JP4130273B2 - 熱治療制御装置及び熱治療装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱治療制御方法および装置、熱治療装置並びに温度分布表示方法および装置に関し、特に、被治療体の予め定めた部位に治療用の熱を供給する熱治療装置を制御する方法および装置、そのような制御装置を有する熱治療装置、並びに、熱治療時の温度分布を表示する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱によって例えば癌等の体内の有害組織を壊死させるために、温熱治療(サーモセラピー:thermotherapy)が行われる。温熱治療の一方式としてLITT(Laser−induced Interstitial Thermotherapy)がある。LITTでは、体内に挿入したカテーテル(catheter)や内視鏡の先端からレーザー(laser)光線を照射することにより治療用の加熱を行う。単位時間当たり熱量はレーザー出力によって調節され、総加熱量は照射時間により調節される。
【0003】
加熱中の患部の温度およびその広がりを観測するために、磁気共鳴撮像装置で撮像した画像から求めた温度分布像を用いることが、文献 Schulze,CP,et al.,Jounal of Magnetic Resonance Imaging,8:114−120(1998)に記載されている。
【0004】
概説すれば、加熱中の患部を含む治療対象の断層像を磁気共鳴装置で撮像し、得られた画像について加熱前の画像からの位相変化をピクセルごとに求めて、位相変化の分布像を生成する。
【0005】
磁気共鳴信号の位相変化Δφと温度変化ΔTの関係は次式で与えられる。
【0006】
【数1】
Figure 0004130273
【0007】
ここで、
δ:温度係数(約−0.01ppm/℃)
γ:磁気回転比
Bo:磁場強度
TE:エコータイム
(1)式の関係により、位相変化の分布像は温度変化の分布を示すものとなる。温度変化の分布像は、温度ごとに異なる色を割り付けたカラー(color)画像として、治療部位の断層像に重ねて表示する。施術者はそのような表示画像を観察して温度上昇の程度および有効治療温度(60〜65℃)の波及範囲を把握する。
【0008】
磁気共鳴撮像には、時間分解能が高い撮像が可能なパルスシーケンス(pulse sequence)として、FLASH(fast low−angleshot)が利用される。なお、磁場強度が0.2T程度の低磁場の磁気共鳴撮像装置で撮像する場合は、SNR(signal to noise ratio)の良い画像が得るためのパルスシーケンスとしてES−FLASH(echo−shifted FLASH)を用いることが、文献 Chung,Y−C,et al.,Jounal of Magnetic Resonance Imaging、9:138−145(1999)に記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような温熱治療では、予め設定した出力のレーザー光を予め設定した時間照射し、その間施術者は表示画像に基づいて患部の加熱が計画通りに進行するかどうかを監視する。その場合、有効治療温度の波及範囲が計画治療範囲を越えそうになったら、レーザー出力を低減ないし停止して正常組織の損傷を防ぐ必要があるが、これを自動的に行う装置が備わっていないので、施術者が手動で行わなければならないという問題があった。
【0010】
温熱治療の他の方式としては、カテーテルや内視鏡の先端に取り付けたRF(radio frequency wave)照射器またはマイクロ波(micro wave)照射器で加熱する方式があり、また、体外から収束超音波を照射して加熱する方式もあるが、これらの方式においてもLITTと同様な問題があった。
【0011】
また、温熱治療とは反対に、冷却によって有害組織を壊死させる冷凍治療(クライオセラピー:cryotherapy)がある。これはいわば負の熱による治療であり、広い意味での熱治療ということができるが、ここでも上記と同様な問題があった。
【0012】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、治療計画に合わせて治療部位に与える熱量を自動的に調節する制御方法および装置、並びに、そのような制御装置を有する熱治療装置を実現することである。また、熱治療時の温度分布を効果的に表示する方法および装置を実現することを目的とする。なお、本発明では、熱治療という用語は温熱治療と冷凍治療の両方の概念を含む。
