JP4127406B2 - 防水シートのジョイント部の平滑敷設工法及び平滑敷設構造に用いる溶接帯 - Google Patents

防水シートのジョイント部の平滑敷設工法及び平滑敷設構造に用いる溶接帯 Download PDF

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Description

本発明は、防水シートのジョイント部に段差の無い防水シートを敷設する防水シートのジョイント部の平滑敷設工法及び平滑敷設構造に用いる溶接帯に関するものである。
図1は、従来の工法で建築物の屋上に防水シートを敷設した防水シートのジョイント部の断面図である。この図において、1は屋上の下地コンクリートであって、この床面2に、厚みが約1.2mm〜2.5mm程度で1200mm幅の帯状の防水シート3が敷設してある。
しかし、従来の防水シートの敷設工法では、防水シート3と防水シートの幅継ぎや縦継ぎ部分4は図に示すように重ね継ぎである。このジョイント部は、熱や溶着剤で溶着している。この従来の重ね継ぎ工法は、防水シート3の敷設が比較的簡単に行え、施工コストの面でも有利であるために従来から広く行われてきた。
特開平11−172649号公報 特開平10−152948号公報 特開平10−081856号公報
しかし、最近の建築物の屋上の防水に対するニーズは多様化しており、住宅建物に20年〜50年の耐用年数が要求される時代となってきている。このため、建築物の耐用年数を延ばすことは、時代の趨勢である。最も傷み安い建築物の屋上の部分についても同様に耐久性が要求されるようになってきている。
一般的に建築物の屋上の防水シート3の耐用年数を短くする要因は、防水シート3に雨水が溜まることにより防水シートが劣化したり、又はジョイント部4から雨水が入って防水シートの溶着部分が剥がれてしまうという点である。
図2は屋上の一例の平面図を示しているが、パラペット5で囲まれた屋上の下地コンクリート面は、雨水が流れやすいように、この例ではルーフドレイン6、6の2方向に勾配が付けられている。この図2において矢印7は雨水の流れる方向を示している。
しかし、前記のような従来の防水工法で防水シートを重ね継ぎすると、ジョイント部4に段差ができるために、防水シートをどの向きに貼っても雨水がせき止められて図2のA部分に水が溜まるという問題点がある。
さらに、建築物の屋上は、コミュニティ広場として利用したり、老人ホームの屋外運動場やデパートやスーパーの憩いの広場として利用することがある。しかし、屋上に僅かでも段差があると老人や子供がつまずいて怪我をするおそれがある。また、雨水がいつまでもたまっていると、滑りやすいためにコミュニティ広場や屋外運動場としては使い難い。
なお、ビルの屋上をコミュニティ広場等として使用する場合に、既存のコンクリートの上に各種インターロッキングの軟質床材を接着剤で貼り付けたものも見受けられるが、このような軟質材を使用した場合、接着剤が雨水の影響を受けているため、10年の保証は不可能である。
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、防水シートの段差を無くし、防水シートの耐用年数を飛躍的に向上させる防水シートのジョイント部の平滑敷設工法及び平滑敷設構造に用いる溶接帯を提供することを目的としている。
本発明の防水シートのジョイント部の平滑敷設工法及び平滑敷設構造に用いる溶接帯は、防水シートを屋上の下地コンクリート上に敷設するための溶接帯であって、この溶接帯は、表面側か裏面側か、いずれかの面に偏って引っ張り力に強い素材でできた芯材がサンドイッチ構造に埋め込まれていることを特徴とする。
また、本発明の溶接帯は、溶接帯の端部が、芯材を残して研削されていることを特徴とする。
本発明の溶接帯は、前記構成によって、接合部の強度を高めることができ、容易に千切れることが無い。
本発明の溶接帯は、形状が、帯型、I型、H型、T型に形状されている。このような形状に形成することにより、種々の防水シートのジョイント部の形状に対応させることができる。
以上述べたように、本発明の溶接帯は、前記構成によって、接合部の強度を高めることができ、容易に千切れることが無い。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図3は、本発明の実施の形態の工法で防水シートを敷設した建築物の屋上の平面図を示している。この図1に示すように、パラペット10で囲まれた屋上の下地コンクリート床面の長手方向に、厚みが約1.2mm〜2.5mm程度、幅が1200mmで、正反の長さが25mの防水シート11が10列敷設されている。
