JP4129580B2 - 高圧継手用パッキン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、比較的高圧力の気体、液体等を含む流体装置における螺合継手の取付の際に用いる、高圧継手用のパッキンに関する。
【0002】
【従来の技術】
高圧流体装置、高圧配管設備において、フィッティングと呼ばれる継手と圧力計との取付や、流体装置等の螺合継手同士の取付の際には、高圧下で流体が漏洩し易い平板状パッキンに代替して、高圧継手用パッキンを用いる。従来、この高圧継手用パッキンとして、図5に示すような、筒体突部を挿通しうる透孔と、この透孔の周形状に沿って形成される厚み方向の膨出部とを具備する高圧継手用パッキンがある(例えば、非特許文献1参照。)。これは、高圧流体装置に設けられるメス型継手とこれに螺合するオス型継手との相互間の締付け力によって、前記膨出部の膨出頂が厚み方向に圧縮変形せしめられることで流体密性を発揮するパッキンである。
【0003】
ここで、流体装置等のメス型継手は、その内部に高圧継手用パッキンを封設する際に封入する封入領域を有する(図5)。かかる封入領域に高圧継手用パッキンを封入しオス型継手を高トルクで螺合することで、高圧継手用パッキンを封設するものである。
【0004】
一方、メス型継手に螺合するオス型継手は、高圧用の圧力計や螺合継手等の高圧流体装置に設けられる。この高圧流体装置のオス型継手の先端中央には、高圧流体のリークを防ぐための筒体突部が流体の通路として形成されている。継手の接続時には、かかる筒体突部が前記高圧継手用パッキンの透孔に挿入される。これにより、継手接続時において、高圧継手用パッキンの封入領域内での封設位置を、オス型継手の軸心付近(図5の二点鎖線の位置)に定め、また封設後においても、封設位置の大きな変動を制限してこの封設位置を保持し、もって高圧流体のリークを確実に防ぐものである。
【0005】
【非特許文献1】
長野計器株式会社、製品カタログ「圧力/圧力計アクセサリ」中「ジョイント3(pdfファイル9/16)」右下図“レンズパッキン”、〔online〕、長野計器株式会社ホームページ、〔平成15年1月10日検索〕、インターネット<URL:http://www.di-b.co.jp/j_nks/at_ctlg/cfc__.pdf>
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の高圧継手用パッキンにおいては、圧縮変形機能を有する膨出部の所定形状を確保し、且つオス型継手の筒体突部を挿通しうる透孔の所定孔径を確保することが必要である。また、メス型継手においては、その封入領域は、雌ネジの成形工程上、雌ネジの内側径より大きな内径として形成される(図5参照)。このため高圧継手用パッキンの外径がメス型継手の封入領域の内径よりも過度に小さなものとなり、取付の作業の際、封入領域にて高圧継手用パッキンの位置が過度に偏心した状態になり易かった(図5の実線で示す状態)。
【0007】
このような高圧継手用パッキンの位置が過度に偏心した状態のままオス型継手を螺合すると、筒体突部の先端は高圧継手用パッキンの膨出部に当接し、更に螺合しても透孔に挿入されることがない。このため、高圧継手用パッキンの封設ができないばかりか、高圧継手の接合による取付の際にはオス型継手及びメス型継手を高トルクで螺合するため、膨出部に当接した状態で無理に締め付けられることとなり、オス型継手の筒体突部の先端や場合によっては高圧継手用パッキンまでもが破損してしまう。一方、封設領域の高圧継手用パッキンが過度に偏心せぬよう慎重に封設すれば、オス型継手及びメス型継手の取付作業の効率が低下してしまう。
【0008】