【0013】
【課題を解決するための手段】
(1)上記の課題を解決する第1の観点での発明は、被治療体の予め定めた部位に治療用の熱を供給する熱治療装置を制御するに当たり、磁気共鳴撮像した前記部位に関する温度分布像に基づき予め定めた温度の等温線を生成し、前記磁気共鳴撮像した前記部位を含む断層像中に治療境界線を設定し、前記等温線が前記治療境界線に抵触したとき前記熱治療装置が供給する熱量を変更することを特徴とする熱治療制御方法である。
【0014】
(2)上記の課題を解決する第2の観点での発明は、被治療体の予め定めた部位に治療用の熱を供給する熱治療装置を制御する制御装置であって、磁気共鳴撮像した前記部位に関する温度分布像に基づき予め定めた温度の等温線を生成する等温線生成手段と、前記磁気共鳴撮像した前記部位を含む断層像中に治療境界線を設定する治療境界線設定手段と、前記等温線が前記治療境界線に抵触したことを検出する検出手段と、前記検出手段の出力信号に基づいて前記熱治療装置が供給する熱量を変更する熱量調節手段とを具備することを特徴とする熱治療制御装置である。
【0015】
(3)上記の課題を解決する第3の観点での発明は、前記磁気共鳴撮像した前記部位を含む断層像中に前記等温線および前記治療境界線を表示する表示手段を具備することを特徴とする(2)に記載の熱治療制御装置である。
【0016】
(4)上記の課題を解決する第4の観点での発明は、被治療体の予め定めた部位に治療用の熱を供給する熱治療装置であって、(2)または(3)に記載の熱治療制御装置を具備することを特徴とする熱治療装置である。
【0017】
(5)上記の課題を解決する第5の観点での発明は、撮像部位に関する温度分布像に基づき予め定めた温度の等温線を生成し、撮像部位を含む断層像中に温度境界線を設定し、前記等温線が前記温度境界線に抵触したときそれを報知することを特徴とする温度分布表示方法である。
【0018】
(6)上記の課題を解決する第6の観点での発明は、撮像部位に関する温度分布像に基づき予め定めた温度の等温線を生成する等温線生成手段と、撮像部位を含む断層像中に温度境界線を設定する温度境界線設定手段と、前記等温線が前記温度境界線に抵触したときそれを報知する報知手段とを具備することを特徴とする温度分布表示装置である。
【0019】
(7)上記の課題を解決する他の観点での発明は、被治療体の予め定めた部位に治療用の熱を供給する熱治療方法であって、磁気共鳴撮像した前記部位に関する温度分布像に基づき予め定めた温度の等温線を生成し、前記磁気共鳴撮像した前記部位を含む断層像中に治療境界線を設定し、前記等温線が前記治療境界線に抵触したとき前記熱治療装置が供給する熱量を変更することを特徴とする熱治療方法である。
【0020】
上記(1)ないし(4)および(7)のうちのいずれか1つにおいて、前記治療境界線を複数本設けることが熱量の変更を多段階に行う点で好ましい。
また、上記(5)または(6)において、前記温度境界線を複数本設けることが報知を多段階に行う点で好ましい。
【0021】
(作用)
本発明では、加熱の進行に伴って予め定めた温度の等温線が治療境界線に抵触したとき熱治療装置が供給する熱量を変更する。また、等温線が温度境界線に抵触したときそれを報知する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は実施の形態に限定されるものではない。図1に熱治療装置のブロック(block)図を示す。本装置は本発明の実施の形態の一例である。本装置の構成によって、本発明の装置に関する実施の形態の一例が示される。
【0023】
図1に示すように、本装置は磁気共鳴撮像部300および熱治療部500を有する。先ず、磁気共鳴撮像部300について説明する。磁気共鳴撮像部300では、静磁場発生部2がその内部空間に均一な静磁場を形成する。静磁場発生部2は、例えば永久磁石等を用いた図示しない1対の磁気発生器を備えており、それらが間隔を保って上下に対向し、その対向空間に静磁場(垂直磁場)を形成している。なお、磁気発生器は永久磁石に限らず、例えば超伝導電磁石や常伝導電磁石等適宜の磁気発生器であって良い。
【0024】
