JP4128338B2 - 測定装置、測定方法、測定装置の動作制御方法及び測定制御ユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、測定装置、測定方法、測定装置の動作制御方法及び測定制御ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばプラスチックスレンズ、特にfθレンズ或いはその金型などのように曲面形状を有する被測定物の表面形状を測定するための測定装置の一例として、特開平10−132549号公報に示される形状測定装置の例がある。この提案例は、概略的には、光学式変位計を非接触プローブとして備え、この変位計の出力を用いて非接触プローブを被測定物表面に沿って走査させてこの被測定物の表面形状を測定する上で、変位計の走査速度によらず測定サンプリング位置間隔を一定間隔とするようにしたものである。即ち、測長手段による測長データのサンプリング距離間隔を一定にしたものである。この提案例の形状測定装置では、測長データのサンプリングは、コンピュータ上のソフトウェアタイマによって行い、ソフトウェア的に距離間隔が一定になるようにしている。
【0003】
また、他の例として、例えば、特開2000−131031公報に示される三次元座標測定機によれば、タッチプローブ式の三次元座標測定装置に代わる非接触式の形状測定装置が提案されており、その形状測定部にはレーザスキャナとCCDとが用いられている。また、測定動作を行う部分と形状測定部とに各々マイクロコンピュータを備えた構成とされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般にデータ解析をする場合や特開平10−132549号公報に示される装置のようにソフトウェア的に距離間隔が一定になるような演算をする場合、データ数がより多く、かつ、サンプリング周期が正しいことが好ましい。しかし、マイクロコンピュータ上のソフトウェアタイマで測長データを取得する場合、パソコン等に搭載されるマイクロコンピュータはデータ取得以外の演算も行っているためサンプリング周期の短縮には限界があり、サンプリング周期の間隔も必ずしも一定ではない。
【0005】
この点について、従来のシステム制御系、測長器からのデータ取得の構成例を示す図19を参照してより詳細に説明する。ちなみに、詳細な説明はないが、上記の特開平10−132549号公報に示される形状測定装置の場合、図19に示す構成に基づいている。なお、形状測定装置自体の構成は、図1により後述するような接触式変位計を用いた形状測定装置を想定している。
【0006】
従来の形状測定装置は、パーソナルコンピュータ(以下、適宜PCという)100によってシステム制御され、レーザ測長器101の測長データが取得される。PC100は、演算装置であるCPU102、不揮発メモリであるROM103、揮発メモリであるRAM104、各種入出力系I/O105、ハードディスクドライブ(HDD)106、表示器107等により構成されている。PC100自体は、オペレーションシステム(以下、適宜OSという)によって制御される。
【0007】
形状測定装置自体に搭載されているX,Y軸コントローラ108とZ軸コントローラ109とは、PC100上のメモリアドレス若しくはI/Oアドレス上に配置され、PC100上のプログラムによって制御される。X,Y軸ドライバ110はX,Y軸コントローラ108の出力に応じたモータ電流をモータに流し、X,Y軸ステージ111は駆動される。X,Y軸ステージ111の位置はX,Y軸エンコーダ112によって検出され、X,Y軸コントローラ108へフィードバックされることによりX,Y軸ステージ111は位置決め制御される。一方、Z軸ドライバ113はZ軸コントローラ109の出力に応じたモータ電流をモータに流し、Z軸ステージ114は駆動される。Z軸ステージ114の位置は、Z軸エンコーダ115によって検出され、Z軸コントローラ109へフィードバックされることよりZ軸ステージ114は位置決め制御される。
【0008】
被測定物の表面形状の測定時は、変位計116によって検出される被測定物と変位計116との間の変位量がZ軸コントローラ109へフィードバックされ、Z軸ステージ114は追従制御される。Z軸ステージ114を追従制御に切換え、X軸若しくはY軸を走査させて被測定物の表面形状に倣い動作をさせ、そのときの軌跡をZ軸ステージ114上のレーザ測長器101によって検出し、レーザ測長器101の測長データを、PC100のI/O105若しくは図示されていないが、PC100に組み込んだ拡張I/OによってPC100に取り込まれる。PC100は拡張I/Oによって、レーザ測長器101の設定、測長データの保持(ラッチ)、読込み等の動作をレーザ測長器101と相互通信(ハンドシェーク)を行うことによって可能にしている。
【0009】
レーザ測長器101はその測長データを取得するためには命令等を通信を介して送る必要があり、その測長データは、PC100上のOSの機能であるソフトウェアタイマを使用することで、所定のサンプリング周期で読込まれる。しかし、図20に示すタイムチャートのように、ソフトウェアタイマを使用したデータ取込みでは、OSがデータ取込み以外の処理も行うため、他の処理待ちの時間が発生し、サンプリング周期をtsampと設定しても、実際のサンプリング周期はtsampとなる保証がなく、測長データDATA0,DATA1,DATA2,DATA3,…を取得する上で、通常t0,t1,t2,…に示すようなtsamp前後の周期となってしまい、最悪の場合、データ欠落の可能性もある。これにより、後処理で帯域フィルタを使用してフィルタ処理を行う場合、このようなサンプリング周期の誤差が、形状の誤差として発生してしまう可能性がある。また、設定できる最小サンプリング周期は数ms程度であるため、検出できる形状の周波数は、サンプリング周波数の1/10と考えると100Hz以下となってしまい、高い周波数の形状の検出を高速で行うにはサンプリング周期のことからも限界が発生してしまう。加えて、PC100はソフトウェアタイマにより頻繁に測長データを読込む処理をするため、負荷が大きく、ディスプレイ107に対する表示処理やその他の処理が間に合わなくなる場合もある。
【0010】
また、特開2000−131031公報に示される三次元座標測定機の場合、測定動作を行う部分と形状測定部とに各々マイクロコンピュータを備えており、複数のマイクロコンピュータに演算処理を分散させているが、形状測定部のマイクロコンピュータは、画像処理等の演算に使用されている。結局、測定動作を行う部分に対するマイクロコンピュータが図19の場合のPC100と同様にシステム制御している構成例といえる。また、マイクロコンピュータ同士の通信方法に関しては述べられていない。
【0011】
そこで、本発明は、測長部により測定される測長データをサンプリング周期一定で、高速に取込むことが可能な測定装置、測定方法及び測定制御ユニットを提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、統括制御用演算部とは別個にデータ取得用演算部を備えることにより上記目的を実現する上で、統括制御用演算部とデータ取得用演算部との間で各種のデータ通信が可能な測定装置、測定方法及び測定制御ユニットを提供する。
【0013】
また、本発明は、統括制御用演算部とは別個にデータ取得用演算部を備えることで上記目的を実現する上で、形状測定装置自体の各演算部とデータ取得用演算部との間で統括制御用演算部を介することなく直接的に通信可能にし、データ取得用演算部のデータを使用した時間遅れのない若しくは時間遅れの少ない制御演算ができる。
【0014】
また、本発明は、データ通信部を備えることで上記目的を実現する上で、データ測定装置、測定方法、測定装置の動作制御方法及び測定制御ユニットを提供する。通信部として一般的なI/Oポートを使用することができ、安価で高速な通信が可能な測定装置、測定方法及び測定制御ユニットを提供する。
【0015】
また、本発明は、データ通信部を備えることで上記目的を実現する上で、データ通信部として構成が簡素化でき、また、差動信号を使用することによって、通信距離の延長も可能な測定装置、測定方法及び測定制御ユニットを提供する。
【0016】
さらに、本発明は、データ通信部を備えることで上記目的を実現する上で、データ通信部として非常に高速で、かつ、大量のデータの授受が可能な測定装置、測定方法及び測定制御ユニットを提供する。
【0017】
また、本発明は、測長部の測長データが欠落することなく計測できる測定装置、測定方法及び測定制御ユニットを提供する。
【0018】
さらに、本発明は、統括制御用演算部とは別個にデータ取得用演算部を備えることで上記目的を実現する上で、バンドパスフィルタ等による後処理が容易となる測定装置、測定方法及び測定制御ユニットを提供する。
【0019】
さらに、本発明は、統括制御用演算部とは別個にデータ取得用演算部を備えることで上記目的を実現する上で、形状等の測定条件に合わせた測長データ量とすることができ、効率の良いデータ処理が可能な測定装置、測定方法及び測定制御ユニットを提供する。
【0020】
さらに、本発明は、統括制御用演算部とは別個にデータ取得用演算部を備えることで上記目的を実現する上で、統括制御演算部との間の通信が低速であっても、測長部の測長データを保持でき、統括制御用演算部の負荷を増加させることなく、かつ、測長データが欠落することなく時系列で計測できる測定装置、測定方法及び測定制御ユニットを提供する。
【0021】
さらに、本発明は、統括制御用演算部とは別個にデータ取得用演算部を備えることで上記目的を実現する上で、統括制御演算部のデータ演算処理の負荷を一層低減させることができ、或いは、測長データに含まれるノイズ成分を予め除去可能な測定装置、測定方法及び測定制御ユニットを提供する。
【0022】
さらに、本発明は、統括制御用演算部とは別個にデータ取得用演算部を備えることで上記目的を実現する上で、ソフトウェアタイマによる制御の場合と異なり、測長データが確実に一定間隔のサンプリング周期となる測定装置、測定方法及び測定制御ユニットを提供する。
【0023】