そこで、本発明はこのような点を解決すべくなされたものであって、封入領域内で過度に偏心した状態のまま継手の取付作業が行われることを防止し、これによって取付時にオス型継手の先端及びそれ(高圧継手用パッキン)自体が破損することがなく、また継手の取付作業の効率を高めることのできる高圧継手用パッキンを提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の高圧継手用パッキンは、先端中央に流体通路の筒体突部Pを有するオス型継手J1と、封入領域を内部に有しオス型継手J1に螺合するメス型継手J2とによって封設される高圧継手用パッキンであって、筒体突部Pを挿通しうる透孔1と、この透孔1の周形状に沿って形成される厚み方向の膨出部2とを具備すると共に、前記封入領域内での最偏心位置Sにて筒体突部Pが前記膨出部2の内周側に位置するような平面張出幅3bの張出部3を、前記膨出部2の外周側に延設したことを特徴とする。
【0010】
本発明において最偏心位置Sとは、メス型継手J2の封入領域内にて、本発明の高圧継手用パッキンの、オス型継手J1の軸心に対する偏心量が最大となる状態での位置をいう。
【0011】
このようなものであれば、最偏心位置Sにおいて、膨出部2の外周側に延びた張出部3の外周縁の張出端3tが、封入領域の側縁に当接する。これにより、封入領域における高圧継手用パッキンのそれ以上の偏心を制限する。即ち、高圧継手用パッキンの封設位置を封入領域の中央位置T付近に制限することができる。そして、高圧継手用パッキンが過度に偏心した状態のままオス型継手J1とメス型継手J2との螺合締付けが行われることがなくなる。
【0012】
尚、本発明において過度に偏心した状態とは、例えば図5の実線で示すように、オス型継手J1の筒体突部Pの先端と膨出部2の膨出頂2pとが当接する位置、或いは、オス型継手J1の筒体突部Pの先端が膨出部2の外周側側面(たる外傾斜面21)とが当接する状態(図示せず)となりうる程度まで、オス型継手J1の軸心と高圧継手用パッキンの中心との偏心量が過大となった状態をいう。
【0013】
さらに、本発明の高圧継手用パッキンは、膨出部2の外周縁2tが透孔と同心円を描くように形成されると共に、張出部3は、略等幅の前記平面張出幅3bを少なくとも周方向の略等間隔毎に有することが好ましい。
【0014】
このようなものであれば、延設された張出部3のうち少なくとも複数の略等周方向における張出端3tが、高圧継手用パッキンの中心からいずれも略等距離に位置することとなる。これにより、前記平面張出幅3bを有する略等周方向毎において、高圧継手用パッキンの封入領域における位置が偏心することを均等に防止することができる。
【0015】
さらに、本発明の高圧継手用パッキンは、透孔1が透孔端部に向かって拡径した内傾斜面11を有すると共に、膨出部2の内周側側面はこの内傾斜面11により形成され、オス型継手J1の前記筒体突部Pがこの内傾斜面11を摺動することで封設位置をオス型継手J1の軸心方向へ誘導しうるものであることが好ましい。
【0016】
このようなものであれば、オス型継手J1をメス型継手J2に一定量捻じ込むと、前記筒体突部Pの一部が膨出部2の内傾斜面11と摺接する。更にオス型継手J1を捻じ込むに従って、オス型継手J1の前記筒体突部Pが内傾斜面11上を透孔1の中心方向に摺動し、そして、捻じ込み完了時にはオス型継手J1と高圧継手用パッキンとの各軸心が一致する。このようにして内傾斜面11は、高圧継手用パッキンの封設位置をオス型継手J1の軸心即ち封入領域の中央位置Tへ誘導する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を、実施例として示した図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の第一実施例を示す。図2、図3は、オス型継手J1及びメス型継手J2の取付において、それぞれ第一実施例の高圧継手用パッキンを封設する際の状態、及び封設が完了した使用状態を示したものである。
【0019】
本発明の高圧継手用パッキンは、先端中央に流体通路の筒体突部Pを有するオス型継手J1と、パッキンの封入領域を内部に有しオス型継手J1に螺合するメス型継手J2とによって封設されるものである(図3)。そして、筒体突部Pを挿通しうる透孔1と、この透孔1の周形状に沿って形成される厚み方向の膨出部2とからなる高圧継手用パッキン本体10を具備すると共に、前記封入領域内での最偏心位置Sにて筒体突部Pが前記膨出部2の膨出頂2pよりも平面視内周側に位置するような平面張出幅3bの張出部3を、前記膨出部2の外周側たる外周縁2tに延設したことを特徴とする(図2)。