この防水シート11の隣り合う防水シート11の幅継ぎの境界部分12や縦継ぎの境界部分13は、図1の従来の敷設工法のように接合部分が重ね継ぎ工法が用いられておらず、全く段差が無い。
図4は図3の部分拡大図である。この図4に示すように、防水シート11の境界部分12,13には溶接帯14が敷設され、防水シート11の境界部分12,13がこの溶接帯14に溶着している。溶着帯14は、後述するように帯型15、帯型より短いI型16、H型17、T型18等の色々な形状のものがあり、防水シート11の境界部分の形状に応じて対応させて形成されている。
図5は、図4のA−A線断面図である。この図5において、19は下地コンクリート、20は屋上の外周縁に立設したパラペットである。前記パラペット20の内周縁部に沿って、しかもパラペット20の内壁に当接させて外縁固定部材21が下地コンクリート19にビス等で固定して設けられている。この外縁固定部材21は防水シート11の外周縁部を溶着固定するために、設けられたものである。
下地コンクリート19の床面には、発泡ポリエチレン等で出来た下層保護シート22が敷設されており、この下層保護シート22の表面に同じく発泡ポリエチレン等で出来た上層保護シート23が敷設されている。さらに、下層保護シート22の表面には、上層保護シート23と同じ厚さの溶接帯14が設けられている。
前記のように、この溶接帯14は防水シート11の境界部分12,13に設けられている。
さらに、上層保護シート23の表面に、絶縁工法で防水シート11が全面に敷設されている。この防水シート11は、下地コンクリート19に固定されている防水シート固定部材24の表面に溶着剤か熱で溶着している。25はパラペット20の内周面に張り付けられた立ち上がりシートである。この立ち上がりシート25の下端部はL字形に折り曲げられ、先端部を溶接棒又は接着剤26で塞いでいる。
以下、本発明の防水シート敷設工法の詳細を図面を用いて説明する。
防水シート11や保護シート22、23を敷設する前に、下地コンクリート19の床面及びパラペット20の下地調整を行う。そこで、下地コンクリート19の床面やパラペット20の突起物、付着物を除去し、極端な凹凸の有る部分は平らに整える。また、汚れの状況に応じて高圧洗浄を行い、工事範囲内で清掃する。そして、清掃後、2〜3日間床面及びパラペット20を乾燥養生する。
なお、接着剤を用いて下層保護シート22を下地コンクリート19に接着する接着工法の場合は、完全に床面やパラペット20等を乾燥する必要があるが、本実施の形態のように防水シート固定部材24を用いる絶縁工法の場合は、完全に乾燥させる必要はなく、下地含水率が15%以下であればよい。
前記のようにして、下地調整が終了した後、屋上の床面の正確な寸法を採寸し、使用する防水シート11の規格を決定する。実際の建物の屋上の寸法は、千差万別で防水シート11の寸法規格も必ずしも統一されていない。例えば、図3の屋上の長い辺が25m、短い方の辺が11.5mと仮定し、防水シートの規格寸法が20mとすると、防水シート11は5m不足し、この5mの部分に25mの防水シートを敷設すると20mの端数が出る。このため、この端数の防水シートを経済的に、省資源的に有効に利用するとすれば、幅継ぎと丈継ぎを必ずしなければならなくなる。この点、本発明は後述の溶接帯を用いることにより、端数の防水シートも有効利用できる。
屋上の短い方の辺については、屋上の短い方の辺を11.5mと仮定し、幅が1200mmの防水シート11を用いるとすると、最低10幅分の防水シート11が必要となる。そして、10幅の防水シート11を用いる場合、そのまま敷設すると、1200mm×10=12000mm(12m)になるので、0.5m(12m−11.5m)余ることになるから、防水シート11を見栄え良く敷設するために、両サイドの防水シートを均等な0.25m(250mm)分だけ幅を狭くする。従って、両サイドの防水シートは950mm(1200mm−250mm)の幅に裁断したものを用い、両サイドを除いた8本の防水シートは1200mmをそのまま用いる。このように寸法が決定されれば、上層保護シート23と下層保護シート22と防水シート11を採寸して裁断する。
