JP4128241B2 - 波のエネルギーで作動する波力ポンプ - Google Patents

波のエネルギーで作動する波力ポンプ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地球温暖化ならびに地球環境破壊、エネルギー資源の枯渇化等が大きな問題となっている今日において、クリーンな自然エネルギーである波のエネルギーを利用して作動させ、海洋やダム湖沼等の水を送水することで養殖場の給水、海水揚水発電、海水淡水化等を行うことや、閉鎖性水域で外海水と内海水を換水させて浄化すること、上層水と底層水を循環させて浄化させること、または、湖沼等で葦林等の再奥部にこの湖沼等の底層部にある汚染水を送水し、この水が葦林の中を流れ出るその間に、植生の呼吸作用等を利用して水を浄化させることのできる高効率の波力ポンプに関するものである。
【0002】
そして、港湾の換水、海洋及びダム湖沼、水源等を浄化させることにより、人類の生活に欠かすことのできない魚介類や海草類等の水産資源ならびに、飲料水等の水資源を確保する分野にも関するものである。
【0003】
【従来の技術】
港湾等、外洋から隔離されて一部閉鎖されている水域にあっては、水の流れが緩慢で水面と水底の水が混ざり難いため、水底近傍に形成される層(以下、底層という)に酸素が行き届かずに澱みやすい。また、水面近傍に形成される層(以下、上層という)にはプランクトンの生長に欠かせない栄養が乏しくなりがちである。
【0004】
このため、上述のような閉鎖性水域にあっては上層水と底層水とを混合することが望まれる。
【0005】
一方、自然エネルギーを利用したもので海水等の送水手段としては、波力を利用して送水する「波力ポンプ」(特公平8−6677号公報)が一般的に知られている。この波力ポンプ110は、図9に示すように、水中に支持されたシリンダ111の中にピストン112を上下摺動自在に配置し、このピストン112を、チェーン113を介して連結されたフロート114で上下動させて送水するものである。
【0006】
波力ポンプ110は、波の上下動を利用して作動するものであるため、石油等環境汚染につながるエネルギー源を一切必要とせず、一旦設置した後は半永久的に作動しつづける非常に優れたポンプである。
【0007】
よって、閉鎖性水域の上層水と底層水とを混合する送水手段として波力ポンプ110を用いた場合、安価な費用で半永久的に上層水と底層水とを混合し続けることが期待できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この波力ポンプ110で上層水を取水するためには、取水口を水面近くに位置させなくてはならないため、取水管115を水面近傍に届く長さに形成すると共に別個のブイ等に吊らなければならない。また、これとは逆に底層水を上層水に送水する場合にも同じことが言える。このため、装置全体が雑然となると共に送水効率が落ち、製作費もかさむという課題がある。
【0009】
また、このポンプはフロート114の力をチェーン113を介してピストン112に伝えているために、チェーン等の摩耗が激しく破壊されやすいという課題があった。
【0010】
つぎに、このポンプはチェーン等でフロートを係留しているために防波堤等のコンクリートケーソンの中に組み込むにはポンプ出力の割りにクンクリートケーソンが大きくなり過ぎる等の課題があった。
【0011】
そして、シリンダ111の外周にジョイントリングのリング管116が形成されているために、これに対する曲げモーメントやねじりモーメント等の強度上の課題だけでなく、この中を流れる流体の脈動流による慣性力の抵抗が大きくなり、送水効率が劣化するという課題もあった。
【0012】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、簡易な構造で効率よく半永久的に上層水と底層水とを混合し続けることや、空気に接触し、酸素の多く含まれた上層水を養殖場やそれ以外の送水目的の場所に送水すること、または、本発明の装置より得られる圧力水を利用して、海水揚水発電や海水淡水化等を行うことにより、省エネルギー、省資源の効果を発揮することのできる波力ポンプを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、下部が水中に設けた管と連通すると共に、上部が水面に向かって起立して延びる中空ピストン管を傾倒可能に設け、該中空ピストン管の上部外周にピストン部を形成し、該ピストン部の外周に、その上方にシリンダ室を区画するシリンダを上下摺動自在に嵌合し、該シリンダに、そのシリンダを上下動させるためのフロートを設け、上記水中に設けた管の中に水の流れを生じさせる波力ポンプにおいて、上記中空ピストン管の下方の水底にベースブロックを設け、このベースブロック上に一対の支持脚からなるサドルを設け、その一対の支持脚内に外軸を介してリング体をその外軸の水平軸回りに回動自在に設け、そのリング体の内周に、上記外軸と直交する位置で内軸を設け、そのリング体に上記中空ピストン管の下端を挿通すると共に、その中空ピストン管の下部外周に形成された軸受を上記内軸に回動可能に支持し、中空ピストン管を傾倒可能に支持すると共に、水面に向かって起立させて支持し、他方、上記一対の支持脚内でかつ中空ピストン管下方のベースブロック上に上記水中に設けた管を配置し、この管に屈曲可能な伸縮管の下端を接続すると共に、その屈曲可能な伸縮管の上端を、上記中空ピストン管の下部に接続して上記リング体の中心部でかつ、上記内軸で軸受を介して支持した中空ピストン管の内側に、上記屈曲可能な伸縮管を貫通させたものである。
【0014】
また、上記シリンダに、水を取水するための取水用逆止弁を接続し、この取水用逆止弁を介してシリンダ室に導水するとよい。
【0017】
そして、下部が水底近傍に設けた取水用逆止弁と送水用逆止弁に連通すると共に、上記取水用逆止弁と送水用逆止弁の連通管の途中より、上部が水面に向って起立して延びる中空ピストン管を傾倒可能に設け、該中空ピストン管の上部外周にピストン部を形成し、該ピストン部の外周に、その上方にシリンダ室を区画するシリンダを上下摺動自在に嵌合し、該シリンダに、そのシリンダを上下動させるためのフロートを設けた波力ポンプであって、上記中空ピストン管の下方の水底にベースブロックを設け、このベースブロック上に一対の支持脚からなるサドルを設け、その一対の支持脚内に外軸を介してリング体をその外軸の水平軸回りに回動自在に設け、そのリング体の内周に、上記外軸と直交する位置で内軸を設け、そのリング体に上記中空ピストン管の下端を挿通すると共に、その中空ピストン管の下部外周に形成された軸受を上記内軸に回動可能に支持し、中空ピストン管を傾倒可能に支持すると共に、水面に向かって起立させて支持し、他方、上記一対の支持脚内でかつ中空ピストン管下方のベースブロック上に上記水中に設けた管を配置し、この管に屈曲可能な伸縮管の下端を接続すると共に、その屈曲可能な伸縮管の上端を、上記中空ピストン管の下部に接続して上記リング体の中心部でかつ、上記内軸で軸受を介して支持した中空ピストン管の内側に、上記屈曲可能な伸縮管を貫通させたものである。
【0018】