【0020】
オス型継手J1及びメス型継手J2は、圧力計、螺合継手等の高圧流体装置に設けられ、その内部を気体、液体等を含む流体が高圧状態で流動する。また、オス型継手J1は、特に、高圧用圧力計に設けられ、雄ネジ部の先端中央に、流体通路の外径Pdの筒体突部Pを有する(図2、3)。
【0021】
筒体突部Pは、継手の接続時には、後述する高圧継手用パッキン本体10の透孔1に挿入される(図3)。これにより、封入時において、高圧継手用パッキン本体10の封設位置を後述する中央位置T(図2の二点鎖線の位置及び図3の位置)に定め、また封設後においても、封設位置を中央位置Tに保持する。もって封入時及び封設後において、高圧流体のリークを確実に防ぐものである。
【0022】
メス型継手J2は、内部に、オス型継手J1と螺合する内側径J2dの雌ネジと、この雌ネジの奥に隣接しパッキンを封入する封入領域とを有する。高圧流体装置、特に、フィッティングと呼ばれる高圧継手に設けられるものである。
【0023】
封入領域は、雌ネジの成形工程上、雌ネジの内側径J2dより大きな内径として形成される(図2、3参照)。
【0024】
そして、高圧継手用パッキン本体10は、両面対称形状であり、筒体突部Pを挿通しうる透孔1と、この透孔1の周形状に沿って形成される厚み方向の膨出部2とからなる。平面視においてその外周縁は、後述する膨出部2の外傾斜面21の外周縁2tにより形成される、外径10dの略円形からなる(図1)。
【0025】
透孔1は、高圧継手用パッキン本体10の両面中心に連通して設けられ、高圧継手用パッキン本体10を封設した図3の状態にて、流体通路となる前記筒体突部Pが挿入される。具体的には、筒体突部Pを挿通しうる最小孔径部と、透孔端部に向かって拡径し透孔端部において最大孔径となる内傾斜面11とからなる(図1)。実施例においては、透孔1の端部は後述する膨出部2の膨出頂2pと一致する。
【0026】
最小孔径部は、オス型継手J1の筒体突部Pの外径Pdより数mm程度大きい孔径と、この最小孔径部まで筒体突部Pが挿入されうる孔長とを有する(図3)。
【0027】
内傾斜面11は、高圧継手用パッキン本体10の両面に向かって透孔1の両端を拡径させる周曲面からなる。また、継手の取付時に、オス型継手の捩じ込みにより摺接した筒体突部Pの先端を摺動させることで、高圧継手用パッキン本体10の封設位置を適切な中央位置Tへ誘導する摺動面である(図2)。実施例では、直線断面の円錐面からなる。この他、滑らかな摺動のためには、円弧断面にて形成されるものであってもよい。
【0028】
ここで中央位置Tとは、前記メス型継手J2内に載置等され封入領域内にある本発明の高圧継手用パッキンの、オス型継手J1の軸心(並びにこれと一致するメス型継手J2の軸心)に対する偏心量がゼロとなる状態での位置をいう。即ち、中央位置Tは、オス型継手J1の軸心(並びにこれと一致するメス型継手J2の軸心)と一致する位置である。(図2の点線及び図3で示す位置)。この中央位置Tにおいては、高圧継手用パッキンの平面視外周端たる、後述する張出部3の張出端3tが、いずれも封入領域の側縁から一定の距離以上離れた状態となる。
【0029】
膨出部2は、前記透孔1の周形状に沿って、高圧継手用パッキン本体10の両面を厚み方向に膨出させて形成されるものであり、高圧継手用パッキン本体10の両面それぞれにて、透孔1の前記内傾斜面11により形成される内周側側面と、この内周側側面の外周側へ外傾斜面21として連なる外周側側面とから成る(図1)。
【0030】
外傾斜面21は、膨出部2の圧縮変形機能を維持すべく、前記内傾斜面11の外周へ連なり、外周側(拡径方向)に向かって膨出部2を薄くする傾斜周曲面である。換言すれば、外傾斜面21は、次述の膨出頂2pから膨出部2の外周縁2tに向かって、高圧継手用パッキン本体10を拡径させてなるものである(図1)。
【0031】
外傾斜面21の外周縁は膨出部2の外周縁2tであり、この膨出部2の外周縁2tにて、膨出部2並びに高圧継手用パッキン本体10を最薄にする。実施例では外傾斜面21の外周縁たる膨出部2の外周縁2tは、更に、高圧継手用パッキン本体10の外径10dの略円形からなる外周縁と共通し、透孔1と同心円を描くように形成される(図1)。