また、本発明は、統括制御用演算部とは別個にデータ取得用演算部を備えることで上記目的を実現する上で、形状測定装置自体の各演算部と形状測定装置自体の各演算部とデータ取得用演算部との間で統括制御用演算部を介することなく直接的に通信可能にし、時間的遅れが最小で安全な異常回避が可能な測定装置、測定方法、測定装置の動作制御方法及び測定制御ユニットを提供する。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明の測定装置は、変位体を被測定面に追従させる変位体駆動部の軌跡を測定する測長部を備える測定装置であって、当該測定装置全体をアプリケーションソフトにより統括制御する統括制御用演算部と、この統括制御用演算部とは別個に設けられて前記測長部により測定された測長データを前記測長部との間の通信により取得するデータ取得用演算部と、前記統括制御用演算部と前記データ取得用演算部との間のデータ通信を行うデータ通信部と、を備える。
【0025】
従って、従来では1つの演算部でソフトウェア的な手法により測長部から測長データを取得していたのに対し、統括制御用演算部に加え、データ取得用演算部を備えることによって、統括制御用演算部の負荷を低減させつつ、測長データをサンプリング周期一定で、高速に取込むことが可能となる。また、データ通信部を備えることによって、統括制御用演算部とデータ取得用演算部との間で、各種のデータ通信をすることが可能となる。
【0026】
また本発明の測定装置は、キャリッジを被測定面に追従させるキャリッジ駆動部の軌跡を測定する測長部を備えるキャリッジ位置の測定装置であって、当該測定装置全体をアプリケーションソフトにより統括制御する統括制御用演算部と、この統括制御用演算部とは別個に設けられて前記測長部により測定された測長データを前記測長部との間の通信により取得するデータ取得用演算部と、前記統括制御用演算部と前記データ取得用演算部との間のデータ通信を行うデータ通信部と、を備える。
【0027】
従って、キャリッジ位置の測定装置において、従来では1つの演算部でソフトウェア的な手法により測長部から測長データを取得していたのに対し、統括制御用演算部に加え、データ取得用演算部を備えることによって、統括制御用演算部の負荷を低減させつつ、測長データをサンプリング周期一定で、高速に取込むことが可能となる。また、データ通信部を備えることによって、統括制御用演算部とデータ取得用演算部との間で、各種のデータ通信をすることが可能となる。
【0028】
また本発明の測定装置は、変位計を搭載した変位計駆動部と、前記変位計の出力が一定となるように被測定面の表面形状に追従させる前記変位計駆動部を制御する追従機構部と、前記変位計駆動部を前記被測定面の面内方向に走査させる走査駆動部と、前記被測定面の表面形状に追従させたときの前記変位計駆動部の軌跡を測定する測長部とを備え、前記測長部により測定された前記軌跡を前記被測定面の表面形状とする形状の測定装置であって、当該測定装置全体をアプリケーションソフトにより統括制御する統括制御用演算部と、この統括制御用演算部とは別個に設けられて前記測長部により測定された測長データを前記測長部との間の通信により取得するデータ取得用演算部と、前記統括制御用演算部と前記データ取得用演算部との間のデータ通信を行うデータ通信部と、を備える。
【0029】
従って、形状測定装置において、従来では1つの演算部でソフトウェア的な手法により測長部から測長データを取得していたのに対し、統括制御用演算部に加え、データ取得用演算部を備えることによって、統括制御用演算部の負荷を低減させつつ、測長データをサンプリング周期一定で、高速に取込むことが可能となる。また、データ通信部を備えることによって、統括制御用演算部とデータ取得用演算部との間で、各種のデータ通信をすることが可能となる。
【0030】
また本発明の測定装置において、前記変位計が接触式変位計である。
【0031】
従って、接触式変位計を用いた形状測定装置に好適に適用できる。
【0032】
また本発明の測定装置において、前記変位計が非接触式変位計である。
【0033】
従って、非接触式変位計を用いた形状測定装置に好適に適用できる。
【0034】
また本発明の測定装置は、前記追従機構部に対する追従機構部用演算部と前記走査駆動部に対する走査駆動部用演算部の少なくとも一方と前記データ取得用演算部との間のデータ通信を行うデータ通信部を備える。
【0035】
従って、形状測定装置自身側の各演算部とデータ取得用演算部との間にデータ通信部を備えることにより、統括制御用演算部を介することなく通信でき、データ取得用演算部のデータを使用した時間遅れのない若しくは時間遅れの少ない制御演算が可能となる。
【0036】
また本発明の測定装置において、前記データ通信部は、パラレル通信を行うI/Oポート接続により構成されている。
【0037】
従って、データ通信部をパラレル通信方式とすることにより、一般的なI/Oポートを使用でき、安価で高速なデータ通信部となる。
【0038】
また発明の測定装置において、前記データ通信部は、シリアル通信を行うシリアルポート接続により構成されている。
【0039】
従って、データ通信部をシリアル通信方式とすることにより、パラレル通信方式では通信のbit数以上必要となるポートやケーブルが、数本で可能となるためデータ通信部の構成を簡素化できる上に、ノイズに強い差動信号を利用することによって、通信距離の延長も可能となる。
【0040】
また本発明の測定装置において、前記データ通信部は、双方の演算部から読み書き可能な共有メモリにより構成されている。
【0041】
従って、データ通信部を双方の演算部から読み書きできる共有メモリとすることにより、通信時間はメモリの読み書き時間のみであるため非常に高速であり、かつ、共有メモリ領域を広くすることによって大量のデータの授受が高速で可能となる。
【0042】
また本発明の測定装置において、前記データ取得用演算部は、データキャッシュ部に測長データを蓄える。
【0043】
従って、データ取得用演算部において所定量の測長データをデータキャッシュ部に蓄えることにより、測長部の測長データを欠落することなく計測できる。
【0044】
また本発明の測定装置において、前記データ取得用演算部は、所定のサンプリング周期で前記測長部から測長データを取得する。
【0045】
従って、データ取得用演算部が所定のサンプリング周期で測長部の測長データを取得することにより、バンドパスフィルタ等の後処理が容易となる。
【0046】
また本発明の測定装置において、前記データ取得用演算部は、前記統括制御用演算部により前記データ通信部を介して設定された所定のサンプリング周期で前記測長部から測長データを取得する。
【0047】
従って、測長データのサンプリング周期はデータ通信部を介して統括制御用演算部より設定できる構成としたので、被測定物の形状測定条件に合わせた測長データ量とすることができ、効率の良いデータ処理が可能となる。
【0048】
また本発明の測定装置において、前記データ通信部が所定のアドレス空間に通信用フラグ領域とデータ領域とを有する共有メモリからなり、この共有メモリの前記通信用フラグ領域の一部が所定のサンプリング周期を設定する領域とされている。
【0049】
従って、共有メモリを利用することにより、請求項13記載の測定装置を容易に実現できる。
【0050】
また本発明の測定装置において、前記データ取得用演算部は、所定のサンプリング周期で前記測長部から取得した測長データを一旦蓄えその蓄え順に前記統括制御用演算部側へ出力する先入れ先出し型のデータキャッシュ部を備える。
【0051】
従って、先入れ先出し型のデータキャッシュ部に蓄えられた測長データを、蓄えられた順にデータ通信部を介して統括制御用演算部に伝達するように構成したので、統括制御演算部との間の通信が低速であっても、測長部のデータを保持することができるため、統括用演算部の負荷を増加させることなく、かつ、測長データが欠落することなく時系列で計測することができる。
【0052】
また本発明の測定装置において、前記データ取得用演算部は、所定のサンプリング周期で前記測長部から取得した測長データに対してフィルタ演算処理を施して出力させるフィルタ演算処理手段を備える。
【0053】
従って、データ取得用演算部において、測長データの取得だけでなく所定のフィルタ演算処理も行うことにより、統括制御演算部のデータ演算処理の負荷を低減でき、若しくは、測長データに含まれるノイズ成分を予め除去することが可能となる。
【0054】
また本発明の測定装置において、前記データ取得用演算部は、主演算処理において前記データ通信部を介して前記統括制御用演算部側との通信を行い、所定のサンプリング周期による割込み処理において測長部から測長データを取得する。
【0055】
従って、測長データ取得を演算部の割込み処理によって行い、統括制御用演算部との通信を主演算処理によって行うことにより、ソフトウェアタイマによる場合と異なり、測長データが確実に一定間隔のサンプリング周期となる。
【0056】
また本発明の測定装置において、前記追従機構部用演算部又は前記走査駆動部用演算部は、前記データ通信部を介した前記データ取得用演算部との通信において、前記データ取得用演算部からの所定の信号に基づき異常を検知する異常検知手段を備え、この異常検知手段により異常が検知された場合に異常回避動作を行わせる異常回避手段と、を備える。
【0057】
従って、追従機構部用演算部若しくは走査駆動部用演算部が、データ取得用演算部の所定の信号によって所定の異常回避動作を行うようにしたので、統括制御用演算部を介さないため、時間的遅れが最小で安全な異常回避が可能となる。
【0058】
また本発明の測定装置において、前記データ通信部が所定のアドレス空間に通信用フラグ領域とデータ領域とを有する共有メモリからなり、この共有メモリの前記通信用フラグ領域の一部が測長部異常を示す領域とされている。
【0059】
従って、共有メモリを利用することにより請求項17記載の測定装置を容易に実現できる。
【0060】
本発明は、変位体を被測定面に追従させる変位体駆動部の軌跡を測定する測長部を備える測定装置を用いる測定方法であって、当該測定装置全体をアプリケーションソフトにより統括制御する統括制御用演算部とは別個に設けたデータ取得用演算部により前記測長部との間で通信を行わせて前記測長部により測定された測長データを取得するようにした。
【0061】
従って、従来では1つの演算部でソフトウェア的な手法により測長部から測長データを取得していたのに対し、統括制御用演算部に加え、データ取得用演算部を備えることによって、統括制御用演算部の負荷を低減させつつ、測長データをサンプリング周期一定で、高速に取込むことが可能となる。
【0062】
また本発明の測定方法において、データ取得用演算部により所定のサンプリング周期で前記測長部により測定された測長データを取得するようにした。
【0063】
