JP4126923B2 - 電磁駆動弁の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の吸気弁又は排気弁として機能する弁体を気体ばねによって付勢するタイプの電磁駆動弁に採用して好適な電磁駆動弁の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の電磁駆動弁は一般に、気体ばねの雰囲気温度等の変化によって圧力室内のガス圧が変化する。すなわち、気体ばねの雰囲気温度が変化すると圧力室の温度も変化し、この圧力室の温度変化によって圧力室内のガス圧が変化する。そして、このように圧力室内のガス圧が変化するようなことがあると、気体ばねの弾性力が変化し、ひいては弁体、すなわち吸排気弁の開閉駆動に影響を及ぼすようになる。
【0003】
そこで従来は、例えば特開平11−93630号公報に見られるように、上記圧力室内の圧力を検出する圧力センサを設け、この圧力センサの出力に基づいて同圧力室に供給する圧縮空気量を制御するようにしたものなども提案されている。すなわちこの装置では、圧縮空気を蓄えるためのリザーバタンクを備え、このリザーバタンクに蓄えられる圧縮空気を、上記圧力センサの出力に基づき開度制御される制御弁を介して空気ばねの圧力室に供給するようにしている。これにより、圧力室内のガス圧が変化する場合であれ、これを所望とする適切な圧力に調圧、維持することができ、ひいては、気体ばねとしての弾性力も、常に適切な値に維持することができるようになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の電磁駆動弁の制御装置によるように、気体ばねを構成する圧力室に圧力センサを設け、その出力に基づいて圧力室に供給する圧縮空気量を制御することで、圧力室内の圧力は確かに適切に維持されるようにはなる。ただし、圧力センサは一般に高価であり、また、内燃機関には多数の吸排気弁が設けられていることから、同従来の装置では、コスト的な不利が無視できないものとなっている。また、圧力センサは通常、その雰囲気温度の影響を受けやすいため、実用上は圧力センサの出力に対して温度補正が必要となる等、その検出値を補償するための処理も煩雑なものとなる。
【0005】
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電磁駆動弁に設けられる気体ばねについて、その圧力室内の圧力を検出するための圧力センサを用いずとも、同気体ばねとしての適切な特性、ひいては電磁駆動弁としての適切な特性を維持することのできる電磁駆動弁を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、電磁石と、気体ばねとを備え、前記電磁石の電磁力と前記気体ばねの付勢力とによって内燃機関の吸気弁又は排気弁として機能する弁体を駆動する電磁駆動弁を制御する装置であって、前記気体ばねを構成する圧力室内の気体の温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段により検出される温度に基づき前記圧力室内のガス圧を把握し、前記気体ばねの付勢力を適切な値とすべく前記把握されたガス圧に基づいて前記圧力室内のガス圧を制御する制御手段とを備えることをその要旨とする。
【0007】
略密閉された空間等、所定の容積を有する空間内のガス圧は、同空間内の気体の温度に基づいて求めることができる。
この点、上記構成では、気体ばねの圧力室内の気体の温度を検出する温度検出手段を備えることで、圧力室内の圧力を把握することができる。このため、検出された温度に基づき圧力室内の圧力を把握しつつ、気体ばねの付勢力を適切な値とすべく把握されたガス圧に基づいて圧力室内のガス圧を所望に調圧することで、気体ばねの弾性力を適切な値に調整することができる。したがって、上記構成によれば、圧力センサを用いない場合であれ、電磁駆動弁としての適切な特性を維持することができるようになる。
【0008】
なお、ここで温度検出手段は、気体の温度を直接検出する手段に限らず、内燃機関や車両の所定箇所の温度を検出する手段の検出結果に基づいて気体の温度を検出(推定)するものでもよい。この検出(推定)に際して、更に機関運転状態を加味してもよい。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記制御手段は、前記圧力室へ供給される気体の圧力及び前記圧力室から排出される気体の圧力の少なくとも一方を制御するものであることをその要旨とする。
【0010】
圧力室内のガス圧は、圧力室に供給される気体の圧力や圧力室から排出される気体の圧力によって調圧することができる。
この点、上記構成によれば、圧力室へ供給される気体の圧力及び圧力室から排出される気体の圧力の少なくとも一方を制御することで、圧力室内のガス圧を所望に調圧することができる。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記制御手段は、前記圧力室へ供給される気体の流量及び前記圧力室から排出される気体の流量の少なくとも一方を制御するものであることをその要旨とする。
【0012】
圧力室内のガス圧は、圧力室に供給される気体の流量や圧力室から排出される気体の流量によって調圧することができる。
この点、上記構成によれば、圧力室へ供給される気体の流量及び圧力室から排出される気体の流量の少なくとも一方を制御することで、圧力室内のガス圧を所望に調圧することができる。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記制御手段は、前記圧力室内の気体の温度を制御するものであることをその要旨とする。
圧力室内のガス圧は、同圧力室内の気体の温度によって変化する。
【0014】
この点、上記構成によれば、圧力室内の気体の温度を制御することで、圧力室内のガス圧を所望に調圧することができる。
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記制御手段は、前記圧力室へ供給される気体の圧力及び前記圧力室から排出される気体の圧力の少なくとも一方を制御する圧力制御手段と、前記圧力室へ供給される気体の流量及び前記圧力室から排出される気体の流量の少なくとも一方を制御する流量制御手段と、前記圧力室内の気体の温度を制御する温度制御手段との少なくとも1つを備えて構成されることをその要旨とする。
