JP4133549B2 - 構造化文書ファイル管理装置および構造化文書ファイル管理方法 - Google Patents
構造化文書ファイル管理装置および構造化文書ファイル管理方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は構造化文書ファイル管理技術に関し、とくに、構造化文書ファイルを構成するタグを管理する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータの普及とネットワーク技術の進展に伴い、ネットワークを介した電子情報の交換が盛んになっている。これにより、従来においては紙ベースで行われていた事務処理の多くが、ネットワークベースの処理に置き換えられつつある。
【0003】
企業においても、個人の知識や情報を組織全体で活用する、いわゆるナレッジマネジメントが、重要な経営手法となってきている。多くの企業においては、社内にデータベースシステムを有し、従業員からの情報を電子ファイル化して蓄積する。その一方で、従業員も、この社内データベースに蓄積されたファイルにネットワークを介してアクセスする。これによって、組織全体としての業務効率の向上が図られる。
【0004】
この社内データベースに蓄積されるファイルの多くは、HTML(Hyper Text Markup Language)とよばれる言語によって作成されている。また、近年においては、XML(eXtensible Markup Language)とよばれる言語を用いて、これらのファイルが作成される例も多くなってきている。
【0005】
HTMLは、ウェブページを記述するための言語である。すなわち、HTMLは文書ファイルの表示方法を定義するマークアップ言語の一種である。これに対して、XMLはHTMLの様に、直接的にウェブページを記述するための言語ではない。XMLは文書ファイルに含まれるデータのデータ構造を定義する機能を有する言語である。XMLによって作成された文書ファイルは、別に表示レイアウト情報を与えることによって、マークアップ言語で記述された文書ファイルに変換され、ウェブページとして表示される。すなわち、XML文書においては、データの構造とその表示レイアウトが別々のものとして扱われる。XMLのように、マークアップ言語を生成するための言語をメタ言語とよぶ。
【非特許文献1】
吉松史彰、”InfoPathの衝撃”、[online]、平成15年3月26日、株式会社 アットマーク・アイティ、[平成15年4月8日検索]、インターネット<URL:
http://www.atmarkit.co.jp/fdotnet/special/infopath/infopath_01.html>
【非特許文献2】
堀哲也、” XMLでフロントエンドアプリを統合する国内初披露の「XDocs」”、[online]、平成15年2月14日、ソフトバンク・ジーディーネット株式会社、[平成15年4月8日検索]、インターネット<URL:
http://www.zdnet.co.jp/enterprise/0302/14/epn21.html>
【非特許文献3】
Joe Wilcox、” InfoPathは「箱から出して使うまで」が大変?”、[online]、平成15年3月7日、ソフトバンク・ジーディーネット株式会社、[平成15年4月8日検索]、インターネット<URL:
http://www.zdnet.co.jp/news/0303/07/ne00_infopath.html>
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
通常、XMLにより文書ファイルを作成するに際しては、まず、データ構造を定義し、更に、その表示レイアウトを定義する。このため、XMLによって作成された文書ファイルは、同一内容のデータであっても、複数の表示レイアウトを定義できる。
【0007】
XMLにより作成された文書ファイルの表示レイアウトは、たとえば、XSL(eXtensible Stylesheet Language)のようなスタイルシートを記述するための言語によって定義される。あるいは、XSLT(XML Stylesheet Language Transform)とよばれる言語によって、XML文書ファイルをHTML文書ファイルに変換する方法もある。
【0008】
XMLのようなメタ言語によって作成された文書ファイル(以下、このようなメタ言語によって作成された、データ構造を有する文書ファイルを、特に「構造化文書ファイル」とよぶ)は、データベースとの親和性が高いというメリットがある。なぜならば、構造化文書ファイルに含まれるデータは構造化されているため、データ検索などの処理になじみやすいからである。しかし、その一方で、一般にはXMLのようなメタ言語によって文書ファイルを作成しその表示レイアウトを定義するプロセスには多くの専門知識が必要であり、ユーザは多大な負担を強いられる。