【0032】
外傾斜面21の内周縁は、前記内傾斜面11と外傾斜面21との境界にて形成される膨出頂2Pである。
【0033】
膨出頂2pは、高圧用パッキン本体の両面にて透孔1と同心円を描くように形成される(図1)。実施例においては、透孔1の最小孔径部と同心円を描き、透孔1の端部と一致する。
【0034】
また、膨出頂2pは、継手取付時のいわゆる潰れ代である。即ち、オス型継手J1とこれに螺合するメス型継手J2相互間の締付け力によって膨出部2の膨出頂2pが厚み方向に圧縮変形せしめられる。そして、各継手同士に封設された高圧継手用パッキンは、この締付け力及び膨出頂2pの圧縮変形によって、封入領域における流体密性を発揮する(図3)。
【0035】
膨出頂2pは、次述する張出部3(の所定の平面張出幅3b)によって、封入領域における中央位置Tないし後述の最偏心位置Sにて、常にオス型継手J1の筒体突部Pよりも外周側に位置することとなる(図2)。
【0036】
しかして、張出部3は、所定の略等幅の平面張出幅3bを少なくとも周方向の略等間隔毎に有してなるものとして、高圧継手用パッキン本体10の外周縁たる、膨出部2の外周縁2tから、更に外周側に延設される(図1)。この張出部3は、前記メス型継手J2の封入領域内で前記透孔1の中心位置が過度に外方へ変位すること、即ち、オス型継手J1及びメス型継手J2の軸心から過度に偏心した状態(例えば、図5の実線で示す状態)となることを制限するものであり、前記膨出部2の外周側に張り出す平面張出領域として延設したものである。
【0037】
所定の平面張出幅3bとは、前記メス型継手J2の封入領域内での最偏心位置Sにて、筒体突部Pの全部が、前記膨出部2の膨出頂2pよりも平面視内周側に位置するような平面張出幅3bをいう(図2)。より具体的には、平面張出幅3bは、メス型継手J2の雌ネジの内側径J2dと、オス型継手J1の筒体突部Pの外径Pdとの差の半分、すなわち((内側径J2d)−(筒体突部Pの外径Pd))/2よりも小さい(図3)。
【0038】
ここで、本発明において最偏心位置Sとは、図2の実線で示すように、前記メス型継手J2内に載置等され封入領域内にある本発明の高圧継手用パッキンの、オス型継手J1の軸心(並びにこれと一致するメス型継手J2の軸心)に対する偏心量が最大となる状態での位置をいう。この最偏心位置Sにおいては、高圧継手用パッキンの平面視外周縁たる、張出部3の張出端3tの一部が、封入領域の側縁と接する状態(図2の実線で示す状態)となる。
【0039】
張出端3tは、張出部3のうち少なくとも前記所定の略等幅の平面張出幅3bを有する部分において、平面視にて緩曲面からなる(図1)。また、張出端3tは、前記平面張出幅3bによって、中央位置Tにてメス型継手J2の雌ネジの内側径部よりも内周側に位置すると共に、中央位置Tないし最偏心位置Sにて常にオス型継手J1の筒体突部Pの外周部よりも外周側に位置することとなる(図2)。
【0040】
具体的には、張出部3は、前記膨出部2の外周側の全周に沿って延設される等幅(の平面張出幅3b)の硬質材製フランジ状薄板である(図1)。張出部3の張出端3tは、本発明の高圧継手用パッキンの平面視外周縁を形成する。この平面視外周縁の形状は外径dの略円形であり、本発明の高圧継手用パッキンの外径dは、雌ネジの内側径J2dより小径であると共に、筒体突部Pの外径Pdより大径である(図3)。
【0041】
また、張出部3は、圧縮変形後の膨出部2よりも薄いことが必要であり、更には、張出部3は、高圧継手用パッキン本体10と同一金属製であると共に高圧継手用パッキン本体10と一体成形されて成ることが好ましい。ここで硬質材製とは、例えば金属やセラミック、硬質プラスチック等が考えられる。また金属製とは、例えばステンレス、アルミニウム、銅或いはこれらを主成分とする合金等が考えられる。
【0042】