【0015】
圧力室内のガス圧は、圧力室に供給される気体の圧力や流量、圧力室から排出される気体の圧力や流量によって調圧することができる。また、圧力室内のガス圧は、同圧力室内の気体の温度によって変化する。
【0016】
この点、上記構成によれば、圧力制御手段と、流量制御手段と、温度制御手段との少なくとも1つによって、圧力室内のガス圧を所望に調圧することができる。
【0017】
請求項6記載の発明は、請求項4又は5記載の発明において、前記制御手段は、前記気体ばねの近傍に空気配管を備え、前記圧力室内の気体の温度制御に際し、該空気配管に空気を流通させることで前記気体の温度を調温することをその要旨とする。
【0018】
上記構成では、空気配管を備えてこれに適宜の空気を流通させることで、気体の温度を調温することができる。
なお、例えば内燃機関の搭載される車両の移動に伴い当該車両に流入する空気を空気配管に流通させることで、圧力室内の気体を冷却させることができる。一方、例えば排気ガス等の暖気を空気配管に流通させることで、圧力室内の気体の温度を上昇させることができる。そして、内燃機関の搭載される車両の移動に伴い当該車両に流入する空気と排気ガス等の暖気とのいずれかを空気配管に流通させるよう切り替え可能とするなら、気体の温度を所望の温度に適切に調整することができる。
【0019】
請求項7記載の発明は、請求項4又は5記載の発明において、前記制御手段は、前記気体ばね近傍に冷却水配管を備え、前記圧力室内の気体の温度制御に際し、前記冷却水配管に冷却水を流通させることで前記気体の温度を調温することをその要旨とする。
【0020】
上記構成によれば、冷却水配管を備えてこれに冷却水を流通させることで気体の温度を調温することができる。
なお、ここで「冷却水」とは、必ずしも気体を冷却するために用いられるものに限らず、同気体を暖めるために用いられるものでもよい。
【0021】
また、この冷却水としては、気体を冷却するための冷却用と同気体を暖めるための暖機用との2つを備えるようにしてもよい。
請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の発明において、前記温度検出手段により検出された温度に基づき前記電磁石への通電量を制御する通電量制御手段を更に備えることをその要旨とする。
【0022】
上記構成によれば、検出された温度に基づき圧力室内の圧力を把握しつつ、電磁石への通電量を制御することで、電磁駆動弁を適切に駆動することができる。すなわち、上記把握された圧力に基づいて電磁石への通電量を制御することで電磁力を調整することができ、ひいては、この電磁力の調整によって圧力室内の圧力変化を補償することができる。しかも、上記制御手段と併用することで、電磁駆動弁としての適切な特性を維持すべく行う制御の自由度を増加させることもできる。
【0023】
請求項9記載の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の発明において、前記気体ばねは、前記弁体を開弁方向に付勢する開弁用気体ばねと同弁体を閉弁方向に付勢する閉弁用気体ばねとの一対の気体ばねからなり、前記温度検出手段は、前記一対の気体ばねの各圧力室内の気体の温度を各別に検出するものであり、前記制御手段は、前記温度検出手段によって検出される前記一対の気体ばねの各圧力室内の気体の温度に基づいて、それら圧力室内のガス圧を各別に制御することをその要旨とする。
【0024】
上記構成では、開弁用気体ばねと閉弁用気体ばねとを備えているために、これら両気体ばねの圧力室内の気体の温度が互いに異なることがある。このように、両気体ばねの圧力室内の気体の温度が互いに異なると、それぞれの弾性力が互いに異なることとなり、弁体を適切に駆動するうえで支障をきたす懸念がある。
【0025】
この点、上記構成では、開弁用気体ばねの圧力室内の気体と閉弁用気体ばねの圧力室内の気体とのそれぞれの温度を各別に検出することで、これら一対の気体ばねの圧力室内の圧力を各別に把握することができる。そして、一対の気体ばねの圧力室内の圧力を各別に把握しつつ、両気体ばねの圧力室内のガス圧をそれぞれ所望に調圧することができるようになる。
【0026】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の発明において、前記温度検出手段によって検出される前記一対の気体ばねの各圧力室内の気体の温度に基づき前記電磁石への通電量を制御する通電量制御手段を更に備えることをその要旨とする。
【0027】
上記構成によれば、検出される一対の気体ばねの各圧力室内の気体の温度に基づき各圧力室内の圧力を把握しつつ、電磁石への通電量を制御することで、電磁駆動弁を適切に駆動することができる。すなわち、上記把握された圧力に基づいて電磁石への通電量を制御することで電磁力を調整することができ、ひいては、この電磁力の調整によって一対の気体ばねの圧力室内の圧力バラツキを補償することができる。しかも、上記制御手段と併用することで、電磁駆動弁としての適切な特性を維持すべく行う制御の自由度を増加させることもできる。
【0028】
請求項11記載の発明は、電磁石と、気体ばねとを備え、前記電磁石の電磁力と前記気体ばねの付勢力とによって内燃機関の吸気弁又は排気弁として機能する弁体を駆動する電磁駆動弁を制御する装置であって、前記気体ばねを構成する圧力室内の気体の温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段により検出される温度に基づき前記圧力室内のガス圧を把握し、前記気体ばねの付勢力を適切な値とすべく前記把握されたガス圧に基づいて前記電磁石への通電量を制御する制御手段とを備えることをその要旨とする。
【0029】
略密閉された空間等、所定の容積を有する空間内のガス圧は、同空間内の気体の温度に基づいて求めることができる。
この点、上記構成では、気体ばねの圧力室内の気体の温度を検出する温度検出手段を備えることで、圧力室内の圧力を把握することができる。このため、検出された温度に基づき圧力室内の圧力を把握しつつ、気体ばねの付勢力を適切な値とすべく把握されたガス圧に基づいて電磁石への通電量を制御することで、電磁駆動弁を適切に駆動することができる。すなわち、上記把握された圧力に基づいて電磁石への通電量を制御することで電磁力を調整することができ、ひいては、この電磁力の調整によって圧力室内の圧力変化を補償することができる。