【0009】
換言すれば、XMLのようなメタ言語は、複数のアプリケーションソフトウェアが扱うべきデータを統一したスキームで取り扱うことができるという潜在能力を有しながら、その習得の難しさが、往々にしてこの能力を発揮させる上での阻害要因となっている。その解決方法として、さまざまな方法論が提案され始めてきているが、構造化文書ファイルを効率的に作成し、かつ、これを効果的に扱うための技術は、まだまだ発展途上の感がある。
【0010】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、構造化文書ファイルを効果的に管理するための技術、の提供にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のある態様は、構造化文書ファイル管理装置である。この装置は、データ入力者にデータを入力させるべき項目を含む入力フォームを画面に表示する入力フォーム表示部と、入力フォームに含まれる項目を介して、データ入力者から入力されたデータを取得するデータ取得部と、取得されたデータを記憶するデータ格納部を含み、更に、表示に先立って処理される、入力フォームの生成段階において、データ入力者からデータ入力を受け付ける項目の属性情報として、入力フォームを表示する際に参照される複数のタグを、入力フォームの利用目的に応じて分類し、ライブラリとして保持するタグ格納部と、ライブラリに含まれる複数のタグの中からフォーム作成者により指示されたタグを取得するタグ取得部と、フォーム作成者による指示に基づいて、取得されたタグを配置して入力フォームのテンプレートを生成するテンプレート作成部を含むことを特徴とする。
【0012】
「タグ」とは、ユーザからデータを取得する機能を有するソフトウェア部品であってもよい。
【0013】
また、この装置のテンプレート作成部は、フォーム作成者による指示に基づいて、テンプレートに含まれるタグ同士を関連付けてテンプレートを生成し、データ格納部は、データ取得部が取得したデータを、テンプレートに含まれるタグの関連付け情報に基づいて記憶してもよい。
【0014】
また、この装置は、フォーム作成者の指示により新たに作成されたタグを取得するタグ作成部を更に含み、タグ格納部は、取得されたタグを、入力フォームの利用目的に応じて分類し、ライブラリとして保持してもよい。さらに、タグ作成部は、ライブラリに含まれる複数のタグの中から、フォーム作成者の指示により選択され編集されたタグを取得する機能を更に有し、タグ格納部は、取得されたタグを、入力フォームの利用目的に応じて分類し、ライブラリとして保持してもよい。
【0015】
以下、複数のタグを分類したカテゴリーを、「タグテンプレート」とよぶ。この分類により、テンプレートの作成目的に沿ったタグの選択を容易に行うことができる。また、この入力フォームのもととなるテンプレートのことを「ドキュメントテンプレート」とよぶ。
【0016】
図3等に示す各機能ブロックは、サーバ装置側に設けられてもよいし、クライアント端末側に設けられてもよい。あるいは、サーバ装置およびクライアント端末の双方に設けられてもよいし、その場合の各機能ブロックはそれぞれ同じ名称でもよい。これら各機能は、それぞれプログラムモジュールのかたちで提供され、サーバ装置およびクライアント端末のいずれかまたは双方にて実行されてもよいし、実行にあたりサーバ装置からクライアント端末へダウンロードされてもよい。
【0017】
本発明の別の態様は、構造化文書ファイル管理方法に関する。この方法は、データ入力者から、データ入力を受け付ける入力フォームの項目として、入力フォームを表示する際に参照される属性情報を含むタグを、入力フォームの利用目的に応じて分類して保持するライブラリから、フォーム作成者により指示されたタグを取得するタグ取得ステップと、フォーム作成者による指示に基づいて、取得されたタグを配置して入力フォームのテンプレートを生成するテンプレート作成ステップを含むことを特徴とする。
【0018】
本発明の更に別の態様は、構造化文書ファイル管理プログラムである。このプログラムは、データ入力者にデータを入力させるべき項目を含む入力フォームを画面に表示する機能と、入力フォームに含まれる項目を介して、データ入力者から入力されたデータを取得する機能と、取得されたデータを記憶する機能を含み、更に、表示に先立って処理される、入力フォームの生成段階において、データ入力者からデータ入力を受け付ける項目の属性情報として、入力フォームを表示する際に参照される複数のタグを、入力フォームの利用目的に応じて分類し、ライブラリとして保持する機能と、ライブラリに含まれる複数のタグの中からフォーム作成者により指示されたタグを取得する機能と、フォーム作成者による指示に基づいて、取得されたタグを配置して入力フォームのテンプレートを生成する機能をコンピュータに発揮させることを特徴とする。
