JP4133627B2 - 建設機械の状態判定装置及び建設機械の診断装置,並びに建設機械の状態判定方法及び建設機械の診断方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の動作モードで動作しうる建設機械の、状態判定装置及び診断装置,並びに状態判定方法及び診断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球資源が有限であることや、環境負荷が限界を超えつつあることから、持続可能な社会へ転換していくために、資源の循環や環境負荷の削減に視点を置いた機械類に関する新しいメンテナンスのあり方が強く求められている。
従来の機械類のメンテナンスでは、機械類に故障が発生してから修復する事後保全や、機械類の使用時間を基準にした画一的な予防保全が一般に行なわれている。事後保全では、修理に大幅な時間やコストがかかってしまい、また、予防保全では、画一的な処理のため、不必要な部品やオイルの廃棄が発生し顧客の費用負担が増大し、また、労働集約型からくる高コスト化という問題があったが、今後はこうした従来のメンテナンスから脱却して、予知保全への転換を図っていく必要がある。
【0003】
予知保全とは、稼動時の負荷・環境情報、過去のメンテナンス歴データベース、故障物理の理解などから、推論により健全度を診断して劣化・余寿命を予測することで、機械の異常を早期に発見して安全な動作環境を提供するものである。
例えば特許文献1には、建設機械などの作業車両の異常診断装置に関し、作業機械(油圧ショベル)の車体に、油圧ポンプの吐出圧を検出する圧力センサと、エンジンの回転数を検出するエンジン回転数センサと、油圧回路内の油温を検出する油温センサと、これら各センサからの検出情報をネットワーク管制局へ無線送信を行なう通信装置とをそなえ、監視局(作業機械の管理者の事務所など)では、前記ネットワーク管制局からインターネットを介して作業機械の各検出情報を得て、これら各検出情報に基づいて作業機械の異常を診断する技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、バッチプラントや連続系プラント等の固定機械設備の異常検出装置に関し、対象プラントが正常状態であるときの正常データを予め収集しておき、この正常データをもとに自己組織化マップ(Self-Organizing Map)を用いて正常データの特徴を抽出し、これをもとに各出力ユニット間の距離関係を表す特徴マップを形成し正常状態モデルとして記憶しておき、この正常状態モデルと未知の入力データ(入力ベクトル)とに基づいて前記対象プラントの異常を検出する技術が開示されている。ここで、上記の正常状態モデルとは、例えば図13に示すように多次元データを可視化2次元マップに変換したもので〔ここでは多次元データが符号▲1▼〜▲5▼の領域で示される5つのクラスタ(集合体)に分類(クラス分け)されている〕、この正常状態モデルと同等の特徴を有するとみなされる場合に入力データは正常データであると判断する。この特許文献2の技術によれば、多次元の入力データに関する総合的な異常検知をリアルタイムに実現することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−323013号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平11−338848号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、例えば上述したような油圧ショベル等の建設機械では、エンジンの回転数,油圧ポンプの吐出圧,油圧回路内の油温の他に、例えば、車体の前進・後進或いは旋回を制御する作動圧,バケットを制御するバケットシリンダの作動圧,スティックを制御するスティックシリンダの作動圧,ブームを制御するブームシリンダの作動圧などの多次元のパラメータ(検出要素)が存在する。
【0008】
また、建設機械は、一連の作業を行なう場合、種々の運転動作(即ち、運転モード)が組み合わされて作業が行なわれる。例えば、建設機械により、堆積した土砂をトラックのベッセル(荷台)上に積み込む作業の場合、おおまかに次の4つの運転モードに分離できる。すなわち、「バケットで土砂をすくい始めてからすくい終わるまでの動作(運転モード1)」、「土砂をすくった後、車体を旋回させて、土砂を保持したバケットをトラックのベッセルの上方まで運ぶ動作(運転モード2)」、「バケットを開いて土砂のベッセル上への移載を開始してから土砂の移載が完了するまでの動作(運転モード3)」、「バケットを堆積した土砂の位置まで戻して運転モード1に入るまでの動作(運転モード4)」の4つのモードである。
【0009】
つまり、各パラメータ値は、このようなそれぞれの運転モードに応じて変化するものであるが、各パラメータ値を別個に分析しても正確な異常診断を行なえない場合が多い。例えば、1つ1つのパラメータ値が全て正常範囲内にあるとしても、よりマクロ的に見た場合、現在の運転動作が上記4つの運転モードのどれにも当てはまらないという場合も生じ得る。この場合、現在の運転動作は未知の運転モードである、或いは何かしら異常が発生しているものと認められる。
【0010】
したがって、機械の診断を行なう場合には、現在の運転動作が、予め分類された運転モードに当てはまるか否かを判定して、当てはまらない場合には、上記の運転モードとは異なる運転モードである又は異常が発生していると判定することで、より早期に異常を発見できるものと考えられる。このため、診断対象となる機械について、起こりうる全ての運転モードを予め正確に認識しておけば、多次元のパラメータ値から現在の運転動作はどの運転モードの動作なのかをリアルタイムに判定することができる。
【0011】
このような視点から上述の従来の技術を検討すると、特許文献2の技術の自己組織化マップを用いれば、パラメータが多次元であっても機械の各運転モードを分類することが可能であると考えられる。
しかし、機械の運転モードが多数存在する場合には、1つの2次元自己組織化マップ内にこれら運転モード数と略同数のクラスタが形成されることになり、また、運転モード数がさらに増加した場合、各クラスタの面積が小さくなっていき隣接するクラスタとのオーバーラップが強くなるため境界が不明確になってしまう。さらに、このような2次元マップであれば視覚的にクラス分けができるが、クラス分けの判定は人間の判断にまかせなければならないため、正確な診断を行なえないおそれがある。さらに、新しい運転モードを追加する場合、自己組織化マップを初めから作り直す必要があり、機械の診断にかかる処理時間が大幅に増加してしまうおそれもある。
【0012】
なお、ここでは建設機械を例にとって説明したが、上述したような診断装置は、建設機械等の機械類への適用だけに限定せずに、動作(或いは変動)を複数の動作モード(或いは変動モード)で分類できる多くの診断対象(対象体)にも適用することが考えられる。
【0013】
本発明は、上述の課題に鑑み創案されたもので、複数の動作モードで動作しうる建設機械の各動作を正確に認識できるようにした、建設機械の建設機械の状態判定装置及び建設機械の診断装置,並びに建設機械の状態判定方法及び建設機械の診断方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明の建設機械の情報処理装置は、複数の動作モードで動作しうる建設機械の動作時に該動作に応じて変動するn個のパラメータの値を各動作モード毎にそれぞれ複数組検出する検出手段と、該検出手段により検出された上記の複数組のパラメータ値に基づく検出データをトレーニングデータとして自己組織化マップを形成する自己組織化マップ形成手段と、該検出手段によりリアルタイムに得られる検出データに対応したn次元空間内の検出データ点と該自己組織化マップ内の勝者ニューロンとの相対距離に基づいて、該建設機械の動作がいずれの動作モードに適合するかを判定する判定手段とをそなえ、該自己組織化マップ形成手段では、該建設機械のオフライン状態で該建設機械を一連の動作に沿って動作させて、該トレーニングデータを用いて自己組織化マップを学習させることにより、上記の各動作モードに対応してそれぞれ個別の分離モデルとして上記の各動作モードの特徴を表す自己組織化マップを形成することを特徴としている。