従って、データ取得用演算部が所定のサンプリング周期で測長部の測長データを取得することにより、バンドパスフィルタ等の後処理が容易となる。
【0064】
また本発明の測定方法において、所定のサンプリング周期を前記統括制御用演算部によりデータ通信部を介して前記データ取得用演算部に設定するようにした。
【0065】
従って、測長データのサンプリング周期はデータ通信部を介して統括制御用演算部により設定するようにしたので、被測定物の形状測定条件に合わせた測長データ量とすることができ、効率の良いデータ処理が可能となる。
【0066】
また本発明の測定方法において、所定のサンプリング周期で前記測長部から取得した測長データを一旦先入れ先出し型のデータキャッシュ部に蓄え、その蓄え順に前記データキャッシュ部からデータ通信部を介して前記統括制御用演算部側へ出力させるようにした。
【0067】
従って、先入れ先出し型のデータキャッシュ部に蓄えられた測長データを、蓄えられた順にデータ通信部を介して統括制御用演算部に伝達させるようにしたので、統括制御演算部との間の通信が低速であっても、測長部のデータを保持することができるため、統括用演算部の負荷を増加させることなく、かつ、測長データが欠落することなく時系列で計測することができる。
【0068】
また本発明の測定方法において、所定のサンプリング周期で前記測長部から取得した測長データに対してフィルタ演算処理を施した後、データ通信部を介して前記統括制御用演算部側へ出力させるようにした。
【0069】
従って、データ取得用演算部において、測長データの取得だけでなく所定のフィルタ演算処理も行うことにより、統括制御演算部のデータ演算処理の負荷を低減でき、若しくは、測長データに含まれるノイズ成分を予め除去することが可能となる。
【0070】
また本発明の測定方法において、所定のサンプリング周期による割込み処理において前記測長部から測長データを取得するようにした。
【0071】
従って、測長データ取得を演算部の割込み処理によって行うことにより、ソフトウェアタイマによる場合と異なり、測長データが確実に一定間隔のサンプリング周期となる。
【0072】
本発明は、変位計を搭載した変位計駆動部と、前記変位計の出力が一定となるように被測定面の表面形状に追従させる前記変位計駆動部を制御する追従機構部と、前記変位計駆動部を前記被測定面の面内方向に走査させる走査駆動部と、前記被測定面の表面形状に追従させたときの前記変位計駆動部の軌跡を測定する測長部とを備え、前記測長部により測定された前記軌跡を前記被測定面の表面形状とする形状の測定装置であって、当該測定装置全体をアプリケーションソフトにより統括制御する統括制御用演算部と、この統括制御用演算部とは別個に設けられて前記測長部により測定された測長データを前記測長部との間の通信により取得するデータ取得用演算部と、前記統括制御用演算部と前記データ取得用演算部との間のデータ通信を行うデータ通信部と、を備える測定装置に対する動作制御方法であって、前記追従機構部に対する追従機構部用演算部と前記走査駆動部に対する走査駆動部用演算部の少なくとも一方と前記データ取得用演算部との間をデータ通信部で結び、前記データ取得用演算部が前記測長部から取得した測長データに基づき追従機構部用演算部又は前記走査駆動部用演算部を動作制御させるようにした。
【0073】
従って、形状測定装置自身側の各演算部とデータ取得用演算部との間をデータ通信部で結び、データ取得用演算部が測長部から取得した測長データに基づき追従機構部用演算部又は走査駆動部用演算部を動作制御させるようにしたので、統括制御用演算部を介することなく通信して制御させることができ、データ取得用演算部の測長データを使用した時間遅れのない若しくは時間遅れの少ない制御演算が可能となる。
【0074】
また本発明の測定装置の動作制御方法において、前記追従機構部用演算部又は前記走査駆動部用演算部が、前記データ通信部を介した前記データ取得用演算部との通信において、前記データ取得用演算部からの所定の信号に基づき異常を検知し、異常が検知された場合に異常回避動作を行わせるようにした。
【0075】
従って、追従機構部用演算部若しくは走査駆動部用演算部が、データ取得用演算部の所定の信号によって所定の異常回避動作を行わせるようにしたので、統括制御用演算部を介さないため、時間的遅れが最小で安全な異常回避が可能となる。
【0076】
本発明は、変位体を被測定面に追従させる変位体駆動部の軌跡を測定する測長部を備える測定装置に用いられる測定制御ユニットであって、前記測定装置全体をアプリケーションソフトにより統括制御する統括制御用演算部と、この統括制御用演算部とは別個に設けられて前記測長部により測定された測長データを前記測長部との間の通信により取得するデータ取得用演算部と、前記統括制御用演算部と前記データ取得用演算部との間のデータ通信を行うデータ通信部と、を備える。
【0077】
従って、従来では1つの演算部でソフトウェア的な手法により測長部から測長データを取得していたのに対し、統括制御用演算部に加え、データ取得用演算部を備えることによって、統括制御用演算部の負荷を低減させつつ、測長データをサンプリング周期一定で、高速に取込むことが可能となる。また、データ通信部を備えることによって、統括制御用演算部とデータ取得用演算部との間で、各種のデータ通信をすることが可能となる。
【0078】
本発明は、キャリッジを被測定面に追従させるキャリッジ駆動部の軌跡を測定する測長部を備えるキャリッジ位置の測定装置に用いられる測定制御ユニットであって、前記測定装置全体をアプリケーションソフトにより統括制御する統括制御用演算部と、この統括制御用演算部とは別個に設けられて前記測長部により測定された測長データを前記測長部との間の通信により取得するデータ取得用演算部と、前記統括制御用演算部と前記データ取得用演算部との間のデータ通信を行うデータ通信部と、を備える。
【0079】
従って、キャリッジ位置の測定装置用の測定制御ユニットとして、従来では1つの演算部でソフトウェア的な手法により測長部から測長データを取得していたのに対し、統括制御用演算部に加え、データ取得用演算部を備えることによって、統括制御用演算部の負荷を低減させつつ、測長データをサンプリング周期一定で、高速に取込むことが可能となる。また、データ通信部を備えることによって、統括制御用演算部とデータ取得用演算部との間で、各種のデータ通信をすることが可能となる。
【0080】
本発明は、変位計を搭載した変位計駆動部と、前記変位計の出力が一定となるように被測定面の表面形状に追従させる前記変位計駆動部を制御する追従機構部と、前記変位計駆動部を前記被測定面の面内方向に走査させる走査駆動部と、前記被測定面の表面形状に追従させたときの前記変位計駆動部の軌跡を測定する測長部とを備え、前記測長部により測定された前記軌跡を前記被測定面の表面形状とする形状の測定装置に用いられる測定制御ユニットであって、前記測定装置全体をアプリケーションソフトにより統括制御する統括制御用演算部と、この統括制御用演算部とは別個に設けられて前記測長部により測定された測長データを前記測長部との間の通信により取得するデータ取得用演算部と、前記統括制御用演算部と前記データ取得用演算部との間のデータ通信を行うデータ通信部と、を備える。
【0081】
従って、形状測定装置用の測定制御ユニットとして、従来では1つの演算部でソフトウェア的な手法により測長部から測長データを取得していたのに対し、統括制御用演算部に加え、データ取得用演算部を備えることによって、統括制御用演算部の負荷を低減させつつ、測長データをサンプリング周期一定で、高速に取込むことが可能となる。また、データ通信部を備えることによって、統括制御用演算部とデータ取得用演算部との間で、各種のデータ通信をすることが可能となる。
【0082】
また本発明の測定制御ユニットにおいて、前記追従機構部に対する追従機構部用演算部と前記走査駆動部に対する走査駆動部用演算部の少なくとも一方と前記データ取得用演算部との間のデータ通信を行うデータ通信部を備える。
【0083】
従って、形状測定装置自身側の各演算部とデータ取得用演算部との間にデータ通信部を備えることにより、統括制御用演算部を介することなく通信でき、データ取得用演算部のデータを使用した時間遅れのない若しくは時間遅れの少ない制御演算が可能となる。
【0084】
また本発明の測定制御ユニットにおいて、前記データ通信部は、パラレル通信を行うI/Oポート接続により構成されている。
【0085】
従って、データ通信部をパラレル通信方式とすることにより、一般的なI/Oポートを使用でき、安価で高速なデータ通信部となる。
【0086】
また本発明の測定制御ユニットにおいて、前記データ通信部は、シリアル通信を行うシリアルポート接続により構成されている。
【0087】
従って、データ通信部をシリアル通信方式とすることにより、パラレル通信方式では通信のbit数以上必要となるポートやケーブルが、数本で可能となるためデータ通信部の構成を簡素化できる上に、ノイズに強い差動信号を利用することによって、通信距離の延長も可能となる。
【0088】
また本発明の測定制御ユニットにおいて、前記データ通信部は、双方の演算部から読み書き可能な共有メモリにより構成されている。
【0089】
従って、データ通信部を双方の演算部から読み書きできる共有メモリとすることにより、通信時間はメモリの読み書き時間のみであるため非常に高速であり、かつ、共有メモリ領域を広くすることによって大量のデータの授受が高速で可能となる。
【0090】
また本発明の測定制御ユニットにおいて、前記データ取得用演算部は、データキャッシュ部に測長データを蓄える。
【0091】
従って、データ取得用演算部に所定量の測長データをデータキャッシュ部に蓄えることにより、測長部の測長データを欠落することなく計測できる。
【0092】
また本発明の測定制御ユニットにおいて、前記データ取得用演算部は、所定のサンプリング周期で前記測長部から測長データを取得する。
【0093】
従って、データ取得用演算部が所定のサンプリング周期で測長部の測長データを取得することにより、バンドパスフィルタ等の後処理が容易となる。
【0094】
また本発明の測定制御ユニットにおいて、前記データ取得用演算部は、前記統括制御用演算部により前記データ通信部を介して設定された所定のサンプリング周期で前記測長部から測長データを取得する。
【0095】
従って、測長データのサンプリング周期はデータ通信部を介して統括制御用演算部より設定できる構成としたので、被測定物の形状測定条件に合わせた測長データ量とすることができ、効率の良いデータ処理が可能となる。