【0019】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、実施の形態の大略を示す。本実施の形態は以下のような目的で利用される。すなわち、ある企業の開発部に所属する利用者(以下、「開発部員」とよぶ)と、マーケティング部に所属する利用者(以下、「マーケティング部員」とよぶ)が、ある製品プロジェクトに関して、情報管理を行う必要がある状況が存在する。ここでは、製品プロジェクトに関して開発部員とマーケティング部員から関連データを収集した上で、これらのデータをまとめて管理したい状況であるとする。
【0021】
本実施の形態においては、あらかじめ、開発部員用の開発部用タグテンプレート200および、マーケティング部員用のマーケティング部用タグテンプレート210が用意されている。これらの開発部用タグテンプレート200とマーケティング部用タグテンプレート210は、それぞれ複数のタグとよばれるデータ入出力用項目をソフトウェア部品として有する。同図では、開発部用タグテンプレート200は氏名タグ202、開発フェーズタグ204およびパスワードタグ206などのタグ群を有する。一方、マーケティング部用タグテンプレート210は、氏名タグ212、製品名タグ214および台数タグ216などのタグ群を有する。
【0022】
これらのタグを組み合わせることにより、プロジェクト管理用ドキュメントテンプレート220は作成される。プロジェクト管理用ドキュメントテンプレート220は、製品プロジェクトに関する情報を管理するための構造化文書ファイルのフォーマットを定義したものである。プロジェクト管理用ドキュメントテンプレート220は、予定製品名項目222、開発フェーズ項目224、テストモード用パスワード項目226、開発リーダ項目228、売上予想項目230、232などの各項目を含む。すなわち、開発フェーズ項目224は開発フェーズタグ204、テストモード用パスワード項目226はパスワードタグ206、開発リーダ項目228は氏名タグ202に対応する。一方、プロジェクト管理用ドキュメントテンプレート220のうち、予定製品名項目222は製品名タグ214、売上予想項目230、232は共に台数タグ216に対応する。
【0023】
こうして作成されたプロジェクト管理用ドキュメントテンプレート220のタグレイアウトに応じて、データが入力されることにより、構造化文書ファイルが作成される。以下、ユーザのうち、ドキュメントテンプレートを作成する権限を有し、これを作成する者のことを、特に「ドキュメントテンプレート作成者」とよぶ。
【0024】
図2は、実施の形態に係る構造化文書ファイル管理装置10の構成図である。サーバ装置300は、LAN(Local Area Network)16を介して接続されたクライアント端末50a、50bなどの複数の端末(以下、単に「クライアント端末50」という)に、サービスを提供する。また、クライアント端末50はWAN(Wide Area Network)12を介してサーバ装置300と接続されてもよい。
【0025】
サーバ装置300およびクライアント端末50は、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子で実現でき、ソフトウェア的にはデータ送受信機能のあるプログラム等によって実現されるが、以下に説明する図3等ではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できる。サーバ装置300は、ウェブサーバを含む構成であってもよいし、クライアント端末50は、パーソナルコンピュータと、これにインストールされたウェブブラウザを含む構成であってもよい。
【0026】
図3は、図2の構造化文書ファイル管理装置10の機能ブロック図である。ここでサーバ装置300やクライアント端末50のいずれかにより図3の機能が実現されるのではなく、構造化文書ファイル管理装置10全体として図3の各機能が実現される。各機能ブロック、さらには機能ブロック内の各部分がサーバ装置300とクライアント端末50のいずれによって実現されるかは発明の本質に関わるものではない。システム全体を構築する上で、各種機能の分担をサーバ装置300とクライアント端末50の間でどのように切り分けるかは、通信環境や計算機能力など、構造化文書ファイル管理装置10の動作環境なども考慮して設計されればよい。