なお、動作モードとは、変動モードも含むものとする。また、ここでいう自己組織化マップとは、可視化2次元マップを示すものではなく、トレーニングデータによりトレーニングされた所定次元空間内のニューロンの分布を示すものである。
さらに、ここでいう勝者ニューロンとは、リアルタイムで検出するデータ点(1個)に対し距離の最も短いニューロンをいう。
【0015】
ここで、該検出データは、該建設機械の瞬間の状態を示す上記の検出されたn個のパラメータ値自体と、該建設機械の瞬間の変化状態を示す上記の検出されたn個のパラメータ値の時間微分値(パラメータ値の変化率などの時間微分相当値も含む)とを含み、該n個のパラメータ値自体と該n個のパラメータ値の時間微分値とを合わせた2n次元データとして構成されていることを特徴としている。
【0016】
また、該検出手段は、上記のn個のパラメータ値を複数組検出し、該自己組織化マップ形成手段は、2n次元空間内に所定数のニューロンをランダムに初期配置し、該2n次元空間内の各検出データ点〔この検出データ点は、検出手段の検出結果に基づいて得られた複数組(例えば設定数TD個)の検出データに対応している〕をトレーニングデータとして学習を実施し、該トレーニングデータ点とニューロンとの距離が最小のニューロンを勝者ニューロンとして該自己組織化マップの候補を形成し、上記の自己組織化マップ候補の形成を複数回実施して得られる複数の自己組織化マップ候補の中から該トレーニングデータ特性に最も近い特性のものを自己組織化マップとして選定することを特徴としている。
【0017】
さらに、該自己組織化マップ形成手段は、上記の各自己組織化マップ候補について、該トレーニングデータ点と上記の各勝者ニューロンとの距離の平均値と、該トレーニングデータ点と上記の各勝者ニューロンとの距離の標準偏差とを演算し、該平均値及び該標準偏差の何れについても最も小さい自己組織化マップ候補を自己組織化マップとして選定することを特徴としている。なお、ここでいう勝者ニューロンとは、勝者ニューロン履歴のある(即ち、一度でも勝者ニューロンになったことのある)全てのニューロンのことをいう。
【0018】
また、該自己組織化マップ形成手段は、該平均値及び該標準偏差の何れについても最も小さい自己組織化マップ候補がない場合には、該平均値が最も小さい自己組織化マップ候補を自己組織化マップとして選定することを特徴としている。
さらに、該自己組織化マップ形成手段では、上記の選定した該自己組織化マップ中のニューロンのうち、一度も勝者ニューロンとならなかったニューロン(“アイドリングニューロン”と称する)を消去することを特徴としている。
【0020】
また、該判定手段では、該検出手段によりリアルタイムに得られた該検出データ点と該自己組織化マップ内の勝者ニューロンとの距離を、前記建設機械の状態判定装置による該自己組織化マップの形成過程において用いた該トレーニングデータと該自己組織化マップ内の各勝者ニューロンとの距離の平均値で除算することにより、該相対距離を算出することを特徴としている。
【0021】
さらに、該判定手段では、該相対距離が予め設定された所定値以下であるとき、該検出データ点は該自己組織化マップに適合すると判定し、該相対距離が所定値以上であるとき、該検出データ点は該自己組織化マップに適合しないと判定することを特徴としている。なお、適合する自己組織化マップが複数ある場合は、該適合する自己組織化マップの全てを候補として選定したり、或いは、該相対距離が最小であるものをベストな自己組織化マップとして選定したりすることが好ましい。
【0022】
本発明の建設機械の診断装置は、前記建設機械の状態判定装置を備え、該建設機械を診断する建設機械の診断装置であって、該建設機械は機械類であり、該動作モードは該機械類の特定の動作であることを特徴としている。なお、ここでいう診断とは、例えば機械類の動作モードが正常であるか否かの良否である。
【0023】
本発明の建設機械の状態判定方法は、複数の動作モードで動作しうる建設機械の動作時に該動作に応じて変動するn個のパラメータの値を各動作モード毎にそれぞれ複数組検出するデータ作成用検出ステップと、該データ作成用検出ステップにより検出された上記の複数組のパラメータ値に基づく検出データをトレーニングデータとして自己組織化マップを形成する自己組織化マップ形成ステップと、該建設機械の動作時に該動作に応じて変動する上記のn個のパラメータの値をそれぞれ検出する状態判定用検出ステップとをそなえ、該自己組織化マップ形成ステップでは、該建設機械のオフライン状態で該建設機械を一連の動作に沿って動作させて、該トレーニングデータを用いて自己組織化マップを学習させることにより、上記の各動作モードに対応してそれぞれ個別の分離モデルとして上記の各動作モードの特徴を表す自己組織化マップを形成し、さらに、該状態判定用検出ステップにおいてリアルタイムに得られる検出データに対応したn次元空間内の検出データ点と該自己組織化マップ内の勝者ニューロンとの相対距離に基づいて、該建設機械の動作がいずれの動作モードに適合するかを判定する判定ステップを備えたことを特徴としている。
なお、本方法においても、動作モードとは、変動モードも含むものとする。また、ここでいう自己組織化マップとは、可視化2次元マップを示すものではなく、トレーニングデータによりトレーニングされた所定次元空間内のニューロンの分布を示すものである。
【0024】
ここで、該データ作成用検出ステップと該自己組織化マップ形成ステップとの間に、該データ作成用検出ステップにおいて検出されたn個のパラメータ値をそれぞれ処理して該n個のパラメータ値の時間微分値を演算する演算ステップが設けられ、該自己組織化マップ形成ステップでは、該検出データとして、該建設機械の瞬間の状態を示す上記の検出されたn個のパラメータ値自体と、該建設機械の瞬間の変化状態を示す上記の演算されたn個のパラメータ値の時間微分値とを合わせた、2n次元データに基づいて該自己組織化マップを形成することを特徴としている。
【0025】
また、該データ作成用検出ステップは、上記のn個のパラメータ値を複数組検出し、該自己組織化マップ形成ステップは、2n次元空間内に所定数のニューロンをランダムに初期配置する第1ステップと、該データ作成用検出ステップの検出結果に基づいて得られた該2n次元空間の各該検出データ点をトレーニングデータとして学習させ、該トレーニングデータ点とニューロンとの距離が最小のニューロンを勝者ニューロンとして該自己組織化マップの候補を形成する第2ステップとからなる自己組織化マップ候補形成ステップをそなえるとともに、該自己組織化マップ候補形成ステップを複数回実施して、形成した複数の該自己組織化マップ候補の中から該トレーニングデータ特性に最も近い特性のものを自己組織化マップとして選定する自己組織化マップ選定ステップをそなえることを特徴としている。
【0026】
さらに、該自己組織化マップ形成ステップは、該自己組織化マップ選定ステップの後、選定した該自己組織化マップ中のニューロンのうち、一度も勝者ニューロンとならなかったニューロン(即ち、アイドリングニューロン)を消去するアイドリングニューロン消去ステップをそなえていることを特徴としている。
【0027】
また、上記の複数の動作モード以外に該建設機械の新たな動作モードについての該自己組織化マップを追加する場合には、該新たな動作モードによって該建設機械を動作させながら、該データ作成用検出ステップにより上記のn個のパラメータの値を検出し、該自己組織化マップ形成ステップにより上記の検出された複数組のパラメータ値に基づく検出データをトレーニングデータとして該新たな動作モードに対する自己組織化マップを形成することを特徴としている。
【0029】