【0030】
なお、ここで温度検出手段は、気体の温度を直接検出する手段に限らず、内燃機関や車両の所定箇所の温度を検出する手段の検出結果に基づいて気体の温度を検出(推定)するものでもよい。この検出(推定)に際して、更に機関運転状態を加味してもよい。
【0031】
請求項12記載の発明は、請求項11記載の発明において、前記気体ばねは、前記弁体を開弁方向に付勢する開弁用気体ばねと同弁体を閉弁方向に付勢する閉弁用気体ばねの一対の気体ばねとからなり、前記温度検出手段は、前記一対の気体ばねの各圧力室内の気体の温度を各別に検出するものであり、前記制御手段は、前記温度検出手段によって検出される前記一対の気体ばねの各圧力室内の気体の温度に基づいて、前記電磁石への通電量を制御することをその要旨とする。
【0032】
上記構成では、開弁用気体ばねと閉弁用気体ばねとを備えているために、これら両気体ばねの圧力室内の気体の温度が互いに異なることがある。このように、両気体ばねの圧力室内の気体の温度が互いに異なると、それぞれの弾性力が互いに異なることなり、弁体を適切に駆動するうえで支障をきたす懸念がある。
【0033】
この点、上記構成では、開弁用気体ばねの圧力室内の気体と閉弁用気体ばねの圧力室内の気体とのそれぞれの温度を各別に検出することで、これら一対の気体ばねの圧力室内の圧力を各別に把握することができる。そして、一対の気体ばねの圧力室内の圧力を各別に把握しつつ、電磁石への通電制御を行うことで電磁力を調整することができ、ひいては、この電磁力の調整によって一対の気体ばねの圧力室内の圧力バラツキを補償することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる電磁駆動弁の制御装置の第1の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0035】
本実施形態にかかる電磁駆動弁は、アーマチャに電磁力を作用させることで、内燃機関の吸気弁又は排気弁として機能する弁体を開弁方向及び閉弁方向に付勢する一対の電磁石を備えている。また、上記弁体を開弁方向及び閉弁方向に付勢する一対の気体ばねとして圧力室内の圧縮空気を弾性体とする一対の空気ばねを備えている。そして、これら一対の電磁石によってアーマチャに作用する電磁力と一対の空気ばねの付勢力との協働によって、弁体を開閉駆動する。
【0036】
図1に、この電磁駆動弁の構成を示す。同図1に示すように、弁体1には、内燃機関のシリンダヘッド10において往復動可能に支持された弁軸2を備えている。
【0037】
上記弁体1は、シリンダヘッド10に形成された円柱状の凹部11に収納された上記一対の空気ばねとしての閉弁用空気ばね20及び開弁用空気ばね30によって、開弁方向及び閉弁方向に付勢される。
【0038】
ここで、閉弁用空気ばね20については、上記凹部11の内周面とその外周面とを対向させてシリンダ21が配置されている。そして、このシリンダ21には、上記弁軸2の上記弁体1と対向する端部に連結されたピストン22が収容されている。詳しくは、このピストン22は円環状の部材であり、上記弁軸2がこのピストン22の中心を貫通するかたちで連結されている。そして、これらシリンダ21及びピストン22によって空間23が区画形成されている。この空間23は、シリンダ21に形成された連通孔24、25を介してシリンダヘッド10内に形成されている供給通路26、排出通路27とそれぞれつながっている。
【0039】
上記閉弁用空気ばね20は、これらピストン22、シリンダ21、連通孔24、25、供給通路26、排出通路27を備えて構成されている。また、ピストン22及びシリンダ21によって区画される空間23と、連通孔24、25及び供給通路26及び排出通路27によって区画される空間とによって閉弁用空気ばね20の圧力室が形成される。
【0040】
更に、凹部11には、閉弁用空気ばね20に対向して開弁用空気ばね30が収納されている。この開弁用空気ばね30については、上記凹部11の内周面とその外周面とが対向するようにシリンダ31が配置されている。そして、このシリンダ31には、上記電磁石の電磁力の作用するアーマチャの軸であるアーマチャ軸50と連結されたピストン32が収納されている。詳しくは、このピストン32は円環状の部材であり、上記アーマチャ軸50がこのピストン32の中心を貫通するかたちで連結されている。そして、これらシリンダ31及びピストン32によって空間33が区画形成されている。この空間33は、シリンダ31に形成された連通孔34、35を介してシリンダヘッド10内に形成されている供給通路36、排出通路37とそれぞれつながっている。
【0041】
上記開弁用空気ばね30は、これらピストン32、シリンダ31、連通孔34、35、供給通路36、排出通路37を備えて構成されている。また、ピストン32及びシリンダ31によって区画される空間33と、連通孔34、35及び供給通路36及び排出通路37によって区画される空間とによって開弁用空気ばね30の圧力室が形成される。
【0042】
更に、上記アーマチャ軸50のうち、上記ピストン32と対向する端部には、高透磁性材料からなる円環状の部材であるアーマチャ51が連結されている。そして、このアーマチャ51を挟んで、その両側には、上記一対の電磁石として開弁用電磁コア52及び閉弁用電磁コア53が備えられている。なお、これら開弁用電磁コア52及び閉弁用電磁コア53は、シリンダヘッド10に取り付けられた電磁コアアッシー54によって覆われている。
【0043】
ここで、閉弁用電磁コア53は、アーマチャ51に対し上記ピストン32と対向する側に配置されている。そして、この閉弁用電磁コア53の電磁力がアーマチャ51に作用することで、同アーマチャ51が閉弁用電磁コア53に引き付けられる。これにより、開弁用空気ばね30によってアーマチャ軸50を開弁方向へ付勢しようとする力を打ち消すことができる。
【0044】
一方、開弁用電磁コア52は、アーマチャ51に対し上記ピストン32の配置される側に配置されている。そして、この開弁用電磁コア52の電磁力がアーマチャ51に作用することで、同アーマチャ51が開弁用電磁コア52に引き付けられる。これにより、アーマチャ軸50は、弁体1の開弁方向へ付勢力を付与される。
