JP4133402B2 - 送信装置および送信方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、送信装置および送信方法に関し、特に送信の時間帯をフレーム毎に動的に割り当てる送信装置および送信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、各フレームにおいて下り回線データを送信する時間帯および上り回線データを送信する時間帯を、固定的に割り当てるのではなく、動的に割り当てる割り当て方法が盛んに検討されている。このような動的割り当てにおいて、送信データを送信するための電気的条件などを回線品質情報に基づいて決定する物理層での処理および送信データの割り当てなどを行うデータリンク層での処理において互いの層における処理が考慮されていない。すなわち、各フレームに割り当てられる送信のための時間帯が大きく異なる場合があるため、フレーム内に未使用時間帯が発生することがある(たとえば特許文献1)。ここで、1フレームとは、装置間でデータの送受信を行うための時間帯の1単位である。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−239152号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の送受信装置および送受信方法において、未使用時間帯を考慮せずにデータの送受信が行われ、未使用時間帯においては何もデータが送受信されないため、結果的にフレームの時間帯を有効に使用していないという問題があった。また、従来の送受信装置および送受信方法において、データを再送信するためには少なくとも1フレーム以上待機する必要があり、さらに回線変動が遅い場合に誤りが連続的に発生して再送回数が増大するため、データが送信されてから通信相手が受信するまでの伝送遅延時間が大きくなるという問題があった。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、伝送効率を向上させると共に伝送遅延時間を削減することができる送信装置および送信方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の送信装置は、信号の送信または再送信のための送信制御を行う制御手段と、送信制御を施された信号を拡散する拡散手段と、拡散された信号を送信する送信手段と、を具備し、前記拡散手段は、再送信する信号を拡散する場合、前記再送信する信号の前回の送信に用いた拡散符号とは異なる拡散符号であって、前記再送信する信号の前回の送信に用いた拡散符号と同一の拡散率を有するものを用いて、前記再送信する信号の拡散を行う、構成を採る。
【0007】
本発明の送信方法は、信号を送信または再送信する送信方法において、前記信号を送信するときに、拡散符号を用いて前記信号を拡散し、前記信号を再送信するときに、前記信号の送信に用いた拡散符号とは異なる拡散符号であって、前記信号の送信に用いた拡散符号と同一の拡散率を有するものを用いて前記信号を拡散する、ようにした。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0032】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る送受信装置の構成を示すブロック図である。図1に示す送受信装置100は、TDD方式の無線通信システム(たとえば、CDMA/TDD方式の無線通信システム)における基地局装置に適用されたものである。
【0033】
図1に示す送受信装置100は、制御部102、拡散装置104、無線送信部106、共用部108、アンテナ110、無線受信部112、逆拡散装置114、時間帯計算部116および時間帯割り当て部118を具備している。
【0034】
制御部102の入力端子は、時間帯割り当て部118に接続されている。拡散装置104の入力端子は、制御部102に接続されている。無線送信部106の入力端子は、拡散装置104に接続されている。共用部108の入力端子は、無線送信部106、制御部102およびアンテナ110に接続されている。アンテナ110の入力端子は、共用部108に接続されている。無線受信部112の入力端子は、共用部108に接続されている。逆拡散装置114の入力端子は、無線受信部112に接続されている。時間帯計算部116の入力端子は、制御部102に接続されている。時間帯割り当て部118の入力端子は、時間帯計算部116に接続されている。
【0035】
制御部102は、下り回線用時間帯および上り回線用時間帯をフレーム毎に動的に割り当てる。また、制御部102は、各フレームにおける下り回線用時間帯および上り回線用時間帯の割り当てに基づいて下り回線データを制御して拡散装置104に出力する。また、制御部102は、時間帯割り当て部118からの割り当て情報に基づいて下り回線データを制御して拡散装置104に出力する。ここで、下り回線用時間帯とは、下り回線を介して通信相手(ユーザ装置)に転送されるデータである下り回線データを送信するために使用される時間帯である。また、上り回線用時間帯とは、上り回線を介して通信相手から転送されるデータである上り回線データを送信するために使用される時間帯である。
【0036】
また、制御部102は、下り回線用時間帯および上り回線用時間帯の割り当てを時間帯計算部116に報告する。また、制御部102は、拡散装置104における拡散処理を制御するための拡散制御情報を拡散装置104に出力する。また、制御部102は、共用部108において送受信の状態遷移を制御するための送受信制御情報を共用部108に出力する。
【0037】
時間帯計算部116は、制御部102から報告された下り回線用時間帯および上り回線用時間帯の割り当てに基づいて、フレームにおける上り回線用時間帯および下り回線用時間帯以外の未使用時間帯を計算して計算結果を生成し、計算結果を時間帯割り当て部118に出力する。
【0038】
時間帯割り当て部118は、時間帯計算部116からの計算結果に基づいて、フレームにおいて未使用時間帯が存在する場合に、データ用時間帯を未使用時間帯に割り当てる。ここで、データ用時間帯とは、下り回線データを再送信するために使用される時間帯または上り回線データを再送信するために使用される時間帯である。時間帯割り当て部118は、データ用時間帯を未使用時間帯に割り当てたことを示す割り当て情報を生成して制御部102に出力する。
【0039】
拡散装置104は、制御部102からの拡散制御情報に基づいて下り回線データを拡散する。拡散装置104は、拡散後の下り回線データを無線送信部106に出力する。
【0040】
無線送信部106は、拡散信号に対してアップコンバート等を含む所定の無線送信処理を行って、共用部108に出力する。