また、該状態判定用検出ステップと該判定ステップとの間に、該状態判定用検出ステップによって検出されたn個のパラメータ値をそれぞれ処理して該n個のパラメータ値の時間微分値を演算する演算ステップが設けられ、該判定ステップでは、該検出データとして、該建設機械の瞬間の状態を示す上記の検出されたn個のパラメータ値自体と、該建設機械の瞬間の変化状態を示す上記の演算されたn個のパラメータ値の時間微分値とを合わせた、2n次元空間内の検出データ点に基づいて該建設機械の動作モードを判定することを特徴としている。
【0030】
さらに、該判定ステップでは、該状態判定用検出ステップによりリアルタイムに得られた該検出データ点と該自己組織化マップ内の勝者ニューロンとの距離を、前記建設機械の状態判定方法による該自己組織化マップの形成過程において用いた該トレーニングデータ点と該自己組織化マップ内の各勝者ニューロンとの距離の平均値で除算することにより該相対距離を算出し、該相対距離が予め設定された所定値以下であるときには、該検出データ点は該自己組織化マップに適合すると判定し、該相対距離が所定値以上であるときには、該検出データ点は該自己組織化マップに適合しないと判定することを特徴としている。なお、適合する自己組織化マップが複数ある場合は、該適合する自己組織化マップの全てを候補として選定したり、或いは、該相対距離が最小であるものをベストな自己組織化マップとして選定したりすることが好ましい。
【0031】
本発明の建設機械の診断方法は、前記建設機械の状態判定方法を備え、該建設機械を診断する建設機械の診断方法であって、該建設機械は機械類であり、該動作モードは該機械類の特定の動作であることを特徴としている。なお、ここでいう診断とは、例えば機械類の動作モードが正常であるか否かの良否である。
【0032】
また、該判定ステップでは、適合する自己組織化マップがない場合、上記の特定の動作が未知のモード或いは異常モードであると判定することを特徴としている。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態としての建設機械の診断装置を示すブロック図である。本診断装置は、例えば建設機械等の機械類に備えられ、機械類に異常があるか否かを診断するものである。以下では、一例として建設機械の油圧ショベルに適用した場合の診断装置について説明する。なお、本診断装置の適用対象はこれに限定されるものではなく、複数の動作モード(変動モード)で動作(変動)しうる種々の建設機械全てに適用できる。
【0034】
図1に示すように、本診断装置は、油圧ショベルに備えられた複数のセンサ(検出手段)1a〜1dと、自己組織化マップ形成手段2,記憶部3,判定手段4に相当する各機能を有するECU(電子コントロールユニット)5と、表示装置6とを主に備えて構成されている。なお、ECU5は、入出力装置,処理プログラムを内蔵した記憶装置(RAM,ROM等),中央処理装置(CPU)等を備えて構成される。
【0035】
センサ1a〜1dは、油圧ショベルに関する各パラメータ(変動要素)に対応して備えられ、複数の動作モードで動作しうる油圧ショベルの動作時に、油圧ショベルの動作に応じて変動する各パラメータ値を各動作モード毎にそれぞれ複数組検出するようになっている。なお、このセンサ類は、対応するパラメータの値を直接検出するもののほか、ある検出データを演算等によって処理して、対応するパラメータの値を推定値として求めるものも含む。
【0036】
また、ここでいう油圧ショベルに関するパラメータとは、例えばエンジン回転数,燃料消費量,油圧ポンプ圧力(1つ又は複数の油圧ポンプ圧力),油圧回路内の油温,車体の前進・後進或いは旋回を制御する作動圧,バケットを制御するバケットシリンダの作動圧,スティックを制御するスティックシリンダの作動圧,ブームを制御するブームシリンダの作動圧などの油圧ショベルの動作に応じて変動する各要素のことをいう。
【0037】
本診断装置では、これらのパラメータのうち代表としてエンジン回転数,燃料消費量,油圧ポンプ圧力の値を検出するセンサ1a〜1dが備えられている。すなわち、エンジン回転数を検出するエンジン回転数センサ1aと、燃料消費量を検出する燃料消費量センサ1bと、油圧ショベルの左側及び右側の油圧ポンプ圧力をそれぞれ検出する左油圧ポンプ圧力センサ1c,右油圧ポンプ圧力センサ1dとの4つのセンサ1a〜1dを備えている。もちろん、上述したようなバケットシリンダ,スティックシリンダ,ブームシリンダ等の作動圧を検出するセンサを設けても良い。
【0038】
自己組織化マップ形成手段2では、エンジン回転数センサ1a,燃料消費量センサ1b,左油圧ポンプ圧力センサ1c,右油圧ポンプ圧力センサ1dにより検出された複数組のパラメータ値に基づく検出データをトレーニングデータ(Training Data)として、油圧ショベルの各動作モードに対応してそれぞれ個別の分離モデルとして自己組織化マップ(Self-Organizing Map、以下、SOMともいう)を形成するようになっており、この点が本診断装置の特徴の1つである。なお、図1に示すように、本発明の情報処理装置は、上述した各センサ1a〜1dと自己組織化マップ形成手段2とから構成される。
【0039】
ここで、油圧ショベルの各動作モードとは、ある一定の決まった動作(特定の動作)のことをいい、例えば、堆積した土砂をトラックのベッセル(荷台)上に積み込むという一連の作業は、おおまかに次の4つの運転モード(動作モード)に分離できる。すなわち、「バケットで土砂をすくい始めてからすくい終わるまでの動作(運転モード1)」、「土砂をすくった後、車体を旋回させて、土砂を保持したバケットをトラックのベッセル上方まで運ぶ動作(運転モード2)」、「バケットを開いて土砂のベッセル上への移載を開始してから土砂の移載が完了するまでの動作(運転モード3)」、「バケットを堆積した土砂の位置まで戻して運転モード1に入るまでの動作(運転モード4)」の4つのモードである。本実施形態では、一例として、油圧ショベルがこれら4つの運転モードで動作する場合について説明する。
【0040】
また、自己組織化マップとは、一般には、多次元データを2次元空間で表して可視化した認識モデルのことをいうが、2次元空間に表さなくても、多次元データ自体を、予め用意されたクラスにクラス分け(分類)する際の1つの手段として用いることができる。
ここで、一般的なクラス分けについて説明する。計測によって取得したD組のデータ集団{d1,d2,・・・,di,・・・,dD}の各データ点di(i=1,2,・・・,D)は、あるクラスCj(j=1,2,・・・,z)を特徴付けるn個のパラメータ値(計測特性値)から成っている。すなわち、di=[P1,P2,・・・,Pn]とする。クラス分けを行なうには、このあるデータ点diのn個のパラメータ値を読み取ることだけで、各データ点diをある正しいクラスに当てはめることのできる技術(モデルとそれに対応したアルゴリズム)が必要となる。
【0041】
このためには、まず、“答え(即ち、実際のクラス)”が分かっているトレーニングデータに基づいて初期知識を構築する必要がある。トレーニングデータは、自己組織化マップ(認識モデル)を学習する(即ち、徐々に自己組織化マップをアップデートする)ために使用され、この学習を繰り返す手法は“教師あり学習”と呼ばれる。こうして得られた自己組織化マップをクラス分け問題を解く手段として用いる。
【0042】
なお、自己組織化マップを構築するとき、正確なトレーニングデータを多量に用いれば用いるほど、より正確な自己組織化マップを構築することができるが、トレーニングデータの量がある程度に達したら、それ以上データ量を増やしても、自己組織化マップの精度向上は僅かになってしまうため、トレーニングデータの入力回数は所定の回数に設定するのが好ましい。また、ここでいう「クラス」は、本実施形態における「運転モード」に対応するものである。
【0043】
さて、上述したように、本診断装置では、このような自己組織化マップを、油圧ショベルの各動作モードに対応してそれぞれ個別の「分離モデル(Separation