なお、防水シート11を見栄え良く敷設するために、両サイドの防水シート11を950mmの均等な幅に裁断すると述べたが、勿論この発明はかかる寸法に限定されるものではなく、余分な0.5mの幅を片方だけで調整してもよい。
前記のように下準備が出来た段階で、図6(a)(b)に示すように、外縁固定部材21をパラペット20の内周縁部に沿わせ、しかもパラペット20の内壁に当接させて下地コンクリート19に固定する。
なお、図6(b)は、図6(a)のB−B線断面図を示し、図9は、防水シート11及び上層保護シート23を敷設した外縁固定部材21の拡大断面図を示している。この外縁固定部材21は、階段状に形成された鋼板27の外表面に、例えば、塩化ビニル樹脂28を被覆した塩化ビニル被覆鋼板で出来ている。鋼板27の表面を被覆している塩化ビニル樹脂28は、長期間の間に鋼板27から剥離しないように鋼板27に貫通孔が形成され、この貫通孔に塩化ビニル樹脂28が充填され、この充填部29によって表面側と裏面側の塩化ビニル樹脂膜が剥離しないように接合している。
この外縁固定部材21の各段の高さ方向の寸法は、下層保護シート22、上層保護シート23の厚さ(約1.2mm〜2.5mm)と同じ寸法にしなければならない。この外縁固定部材21は、パラペット20に沿わせてステンレス製ビス30によりアンカープラグ(図示せず)を介して下地コンクリート19に強固に固定する。このときビス30の緩みを無くし、引き抜き強度を高めるため、プラグの中にエポキシ樹脂を注入する。
前記のようにして、外縁固定部材21を下地コンクリート19に強固に固定した後、床面全面に下層保護シート22を敷設する。下層保護シート22を敷設する時は、下層保護シート22の全面に皺や膨れが無いようにテープや接着剤で床面に貼り付ける。保護シート22と床面との間には石粒や異物が混入しないように注意する。下層保護シート22を貼り付けた状態は図6(b)のように、下層保護シート22の上面と外縁固定部材21の一段目の面とはフラットになっている。
床面全面に下層保護シート22を敷設し終わった段階で、防水シート11と防水シート11の境界部分12,13に相当する位置に溶接帯14の中央がくるように、下層保護シート22の表面に墨出しをする。その際、図3、4に示すように、ルーフドレイン31の位置に防水シート11の境界部分が来ないように墨出しの位置をずらす必要がある。ルーフドレイン31の位置に防水シート11の境界部分12,13が来ると、防水シート11の境界部分から雨水が染み込んで、防水シート11と上層保護シート23の間、又は上層保護シート23と下層保護シート22との間に雨水が溜まりシートの劣化や剥離の原因となる。さらに、防水シート固定部材24の設置位置が溶接帯14と重ならないように、寸法出しの際に位置をずらしておく。
次ぎに、図7に示すように、墨出した下層保護シート22の表面に、溶接帯14を接着剤で固定する。この溶接帯14は、防水シート11の境界部分に応じて、前記のように、帯型15、I型16、H型17、T型18等、防水シート11の境界部分の形状に応じた形のものを用意する。この溶接帯14は、一枚物の幅広シートからの切り抜きとし、工場生産もしくは現場加工とするが、この溶接帯は防水シート11の長期に亘る伸縮の影響に耐えられるように頑丈な素材を使用し、現場施工を入念に行う。
溶接帯14は、塩化ビニル樹脂、オレフィン系の樹脂、例えばポリエチレン(PE),ポリプロピレン(PP),エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)等を用いる。もちろん、溶接帯14はかかる材料に限定されないことは言うまでもない。
図10(a)(b)は、溶接帯14の接合部を示している。この溶接帯14には、表面側か裏面側か、いずれかの面に偏らせて芯材32がサンドイッチ構造に埋め込まれている。芯材32は溶接帯14の幅と同じ幅のシート材であって、ガラス繊維、不織布、金属繊維等でできている。この芯材32は溶接帯14を補強するためのもので、溶接帯14の引っ張り強度を上げることができる。
この溶接帯14の端部は、芯材32が削られないように、芯材から遠い側の面を後述の研削装置で削っている。この溶接帯14の接合部の強度を維持するため先端部まで芯材32を残していなければならず、そのために、新たに研削装置を開発した。従来、防水シート用としては溶接帯14も存在しなかった。