また、下部が水底近傍に設けた取水用逆止弁に接続する取水管と連通すると共に、上部が水面に向って起立して延びる中空ピストン管を傾倒可能に設け、該中空ピストン管の上部外周にピストン部を形成し、該ピストン部の外周に、その上方にシリンダ室を区画するシリンダを上下摺動自在に嵌合し、該シリンダの上部に排水用逆止弁と、シリンダを上下動させるためのフロートを設けた波力ポンプであって、上記中空ピストン管の下方の水底にベースブロックを設け、このベースブロック上に一対の支持脚からなるサドルを設け、その一対の支持脚内に外軸を介してリング体をその外軸の水平軸回りに回動自在に設け、そのリング体の内周に、上記外軸と直交する位置で内軸を設け、そのリング体に上記中空ピストン管の下端を挿通すると共に、その中空ピストン管の下部外周に形成された軸受を上記内軸に回動可能に支持し、中空ピストン管を傾倒可能に支持すると共に、水面に向かって起立させて支持し、他方、上記一対の支持脚内でかつ中空ピストン管下方のベースブロック上に上記水中に設けた管を配置し、この管に屈曲可能な伸縮管の下端を接続すると共に、その屈曲可能な伸縮管の上端を、上記中空ピストン管の下部に接続して上記リング体の中心部でかつ、上記内軸で軸受を介して支持した中空ピストン管の内側に、上記屈曲可能な伸縮管を貫通させたものである。
【0021】
そして、下部が水中に設けた管と連通し、上部が水面に向かって起立して延びる中空ピストン管を傾倒可能に設け、該中空ピストン管の上部外周にピストン部を形成し、該ピストン部の外周に、その上方にシリンダ室を区画するシリンダを上下摺動自在に嵌合し、該シリンダに、そのシリンダを上下動させるためのフロートを設け、上記シリンダの上部に、シリンダ内に上記中空ピストン管を吊り上げるための索を挿通させる開閉可能なハッチを上下方向に貫通して形成した波力ポンプであって、上記中空ピストン管の下方の水底にベースブロックを設け、このベースブロック上に一対の支持脚からなるサドルを設け、その一対の支持脚内に外軸を介してリング体をその外軸の水平軸回りに回動自在に設け、そのリング体の内周に、上記外軸と直交する位置で内軸を設け、そのリング体に上記中空ピストン管の下端を挿通すると共に、その中空ピストン管の下部外周に形成された軸受を上記内軸に回動可能に支持し、中空ピストン管を傾倒可能に支持すると共に、水面に向かって起立させて支持し、他方、上記一対の支持脚内でかつ中空ピストン管下方のベースブロック上に上記水中に設けた管を配置し、この管に屈曲可能な伸縮管の下端を接続すると共に、その屈曲可能な伸縮管の上端を、上記中空ピストン管の下部に接続して上記リング体の中心部でかつ、上記内軸で軸受を介して支持した中空ピストン管の内側に、上記屈曲可能な伸縮管を貫通させたものである。
【0022】
また、上記シリンダ室と上記ハッチとの間に上記シリンダ室内の水を上記ハッチ内へ流すための流路を形成すると共に、上記ハッチの上部に開閉可能な蓋を設け、上記ハッチの下部に自重で閉じる弁を設け、上記ハッチ内に水を充たすことにより上記弁に背圧をかけて締めるようにしたものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の好適実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0024】
図1に示すように、波力ポンプ1Aは、海洋上もしくは閉鎖性水域等である港湾内にベースブロック2を介して設置されている。
【0025】
波力ポンプ1Aは、水面Sに向って起立して延びる中空ピストン管3と、中空ピストン管3の上部外周に形成されたピストン部4と、ピストン部4の上方にシリンダ室5aを区画するシリンダ6aと、シリンダ6aの上部に固定して設けられたフロート7aと、シリンダ室5aに上層水を導水する取水管8aとからなる。
【0026】
中空ピストン管3は、ピストンロッド状の管であり、内部にはシリンダ室5aと後述する送水管17とを結ぶ水路9が形成されている。また、中空ピストン管3は、ベースブロック2に強固に固定されたサドル10にその下部をユニバーサル機構11(自在継手)を介して傾倒可能に支持されている。
【0027】
ユニバーサル機構11は、具体的には、中空ピストン管3の外周を環状に囲むリングの径方向内方と外方とにそれぞれ平面視十字状に交叉するように内軸12及び外軸13を突出させてリング体14を形成し、リング体14の径方向内方に突出する内軸12を中空ピストン管3の下部外周に形成された軸受15に回動可能に支持させると共に、リング体14の径方向外方に突出する外軸13をそれぞれサドル10に回動可能に支持させてなる自在継手である。
【0028】
サドル10は、リング体14の径方向外側を挟むようにベースブロック2に起立して固着された一対の支持脚であり、それぞれサドル10の上部には、リング体14の外軸13を回動可能に支持するための軸穴16が互いに向き合うように形成されている。
【0029】
また、中空ピストン管3の下部は、水底に沿って設けられた送水管17に屈曲可能な伸縮管18を介して接続されている。送水管17には送水用逆止弁19が接続されており、シリンダ室5aの水は中空ピストン管3から流出する方向だけに水を流すようになっている。
【0030】
中空ピストン管3内の上端には中空ピストン管3を吊るための吊金具20が設けられている。吊金具20は、中空ピストン管3の管内上端を十字に区画するようにして中空ピストン管3の管内上端に固定されており、管内を流れる水の流通を妨げないようになっている。
【0031】
ピストン部4は、中空ピストン管3の上部外周を拡径するようにして、かつ、上下方向の長さを直径程度に長く形成されており、シリンダ6a内で円滑に往復動するようになっている。ピストン部4は、上下方向に分割されてなる上部ピストン部21及び下部ピストン部22と、上部ピストン部21及び下部ピストン部22の中間部分に設けられた浮体23とからなり、浮体23の浮力により中空ピストン管3をほぼ鉛直に起立させるようになっている。
【0032】
また、上部ピストン部21の外周上部には、鋭角をした刃物状の付着物除去装置24が配置されており、シリンダ6aの内部を擦り付けてシリンダ6a内部に付着した付着物を刮ぎ落とすようになっている。そして、付着物除去装置24、上部ピストン部21、浮体23及び下部ピストン部22は、互いに重ね合わされた状態のままこれらを上下に貫通する締結ボルト25で十分に締め付けられており、常に一体になっている。また、締結ボルト25が浮体23内を通過する部分には、図示しない管が溶接して設けられており、浮体23内に水が入らないようになっている。
【0033】
シリンダ6aは、起立した筒体の上端に天井部26aを形成して塞いだ形状を有し、ピストン部4の外周に上下摺動自在に嵌合されている。天井部26aの中央には、中空ピストン管3の吊金具20を吊る索を通すためのハッチ27が設けられている。
【0034】
ハッチ27はシリンダ6aの天井部26aに上下方向に貫通する長い孔を形成してなるものであり、上端はフロート7aの上方に突出している。また、ハッチ27の上端は取り外し可能な蓋板28で閉じられると共に、下端には自重で閉じる弁29が設けられている。弁29は、ハッチ27下端を縮径させて形成された弁座30と、弁座30上に載置されて弁座30を液密に塞ぐ重い弁体31とからなる。
【0035】
ハッチ27内側方にはシリンダ室5aにつながるバイパス管32(流路)が設けられると共に、バイパス管32にはシリンダ室5aから流出する方向にのみ水を流す逆止弁33が設けられ、シリンダ室5a内に水が満ちているときにはハッチ27内を水で満たすようになっている。また、蓋板28には上方に貫通する空気抜き管34が設けられると共に空気抜き管34には空気のみを外部に放出する自動空気抜き弁35が設けられている。