【0045】
上記弁軸2がピストン22から突き出した端部と、アーマチャ軸50がピストン32から突き出した端部とは互いに対向して配置されている。換言すれば、弁軸2とアーマチャ軸50とは、同軸上に配置されている。これにより、弁軸2及びアーマチャ軸50は、動力(付勢力)の伝達を行うタペットとして機能する。そして、これにより上記閉弁用空気ばね20及び開弁用空気ばね30の付勢力(弾性力)、並びに開弁用電磁コア52及び閉弁用電磁コア53の電磁力の協働により弁体1を開閉駆動する。
【0046】
すなわち、弁体1の開弁時には、外部からの電流制御によって開弁用電磁コア52に電磁力を生じさせる。これにより、アーマチャ51が開弁用電磁コア52に吸引される。このため、このアーマチャ51に作用する電磁力と開弁用空気ばね30の弾性力によってアーマチャ軸50が閉弁用空気ばね20のピストン22方向に付勢される。そして、このアーマチャ軸50に付与された付勢力は、弁軸2を介して弁体1に伝達される。これにより、弁体1が開弁方向に変位する。
【0047】
一方、弁体1の閉弁時には、外部からの電流制御によって閉弁用電磁コア53に電磁力を生じさせる。これにより、アーマチャ51が閉弁用電磁コア53に吸引される。このため、このアーマチャ51に作用する電磁力と、弁軸2を介してアーマチャ軸50を閉弁用電磁コア53側に付勢する閉弁用空気ばね20の弾性力とによって、アーマチャ軸50が変位する。これに伴い、弁体1は、弁軸2を介した閉弁用空気ばね20の付勢力によって閉弁用電磁コア53方向に変位する。
【0048】
次に、閉弁用空気ばね20及び開弁用空気ばね30の弾性力を適切な値とすべく行われるこれら一対の空気ばねの圧力室内に収容される圧縮空気の圧力制御態様について説明する。
【0049】
本実施形態では、上記閉弁用空気ばね20の圧力室内に収容される圧縮空気の圧力を制御すべく、上記供給通路26へ供給される空気の圧力を制御する圧力コントローラ42と、上記排出通路27から大気へ排出される空気の圧力を制御する圧力コントローラ43とを備えている。ここで、供給通路26は、圧力コントローラ42を介してリザーバタンク40と連結されている。このリザーバタンク40は、エアポンプ41によって圧縮された空気を備蓄するタンクである。このリザーバタンク40には、同リザーバタンク40内の圧力と大気圧との差圧を一定とするためのレギュレータが備えられており、これにより、リザーバタンク40内の圧力が略一定となっている。
【0050】
一方、開弁用空気ばね30の圧力室内に収容される圧縮空気の圧力を制御すべく、上記供給通路36へ供給される空気の圧力を制御する圧力コントローラ44と、上記排出通路37から大気へ排出される空気の圧力を制御する圧力コントローラ45とを備えている。ここで、供給通路36は、圧力コントローラ44を介して上記リザーバタンク40と連結されている。
【0051】
上記圧力コントローラ42、44は、例えばリザーバタンク40内圧に対し所定の差圧を有する圧力の気体を出力するプレッシャレギュレータと、この出力された気体の圧力が供給通路36内圧よりも所定値以上高くなると開弁する逆止弁とを備えて構成することができる。こうした構成において、プレッシャレギュレータによって出力される気体の圧力とリザーバタンク40内圧との差圧を可変設定するなら、圧力室に供給される圧縮空気の圧力を可変制御することができる。
【0052】
更に、本実施形態では、上記一対の空気ばねの圧力室内の圧縮空気の温度を検出する空気温度センサ60と、この検出された温度に基づいて上記圧力コントローラ42、43、44、45を制御する圧力制御部61とを備えている。
【0053】
ここで、空気温度センサ60は、例えば閉弁用空気ばね20の圧力室及び開弁用空気ばね30の圧力室の近傍に設けたり、また例えば供給通路26のシリンダ21近傍や供給通路36のシリンダ31近傍に設けたりすればよい。
【0054】
このように、空気温度センサ60を用いて閉弁用空気ばね20の圧力室の圧縮空気や開弁用空気ばね30の圧力室の圧縮空気の温度を検出することで、同圧力室内の圧力を把握することができる。そして、圧力室内の圧力を把握しつつ、圧力コントローラ42、43、44、45を制御することで、圧力室内のガス圧を所望に調圧することができ、ひいては、空気ばねの弾性力を適切な値に調整することができる。
【0055】
なお、ここで「圧力室内のガス圧」とは、空気ばねの弾性力を決定する圧縮空気の圧力のことである。これは、ピストン22、32の変位量が所定量のときの圧縮空気の圧力として定義してもよく、また同ピストン22、32の変位に伴う圧縮空気の圧力変化態様として定義してもよい。
【0056】
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)空気温度センサ60を用いて閉弁用空気ばね20の圧力室や開弁用空気ばね30の圧力室の温度を検出し、これに基づいて、圧力コントローラ42、43、44、45を制御した。これにより、圧力センサを用いることなく、圧力室内のガス圧を所望に調圧することができる。
【0057】
(第2の実施形態)
以下、本発明にかかる電磁駆動弁の制御装置の第2の実施形態について、上記第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0058】
上記第1の実施形態では、一対の空気ばねの弾性力を適切な値とすべく、これら一対の空気ばねの圧力室に供給される圧縮空気や同圧力室から排出される圧縮空気の圧力を制御した。これに対し本実施形態では、上記一対の空気ばねの圧力室に供給される圧縮空気や同圧力室から排出される圧縮空気の流量を制御する。
【0059】
詳しくは本実施形態では、図2に示すように、上記閉弁用空気ばね20の圧力室内に収容される圧縮空気の流量を制御すべく、上記供給通路26へ供給される空気の流量を制御する流量コントローラ46と、上記排出通路27から大気へ排出される空気の流量を制御する流量コントローラ47とを備えている。ここで、供給通路26は、流量コントローラ46を介してリザーバタンク40と連結されている。
【0060】
また、上記開弁用空気ばね30の圧力室内に収容される圧縮空気の流量を制御すべく、上記供給通路36へ供給される空気の流量を制御する流量コントローラ48と、上記排出通路37から大気へ排出される空気の流量を制御する流量コントローラ49とを備えている。ここで、供給通路36は、流量コントローラ48を介してリザーバタンク40と連結されている。
