれぞれ共通電源グリップ7に電気的に接続されている。そして、4本の分岐導体8は、それぞれ電源分配器4内を引き回されて、他端8bを4本の分配導体9に接続されている。4本の分配導体9は、電源分配器4内で水平方向に平行に配置されている。4本の分配導体9には、電源側主回路係合手段としてそれぞれ4個の分配器側電源グリップタブ10が所定の位置に設けられている。各々の分配器側電源グリップタブ10は、制御ユニット3側に突出する平板状部を有している。それぞれの分配器側電源グリップタブ10は、各々制御ユニット3に対応する位置において、平板状部が同一平面内に位置するように上下方向に1列に整列させて配設されている。分配器側電源グリップタブ10は、一側を分配導体9に接続され、他側を後で述べる制御ユニット3のユニット側電源グリップ36に挟み込まれて所謂グリップ接続され制御ユニット3に対して垂直分岐母線16からの電力を供給する。
【0041】
電源分配器4のそれぞれの制御ユニット3に対応した位置には、さらに負荷側主回路係合手段として分配器側負荷グリップ端子台11が設けられている。分配器側負荷グリップ端子台11は、上下方向に整列して設けられた4個の接続係合子11aを有している。この4個の接続係合子11aは、後で述べる制御ユニット3のユニット側負荷グリップ37に挟み込まれて所謂グリップ接続され制御ユニット3からの配電を外部に出力する。分配器側負荷グリップ端子台11には、さらに4個の接続係合子に対応するネジ止め部11bが設けられている。このネジ止め部11bには、図示しない外部ケーブル端子台を介して設備機器から延びる電線が接続される。
【0042】
電源分配器4のそれぞれの制御ユニット3に対応した位置には、さらに分配器側制御回路コネクタ12とが設けられている。分配器側制御回路コネクタ12は、直線状に延びる断面凸と凹の2個のコネクタでなり、後で述べる制御ユニット3のユニット側制御回路コネクタ39と係合接続され制御ユニット3に制御信号を供給及び外部に出力する。分配器側制御回路コネクタ12には、図示しない外部ケーブル端子台を介して制御盤からの制御信号線が接続される。
【0043】
図16に戻り、上述の電源分配器4の分配器側電源グリップタブ10、分配器側負荷グリップ端子台11及び分配器側制御回路コネクタ12は、すべて前面パネル4dにほぼ面一となるように設けられている。さらに詳細には、分配器側電源グリップタブ10と分配器側負荷グリップ端子台11とは、前面パネル4dに穿孔されたスリット状の穴から覗いている。また、分配器側制御回路コネクタ12は、前面パネル4dに突設されている。
【0044】
次に、電源分配器4の前面パネル4dに対向する制御ユニット3の裏面の構造を説明する。図7に示されるように制御ユニット3の裏面には、電源分配器4の分配器側電源グリップタブ10に対応した位置に、電源側主回路コネクタ(ユニット側電源グリップ)36が突設されている。また、分配器側負荷グリップ端子台11に対応した位置に、負荷側主回路コネクタ(ユニット側負荷グリップ)37が突設されている。
【0045】
ユニット側電源グリップ36及びユニット側負荷グリップ37は、それぞれ上下方向に整列して設けられた4個のグリップ接続端子を有している。このグリップ接続端子は、対向する2つのはさみ状の端子から成り、この対向する2つの端子は先端部において間隔が広げられている。この対向する端子は、立設方向に移動されると対向する分配器側電源グリップタブ10及び分配器側負荷グリップ端子台11の接続係合子11aを挟み込んでこれらと接続される。
【0046】
さらに電源分配器4の分配器側制御回路コネクタ12に対応した位置に、ユニット側制御回路コネクタ39が突設されている。ユニット側制御回路コネクタ39は、直線状に延びる断面凸と凹の2個のコネクタでなり、分配器側制御回路コネクタ12と係合接続する。
【0047】