以上のように構成された本発明の高圧継手用パッキンをオス型継手J1及びメス型継手J2に封設して使用するには、パッキンを載置等によりメス型継手J2の封入領域へ封入した状態で、オス型継手J1を捩じ込んでメス型継手J2に取付ればよい。このとき、高圧継手用パッキンの封入領域における位置が最偏心位置Sであっても、過度に偏心した状態となることがないため、高圧継手用パッキン本体10の位置に注意することなく、迅速に封設することができ、もって、継手の取付作業を迅速且つ確実に行うことができる。
【0043】
即ち、高圧継手用パッキンが封入領域において最偏心位置Sであっても、オス型継手J1をメス型継手J2に一定量捻じ込むと、オス型継手J1先端の筒体突部Pの一部が膨出部2の内傾斜面11と摺接する(図2の実線で示す状態)。更にオス型継手J1を捻じ込むに従って、筒体突部Pは継手接合方向へ進行し、筒体突部Pの進行に従って、内傾斜面11と摺接した筒体突部Pの先端は、内傾斜面11上を透孔1の中心方向に摺動する。これにより高圧継手用パッキンは、オス型継手J1の軸心と一致する中央位置Tへ誘導される(図2の点線で示す状態)。このようにして、高圧継手用パッキンの封設位置が、内傾斜面11によって封入領域の中央位置Tへ誘導され、捻じ込み完了時には常に適切な封入位置にて封設されることとなる(図3)。
【0044】
以上のように構成された本発明の高圧継手用パッキンは、所定の平面張出幅3bを有する張出部3を平面視周囲に延設したことで、封入したパッキンの封設位置の適切な位置決めを、簡易かつ正確に行うことができる。即ち、オス型継手の捩じ込み前の高圧継手用パッキン本体10の封入位置が最偏心位置Sであっても、膨出部2の外周側に延びた張出部3の周縁の張出端3tが封入領域の側縁に当接することで、高圧継手用パッキンの封設位置を封入領域の中央位置T付近に制限し、封設位置がそれ以上に偏心することはない(図2の実線で示す状態)。これにより、高圧継手用パッキンが過度に偏心した状態のまま継手の締付けが行われることがなくなる。
【0045】
ここで、高圧圧力計は、数年毎にパッキンや圧力計を交換する更正作業が必要となる。プラント等の比較的規模の大きな高圧設備においては、流体圧力を一時的に下げた短時間ないし短期間のうちに、十数箇所ないし数十箇所の更正作業が必要となる。このため、高圧継手用パッキンの封設及び継手の取付作業は、少しでも効率的に行う必要がある。
【0046】
本発明においては、高圧継手用パッキンの封設の際に、封入領域において高圧継手用パッキンが過度に偏心したまま継手の締付けがされることがなくなり、継手先端の筒体突部P、及び高圧継手用パッキンの双方が破損することがないものとなる。このため、封入した高圧継手用パッキンの封入領域における封設位置を気にすることなく、迅速かつ確実に継手の取付作業を行うことができる。したがって、前記更正を、迅速かつ確実に行うことができる。
【0047】
また、本発明の高圧継手用パッキンは、膨出部2の外周縁2tが透孔1と同心円(外径10dの略円形)を描くように形成されると共に、張出部3は、高圧継手用パッキン本体10の全周方向において略等幅の平面張出幅3bを有するフランジ状板であるから、張出部3の張出端3tが、高圧継手用パッキンの中心からいずれも略等距離(本発明の高圧継手用パッキンの外径dの半分の距離)に位置することとなる。これにより、封設位置が偏心することを、高圧継手用パッキン本体10の全周方向において均等に制限することができる。
【0048】
また、本発明の高圧継手用パッキンは、張出部3が硬質材製であることで、封設位置における高圧継手用パッキン本体10の過度の偏心を、確実に制限することができる。また張出部3の張出端3tが平面視にて緩曲面からなることで、封入領域へ本発明の高圧継手用パッキンを封入する際に、高圧継手用パッキンがメス型継手J2の雌ネジに引っかかったり、この雌ネジを傷つけたりすることがなく、また封入領域の側縁を傷つけることがない。これにより高圧継手用パッキンの封設を容易且つ迅速に行えるものとなり、ひいては、オス型継手J1とメス型継手J2の取付作業を容易且つ迅速に行うことができる。
【0049】