【0041】
共用部108は、制御部102からの送受信制御情報に基づいてアンテナ110の送受信の状態を切り替える。また、共用部108は、無線送信部106からの下り回線データをアンテナ110から無線送信する。また、共用部108は、アンテナ110によって受信された上り回線データを無線受信部112に出力する。
【0042】
無線受信部112は、共用部108からの上り回線データに対してダウンコンバート等を含む所定の無線受信処理を行って、逆拡散装置114に出力する。逆拡散装置114は、上り回線データを逆拡散する。
【0043】
次いで、上記構成を有する送受信装置100における動作の一例について説明する。
【0044】
まず、制御部102は、下り回線データの送信に使用される下り回線用時間帯および上り回線データの送信に使用される上り回線用時間帯の割り当てを時間帯計算部116に報告する。
【0045】
そして、時間帯計算部116は、フレームの時間長から上り回線用時間帯の長さおよび下り回線用時間帯の長さを減算することにより未使用時間帯を計算して、図2の(A)に示す計算結果を生成して時間帯割り当て部118に出力する。
【0046】
なお、未使用時間帯の計算処理は、上記に限定されない。たとえば、送信される下り回線データのデータ量および送信される上り回線データのデータ量を合計して、その合計値に基づいて未使用時間帯を計算しても良い。
【0047】
そして、時間帯割り当て部118は、時間帯計算部116からの計算結果を参照する。そして、未使用時間帯がある場合に、時間帯割り当て部118は、下り回線用時間帯および上り回線用時間帯の後に下り回線データを再送信するためのデータ用時間帯を配置することによりデータ用時間帯の割り当てを行う。そして、時間帯割り当て部118は、上記のようなデータ用時間帯の割り当てに基づく割り当て情報(図2の(B))を生成して制御部102に出力する。
【0048】
なお、時間帯割り当て部118は、下り回線用時間帯および上り回線用時間帯の後に上り回線データを再送信するためのデータ用時間帯を配置しても良い。また、時間帯割り当て部118は、下り回線用時間帯および上り回線用時間帯の後に下り回線データを再送信するためのデータ用時間帯および上り回線データを再送信するためのデータ用時間帯の両方を配置しても良い。
【0049】
また、図2において、時間帯割り当て部118は、データ用時間帯を未使用時間帯の一部に割り当て、かつ、データ用時間帯を割り当てられた部分以外を残余時間帯としている。ただし、データ用時間帯の割り当て方法は、これに限定されない。たとえば、時間帯割り当て部118は、データ用時間帯を未使用時間帯の全部に割り当てても良い。
【0050】
そして、制御部102は、時間帯割り当て部118からの割り当て情報に基づいて送受信制御情報を生成して共用部108に出力する。また、制御部102は、割り当てられた下り回線用時間帯において下り回線データが送信されるようにタイミングを制御して、タイミング制御後の下り回線データを拡散装置104に出力する。これと同時に、制御部102は、拡散制御情報を生成して拡散装置104に出力する。また、制御部102は、時間帯割り当て部118からの割り当て情報に基づいて、同フレームにおいて送信される下り回線データのうちの一部を選択して、割り当てられたデータ用時間帯において選択部分が再送信されるようにタイミングを制御して、拡散装置104に出力する。これと同時に、制御部102は、拡散制御情報を生成して拡散装置104に出力する。ここで、拡散制御情報の一例としては、拡散処理において使用すべき拡散率を示す情報が挙げられる。
【0051】
ここで、下り回線データのうちの一部を選択する動作の一例として、制御部102は、下り回線データが複数の通信相手宛てのデータである場合に、複数の通信相手のうちの1つ以上の通信相手宛てのデータを選択する。通信相手の選択基準の一例としては、各通信相手の回線品質が挙げられる。この場合、制御部102は、各通信相手から報告される回線品質を比較して、回線品質が悪いと判断された通信相手を選択する。なお、送受信装置100が各通信相手に対する送信電力制御を行うものである場合、制御部102は、送信電力を示す情報が回線品質を示すものとしてその情報を比較しても良い。このようにして、回線品質が悪い通信相手に対して下り回線データを再送信するため、回線品質が悪い通信相手における誤り率特性を改善することができる。
【0052】
また、下り回線データのうちの一部を選択する動作の他の例として、制御部102は、下り回線データが初めて送信されるデータの他に通信相手からの再送要求に従って再送情報として送信されるデータを含むものである場合に、下り回線データのうち送信回数が多いデータを選択しても良い。たとえば、送信される下り回線データに送信回数が「1」であるデータ(すなわち、初めて送信されるデータ)および送信回数が「2」であるデータ(すなわち、再送情報として送信されるデータ)が含まれている場合、制御部102は、送信回数が「2」であるデータを選択して同フレームにおいて再送信すべき下り回線データとする。再送情報は比較的重要なデータであると考えられるから、このように、送信回数が多いデータの再送信を優先的に行うことにより、送信回数が多いデータなどの重要データの誤り率を改善することができる。
【0053】
また、下り回線データのうちの一部を選択する動作のさらに他の例として、制御部102は、下り回線データが様々な種類のデータを含むものである場合に、下り回線データのうち通信相手との通信を制御するためのデータを選択しても良い。通信制御用のデータは比較的重要なデータであると考えられるから、このように、通信制御用データの再送信を優先的に行うことにより、通信制御用データなどの重要データの誤り率を改善することができる。
【0054】
なお、下り回線データの再送信時において、制御部102は、同フレームにおいて送信される下り回線データの全部を拡散装置104に出力しても良い。また、下り回線データの再送信時において、制御部102は、同フレームにおいて再送信すべき下り回線データがなければデータ用時間帯において何も出力しなくても良い。
【0055】
次いで、拡散装置104における動作の一例について説明する。図3は、拡散装置104の内部構成の一例を示すブロック図である。拡散装置104は、拡散部302a、302bおよび選択部304を具備している。拡散部302a、302bは制御部102に接続されている。選択部304は、制御部102および拡散部302a、302bに接続されている。
【0056】
拡散部302aは、固有の拡散率を有する拡散符号を用いて制御部102からの下り回線データを拡散する。また、拡散部302bは、固有の拡散率を有する拡散符号を用いて制御部102からの下り回線データを拡散する。ここで、拡散部302aにおける拡散率および拡散部302bにおける拡散率は互いに異なる。