【0096】
また本発明の測定制御ユニットにおいて、前記データ通信部が所定のアドレス空間に通信用フラグ領域とデータ領域とを有する共有メモリからなり、この共有メモリの前記通信用フラグ領域の一部が所定のサンプリング周期を設定する領域とされている。
【0097】
従って、共有メモリを利用することにより請求項36記載の測定制御ユニットを容易に実現することができる。
【0098】
また本発明の測定制御ユニットにおいて、前記データ取得用演算部は、所定のサンプリング周期で前記測長部から取得した測長データを一旦蓄えその蓄え順に前記統括制御用演算部側へ出力する先入れ先出し型のデータキャッシュ部を備える。
【0099】
従って、先入れ先出し型のデータキャッシュ部に蓄えられた測長データを、蓄えられた順にデータ通信部を介して統括制御用演算部に伝達するように構成したので、統括制御演算部との間の通信が低速であっても、測長部のデータを保持することができるため、統括用演算部の負荷を増加させることなく、かつ、測長データが欠落することなく時系列で計測することができる。
【0100】
また本発明の測定制御ユニットにおいて、前記データ取得用演算部は、所定のサンプリング周期で前記測長部から取得した測長データに対してフィルタ演算処理を施して出力させるフィルタ演算処理手段を備える。
【0101】
従って、データ取得用演算部において、測長データの取得だけでなく所定のフィルタ演算処理も行うことにより、統括制御演算部のデータ演算処理の負荷を低減でき、若しくは、測長データに含まれるノイズ成分を予め除去することが可能となる。
【0102】
また本発明の測定制御ユニットにおいて、前記データ取得用演算部は、主演算処理において前記データ通信部を介して前記統括制御用演算部側との通信を行い、所定のサンプリング周期による割込み処理において測長部から測長データを取得する。
【0103】
従って、測長データ取得を演算部の割込み処理によって行い、統括制御用演算部との通信を主演算処理によって行うことにより、ソフトウェアタイマによる場合と異なり、測長データが確実に一定間隔のサンプリング周期となる。
【0104】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態を図1ないし図7に基づいて説明する。
本実施の形態の測定装置は、接触式変位計を搭載した形状測定装置への適用例を示す。図1は接触式変位計を搭載した形状測定装置の測定原理を示す概略構成図である。まず、走査駆動部としてのX,Y軸ステージ1上には垂直方向に駆動する変位計駆動部(=変位体駆動部)としてのZ軸ステージ2が搭載されている。Z軸ステージ2上にはマイクロエアスライダ3により支持された触針式プローブ4と荷重調整用ばね5と触針式プローブ4の微小変位を検出する変位計(=変位体)6とが搭載されている。また、各々のステージの変位を検出するためにZ軸ステージ2上には、X軸用レーザ測長器7とY軸用レーザ測長器8とZ軸用レーザ測長器9とが搭載されている。このZ軸用レーザ測長器9が本発明にいう測長部に相当する。10はX軸レーザ測長器7用の基準ミラー、11はY軸レーザ測長器8用の基準ミラー、12はZ軸レーザ測長器9用の基準ミラーである。
【0105】
次に、形状測定装置の動作概要を説明する。X軸,Y軸の位置検出は、図示していないがモータ軸上のロータリエンコーダ若しくはリニアエンコーダによって行い、この位置の値を使用した位置決め制御系によりX軸,Y軸は駆動される。Z軸はリニアエンコーダ13によって位置検出され、この値を使用した位置決め制御系によって駆動される。被測定物取付治具14上に取付けられた被測定物15に接触式プローブ4を接触させ、荷重調整用ばね5の変形量を変位計6によって検出する。Z軸の制御を変位計6の出力を使用した追従制御系に切換えて変位計6の出力が所定の値となるようにする。このZ軸追従制御の状態で、X,Y軸ステージ1をX軸方向若しくはY軸方向に駆動し、被測定物15の表面上に接触式プローブ4を走査させる。このときの軌跡をZ軸ステージ2上のZ軸レーザ測長器9によって検出し、その値を被測定物15の表面形状とすることがこの形状測定装置の原理である。ここでは、Z軸上に触針式変位計6を搭載した例を示したが、後述するような非接触式の変位計を用いる場合も同様な原理である。
【0106】
次に、このような形状測定装置に対する制御演算系及びZ軸レーザ測長器9からの測長データ取得の構成例を図2に示す。まず、制御演算系として、統括制御用演算部としてのパーソナルコンピュータ(以下、適宜PCという)21と、このPC21とは別個のデータ取得用演算部としての測長用DSP(Digital Signal Processor)22とが設けられている。即ち、図19に示した従来例に比して、本実施の形態では、PC100単独によるシステム制御ではなく、Z軸レーザ測長器9から測長データを取得するために専用の測長用DSP22を加えた構成とされている。
【0107】
本実施の形態のPC21も、演算装置であるCPU23、不揮発メモリであるROM24、揮発メモリであるRAM25、各種入出力系I/O26、ハードディスクドライブ(HDD)27、表示器28等により構成されているが、要は、オペレーションシステム(以下、適宜OSという)上のアプリケーションソフトにより当該形状測定装置全体を統括制御するものであればよい。従って、代表例として示すPCの他に、いわゆるワークステーションであってもよく、或いは、シーケンサ自体又はシーケンサ機能を付加した(外付けでもよい)PC等であってもよい。
【0108】
形状測定装置自体に搭載されている走査駆動部用演算部としてのX,Y軸コントローラ29と追従機構部用演算部としてのZ軸コントローラ30とは、PC21上のメモリアドレス若しくはI/Oアドレス上に配置され、PC21上のプログラムによって制御される。X,Y軸ドライバ31はX,Y軸コントローラ29の出力に応じたモータ電流をモータに流し、X,Y軸ステージ1は駆動される。X,Y軸ステージ1の位置はX,Y軸エンコーダ32によって検出され、X,Y軸コントローラ29へフィードバックされることによりX,Y軸ステージ1は位置決め制御される。一方、Z軸ドライバ33はZ軸コントローラ30の出力に応じたモータ電流をモータに流し、Z軸ステージ2は駆動される。Z軸ステージ2の位置は、Z軸エンコーダ34によって検出され、Z軸コントローラ30へフィードバックされることよりZ軸ステージ2は位置決め制御される。このフィードバック制御系35が追従機構部として機能する。X,Y軸コントローラ29やZ軸コントローラ30もハードウェア的にはDSPにより構成されている。
【0109】
また、測長用DSP22の処理は、図示していないが、測長用DSP22に接続される専用I/O(図9参照)によって、レーザ測長器9の設定、測長データの保持(ラッチ)、読込み等の動作をレーザ測長器9と相互通信(ハンドシェーク)を行う。
【0110】
これによって、測長データを取込む形状測定の処理の負荷を分担できる。よって、PC21の負荷を低減し、測長データをサンプリング周期一定で、高速に取込むことが可能となる形状測定装置を提供することができる。
【0111】
ここでは、データ取得用演算部にDSPを用い、DSP22上でソフトウェア的な演算により測長データを取得する構成として説明したが、ハードウェア的なデータ取得用の演算部とすることも可能である。また、統括制御用のPC21とは別のデータ取得用に独立させたPC(マイクロコンピュータ)を使用するようにしてもよい。
【0112】
また、PC21と測長用DSP22との間はデータ通信部36により所定のデータ通信が可能なように接続されている。所定の通信制御の手続きを決めておき、データ通信部36においてこの手続きに基づいた通信をすることによって、PC21と測長用DSP22との間で、測長データの転送や、レーザ測長器9の初期化命令等の各種データ通信が可能となる。
【0113】
これらのPC21、測長用DSP22及びデータ通信部36は形状測定装置と一体的に構成してもよいが、図1に示すような形状測定装置自体とは別個の測定制御ユニットとして構成し、既存の形状測定装置と組合わせてその制御等に用いるようにしてもよい。
【0114】
このデータ通信部36としては、例えば、図3、図4又は図5に示すような構成例を採ることができる。
【0115】
図3に示す例は、パラレル通信方式とした構成例を示す。データ通信部36としてPC21にはI/Oポート37が接続され、測長用DSP22にも専用のI/Oポート38が接続されている。PC21側のI/Oポート37のINポートと測長用DSP22側のI/Oポート38のOUTポート、PC21側のI/Oポート37のOUTポートと測長用DSP22側のI/Oポート38のINポートは、1対1の関係で接続されている。ポート数はデータのbit数に合わせて用意する必要がある。仮に、一度に8bitのデータを送る必要があるならば、8bit以上のポートが必要となる。所定の通信制御の手続きに基づき、I/Oポート37,38の各bitを書換えたり、読込んだりすることによって、通信を行う。
【0116】
このようにデータ通信部36をパラレル通信とすることによって、一般的なI/Oポート37,38を使用することができ、安価で高速なデータ通信部36を備えた形状測定装置となる。
【0117】
図4に示す例は、シリアル通信方式とした構成例を示す。データ通信部36としてPC21にはシリアルポート39が接続され、測長用DSP22にも専用シリアルポート40が接続されている。互いのシリアルポート39,40は結線されている。シリアルポート39,40では、所定の通信制御の手続きに基づいて、所定のデータ転送速度でシリアルにデータは授受される。データ通信は、同期させる必要がある。
【0118】
図3に示したようなパラレル通信の場合、必要bit数だけポートを用意する必要があるが、シリアル通信では、2本の線で可能であるので配線が簡素化でき、ノイズに強い差動信号を使用することによって通信距離の延長も可能となるメリットがある。
【0119】
図5に示す例は、データ通信部36を共有メモリ41により構成した構成例を示す。即ち、データ通信部36としてPC21からも測長用DSP22からも読み書き可能な共有メモリ41を使用するようにしたものである。使用する測長用DSP22を32bit型とし、共有メモリ41は1word=4byte=32bitとして説明する。例えば、図5の場合、2Kword(8Kbyte)の共有メモリ41は、PC36のメモリアドレスE0000h〜E1FFFhの空間に割当てられ、測長用DSP22のメモリアドレス200000h〜2007FFhの空間に割当てられる。共有メモリ41の所定のメモリアドレスを通信用に使用し、所定の通信制御の手続きに基づいて、データの授受を行う。