Model)」として形成することが特徴の1つである。
【0044】
つまり、各クラスCj(C1,C2,・・・,Cz)のそれぞれに対して1つの自己組織化マップSOMj(SOM1,SOM2,・・・,SOMz)を形成する。従って、本実施形態では、4つのクラス(運転モード)のそれぞれに対して1つの自己組織化マップを形成する。そして、分離モデルとしての各自己組織化マップをそれぞれ、ある1つの運転モードのみを明確に代表する多量のトレーニングデータを使って学習を実施する。このような学習により構築された各自己組織化マップはそれぞれ1つの運転モードを明確に認識できる“よく訓練されたエキスパート(Local and well trained Expert)”として機能する。このため、複数の動作モードで動作しうる対象体の各動作モードを正確に認識することができる。
【0045】
なお、1つの自己組織化マップは1つの運転モードのみを学習するものであり、他の運転モードに対しては学習していないので、1つの自己組織化マップが他の運転モードの知識を同時に特徴づけるものではない。
【0046】
また、自己組織化マップ形成手段2に入力される4つのセンサ1a〜1dからの検出データは、油圧ショベルの瞬間の状態を示す4個(n個)のパラメータ値d(k)自体と、油圧ショベルの瞬間の変化状態を示す4個(n個)のパラメータ値の時間微分値(パラメータ値の変化率などの時間微分相当値も含む)Δd(k)とを含み、これら4個のパラメータ値d(k)自体と4個のパラメータ値の時間微分値Δd(k)とを合わせた8次元(2n次元)データとして構成されている。
【0047】
このように、自己組織化マップ形成手段2では、現時刻のパラメータ値d(k)だけでなく、現時刻のパラメータ値d(k)と現時刻よりも前の時刻のパラメータ値d(k−1)との差、即ちΔd(k)=d(k)−d(k−1)、をも含んだトレーニングデータに基づいて自己組織化マップを形成するようになっている。
【0048】
現時刻のパラメータ値d(k)のみでは油圧ショベルの全体の動的な稼動に対し十分な代表的情報を得ることができないが、上述のようにΔd(k)を考慮に入れることで、各運転モードに対し特徴となりうる検出データ軌跡の傾向をより正確に把握することができるので、より精度の高い自己組織化マップを形成することが可能となる。
【0049】
この手法によれば、d(k)とΔd(k)というダブルサイズの自己組織化マップを形成する必要があり長い学習時間を要することになるが、この計算は自己組織化マップを学習する際に一度実行するだけでよいので、油圧ショベル作動中に運転モードを判定する際には何ら装置の負担にはならない。
また、自己組織化マップ形成手段2は、8次元(2n次元)空間内に所定数のニューロンをランダムに初期配置し、上記のトレーニングデータを用いて学習させ、トレーニングデータ点とニューロンとの距離が最小のニューロンを勝者ニューロンとして各トレーニングデータ点に対する勝者ニューロンを決定して自己組織化マップの候補を形成し、上記の自己組織化マップ候補の形成を複数回(所定数)実施して得られる複数の自己組織化マップ候補の中からトレーニングデータ特性に最も近い特性のものを自己組織化マップとして選定するようになっている。
【0050】
つまり、自己組織化マップ形成手段2は、上記の各自己組織化マップ候補について、トレーニングデータ点と上記の各勝者ニューロンとの距離の平均値と、トレーニングデータ点と上記の各勝者ニューロンとの距離の標準偏差とを演算し、平均値及び標準偏差の何れについても最も小さい自己組織化マップ候補を自己組織化マップとして選定するようになっている。なお、ここでいう勝者ニューロンとは、勝者ニューロン履歴のある(即ち、一度でも勝者ニューロンになったことのある)全てのニューロンのことをいう。また、このとき、自己組織化マップ形成手段2は、上記の平均値及び標準偏差の何れについても最も小さい自己組織化マップ候補がない場合には、平均値が最も小さい自己組織化マップ候補を自己組織化マップとして選定するようになっている。
【0051】
さらに、自己組織化マップ形成手段2では、上記の選定した自己組織化マップ中のニューロンのうち、一度も勝者ニューロンとならなかったニューロンを消去するようになっている。
【0052】
なお、このような自己組織化マップの学習は、油圧ショベルで実際の作業を行なう前に、或いは実際の作業とは切り分けて(本実施形態では、これを油圧ショベルの「オフライン状態」という)予め行なっておくことが好ましい。したがって、例えば、油圧ショベルが製品として出荷される前に、出荷後行なわれるであろう一連の動作に沿って油圧ショベルを実験的に動作させ、自己組織化マップ形成手段2により各運転モード毎に自己組織化マップを形成し、記憶部3に記憶させておけばよい。
【0053】
判定手段4は、実際に現場で油圧ショベルが使用されている時に、センサ1a〜1dによりリアルタイムに得られる検出データに対応した8次元空間内の検出データ点と、記憶部3に記憶されている自己組織化マップ内の勝者ニューロン(Winning Neuron、これについては後述する)との距離を、自己組織化マップ形成手段2による自己組織化マップの形成過程において用いたトレーニングデータ点と自己組織化マップ内の各勝者ニューロンとの距離の平均値で除算することにより相対距離RD(Re1ative Distance)を算出するようになっている。
【0054】
また、判定手段4では、上記の相対距離RDが予め設定された所定値(1+α)以下であるときには、検出データ点は自己組織化マップに適合すると判定し、相対距離RDが所定値(1+α)以上であるとき、検出データ点は自己組織化マップに適合しないと判定するようになっている。なお、αはトレーニングデータの信頼度であり、例えば0.2〜0.3の値を与えることが好ましい。
【0055】
さらに、判定手段4は、適合する自己組織化マップがある場合、検出データ点は、この自己組織化マップに対応する運転モードに属していると判定するようになっている。例えば、適合する自己組織化マップが運転モード1のものである場合、上記の検出データ点は運転モード1に属していると判定する。また、適合する自己組織化マップが複数ある場合には、適合する自己組織化マップの全てを候補として選定したり(この場合、相対距離RDの小さい順に候補を順位づけても良い)、相対距離RDが最小であるものをベストな自己組織化マップとして選定したりしてもよい。
【0056】
一方、適合する自己組織化マップがない場合、検出データ点はどの運転モードにも属していないと判定するようになっており、この場合、上記の検出データ点は"未知のモード"或いは"異常モード"に属していると判定する。また、"未知のモード"を新たな運転モードとし、自己組織化マップ形成手段2により新たな自己組織化マップを形成して記憶部3に追加記憶させるようにすることも可能である。
なお、図1に示すように、本発明の建設機械の状態判定装置は、センサ1a〜1d,自己組織化マップ形成手段2,記憶部3,判定手段4から構成される。
【0057】
表示装置6は、判定手段4における判定結果を表示するようになっている。つまり、判定手段4により、検出データ点が、ある1つの運転モードに当てはまると判定された場合には、この運転モードを表示する。また、検出データ点が、複数の運転モードに当てはまると判定された場合には、上述した相対距離RDが小さい順に運転モードを文字表示するようにしても良い。さらに、検出データ点が、各運転モードのいずれにも当てはまらないと判定された場合には、未知のモード(或いは新たな運転モード)又は異常モードである旨を表示する。
【0058】
本発明の一実施形態としての建設機械の診断装置は上述のごとく構成されており、その診断に係る処理は、オフラインのデータの流れを使うオフライン処理と、リアルタイムのデータの流れを使うリアルタイム処理との2つの主要な処理からなる。
(A)オフライン処理