【0057】
そして、選択部304は、どの拡散率を選択すべきかを示す情報を拡散制御情報として制御部102から取得する。そして、選択部304は、拡散制御情報に示された拡散率で拡散された下り回線データを選択して無線送信部106に出力する。
【0058】
このように、実施の形態1によれば、フレームにおいて未使用時間帯が存在する場合に下り回線データの再送信または上り回線データの再送信に使用されるデータ用時間帯を未使用時間帯に割り当てるため、未使用時間帯においてもデータの送受信を行うことができるから、かつ、データの再送受信を行うために1フレーム以上待機する必要がなくなるから、伝送効率を向上させることができると共に伝送遅延時間を削減することができる。さらに、実施の形態1によれば、通信相手からの余計な制御信号なしでデータ用時間帯の割り当てを行うため、通信相手が余計な制御信号を送信する必要がなくなるから、通信相手の消費電力の増大および干渉の増大を回避することができ、かつ、通信相手の誤り率特性の改善を図ることができる。
【0059】
また、実施の形態1によれば、上述の作用効果を基地局装置において実現することができる。
【0060】
なお、上述のとおり、実施の形態1において説明した送受信装置100は、TDD方式の無線通信システムに適用されたものであるが、送受信装置100は、FDD(Frequency Division Duplex)方式の無線通信システムに適用することも可能である。
【0061】
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2に係る送受信装置の構成を示すブロック図である。なお、実施の形態2に係る送受信装置は、実施の形態1において説明した送受信装置100と同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
【0062】
図4に示す送受信装置400は、図1に示す送受信装置100における時間帯割り当て部118の代わりに時間帯割り当て部402を具備して成るものである。図4に示す送受信装置400は、TDD方式の無線通信システム(たとえば、CDMA/TDD方式の無線通信システム)における基地局装置に適用されたものである。
【0063】
制御部102の入力端子は、時間帯割り当て部402に接続されている。拡散装置104の入力端子は、制御部102に接続されている。無線送信部106の入力端子は、拡散装置104に接続されている。共用部108の入力端子は、無線送信部106、制御部102およびアンテナ110に接続されている。アンテナ110の入力端子は、共用部108に接続されている。無線受信部112の入力端子は、共用部108に接続されている。逆拡散装置114の入力端子は、無線受信部112に接続されている。時間帯計算部116の入力端子は、制御部102に接続されている。時間帯割り当て部402の入力端子は、時間帯計算部116に接続されている。
【0064】
時間帯割り当て部402は、時間帯計算部116からの計算結果に基づいて、フレームにおいて未使用時間帯が存在する場合に、データ用時間帯を未使用時間帯に割り当てる。時間帯割り当て部402は、データ用時間帯を未使用時間帯に割り当てたことを示す割り当て情報を生成して制御部102に出力する。
【0065】
次いで、時間帯割り当て部402における具体的な動作の一例について説明する。
【0066】
まず、時間帯割り当て部402は、時間帯計算部116からの計算結果(図5の(A))を参照する。そして、未使用時間帯がある場合に、時間帯割り当て部402は、下り回線用時間帯の直後に下り回線データを再送信するためのデータ用時間帯を配置し、かつ、上り回線用時間帯の直後に上り回線データを再送信するためのデータ用時間帯を配置することによりデータ用時間帯の割り当てを行う。そして、時間帯割り当て部402は、上記のようなデータ用時間帯の割り当てに基づく割り当て情報(図5の(B))を生成して制御部102に出力する。
【0067】
なお、図5において、時間帯割り当て部402は、データ用時間帯を未使用時間帯の一部に割り当て、かつ、データ用時間帯を割り当てられた部分以外を残余時間帯としている。ただし、データ用時間帯の割り当て方法は、これに限定されない。たとえば、時間帯割り当て部402は、データ用時間帯を未使用時間帯の全部に割り当てても良い。
【0068】
このように、実施の形態2によれば、下り回線データの送信に引き続いて下り回線データの再送信を行える配置でデータ用時間帯の割り当てを行うため、未使用時間帯においてもデータの送信を行うことができるから、かつ、データの再送信を行うために1フレーム以上待機する必要がなくなるから、伝送効率を向上させることができると共に伝送遅延時間を削減することができる。さらに、実施の形態2によれば、通信相手からの余計な制御信号なしでデータ用時間帯の割り当てを行うため、通信相手が余計な制御信号を送信する必要がなくなるから、通信相手の消費電力の増大および干渉の増大を回避することができ、かつ、通信相手の誤り率特性の改善を図ることができる。
【0069】
また、実施の形態2によれば、上り回線データの送信に引き続いて上り回線データの再送信を行える配置でデータ用時間帯の割り当てを行うため、未使用時間帯においてもデータの送信を行うことができるから、かつ、データの再送信を行うために1フレーム以上待機する必要がなくなるから、伝送効率を向上させることができると共に伝送遅延時間を削減することができる。
【0070】
また、実施の形態2によれば、TDD方式の場合に、下り回線データの送信に引き続いて下り回線データの再送信を行うことができるため、フレームにおける送受信の状態遷移の回数が増加することを回避することができるので、送受信の状態遷移の管理を容易に行うことができる。
【0071】
また、実施の形態2によれば、TDD方式の場合に、上り回線データの送信に引き続いて上り回線データの再送信を行うことができるため、フレームにおける送受信の状態遷移の回数が増加することを回避することができるので、送受信の状態遷移の管理を容易に行うことができる。
【0072】
また、実施の形態2によれば、上述の作用効果を基地局装置において実現することができる。
【0073】
なお、上述のとおり、実施の形態2において説明した送受信装置400は、TDD方式の無線通信システムに適用されたものであるが、送受信装置400は、FDD方式の無線通信システムに適用することも可能である。
【0074】