また、本発明の高圧継手用パッキンは、張出部3が圧縮変形後の膨出部2より薄板であるから、張出端3tの側方向投象面積が小さいものとなり、メス型継手J2へ容易に封入することができる。また張出部3が、膨出部2に周設して全周に設けたフランジ状板であるから、張出部3が不用意に破損することが無く、所定の強度を確保することができる。ひいては、封設及び継手取付作業を、迅速且つ効率的に行うことができる。
【0050】
さらに、本発明の高圧継手用パッキンは、張出部3が、高圧継手用パッキンと同一金属製であると共に高圧継手用パッキンと一体成形されて成るものであるから、製造過程において張出部3の別体成形や、張出部3の高圧継手用パッキン本体10への接合固定等が不要となり、比較的安価かつ簡易に製造することができる。
【0051】
図4は、本発明の第二実施例である。第二実施例において、張出部3は、所定の略等幅の平面張出幅3bを有する複数本の板材からなり、高圧継手用パッキン本体10のうち膨出部2の外周側たる膨出部2の外周縁2tから、周方向の略等間隔毎に延設される。この板材の張出端3tは、平面視にて角部を滑らかに形成した緩曲面からなる。このような張出部3であっても、周方向の少なくとも複数の略等間隔方向に延設された張出部3の端部が、高圧継手用パッキンの中心からいずれも略等距離に位置することとなる。これにより、封設位置が偏心することを、高圧継手用パッキンの周方向において均等に防止することができる。
【0052】
なお、本発明は、例えば、透孔1が内傾斜面11を有さない円筒形状によって形成されると共に内傾斜面11が膨出部2の内周側側面によってのみ形成された形態(図示せず)であってもよく、その他、張出部3をはじめとする各部の具体的な構成を含めて上述した実施例に限定されるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形及び組み合わせが可能である。
【0053】
【発明の効果】
本発明の高圧継手用パッキンは、以上に述べたように構成されているので、封入領域内で所望の封設位置を確保することができ、封入領域内で過度に偏心した状態のまま取付作業が行われることを防止することができる。従って継手の取付時に圧力計等のオス型継手の先端及び高圧継手用パッキン自体が破損することがなく、また迅速且つ確実な取付を可能とすることで取付作業の効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例の一部切欠斜視図である。
【図2】第一実施例の高圧継手用パッキンを取付る際の状態を示す断面説明図である。
【図3】第一実施例の高圧継手用パッキンの使用状態を示す断面説明図である。
【図4】本発明の第二実施例の一部切欠斜視図である。
【図5】従来の高圧継手用パッキンを取付る際の状態を示す断面説明図である。
【符号の説明】
1 透孔
11 内傾斜面
2 膨出部
2t 膨出部の外周縁
3 張出部
3t 張出端
3b 平面張出幅
P 筒体突部
S 最偏心位置
T 中心位置
J1 オス型継手
J2 メス型継手
Claims (2)
- 先端中央に流体通路の筒体突部(P)を有するオス型継手(J1)と、封入領域を内部に有しオス型継手(J1)に螺合するメス型継手(J2)とによって封設される高圧継手用パッキンであって、筒体突部(P)を挿通しうる透孔(1)と、この透孔(1)の周形状に沿って形成される厚み方向の膨出部(2)とを具備すると共に、前記封入領域内での最偏心位置(S)にて筒体突部(P)が前記膨出部(2)の内周側に位置するような平面張出幅(3b)の張出部(3)を、前記膨出部(2)の外周側に延設し、膨出部(2)の外周縁(2t)が透孔と同心円を描くように形成されると共に、張出部(3)は、略等幅の前記平面張出幅(3b)を少なくとも周方向の略等間隔毎に有することを特徴とする高圧継手用パッキン。
- 透孔(1)は透孔端部に向かって拡径した内傾斜面(11)を有すると共に、膨出部(2)の内周側側面はこの内傾斜面(11)により形成され、オス型継手(J1)の前記筒体突部(P)がこの内傾斜面(11)を摺動することで封設位置をオス型継手(J1)の軸心方向へ誘導しうる請求項1記載の高圧継手用パッキン。
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