【0120】
共有メモリ41を使用する場合、PC21からの読み書きも、測長用DSP22からの読み書きも一般のメモリに対して行うのと同様であることから、数クロックで行うことができるため、データ通信の高速化が図れる。また、共有メモリ41において測長データ通信領域を広く取ることによって大量データの授受の高速化が可能となる。
【0121】
ところで、本実施の形態の場合、測長用DSP22は図6に示すタイムチャートのように、データ取得間隔(サンプリング周期)が一定時間tsampとなるようにt0=t1=tsampで測長データをレーザ測長器9より取得するものである。データ取得のロジックは一定であるためデータ取得にかかる時間は既知である。そこで、図7に示すフローチャートのように、一定時間待つようなソフトウェアタイマを作成し、一定周期で測長データを取得する。即ち、測長データを取得し(ステップS1)、その後、PC21側と通信を行い(S2)、データを送信する。その後、所定時間分待機し(S3)、ステップS1に戻り、測長データを取得していく。PC21上でソフトウェアタイマを使用する場合と違い、測長用DSP22はデータ取得以外の処理をしないため、サンプリング周期が変化し、データの欠落が発生することはない。このように、測長用DSP22が、所定のサンプリング周期でレーザ測長器9のデータを取得することにより、バンドパスフィルタ等の後処理が容易となる。
【0122】
また、本実施の形態の測長用DSP22は、レーザ測長器9から取得した測長データに対して所定のフィルタ演算処理を行うフィルタ演算処理手段の機能を有している。ここでは、データ取得用演算部にDSP22を用いているため、ソフトウェア的なフィルタ処理とする。例えば、10回分の測長データを使用し、(1)式に示すような10回の平均化を行い、その結果をデータ通信部36を通して、PC21側へ送出する。
【0123】
【数1】
【0124】
また、測長データの高域ノイズ除去のために(2)式のようなカットオフ周波数ω(rad/s)の1次のローパスフィルタとする場合、(3)式の離散化状態空間方程式と(4)式の出力方程式に基づいた演算をすることによって可能となる。ここで、(32)(4)式のxは状態変数、A,B,C,Dはカットオフ周波数と測長データのサンプリング周期とによって決定される定数である。(3)(4)式のuは入力、ここでは取得された測長データとなり、yは出力、ここではフィルタリング後の測長データとなる。nはサンプリング数を表す。
【0125】
【数2】
【0126】
このように、データ取得用演算部である測長用DSP22においてフィルタ演算処理をすることによって、統括制御用演算部であるPC21の演算処理の負荷をより一層低減させることができる。
【0127】
本発明の第二の実施の形態を図8に基づいて説明する。第一の実施の形態で示した部分と同一部分は同一符号を用いて示し、説明も省略する(以降の実施の形態でも同様とする)。
【0128】
本実施の形態では、測長用DSP22と、追従機構部用演算部であるZ軸コントローラ30又は走査駆動部用演算部であるX,Y軸コントローラ29との間に所定のデータ通信を行うデータ通信部42を付加したものである。所定の通信制御の手続きを決めておき、データ通信部42においてこの手続きに基づいた通信をすることによって、統括制御用演算部であるPC21を介することなく測長用DSP22と、Z軸コントローラ30又はX,Y軸コントローラ29との間で直接的に通信できる。
【0129】
PC21を介した通信を行う場合、PC21と測長用DSP22との間の通信による遅れ、PC21とZ軸コントローラ30又はX,Y軸コントローラ29との間の通信による遅れが発生してしまうが、本実施の形態によれば、Z軸コントローラ30若しくはX,Y軸コントローラ29において、測長用DSP22のデータを使用した時間遅れのないもしくは時間遅れの少ない制御演算が可能となる。また、図8では追従制御用のセンサとして変位計6が用いられているが、変位計6の代わりにレーザ測長器9を使用することも可能となる。
【0130】
なお、このデータ通信部42に関してもデータ通信部36の場合と同様な構成例(図3ないし図5参照)を採ることができる。また、このようなデータ通信部42を備える構成にあっても、第一の実施の形態で説明したようなデータ取得等に関する処理・制御は同様に適用できる。また、測定制御ユニットとして構成する場合には、このデータ通信部42を含めて構成すればよい。
【0131】
本発明の第三の実施の形態を図9に基づいて説明する。本実施の形態は、データ取得用演算部に一時的に測長データを蓄えるデータキャッシュ部としてのキャッシュRAM43を備えたものである。測長用DSP22のバス44上には、ROM45、RAM46とともに、レーザ測長器9との間でデータ取得やその他の通信を行うI/O47が接続されている。そして、このバス44上にI/O47を介して取得した測長データを一時的に蓄えておくキャッシュRAM43が接続されている。データ通信部36もこのバス44上に接続されている。
【0132】
本実施の形態のデータ取得用演算部の構成によれば、統括制御用演算部であるPC21と測長用DSP22との間のデータ授受に何らかの遅れが発生した場合においても、取得した測長データはキャッシュRAM43に一時保存されるため、測長データの欠落なく取得することができる。また、データ通信部36に図5で説明したような共有メモリ41を使用する場合、PC21・測長用DSP22間の測長データの受け渡しを高速に行えるため、測長用DSP22による測長データのサンプリング周期よりもPC21側のデータ取得サンプリング周期を十分に遅くし、PC21の1回のサンプリングで所定サンプリング分の測長データを取得する方法を採ることができる。この場合、測長用DSP22が取得した所定サンプリング分の測長データの一時保存場所としてキャッシュRAM43を利用することができる。
【0133】
本発明の第四の実施の形態を図10に基づいて説明する。本実施の形態は、測長用DSP22における所定のサンプリング周期をデータ通信部36を介してPC21により設定するようにしたものである。ここでは、データ通信部36として共有メモリ41を用いた場合の適用例として説明する。
【0134】
データ通信部36としての共有メモリ41は図5に示したように、PC21及び測長用DSP22のメモリ上に配置されている。図10では測長用DSP22上のメモリアドレスのみを考えて説明する。共有メモリ41の所定のアドレス空間に通信用のフラグ領域とデータ領域とを予め設定しておく。アドレス200000h〜2001FFhの通信フラグ領域では、PC21からの命令や測長用DSP22及びレーザ測長器9の状態を示す32bitの通信フラグFLAG0, FLAG1, FLAG2, …を設定する。アドレス200200h〜2007FFhのデータ領域では、測長用DSP21がレーザ測長器9から取得した測長データが格納され、PC21に渡される。
【0135】
本実施の形態では、通信フラグ領域中の通信フラグFLAG2がサンプリング周期を設定する領域とされている。PC21は測長データのサンプリング周期を1msと設定したい場合、この通信フラグFLAG2の領域に1000と書込む。測長用DSP22はこの通信フラグFLAG2の領域を読込むと、1000であるので、1msのサンプリング周期と認識しこの1msのサンプリング周期で測長データを読込むように設定を行う。測長データのサンプリング周期の設定方法は、ソフトウェア的なソフトウェアタイマでも、ハードウェア的な割込み処理でも良い。これによって、測長データのサンプリング周期の設定がPC21によって可能となる。
【0136】
このように、本実施の形態によれば、測長データのサンプリング周期はデータ通信部36を介してPC21により設定できるので、被測定物15の形状測定条件に合わせた測長データ量とすることができ、効率の良いデータ処理が可能となる。
【0137】
本発明の第五の実施の形態を図11に基づいて説明する。本実施の形態は、キャッシュRAM43としてFIFOメモリ(先入れ先出しメモリ)を用い、所定サンプリング周期で取得された測長データを、一旦、キャッシュRAM43に順次蓄え、蓄えられた順に、データ通信部36を介して、PC21側へ送出させるように構成したものである。
【0138】
所定のサンプリング周期で測長用DSP22によって読込まれた測長データは、一旦、キャッシュRAM43に蓄えられる。図11(a)は、測長データとなるサンプリングデータDATA0, DATA1, DATA2がキャッシュRAM43に順に蓄えられていく様子を模式的に示している。次に、レーザ測長器9から読込んだ順で所定のサンプリング回数分の測長データがデータ通信部36へ送られていく。図11(b)は、2回分のサンプリングデータDATA0, DATA1がデータ通信部36へ送られている様子を示している。また、最新の測長データは、順々にキャッシュRAM43に蓄えられていく。測長サンプリングのnサンプリング後の状態を模式的に示す図11(b)のキャッシュRAM43では、測長データとなるサンプリングデータDATA0, DATA1がデータ通信部36へ送られたため、最古のデータはDATA2となり、最新データはDATA(n+2)となる。データ通信部36に送られた測長データは所定のサンプリング周期で、PC21によって読出される。PC21が読出したことを確認し、測長用DSP22は最古のデータから、上記の動作に基づいて測長データをデータ通信部36へ送っていく。
【0139】
このように、本実施の形態によれば、キャッシュRAM43としてFIFOメモリを使用し、PC21へ測長データを送るように構成することによって、PC21の測長データ読込みサンプリングが低速であっても、測長データを保持することができるため、PC21の負荷を増加させず、かつ、測長データを欠落させることなく時系列で被測定物15の形状データを取得することができる。
【0140】
本発明の第六の実施の形態を図12に基づいて説明する。本実施の形態は、測長用DSP22のデータ取得のサンプリング周期を測長用DSP22自身のハードウェアで持っているタイマ割込み若しくは外部クロックを利用したトリガによる割込み処理によって構築するようにしたものである。即ち、一般的なDSPやCPUには内部タイマ割込みや外部に割込み端子があるので、これを利用して、所定のサンプリング周期で割込み処理を行わせるようにしたものである。