【0036】
そして、シリンダ6aの下端にはリング状のストッパー36が設けられている。このストッパー36の内径は、ピストン部4の外径よりも小さく形成されており、万一、フロート7aが予測外に大きな上下動をおこしても、ストッパー36がピストン部4に当たってピストン部4からシリンダ6aが抜けないようになっている。
【0037】
また、シリンダ6aの下部外周には、ウェート37が設けられており、シリンダ6aを常にほぼ鉛直に起立させておくようになっている。
【0038】
フロート7aは、シリンダ6aの上部を覆うように、かつハッチ27を上方に突出させるようにしてシリンダ6aと一体に設けられた浮きであり、水面Sに浮かされて、水面Sの上下動に伴って上下動するようになっている。そして、浮力のあるフロート7aの下に、重量があってあまり浮力のないシリンダ6aを位置させることにより、浮心を重心の真上に位置させ、シリンダ6aの姿勢をほぼ鉛直に保つようになっている。
【0039】
取水管8aは、シリンダ室5aの上側部から径方向放射状に延びるように接続されると共に、中間から下方に屈曲されてシリンダ6aに沿って下方に延びている管であり、フロート7a内に一体に埋め込まれてシリンダ6aの上側部に接続されている。取水管8aの延長端には、上層水を取り込むための取水口38が下方を向いて形成されている。
【0040】
また、取水口38には、サクションストレーナー39が設けられると共に取水用逆止弁40a,40bが設けられている。サクションストレーナー39は、取水を整流する共に取水管8a内への異物の混入を防ぐためのものであり、取水口38に一体に設けられている。取水用逆止弁40a,40bは、シリンダ室5aに流入する方向だけに水を流すようにするためのものであり、サクションストレーナー39の下流側に設けられている。
【0041】
また、波力ポンプ1Aの下部には、中空ピストン管3の傾斜角度を制限するための傾斜角度規制手段41が設けられている。傾斜角度規制手段41は、中空ピストン管3の下部から径方向外方に突出して設けられたストッパー42と、このストッパー42を受け止めるためのサドル43とからなる。
【0042】
ストッパー42は、中空ピストン管3から同心状に径方向外方に延びるフレーム44の突端に環状の止め部材45を設けてなるものであり、中空ピストン管3が所定角度まで傾倒すると止め部材45がサドル43に当たってそれ以上は中空ピストン管3を傾倒させないようになっている。止め部材45の下端には、ゴム等からなる緩衝材(図示せず)が設けられており、止め部材45がサドル43に当たった際の衝撃を吸収するようになっている。
【0043】
サドル43は、ベースブロック2に固着されて設けられた受け台であり、中空ピストン管3が所定角度まで傾倒したときに止め部材45が当る位置に、中空ピストン管3の外周を囲むようにリング状に設けられている。止め部材45が当るサドル43の上面にはゴム等からなる緩衝材(図示せず)が設けられており、止め部材45がサドル43上面に当たった際の衝撃を更に吸収するようになっている。
【0044】
また、ストッパー42の上部には降下するシリンダ6aの下端を受け止めるための停止サドル46が設けられており、シリンダ6aが降下しすぎたときにシリンダ6a下端のストッパー36を受け止めてシリンダ6aの降下を止めるようになっている。そして、停止サドル46の上面にもゴムシート等からなる緩衝材(図示せず)が設けられている。
【0045】
次に作用を述べる。
【0046】
波により水面Sが上昇した場合、水面Sに浮いているフロート7aも水面Sの上昇に伴って上昇する。このとき、シリンダ6aも同時に上昇し、シリンダ6a内に区画形成されているシリンダ室5aの容積も大きくなる。そして、シリンダ室5a内は膨張され、バキューム作用が生じる。このため、シリンダ室5a内の水圧は下がり、取水用逆止弁40a,40bが開いてサクションストレーナー39及び取水管8aを介して水がシリンダ室5a内に流入する。このとき、送水用逆止弁19は閉じたままであり、送水管17側から中空ピストン管3内に水が逆流することはない。
【0047】
そして、波が引き、水面Sが下降した場合、水面Sに浮いているフロート7aは、水面Sの下降に伴って下降する。このとき、シリンダ6aも同時に降下し、シリンダ室5a内の水に圧縮方向の力が働いて取水用逆止弁40a,40bが閉じる。そして、シリンダ室5a内の水が、中空ピストン管3内に押し込まれ、中空ピストン管3内の水は、送水管17内に押し込まれる。このため、送水管17内の水圧は上がり、送水用逆止弁19が開いて送水管17内の水が目的地に送水されることとなる。このとき、取水用逆止弁40a,40bは閉じたままであり、取水管8aからシリンダ室5a内の水が流れ出ることはない。
【0048】
ただし、送水管17に接続する送水用逆止弁19の下流側にアキュムレーター等を設けて送水管17内の流体の慣性力等を有効に利用して送水する場合には、上述の作用と一致しない場合もある。
【0049】
また、シリンダ6aが降下する際、シリンダ6aの内面は、ピストン部4の上部に取り付けられた付着物除去装置24に擦られ、シリンダ6aの内面に付着した付着物が刮ぎ落とされる。そして、刮ぎ落とされた付着物は中空ピストン管3の内部を落下して、送水管17内に流れ込むこととなる。なお、シリンダ6aは波と共に常に上下動しており、取水に異物が混入することもないため、シリンダ6a内に大きな付着物が付着することはない。
【0050】
そして、波風等によりフロート7a、シリンダ6a及び中空ピストン管3に横向きの力がかかった場合、中空ピストン管3は、ユニバーサル機構11を中心にして傾倒し、その横向きの力を逃がす。そして、中空ピストン管3が所定角度以上傾きそうになると、ストッパー42がサドル43に当たり、それ以上の傾倒を規制する。このため、中空ピストン管3にリング体14が当ったり、伸縮管18を限界以上に伸縮させる等して波力ポンプ1Aを破壊させることはない。なお、安全のために、フロート7aの要所には、ゴム等の緩衝材を設けるとなおさら安全である。
【0051】
また、水面Sが下降しすぎた場合、シリンダ6a下端のストッパー36が停止サドル46に当たってシリンダ6aの下降を制限することからシリンダ6aが下降しすぎて波力ポンプ1Aを破損させることもない。
【0052】
このように、下部が水底近傍に設けた送水用逆止弁19に接続する送水管17と連通すると共に上部が水面Sに向って起立して延びる中空ピストン管3を傾倒可能に設け、中空ピストン管3の上部外周にピストン部4を形成し、ピストン部4の外周に、その上方にシリンダ室5aを区画するシリンダ6aを上下摺動自在に嵌合し、シリンダ6aに、そのシリンダ6aを上下動させるためのフロート7aを設け、上記シリンダ6aに、水を取水するための取水用逆止弁40a,40bを介してシリンダ室5aに導水する取水管8aを接続して波力ポンプ1Aを構成したため、簡易な構造で効率よく水を送水し続けることができる。
【0053】