静磁場発生部2の内部空間には勾配コイル(coil)部4,4’および送信コイル部6,6’が設けられ、同様にそれぞれ間隔を保って上下に対向している。送信コイル部6,6’が対向する空間に、被治療体8が、撮像テーブル10に搭載されて搬入される。被治療体8の体軸は静磁場の方向と直交する。撮像テーブル10には、被治療体8の撮像部位を囲んで受信コイル部120が取り付けられている。被治療体8の体内の治療部位には、熱治療用の加熱素子502が挿入されている。加熱素子502については後述する。
【0025】
勾配コイル部4,4’には勾配駆動部16が接続されている。勾配駆動部16は勾配コイル部4,4’に駆動信号を与えて勾配磁場を発生させるようになっている。発生する勾配磁場は、スライス(slice)勾配磁場、読み出し(リードアウト:read out)勾配磁場および位相エンコード(encode)勾配磁場の3種である。
【0026】
送信コイル部6,6’には送信部18が接続されている。送信部18は送信コイル部6,6’に駆動信号を与えてRF磁場を発生させ、それによって、被治療体8の体内の水素原子のスピン(spin)を励起する。被治療体8内の励起されたスピンが発生する磁気共鳴信号を受信コイル部120が受信する。
【0027】
受信コイル部120は受信部20の入力側に接続されている。受信部20は受信コイル部120から受信信号を入力する。受信部20の出力側はアナログ・ディジタル(analog to digital)変換部22の入力側に接続されている。アナログ・ディジタル変換部を以下ADCという。ADC22は受信部20の出力信号をディジタル信号に変換する。
【0028】
ADC22の出力側はコンピュータ(computer)24に接続されている。コンピュータ24はADC22からディジタル信号を入力し、図示しないメモリ(memory)に記憶する。メモリ内にはデータ(data)空間が形成される。データ空間は2次元フーリエ(Fourier)空間を構成する。コンピュータ24は、これら2次元フーリエ空間のデータを2次元逆フーリエ変換して被治療体8の画像を再構成する。
【0029】
コンピュータ24は制御部30に接続されている。制御部30は勾配駆動部16、送信部18、受信部20およびADC22に接続されている。制御部30は、コンピュータ24から与えられる指令に基づいて勾配駆動部16、送信部18、受信部20およびADC22をそれぞれ制御して磁気共鳴撮像を実行する。
【0030】
コンピュータ24には表示部32と操作部34が接続されている。表示部32は、コンピュータ24から出力される再構成画像および各種の情報を表示する。操作部34は、操作者によって操作され、各種の指令や情報等をコンピュータ24に入力する。
【0031】
磁気共鳴撮像部300の動作を説明する。撮像は制御部30による制御の下で遂行される。磁気共鳴撮像の具体例の1つとして、ES−FLASHによる撮像を行う場合について説明する。ES−FLASHによる撮像には、例えば図2に示すようなパルスシーケンス(pulse sequence)が利用される。
【0032】
図2は、1ビュー(view)分の磁気共鳴信号(グラディエントエコー信号)を収集するときのパルスシーケンスの模式図である。このようなパルスシーケンスのり返しにより、例えば256ビューのグラディエントエコー信号が収集される。なお、ES−FLASHに限らず、例えばFLASH等他の適宜の技法で磁気共鳴撮像を行って良いのはいうまでもない。
【0033】
図2の(a)に示すようにα°パルスにより周期TR(repetitiontime)でRF励起が繰り返し行われる。周期TRは20ms程度である。RF励起は送信部18によって駆動される送信コイル部6,6’によって行われる。このとき、(b)に示すようにスライス勾配磁場Gsが印加される。スライス勾配磁場Gsの印加は、勾配駆動部16によって駆動される勾配コイル部4,4’により行われる。これによって、被治療体8の体内の治療対象部位(患部)を含むスライスのスピンが励起(選択励起)される。
【0034】
次に、(c)に示すようにリードアウト勾配磁場Grが印加され、リードアウト用のスピンのディフェーズ(dephase)が行われる。リードアウト勾配磁場Grの印加も勾配駆動部16によって駆動される勾配コイル部4,4’により行われる。その間、(d)に示すように位相エンコード勾配磁場Gpが印加され、スピンの位相エンコードが行われる。位相エンコード勾配磁場Gpの印加も勾配駆動部16によって駆動される勾配コイル部4,4’により行われる。
【0035】