【0027】
同図に示す、構造化文書ファイル管理装置10の機能ブロックは、大きくユーザインタフェース処理部310、データ処理部330およびデータ格納部400に分けられる。ユーザインタフェース処理部310は利用者に対する各種のユーザインタフェース機能を担当する。データ処理部330は、構造化文書ファイルに関する各種のデータ処理を行う。データ格納部400は、構造化文書ファイルに関する各種のデータを格納する。
【0028】
ユーザインタフェース処理部310は、一般ユーザ用ユーザインタフェース処理部312とドキュメントテンプレート作成者用ユーザインタフェース処理部314を含む。ドキュメントテンプレート作成者用ユーザインタフェース処理部314は、ドキュメントテンプレートの作成に関するユーザインタフェース処理を担当する。一般ユーザ用ユーザインタフェース処理部312は、ドキュメントテンプレートに基づく、データの入出力処理に関するユーザインタフェース処理を担当する。以下、ユーザのうち、ドキュメントテンプレートを介して、データの入出力を行うユーザを指す場合には、特に「一般ユーザ」とよぶ。
【0029】
一般ユーザ用ユーザインタフェース処理部312とドキュメントテンプレート作成者用ユーザインタフェース処理部314は、別々であってもよい。たとえば、ドキュメントテンプレート作成者用のクライアント端末50と、一般ユーザ用のクライアント端末50が別々に存在し、それぞれが一般ユーザ用ユーザインタフェース処理部312とドキュメントテンプレート作成者用ユーザインタフェース処理部314の各機能を別々に分担してもよい。あるいは、単一のユーザインタフェース処理部310が、適宜、一般ユーザ用ユーザインタフェース処理部312とドキュメントテンプレート作成者用ユーザインタフェース処理部314を切り替えてもよい。
【0030】
データ処理部330は、ユーザ判断部332、データ検索部334、データ変換部336、データ取得部340およびドキュメントテンプレート作成部360を含む。ユーザ判断部332は、ユーザをを特定し、各種のデータ処理を行う権限を判断する。データ検索部334は、データ格納部400に含まれる各種のデータから所望のデータを検索する。データ変換部336は、データ格納部400に含まれる各種のデータの変換を行う。たとえば、ドキュメントテンプレートを、ウェブ表示形式に変換したり、一般ユーザが入力したデータを所定の形式に加工するなど、データ形式の変換に関する制御を担当する。
【0031】
データ取得部340は、一般ユーザからドキュメントテンプレートに基づいて入力されたデータを取得し、データ格納部400に格納する。データ取得部340の内部の機能ブロック図については後に詳述する。ドキュメントテンプレート作成部360は、ドキュメントテンプレート作成に伴うデータの処理を行う。ドキュメントテンプレート作成部360の内部の機能ブロック図についても、後に詳述する。データ検索部334、データ変換部336、データ取得部340およびドキュメントテンプレート作成部360は、各処理を実行するに際し、ユーザ判断部332によりユーザの処理権限を判断する。
【0032】
データ格納部400は、ユーザ管理情報格納部402、タグ格納部404、ドキュメントテンプレート格納部406、構造化文書ファイル格納部408および入力データ格納部410を含む。ユーザ管理情報格納部402は、ユーザに関する情報を格納する。具体的には、ユーザを識別するID番号や、ユーザの所属、ドキュメントテンプレートを作成する権限、データ入力を行う権限など、ユーザを管理するための各種の情報(以下、「ユーザ管理情報」とよぶ)を格納する。
【0033】
ユーザ判断部332は、このユーザ管理情報格納部402が格納するユーザ管理情報に基づいて、ユーザの処理権限に関する判断を行う。タグ格納部404はタグをタグテンプレートごとに分類して格納する。ドキュメントテンプレート格納部406はドキュメントテンプレートを格納する。ドキュメントテンプレート格納部406に格納されるドキュメントテンプレートは、データ変換部336により、ウェブ表示形式に変換されて、一般ユーザ用ユーザインタフェース処理部312により一般ユーザに提供される。
【0034】
構造化文書ファイル格納部408は、構造化文書ファイルを格納する。一般ユーザは、ドキュメントテンプレート格納部406が格納するドキュメントテンプレートに基づき、所定のデータを入力して、これを構造化文書ファイルとして構造化文書ファイル格納部408に格納する。構造化文書ファイル格納部408が格納する構造化文書ファイルは、入力された各種のデータと、それらのデータ構造に関する情報、ファイルの表示レイアウトに関する情報を含む。すなわち、構造化文書ファイル格納部408は、ファイル単位でデータを構造化して格納する。