【0061】
更に、本実施形態では、上記空気温度センサ60によって検出された温度に基づいて流量コントローラ46〜49を制御する流量制御部62を備えている。
このように、空気温度センサ60を用いて閉弁用空気ばね20の圧力室の圧縮空気や開弁用空気ばね30の圧力室の圧縮空気の温度を検出することで、同圧力室内の圧力を把握することができる。そして、圧力室内の圧力を把握しつつ、流量コントローラ46〜49を制御することで、圧力室内のガス圧を所望に調圧することができ、ひいては、空気ばねの弾性力を適切な値に調整することができる。
【0062】
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(2)空気温度センサ60を用いて閉弁用空気ばね20の圧力室や開弁用空気ばね30の圧力室の温度を検出し、これに基づいて、流量コントローラ46〜49を制御した。これにより、圧力センサを用いることなく、圧力室内のガス圧を所望に調圧することができる。
【0063】
(第3の実施形態)
以下、本発明にかかる電磁駆動弁の制御装置の第3の実施形態について、上記第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0064】
上記第1の実施形態では、一対の空気ばねの弾性力を適切な値とすべく、これら一対の空気ばねの圧力室に供給される圧縮空気や同圧力室から排出される圧縮空気の圧力を制御した。これに対し本実施形態では、上記一対の空気ばねの圧力室に収容される圧縮空気の温度を制御する。
【0065】
図3に、本実施形態にかかる電磁駆動弁の制御装置の構成を示す。図3(a)に示すように、シリンダヘッド10のうち上記空気ばね20、30の付近には空気配管70が設けられている。この空気配管70は、上記空気ばね20、30のシリンダ31の周りを囲うようにして形成されている。なお、ここでは空気配管70が開弁用空気ばね30の周りを覆っていることのみが開示されているが、この空気配管70は閉弁用空気ばね20の周りをも同様に覆っている。
【0066】
この空気配管70には、圧力室内の圧縮空気を冷却させるべく、図3(b)に示すように、内燃機関の搭載される車両の移動に伴い当該車両に流入する空気を流通させる。また、この空気配管70には、圧力室内の圧縮空気の温度を上昇させるべく、空気配管に排気ガスを流入させる。ここで、排気ガスについては、排気通路14及び触媒コンバータ12を通過したものが暖機通路13を介して空気配管70に取り込まれる。そして、内燃機関の搭載される車両の移動に伴い当該車両に流入する空気と排気ガスとのいずれかを空気配管70に流通させるよう切り替え可能とすべく、三方弁71を備える。
【0067】
更に、本実施形態では、この三方弁71を、上記空気温度センサ60によって検出された温度に基づいて制御する温度制御部63を備えている。これにより、一対の空気ばねの圧力室内の圧縮空気の温度を上昇させる際には、三方弁71において暖機通路13側を選択する。一方、一対の空気ばねの圧力室内の圧縮空気を冷却する際には、図3(b)に示すように車両の移動に伴いこれに流入する空気を空気配管70に取り込むべく、三方弁71を切り替える。
【0068】
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(3)空気温度センサ60を用いて閉弁用空気ばね20の圧力室や開弁用空気ばね30の圧力室の温度を検出し、これに基づいて三方弁71を制御した。これにより、圧力室内の圧縮空気の温度を制御することができ、ひいては、圧力センサを用いることなく、圧力室内のガス圧を所望に調圧することができる。
【0069】
(第4の実施形態)
以下、本発明にかかる電磁駆動弁の制御装置の第4の実施形態について、上記第3の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0070】
上記第3の実施形態では、一対の空気ばねの圧力室内の圧縮空気の温度を制御すべく、同圧縮空気の温度を上昇又は下降させるために空気を用いた。これに対し、本実施形態では、上記圧縮空気の温度を上昇又は下降させるために冷却水を用いる。
【0071】
図4に、本実施形態にかかる電磁駆動弁の制御装置の構成を示す。図4に示すように、シリンダヘッド10のうち上記空気ばね20、30の付近には冷却水配管73が設けられている。この冷却水配管73は、上記空気ばね20、30のシリンダ31の周りを囲うようにして形成されている。なお、ここでは冷却水配管73が開弁用空気ばね30の周りを覆っていることのみが開示されているが、この冷却水配管73は閉弁用空気ばね20の周りをも同様に覆っている。
【0072】
この冷却水配管73には、ラジエータ75を介して冷却された冷却水が冷却通路76から供給され、また、シリンダブロックからの冷却水が暖機通路78から供給されるようになっている。ここで、暖機通路78内の冷却水は、シリンダブロック内を流通することで暖められている。したがって、暖機通路78内の冷却水の温度は、冷却通路76内の冷却水の温度よりも高くなる。
【0073】
また、これら冷却通路76及び暖機通路78のいずれかを冷却水配管73と連結させるべく、三方弁79が備えられている。そして、ウォータポンプ74の作動に伴い冷却通路76及び暖機通路78のいずれかの冷却水を冷却水配管73に流入させる。
【0074】
更に、本実施形態では、上記三方弁79やウォータポンプ74を、上記空気温度センサ60によって検出された温度に基づいて制御する温度制御部72を備えている。これにより、一対の空気ばねの圧力室内の圧縮空気を冷却する際には、ウォータポンプ74を作動させつつ三方弁79において冷却通路76を選択する。一方、一対の空気ばねの圧力室内の圧縮空気の温度を上昇させる際には、ウォータポンプ74を作動させつつ三方弁79において暖機通路78側を選択する。
【0075】
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(4)空気温度センサ60を用いて閉弁用空気ばね20の圧力室や開弁用空気ばね30の圧力室の温度を検出し、これに基づいて三方弁79やウォータポンプ74を制御した。これにより、圧力室内の圧縮空気の温度を制御することができ、ひいては、圧力センサを用いることなく、圧力室内のガス圧を所望に調圧することができる。