この処理では、自己組織化マップ形成手段2により、油圧ショベルの各運転モードを明確に表わす分離モデルとしての自己組織化マップを各運転モード毎に1つずつ形成する。この処理手順には、本実施形態にかかる情報処理方法が用いられ、図10に示すように、データ作成用検出ステップ(ステップS100),演算ステップ(ステップS110),自己組織化マップ形成ステップ(ステップS120)からなる。
【0059】
データ作成用検出ステップ(ステップS100)では、油圧ショベルの各運転モードについてそれぞれ多量且つ信頼性の高い検出データを取得する。つまり、本実施形態では、各運転モード毎に、4つのセンサ1a〜1dから各パラメータ値をそれぞれ複数組検出する。ここで、現時刻kでのパラメータ値をd(k)とする。
【0060】
演算ステップ(ステップS110)では、データ作成用検出ステップにおいて検出された各パラメータ値をそれぞれ処理して各パラメータ値の時間微分値〔パラメータ値の変化率(例えば検出周期時間など単位時間での変化量)などの時間微分相当値も含む〕Δd(k)を算出する。
自己組織化マップ形成ステップ(ステップS120)では、データ作成用検出ステップで取得した複数組のパラメータ値d(k)と、演算ステップで算出した複数組のパラメータ値の時間微分値Δd(k)とに基づく検出データ{d(k);Δd(k)}をトレーニングデータとして、各運転モード毎に分離モデルとしての自己組織化マップを形成する。
【0061】
このオフライン処理は時間を要する処理ではあるが、この後のリアルタイム処理においてクラス分けに使う自己組織化マップの質を決める最も重要なステップである。
【0062】
図2は、油圧ショベルを運転モード1〜4からなる一連の運転動作を繰り返し行なったときのセンサ1a〜1dのパラメータ値を示しており、横軸は共通の時間目盛になっている。この図2からもわかるように、同一運転モードでは同一のパラメータ値(波形)が得られるのが理想的であるが、実際には同一の運転モードであってもパラメータ値が異なる場合がある。したがって、このオフライン処理において大量且つ信頼性のあるトレーニングデータを用いて自己組織化マップを繰り返し学習させていくことにより、各運転モードの特徴をより明確に表わす自己組織化マップを形成することができるのである。
【0063】
このようにして各運転モードに対してそれぞれ1つの代表的な自己組織化マップを得るのであるが、この学習コンセプトの中には次のような特徴がある。すなわち、各自己組織化マップは1つの運転モードのみに対して学習するので、一般に知られている自己組織化マップのソフトウエアを使って表現されるような2次元マップのグラフ上にニューロンの位相学的距離(近傍)を示す必要がない。本実施形態に係る自己組織化マップにおいては、8次元空間にあるニューロンの分布〔ここでは“雲(C1oud)”と称する〕を得ることで十分である。
【0064】
次に、自己組織化マップ形成ステップのより具体的な計算処理について説明する。
図11に示すように、まず、8次元空間内に所定数のニューロンをランダムに配置する(ステップS200。第1ステップ)。そして、8次元空間内の各検出データ点(このオフライン処理においては自己組織化マップを形成するためのトレーニングデータとして扱われる)に対して、それぞれ各ニューロンとの距離を求める(ステップS210)。その後、上記の距離が最小であるニューロンを勝者ニューロンと決定する。また、このとき、この勝者ニューロンだけでなく、勝者ニューロンの近傍のニューロンも同時に学習させる。
【0065】
ここで、最小の距離(Minimum Distance)MDを、i番目の検出データ点と2n次元空間内における各ニューロンとの間の距離の最小値と定義する。例えば、j番目のニューロンとの距離が最小である場合、この最小であるj番目のニューロンを勝者ニューロンと呼ぶ。この最小距離MDは次式(1)で表される。
【0066】
【数1】
【0067】
ここで、r(i,j)は、i番目の検出データ点とj番目のニューロンとの間の距離を示す。また、一般的な自己組織化マップのアルゴリズムにおいて知られているように、距離r(i,j)をユークリッド距離として計算する。なお、TDはトレーニングデータの数(組)を表わしている。
【0068】
その後、複数組についてすべて学習を実施したか否かを判定し(ステップS230)、まだ実施していない場合(NOの場合)はステップS210へ移る。一方、すべて実施完了した場合(YESの場合)はステップS240へ移り、1つの自己組織化マップ候補を形成する。なお、この時点で得られた自己組織化マップは、必ずしも1つの運転モードを明確に表わすベストな自己組織化マップとはいえないため、1つの候補として扱う。また、ステップS210〜ステップS240が第2ステップであり、自己組織化マップ候補形成ステップは上記の第1ステップと第2ステップとからなる。
さて、上記の計算処理により、ある1つの運転モードに対して1つの自己組織化マップ候補が形成されたわけであるが、本実施形態では、ある1つの運転モードの特徴を明確に表わすより精度の高いベストな自己組織化マップを得るために、1つの運転モードについて複数の自己組織化マップ候補を形成し、これら複数の自己組織化マップ候補の中からベストなものを選定するようにしている。したがって、ステップS250では、予め自己組織化マップを形成する前に決めておいた所定数の自己組織化マップ候補を形成したか否かを判定し、NOの場合はステップS200に移ってさらにもう1つ自己組織化マップ候補を形成し、YESの場合は、ステップS260へ移る。
【0069】
ステップS260(選定ステップ)では、各候補の中からトレーニングデータ特性に最も近い特性のものを自己組織化マップとして選定する。ここで、このステップS260においてどのようにベストな自己組織化マップを選定するのかをより詳しく説明する。
まず、2n次元空間内のニューロン分布を特徴づける重要なパラメータとして、平均最小距離(Average Minimum Distance)AVminと、最小距離MDの標準偏差(Standard Deviation)STdevとがある。
【0070】
図3は、一例として、2n次元空間内における10個の検出データ点(オフライン処理ではトレーニングデータとして扱っているので、図3ではトレーニングデータ点として示している)d1〜d10と7個のニューロンn1〜n7との間の最小距離MDを視覚的に示すものであるが、平均最小距離AVminはこれら最小距離MDの平均値である。この平均最小距離AVminは次式(2)で表される。
【0071】
【数2】
【0072】
また、標準偏差STdevも、平均最小距離AVminの式と同様に、公知の式〔次式(3)〕により求めることができる。
【0073】
【数3】
【0074】
ステップS260では、このようにして求めた平均最小距離AVminと標準偏差STdevとに基づいて、複数の候補として算出された自己組織化マップのうちどの自己組織化マップがトレーニングデータ特性に最も近いかを判定する。このとき、平均最小距離AVmin及び標準偏差STdevの何れについても最も小さい自己組織化マップ候補を、トレーニングデータ特性に最も近いベストな自己組織化マップとして選定する。
【0075】
なお、平均最小距離AVmin及び標準偏差STdevの何れについても最も小さい自己組織化マップ候補がない場合には、平均最小距離AVminが最も小さい自己組織化マップ候補を自己組織化マップとして選定する。
これにより、最もよく検出データ(トレーニングデータ)の特徴を表わした自己組織化マップを選定することができる。
【0076】
また、ステップS270(アイドリングニューロン消去ステップ)において、上記の選定した自己組織化マップ中のニューロンのうち一度も勝者ニューロンにならなかったニューロン(ここでは“アイドリングニューロン(Idling Neuron)”と称する)を消去する。例えば図3には2つのアイドリングニューロンn3,n7が示されているが、ここではこれらアイドリングニューロンn3,n7を自己組織化マップの学習後に消去するのである。このようなアイドリングニューロンの概念を適用することで、トレーニングデータ特性を、ニューロン数を大幅に減少させた自己組織化マップで表すことができるので、自己組織化マップを記憶しておくための容量を少なくでき、この後この自己組織化マップを用いた計算の処理時間を短縮できる。