【0035】
これに対して、入力データ格納部410は、一般ユーザが入力したデータを構造化して格納する。すなわち、データ変換部336は、構造化文書ファイル格納部408に格納されるXML形式などで定義された構造化文書ファイルに含まれるデータとその構造、データを入力したユーザなどの情報を読みとる。そして、構造化文書ファイルから各種データを抽出して所定の形式で入力データ格納部410に格納する。
【0036】
図4はドキュメントテンプレート作成部360の内部の機能ブロック図を示す。作成部362は、ドキュメントテンプレートの作成を行う。タグ検索部364は、ドキュメントテンプレート作成に際し、所望のタグをタグ格納部404より検索する。作成部362が、既存のドキュメントテンプレートをベースとして、新たなドキュメントテンプレートを作成する場合には、ドキュメントテンプレート選択部368は、そのベースとなるドキュメントテンプレートをドキュメントテンプレート格納部406より選択する。
【0037】
タグ編集処理部370は、タグを新規に定義したり、既存のタグを編集することにより、新たにタグを作成する。タグ登録部374は、タグ編集処理部370が作成したタグを、タグ格納部404にタグテンプレートごとに分類して登録する。階層構造設定部372は、ドキュメントテンプレートが含むタグの階層構造を定義する。ドキュメントテンプレートに含まれるタグの階層構造は必ずしも定義する必要はない。ドキュメントテンプレート登録部366は、作成されたドキュメントテンプレートを、ドキュメントテンプレート格納部406に登録する。登録されたドキュメントテンプレートは、ウェブ表示形式に変換され公開される。
【0038】
図5はデータ取得部340の内部の機能ブロック図を示す。ドキュメントテンプレート選択部346は一般ユーザが、データを入力すべきドキュメントテンプレートをドキュメントテンプレート格納部406より選択する。データ入力部342は、一般ユーザによるデータ入力を受け付ける。
【0039】
ドキュメントテンプレート中の各タグはデータ入力を受け付けるに際して、それぞれデータ型を有する。たとえば、日付を入力するためのタグもあれば、金額を入力するタグもあり、その型は様々である。データ型検査部344は、ユーザが入力するデータの型をチェックし、不正なデータの入力がなされないように処置する。構造化文書ファイル登録部348は、データが入力されると、構造化文書ファイルとして構造化文書ファイル格納部408に登録する。
【0040】
次に、会社内において、業務日報のレイアウトを定めるドキュメントテンプレートを作成する過程をユーザインタフェースの観点から具体的に示す。ドキュメントテンプレート作成者がユーザインタフェース処理部310において、ドキュメントテンプレートの作成を指示することで、ドキュメントテンプレート作成者には図6以下に示す各種画面が表示される。
【0041】
図6は、ドキュメントテンプレート作成者がドキュメントテンプレートを作成するに際し表示されるドキュメントテンプレート作成画面450を示す。ドキュメントテンプレートレイアウト領域452は、作成中のドキュメントテンプレートの表示レイアウトを示す。タグ選択領域456において、作成中のドキュメントテンプレートに取り込むべきタグが選択される。タグ作成ボタン458が押下されると新規にタグを作成するためのタグ編集画面500が表示される。また、タグ編集ボタン460が押下されると、既存のタグを編集するためにタグ編集画面500が表示される。タグ編集画面500については、後に詳述する。
【0042】
タグテンプレート選択ボタン462によりタグテンプレートを選択できる。同図では、「標準」という名前のタグテンプレートが選択されている。タグ選択領域464は、タグテンプレート選択ボタン462で選択されたタグテンプレートに分類されているタグの一覧を示す。設定ボタン466が押下されると、タグ選択領域464で選択されたタグがドキュメントテンプレートレイアウト領域452の指定位置に取り込まれる。タグ選択領域464に表示されている各タグのデータ入力方法は、選択式や記入式などさまざまであり、同一とは限らない。ここでは、記入式入力アイコン468は、記入式のタグが取り込まれていることを示す。一方、選択式入力アイコン470は、選択式のタグが取り込まれていることを示す。
【0043】