【0076】
(第5の実施形態)
以下、本発明にかかる電磁駆動弁の制御装置の第5の実施形態について、上記第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0077】
上記第1の実施形態では、一対の空気ばねの弾性力を適切な値とすべく、これら一対の空気ばねの圧力室に供給される圧縮空気や同圧力室から排出される圧縮空気の圧力を制御した。本実施形態では、これに加えて、更に上記空気温度センサ60によって把握された圧力に基づいて電磁コアへの通電量を制御する。すなわち、上記空気温度センサ60によって把握された圧力に基づいて電磁コアへの通電量を制御することで電磁力を調整することができ、ひいては、この電磁力の調整によって圧力室内の圧力変化を補償することができる。
【0078】
図5に、本実施形態にかかる電磁駆動弁の制御装置の構成を示す。同図5に示すように、本実施形態においては、上記空気温度センサ60によって検出される圧縮空気の温度に基づいて開弁用電磁コア52や閉弁用電磁コア53に対する通電制御を行う通電量制御部64を備えている。この通電量制御部64は、基本的には、図示しないセンサによる上記弁体1のリフト量の検出結果等に基づいて開弁用電磁コア52や閉弁用電磁コア53に対する通電制御を行う。そして、この際、空気温度センサ60によって把握される圧力室内の圧力に基づいて、この基本的な通電量を補正する。なお、このように、基本通電量に対して空気温度センサ60の検出値によって補正を行う制御とする代わりに、上記リフト量の検出結果等と空気温度センサ60の検出値とから通電量を演算するようにしてもよい。
【0079】
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(5)空気温度センサ60によって把握された圧力室内に基づいて電磁コアへの通電量を制御することで電磁力を調整することができ、ひいては、この電磁力の調整によって圧力室内の圧力変化を補償することができる。
【0080】
(6)空気温度センサ60によって把握された圧力室内の圧力に基づく圧力コントローラ42、43、44、45の制御と同圧力に基づく電磁コアへの通電制御とを併用した。これにより、電磁駆動弁としての適切な特性を維持すべく行われる制御の自由度を拡大することができる。
【0081】
(第6の実施形態)
以下、本発明にかかる電磁駆動弁の制御装置の第6の実施形態について、上記第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0082】
上記第1の実施形態では、一対の空気ばねの弾性力を適切な値とすべく、これら一対の空気ばねの圧力室に供給される圧縮空気や同圧力室から排出される圧縮空気の圧力を制御した。これに対し本実施形態では、開弁用空気ばね30の圧力室内の圧縮空気と閉弁用空気ばね20の圧力室内の圧縮空気とのそれぞれの温度を各別に検出することで、これら一対の空気ばねの圧力室内の圧力を各別に把握する。そして、一対の空気ばねの圧力室内の圧力を各別に把握しつつ、両空気ばねのガス圧をそれぞれ所望に調圧する。
【0083】
すなわち、開弁用空気ばね30と閉弁用空気ばね20とを備えているために、これら両空気ばねの圧力室内の圧縮空気の温度が互いに異なることがある。特に、閉弁用空気ばね20の方が内燃機関の燃焼室に近接して配置されているために、その圧力室内の圧縮空気の温度が上昇しやすいものとなっている。このように、両空気ばねの圧力室内の圧縮空気の温度が互いに異なると、それぞれの弾性力が互いに異なることとなり、弁体を適切に駆動するうえで支障をきたす懸念がある。本実施形態は、こうした実情に鑑みて両空気ばねの圧力室内の圧縮空気の温度を各別に検出し、これら空気ばねの弾性力を各別に調整する。
【0084】
図6に、本実施形態にかかる電磁駆動弁の制御装置の全体構成を示す。
同図6に示されるように、本実施形態では、閉弁用空気ばね20の圧力室の温度を検出する空気温度センサ80と、開弁用空気ばね30の圧力室の温度を検出する空気温度センサ81とを備えている。これら空気温度センサ80、81の配置箇所については、上記空間23、33内の圧縮空気の温度を把握しやすい箇所に配置することが望ましい。
【0085】
そして、これら空気温度センサ80、81による温度検出値は、圧力制御部82に取り込まれる。この圧力制御部82は、空気温度センサ80、81による温度検出値に基づいて上記圧力コントローラ42、43を制御する閉弁用圧力制御部82bと、空気温度センサ80、81による温度検出値に基づいて上記圧力コントローラ44、45を制御する開弁用圧力制御部82aとを備えている。
【0086】
これにより、閉弁用空気ばね20の圧力室の温度と開弁用空気ばね30の圧力室の温度とを各別に検出しつつ、閉弁用空気ばね20の圧力室内の圧力と開弁用空気ばね30の圧力室内の圧力とを適切に把握することができる。そして、これら各別に把握された各圧力室内の圧力に基づいて閉弁用空気ばね20の圧力室に供給する圧縮空気の圧力及び同圧力室から排出される圧縮空気の圧力と、開弁用空気ばね30の圧力室に供給する圧縮空気の圧力及び同圧力室から排出される圧縮空気の圧力とを各別に制御する。これにより、これら一対の空気ばねの弾性力をそれぞれ適切な値に調整することができる。
【0087】
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)の効果に加えて、以下の効果が得られるようになる。
(7)開弁用空気ばね30の圧力室内の圧縮空気と閉弁用空気ばね20の圧力室内の圧縮空気とのそれぞれの温度を各別に検出することで、これら一対の空気ばねの圧力室内の圧力を各別に把握した。そして、一対の空気ばねの圧力室内の圧力を各別に把握しつつ、両空気ばねの圧力室に供給する圧縮空気の圧力を各別に制御した。これにより、両空気ばねのガス圧をそれぞれ所望に調圧することができ、ひいては、一対の空気ばねの弾性力をそれぞれ適切な値に調整することができる。
【0088】