【0077】
本実施形態で説明するように、1つの運転モードに対して1つの自己組織化マップ(分離モデル)を使うことのメリットは、この1つの運転モードを特徴づける膨大な検出データ点を、数を大幅に減少させたニューロンに近似することで記憶容量を少なくできることと、次のリアルタイム処理で行なわれるクラス分けを迅速に行なえることである。
【0078】
図4(a)〜(d)は運転モード1に対する検出データ点のグラフであって、(a)はエンジン回転数P1と左油圧ポンプ圧力P3との関係、(b)はエンジン回転数P1と右油圧ポンプ圧力P4との関係、(c)は左油圧ポンプ圧力P3と右油圧ポンプ圧力P4との関係、(d)はエンジン回転数P1と燃料消費量P2との関係を示している。なお、図4の(a)〜(d)の各自己組織化マップ(分離モデル)は8次元であるので、実際には8次元空間に勝者ニューロンが位置したマップとして形成される。
【0079】
また、図5(a)〜(d)は運転モード2に対する検出データ点のグラフである。図5の(a)〜(d)も、各自己組織化マップ(分離モデル)は8次元であるので、実際には8次元空間に勝者ニューロンが位置したマップとして形成される。
また、図6(a)〜(d)は、次のリアルタイム処理で使用されることになる運転モード1のベストな自己組織化マップを示すものである。なお、図6中の小さい点印は、運転モード1の検出データ点を、大きい点印は、完全な学習及びアイドリングニューロンの消去を行なった後のニューロンを示している。
【0080】
これと同様に、図7(a)〜(d)は、次のリアルタイム処理で使用されることになる運転モード2のベストな自己組織化マップを示すものである。なお、図7中の小さい点印は、運転モード2の検出データ点を、大きい点印は、完全な学習及びアイドリングニューロンの消去を行なった後のニューロンを示している。これらの図6(a)〜(d)及び図7(a)〜(d)から、ニューロンが主にデータ密度の最も高い領域に配置されていることが容易に分かる。そして、これらのニューロンは、次のリアルタイム処理におけるクラス分けにおいて、全体の検出データ点の代表点として利用されることになる。
【0081】
(B)リアルタイム処理
この処理は、実際に作業中の油圧ショベルから得られるリアルタイムの検出データに基づいて、油圧ショベルが現在どのような運転モードで運転しているのかを判定する処理である。つまり、ここで得られるリアルタイムの検出データが、上述したオフライン処理において形成された4つの自己組織化マップのうちどの自己組織化マップと最も類似しているかを計算し、最も類似性の高い自己組織化マップに対応する運転モードを判定する。この処理手順には、本実施形態にかかる建設機械の状態判定方法及び建設機械の診断方法が用いられる。
【0082】
図12に示すように、まず、4個のパラメータ値、即ち検出データをそれぞれリアルタイムに検出する(ステップS300。状態判定用検出ステップ)。また、ステップS300において検出された各パラメータ値をそれぞれ処理して各パラメータ値の時間微分値〔パラメータ値の変化率(例えば検出周期時間など単位時間での変化量)などの時間微分相当値も含む〕Δd(k)を算出する(ステップS310。演算ステップ)。つまり、この検出データは、オフライン処理のときと同様に、4個のd(k)と4個のΔd(k)とを含む8次元データである。
【0083】
次に、現在の検出データと各運転モードの自己組織化マップとの類似度合いSD(Simi1arity Degree)を求める。この類似度合いSDを計算する手法は種々あるが、本実施形態では、ユークリッド距離、即ち、現在の検出データ点と自己組織化マップ内の勝者ニューロンとの距離を使って求める。
また、このようにして得られた類似度合いSDを平均最小距離AVminで除算し、現在の検出データ点と自己組織化マップの勝者ニューロンとの間の相対距離RD(=SD/AVmin)を求める。なお、ここでいう勝者ニューロンとは、リアルタイムで検出するデータ点(1個)に対し距離の最も短いニューロンをいう。この相対距離RDの計算を、4つの自己組織化マップの全てに対してそれぞれ行なう(ステップS320)。
【0084】
そして、上述のように算出された相対距離RDが、自己組織化マップに対し、所定値(1+α)以下、即ちRD≦1+α(αは予め決められた閾値)であるか否かを判定し(ステップS330)、所定値以下であれば、この自己組織化マップに適合すると判定し候補として記憶しておく(ステップS340)。即ち、上記の検出データ点は、適合する自己組織マップに対応した運転モードに分類できることを意味している。
【0085】
一方、相対距離RDが所定値以上であれば、この自己組織化マップには適合しないと判定する(ステップS350)。即ち、上記の検出データ点は、どの運転モードにも分類できないことを意味している。なお、ステップS320〜ステップS340が判定ステップである。また、上記の所定値(1+α)を適宜設定しておくことで、検出データ点が自己組織化マップに適合するか否かの判定基準を状況に応じて決定することができる。
【0086】
このような判定を4つの運転モードの自己組織化マップについて行ない、適合する自己組織化マップが複数ある場合(即ち、適合する運転モードが複数ある場合)には、これら自己組織化マップに対応する運転モードを、表示装置6を介してオペレータに示す。なお、このとき、相対距離RDが小さい順番に、即ち類似度合いの高い順番に並べて表示すれば、オペレータにとって分かりやすい運転モード表示となる。
【0087】
一方、適合する自己組織化マップが1つもない場合(即ち、適合する運転モードが1つもない場合)には、「(オフライン処理では学習しなかった)未知の運転モード」又は「異常モード」である旨を、表示装置6を介してオペレータに示す。このように、表示装置6に、作業中の油圧ショベルに異常があるか否かを表示することで、オペレータに対して一種の警告を行なうことができる。
【0088】
ところで、本実施形態に係るリアルタイム処理の特徴の1つとして、その“適応性(Adaptabi1ity)”が挙げられる。すなわち、油圧ショベルのオペレータが新しい運転モードを行なった場合、この新たな運転モードだけの検出データを取得して学習を実施し、新たな自己組織化マップSOMz+1を作ることが可能である。そして、この新たな自己組織化マップSOMz+1を既存の自己組織化マップに追加することができるのである。つまり、本実施形態ではオフライン処理で4つの運転モードに対応する4つの自己組織化マップを形成したが、この新たな自己組織化マップを追加すれば、合計で5つの自己組織化マップが形成され記憶されることになる。
【0089】
このように、新たに自己組織化マップを追加したい場合、本実施形態では、クラス分けモデル全体を、上記の新たな分離モデルとしての自己組織化マップSOMz+1を追加するだけで容易にアップデートすることが可能であるので、従来のように最初からクラス分けモデル全体(即ち、従来の可視化2次元マップ全体)を作り直す必要がない。これにより、新たな運転モードを随時追加していくことで、種々の運転動作についてより正確な診断が行なえるようになる。
【0090】
図8は、本実施形態に係る診断装置による運転モード判定結果の一例を示している。図8中、実線が油圧ショベルの実際の運転モード、破線が自己組織化マップによりクラス分けされた運転モードである。なお、本実施形態においてオフライン処理で予め学習していた運転モードは運転モード「1」,運転モード「2」,運転モード「3」,運転モード「4」、予め学習していなかった運転モード(例えば油圧ショベルがアイドリングしているときのモード)は運転モード「0」で示している、また、運転モード「−1」は、“未知のモード”又は“異常モード”であることを示している。
【0091】