図7は、ドキュメントテンプレート作成画面450において、タグ作成ボタン458またはタグ編集ボタン460が押下されたときに表示されるタグ編集画面500を示す。タグ編集画面500において、新規タグの作成や、既存タグの編集が行われる。入力方法設定領域506はタグのデータ入力形式を設定する。タグのデータ入力形式は、一行入力選択ボタン502か自由記述選択ボタン504のいずれかにより定まる。一行入力選択ボタン502が選択されると、タグは一行だけのデータを入力する形式となる。自由記述選択ボタン504が選択されると、タグは自由記述入力の形式となる。
【0044】
一行入力選択ボタン502が選択されているときに、入力リスト設定領域508がチェックされると、タグは、リスト選択式となる。このとき、入力リスト編集ボタン510が押下されると、図示しないが、そのリストの候補を設定するための画面が表示される。
【0045】
タグテンプレート選択ボタン512により、タグが所属すべきタグテンプレートが設定される。また、タグテンプレート定義ボタン514により、タグが所属すべきタグテンプレートを新たに定義できる。タグ名設定領域516においては、タグの名前が設定される。キャプション設定領域518においては、タグのキャプションが設定される。このキャプションはタグ選択領域464に表示される。説明文記入領域520においては、タグの説明文が設定される。
【0046】
図8は、ドキュメントテンプレートに取り込まれたタグの階層構造を作成するためのタグ階層構造設定画面550を示す。タグ階層構造設定領域552は、タグの階層構造を示す。ドキュメントテンプレート作成者は、タグ階層構造設定領域552において、タグの階層構造をデザインする。また、これらのタグを、まとめるために新たなタグを追加することもできる。OKボタン554が押下されると、タグ階層構造設定領域552でデザインされたタグの階層構造が有効化される。
【0047】
ドキュメントテンプレート登録部366がドキュメントテンプレートをドキュメントテンプレート格納部406に登録すると、このドキュメントテンプレートはウェブ表示形式に変換されて一般ユーザに提供される。
【0048】
図9は、一般ユーザが、図6から図8までの各画面において作成されたドキュメントテンプレートに対し、データ入力を行うためのドキュメントテンプレート表示画面600を示す。ドキュメントテンプレート表示領域602は、業務日報作成用ドキュメントテンプレートである。一般ユーザは、ドキュメントテンプレート表示領域602の各項目にデータを入力する。マウスカーソルが所定のタグにあわせられると、ツールチップ604のように、図7の説明文記入領域520で設定したタグの説明文が表示される。データ入力が完了すると、入力データを含む構造化文書ファイルは構造化文書ファイル格納部408に格納される。この構造化文書ファイル中の各入力データは、タグ階層構造設定画面550で設定したタグの階層構造に従って階層構造化されて保存される。
【0049】
次に、処理の流れについて説明する。
【0050】
図10は、ドキュメントテンプレート作成過程におけるフローチャートを示す。ドキュメントテンプレート作成者はドキュメントテンプレートを作成するに際しては、まったく新規に作成しても良いし、既存のドキュメントテンプレートをベースにして、新たなドキュメントテンプレートを作成してもよい。ドキュメントテンプレート作成者が、既存のドキュメントテンプレートをベースにする場合には(S10のY)、所望のドキュメントテンプレートがドキュメントテンプレート選択部368によりドキュメントテンプレート格納部406からロードされる(S12)。
【0051】
ドキュメントテンプレート作成者がタグ編集画面500において、新規にタグを作成する場合には(S14のY)、タグの作成処理が行われる(S16)。新規に作成されたタグは、タグ格納部404にタグテンプレートごとに分類されて登録される(S18)。タグ格納部404に格納されるこれらのタグを取得してタグを設定し、ドキュメントテンプレートのレイアウトが決定される(S20)。
【0052】
ドキュメントテンプレートに含まれるタグを階層構造化する場合には(S22のY)、階層構造設定部372はタグの階層構造作成処理を行う(S24)。こうして、作成されたドキュメントテンプレートは、タグの階層構造も含めて、ドキュメントテンプレート格納部406に登録され(S26)、ドキュメントテンプレート作成処理は終了する。
【0053】
図11は、一般ユーザが、ドキュメントテンプレートのタグに従ってデータを入力し、これを登録する過程におけるフローチャートを示す。一般ユーザは、ウェブ表示形式で表示されるドキュメントテンプレートから、データを入力すべきドキュメントテンプレートを選択する(S30)。一般ユーザは、所定のドキュメントテンプレートの各タグ項目に対して、所定の形式でデータを入力する(S32)。データの入力を完了すると(S34のY)、構造化文書ファイルとして構造化文書ファイル格納部408に登録する(S36)。また、入力されたデータは、ドキュメントテンプレートのタグの階層構造に従って所定の形式で抽出され、入力データ格納部410に格納され(S38)、処理は終了する。