以下に前記溶接帯を研削するための研削装置に関して説明する。図13は研削装置の正面図、図14は平面図である。この研削装置は、基台35の一端部側にモータ36が設けられており、他端部側に研削装置の本体37を備えている。
研削装置本体37は、一対の側板39、40間にテーブル41、42が架け渡され、図15に示すようなスパイラル状の回転刃物38が、テーブル41、42間の隙間上部の位置に、側板39、40に軸支している。この回転刃物38の背面側の側板40から突出する部分にはプーリー43が取り付けられている。この回転刃物38のプーリー43と前記モータ36の回転軸に取り付けられたプーリー44とが例えばベルトやチェーン45によって連結し、回転刃物38がモータ36によって回転する。なお、モータ36は交流用でも直流用でもかまわない。
回転刃物38は、複数のスパイラル状の板状の刃48が周接している。この刃48は軸の軸方向に対して一定の角度で右又は左に捩れて切削又は溶接されている。この刃48には、捩れ刃48対して逆方向のスパイラル状の切欠き49が形成されている。この刃48の切欠き49は溶接帯14の表面を削る時に、刃48と溶接帯14との間の切削抵抗が大きくなりすぎて、溶接帯14を巻き込んだり、巻き上げたりしないように形成されたものである。切欠き49の寸法は、切欠き49の捩れ角度と回転刃物38の刃数の関係によって変わり、刃物38が一回転する間に一刃当りの切削する量が最も小さく出来るように設計している。即ち、一枚の刃が削り残した部分を次ぎの刃が削り、回転刃物38が一回転して連続した面に削るように捩れ角度と切欠き寸法を決めている。この割合で刃48に切欠き49を形成することにより、溶接帯表面の素材を0.2mmとか0.5mmとか薄く均一に削ることが可能となり、溶接帯14を巻き込む不都合は起こらない。
この回転刃物38の下部の対向する位置に、自由に回転する対向ローラ50が軸受板50aに軸支している。軸受板50aは側板39、40に設けられた左右一対の支持板50bに上下動可能に支持されている。この軸受板50aがスライダーハンドル51を回転することによって上下動すると共に、対向ローラ50も上下動して0mmから3mmの間で、回転刃物38との隙間を微妙に調節できる。この隙間を設定することによって溶接帯14の端部の厚みを所定量研削することができる。例えば、2.5mmの厚みの溶接帯の端部を研削する場合、回転刃物38と対向ローラ50との隙間を2mmに設定すれば溶接帯の端部を0.5mm研削できる。なお、軸受板50aをスライダーハンドル51で下降させる際に、ピン46に外嵌したスプリング47によって下方に強制的に下降させているが、軸受板50aが自重で下降するのであれば、ピン46やスプリング47は必要ではない。
対向ローラ50の上下動(接近、離間動)は、スライダーハンドル51を回転することによって行われる。即ち、スライダーハンドル51の先端部にはスライド板52をスライドさせるための機構、例えば、回転運動を直線運動に変える機構が設けられ、スライド板52が基台35の長手方向(図13の左右方向)にスライドすることにより、傾斜面53上に乗っている対向ローラ50を軸支する軸受板50aが傾斜面53に応じて上下動すると共に、対向ローラ50も上下動して回転刃物38に近接、離間する。なお、スライド板52の先端部にはU字形の長溝54が形成され、ピン55がこの長溝54に嵌り込んでスライド板52を安定的にスライドさせることができる。なお、スライド板52は側板39,40の両側に設けられているが、図14では省略している。スライダーハンドル51も図14では全く省略している。
上下に配置された回転刃物38と対向ローラ50を挟んで左右分離されたテーブル41、42が設けられているが、このテーブル41,42に回転刃物38と対向する位置に、左右一対の押圧ローラ56,57が軸支している。両押圧ローラ56、57は、上方からスプリング58,59により下方に付勢されている。
両押圧ローラ56、57のうち、外側の押圧ローラ56の下部には従動ローラ60が設けられ、シート材(溶接帯14)がスムースに引き抜けるように構成されている。この押圧ローラ56の一端にローラハンドル61が取り付けられ、このハンドル61を回転することにより、押圧ローラ56が回転し、シート材62を引き抜く方向(図13の右方向)に送ることができる。なお、押圧ローラ57は従動して回転する。