位相エンコード期間中に、(b)に示すようにスライス勾配磁場Gsによってスピンのリフェーズ(rephase)が行われる。リフェーズ勾配のすぐ後ろには斜線で示すようなディフェーズ勾配が付加されており、リフェーズしたスピンの位相をディフェーズする。
【0036】
このディフェーズ勾配は、RF励起されたスピンがTR期間中にグラディエントエコーを発生しないようにするためもので、クラッシャー(crusher)とも呼ばれる。このため、次に、(c)に示すようにリードアウト勾配磁場Grが印加されてもグラディエントエコーは発生しない。
【0037】
TR期間の終わりに斜線で示すようなスライス勾配Gsを加えてクラッシャーを打ち消すリフェーズを行い、また、位相リワインド(rewind)用のリードアウト勾配磁場Grおよび位相エンコード勾配Gpを加える。次のTR期間にも同様なパルスシーケンスが繰り返される。
【0038】
このようなパルスシーケンスを繰り返すとき、周期TRごとにRF励起されたスピンのグラディエントエコー信号MRは、(e)に示すように1つ後ろのTR期間中に生じる。これによって実効的なTEeff(effective echo time)をTRより長くすることができる。逆にいえば、TRをTEより短くした時間分解能の良い磁気共鳴撮像を行うことができる。
【0039】
グラディエントエコー信号MRは、受信コイル部120によって受信される。受信信号は受信部20およびADC22を経てコンピュータ24に入力される。コンピュータ24は入力信号を測定データとしてメモリに記憶する。これによって、メモリに1ビュー分のグラディエントエコーデータが収集される。
【0040】
以上の動作が、例えば256TRにわたって繰り返される。動作の繰り返しのたびに位相エンコード勾配磁場Gpが変更され、毎回異なる位相エンコードが行われる。コンピュータ24は、メモリに収集した256ビューのグラディエントエコーデータに基づいて画像再構成を行い、被治療体8の断層像を生成する。生成した画像は表示部32に表示する。後述する熱治療中にこのような磁気共鳴撮像が連続的に行われる。
【0041】
次に、熱治療部500について説明する。熱治療部500は被治療体8の体内に挿入される加熱素子502を有する。加熱素子502としては例えばレーザー光照射器を用い、いわゆるLITTによる熱治療を行う。なお、加熱素子502は、レーザー光照射器に限らずRF照射器やマイクロ波照射器等であって良い。加熱素子502は例えば内視鏡やカテーテルあるいは穿刺針の端部に取り付けられて被治療体8内に挿入される。
【0042】
加熱素子502は加熱部504に接続されている。加熱部504は加熱素子502に加熱用の電力を与える。加熱部504には加熱制御部506が接続されている。加熱制御部506は、加熱部504に制御信号を与えてその動作を制御する。
【0043】
加熱制御部506は本発明の熱治療制御装置の実施の形態の一例である。本制御装置の構成によって、本発明の装置に関する実施の形態の一例が示される。本制御装置の動作によって、本発明の方法に関する実施の形態の一例が示される。加熱制御部506としては、例えばEWS(engineering workstation)等が用いられる。
【0044】
加熱制御部506は、例えば図3に示すようにCPU(central processing unit)562を有する。CPU562には、メインメモリ(main memory)564、ハードディスク(hard disk)装置566、データ入力インタフェース(interface)568、加熱部インタフェース570、表示部インタフェース572および操作部インタフェース574が接続されている。以下、メインメモリをMM、ハードディスク装置をHDという。
【0045】
HD566はCPU562のためのプログラム(program)およびデータを記憶している。CPU562はそれをMM564にロード(load)して実行する。データ入力インタフェース568は、磁気共鳴撮像部300のADC22からのデータ入力に関わるインタフェースである。加熱部インタフェース570は、加熱部504への制御信号出力に関わるインタフェースである。表示部インタフェース572は後述の表示部用のインタフェースである。操作部インタフェース574は後述の操作部用のインタフェースである。
【0046】