【0141】
タイマ割込みを用いる方法について図12を参照して説明する。タイマ割込みをtsampに設定しておく。測長用DSP22内のカウンタはメインルーチン(主演算処理)実行中においてクロックをカウントし、カウンタの値がtsampとなったところで、割込みが発生し、割込みルーチンが実行され、処理が終了するとメインルーチンへ戻る。割込みが発生するまでは測長用DSP22のメインルーチンが実行される。本実施の形態のメインルーチンではPC21との間でデータ通信部36を介して測長データや各種フラグの授受の処理を行う。割込みルーチンでは、レーザ測長器9より測長データを取得する処理が行われる。割込みはtsamp毎に発生することになるため、ソフトウェアタイマによる場合と異なり、取得された測長データは確実に所定の間隔tsampのサンプリング周期となる。
【0142】
本発明の第七の実施の形態を図13に基づいて説明する。本実施の形態は、追従機構部用演算部であるZ軸コントローラ30とデータ取得用演算部である測長用DSP22との間で通信を行うデータ通信部42を共有メモリ48により構成し、Z軸コントローラ30が測長用DSPとの通信において、測長用DSP22からの所定の信号により、所定の異常回避動作を行うようにしたものである。
【0143】
このデータ通信部42としての共有メモリ48はZ軸コントローラ30及び測長用DSP22のメモリ上に配置されている。図13では測長用DSP22上のメモリアドレスのみを考えて説明する。共有メモリ48の所定のアドレス空間に通信用のフラグ領域とデータ領域を予め設定しておく。アドレス200800h〜2009FFhの通信フラグ領域では、Z軸コントローラ30からの命令や測長用DSP22及びレーザ測長器9の状態を示す32bitの通信フラグFLAG0, FLAG1, FLAG2, …を設定する。アドレス200A00h〜200FFFhのデータ領域では、測長用DSP22がレーザ測長器9から取得した測長データが格納され、Z軸コントローラ30に渡される。
【0144】
本実施の形態では、通信フラグ領域中の通信フラグFLAG1がレーザ測長器異常を示すものとして割当てられているものとする。レーザ測長器9は、空気の揺らぎや、移動速度などによってエラーを発生することがある。また、ハードウェア的な異常が発生する可能性がある。Z軸コントローラ30が測長データを使用して追従制御を行っていた場合、前記各種エラーによって位置情報が途切れると、Z軸ステージ2が衝突し装置が破損する可能性がある。そこで、Z軸コントローラ30は通信フラグFLAG1を常時読込むことによって、測長データの異常を検知することができる。Z軸コントローラ30が異常を検知すると、エンコーダ13を使用した位置決め制御モードに制御モードを切換えたり、非常停止をすることによって、ステージの衝突を回避することができる。
【0145】
本実施の形態によれば、PC21を介することなくZ軸コントローラ30・測長用DSP22間で直接的にエラー信号を授受できるため、サンプリングによる測長用DSP22とPC21との間の遅れ、PC21とZ軸コントローラ30との間の遅れが発生しない、若しくは、最小であるため、PC21を介した制御構成よりも安全となる。
【0146】
なお、本実施の形態では、Z軸コントローラ30・測長用DSP22間についての適用例で説明したが、Z,Y軸コントローラ29・測長用DSP22間についても同様に適用することにより、X,Y軸における異常回避動作を適切に行わせることが可能となる。
【0147】
なお、前述した各実施の形態は、図1に示したような接触式変位計6を搭載した形状測定装置への適用例として説明したが、接触式に限らず、非接触式変位計を搭載した形状測定装置にも同様に適用できる。図14はその一例として、光ピックアップにおけるフォーカス誤差信号検出法として周知な非点収差法による光プローブ構造の非接触の光学式変位計51を用いる場合の原理を示すものである。
【0148】
図14及び図15に基づいて非点収差法を使用した光プローブ構造の光学式変位計51について説明する。半導体レーザ52から射出された光は、偏光ビームスプリッタ53により反射された後、対物レンズ54で被測定物15の表面上に集光され、その反射光は再び対物レンズ54を通り、更に偏光ビームスプリッタ53、円柱レンズ55を経て4分割フォトダイオード56に入射して受光される。
【0149】
図15に受光面に分割受光領域a,b,c,dを有する4分割フォトダイオード56とその受光面上に形成されるビームスポット形状を示す。被測定物15の表面が対物レンズ54の焦点位置にあるとき、図15(b)に示すように4分割フォトダイオード36上に円形のビームスポットを結ぶように調整すると、被測定物15の表面が遠いときは図15(c)に示すように横長の楕円ビームスポットになり、被測定物15の表面が近いときは図15(a)に示すように縦長の楕円ビームスポットとなる。従って、4分割フォトダイオード56の分割受光領域a,b,c,dの出力を各々a,b,c,dとすると、(5)式よりフォーカス誤差信号Sが算出できる。
【0150】
S={(a+c)−(b+d)}/(a+b+c+d)……(5)
この(5)式より計算されるフォーカス誤差信号Sは図16に示すように、被測定物15の表面が近いときは正となり、合焦点位置では零、遠いときは負となる。なお、(5)式において総受光量で除算しているのは、被測定物15の表面の反射率の影響を受けないように無次元化しているためである。
【0151】
非接触式としては、このような光学式に限らず、例えば、静電容量式変位計を用いてもよい。非接触光学式変位計は、静電容量変位計と比較すると測定範囲を広くとることができる反面、測定するターゲットとして光を反射する鏡面とする必要がある。一方、静電容量式変位計の場合には、被測定物15の表面部分は導電性材料とする必要があるものの、小型化が可能である。
【0152】
本発明の第八の実施の形態を図17に基づいて説明する。前述した各実施の形態は、形状測定装置への適用例として説明したが、本実施の形態は、常時ステージ位置を検出する必要のある精密位置決めステージ用のキャリッジ位置を測定するための測定装置の適用例を示す。
【0153】
図17は精密位置決めステージを示すブロック図的な構成図である。まず、リニアステージ61上のキャリッジ(=変位体)62はサーボモータ(=キャリッジ駆動部)63によって駆動される。キャリッジ63上には被測定面であるミラー64等の反射面があり、レーザ測長器65からのレーザを反射させることによって、レーザ測長ユニット(=測長部)66においてキャリッジ62の変位を高精度で測定するというものである。
【0154】
本実施の形態においても、前述した実施の形態の場合と同様に、制御演算系として、統括制御用演算部としてのパーソナルコンピュータPC67と、このPC67とは別個のデータ取得用演算部としての測長用DSP68とが設けられている。これらのPC67や測長用DSP68は、前述のPC21や測長用DSP22と同様に構成されており、その説明を省略する。
【0155】
測長用DSP68はレーザ測長ユニット66から所定のサンプリング周期で測長データを取得する。測長用DSP68で取得した測長データはPC67に対してデータ通信部69を介して引き渡される。加えて、測長データは制御用DSP70へも引き渡され、所定の補償器の演算を行い、サーボモータ63をフィードバック駆動させることによってキャリッジ62の高精度な位置決めを可能にする。PC67は高精度位置決めされるキャリッジ62の軌跡をミラー64等の反射面を介して所定のサンプリング周期の時系列データとして取得することができる。
【0156】
本発明の第九の実施の形態を図18に基づいて説明する。本実施の形態は、図17で説明したような精密位置決めステージを走査光学系ビーム測定装置に応用したものである。走査光学系ビーム測定装置とは、レーザプリンタやデジタル複写機の光書込み系により照射されるレーザビームが感光体上でどのようになっているかを測定する装置である。ステージの基本的な動作は精密位置決めステージと同様であるので、異なる部分のみ説明する。
【0157】
レーザダイオード71から出射されたレーザビームは、モータに取り付けられたポリゴンミラー72によって偏向走査される。偏向走査されたレーザビームはfθレンズ73等の光学系によって所定のビーム径に絞られて、感光体表面に照射される。感光体表面のビーム径や強度によって、感光体表面の帯電状態が変化し、トナーを使用することによって、静電画像を現像する。この感光体に代えて、CCDカメラ等の受光素子74を使用して、感光体表面相当位置のビーム径や強度を測定するのが、走査光学系ビーム測定装置である。走査光学系ビーム測定装置のリニアステージ75のキャリッジ76上にはCCDカメラ等の受光素子74が搭載されている。受光素子74の受光面は、感光体表面相当の位置に配置されている。
【0158】
キャリッジ76を所定速度で走査させながら感光体全域のレーザビームを測定していくとき、感光体表面の位置と測定されたレーザビームとを同時に測定する必要がある。そのため、ステージ制御系と測定系を図17に示した場合と同じように構成することによって、PC67が感光体表面の位置と測定されたレーザビームとを同時に取得することができる。また、受光素子74で取込んだ画像をPC67で処理する場合、負荷が大きくなる。測長器データを取得する処理をPC67から切り離し専用の測長用DSP69を利用することによって、PC67の演算負荷を低減させることができる。
【0159】
【発明の効果】
本発明の測定装置によれば、従来では1つの演算部でソフトウェア的な手法により測長部から測長データを取得していたのに対し、統括制御用演算部に加え、データ取得用演算部を備えることによって、統括制御用演算部の負荷を低減させつつ、測長データをサンプリング周期一定で、高速に取込むことができる。また、データ通信部を備えるので、統括制御用演算部とデータ取得用演算部との間で、各種のデータ通信をすることができる。
【0160】
また本発明の測定装置によれば、従来では1つの演算部でソフトウェア的な手法により測長部から測長データを取得していたのに対し、統括制御用演算部に加え、データ取得用演算部を備えることによって、統括制御用演算部の負荷を低減させつつ、測長データをサンプリング周期一定で、高速に取込むことができる。また、データ通信部を備えるので、統括制御用演算部とデータ取得用演算部との間で、各種のデータ通信をすることができる。
【0161】