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態3に係る送受信装置の構成を示すブロック図である。なお、実施の形態3に係る送受信装置は、実施の形態1において説明した送受信装置100と同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
【0075】
図6に示す送受信装置600は、図1に示す送受信装置100における時間帯割り当て部118の代わりに時間帯割り当て部602を具備して成るものである。図6に示す送受信装置600は、TDD方式の無線通信システム(たとえば、CDMA/TDD方式の無線通信システム)における基地局装置に適用されたものである。
【0076】
制御部102の入力端子は、時間帯割り当て部602に接続されている。拡散装置104の入力端子は、制御部102に接続されている。無線送信部106の入力端子は、拡散装置104に接続されている。共用部108の入力端子は、無線送信部106、制御部102およびアンテナ110に接続されている。アンテナ110の入力端子は、共用部108に接続されている。無線受信部112の入力端子は、共用部108に接続されている。逆拡散装置114の入力端子は、無線受信部112に接続されている。時間帯計算部116の入力端子は、制御部102に接続されている。時間帯割り当て部602の入力端子は、時間帯計算部116に接続されている。
【0077】
時間帯割り当て部602は、時間帯計算部116からの計算結果に基づいて、フレームにおいて未使用時間帯が存在する場合に、データ用時間帯を未使用時間帯に割り当てる。時間帯割り当て部602は、データ用時間帯を未使用時間帯に割り当てたことを示す割り当て情報を生成して制御部102に出力する。
【0078】
次いで、時間帯割り当て部602における具体的な動作の一例について説明する。
【0079】
まず、時間帯割り当て部602は、時間帯計算部116からの計算結果(図7の(A))を参照する。そして、未使用時間帯がある場合に、時間帯割り当て部602は、下り回線用時間帯の直後に下り回線データを再送信するためのデータ用時間帯を配置することによりデータ用時間帯の割り当てを行う。そして、時間帯割り当て部602は、上記のようなデータ用時間帯の割り当てに基づく割り当て情報(図7の(B))を生成して制御部102に出力する。この場合、時間帯割り当て部602は、上り回線データの再送信のためのデータ用時間帯を割り当てていないが、無線通信システム全体のスループットは一般に下り回線が支配的であるため下り回線データの再送信のためのデータ用時間帯を割り当てるだけでも十分に効果的である。
【0080】
なお、図7において、時間帯割り当て部602は、データ用時間帯を未使用時間帯の一部に割り当て、かつ、データ用時間帯を割り当てられた部分以外を残余時間帯としている。ただし、データ用時間帯の割り当て方法は、これに限定されない。たとえば、時間帯割り当て部602は、データ用時間帯を未使用時間帯の全部に割り当てても良い。
【0081】
このように、実施の形態3によれば、下り回線データの送信に引き続いて下り回線データの再送信を行える配置でデータ用時間帯の割り当てを行うため、未使用時間帯においてもデータの送信を行うことができるから、かつ、データの再送信を行うために1フレーム以上待機する必要がなくなるから、伝送効率を向上させることができると共に伝送遅延時間を削減することができる。さらに、実施の形態3によれば、通信相手からの余計な制御信号なしでデータ用時間帯の割り当てを行うため、通信相手が余計な制御信号を送信する必要がなくなるから、通信相手の消費電力の増大および干渉の増大を回避することができ、かつ、通信相手の誤り率特性の改善を図ることができる。
【0082】
また、実施の形態3によれば、TDD方式の場合に、下り回線データの送信に引き続いて下り回線データの再送信を行うことができるため、フレームにおける送受信の状態遷移の回数が増加することを回避することができるので、送受信の状態遷移の管理を容易に行うことができる。
【0083】
また、実施の形態3によれば、上述の作用効果を基地局装置において実現することができる。
【0084】
なお、上述のとおり、実施の形態3において説明した送受信装置600は、TDD方式の無線通信システムに適用されたものであるが、送受信装置600は、FDD方式の無線通信システムに適用することも可能である。
【0085】
(実施の形態4)
図8は、本発明の実施の形態4に係る送受信装置の構成を示すブロック図である。なお、実施の形態4に係る送受信装置は、実施の形態1において説明した送受信装置100と同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
【0086】
図8に示す送受信装置800は、図1に示す送受信装置100における制御部102および拡散装置104の代わりに制御部802および拡散装置804を具備して成るものである。図8に示す送受信装置800は、TDD方式の無線通信システム(たとえば、CDMA/TDD方式の無線通信システム)における基地局装置に適用されたものである。
【0087】
制御部802の入力端子は、時間帯割り当て部118に接続されている。拡散装置804の入力端子は、制御部802に接続されている。無線送信部106の入力端子は、拡散装置804に接続されている。共用部108の入力端子は、無線送信部106、制御部802およびアンテナ110に接続されている。アンテナ110の入力端子は、共用部108に接続されている。無線受信部112の入力端子は、共用部108に接続されている。逆拡散装置114の入力端子は、無線受信部112に接続されている。時間帯計算部116の入力端子は、制御部802に接続されている。時間帯割り当て部118の入力端子は、時間帯計算部116に接続されている。
【0088】
制御部802は、下り回線用時間帯および上り回線用時間帯をフレーム毎に動的に割り当てる。また、制御部802は、各フレームにおける下り回線用時間帯および上り回線用時間帯の割り当てに基づいて下り回線データを制御して拡散装置804に出力する。また、制御部802は、時間帯割り当て部118からの割り当て情報に基づいて下り回線データを制御して拡散装置804に出力する。
【0089】
また、制御部802は、下り回線用時間帯および上り回線用時間帯の割り当てを時間帯計算部116に報告する。また、制御部802は、拡散装置804における拡散処理を制御するための拡散制御情報を拡散装置804に出力する。また、制御部802は、データ用時間帯における下り回線データ再送信の実行を示す情報を拡散装置804に出力する。また、制御部802は、共用部108において送受信の状態遷移を制御するための送受信制御情報を共用部108に出力する。
【0090】
なお、制御部802における下り回線データのタイミングを制御する動作および下り回線データのうちの一部を選択する動作は、実施の形態において説明した制御部102と同様である。