加熱制御部506には、表示部508および操作部510が接続されている。表示部508は例えばグラフィックディスプレー(graphic display)等を用いて構成される。操作部510は例えばキーボード(keyboard)入力装置等を用いて構成される。キーボード入力装置にはマウス(mice)やトラックボール(track ball)等のポインティングデバイス(pointing device)が付属している。施術者は、これら表示部508および操作部510を通じて対話形式で加熱制御部506を操作し、熱治療を遂行する。
【0047】
加熱制御部506には、磁気共鳴撮像部300からADC22の出力データが入力される。すなわち、磁気共鳴撮像部300が収集したグラディエントエコーデータが加熱制御部506にも入力される。CPU562は、磁気共鳴撮像部300におけるコンピュータ24と同様に、HD564に全ビューのグラディエントエコーデータを記憶し、それらデータに基づいて画像再構成すなわち断層像の生成を行う。
【0048】
CPU562は、また、断層像の各ピクセル(pixel)における位相変化に基づいて温度分布像を生成する。温度分布像を生成するための位相変化は、前述の文献に記載されているように、加熱前に撮像した画像の複素画素データと加熱中に撮像した画像の複素画素データの比のアークタンジェント(arctangent)により求める。CPU562は、温度分布像をカラー画像として断層像に重畳して表示部508に表示する。
【0049】
CPU562は、さらに、温度分布像から温度60〜65℃の等温線を求め、これを断層像に重畳して表示部508の別な画面に表示する。なお、温度60〜65℃は熱治療の有効温度すなわち癌組織を壊死させる温度である。60〜65℃等温線は、治療部位における有効治療温度の波及範囲を示すものとなる。以下、60〜65℃等温線を治療等温線という。治療等温線は、本発明における等温線の実施の形態の一例である。CPU562は、本発明における等温線生成手段の実施の形態の一例である。
【0050】
熱治療制御の観点から見た本装置のブロック図を図4に示す。以下、同図によって本装置による熱治療を説明する。施術者は、熱治療の開始に先立って、患部を含む断層像を表示部508に表示させ、その画像を用いて治療計画を立てる。すなわち、例えば図5に示すような断層像700上に、治療境界線702を設定する。治療境界線702はHD566に記憶される。治療境界線702で囲まれた範囲の中心部すなわち治療範囲の中心部に加熱素子502から熱が供給される。
【0051】
治療境界線702は、本発明における治療境界線の実施の形態の一例である。また、本発明における温度境界線の実施の形態の一例である。治療境界線702の設定は、例えば操作部510のポインティングデバイスで治療対象の癌組織等の輪郭をトレース(trace)すること等により行う。
【0052】
表示部508、操作部510およびCPU562からなる部分は、本発明の温度分布表示装置の実施の形態の一例である。また、本発明における治療境界線設定手段の実施の形態の一例である。表示部508は、本発明における表示手段の実施の形態の一例である。
【0053】
表示部508、操作部510およびCPU562からなる部分は、また、本発明の温度分布表示装置の実施の形態の一例である。また、本発明における温度境界線設定手段の実施の形態の一例である。表示部508は、また、本発明における報知手段の実施の形態の一例である。
【0054】
治療境界線702の内側には描画により温度監視線704を設定し、さらにその内側に別な温度監視線706を設定する。温度監視線704,706もHD566に記憶される。温度監視線704,706は、本発明における治療境界線の実施の形態の一例である。温度監視線は2本に限らず適宜の数として良い。
【0055】
加熱中心からの距離は温度監視線706が最も近く、次が温度監視線704であり、治療境界線702は最も遠い。温度監視線706,704および治療境界線702は、それぞれ第1段階、第2段階および第3段階の温度監視線である。以下、治療境界線702を温度監視線702ともいう。
【0056】
CPU562は、これら温度監視線706,704,702に対する上記の治療等温線の抵触の有無を検出し、以下のような加熱制御を行う。CPU562は本発明における検出手段の実施の形態の一例である。また、本発明における熱量制御手段の実施の形態の一例である。
【0057】