また本発明の形状の測定装置によれば、従来では1つの演算部でソフトウェア的な手法により測長部から測長データを取得していたのに対し、統括制御用演算部に加え、データ取得用演算部を備えることによって、統括制御用演算部の負荷を低減させつつ、測長データをサンプリング周期一定で、高速に取込むことができる。また、データ通信部を備えるので、統括制御用演算部とデータ取得用演算部との間で、各種のデータ通信をすることができる。
【0162】
また本発明によれば、測定装置において、接触式変位計を用いた形状測定装置に好適に適用することができる。
【0163】
また本発明によれば、測定装置において、非接触式変位計を用いた形状測定装置に好適に適用することができる。
【0164】
また本発明によれば、測定装置において、形状測定装置自身側の各演算部とデータ取得用演算部との間にデータ通信部を備えるので、統括制御用演算部を介することなく通信でき、データ取得用演算部のデータを使用した時間遅れのない若しくは時間遅れの少ない制御演算ができる。
【0165】
また本発明によれば、測定装置において、データ通信部をパラレル通信方式としたので、一般的なI/Oポートを使用でき、安価で高速なデータ通信部を提供できる。
【0166】
また本発明によれば、測定装置において、データ通信部をシリアル通信方式としたので、パラレル通信方式では通信のbit数以上必要となるポートやケーブルが、数本で可能となるためデータ通信部の構成を簡素化できる上に、ノイズに強い差動信号を利用することによって、通信距離の延長もできる。
【0167】
また本発明によれば、測定装置において、データ通信部を双方の演算部から読み書きできる共有メモリとしたので、通信時間はメモリの読み書き時間のみであるため非常に高速であり、かつ、共有メモリ領域を広くすることによって大量のデータの授受を高速で行わせることができる。
【0168】
また本発明によれば、測定装置において、データ取得用演算部に所定量の測長データをデータキャッシュ部に蓄えるので、測長部の測長データを欠落することなく計測することができる。
【0169】
また本発明によれば、測定装置において、データ取得用演算部が所定のサンプリング周期で測長部の測長データを取得するようにしたので、バンドパスフィルタ等の後処理を容易にすることができる。
【0170】
また本発明によれば、測定装置において、測長データのサンプリング周期はデータ通信部を介して統括制御用演算部より設定できる構成としたので、被測定物の形状測定条件に合わせた測長データ量とすることができ、効率の良いデータ処理ができる
【0171】
また本発明によれば、共有メモリを利用することにより、上記の測定装置を容易に実現することができる。
【0172】
また本発明によれば、測定装置において、先入れ先出し型のデータキャッシュ部に蓄えられた測長データを、蓄えられた順にデータ通信部を介して統括制御用演算部に伝達するように構成したので、統括制御演算部との間の通信が低速であっても、測長部のデータを保持することができるため、統括用演算部の負荷を増加させることなく、かつ、測長データが欠落することなく時系列で計測することができる。
【0173】
また本発明によれば、測定装置において、データ取得用演算部において、測長データの取得だけでなく所定のフィルタ演算処理も行うようにしたので、統括制御演算部のデータ演算処理の負荷を低減でき、若しくは、測長データに含まれるノイズ成分を予め除去することができる。
【0174】
また本発明によれば、測定装置において、測長データ取得を演算部の割込み処理によって行い、統括制御用演算部との通信を主演算処理によって行うようにしたので、ソフトウェアタイマによる場合と異なり、測長データ取得に関して確実に一定間隔のサンプリング周期にすることができる。
【0175】
また本発明によれば、測定装置において、追従機構部用演算部若しくは走査駆動部用演算部が、データ取得用演算部の所定の信号によって所定の異常回避動作を行うようにしたので、統括制御用演算部を介さないため、時間的遅れが最小で安全な異常回避を可能にすることができる。
【0176】
また本発明によれば、共有メモリを利用することにより上記の測定装置を容易に実現することができる。
【0177】
また本発明の測定方法によれば、従来では1つの演算部でソフトウェア的な手法により測長部から測長データを取得していたのに対し、統括制御用演算部に加え、データ取得用演算部を備えるので、統括制御用演算部の負荷を低減させつつ、測長データをサンプリング周期一定で、高速に取込むことができる。
【0178】
また本発明によれば、測定方法において、データ取得用演算部が所定のサンプリング周期で測長部の測長データを取得することにより、バンドパスフィルタ等の後処理を容易にすることができる。
【0179】
また本発明によれば、測定方法において、測長データのサンプリング周期はデータ通信部を介して統括制御用演算部により設定するようにしたので、被測定物の形状測定条件に合わせた測長データ量とすることができ、効率の良いデータ処理ができる。
【0180】
また本発明によれば、測定方法において、先入れ先出し型のデータキャッシュ部に蓄えられた測長データを、蓄えられた順にデータ通信部を介して統括制御用演算部に伝達させるようにしたので、統括制御演算部との間の通信が低速であっても、測長部のデータを保持することができるため、統括用演算部の負荷を増加させることなく、かつ、測長データが欠落することなく時系列で計測することができる。
【0181】
また本発明によれば、測定方法において、データ取得用演算部において、測長データの取得だけでなく所定のフィルタ演算処理も行わせることにより、統括制御演算部のデータ演算処理の負荷を低減でき、若しくは、測長データに含まれるノイズ成分を予め除去することができる
【0182】
また本発明によれば、測定方法において、測長データ取得を演算部の割込み処理によって行わせるようにしたので、ソフトウェアタイマによる場合と異なり、測長データ取得に関して確実に一定間隔のサンプリング周期にすることができる。
【0183】
また本発明の測定装置の動作制御方法によれば、形状測定装置自身側の各演算部とデータ取得用演算部との間をデータ通信部で結び、データ取得用演算部が測長部から取得した測長データに基づき追従機構部用演算部又は走査駆動部用演算部を動作制御させるようにしたので、統括制御用演算部を介することなく通信して制御させることができ、データ取得用演算部の測長データを使用した時間遅れのない若しくは時間遅れの少ない制御演算ができる。
【0184】
また本発明によれば、測定装置の動作制御方法において、追従機構部用演算部若しくは走査駆動部用演算部が、データ取得用演算部の所定の信号によって所定の異常回避動作を行わせるようにしたので、統括制御用演算部を介さないため、時間的遅れが最小で安全な異常回避を可能にすることができる。
【0185】
また本発明の測定装置に用いられる測定制御ユニットによれば、従来では1つの演算部でソフトウェア的な手法により測長部から測長データを取得していたのに対し、統括制御用演算部に加え、データ取得用演算部を備えることによって、統括制御用演算部の負荷を低減させつつ、測長データをサンプリング周期一定で、高速に取込むことができる。また、データ通信部を備えるので、統括制御用演算部とデータ取得用演算部との間で、各種のデータ通信をすることができる。
【0186】
また本発明のキャリッジ位置の測定装置に用いられる測定制御ユニットによれば、従来では1つの演算部でソフトウェア的な手法により測長部から測長データを取得していたのに対し、統括制御用演算部に加え、データ取得用演算部を備えることによって、統括制御用演算部の負荷を低減させつつ、測長データをサンプリング周期一定で、高速に取込むことができる。また、データ通信部を備えるので、統括制御用演算部とデータ取得用演算部との間で、各種のデータ通信をすることができる。
【0187】
また本発明の形状の測定装置に用いられる測定制御ユニットによれば、従来では1つの演算部でソフトウェア的な手法により測長部から測長データを取得していたのに対し、統括制御用演算部に加え、データ取得用演算部を備えることによって、統括制御用演算部の負荷を低減させつつ、測長データをサンプリング周期一定で、高速に取込むことができる。また、データ通信部を備えるので、統括制御用演算部とデータ取得用演算部との間で、各種のデータ通信をすることができる。
【0188】
また本発明によれば、測定制御ユニットにおいて、形状測定装置自身側の各演算部とデータ取得用演算部との間にデータ通信部を備えるので、統括制御用演算部を介することなく通信でき、データ取得用演算部のデータを使用した時間遅れのない若しくは時間遅れの少ない制御演算ができる。
【0189】
また本発明によれば、測定制御ユニットにおいて、データ通信部をパラレル通信方式としたので、一般的なI/Oポートを使用でき、安価で高速なデータ通信部とすることができる。
【0190】
また本発明によれば、測定制御ユニットにおいて、データ通信部をシリアル通信方式としたので、パラレル通信方式では通信のbit数以上必要となるポートやケーブルが、数本で可能となるためデータ通信部の構成を簡素化できる上に、ノイズに強い差動信号を利用することによって、通信距離の延長もできる。
【0191】
また本発明によれば、測定制御ユニットにおいて、データ通信部を双方の演算部から読み書きできる共有メモリとしたので、通信時間はメモリの読み書き時間のみであるため非常に高速であり、かつ、共有メモリ領域を広くすることによって大量のデータの授受を高速で行わせることができる。
【0192】
また本発明によれば、測定制御ユニットにおいて、データ取得用演算部に所定量の測長データをデータキャッシュ部に蓄えるので、測長部の測長データを欠落することなく計測させることができる。
【0193】
また本発明によれば、測定制御ユニットにおいて、データ取得用演算部が所定のサンプリング周期で測長部の測長データを取得するようにしたので、バンドパスフィルタ等の後処理を容易にさせることができる。
【0194】
また本発明によれば、測定制御ユニットにおいて、測長データのサンプリング周期はデータ通信部を介して統括制御用演算部より設定できる構成としたので、被測定物の形状測定条件に合わせた測長データ量とすることができ、効率の良いデータ処理を可能にすることができる。
【0195】
また本発明によれば、共有メモリを利用することにより上記の測定制御ユニットを容易に実現することができる。
【0196】