この図8から、実際の運転モードとは異なる運転モードと判定される場合があるが、ほぼ実際の運転モードのラインに沿った正しい運転モード判定が行なわれていることがわかる。
【0092】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0093】
例えば、本実施形態では、検出データとしてd(k)及びΔd(k)をそのまま使用したが、これらの値を直接使用するのではなく、1次フィルタ等の平滑化処理を施した上で使用するようにしても良い。
また、計算処理に多少時間がかかることにはなるが、自己組織化マップを形成する際のニューロンの総数を増やして、自己組織化マップを形成するようにしてももちろん良い。これによれば、より精度の高い自己組織化マップを形成することが可能である。
【0094】
さらに、本実施形態では、複数の動作モードで動作しうる対象体として油圧ショベルを例に説明したが、対象体はこれに限定されるものではなく、例えばトラック・バス,船舶等の乗物類、及び、産業機械をはじめとした各種機械類の動作の良否判定等に広く適用できるほか、動植物等の生命体の良否判定等や、天候或いは地球等の天体の変化の推定などにも適用できる。
【0095】
また、本実施形態では、診断装置を油圧ショベルに設けて油圧ショベル側で一括して診断を行なう構成について説明したが、図9に示すように、例えば油圧ショベル等の移動機械にパラメータを検出するセンサだけを設け、この移動機械を所有する事業所に、本実施形態で説明した自己組織化マップ形成手段2,記憶部3,判定手段4及び表示装置6とを備えたコンピュータ等を設置し、センサからの検出データを無線通信等により上記のコンピュータに送信して表示することで、移動機械が遠隔地にある場合でも事業所側で容易に診断を行なうことが可能となる。なお、図9では、移動機械と事業者との間に管理システムを介在した例を示している。従来より、特に建設機械,トラック・バス,船舶等のような移動機械を対象にした場合、地理的分散による非効率性もあってメンテナンスの高度化及び高効率化のニーズが高いが、本発明の診断装置を上述のように構成すれば、このようなニーズにも対応可能である。
【0096】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、自己組織化マップ形成手段が、建設機械のオフライン状態で前記建設機械を一連の動作に沿って動作させて、トレーニングデータを用いて自己組織化マップを学習させることにより、建設機械の各動作モードに対応してそれぞれ個別の分離モデルとして上記の各動作モードの特徴を表す自己組織化マップを形成するので、複数の動作モードで動作しうる建設機械の各動作を正確に認識することができる。
【0097】
本発明の建設機械の状態判定方法によれば、各動作モードに対し特徴となりうるデータ軌跡の傾向をより正確に把握することができ、より精度の高い自己組織化マップを形成することができる。
また、本発明によれば、選定された自己組織化マップを、トレーニングデータ特性に最も近い特性として扱うことができる。
【0098】
本発明によれば、最もよくトレーニングデータの特徴を表わした自己組織化マップを選定できる。
また、本発明によれば、トレーニングデータ特性を、ニューロン数を大幅に減少させた自己組織化マップで表すことができる。これにより、自己組織化マップを記憶しておくための容量を少なくできるので、この自己組織化マップを用いた計算の処理時間を短縮できる。
【0099】
本発明の建設機械の状態判定装置及び本発明の建設機械の状態判定方法によれば、建設機械の動作モードの判定精度を高めることができる。
本発明の建設機械の診断装置及び本発明の建設機械の診断方法によれば、機械類の特定の動作モードを診断することができる。
【0100】
本発明によれば、新たな動作モードに対する自己組織化マップを追加することができる。
本発明の建設機械の診断方法によれば、機械類の動作モードが未知のモード或いは異常モードであるか否かを診断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての診断装置を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る油圧ショベルの運転モード1〜4に対する各センサの出力値を示すグラフである。
【図3】本発明の一実施形態に係る自己組織化マップ内のトレーニングデータ点(検出データ点)とニューロンとの間の最小距離を視覚的に示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る自己組織化マップを説明するための図で、(a)〜(d)は運転モード1のトレーニングデータによって形成された自己組織化マップである。
【図5】本発明の一実施形態に係る自己組織化マップを説明するための図で、(a)〜(d)は運転モード2のトレーニングデータによって形成された自己組織化マップである。
【図6】本発明の一実施形態に係る自己組織化マップを説明するための図で、(a)〜(d)は運転モード1のトレーニングデータ(図中の小さい点印)と、完全な学習及びアイドリングニューロンの消去を行なった後のニューロン(図中の大きい点印)の配置を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る自己組織化マップを説明するための図で、(a)〜(d)は運転モード2のトレーニングデータ(図中の小さい点印)と、完全な学習及びアイドリングニューロンの消去を行なった後のニューロン(図中の大きい点印)の配置を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る運転モード判定結果の一例を示す図である。
【図9】本発明の変形例としての診断装置を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態に係るオフライン処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態に係る自己組織化マップ形成ステップにおける処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の一実施形態としてのリアルタイム処理を示すフローチャートである。
【図13】従来の自己組織化マップ(可視化2次元マップ)を示す図である。
【符号の説明】
1a エンジン回転数センサ(検出手段)
1b 燃料消費量センサ(検出手段)
1c 左油圧ポンプ圧力センサ(検出手段)
1d 右油圧ポンプ圧力センサ(検出手段)
2 自己組織化マップ形成手段
3 記憶部
4 判定手段
5 ECU(電子コントロールユニット)
6 表示装置
Claims (18)
- 複数の動作モードで動作しうる建設機械の動作時に該動作に応じて変動するn個のパラメータの値を各動作モード毎にそれぞれ複数組検出する検出手段と、
該検出手段により検出された上記の複数組のパラメータ値に基づく検出データをトレーニングデータとして自己組織化マップを形成する自己組織化マップ形成手段と、
該検出手段によりリアルタイムに得られる検出データに対応したn次元空間内の検出データ点と該自己組織化マップ内の勝者ニューロンとの相対距離に基づいて、該建設機械の動作がいずれの動作モードに適合するかを判定する判定手段とをそなえ、
該自己組織化マップ形成手段では、該建設機械のオフライン状態で該建設機械を一連の動作に沿って動作させて、該トレーニングデータを用いて自己組織化マップを学習させることにより、上記の各動作モードに対応してそれぞれ個別の分離モデルとして上記の各動作モードの特徴を表す自己組織化マップを形成することを特徴とする、建設機械の状態判定装置。 - 該検出データは、該建設機械の瞬間の状態を示す上記の検出されたn個のパラメータ値自体と、該建設機械の瞬間の変化状態を示す上記の検出されたn個のパラメータ値の時間微分値とを含み、該n個のパラメータ値自体と該n個のパラメータ値の時間微分値とを合わせた2n次元データとして構成されていることを特徴とする、請求項1記載の建設機械の状態判定装置。