他方、内側の押圧ローラ57の下部には、従動ローラ60は設けられておらず、内側の押圧ローラ57は左側のテーブル42の上面に当接している。この内側の押圧ローラ57を付勢するスプリング59の力は、外側の押圧ローラ58を付勢するスプリング58の力より弱くして従動ローラ60を設けない分だけ、シート材62の引き抜きを容易にしている。
なお、スプリング58,59は側板39,40に固定されたアーム63,64の先端から下方に垂設したロッド65,66に外嵌し、ローラ56,57をテーブル41,42に押圧している。
押圧ローラ56、57のさらに両外側に、一対の回転軸67,68が軸支されている。この軸67,68の両端にクランクロッド69、70の一端が取り付けられ、クランクロッド69,70の他端は前記の押圧ローラ56,57の軸受部分に連結している。詳細な図示は省略しているがレバー71を操作することによって回転軸67を中心にしてクランクロッド69の先端が持ち上がることによって、スプリング58の付勢力に抗しながら押圧ローラ56を上方に持ち上げることができる。レバー71によって一方側の押圧ローラ56を上方に持ち上げると、他方の押圧ローラ57も連動して持ち上がるよに構成してもよいし、軸68の端部に別のレバー(図示せず)を取り付けてクランクロッド70により別々に押圧ローラ56、57を持ち上げてもよい。
以下に上記研削装置の使用状態を説明する。
まず、回転刃物38と対向ローラ50との間隔を予め開けておく。そして、レバー71を操作して押圧ローラ56、57を上方に持ち上げてシート材62を入れ込む。シート材62の削る面は、芯材32から遠い面側でなければならないから、芯材32から遠い面が回転刃物38側にくるようにしてシート材62を差し込む。その際に、回転刃物38の位置からシート材62の先の方が削られるので、シート材62を削る長さを予め定めておき、削る根元部分が回転刃物38の位置にくるようにする。
レバー71を戻して押圧ローラ56,57によってシート材62を挟み込んで固定する。次に、モータ36に通電して、プーリ43,44を回転し、回転刃物38を高速回転させる。そして、スライダーハンドル51を回転することによって、対向ローラ50を上昇させて回転刃物38にシート材62に押し当てながら、所定の厚みまで削る。
そして、ローラハンドル61をシート材62が引き抜かれる方向に回転させる。ローラハンドル61の回転に伴って回転刃物38の位置から先端までのシート材62の先端部分が削られる。このような研削装置によってシート材62が図10のように芯材32を残して片面だけが削られる。前記のように回転刃物38の構成によって、薄いシート材62を巻き込むことも無く所定の厚さだけ削ることができる。なお、前記のように回転刃物38は、種々の形状のものが考えられるので、シート材62の材質等に応じて選択する。
以上のようにして溶接帯14の端部を芯材32を残して研削する。そして、研削した溶接帯14の接合部では芯材32が完全に二重に重なるようにして、熱か溶着剤によって、溶接帯14を溶着して図10(b)に示すように端部を接合する。通常最も弱いとされる溶接帯14の接合部で、芯材32が完全に二重に重なった状態で溶着すると、溶接帯14がこの接合部分からちぎれるようなことがなくなり、非常に丈夫な接合部となる。この溶接帯14の接部分で芯材32が重ならなかったり、重なりが不十分だったりすると、この接合部に力が加わると溶接帯14の合成樹脂製の素材だけでは抗しきれずに、千切れてしまうおそれがある。
溶接帯14を下層保護シート上に溶着し終わった後に、図8(a)(b)に示すように上層保護シート23を溶接帯14と重ならないように下層保護シート22上に敷設する。この上層保護シート23の表面と溶接帯14の表面とはフラットな状態でなければならない。
さらに、図8(b)に示すように、上層保護シート23の外周縁部は、外縁固定部材21の第1段目を完全に覆わなければならず、しかも、上層保護シート23の表面と、外縁固定部材21の2段目の面とはフラットでなければならない。
即ち、上層保護シート23が溶接帯14や外縁固定部材21との間で段差ができると、防水シート11が完全にフラットではなくなる。