【0091】
拡散装置804は、制御部802からの拡散制御情報に基づいて下り回線データを拡散する。拡散装置804は、拡散後の下り回線データを無線送信部106に出力する。
【0092】
次いで、拡散装置804における動作の一例について説明する。図9は、拡散装置804の内部構成の一例を示すブロック図である。拡散装置804は、拡散部902a、902bおよび選択部904を具備している。拡散部902a、902bの入力端子は、制御部802に接続されている。選択部904は、制御部802および拡散部902a、902bに接続されている。
【0093】
拡散部902aは、固有の拡散率を有するN個(Nは2以上の整数)の拡散符号を有する。拡散部902bは、固有の拡散率を有するM個(Mは2以上の整数)の拡散符号を有する。ここで、拡散部902aにおける拡散率および拡散部902bにおける拡散率は互いに異なる。
【0094】
まず、下り回線用時間帯における下り回線データの送信時に、拡散部902aは、N個の拡散符号の一の拡散符号を用いて制御部802からの下り回線データを拡散する。これと同時に、拡散部902bは、M個の拡散符号の一の拡散符号を用いて制御部802からの下り回線データを拡散する。
【0095】
そして、選択部904は、どの拡散率を選択すべきかを示す情報を拡散制御情報として制御部802から取得する。そして、選択部904は、拡散制御情報に示された拡散率で拡散された下り回線データを選択して無線送信部106に出力する。
【0096】
そして、データ用時間帯における下り回線データの再送信時に、拡散部902a、902bは、制御部802からデータ用時間帯における下り回線データ再送信の実行を示す情報を取得する。そして、拡散部902aは、N個の拡散符号のうち下り回線用時間帯において下り回線データを拡散した時の拡散符号と異なる一の拡散符号を用いて制御部802からの下り回線データを拡散する。これと同時に、拡散部902bは、M個の拡散符号のうち下り回線用時間帯において下り回線データを拡散した時の拡散符号と異なる一の拡散符号を用いて制御部802からの下り回線データを拡散する。
【0097】
そして、選択部904は、拡散制御情報に示された拡散率で拡散された下り回線データを選択して無線送信部106に出力する。
【0098】
このように、実施の形態4によれば、フレームにおいて未使用時間帯が存在する場合に下り回線データの再送信または上り回線データの再送信に使用されるデータ用時間帯を未使用時間帯に割り当てるため、未使用時間帯においてもデータの送受信を行うことができるから、かつ、データの再送受信を行うために1フレーム以上待機する必要がなくなるから、伝送効率を向上させることができると共に伝送遅延時間を削減することができる。さらに、実施の形態4によれば、通信相手からの余計な制御信号なしでデータ用時間帯の割り当てを行うため、通信相手が余計な制御信号を送信する必要がなくなるから、通信相手の消費電力の増大および干渉の増大を回避することができ、かつ、通信相手の誤り率特性の改善を図ることができる。
【0099】
また、実施の形態4によれば、送信時と再送信時とで異なる拡散符号を用いるため、マルチパス環境下での拡散符号間の直交性の崩れ方が変化するから、再送信時の下り回線データの誤り率を送信時の下り回線データの誤り率より良くすることができる。
【0100】
なお、実施の形態4における送受信装置800は、実施の形態2における送受信装置400および実施の形態3における送受信装置600のいずれにも適用することができる。
【0101】
また、実施の形態4によれば、上述の作用効果を基地局装置において実現することができる。
【0102】
なお、上述のとおり、実施の形態4において説明した送受信装置800は、TDD方式の無線通信システムに適用されたものであるが、送受信装置800は、FDD方式の無線通信システムに適用することも可能である。
【0103】
(実施の形態5)
図10は、本発明の実施の形態5に係る送受信装置の構成を示すブロック図である。なお、実施の形態5に係る送受信装置は、実施の形態1において説明した送受信装置100と同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
【0104】
図10に示す送受信装置1000は、図1に示す送受信装置100において制御部102および拡散装置104の代わりに制御部1002および拡散装置1004を具備して成るものである。図10に示す送受信装置1000は、TDD方式の無線通信システム(たとえば、CDMA/TDD方式の無線通信システム)における基地局装置に適用されたものである。
【0105】
制御部1002の入力端子は、時間帯割り当て部118に接続されている。拡散装置1004の入力端子は、制御部1002に接続されている。無線送信部106の入力端子は、拡散装置1004に接続されている。共用部108の入力端子は、無線送信部106、制御部1002およびアンテナ110に接続されている。アンテナ110の入力端子は、共用部108に接続されている。無線受信部112の入力端子は、共用部108に接続されている。逆拡散装置114の入力端子は、無線受信部112に接続されている。時間帯計算部116の入力端子は、制御部1002に接続されている。時間帯割り当て部118の入力端子は、時間帯計算部116に接続されている。
【0106】
制御部1002は、下り回線用時間帯および上り回線用時間帯をフレーム毎に動的に割り当てる。また、制御部1002は、各フレームにおける下り回線用時間帯および上り回線用時間帯の割り当てに基づいて下り回線データを制御して拡散装置1004に出力する。また、制御部1002は、時間帯割り当て部118からの割り当て情報に基づいて下り回線データを制御して拡散装置1004に出力する。
【0107】
また、制御部1002は、下り回線用時間帯および上り回線用時間帯の割り当てを時間帯計算部116に報告する。また、制御部1002は、拡散装置1004における拡散処理を制御するための拡散制御情報を拡散装置1004に出力する。また、制御部1002は、データ用時間帯における下り回線データ再送信の実行を示す情報を拡散装置1004に出力する。また、制御部1002は、共用部108において送受信の状態遷移を制御するための送受信制御情報を共用部108に出力する。
【0108】
なお、制御部1002における下り回線データのタイミングを制御する動作および下り回線データのうちの一部を選択する動作は、実施の形態において説明した制御部102と同様である。
【0109】
拡散装置1004は、制御部1002からの拡散制御情報に基づいて下り回線データを拡散する。拡散装置1004は、拡散後の下り回線データを無線送信部106に出力する。