- 該検出手段は、上記のn個のパラメータ値を複数組検出し、
該自己組織化マップ形成手段は、2n次元空間内に所定数のニューロンをランダムに初期配置し、該2n次元空間内の各検出データ点をトレーニングデータとして学習を実施し、該トレーニングデータ点とニューロンとの距離が最小のニューロンを勝者ニューロンとして該自己組織化マップの候補を形成し、上記の自己組織化マップ候補の形成を複数回実施して得られる複数の自己組織化マップ候補の中から該トレーニングデータ特性に最も近い特性のものを自己組織化マップとして選定することを特徴とする、請求項2記載の建設機械の状態判定装置。 - 該自己組織化マップ形成手段は、上記の各自己組織化マップ候補について、該トレーニングデータ点と上記の各勝者ニューロンとの距離の平均値と、該トレーニングデータ点と上記の各勝者ニューロンとの距離の標準偏差とを演算し、該平均値及び該標準偏差の何れについても最も小さい自己組織化マップ候補を自己組織化マップとして選定することを特徴とする、請求項3記載の建設機械の状態判定装置。
- 該自己組織化マップ形成手段は、該平均値及び該標準偏差の何れについても最も小さい自己組織化マップ候補がない場合には、該平均値が最も小さい自己組織化マップ候補を自己組織化マップとして選定することを特徴とする、請求項4記載の建設機械の状態判定装置。
- 該自己組織化マップ形成手段では、上記の選定した該自己組織化マップ中のニューロンのうち、一度も勝者ニューロンとならなかったニューロンを消去することを特徴とする、請求項3〜5の何れか1項に記載の建設機械の状態判定装置。
- 該判定手段では、該検出手段によりリアルタイムに得られた該検出データ点と該自己組織化マップ内の勝者ニューロンとの距離を、前記建設機械の状態判定装置による該自己組織化マップの形成過程において用いた該トレーニングデータと該自己組織化マップ内の各勝者ニューロンとの距離の平均値で除算することにより、該相対距離を算出することを特徴とする、請求項1記載の建設機械の状態判定装置。
- 該判定手段では、該相対距離が予め設定された所定値以下であるとき、該検出データ点は該自己組織化マップに適合すると判定し、該相対距離が所定値以上であるとき、該検出データ点は該自己組織化マップに適合しないと判定することを特徴とする、請求項1又は7記載の建設機械の状態判定装置。
- 請求項1,7及び8のいずれか1項に記載の建設機械の状態判定装置を備え、該建設機械を診断する建設機械の診断装置であって、
該建設機械は機械類であり、該動作モードは該機械類の特定の動作であることを特徴とする、建設機械の診断装置。 - 複数の動作モードで動作しうる建設機械の動作時に該動作に応じて変動するn個のパラメータの値を各動作モード毎にそれぞれ複数組検出するデータ作成用検出ステップと、
該データ作成用検出ステップにより検出された上記の複数組のパラメータ値に基づく検出データをトレーニングデータとして自己組織化マップを形成する自己組織化マップ形成ステップと、
該建設機械の動作時に該動作に応じて変動する上記のn個のパラメータの値をそれぞれ検出する状態判定用検出ステップとをそなえ、
該自己組織化マップ形成ステップでは、該建設機械のオフライン状態で該建設機械を一連の動作に沿って動作させて、該トレーニングデータを用いて自己組織化マップを学習させることにより、上記の各動作モードに対応してそれぞれ個別の分離モデルとして上記の各動作モードの特徴を表す自己組織化マップを形成し、さらに、
該状態判定用検出ステップにおいてリアルタイムに得られる検出データに対応したn次元空間内の検出データ点と該自己組織化マップ内の勝者ニューロンとの相対距離に基づいて、該建設機械の動作がいずれの動作モードに適合するかを判定する判定ステップを備えたことを特徴とする、建設機械の状態判定方法。 - 該データ作成用検出ステップと該自己組織化マップ形成ステップとの間に、該データ作成用検出ステップにおいて検出されたn個のパラメータ値をそれぞれ処理して該n個のパラメータ値の時間微分値を演算する演算ステップが設けられ、
該自己組織化マップ形成ステップでは、該検出データとして、該建設機械の瞬間の状態を示す上記の検出されたn個のパラメータ値自体と、該建設機械の瞬間の変化状態を示す上記の演算されたn個のパラメータ値の時間微分値とを合わせた、2n次元データに基づいて該自己組織化マップを形成することを特徴とする、請求項10記載の建設機械の状態判定方法。 - 該データ作成用検出ステップでは、上記のn個のパラメータ値を複数組検出し、
該自己組織化マップ形成ステップは、
2n次元空間内に所定数のニューロンをランダムに初期配置する第1ステップと、該データ作成用検出ステップの検出結果に基づいて得られた該2n次元空間内の各該検出データ点をトレーニングデータとして学習させ、該トレーニングデータ点とニューロンとの距離が最小のニューロンを勝者ニューロンとして該自己組織化マップの候補を形成する第2ステップとからなる自己組織化マップ候補形成ステップをそなえるとともに、
該自己組織化マップ候補形成ステップを複数回実施して、形成した複数の該自己組織化マップ候補の中から該トレーニングデータ特性に最も近い特性のものを自己組織化マップとして選定する自己組織化マップ選定ステップをそなえることを特徴とする、請求項11記載の建設機械の状態判定方法。 - 該自己組織化マップ形成ステップは、該自己組織化マップ選定ステップの後、選定した該自己組織化マップ中のニューロンのうち、一度も勝者ニューロンとならなかったニューロンを消去するアイドリングニューロン消去ステップをそなえていることを特徴とする、請求項12記載の建設機械の状態判定方法。
- 上記の複数の動作モード以外に該建設機械の新たな動作モードについての該自己組織化マップを追加する場合には、該新たな動作モードによって該建設機械を動作させながら、該データ作成用検出ステップにより上記のn個のパラメータの値を検出し、該自己組織化マップ形成ステップにより上記の検出された複数組のパラメータ値に基づく検出データをトレーニングデータとして該新たな動作モードに対する自己組織化マップを形成することを特徴とする、請求項10〜13の何れか1項に記載の建設機械の状態判定方法。
- 該状態判定用検出ステップと該判定ステップとの間に、該状態判定用検出ステップにおいて検出されたn個のパラメータ値をそれぞれ処理して該n個のパラメータ値の時間微分値を演算する演算ステップが設けられ、
該判定ステップでは、該検出データとして、該建設機械の瞬間の状態を示す上記の検出されたn個のパラメータ値自体と、該建設機械の瞬間の変化状態を示す上記の演算されたn個のパラメータ値の時間微分値とを合わせた、2n次元空間内の検出データ点に基づいて該建設機械の動作モードを判定することを特徴とする、請求項10記載の建設機械の状態判定方法。 - 該判定ステップでは、該状態判定用検出ステップによりリアルタイムに得られた該検出データ点と該自己組織化マップ内の勝者ニューロンとの距離を、前記建設機械の状態判定方法による該自己組織化マップの形成過程において用いた該トレーニングデータ点と該自己組織化マップ内の各勝者ニューロンとの距離の平均値で除算することにより該相対距離を算出し、該相対距離が予め設定された所定値以下であるときには、該検出データ点は該自己組織化マップに適合すると判定し、該相対距離が所定値以上であるときには、該検出データ点は該自己組織化マップに適合しないと判定することを特徴とする、請求項15記載の建設機械の状態判定方法。
- 請求項10,15及び16のいずれか1項に記載の建設機械の状態判定方法を備え、該建設機械を診断する診断方法であって、
該建設機械は機械類であり、該動作モードは該機械類の特定の動作であることを特徴とする、建設機械の診断方法。 - 該判定ステップでは、適合する自己組織化マップがない場合、上記の特定の動作が未知のモード或いは異常モードであると判定することを特徴とする、請求項17記載の建設機械の診断方法。
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