上述したように、仕切板1bは概略断面Γ(ガンマ)状を成し、水平に折り曲げられた水平部1b3からさらに下方に折り曲げられた幅の狭いガイド部1b4を有ている。そして、仕切板1bは制御ユニット3の細板部32aと側面部32bとを包み込むように立設される。そして、仕切板1bの上部において水平部1b3とガイド部1b4とから形成される下方に開口を有する断面コ字のガイド部は、細板部32aに対して細板部32aが制御ユニット3の出し入れ方向に移動可能なように微少な間隙を有してこれに係合する。そして、制御ユニット3は、棚板1a上に載置される際にこの仕切板1bにガイドされて所定の精度をもってコントロールセンタ1に挿入される。そのため、制御ユニット3に設けられたユニット側電源グリップ36、ユニット側負荷グリップ37及びユニット側制御回路コネクタ39は、それぞれ、電源分配器4に設けられた分配器側電源グリップタブ10、分配器側負荷グリップ端子台11及び分配器側制御回路コネクタ12に良好に係合することができる。このように、ユニットベース32の細板部32aと仕切板1bは、制御ユニット3を電源分配器4に対して進退動方向に案内する案内手段を構成している。
【0048】
このような構成のコントロールセンタにおいては、垂直分岐母線16から供給された電力は、電源分配器4で分配されて複数の制御ユニット3に供給される。制御ユニット3は、供給された電力をユニット側制御回路コネクタ39に入力された制御信号あるいは外部からの手動操作に基づいて制御してユニット側負荷グリップ37に出力する。ユニット側負荷グリップ37に出力された電力は、分配器側負荷グリップ端子台11を介して外部の設備機器に配電されこれを駆動する。
【0049】
このように、本実施例の電源分配器4においては、一側を分岐導体8に接続され他側を制御ユニット3のユニット側電源グリップ36に挟み込まれてグリップ接続され制御ユニット3に垂直分岐母線16からの電力を供給する分配器側電源グリップタブ10と、制御ユニット3のユニット側負荷グリップ37に挟み込まれてグリップ接続され制御ユニット3からの配電を外部に出力する分配器側負荷グリップ端子台11と、制御ユニット3のユニット側制御回路コネクタ39と接続され制御ユニット3に制御信号を供給及び外部に出力する分配器側制御回路コネクタ12とを有しているので、制御ユニット3の追加・変更をする際に、制御ユニット3を電源分配器4に対して進退動させて接続・離間させることができ、垂直分岐母線16を停電することなしに制御ユニット3の追加・変更をすることができる。
【0050】
また、電源分配器4においては、制御ユニット3に対応する複数の分配器側電源グリップタブ10、分配器側負荷グリップ端子台11及び分配器側制御回路コネクタ12が設けられており、これらは、前面パネル4dにほぼ面一に設けられている。そのため、コントロールセンタ1内において、1段に複数台の制御ユニット3を並設して収納できるようにし収納効率を向上させることができる。
図27は1つの制御ユニット3を試験位置に引き出した状態を示す断面図である。図28は制御ユニット3が接続位置であることを示す図27のXXVIII-XXVIII線に沿う矢視断面図である。図29は制御ユニット3が試験位置であることを示す図27のXXVIIII-XXVIIII線に沿う矢視断面図である。
【0051】
制御ユニット3は各制御ユニット3の下部に配設された棚板1aの上面を前後方向に移動し、各相端子が上下方向になるように主回路コネクタ取付金具38に取付けられた電源側主回路コネクタ36と負荷側主回路コネクタ37によって、電源分配器4と接続され垂直分岐母線16から主回路電源の供給を受けることができる。
【0052】
さらに、制御ユニット3が棚板1a上を前方に移動し、主回路コネクタ36,37を電源分配器4より引き出し主回路が断路状態にある時においても、制御ユニット側制御回路コネクタ39を取付ける制御回路コネクタ取付金具40が制御ユニットベース32上を前後方向にスライドし、分配器側制御回路コネクタ12から分離しないようにした試験位置状態を得ることができる。