【0054】
以上、実施の形態においては、ドキュメントテンプレート作成者が、ドキュメントテンプレートを作成するためのタグは、あらかじめタグテンプレートによって分類されている。このため、ドキュメントテンプレートの作成目的に応じて、所望のタグを効率的に選択することができる。また、ドキュメントテンプレートの表示形式や、タグの階層構造の定義を、全てGUI(Graphical User Interface)ベースで行うことができる。したがって、ドキュメントテンプレート作成者には、XMLなどのメタ言語について専門知識を修得する負担がかからない。
【0055】
さらに、ドキュメントテンプレートを作成するに際し、ドキュメントテンプレート作成者はGUIベースで、新たに所望のタグを作成し、これを登録することもできる。これにより、構造化文書ファイル管理装置を使用するにつれて、その使用目的に応じた有用なタグが蓄積されていく。したがって、所望のドキュメントテンプレートを更に効率的に作成できるようになる。
【0056】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0057】
そうした変形例として、タグは初めから階層構造化されてタグ格納部404に格納されてもよい。そして、ドキュメントテンプレートに取り込まれたタグは、タグ格納部404における階層構造情報に基づいて、自動的に階層構造化されてもよい。これにより、ドキュメントテンプレートを作成するごとに、類似の階層構造定義を行う負担が軽減される。また、データ入力用のタグに限らず、たとえば、単語検索ボタンなどの所定のソフトウェアコンポーネントを選択して、ドキュメントテンプレートに取り込んでもよい。また、複数のタグを組み合わせてグループ化することにより、これを一つの単位としてまとめてドキュメントテンプレートに取り込むことができてもよい。
【0058】
更に、構造化文書ファイル管理装置は、ネットワークを介して、所望のタグを取得する機能を有してもよい。他者の作成したタグを、ドキュメントテンプレートに取り込むことにより、より多様なタグを使用できる。また、この装置は、ドキュメントテンプレートを作成するに際しては、表示レイアウトの定義は行わず、タグとその階層構造だけ定義する機能を有してもよい。そして、この表示レイアウトについては別途定義できてもよい。これにより、同一のデータ構造であっても複数の表示レイアウトを定義することができる。あるいは、ワープロソフトなどにより、表示レイアウトを先に決定しておき、これを取り込んだ後に所望のタグを埋め込んでドキュメントテンプレートの作成ができてもよい。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、構造化文書ファイルを効果的に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態における、ドキュメントテンプレートの作成に関する模式図である。
【図2】 本実施の形態における、構造化文書ファイル管理装置のハードウェア構成図である。
【図3】 構造化文書ファイル管理装置の機能ブロックを示す図である。
【図4】 ドキュメントテンプレート作成部の内部の機能ブロックを示す図である。
【図5】 データ取得部の内部の機能ブロックを示す図である。
【図6】 ドキュメントテンプレート作成画面の一例を示す図である。
【図7】 タグ編集画面の一例を示す図である。
【図8】 タグ階層構造設定画面の一例を示す図である。
【図9】 一般ユーザに対するドキュメントテンプレート表示画面の一例を示す図である。
【図10】 ドキュメントテンプレートを作成する過程におけるフローチャートである。
【図11】 ドキュメントテンプレートを介してデータを入力する過程におけるフローチャートである。
【符号の説明】
10 構造化文書ファイル管理装置、310 ユーザインタフェース処理部、312 一般ユーザ用ユーザインタフェース処理部、314 ドキュメントテンプレート作成者用ユーザインタフェース処理部、330 データ処理部、340データ取得部、348 構造化文書ファイル登録部、360 ドキュメントテンプレート作成部、364 タグ検索部、366 ドキュメントテンプレート登録部、370 タグ編集処理部、372 階層構造設定部、374 タグ登録部、400 データ格納部、404 タグ格納部、406 ドキュメントテンプレート格納部、408 構造化文書ファイル格納部、410 入力データ格納部。