上層保護シート23を敷設し終わった段階で、防水シート固定部材24を設けるための設置穴33を上層保護シート23と下層保護シート22に貫通して開けなければならない。図11は、防水シート11を敷設した状態の防水シート固定部材24の周辺の拡大図である。この図11に示すように、上層保護シート23と下層保護シート22に跨って、後述する穴開け装置により設置穴33を開ける。そして、電動ドリル等で下地コンクリート19にビス孔を開けた後、図示していないがアンカープラグを固定し、防水シート固定部材24を設置穴33に嵌め込み、この固定部材24の中心孔にビス34を通して下地コンクリート19のアンカープラグにしっかりとねじ込んでシート固定部材を固定する。この防水シート固定部材24と、上層保護シート23及び下層保護シート22は、何ら接着や溶着はされていない。
図16は、上層保護シート23と下層保護シート22に設置穴33を開けるための穴空け装置の断面図である。この穴開け装置の構成は、ケーシング80内の中央部に、加熱ヒータ81が設けられ周りを断熱材(図示せず)で取り囲んでいる。
前記加熱ヒータ81の下部に、円筒形の加熱刃物82が配置されている。もちろん、この加熱刃物81の形状は特に限定は無いが、防水シート固定部材24の形状に応じてその形を決定する。図16に示すこの実施の形態の加熱刃物82は、円筒形状をした鉄や銅製の刃物である。加熱刃物は、上層保護シート23、下層保護シート22を溶融して設置穴33を開ける構成であればよく、必ずしも先端は鋭利である必要はない。
加熱刃物82は、セラミックのような断熱材によってケーシング80に固定されている。また、このケーシング80の内部には、コントロールボックス83が設けられ、この装置にはサーモスタット等が設けられ、温度設定をする摘み84が上部に取り付けられている。
ケーシング80の上部には、取手85が取り付けられており、設置穴33を開ける時に、穴空け装置を作業者が把持できるように構成されている。
上記穴開け装置を使用する時は、加熱ヒータ81に電気を通電して加熱すると、その熱が加熱刃物82に伝わって温度が上昇する。加熱刃物82の温度が上層保護シート23と下層保護シート22の融点以上になった時点で、サーモスタットが通電を遮断し、温度が下がれば通電して温度を一定に保っている。
予め上層保護シート23の墨打ちしておいた位置に、前記穴開け装置の加熱刃物を押し当てると、上層保護シート23と下層保護シート22に簡単に設置穴33を開けることができる。開けた穴に防水シート固定部材24を設置するのは前記の通りである。
防水シート固定部材24は、図12に示すように屋上の中央部よりも外周縁部に多く設けるのが好ましい。なぜなら、強風がパラペット10の上部を吹き抜けると、パラペット10の内周縁に負圧が生じ、屋上の中央部よりも外周縁部の防水シート11が巻き上がりやすくなるためである。例えば、外周縁部の防水シート固定部材24の密度を中央部の設置密度よりも1.5〜2倍多くするのが好ましい。
上記のようにして、上層保護シート23と下層保護シート22を敷設し終わった段階で、図3に示すように屋上の全面に予め裁断しておいた防水シート11を敷設する。防水シート11は、防水シート固定部材24と外縁固定部材21によって下地コンクリート19に固定する。防水シート11の固定は熱や溶着材によって固定部材及び外縁固定部材21に溶着する。さらに、隣り合う防水シート11の幅継ぎの境界部分12や縦継ぎの境界部分13は、溶接帯14に溶着する。
なお、防水シート11の表層を歩行時に滑らないように凹凸仕上げをすれば、屋上がコミュニティー広場や老人ホームの屋外運動場、デパートやスーパーの憩いの広場に最適な場所になる。なお、屋上をこのように人が頻繁に歩行するような防水シート施工工事の場合、保護シートは10倍発泡のポリエチレン樹脂シートを用い、人があまり通行しない場合は20、30発泡のポリエチレン樹脂シートを用いる。
最後にパラペット20の内周面に立ち上がりシート25を張り付けて下端部を溶接棒又は接着剤26で固定する。
本発明は防水シートが床材と防水を兼ねた低コストで安全な床工事を提供することができる。
図17は、パラペットの内周部の処理の他の実施の形態を示している。この実施の形態が前記実施の形態と相違する点は、外縁固定部材90、91が前記実施の形態と相違して点である。この実施の形態の外縁固定部材90、91は、階段状ではなく、保護シート22,23と同じ厚さの固定部材90、91を使用している点である。図示していないが、この固定部材90,91も塩ビ被覆鋼板を用いており、図9のように表面と裏面との樹脂が鋼板から剥離しないように表面と裏面が連通孔によって連通している。なお、この外縁固定部材も、ビスによって下地コンクリート19にしっかり固定されている。