【0110】
次いで、拡散装置1004における動作の一例について説明する。図11は、拡散装置1004の内部構成の一例を示すブロック図である。拡散装置1004は、拡散部1102a、1102bおよび選択部1104を具備している。拡散部1102a、1102bの入力端子は、制御部1002に接続されている。選択部1104は、制御部1002および拡散部1102a、1102bに接続されている。
【0111】
拡散部1102aは、固有の拡散率を有する拡散符号を有する。拡散部1102bは、固有の拡散率を有する拡散符号を有する。ここで、拡散部1102aにおける拡散率および拡散部1102bにおける拡散率は互いに異なる。
【0112】
まず、下り回線用時間帯における下り回線データの送信時に、拡散部1102aは、制御部1002からの下り回線データを拡散する。これと同時に、拡散部1102bは、制御部1002からの下り回線データを拡散する。
【0113】
そして、選択部1104は、どの拡散率を選択すべきかを示す情報を拡散制御情報として制御部1002から取得する。そして、選択部1104は、拡散制御情報に示された拡散率で拡散された下り回線データを選択して無線送信部106に出力する。
【0114】
そして、データ用時間帯における下り回線データの再送信時に、拡散部1102a、1102bは、制御部1002からデータ用時間帯における下り回線データ再送信の実行を示す情報を取得する。そして、拡散部1102aは、制御部1002からの下り回線データを拡散する。これと同時に、拡散部1102bは、制御部1002からの下り回線データを拡散する。
【0115】
そして、選択部1104は、制御部1002からデータ用時間帯における下り回線データ再送信の実行を示す情報を取得する。そして、選択部1104は、下り回線用時間帯における下り回線データの送信時の拡散率より大きい拡散率の拡散符号を用いて拡散された下り回線データを選択して無線送信部106に出力する。
【0116】
このように、実施の形態5によれば、フレームにおいて未使用時間帯が存在する場合に下り回線データの再送信または上り回線データの再送信に使用されるデータ用時間帯を未使用時間帯に割り当てるため、未使用時間帯においてもデータの送送信を行うことができるから、かつ、データの再送受信を行うために1フレーム以上待機する必要がなくなるから、伝送効率を向上させることができると共に伝送遅延時間を削減することができる。さらに、実施の形態5によれば、通信相手からの余計な制御信号なしでデータ用時間帯の割り当てを行うため、通信相手が余計な制御信号を送信する必要がなくなるから、通信相手の消費電力の増大および干渉の増大を回避することができ、かつ、通信相手の誤り率特性の改善を図ることができる。
【0117】
また、実施の形態5によれば、送信時の拡散符号の拡散率より大きい拡散率を有する拡散符号を再送信時に用いるため、再送信時の下り回線データの誤り率を送信時の下り回線データの誤り率より良くすることができる。
【0118】
なお、実施の形態5における送受信装置1000は、実施の形態2における送受信装置400および実施の形態3における送受信装置600のいずれにも適用することができる。
【0119】
また、実施の形態5によれば、上述の作用効果を基地局装置において実現することができる。
【0120】
なお、上述のとおり、実施の形態5において説明した送受信装置1000は、TDD方式の無線通信システムに適用されたものであるが、送受信装置1000は、FDD方式の無線通信システムに適用することも可能である。
【0121】
(実施の形態6)
図12は、本発明の実施の形態6に係る送受信装置1200の構成を示すブロック図である。なお、実施の形態6に係る送受信装置は、実施の形態1において説明した送受信装置100と同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
【0122】
図12に示す送受信装置1200は、図1に示す送受信装置100における制御部102および拡散装置104の代わりに制御部1202および拡散装置1204を具備して成るものである。図12に示す送受信装置1200は、TDD方式の無線通信システム(たとえば、CDMA/TDD方式の無線通信システム)における基地局装置に適用されたものである。
【0123】
制御部1202の入力端子は、時間帯割り当て部118に接続されている。拡散装置1204の入力端子は、制御部1202に接続されている。無線送信部106の入力端子は、拡散装置1204に接続されている。共用部108の入力端子は、無線送信部106、制御部1202およびアンテナ110に接続されている。アンテナ110の入力端子は、共用部108に接続されている。無線受信部112の入力端子は、共用部108に接続されている。逆拡散装置114の入力端子は、無線受信部112に接続されている。時間帯計算部116の入力端子は、制御部1202に接続されている。時間帯割り当て部118の入力端子は、時間帯計算部116に接続されている。
【0124】
制御部1202は、下り回線用時間帯および上り回線用時間帯をフレーム毎に動的に割り当てる。また、制御部1202は、各フレームにおける下り回線用時間帯および上り回線用時間帯の割り当てに基づいて下り回線データを制御して拡散装置1204に出力する。また、制御部1202は、時間帯割り当て部118からの割り当て情報に基づいて下り回線データを制御して拡散装置1204に出力する。
【0125】
また、制御部1202は、下り回線用時間帯および上り回線用時間帯の割り当てを時間帯計算部116に報告する。また、制御部1202は、拡散装置1204における拡散処理を制御するための拡散制御情報を拡散装置1204に出力する。また、制御部1202は、データ用時間帯における下り回線データ再送信の実行を示す情報を拡散装置1204に出力する。また、制御部1202は、共用部108において送受信の状態遷移を制御するための送受信制御情報を共用部108に出力する。
【0126】
なお、制御部1202における下り回線データのタイミングを制御する動作および下り回線データのうちの一部を選択する動作は、実施の形態において説明した制御部102と同様である。
【0127】
拡散装置1204は、制御部1202からの拡散制御情報に基づいて下り回線データを拡散する。拡散装置1204は、拡散後の下り回線データを無線送信部106に出力する。
【0128】
次いで、拡散装置1204における動作の一例について説明する。図13は、拡散装置1204の内部構成の一例を示すブロック図である。拡散装置1204は、拡散部1302a、1302bおよび選択部1304を具備している。拡散部1302a、1302bの入力端子は、制御部1202に接続されている。選択部1304は、制御部1202および拡散部1302a、1302bに接続されている。