また、中空ピストン管3の下端を、サドル10に設けた自在継手で傾倒自在に連結し、そのサドル10が設置されているベースブロック2に送水管17を設けると共に、送水管17と中空ピストン管3とを伸縮管18で連結し、送水用逆止弁19を送水管17に接続したため、フロート7a及びシリンダ6a等にかかる横向きの力を逃がすことができ、波力ポンプ1Aに無理な力がかかるのを防ぐことができる。
【0054】
そして、ピストン部4の上端外周に鋭利な刃物状の付着物除去装置24を設けたために、シリンダ6a内の付着物を波力を利用して自動的に除去でき、シリンダ6a内に付着物が付着するのを防ぐことができる。
【0055】
また、ピストン部4を上部ピストン部21、下部ピストン部22及び浮体23とからなるものとし、ピストン部4の下方に延びる中空ピストン管3の下端をユニバーサル機構11を介して揺動自在に支持するために、中空ピストン管3をほぼ鉛直に起立させることができ、さらにピストン部4の上下方向の長さを直径程度に長く形成するため、ピストン部4をシリンダ6a内で円滑に相対的往復動させることができる。
【0056】
そして、中空ピストン管3の内側に水路9を形成し、水路9の下方にシリンダ室5aの水を出入りさせて送水するようにしたため、フロート7aの上下動によりシリンダ室5a内の水の圧力が圧縮、バキューム作用を繰り返しても、この圧縮、バキューム作用の全ての力を中空ピストン管3に直接作用させて支持するのではなくて、水路9内の水に作用させて取水管8aから送水管17へ水を送水させるためのエネルギーに変換されるために、中空ピストン管3の耐久力を著しく増すことができる。
【0057】
また、フロート7a内に取水管8aを一体に設けたため、非常に簡単な手段で安定した取水をすることができる。
【0058】
そして、シリンダ6aの上部に開閉可能なハッチ27を設けたため、ハッチ27を開いて索を通し、中空ピストン管3を吊り上げることで非常に簡単な手段で装置を運搬することができる。
【0059】
また、ハッチ27に逆止弁33を有するバイパス管32を設けたため、シリンダ6a内の圧力水をハッチ27内に押し込むことができ、ハッチ27内に設けた弁29を強固に締め付けることができる。
【0060】
次に他の実施の形態を添付図面に基づいて述べる。
【0061】
図2に示す波力ポンプ1Bは、図1に示す波力ポンプ1Aのシリンダ6aと、取水系(取水口38、サクションストレーナー39、取水用逆止弁40a、40b)と、フロート7aに変更を加えたものである。
【0062】
波力ポンプ1Bのフロート7bは、略環状の形状を有し、後述するシリンダ6b上に固定されている。
【0063】
シリンダ6bは、起立した筒体の上端に天井部26bを形成して塞いだ形状を有し、この天井部26bのほぼ中央部に空気抜管34とその上端には自動空気抜き弁35が設けられている。天井部26bは、シリンダから径方向外方に延出するように形成されており、天井部26bのシリンダから延出される部分とシリンダとの間にはリブ120等のサポート部材が設けられており、天井部26bの変形を防止するようになっている。
【0064】
そして、天井部26bの上面中央にはフロート7bを保持するための第1締め付けパイプ47aが起立して設けられている。第1締め付けパイプ47aは、フロート7bの中央に形成された穴部121に挿入できる程度の外径に形成されており、第1締め付けパイプ47aを穴部121に挿入することによりフロート7bの水平方向の移動を規制するようになっている。また、第1締め付けパイプ47aの上端には締め付けボルト47cを係合させるための第1つば部122が径方向内方に延出して形成されている。
【0065】
そして、フロート7bの上にはフロート7bを挟んで固定するための押え蓋48が設けられている。押え蓋48は、環状に形成された板であり、フロート7bと同等の外径に形成されている。押え蓋48の中央には第1締め付けパイプ47aと同径の第2締め付けパイプ47bが垂下して形成されており、フロート7bの穴部121に挿入されている。
【0066】
第2締め付けパイプ47bの上端には締め付けボルト47cを係合させるための第2つば部123が径方向内方に延出して形成されており、第1つば部122と第2つば部123に締め付けボルト47cを貫通させて締め付けることにより押え蓋48と天井部26bとでフロート7bを挟んで固定するようになっている。
【0067】
また、押え蓋48の外周端は、フロート7bの形状に沿うように下方に折り曲げられており、フロート7bを更に確実に保持するようになっている。
【0068】
取水管8bは、平面視放射状となるようにシリンダ6bの上部から径方向外方に延出されており、その延出端にサクションストレーナー39が設けられて取水口38が形成されている。また、取水管8bの中間には流入方向にのみ水を流す取水用逆止弁40bがそれぞれ設けられており、シリンダ室5b内の水が取水管8bから流出しないようになっている。
【0069】
次にこの実施の形態の作用を述べる。
【0070】
フロート7bをシリンダ6bに固定する場合、まず、天井部26bの上にフロート7bを載置し、その上に押え蓋48を載せる。つぎに、第1締め付けパイプ47aと第2締め付けパイプ47bとを締め付けボルト47cで強固に締め付ける。その結果、フロート7bは天井部26bの上にしっかりと固定され、フロート7bとシリンダ6bは、ほぼ一体となって波の上下動に俊敏に応答することとなる。
【0071】
このように、シリンダ6bの上にフロート7bを押え蓋48で挟んで固定するようにしたため、シリンダ6bに対してフロート7bを着脱自在とすることができ、用途に応じて高さの異なるフロート7bに換えることができる。
【0072】
そして更に、他の実施の形態を添付図面に基づいて述べる。
【0073】
図3に示す波力ポンプ1Cは、図2に示す波力ポンプ1Bのシリンダ6b及びフロート7bに変更を加えたものである。
【0074】
シリンダの6cの上端には天井部26cが一体に形成されており、天井部26cの上には略円筒形の形状を有するフロート7cが固定されている。
【0075】
天井部26cは、フロート7cの下部に沿うように湾曲して形成されており、シリンダ6cの最上部左右両側にはシリンダ6c内の気泡を抜き取るためのベントホール49が形成されている。
【0076】
また、フロート7cと天井部26cとは、ワイヤー、ロープ、チェーンもしくはバンド等の索124でしっかりと締め付けられて一体化されている。
【0077】
取水管8b、サクションストレーナー39は、図2に示す波力ポンプ1Bのものと同じである。
【0078】
つぎにこの実施の形態の作用を述べる。
【0079】
シリンダ内に気泡が入った場合、気泡は天井部26cに沿ってベントホール49のある側方に集められる。そして、水面Sが下降してシリンダ室5cの容積が縮小されるときに気泡はベントホール49を通じてシリンダ6c外に押し出される。
【0080】
このため、シリンダ室5cに入った気泡は速やかにシリンダ6c内から除去され、シリンダ室5cに気泡が蓄積されてポンプ機能を大きく劣化させることはない。
【0081】
また、シリンダ6cの上下動によってシリンダ室5c内に給排水する際、ベントホール49を通じて水が出入りすることもあるが、装置の規模(大きさ)に比してベントホール49は十分小さな径に形成されているため、ベントホール49を通じて出入りする水量は極僅かであり、ポンプ効率に影響を及ぼすことはない。
【0082】