【0053】
ここで、主回路コネクタ36,37は、図7に示すように、各相端子が上下方向になるように、電源側主回路コネクタ36の各相端子と負荷側主回路コネクタ37の各相端子とが並べて配置されている。
【0054】
この構成により、比較的小さな占有空間で主回路コネクタ36,37の配置が可能となり、高密度実装を的確に実現することができる。
【0055】
また、この主回路コネクタ36,37については、各相端子が水平左右方向になるように、電源側主回路コネクタ36の各相端子と負荷側主回路コネクタ37の各相端子とを並べて配置されるようにしてもよい。
【0056】
この構成によっても、比較的小さな占有空間で主回路コネクタ36,37の配置が可能となり、高密度実装を的確に実現することができる。
【0057】
以上のように、この発明による実施例では、制御ユニット3の前後方向に遮断装置34,電磁開閉器35を並べて配置し、制御ユニット3後面に電源側主回路コネクタ36,負荷側主回路コネクタ37,制御ユニット側制御回路コネクタ39を配置することにより高密度実装を可能にし、かつ概略L字形に成形された制御ユニットベース32を使用することにより、制御ユニット3組立時の作業性向上が得られるとともに、主回路断路状態においても制御回路のみの操作が可能な試験位置状態を得ることにより、外部からの電源供給を必要とせず、試験時において作業効率向上の効果が得られる。
【0058】
この発明による実施例によれば、盤の前面に開口部を有し制御ユニット3を前方に引き出し可能に装着する複数のユニット室2の後部に電源分配器4の構成要素として設けられ制御ユニット3の主回路を母線16からなる外部主回路に接続する主回路接続部を有するコントロールセンタ1において、操作ハンドル33を有するヒューズスイッチまたはノーヒューズブレーカからなる遮断装置34と、制御動作を行うための電磁開閉器35と、制御ユニット3の主回路を電源側および負荷側外部主回路に接続するための主回路コネクタ36,37と、制御ユニット3の制御回路をモータ制御回路等の外部回路に接続するための制御回路コネクタ39とを備え、制御ユニット3の前後方向に前記操作ハンドル33,遮断装置34,電磁開閉器35,主回路コネクタ36,37を並べて配置し、前記制御回路コネクタ39を前記主回路コネクタ36,37の下部に並べて配置するとともに、前記主回路コネクタ36,37は各相端子が上下方向または水平方向になるように電源側,負荷側のコネクタを並べて配置し、かつ、前記制御回路コネクタ39は制御ユニット3の主回路接続位置および試験位置でモータ制御回路等の外部回路に接続可としたので、ヒューズスイッチまたはノーヒューズブレーカからなる遮断装置を用いたものにおいて高密度実装を適切に実現できるとともに、主回路断路状態においても制御回路のみの操作が可能で試験時における作業効率を向上できるコントロールセンタを得ることができる。
【0059】
このように、盤の前面に開口部を有しユニットを前方に引出可能に装着する複数のユニット室の後部にユニットの主回路を外部主回路に接続するための主回路接続部を有するコントロールセンタにおいて、操作ハンドルを有する遮断装置と、制御動作を行うための電磁開閉器と、ユニットの主回路を電源側および負荷側に接続するための主回路コネクタと、ユニットの制御回路を外部回路に接続するための制御回路コネクタとを備え、ユニットの前後方向に前記操作ハンドル,遮断装置,電磁開閉器,主回路コネクタを並べて配置し、前記制御回路コネクタを前記主回路コネクタの下部に並べて配置したので、高密度実装を適切に実現できるコントロールセンタを得ることができる。
【0060】
また、前記主回路コネクタは各相端子が上下方向になるように電源側,負荷側のコネクタを並べて配置したので、高密度実装をより適切に実現できるコントロールセンタを得ることができる。
【0061】