【0129】
拡散部1302aは、固有の拡散率を有するN個(Nは2以上の整数)の拡散符号を有する。拡散部1302bは、固有の拡散率を有するM個(Mは2以上の整数)の拡散符号を有する。ここで、拡散部1302aにおける拡散率および拡散部1302bにおける拡散率は互いに異なる。
【0130】
まず、下り回線用時間帯における下り回線データの送信時に、拡散部1302aは、N個の拡散符号のうちP個(P<N、P<MおよびPは1以上の整数)の拡散符号を用いて制御部1202からの下り回線データを拡散する。これと同時に、拡散部1302bは、M個の拡散符号のうちP個の拡散符号を用いて制御部1202からの下り回線データを拡散する。
【0131】
そして、選択部1304は、どの拡散率を選択すべきかを示す情報を拡散制御情報として制御部1202から取得する。そして、選択部1304は、拡散制御情報に示された拡散率で拡散された下り回線データを選択して無線送信部106に出力する。
【0132】
そして、データ用時間帯における下り回線データの再送信時に、拡散部1302a、1302bは、制御部1202からデータ用時間帯における下り回線データ再送信の実行を示す情報を取得する。そして、拡散部1302aは、N個の拡散符号のうちQ個(Q>P、Q<N、Q<MおよびQは2以上の整数)の拡散符号を用いて制御部1202からの下り回線データを拡散する。また、拡散部1302bは、M個の拡散符号のうちQ個の拡散符号を用いて制御部1202からの下り回線データを拡散する。
【0133】
そして、選択部1304は、拡散制御情報に示された拡散率で拡散された下り回線データを選択して無線送信部106に出力する。
【0134】
このように、実施の形態6によれば、フレームにおいて未使用時間帯が存在する場合に下り回線データの再送信または上り回線データの再送信に使用されるデータ用時間帯を未使用時間帯に割り当てるため、未使用時間帯においてもデータの送受信を行うことができるから、かつ、データの再送受信を行うために1フレーム以上待機する必要がなくなるから、伝送効率を向上させることができると共に伝送遅延時間を削減することができる。さらに、実施の形態6によれば、通信相手からの余計な制御信号なしでデータ用時間帯の割り当てを行うため、通信相手が余計な制御信号を送信する必要がなくなるから、通信相手の消費電力の増大および干渉の増大を回避することができ、かつ、通信相手の誤り率特性の改善を図ることができる。
【0135】
また、実施の形態6によれば、送信時の拡散符号の拡散符号数Pより多い拡散符号数Qの拡散符号を再送信時に用いるため、再送信時の下り回線データの誤り率を送信時の下り回線データの誤り率より良くすることができる。
【0136】
なお、実施の形態6における送受信装置1200は、実施の形態2における送受信装置400および実施の形態3における送受信装置600のいずれにも適用することができる。
【0137】
また、実施の形態6によれば、上述の作用効果を基地局装置において実現することができる。
【0138】
なお、上述のとおり、実施の形態6において説明した送受信装置1200は、TDD方式の無線通信システムに適用されたものであるが、送受信装置1200は、FDD方式の無線通信システムに適用することも可能である。
【0139】
(実施の形態7)
図14は、本発明の実施の形態7に係る送受信装置の構成を示すブロック図である。なお、実施の形態7に係る送受信装置は、実施の形態1において説明した送受信装置100と同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
【0140】
図14に示す送受信装置1400は、図1に示す送受信装置100における制御部102および拡散装置104の代わりに制御部1402および拡散装置1404を具備して成るものである。図14に示す送受信装置1400は、TDD方式の無線通信システム(たとえば、CDMA/TDD方式の無線通信システム)における基地局装置に適用されたものである。
【0141】
制御部1402の入力端子は、時間帯割り当て部118に接続されている。拡散装置1404の入力端子は、制御部1402に接続されている。無線送信部106の入力端子は、拡散装置1404に接続されている。共用部108の入力端子は、無線送信部106、制御部1402およびアンテナ110に接続されている。アンテナ110の入力端子は、共用部108に接続されている。無線受信部112の入力端子は、共用部108に接続されている。逆拡散装置114の入力端子は、無線受信部112に接続されている。時間帯計算部116の入力端子は、制御部1402に接続されている。時間帯割り当て部118の入力端子は、時間帯計算部116に接続されている。
【0142】
制御部1402は、下り回線用時間帯および上り回線用時間帯をフレーム毎に動的に割り当てる。また、制御部1402は、各フレームにおける下り回線用時間帯および上り回線用時間帯の割り当てに基づいて下り回線データを制御して拡散装置1404に出力する。また、制御部1402は、時間帯割り当て部118からの割り当て情報に基づいて下り回線データを制御して拡散装置1404に出力する。
【0143】
また、制御部1402は、下り回線用時間帯および上り回線用時間帯の割り当てを時間帯計算部116に報告する。また、制御部1402は、拡散装置1404における拡散処理を制御するための拡散制御情報を拡散装置1404に出力する。また、制御部1402は、データ用時間帯における下り回線データ再送信の実行を示す情報を拡散装置1404に出力する。また、制御部1402は、共用部108において送受信の状態遷移を制御するための送受信制御情報を共用部108に出力する。
【0144】
なお、制御部1402における下り回線データのタイミングを制御する動作および下り回線データのうちの一部を選択する動作は、実施の形態において説明した制御部102と同様である。
【0145】
拡散装置1404は、制御部1402からの拡散制御情報に基づいて下り回線データを拡散する。拡散装置1404は、拡散後の下り回線データを無線送信部106に出力する。
【0146】
次いで、拡散装置1404の動作の一例について説明する。まず、下り回線用時間帯における下り回線データの送信時に、拡散装置1404は、制御部1402からの複数の通信相手宛ての下り回線データを拡散して多重する。そして、データ用時間帯における下り回線データの再送信時に、拡散装置1404は、データ用時間帯における下り回線データ再送信の実行を示す情報を制御部1402から取得する。そして、拡散装置1404は、制御部1402からの複数の通信相手宛ての下り回線データを拡散して多重する。この時、拡散装置1404は、データ用時間帯において下り回線データを拡散する時の拡散符号の多重数を、下り回線用時間帯において下り回線データを拡散する時の拡散符号の多重数より少なくして多重する。