このように、天井部26cを湾曲させてシリンダ6cの側方に気泡を集めるようにすると共にシリンダの最上部にベントホール49を形成したため、気泡をベントホール49のある位置に集めてベントホール49からシリンダ6c外に排出することができ、シリンダ6cに気泡が溜って給排水できなくなるというピストンポンプにとって致命的ともいえる問題を回避することができる。
【0083】
図4に示す波力ポンプ50は、図1に示す波力ポンプ1Aのシリンダ6、フロート7、取水管8及び送水系(送水管17,伸縮管18,送水用逆止弁19)に変更を加えたものであり、平面視略矩形状に形成されたベースブロック2の中央の位置に載置して設けられている。
【0084】
シリンダ51は、起立した筒体の上端に天井部52を設けて塞いだ形状を有し、ピストン部4の外周に上下摺動自在に嵌合されている。天井部52は、中央近傍が最も高くなるように緩やかな傾斜が形成されており、シリンダ室53内の気泡を中央近傍に集めるようになっている。また、天井部52の中央近傍には、中空ピストン管3の吊金具20を吊る索を通すためのハッチ54が設けられている。
【0085】
ハッチ54はシリンダ51の天井部52に上下方向に貫通する長い孔を形成してなるものであり、ハッチ54の上端は取り外し可能な蓋板28で閉じられると共に、下端には自重で閉じる弁29が設けられている。弁29は、ハッチ54下端に形成された弁座30と、弁座30上に載置される弁体31とからなる。そして、ハッチ54内側方には逆止弁33を有するバイパス管32が設けられ、蓋板28には自動空気抜き弁35を有する空気抜き管34が設けられている。
【0086】
また、ハッチ54の上下方向中間には水平方向に延びてシリンダ51の径方向外方に突出するフランジ状の受け板55が設けられており、受け板55を介してフロート57をシリンダ51に固定するようになっている。
【0087】
そして、シリンダ51の外周にはシリンダ51の上端から下端近傍まで延びるガイドレール56が複数並行に設けられている。これらガイドレール56は、シリンダ51からフロート57を取り外した後シリンダ51を吊り上げて装置を引き上げる時に、水面Sに浮いた状態のフロート57の中で昇降するシリンダ51をガイドするためのものであり、十分に強固にシリンダ51に固定されている。
【0088】
フロート57はほぼ環状の形状をしており、その内周面58でシリンダ51の外周を所定の隙間を隔てて囲むように設けられている。フロート57の内周面58にはガイドレール56に沿って昇降するためのガイド部(図示せず)が設けられており、シリンダ51に沿って円滑に昇降するようになっている。またフロート57の内周上端には外側に捲り上がった当て板59が設けられており、シリンダ51の受け板55に当たってフロート57がシリンダ51の上方に抜けないように、かつ、稼動時には受け板55に当て板59をボルト(図示せず)等で十分に締め付けて固定するようになっている。
【0089】
取水管60は、シリンダ室53の上側部から径方向放射状に延びるように接続されると共に、接続部からすぐに下方に屈曲されてシリンダ51の外周面61に沿って下方に延びている管であり、ガイドレール56の径方向内側に位置されてシリンダ51の外周面61とフロート57の内周面58との隙間にしかもフロート57と接触しないように配置されている。取水管60の延長端には、取水口62が形成されており、取水口62にはサクションストレーナー39及び取水用逆止弁40a,40bが設けられている。
【0090】
図4及び図5に示すように、送水系63は、ベースブロック2の略中央に固定された送水室64と、送水室64に中空ピストン管3を揺動可能に接続する伸縮管65と、送水室64からベースブロック2に沿って放射状に分岐された4本の送水管66と、これら送水管66を再度集合する集合管67とからなる。
【0091】
送水管66には、それぞれ送水用逆止弁68が接続され、送水用逆止弁68の下流側には中空ピストン管3から送り出される水の脈動流を整流して平滑流とするアキュムレーター69が設けられている。アキュムレーター69は、ベースブロック2の上に平面視前後左右対称となるように配置されて固定されている。
【0092】
集合管67は、上流端がベースブロック2の上に位置され、ベースブロック2の外方に延びている。また、集合管67の中間には伸縮管72が接続されており、設置位置の誤差を吸収して設置工事を容易なものとすると共に、水温の変化等による管の熱伸縮を吸収するようになっている。
【0093】
この実施の形態の作用を述べる。
【0094】
水面Sの動きに伴ってフロート57が上方に動いた場合、この上方への動きがフロート57の当て板59からシリンダ51の受け板55に伝わってシリンダ51を上方に引き上げる。このとき、ハッチ54の中には水が充填されており、弁体31に背圧がかかっていることや、シリンダ室53内の圧力は負の圧力であるために、弁29が勝手に開くことはない。そしてフロート57が下方に動いた場合、シリンダ51はフロート57によって強制的に下降させられる。このときシリンダ室53の水圧がハッチ54内の水圧より高くなった場合には、シリンダ室53内の水がバイパス管32及び逆止弁33を通過してハッチ54内に入り、ハッチ54内の水圧が上昇し、弁体31にかかる背圧が上昇するために、弁29は開くことはない。そして、万一ハッチ54内に気泡が入っても、気泡は空気抜き管34及び自動空気抜き弁35を通過して外部に放出される。
【0095】
波力ポンプ50を運搬する場合、フロート57の上方に仮架台70をシリンダ51上を跨ぐように掛け渡して取り付けると共に、仮架台70に中空ピストン管3を吊り上げるための電動ウィンチ(図示せず)をシリンダ51の真上に位置させるように取り付ける。そして、サドルの上に運搬用架台71を設け、運搬用架台71の上端にフロート57の底面に当たるゴム板等の緩衝材(図示せず)を設ける。このとき、装置の設計次第によっては、運搬用架台71を設けないでシリンダ51の下部に設けたストッパ36をシリンダ51の停止サドル46に直接当ててもよい。
【0096】
つぎに、アキュムレーター69内に空気を注入して水を抜き、浮力を生じさせる。そして、蓋板28をハッチ54から取り外すと共に弁体31を弁座30上から外す。この時、はじめてシリンダ室53内の圧力が無負荷(ニュートラル)状態となる。つぎに、前述したフロート57の当て板59とシリンダ51の上端に設けた受け板55を締め付けてあるボルトを取り除く。
【0097】
そして、ハッチ54内に電動ウィンチに巻かれた索(図示せず)を通す。索の先端にあるフックを吊金具20に引っ掛けたら、電動ウィンチを巻き、中空ピストン管3を吊り上げる。このとき、波力ポンプ50がベースブロック2の中央近傍に配置されていると共に、アキュムレーター69がベースブロック2上に平面視前後左右対称となるように配置されて固定されているため、波力ポンプ50は設置時の姿勢を保ったまま上昇されることとなる。
【0098】
シリンダ51内のピストン部4ならびに中空ピストン管3が上方に移動して運搬用架台71がシリンダ51の下部に設けたストッパ36に当たったら、運搬用架台71にシリンダ51の下部を万力(シャコマン)等を用いて仮締め付けをする。そして、更に電動ウィンチを巻くと、シリンダ51は、受け板55をフロート57の当て板59から次第に離しながら上昇し、最上部に達するまで巻き上がる。このとき、シリンダ51は、ガイドレール56を介してフロート57側に接するため、取水管60がフロート57側に接することはない。