この実施の形態の外縁固定部材90,91は、前記実施の形態の外縁固定部材21よりも構造が簡単で、低コストで製造することができる。
上記の実施の形態は、下層保護シート22を下地コンクリート19に敷設したが、本発明ではこの下層保護シート22は必ずしも無くてもよい。図18は、他の実施の形態の敷設工法を示したものである。この図18に示すように、パラペットの内周縁部に外縁固定部材92を設置し、この固定部材92は、前記の実施の形態で示したものと同様の板状の構成のもので、表面に例えば塩化ビニル加工が施された鋼板を使用しており、厚みは保護シート93と同じ厚さのものを使用する。
下地コンクリート19の防水シート94の境界部分に対応する位置に、溶接帯14を接着する。この溶接帯14も前記実施の形態で示したものと同様のものを使用する。
溶接帯14を設置し終わった段階で、溶接帯14を除く下地コンクリート19の表面に保護シート93を敷設する。この保護シート93は下地コンクリート19に全面に接着する必要はなく、適所を接着すればよい。
保護シート93を敷設し終わった段階で、この保護シート93に前記実施の形態で説明した穴空け装置を用いて設置穴を開ける。保護シート93の所定の箇所に防水シート固定部材24を設置する穴を開けた後、防水シート固定部材24を嵌め込んで、ビス等で固定する。
上記のようにして、保護シート93が敷設し終わった段階で、防水シート94を保護シート94の上に敷設する。防水シート94の外周縁は外縁固定部材92で固定し、防水シート固定部材24で防水シート94の全体を固定する。防水シート94を固定部材24に溶着する点は前記の通りである。防水シート94の境界部分は溶接帯14に溶着する。
図示していないが、パラペット20の内周面に立ち上がりシートを張り付けて下端部を溶接棒又は接着剤で固定する。
以上のような敷設工法であれば、下層保護シートがいらなくなるので、コストも施工時間も大幅に短縮できる。
従来の防水シートの敷設工法の断面図である。 屋上の雨水の流れを説明する平面図である。 本発明の実施の形態の屋上の平面図である。 図3の部分拡大図である。 図4のA−A線断面である。 (a)は、本発明の実施の形態の施工の工程図、(b)は(a)のB−B線断面である。 (a)は、本発明の実施の形態の施工の工程図、(b)は(a)のC−C線断面である。 (a)は、本発明の実施の形態の施工の工程図、(b)は(a)のD−D線断面である。 本発明の実施の形態のパラペットの部分拡大図である。 本発明の実施の形態の溶接帯の接合部の説明図である。 本発明の実施の形態の防水シート固定部材の断面図である。 本発明の実施の形態の防水シート固定部材配置を示した平面図である。 本発明の実施の形態の研削装置の正面図である。 本発明の実施の形態の研削装置の平面図である。 本発明の実施の形態の回転刃物の斜視図である。 本発明の実施の形態の穴開け装置の断面図である。 本発明の他の実施の形態のパラペットの部分拡大図である。 本発明の他の実施の形態のパラペットの部分拡大図である。
符号の説明
11 防水シート
12 境界部分
13 境界部分
14 溶接帯
19 下地コンクリート
21 外縁固定部材
22 下層保護シート
23 上層保護シート
24 防水シート固定部材
32 芯材
33 設置穴
36 電動モータ
38 回転刃物
48 刃
49 切欠き
50 対向ローラ
56 押圧ローラ
62 シート材
80 ケーシング
81 加熱ヒータ
82 加熱刃物

Claims (3)

  1. 防水シートを屋上に敷設するための溶接帯であって、この溶接帯は、表面側か裏面側か、いずれかの面に偏って引っ張り力に強い素材でできた芯材がサンドイッチ構造に埋め込まれていることを、特徴とする防水シートのジョイント部の平滑敷設工法及び平滑敷設構造に用いる溶接帯。
  2. 溶接帯の端部が、芯材を残して研削されていることを特徴とする請求項1に記載の防水シートのジョイント部の平滑敷設工法及び平滑敷設構造に用いる溶接帯。
  3. 溶接帯の形状が、帯型、I型、H型、T型に形状された請求項1又は2に記載の防水シートのジョイント部の平滑敷設工法及び平滑敷設構造に用いる溶接帯。
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