Claims (5)
- 入力フォームを表示させる際に前記入力フォームに含まれる項目の属性情報として参照されるべき複数のタグを前記入力フォームの利用目的に応じて分類し、ライブラリとして保持するタグ格納部と、
前記ライブラリに含まれる前記複数のタグの中からフォーム作成者により指示されたタグを取得するタグ取得部と、
前記フォーム作成者による指示に基づいて、前記取得されたタグ同士を階層的に関連づけることにより、前記入力フォームのテンプレートを生成するテンプレート生成部と、
前記テンプレートにしたがって、前記取得されたタグに対応する項目を含む前記入力フォームを画面に表示させる入力フォーム表示部と、
前記入力フォームに含まれる前記項目を介して、データ入力者から入力されたデータを取得するデータ取得部と、
前記テンプレートに含まれるタグの関連付け情報に基づいて前記データを階層化することにより、構造化文書ファイルとして前記データを記憶する構造化文書ファイル格納部と、
を備えることを特徴とする構造化文書ファイル管理装置。 - 前記フォーム作成者の指示により新たに作成されたタグを取得するタグ作成部、
を更に含み、
前記タグ格納部は、前記取得されたタグを、前記入力フォームの利用目的に応じて分類し、ライブラリとして保持することを特徴とする請求項1に記載の構造化文書ファイル管理装置。 - 前記タグ作成部は、前記ライブラリに含まれる複数のタグの中から、前記フォーム作成者の指示により選択され編集されたタグを取得する機能を更に有し、
前記タグ格納部は、前記取得されたタグを、前記入力フォームの利用目的に応じて分類し、ライブラリとして保持することを特徴とする請求項2に記載の構造化文書ファイル管理装置。 - 入力フォームを画面表示させる際に前記入力フォームに含まれる項目の属性情報として参照されるべき複数のタグを、タグ表示部により、前記入力フォームの利用目的に応じて分類して画面表示させるステップと、
タグ取得部により、前記画面表示されたタグの中からフォーム作成者により指示されたタグのデータを、前記複数のタグのデータを保持する所定の記録媒体からメモリに読み出すステップと、
前記フォーム作成者による指示に基づいて、指示されたタグ同士を階層的に関連づけることにより、テンプレート生成部により、前記入力フォームのテンプレートをメモリ上に生成するステップと、
テンプレート生成部により、前記生成されたテンプレートを所定の記録媒体に保存するステップと、
入力フォーム表示部により、前記保存されたテンプレートにしたがって、前記指示されたタグに対応する項目を含む前記入力フォームを画面表示させるステップと、
データ取得部により、前記画面表示された前記入力フォームに含まれる前記項目へのデータ入力者によるデータの入力を検出するステップと、
データ取得部により、前記入力されたデータをメモリ上に一時的に保持するステップと、
前記テンプレートに含まれるタグの関連付け情報に基づいて前記メモリ上に保持されているデータを階層化することにより、データ取得部により、構造化文書ファイルとして前記データを所定の記録媒体に保存するステップと、
を含むことを特徴とする構造化文書ファイル管理方法。 - 入力フォームを画面表示させる際に前記入力フォームに含まれる項目の属性情報として参照されるべき複数のタグを、タグ表示部により、前記入力フォームの利用目的に応じて分類して画面表示させる機能と、
タグ取得部により、前記画面表示されたタグの中からフォーム作成者により指示されたタグのデータを、前記複数のタグのデータを保持する所定の記録媒体からメモリに読み出す機能と、
前記フォーム作成者による指示に基づいて、指示されたタグ同士を階層的に関連づけることにより、テンプレート生成部により、前記入力フォームのテンプレートをメモリ上に生成する機能と、
テンプレート生成部により、前記生成されたテンプレートを所定の記録媒体に保存する機能と、
入力フォーム表示部により、前記保存されたテンプレートにしたがって、前記指示されたタグに対応する項目を含む前記入力フォームを画面表示させる機能と、
データ取得部により、前記画面表示された前記入力フォームに含まれる前記項目へのデータ入力者によるデータの入力を検出する機能と、
データ取得部により、前記入力されたデータをメモリ上に一時的に保持する機能と、
前記テンプレートに含まれるタグの関連付け情報に基づいて前記メモリ上に保持されているデータを階層化することにより、データ取得部により、構造化文書ファイルとして前記データを所定の記録媒体に保存する機能と、
をコンピュータに発揮させることを特徴とする構造化文書ファイル管理プログラム。
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