【0099】
そして、運搬時の最低水深等を確認した上で、フロート57の上部に設けた当て板59とシリンダ51上部に設けた受け板55間に固定サポート(図示せず)等を設けて固着させ、運搬する。
【0100】
このように、シリンダ51に環状のフロート57を隙間をおいて連結し、シリンダ51に、水を取水するための取水用逆止弁40a,40bを介してシリンダ室53に導水する取水管60を接続すると共に、その取水管60をシリンダ51と環状のフロート57の隙間を利用して下向きに延ばして設けたため、フロート57及びシリンダ51を簡易かつ強固な構造とすることができると共に、取水高さの変更を取水管60の長さを変更するだけででき、用途に応じた給水を容易にすることができる。
【0101】
また、送水管66にアキュムレーター69を接続したため、中空ピストン管3から送り出される水の脈動流を整流して平滑流とすることができる。
【0102】
そして、更に他の実施の形態を添付図面に基づいて述べる。
【0103】
図6に示すように、波力ポンプ75は、水底近傍の低層水を水底近傍に配置した取水管77を介して取り込み、送水するものである。
【0104】
波力ポンプ75は、取水管77と送水管125の間に接続された連通管80と、連通管80より水面Sに向って起立して設けられた中空ピストン管3と、中空ピストン管3の上部外周に形成されたピストン部4と、ピストン部4の上方にシリンダ室81を区画するシリンダ82と、シリンダ82の上部にほぼ一体に固定されて設けられたフロート7b(図2に示す波力ポンプ1Bのものと同じ)とからなる。
【0105】
取水管77は、水底近傍に敷設されており、中空ピストン管3の下端に伸縮管18を介して接続されている。取水管77の中間には連通管80及び中空ピストン管3に向けて流入する方向にのみ水を流す取水用逆止弁78が設けられている。取水管77の先端は上方に折れ曲がるように屈曲されており、その先端にサクションストレーナー76が設けられている。
【0106】
中空ピストン管3は、ピストンロッド状の管であり、シリンダ室81と、連通管80とを結ぶ水路9が形成されている。また、中空ピストン管3は、サドル10にユニバーサル機構11を介して傾倒可能に支持されており、中空ピストン管3の下部は水底に沿って設けられた連通管80の中間に伸縮管18を介して接続されている。
【0107】
シリンダ82の上端に設けた天井部26bには空気抜き管34ならびに自動空気抜き弁35等も設けられている。
【0108】
また、波力ポンプ75の下部には傾倒角度規制手段41が設けられている。傾倒角度規制手段41は、中空ピストン管3の下部に設けられたストッパー42とベースブロック2に固定されてストッパー42を受け止めるサドル43とからなる。
【0109】
つぎに作用を述べる。
【0110】
波により水面Sが上昇した場合、フロート7bとシリンダ82は上昇し、シリンダ室81内が膨脹され、バキューム作用が生じる。このため、シリンダ室81内の水圧は下がり、取水用逆止弁78が開いて底層近傍の水が、サクションストレーナー76及び取水管77を介して中空ピストン管3内の水路9に入り、水路9内の水がシリンダ室81に流入する。このとき、送水用逆止弁79は閉じたままであり、送水管125から水が逆流することはない。
【0111】
水面Sが下降した場合、フロート7bとシリンダ82は下降し、シリンダ室81内の水に圧縮方向の力が働いて取水用逆止弁78が閉じる。
【0112】
そして、シリンダ室81内の水の圧力が上がり送水用逆止弁79が開き送水される。また、このとき取水用逆止弁78は閉じたままであり、取水管77からシリンダ室81内の水が逆流することはない。
【0113】
このように、下部が水底近傍に設けた取水用逆止弁78と送水用逆止弁79に連通すると共に、上部が水面に向って起立して延びる中空ピストン管3を傾倒可能に設け、中空ピストン管3の上部外周にピストン部4を形成し、ピストン部4の外周に、その上方にシリンダ室81を区画するシリンダ82を上下摺動自在に嵌合し、シリンダ82に、そのシリンダ82を上下動させるためのフロート7bを設けたために、簡易な機構で容易かつ効率よく水を送水することができる。
【0114】
さらに、他の実施の形態を添付図面に基づいて述べる。
【0115】
図7に示すように、波力ポンプ90Aは、水底近傍の底層水を汲み上げて水面S近傍の上層水と混合するものであり、水面Sに向って起立して延びる中空ピストン管3と、中空ピストン管3の上部外周に形成されたピストン部4と、ピストン部4の上方にシリンダ室91aを区画するシリンダ92aと、シリンダ92aの上部に一体に固定して設けられたフロート93aと、シリンダ室91a内の底層水を水面S近傍に流す排水管94とからなる。
【0116】
中空ピストン管3は、ピストンロッド状の管であり、内部にはシリンダ室91aと後述する取水管95とを結ぶ水路9が形成されている。また、中空ピストン管3は、サドル10にユニバーサル機構11を介して傾倒可能に支持されており、中空ピストン管3の下部は、水底に沿って設けられた取水管95に伸縮管18を介して接続されている。
【0117】
取水管95の先端にはサクションストレーナー96が設けられており、サクションストレーナー96の下流側には中空ピストン管3に流入する方向にだけ水を流す取水用逆止弁97が設けられている。サクションストレーナー96は、取水を整流する共に取水管95内への異物の混入を防ぐためのものであり、取水管95に一体に設けられている。
【0118】
また、中空ピストン管3内上端には吊金具20が設けられている。
【0119】
シリンダ92aは、起立した筒体の上端に天井部98aを形成して塞いだ形状を有し、ピストン部4の外周に上下摺動自在に嵌合されている。天井部98aの中央には、ハッチ27が設けられている。ハッチ27の上端は取り外し可能な蓋板28で閉じられると共に、下端には自重で閉じる弁29が設けられている。
【0120】
ハッチ27内にはシリンダ室91aにつながるバイパス管32が設けられると共に、バイパス管32にはシリンダ室91aから流出する方向にのみ水を流す逆止弁33が設けられている。蓋板28には上方に貫通する空気抜き管34が設けられると共に空気抜き管34には空気のみを外部に放出する自動空気抜き弁35が設けられている。
【0121】
そして、シリンダ92aの下端にはストッパー36が設けられており、シリンダ92aの下部外周には、ウェート37が設けられている。
【0122】
フロート93aは、シリンダ92aの上部を覆うように、かつハッチ27を上方に突出させるようにしてシリンダ92aと一体に設けられた浮きであり、水面Sに浮かされて、水面Sの上下動に伴って上下動するようになっている。
【0123】
排水管94は、天井部98aから上方に延びるように接続されると共に、中間から径方向外方に屈曲されて平面視放射状に延びる管であり、フロート93a内に一体に埋め込まれている。排水管94の延長端には、水を排出するための排水口99が水平方向を向いて形成されており、排水口99は水面S乃至水面S下に位置されている。また、この排水口99には異物等が入らぬような対策もとられている。
【0124】
シリンダ92aの天井部98a近傍には、シリンダ室91aから流出する方向にのみ水を流す排水用逆止弁100a,100bが設けられており、上層水がシリンダ室91a内に逆流しないようになっている。