また、前記主回路コネクタは各相端子が水平方向になるように電源側,負荷側のコネクタを並べて配置したので、高密度実装を一層適切に実現できるコントロールセンタを得ることができる。
【0062】
また、前記制御回路コネクタはユニットの主回路接続位置および試験位置で前記外部回路に接続可としたので、高密度実装を適切に実現できるとともに、主回路断路状態においても制御回路のみの操作が可能で試験時における作業効率を向上できるコントロールセンタを得ることができる。
【0063】
また、前記遮断装置はヒューズスイッチを使用したので、ヒューズスイッチからなる遮断装置を用いたものにおいて高密度実装を適切に実現できるコントロールセンタを得ることができる。
【0064】
さらに、前記遮断装置はノーヒューズブレーカを使用したので、ノーヒューズブレーカからなる遮断装置を用いたものにおいて高密度実装を適切に実現できるコントロールセンタを得ることができる。
【0065】
産業上の利用の可能性
この発明のコントロールセンタは、盤の前面に開口部を有し奥行き方向に長尺の複数の単位制御ユニットを多段多列整列して又前方に引出可能に収納するユニット室を有し、ユニット室の後部に単位制御ユニットの主回路を外部主回路に接続する主回路接続部を有するコントロールセンタにおいて、複数の単位制御ユニットのそれぞれは、底面部、片側の側面を覆う側面部、及び上部の一側に形成された細板部で構成されるユニットベースと、前面を覆う前面板とを備え、主回路接続部には、主回路を電源側及び負荷側外部主回路に接続する主回路コネクタ及び制御回路を外部回路に接続する制御回路コネクタが取り付けられ、側面部には、前面板を貫通する操作ハンドルを有する遮断装置と制御動作を行う電磁開閉器とが取り付けられ、棚板で段方向に区分けされた複数のユニット室に単位制御ユニット間を仕切る仕切板を設け、仕切板で仕切られたユニット室内に単位制御ユニットを複数台並置して一列を構成し、制御ユニットの奥行方向に操作ハンドル,遮断装置,電磁開閉器,主回路コネクタを順に並べて配置し、制御回路コネクタを主回路コネクタの下部に並べて配置し、細板部及び仕切板は、単位制御ユニットを出し入れする際のガイドとして機能する。そのため、高密度実装を適切に実現できるコントロールセンタを得ることができる。
【0066】
また、主回路コネクタは、各相端子が上下方向になるように電源側,負荷側のコネクタが並べて配置されている。そのため、高密度実装をより適切に実現できるコントロールセンタを得ることができる。
【0067】
また、主回路コネクタは、各相端子が水平方向になるように電源側,負荷側のコネクタが並べて配置されている。そのため、高密度実装を一層適切に実現できるコントロールセンタを得ることができる。
【0068】
また、制御回路コネクタは、制御ユニットの主回路接続位置および試験位置で外部回路に接続可としている。そのため、高密度実装を適切に実現できるとともに、主回路断路状態においても制御回路のみの操作が可能で試験時における作業効率を向上できるコントロールセンタを得ることができる。
【0069】
また、遮断装置は、ヒューズスイッチを使用している。そのため、ヒューズスイッチからなる遮断装置を用いたものにおいて高密度実装を適切に実現できるコントロールセンタを得ることができる。
【0070】
さらに、遮断装置は、ノーヒューズブレーカを使用している。そのため、ノーヒューズブレーカからなる遮断装置を用いたものにおいて高密度実装を適切に実現できるコントロールセンタを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
図1はこの発明のコントロールセンタ(配電盤)の一実施例を示す正面図である。
図2はコントロールセンタ(配電盤)の斜視図である。
図3は図1及び図2のIII−III線に沿う矢視断面図である。
図4は図1のIV−IV線に沿う矢視断面図である。
図5は図4の一部を拡大して示す要部図である。
図6は1個の制御ユニットを示す斜視図である。
図7は制御ユニットを背後から見た斜視図である。