【0147】
このように、実施の形態7によれば、フレームにおいて未使用時間帯が存在する場合に下り回線データの再送信または上り回線データの再送信に使用されるデータ用時間帯を未使用時間帯に割り当てるため、未使用時間帯においてもデータの送受信を行うことができるから、かつ、データの再送受信を行うために1フレーム以上待機する必要がなくなるから、伝送効率を向上させることができると共に伝送遅延時間を削減することができる。さらに、実施の形態7によれば、通信相手からの余計な制御信号なしでデータ用時間帯の割り当てを行うため、通信相手が余計な制御信号を送信する必要がなくなるから、通信相手の消費電力の増大および干渉の増大を回避することができ、かつ、通信相手の誤り率特性の改善を図ることができる。
【0148】
また、実施の形態7によれば、再送信時の拡散符号の多重数を送信時より少なくして拡散を行うため、多重波の符号間干渉を低減することができるから、再送信時の下り回線データの誤り率を送信時の下り回線データの誤り率より良くすることができる。
【0149】
なお、実施の形態7における送受信装置1400は、実施の形態2における送受信装置400および実施の形態3における送受信装置600のいずれにも適用することができる。
【0150】
また、実施の形態7によれば、上述の作用効果を基地局装置において実現することができる。
【0151】
なお、上述のとおり、実施の形態7において説明した送受信装置1400は、TDD方式の無線通信システムに適用されたものであるが、送受信装置1400は、FDD方式の無線通信システムに適用することも可能である。
【0152】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、フレームにおける下り回線データの送信に使用される下り回線用時間帯および上り回線データの送信に使用される上り回線用時間帯以外の未使用時間帯に前記下り回線データの再送信または前記上り回線データの再送信に使用されるデータ用時間帯を割り当てることにより、伝送効率を向上させることができると共に伝送遅延時間を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る送受信装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1に係る送受信装置における時間帯割り当ての一例を説明するための図
【図3】本発明の実施の形態1に係る送受信装置における拡散装置の内部構成の一例を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態2に係る送受信装置の構成を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態2に係る送受信装置における時間帯割り当ての一例を説明するための図
【図6】本発明の実施の形態3に係る送受信装置の構成を示すブロック図
【図7】本発明の実施の形態2に係る送受信装置における時間帯割り当ての一例を説明するための図
【図8】本発明の実施の形態4に係る送受信装置の構成を示すブロック図
【図9】本発明の実施の形態4に係る送受信装置における拡散装置の内部構成の一例を示すブロック図
【図10】本発明の実施の形態5に係る送受信装置の構成を示すブロック図
【図11】本発明の実施の形態5に係る送受信装置における拡散装置の内部構成の一例を示すブロック図
【図12】本発明の実施の形態6に係る送受信装置の構成を示すブロック図
【図13】本発明の実施の形態6に係る送受信装置における拡散装置の内部構成の一例を示すブロック図
【図14】本発明の実施の形態7に係る送受信装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
100、400、600、800、1000、1200、1400 送受信装置
102、802、1002、1202、1402 制御部
104、804、1004、1204、1404 拡散装置
106 無線送信部
108 共用部
110 アンテナ
112 無線受信部
114 逆拡散装置
116 時間帯計算部
118、402、602 時間帯割り当て部

Claims (8)

  1. 信号の送信または再送信のための送信制御を行う制御手段と、
    送信制御を施された信号を拡散する拡散手段と、
    拡散された信号を送信する送信手段と、を具備し、
    前記拡散手段は、
    再送信する信号を拡散する場合、前記再送信する信号の前回の送信に用いた拡散符号とは異なる拡散符号であって、前記再送信する信号の前回の送信に用いた拡散符号と同一の拡散率を有するものを用いて、前記再送信する信号の拡散を行う、
    ことを特徴とする送信装置。
  2. 前記拡散手段は、
    前記再送信する信号の前回の送信に用いた拡散符号数よりも多数の拡散符号を用いて、前記再送信する信号の拡散を行う、
    ことを特徴とする請求項1記載の送信装置。
  3. 前記拡散手段は、
    前記再送信する信号の前回の送信に用いた拡散符号の多重数よりも少ない多重数の拡散符号を用いて、前記再送信する信号の拡散を行う、
    ことを特徴とする請求項1記載の送信装置。
  4. 前記制御手段は、
    送信時間帯または再送信時間帯の割り当てをフレーム毎に行うとともに、同一の信号の送信時間帯および再送信時間帯を同一のフレームに割り当てる、
    ことを特徴とする請求項1記載の送信装置。
  5. 前記制御手段は、
    所定の時間長を有する一つのフレームに信号の送信時間帯を割り当てた後、前記一つのフレームに未使用時間帯が存在する場合、前記一つのフレームに前記信号の再送信時間帯を割り当てる、
    ことを特徴とする請求項1記載の送信装置。
  6. 前記制御手段は、
    前記再送信時間帯を前記送信時間帯の直後に割り当てる、
    ことを特徴とする請求項4または請求項5記載の送信装置。
  7. 請求項1記載の送信装置を具備することを特徴とする基地局装置。
  8. 信号を送信または再送信する送信方法において、
    前記信号を送信するときに、拡散符号を用いて前記信号を拡散し、
    前記信号を再送信するときに、前記信号の送信に用いた拡散符号とは異なる拡散符号であって、前記信号の送信に用いた拡散符号と同一の拡散率を有するものを用いて前記信号を拡散する、
    ことを特徴とする送信方法。
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