また本発明によれば、測定制御ユニットにおいて、先入れ先出し型のデータキャッシュ部に蓄えられた測長データを、蓄えられた順にデータ通信部を介して統括制御用演算部に伝達するように構成したので、統括制御演算部との間の通信が低速であっても、測長部のデータを保持することができるため、統括用演算部の負荷を増加させることなく、かつ、測長データが欠落することなく時系列で計測することができる。
【0197】
また本発明によれば、測定制御ユニットにおいて、データ取得用演算部で測長データの取得だけでなく所定のフィルタ演算処理も行わせるようにしたので、統括制御演算部のデータ演算処理の負荷を低減でき、若しくは、測長データに含まれるノイズ成分を予め除去することができる。
【0198】
また本発明によれば、測定制御ユニットにおいて、測長データ取得を演算部の割込み処理によって行い、統括制御用演算部との通信を主演算処理によって行わせるようにしたので、ソフトウェアタイマによる場合と異なり、測長データ取得に関して確実に一定間隔のサンプリング周期とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態の接触式変位計を搭載した形状測定装置の測定原理を示す概略構成図である。
【図2】全体構成を示すブロック図である。
【図3】データ通信部の構成例を示すブロック図である。
【図4】データ通信部の他の構成例を示すブロック図である。
【図5】データ通信部のさらに他の構成例を示すブロック図である。
【図6】サンプリング処理を示すタイムチャートである。
【図7】その処理制御を示す概略フローチャートである。
【図8】本発明の第二の実施の形態の形状測定装置の全体構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第三の実施の形態のデータ取得用演算部の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第四の実施の形態の共有メモリの構成を示す説明図である。
【図11】本発明の第五の実施の形態のデータ処理例を模式的に示す説明図である。
【図12】本発明の第六の実施の形態の割込み処理を示すタイムチャートである。
【図13】本発明の第七の実施の形態の共有メモリの構成を示す説明図である。
【図14】形状測定装置の変形例として非接触式変位計の原理的構成例を示す概略構成図である。
【図15】その測定原理を説明するための受光素子の説明図である。
【図16】得られる信号の波形図である。
【図17】本発明の第八の実施の形態の精密位置決めステージを示すブロック図的な構成図である。
【図18】走査光学系ビーム測定装置への適用例を示す概略平面図である。
【図19】従来の全体構成を示すブロック図である。
【図20】そのサンプリング処理を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 走査駆動部
2 変位計駆動部、変位体駆動部
6 変位計、変位体
9 測長部
21 統括制御用演算部
22 データ取得用演算部
29 走査駆動部用演算部
30 追従機構部用演算部
35 追従機構部
36 データ通信部
37,38 I/Oポート
39,40 シリアルポート
41 共有メモリ
42 データ通信部
43 データキャッシュ部
48 共有メモリ
51 変位計
61 キャリッジ、変位体
63 キャリッジ駆動部、変位体駆動部
64 被測定面
66 測長部
67 統括制御用演算部
68 データ取得用演算部
Claims (17)
- 変位計を搭載した変位計駆動部と、前記変位計の出力が一定となるように被測定面の表面形状に追従させる前記変位計駆動部を制御する追従機構部と、前記変位計駆動部を前記被測定面の面内方向に走査させる走査駆動部と、前記被測定面の表面形状に追従させたときの前記変位計駆動部の軌跡を測定する測長部とを備え、前記測長部により測定された前記軌跡を前記被測定面の表面形状とする形状の測定装置であって、
当該測定装置全体をアプリケーションソフトにより統括制御する統括制御用演算部と、
この統括制御用演算部とは別個に設けられて前記測長部により測定された測長データを前記測長部との間の通信により取得するデータ取得用演算部と、
前記統括制御用演算部と前記データ取得用演算部との間のデータ通信を行う第一のデータ通信部と、
前記追従機構部に対する追従機構部用演算部と前記走査駆動部に対する走査駆動部用演算部の少なくとも一方と前記データ取得用演算部との間のデータ通信を行う第二のデータ通信部とを備え、
前記第二のデータ通信部により、前記データ取得用演算部と、前記追従機構部に対する追従機構部用演算部と前記走査駆動部に対する走査駆動部用演算部の少なくとも一方とが、前記統括制御用演算部を介することなく直接的にデータ通信を行う測定装置。 - 前記データ取得用演算部は、前記統括制御用演算部により前記第一のデータ通信部を介して設定された所定のサンプリング周期で前記測長部から測長データを取得する請求項1記載の測定装置。
- 前記第一のデータ通信部が所定のアドレス空間に通信用フラグ領域とデータ領域とを有する共有メモリからなり、この共有メモリの前記通信用フラグ領域の一部が所定のサンプリング周期を設定する領域とされている請求項1又は2記載の測定装置。
- 前記データ取得用演算部は、
所定のサンプリング周期で前記測長部から取得した測長データを一旦蓄えその蓄え順に前記統括制御用演算部側へ出力する先入れ先出し型のデータキャッシュ部を備える請求項1ないし3の何れか一項記載の測定装置。 - 前記データ取得用演算部は、
所定のサンプリング周期で前記測長部から取得した測長データに対してフィルタ演算処理を施して出力させるフィルタ演算処理手段を備える請求項1ないし4何れか一記載の測定装置。 - 前記データ取得用演算部は、
主演算処理において前記第一のデータ通信部を介して前記統括制御用演算部側との通信を行い、所定のサンプリング周期による割込み処理において測長部から測長データを取得する請求項1ないし5の何れか一記載の測定装置。 - 前記追従機構部に対する追従機構部用演算部又は前記走査駆動部に対する走査駆動部用演算部は、
前記第二のデータ通信部を介した前記データ取得用演算部との通信において、前記データ取得用演算部からの所定の信号に基づき異常を検知する異常検知手段を備え、この異常検知手段により異常が検知された場合に異常回避動作を行わせる異常回避手段と、を備える請求項1ないし6の何れか一記載の測定装置。 - 前記第二のデータ通信部が所定のアドレス空間に通信用フラグ領域とデータ領域とを有する共有メモリからなり、この共有メモリの前記通信用フラグ領域の一部が測長部異常を示す領域とされている請求項7記載の測定装置。
- 変位計を搭載した変位計駆動部と、前記変位計の出力が一定となるように被測定面の表面形状に追従させる前記変位計駆動部を制御する追従機構部と、前記変位計駆動部を前記被測定面の面内方向に走査させる走査駆動部と、前記被測定面の表面形状に追従させたときの前記変位計駆動部の軌跡を測定する測長部とを備え、前記測長部により測定された前記軌跡を前記被測定面の表面形状とする形状の測定装置であって、当該測定装置全体をアプリケーションソフトにより統括制御する統括制御用演算部と、この統括制御用演算部とは別個に設けられて前記測長部により測定された測長データを前記測長部との間の通信により取得するデータ取得用演算部と、前記統括制御用演算部と前記データ取得用演算部との間のデータ通信を行う第一のデータ通信部と、を備える測定装置に対する動作制御方法であって、
前記追従機構部に対する追従機構部用演算部と前記走査駆動部に対する走査駆動部用演算部の少なくとも一方と前記データ取得用演算部との間を第二のデータ通信部で結び、
前記第二のデータ通信部により、前記データ取得用演算部が前記統括制御用演算部を介することなく直接的に前記測長部から取得した測長データに基づき、追従機構部用演算部又は前記走査駆動部用演算部を動作制御させるようにした測定装置の動作制御方法。 - 前記追従機構部用演算部又は前記走査駆動部用演算部が、
前記第二のデータ通信部を介した前記データ取得用演算部との通信において、前記データ取得用演算部からの所定の信号に基づき異常を検知し、異常が検知された場合に異常回避動作を行わせるようにした請求項9記載の測定装置の動作制御方法。 - 変位計を搭載した変位計駆動部と、前記変位計の出力が一定となるように被測定面の表面形状に追従させる前記変位計駆動部を制御する追従機構部と、前記変位計駆動部を前記被測定面の面内方向に走査させる走査駆動部と、前記被測定面の表面形状に追従させたときの前記変位計駆動部の軌跡を測定する測長部とを備え、前記測長部により測定された前記軌跡を前記被測定面の表面形状とする形状の測定装置に用いられる測定制御ユニットであって、
前記測定装置全体をアプリケーションソフトにより統括制御する統括制御用演算部と、
この統括制御用演算部とは別個に設けられて前記測長部により測定された測長データを前記測長部との間の通信により取得するデータ取得用演算部と、
前記統括制御用演算部と前記データ取得用演算部との間のデータ通信を行う第一のデータ通信部と、
前記追従機構部に対する追従機構部用演算部と前記走査駆動部に対する走査駆動部用演算部の少なくとも一方と前記データ取得用演算部との間のデータ通信を行う第二のデータ通信部とを備え、
前記第二のデータ通信部により、前記データ取得用演算部と、前記追従機構部に対する追従機構部用演算部と前記走査駆動部に対する走査駆動部用演算部の少なくとも一方とが、前記統括制御用演算部を介することなく直接的にデータ通信を行う測定制御ユニット。 - 前記第一のデータ通信部は、パラレル通信を行うI/Oポート接続により構成されている請求項11記載の測定制御ユニット。
- 前記第一のデータ通信部は、シリアル通信を行うシリアルポート接続により構成されている請求項11記載の測定制御ユニット。
- 前記第一のデータ通信部は、双方の演算部から読み書き可能な共有メモリにより構成されている請求項11記載の測定制御ユニット。
- 前記データ取得用演算部は、データキャッシュ部に測長データを蓄える請求項11ないし14の何れか一記載の測定制御ユニット。
- 前記データ取得用演算部は、所定のサンプリング周期で前記測長部から測長データを取得する請求項11ないし15の何れか一記載の測定制御ユニット。
- 前記データ取得用演算部は、所定のサンプリング周期で前記測長部から取得した測長データに対してフィルタ演算処理を施して出力させるフィルタ演算処理手段を備える請求項11ないし16の何れか一記載の測定制御ユニット。
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