図8はコントロールセンタから制御ユニットを全て取り外しさらに配線室の扉を外した状態を示す斜視図である。
図9は制御ユニットを取り外した一つのユニット室を示す断面図である。
図10はユニット室を形成する棚板の斜視図である。
図11は棚板の上面図である。
図12はユニット室を仕切る仕切板の斜視図である。
図13は仕切板の正面図である。
図14は仕切板の側面図である。
図15は制御ユニットと電源分配器が接続されている様子を示す斜視図である。
図16は電源分配器の斜視図である。
図17はコントロールセンタ内部の制御ユニットの側面部分を一部拡大して示す要部斜視図である。
図18は電源分配器と垂直分岐母線との接続の様子を示す断面図である。
図19は盤内の主な構成要素を示す分解斜視図である。
図20は電源分配器の上面図である。
図21は電源分配器の右側面図である。
図22は電源分配器の構成部品を示す分解斜視図である。
図23は電源分配器の内部を詳細に示す斜視図である。
図24は電源分配器の内部の分岐導体の引き回しの様子を示す正面図である。
図25は図24のXXV−XXV線に沿う矢視断面図である。
図26は分岐導体及び分配導体の構造を示す分解斜視図である。
図27は1つの制御ユニットを試験位置に引き出した状態を示す断面図である。
図28は制御ユニットが接続位置であることを示す図27のXXVIII−XXVIII線に沿う矢視断面図である。
図29は制御ユニットが試験位置であることを示す図27のXXVIIII−XXVIIII線に沿う矢視断面図である。
Claims (6)
- 盤の前面に開口部を有し奥行き方向に長尺の複数の単位制御ユニットを多段多列整列して又前方に引出可能に収納するユニット室を有し、該ユニット室の後部に前記単位制御ユニットの主回路を外部主回路に接続する主回路接続部を有するコントロールセンタにおいて、
前記複数の単位制御ユニットのそれぞれは、
底面部、片側の側面を覆う側面部、及び上部の一側に形成された細板部で構成されるユニットベースと、前面を覆う前面板とを備え、
前記主回路接続部には、前記主回路を電源側及び負荷側外部主回路に接続する主回路コネクタ及び制御回路を外部回路に接続する制御回路コネクタが取り付けられ、
前記側面部には、前記前面板を貫通する操作ハンドルを有する遮断装置と制御動作を行う電磁開閉器とが取り付けられ、
棚板で段方向に区分けされた複数のユニット室に前記単位制御ユニット間を仕切る仕切板を設け、前記仕切板で仕切られたユニット室内に前記単位制御ユニットを複数台並置して一列を構成し、
前記制御ユニットの奥行方向に前記操作ハンドル,前記遮断装置,前記電磁開閉器,前記主回路コネクタを該順に並べて配置し、前記制御回路コネクタを前記主回路コネクタの下部に並べて配置し、
前記細板部及び前記仕切板は、前記単位制御ユニットを出し入れする際のガイドとして機能する
ことを特徴とするコントロールセンタ。 - 前記主回路コネクタは、各相端子が上下方向になるように電源側,負荷側のコネクタが並べて配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載のコントロールセンタ。 - 前記主回路コネクタは、各相端子が水平方向になるように電源側,負荷側のコネクタが並べて配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載のコントロールセンタ。 - 前記制御回路コネクタは、前記制御ユニットの主回路接続位置および試験位置で前記外部回路に接続可とした
ことを特徴とする請求項1に記載のコントロールセンタ。 - 前記遮断装置は、ヒューズスイッチを使用した
ことを特徴とする請求項1に記載のコントロールセンタ。 - 前記遮断装置は、ノーヒューズブレーカを使用した
ことを特徴とする請求項1に記載のコントロールセンタ。
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