【0125】
また、波力ポンプ90Aの下部には、傾斜角度規制手段41が設けられている。傾斜角度規制手段41は、中空ピストン管3の下部に設けられたストッパー42と、ベースブロック2に固定されてストッパー42を受け止めるサドル43とからなる。ストッパー42の上部には停止サドル46が設けられており、シリンダ92a下端のストッパー36を受け止めてシリンダ92aの降下を止めるようになっている。そして、停止サドル46の上面にもゴムシート等からなる緩衝材(図示せず)が設けられている。
【0126】
次に作用を述べる。
【0127】
波により水面Sが上昇した場合、フロート93aとシリンダ92aは上昇し、シリンダ室91a内が膨張され、バキューム作用が生じる。このため、シリンダ室91a内の水圧は下がり、取水用逆止弁97が開いてサクションストレーナー96及び取水管95を介して底層水が中空ピストン管3及びシリンダ室91a内に流入する。このとき、排水用逆止弁100a,100bは閉じたままであり、排水管94側から中空ピストン管3内に上層水が逆流することはない。
【0128】
水面Sが下降した場合、フロート93aとシリンダ92aは下降し、シリンダ室91a内の水に圧縮方向の力が働いて取水用逆止弁97が閉じる。そして、シリンダ室91a内の水の水圧が上がり、排水用逆止弁100a,100bが開き、排水管94内の水が水面S近傍に排出される。このとき、排水口99が水面S乃至水面S下に位置されているためヘッド差によるロスはなく、かつ、中空ピストン管3が上下方向に動くこともないため、安定して送水されることとなる。また、このとき取水用逆止弁97は閉じたままであり、取水管95からシリンダ室91a内の水が流れ出ることはない。
【0129】
ただし、図1に示す波力ポンプ1Aと同様に、排水管94に設けた排水用逆止弁100a,100bの下流側にアキュムレーター等を設けて排水管94内の流体の慣性力等を有効に利用して送水する場合には、上述の作用と一致しない場合がある。
【0130】
このように、下部が水底近傍に設けた取水用逆止弁97に接続する取水管95と連通すると共に、上部が水面Sに向って起立して延びる中空ピストン管3を傾倒可能に設け、中空ピストン管3の上部外周にピストン部4を形成し、ピストン部4の外周に、その上方にシリンダ室91aを区画するシリンダ92aを上下摺動自在に嵌合し、シリンダ92aに、そのシリンダ92aを上下動させるためのフロート93aを設け、上記シリンダ92aに、シリンダ室91a内の底層水を排水用逆止弁100a,100bを介して上層水に流す排水管94を接続して波力ポンプ90Aを構成したため、簡易な構造で容易かつ効率良く底層水を水面S近傍まで汲み上げることができる。
【0131】
また、排水口99を水面S乃至水面S下に位置させたため、ヘッド差によるロスはなく、大量の底層水を効率よく、かつ、安定して上層水に混合させることができる。
【0132】
そして、中空ピストン管3をユニバーサル機構11(自在継手)及びサドル10を介してベースブロック2に連結したため、中空ピストン管3が上下方向に動くことがなく、シリンダ92aの上下動を効率よく利用することができ、大量の底層水を効率よく、かつ、安定して上層水に混合させることができる。
【0133】
そして、更に他の実施の形態を添付図面に基づいて述べる。
【0134】
図8に示す波力ポンプ90Bは、図7に示す波力ポンプ90Aの天井部98a、フロート93a、排水系(排水口99、排水管94、排水用逆止弁100a,100b)及び取水系(取水管95、サクションストレーナー96)に変更を加えたものである。
【0135】
波力ポンプ90Bの天井部26b、フロート7bは、図2に示す波力ポンプ1Bのものと同じものであり、フロート7bは押え蓋48と天井部26bとに挟まれて締め付けボルト47cに締め付けられることにより固定されるようになっている。
【0136】
排水管106は、平面視放射状となるようにシリンダ92bの上部から径方向外方に延出されており、その延出端に排水用防護網108が設けられて排水口105が形成されている。また、排水管106の中間には流出方向にのみ水を流す排水用逆止弁107がそれぞれ設けられており、シリンダ室91b内に外部の水が排水管106から流入しないようになっている。
【0137】
取水管77は、水底近傍に敷設されており、中空ピストン管3の下端に伸縮管18を介して接続されている。取水管77の中間には中空ピストン管3に向けて流入する方向にのみ水を流す取水用逆止弁78が設けられている。取水管77の先端は上方に折れ曲がるように屈曲されており、その先端にサクションストレーナー76が設けられている。
【0138】
つぎに作用を述べる。
【0139】
水面Sが上昇した場合、フロート7bと共にシリンダ92bが上昇してシリンダ室91bの容積が拡がり、サクションストレーナー76から取水管77及び中空ピストン管3を介してシリンダ室91b内に水が流入する。このとき、取水用逆止弁78は開いた状態となり、排水用逆止弁107は閉じた状態となっており、水が排水口105からシリンダ92b内に逆流することはない。
【0140】
水面Sが下降した場合、フロート7bと共にシリンダ92bが下降してシリンダ室91b内の容積が小さくなり、シリンダ室91b内の水が排水管106を介してシリンダ92bの外に排出される。このとき、排水用逆止弁107は開いた状態となり、取水用逆止弁78は閉じた状態となっており、シリンダ92b内の水が取水管77を通じて排出されることはない。
【0141】
このように、下部が取水管77と連通すると共に、上部が水面Sに向って起立して延びる中空ピストン管3を傾倒可能に設け、中空ピストン管3の上部外周にピストン部4を形成し、ピストン部4の外周に、その上方にシリンダ室91bを区画するシリンダ92bを上下摺動自在に嵌合し、シリンダ92bに、そのシリンダ92bを上下動させるためのフロート7aを設け、上記シリンダ92bに、シリンダ室91b内の底層水を排水用逆止弁107介して上層水に流す排水管106を接続して波力ポンプ90Bを構成したため、簡易な構造で容易かつ効率良く底層水を水面S近傍まで汲み上げることができる。
【0142】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、次のような優れた効果を奏する。
【0143】
発明によれば、波のエネルギーを有効に利用して水の流れを生じさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適実施の形態を示す波力ポンプの側断面図である。
【図2】本発明の他の実施の形態を示す波力ポンプの側断面図である。
【図3】本発明の他の実施の形態を示す波力ポンプの側断面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態を示す波力ポンプの側断面図である。
【図5】図4のV −V 線矢視平面図である。
【図6】本発明の他の実施の形態を示す波力ポンプの側断面図である。
【図7】本発明の他の実施の形態を示す波力ポンプの側断面図である。
【図8】本発明の他の実施の形態を示す波力ポンプの側断面図である。
【図9】従来の波力ポンプの側断面図である。
【符号の説明】
1A 波力ポンプ
1B 波力ポンプ
1C 波力ポンプ
3 中空ピストン管
4 ピストン部
5a シリンダ室
5b シリンダ室