なお、上記第6の実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。・一対の空気ばねの圧力室内の圧力を各別に把握しつつ、両空気ばねに供給される圧縮空気の流量を各別に制御するようにしてもよい。この場合、空気温度センサ80、81による温度検出値に基づいて、先の図2に示した流量コントローラ46、47と、流量コントローラ48、49とを各別に制御すべく、閉弁用流量制御部と開弁用流量制御部とを備えればよい。
【0089】
・一対の空気ばねの圧力室内の圧力を各別に把握しつつ、両空気ばねに収容される圧縮空気の温度を各別に制御するようにしてもよい。この場合、先の図3に示した空気配管を、開弁用空気ばね及び閉弁用空気ばねの周りを覆うようにして各別に設けるとともに、排気通路を介してこれらに排気を流通させるか車両の移動に伴い車両に流入する空気を流通させるかを切り替える三方弁を各別に備えるようにする。そして、空気温度センサ80、81による温度検出値に基づいて、これら一対の空気ばね毎に備えられた各別の三方弁を各別に制御するようにする。また、先の図4に示した冷却水配管を、開弁用空気ばね及び閉弁用空気ばねの周りを覆うようにして各別に設けるとともに、これらに流通させる冷却水を切り替える三方弁を各別に備えるようにしてもよい。この際、空気温度センサ80、81による温度検出値に基づいて、これら一対の空気ばね毎に備えられた各別の三方弁を各別に制御するようにする。
【0090】
・一対の空気ばねの圧力室内の圧力を各別に把握しつつ、開弁用電磁コア52及び閉弁用電磁コア53への通電制御及び圧力コントローラ42、43、44、45の制御を行うようにしてもよい。
【0091】
(その他の実施形態)
その他、上記各実施形態及び上記第6の実施形態の変形例は、以下のように変更して実施することもできる。
【0092】
・上記第5及び第6の実施形態の変形例について、空気温度センサ60の検出値に基づいて、開弁用電磁コア52及び閉弁用電磁コア53への通電制御及び圧力コントローラ42、43、44、45の制御を併用する代わりに、通電量制御部(通電量制御手段)による通電制御のみを行ってもよい。
【0093】
・上記第1及び第6の実施形態について、圧力室へ供給される圧縮空気の圧力を制御する圧力コントローラと、圧力室から排出される圧縮空気の圧力を制御する圧力コントローラとは、各別の部材でなくてもよい。また、これらコントローラの一方のみを備えていてもよい。こうした圧力制御手段としては、圧力室へ供給される圧縮空気の圧力及び圧力室から排出される圧縮空気の圧力の少なくとも一方を制御するものであればよい。
【0094】
・上記第2及び第6の実施形態の変形例について、圧力室へ供給される圧縮空気の流量を制御する流量コントローラと、圧力室から排出される圧縮空気の流量を制御する流量コントローラとは、各別の部材でなくてもよい。また、これらコントローラの一方のみを備えていてもよい。こうした流量制御手段としては、圧力室へ供給される圧縮空気の流量及び圧力室から排出される圧縮空気の流量の少なくとも一方を制御するものであればよい。
【0095】
・上記第3及び第6の実施形態の変形例について、空気配管に供給される暖気としては、排気ガスに限らず、内燃機関の発熱により暖められた空気を取り込む等、適宜の暖気を用いればよい。また、車両の移動に伴って車両に流入する空気を空気配管に取り込む代わりに、車載エアコンディショナの冷気を取り込むなどしてもよい。
【0096】
・上記第4及び第6の実施形態の変形例について、冷却水配管に供給する冷却水の取得態様については、上記実施形態で例示したものに限らない。例えば、2系統からの切替を行う構造を有しなくとも、空気ばねの近傍に設けられた冷却水配管にラジエータを介した冷却水を流通させることで、圧力室内の圧縮空気の温度の上昇を抑制することはできる。
【0097】
・上記圧力室内の圧縮空気の温度を制御する温度制御手段としては、空気配管や冷却水配管を備えて構成されるものに限らず、例えば空気ばね近傍に潤滑油を循環させることで圧力室内の圧縮空気の温度を制御するものでもよい。
【0098】
・例えば圧力室に供給される圧縮空気の圧力と、圧力室から排出される圧縮空気の流量とを制御する等、圧力制御手段及び流量制御手段及び温度制御手段を組み合わせて圧力室内の温度に基づき同圧力室内のガス圧を制御する制御手段を構成してもよい。更に、この制御手段としては、圧力制御手段や、流量制御手段、温度制御手段を備えて構成されるものに限らず、圧縮空気の物理量を制御することでガス圧を制御するものであればよい。
【0099】
・また、上記制御手段と通電量制御手段とを併用してもよい。
・圧力室内の圧縮空気の温度を検出する温度検出手段としては、上記空気温度センサ60、80、81のように、空気ばねの圧力室の温度を検出する目的で設けられたものに限らない。例えば、水温センサや吸気温度センサ等、内燃機関の所定箇所の温度を検出するセンサや、車室の温度を検出するセンサ等に基づいて圧力室内の圧縮空気の温度を検出するものであればよい。また、開弁用空気ばね及び閉弁用空気ばねの圧力室内の圧縮空気の温度を各別に検出する温度検出手段としては、各別の部材から構成されるものに限らない。例えば、上記内燃機関の所定箇所の温度を検出するセンサや、車室の温度を検出するセンサの検出値や、内燃機関の運転状態に基づいて開弁用空気ばね及び閉弁用空気ばねの圧力室内の圧縮空気の温度を各別に検出(推定)するものでもよい。この場合、上記センサの検出値や内燃機関の運転状態をパラメータとして、これらのパラメータと一対の空気ばねの圧力室内の温度とを関係づけるマップを備えて温度検出手段を構成してもよい。
【0100】
・必ずしも開弁用空気ばねと閉弁用空気ばねとを備える代わりに、いずれか一方の空気ばねを用いるのみでもよい。例えば、開弁用空気ばねを備える場合には閉弁用の適宜の(空気ばね以外の)弾性部材を備える構成であってもよく、また、閉弁用空気ばねを備える場合には開弁用の適宜の(空気ばね以外の)弾性部材を備える構成であってもよい。
【0101】
・必ずしも開弁用電磁コアと閉弁用電磁コアとを備える構成でなくてもよい。例えば、開弁用電磁コアと閉弁用空気ばねとを備えて開弁動作及び閉弁動作を行うものであってもよく、閉弁用電磁コアと開弁用空気ばねを備えて閉弁動作及び開弁動作を行うものであってもよい。また、開弁用電磁コア及び閉弁用電磁コアの一方を備え、且つ開弁用空気ばねと閉弁用空気ばねを備えるものにおいても、これら一対の空気ばねの圧力室内の温度の各別の検出結果に基づいて電磁石(開弁用電磁コア及び閉弁用電磁コア)への通電制御を行うことも有効である。