加熱制御部506の動作を説明する。図6ないし図9に表示部508に表示される熱治療の進行状況を順を追って示す。図6は加熱開始後間もない時点の状態を示すもので、治療等温線708が治療範囲の中央部を囲む小さな輪として表され、加熱素子502の近傍だけが治療温度に達していることを示す。この状態では、治療等温線708が第1段階の温度監視線706の内側にあるので、CPU562は加熱部504に初期の加熱出力例えば20Wによる加熱を継続させる。これによって、比較的大きな出力による速やかな加熱を行うことができる。
【0058】
加熱の進行とともに治療等温線708の輪が広がり、やがて図7に示すように第1段階の温度監視線706に抵触するようになる。このとき、CPU562はこれを検出して、加熱部504の加熱出力を例えば15Wに変更する。これにより、当初の加熱出力よりやや弱い熱量による加熱に切り替わり、治療熱波及範囲の広がり速度が減速する。治療等温線708が第1段階の温度監視線706に抵触したとき温度監視線706の表示色が変わり、施術者の注意を喚起する。また、適宜の音響やメッセージ(message)によって報知するようにしても良い。以下同様である。
【0059】
さらに加熱が進んで図8に示すように治療等温線708が第2段階の温度監視線704に抵触する状態になると、CPU562は加熱部504の加熱出力を例えば5Wに下げる。これによって、さらに弱い熱量による加熱に切り替わり、治療熱波及範囲の広がり速度をさらに減速させる。治療等温線708が第2段階の温度監視線704に抵触したとき温度監視線704の表示色が変わり、施術者の注意を喚起する。
【0060】
その後、治療熱波及範囲がある程度まで広がると、加熱量と放熱量の平衡状態達して治療等温線708の拡大が止まる。この状態で、加熱の総量が予め設定した値に到達するまで加熱が続けられる。
【0061】
その間、何らの原因で治療熱の波及範囲がさらに拡大すると、治療等温線708が第3段階の温度監視線702に抵触する状態になりうる。そのような状態を検出したCPU562は、加熱部504を制御して加熱出力を0に落とす。これにより、治療熱が予め設定した治療範囲を越えて波及することを阻止し、正常組織が損傷するのを防止する。また、治療等温線708が第3段階の温度監視線702に抵触したとき温度監視線704の表示色が変わって施術者に警告する。
【0062】
このようにして、所定の治療計画に沿った熱治療がCPU562による制御の下で自動的に遂行される。このため、治療計画の策定以外は施術者の関与が不要となり、施術者の作業を省力化することができる。しかも、熱治療を正確かつ安全に遂行することができる。その間、施術者は別な画面に表示された温度分布像を監視し、治療部の温度状態を把握する。
【0063】
図10に、熱治療装置の他の例のブロック図を示す。本装置は、本発明の実施の形態の他の例である。本装置の構成によって、本発明の装置に関する実施の形態の一例が示される。本装置における加熱制御部506は本発明の熱治療制御装置の実施の形態の一例である。本制御装置の構成によって、本発明の装置に関する実施の形態の一例が示される。本制御装置の動作によって、本発明の方法に関する実施の形態の一例が示される。
【0064】
図10において図4と同様の部分は同一の符号を付して説明を省略する。本装置は被治療体8に挿入された複数の加熱素子521〜525を有する。なお、加熱素子数が5である例を示すが、それに限るものではない。複数の加熱素子521〜525に対応して、複数の加熱部541〜545が設けられる。これら加熱部541〜545は加熱制御部506によって個別に制御される。
【0065】
加熱制御部506の動作を図11によって説明する。同図に示すように、治療部位の形状に合わせて概ね長楕円形状の治療境界線702が設定されている。治療境界線702内には5つの加熱素子521〜525による5箇所の給熱点521’〜525’が含まれる。加熱の開始とともに各給熱点を中心として治療等温線781〜785の輪が次第に広がり、やがて加熱と放熱の平衡点で変化が止まる。
【0066】
ここで、何らかの原因で治療等温線781〜785のいずれかが治療境界線702に抵触したとき、CPU562は抵触した治療等温線78iに対応する加熱素子52iを加熱する加熱部54iの出力を0にし、正常組織への治療熱の波及を防止する。このようにして、長楕円形状の治療部に適合した熱治療を行うことができる。なお、ここに至る過程で、治療境界線702の内側に図5に倣って設定した適宜の温度監視線を用いて、図6〜図9に示したように多段階に加熱出力を調節するようにしても良いのはもちろんである。