5c シリンダ室
6a シリンダ
6b シリンダ
6c シリンダ
7a フロート
7b フロート
7c フロート
8a 取水管
8b 取水管
10 サドル
11 ユニバーサル機構(自在継手)
17 送水管
18 伸縮管
19 排水用逆止弁
20 吊金具
23 浮体
27 ハッチ
28 蓋板
29 弁
30 弁座
31 弁体
32 バイパス管(流路)
33 逆止弁
34 空気抜き管
35 自動空気抜き弁
40a 取水用逆止弁
40b 取水用逆止弁
50 波力ポンプ
51 シリンダ
53 シリンダ室
54 ハッチ
57 フロート
60 取水管
65 伸縮管
66 送水管
68 送水用逆止弁
69 アキュムレーター
72 伸縮管
75 波力ポンプ
77 取水管
78 取水用逆止弁
79 送水用逆止弁
80 連通管
81 シリンダ室
82 シリンダ
90A 波力ポンプ
90B 波力ポンプ
91a シリンダ室
91b シリンダ室
92a シリンダ
92b シリンダ
93a フロート
94 排水管
95 取水管
97 取水用逆止弁
100a 排水用逆止弁
100b 排水用逆止弁
106 排水管
107 排水用逆止弁
125 送水管
S 水面

Claims (6)

  1. 下部が水中に設けた管と連通すると共に、上部が水面に向かって起立して延びる中空ピストン管を傾倒可能に設け、該中空ピストン管の上部外周にピストン部を形成し、該ピストン部の外周に、その上方にシリンダ室を区画するシリンダを上下摺動自在に嵌合し、該シリンダに、そのシリンダを上下動させるためのフロートを設け、上記水中に設けた管の中に水の流れを生じさせる波力ポンプにおいて、上記中空ピストン管の下方の水底にベースブロックを設け、このベースブロック上に一対の支持脚からなるサドルを設け、その一対の支持脚内に外軸を介してリング体をその外軸の水平軸回りに回動自在に設け、そのリング体の内周に、上記外軸と直交する位置で内軸を設け、そのリング体に上記中空ピストン管の下端を挿通すると共に、その中空ピストン管の下部外周に形成された軸受を上記内軸に回動可能に支持し、中空ピストン管を傾倒可能に支持すると共に、水面に向かって起立させて支持し、他方、上記一対の支持脚内でかつ中空ピストン管下方のベースブロック上に上記水中に設けた管を配置し、この管に屈曲可能な伸縮管の下端を接続すると共に、その屈曲可能な伸縮管の上端を、上記中空ピストン管の下部に接続して上記リング体の中心部でかつ、上記内軸で軸受を介して支持した中空ピストン管の内側に、上記屈曲可能な伸縮管を貫通させたことを特徴とする波力ポンプ。
  2. 上記シリンダに、水を取水するための取水用逆止弁を接続し、この取水用逆止弁を介してシリンダ室に導水することを特徴とする請求項1に記載の波力ポンプ。
  3. 下部が水底近傍に設けた取水用逆止弁と送水用逆止弁に連通すると共に、上記取水用逆止弁と送水用逆止弁の連通管の途中より、上部が水面に向って起立して延びる中空ピストン管を傾倒可能に設け、該中空ピストン管の上部外周にピストン部を形成し、該ピストン部の外周に、その上方にシリンダ室を区画するシリンダを上下摺動自在に嵌合し、該シリンダに、そのシリンダを上下動させるためのフロートを設けた波力ポンプであって、上記中空ピストン管の下方の水底にベースブロックを設け、このベースブロック上に一対の支持脚からなるサドルを設け、その一対の支持脚内に外軸を介してリング体をその外軸の水平軸回りに回動自在に設け、そのリング体の内周に、上記外軸と直交する位置で内軸を設け、そのリング体に上記中空ピストン管の下端を挿通すると共に、その中空ピストン管の下部外周に形成された軸受を上記内軸に回動可能に支持し、中空ピストン管を傾倒可能に支持すると共に、水面に向かって起立させて支持し、他方、上記一対の支持脚内でかつ中空ピストン管下方のベースブロック上に上記水中に設けた管を配置し、この管に屈曲可能な伸縮管の下端を接続すると共に、その屈曲可能な伸縮管の上端を、上記中空ピストン管の下部に接続して上記リング体の中心部でかつ、上記内軸で軸受を介して支持した中空ピストン管の内側に、上記屈曲可能な伸縮管を貫通させたことを特徴とする波力ポンプ。
  4. 下部が水底近傍に設けた取水用逆止弁に接続する取水管と連通すると共に、上部が水面に向って起立して延びる中空ピストン管を傾倒可能に設け、該中空ピストン管の上部外周にピストン部を形成し、該ピストン部の外周に、その上方にシリンダ室を区画するシリンダを上下摺動自在に嵌合し、該シリンダの上部に排水用逆止弁と、シリンダを上下動させるためのフロートを設けた波力ポンプであって、上記中空ピストン管の下方の水底にベースブロックを設け、このベースブロック上に一対の支持脚からなるサドルを設け、その一対の支持脚内に外軸を介してリング体をその外軸の水平軸回りに回動自在に設け、そのリング体の内周に、上記外軸と直交する位置で内軸を設け、そのリング体に上記中空ピストン管の下端を挿通すると共に、その中空ピストン管の下部外周に形成された軸受を上記内軸に回動可能に支持し、中空ピストン管を傾倒可能に支持すると共に、水面に向かって起立させて支持し、他方、上記一対の支持脚内でかつ中空ピストン管下方のベースブロック上に上記水中に設けた管を配置し、この管に屈曲可能な伸縮管の下端を接続すると共に、その屈曲可能な伸縮管の上端を、上記中空ピストン管の下部に接続して上記リング体の中心部でかつ、上記内軸で軸受を介して支持した中空ピストン管の内側に、上記屈曲可能な伸縮管を貫通させたことを特徴とする波力ポンプ。
  5. 下部が水中に設けた管と連通し、上部が水面に向かって起立して延びる中空ピストン管を傾倒可能に設け、該中空ピストン管の上部外周にピストン部を形成し、該ピストン部の外周に、その上方にシリンダ室を区画するシリンダを上下摺動自在に嵌合し、該シリンダに、そのシリンダを上下動させるためのフロートを設け、上記シリンダの上部に、シリンダ内に上記中空ピストン管を吊り上げるための索を挿通させる開閉可能なハッチを上下方向に貫通して形成した波力ポンプであって、上記中空ピストン管の下方の水底にベースブロックを設け、このベースブロック上に一対の支持脚からなるサドルを設け、その一対の支持脚内に外軸を介してリング体をその外軸の水平軸回りに回動自在に設け、そのリング体の内周に、上記外軸と直交する位置で内軸を設け、そのリング体に上記中空ピストン管の下端を挿通すると共に、その中空ピストン管の下部外周に形成された軸受を上記内軸に回動可能に支持し、中空ピストン管を傾倒可能に支持すると共に、水面に向かって起立させて支持し、他方、上記一対の支持脚内でかつ中空ピストン管下方のベースブロック上に上記水中に設けた管を配置し、この管に屈曲可能な伸縮管の下端を接続すると共に、その屈曲可能な伸縮管の上端を、上記中空ピストン管の下部に接続して上記リング体の中心部でかつ、上記内軸で軸受を介して支持した中空ピストン管の内側に、上記屈曲可能な伸縮管を貫通させたことを特徴とする波力ポンプ。
  6. 上記シリンダ室と上記ハッチとの間に上記シリンダ室内の水を上記ハッチ内へ流すための流路を形成すると共に、上記ハッチの上部に開閉可能な蓋を設け、上記ハッチの下部に自重で閉じる弁を設け、上記ハッチ内に水を充たすことにより上記弁に背圧をかけて締めるようにした請求項5に記載の波力ポンプ。
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