【0102】
・空気ばねの設けられた電磁駆動弁に限らず、任意の気体(ガス)による弾性力によって弁体を付勢する気体ばねの設けられた電磁駆動弁においても本発明の適用は有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態にかかる電磁駆動弁の制御装置の第1の実施形態の構成を示す図。
【図2】本実施形態にかかる電磁駆動弁の制御装置の第2の実施形態の構成を示す図。
【図3】本実施形態にかかる電磁駆動弁の制御装置の第3の実施形態の構成を示す図。
【図4】本実施形態にかかる電磁駆動弁の制御装置の第4の実施形態の構成を示す図。
【図5】本実施形態にかかる電磁駆動弁の制御装置の第5の実施形態の構成を示す図。
【図6】本実施形態にかかる電磁駆動弁の制御装置の第6の実施形態の構成を示す図。
【符号の説明】
1…弁体、2…弁軸、10…シリンダヘッド、11…凹部、12…触媒コンバータ、13…暖機通路、20…閉弁用空気ばね、21…シリンダ、22…ピストン、23…空間、24、25…連通孔、26…供給通路、27…排出通路、30…開弁用空気ばね、31…シリンダ、32…ピストン、33…空間、34、35…連通孔、36…供給通路、37…排出通路、40…リザーバタンク、41…エアポンプ、42〜45…圧力コントローラ、46〜49…流量コントローラ、50…アーマチャ軸、51…アーマチャ、52…開弁用電磁コア、53…閉弁用電磁コア、54…電磁コアアッシー、60…空気温度センサ、61…圧力制御部、62…流量制御部、63…温度制御部、64…通電量制御部、70…空気配管、71…三方弁、72…温度制御部、73…冷却水配管、74…ウォータポンプ、75…ラジエータ、76…冷却通路、78…暖機通路、79…三方弁、80、81…空気温度センサ、82…圧力制御部、82a…開弁用圧力制御部、82b…閉弁用圧力制御部。
Claims (12)
- 電磁石と、気体ばねとを備え、前記電磁石の電磁力と前記気体ばねの付勢力とによって内燃機関の吸気弁又は排気弁として機能する弁体を駆動する電磁駆動弁を制御する装置であって、
前記気体ばねを構成する圧力室内の気体の温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段により検出される温度に基づき前記圧力室内のガス圧を把握し、前記気体ばねの付勢力を適切な値とすべく前記把握されたガス圧に基づいて前記圧力室内のガス圧を制御する制御手段とを備える
ことを特徴とする電磁駆動弁の制御装置。 - 前記制御手段は、前記圧力室へ供給される気体の圧力及び前記圧力室から排出される気体の圧力の少なくとも一方を制御するものである
請求項1記載の電磁駆動弁の制御装置。 - 前記制御手段は、前記圧力室へ供給される気体の流量及び前記圧力室から排出される気体の流量の少なくとも一方を制御するものである
請求項1記載の電磁駆動弁の制御装置。 - 前記制御手段は、前記圧力室内の気体の温度を制御するものである
請求項1記載の電磁駆動弁の制御装置。 - 前記制御手段は、前記圧力室へ供給される気体の圧力及び前記圧力室から排出される気体の圧力の少なくとも一方を制御する圧力制御手段と、前記圧力室へ供給される気体の流量及び前記圧力室から排出される気体の流量の少なくとも一方を制御する流量制御手段と、前記圧力室内の気体の温度を制御する温度制御手段との少なくとも1つを備えて構成される
請求項1記載の電磁駆動弁の制御装置。 - 請求項4又は5記載の電磁駆動弁の制御装置において、
前記制御手段は、前記気体ばねの近傍に空気配管を備え、前記圧力室内の気体の温度制御に際し、該空気配管に空気を流通させることで前記気体の温度を調温する
ことを特徴とする電磁駆動弁の制御装置。 - 請求項4又は5記載の電磁駆動弁の制御装置において、
前記制御手段は、前記気体ばね近傍に冷却水配管を備え、前記圧力室内の気体の温度制御に際し、前記冷却水配管に冷却水を流通させることで前記気体の温度を調温する
ことを特徴とする電磁駆動弁の制御装置。 - 請求項1〜7のいずれかに記載の電磁駆動弁の制御装置において、
前記温度検出手段により検出された温度に基づき前記電磁石への通電量を制御する通電量制御手段を更に備える
ことを特徴とする電磁駆動弁の制御装置。 - 請求項1〜7のいずれかに記載の電磁駆動弁の制御装置において、
前記気体ばねは、前記弁体を開弁方向に付勢する開弁用気体ばねと同弁体を閉弁方向に付勢する閉弁用気体ばねとの一対の気体ばねからなり、
前記温度検出手段は、前記一対の気体ばねの各圧力室内の気体の温度を各別に検出するものであり、
前記制御手段は、前記温度検出手段によって検出される前記一対の気体ばねの各圧力室内の気体の温度に基づいて、それら圧力室内のガス圧を各別に制御する
ことを特徴とする電磁駆動弁の制御装置。 - 請求項9記載の電磁駆動弁の制御装置において、
前記温度検出手段によって検出される前記一対の気体ばねの各圧力室内の気体の温度に基づき前記電磁石への通電量を制御する通電量制御手段を更に備える
ことを特徴とする電磁駆動弁の制御装置。 - 電磁石と、気体ばねとを備え、前記電磁石の電磁力と前記気体ばねの付勢力とによって内燃機関の吸気弁又は排気弁として機能する弁体を駆動する電磁駆動弁を制御する装置であって、
前記気体ばねを構成する圧力室内の気体の温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段により検出される温度に基づき前記圧力室内のガス圧を把握し、前記気体ばねの付勢力を適切な値とすべく前記把握されたガス圧に基づいて前記電磁石への通電量を制御する制御手段とを備える
ことを特徴とする電磁駆動弁の制御装置。 - 請求項11記載の電磁駆動弁の制御装置において、
前記気体ばねは、前記弁体を開弁方向に付勢する開弁用気体ばねと同弁体を閉弁方向に付勢する閉弁用気体ばねの一対の気体ばねとからなり、
前記温度検出手段は、前記一対の気体ばねの各圧力室内の気体の温度を各別に検出するものであり、
前記制御手段は、前記温度検出手段によって検出される前記一対の気体ばねの各圧力室内の気体の温度に基づいて、前記電磁石への通電量を制御する
ことを特徴とする電磁駆動弁の制御装置。
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