【0067】
以上、被治療体の体内に挿入した加熱素子で熱治療を行う例について説明したが、熱治療はそれに限るものではなく、例えば収束超音波等により患部の加熱を体外から行う熱治療方式においても、本発明は同様の効果を奏することができる。また、熱治療は冷凍治療等でもあって良い。
【0068】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、治療計画に合わせて治療部位に与える熱量を自動的に調節する制御方法および装置、並びに、そのような制御装置を有する熱治療装置を実現することができる。また、熱治療時の温度分布を効果的に表示する方法および装置を実現することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図である。
【図2】図1に示した装置による磁気共鳴撮像のパルスシーケンスの一例を示す模式図である。
【図3】図1に示した装置における加熱制御部のブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図である。
【図5】図4に示した装置における表示装置が表示する画像の模式図である。
【図6】図4に示した装置における表示装置が表示する画像の模式図である。
【図7】図4に示した装置における表示装置が表示する画像の模式図である。
【図8】図4に示した装置における表示装置が表示する画像の模式図である。
【図9】図4に示した装置における表示装置が表示する画像の模式図である。
【図10】本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図である。
【図11】図10に示した装置における表示装置が表示する画像の一部を示す模式図である。
【符号の説明】
300 磁気共鳴撮像部
500 熱治療部
502 加熱素子
504 加熱部
506 加熱制御部
508 表示部
510 操作部
700 断層像
702 治療境界線
704〜706 温度監視線
708 等温線

Claims (7)

  1. 被治療体の予め定めた部位に治療用の熱を供給する熱治療装置を制御する制御装置であって、
    磁気共鳴撮像した前記部位を含む断層画像を表示し、その断層画像中に治療境界線を設定する治療境界線設定手段と、
    前記磁気共鳴撮像した前記部位に関する温度分布像に基づき予め定めた温度の等温線を生成し、その等温線を前記治療境界線が設定された断層画像中に表示する等温線表示手段と、
    前記等温線が前記治療境界線に抵触したことを検出する検出手段と、
    前記検出手段の出力信号に基づいて前記熱治療装置が供給する熱量を変更する熱量調節手段と、を具備することを特徴とする熱治療制御装置。
  2. 請求項1に記載の熱治療制御装置において、
    前記検出手段は、前記被治療体の通常の体温よりも高い所定の温度を示す前記等温線が前記治療境界線に抵触したことを検出することを特徴とする熱治療制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の熱治療制御装置において、
    前記治療境界線設定手段により一周して閉じた治療境界線を設定し、
    前記閉じた治療境界線の内側に、温度を監視するための温度監視線を設定する温度監視線設定手段を具備することを特徴とする熱治療制御装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の熱治療制御装置において、
    前記治療境界線設定手段又は前記温度監視線設定手段は、ポインティングデバイスを用いて、表示された前記断層画像中に前記治療境界線又は前記温度監視線を描画することを特徴とする熱治療制御装置。
  5. 被治療体の予め定めた部位に治療用の熱を供給する熱治療装置であって、
    請求項1から請求項4のいずれかに記載の熱治療制御装置を具備することを特徴とする熱治療装置。
  6. 請求項5に記載の熱治療装置であって、
    前記被治療体の体内に挿入される加熱素子を具備することを特徴とする熱治療装置。
  7. 請求項6に記載の熱治療装置であって、
    前記加熱素子は、内視鏡、カテーテル又は穿刺針の端部に取り付けられたことを特徴とする熱治療装置。
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