JP4126798B2 - ガソリン自己着火内燃機関の燃料噴射装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、自己着火燃焼を行うガソリン内燃機関の燃料噴射装置に関し、特に、オクタン価等の燃料の性質を調整するために複数種の燃料を供給することが可能な燃料噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼル機関を含め、自己着火燃焼の制御の一手段として、2種類の燃料を供給するとともに、それぞれの割合を可変制御することで、オクタン価等の燃料の性質を調整する方法が知られている。このような方法による燃料性質の調整を実現するためには、内燃機関の燃焼室に対し2種類の燃料を供給することができる燃料噴射装置が必要となる。
【0003】
例えば、特開平5−126024号公報には、主噴射弁と着火用噴射弁との2系統を備えた直噴型ディーゼル機関の燃料噴射装置が開示されているが、この種の装置を流用することで、2種類の燃料の噴射供給が可能である。
【0004】
また、特開平6−108945号公報には、2種類の高圧燃料ポンプを用い、それぞれで加圧された燃料を、1つの燃料噴射弁から同時に噴射するようにした2系統の燃料噴射装置が開示されている。このものでは、針弁のリフト時間によって2種の燃料の混合割合が決定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前者の構成においては、高圧燃料噴射弁ならびに高圧燃料ポンプがそれぞれ複数必要であり、構成が複雑化するとともに、車両への搭載性が悪化する。また、高圧化に伴う噴射弁の駆動電力やポンプ仕事の増加による燃費の悪化が大きなものとなる。
【0006】
また後者の構成においては、2種類の燃料の混合割合を機関運転条件に応じて可変制御することが困難であり、特に、ガソリン機関において、自己着火燃焼領域を十分に拡げることができない。
【0007】
そこで、本発明は、比較的簡単な構成でもって2種類の燃料を混合して噴射供給でき、かつその混合割合を広く可変制御可能なガソリン自己着火内燃機関の燃料噴射装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るガソリン自己着火内燃機関の燃料噴射装置は、第1の燃料が高圧で導かれ、かつ燃料室から噴孔を通してシリンダ内へ混合燃料を噴射する高圧燃料噴射弁と、第2の燃料が低圧で導かれ、かつ上記燃料室へ向けてこの第2の燃料を供給する低圧燃料噴射弁と、を備えたことを特徴としている。
【0009】
すなわち、第2の燃料は、低圧燃料噴射弁から高圧燃料噴射弁の燃料室へ供給され、ここで第1の燃料と混合する。この混合した燃料は、該高圧燃料噴射弁の噴孔から高圧となって噴射される。このとき燃料噴射量の総量は、高圧燃料噴射弁の例えば開弁期間によって計量され、第2の燃料の噴射量は、低圧燃料噴射弁の例えば開弁期間によって計量される。従って、第1の燃料および第2の燃料の混合割合は、任意に可変制御し得る。
【0010】
また、上記燃料室は、高圧の第1の燃料が常時供給される高燃圧室と、該高燃圧室から針弁により隔てられ、かつ噴孔側に位置する低燃圧室と、を備え、上記低燃圧室側に、上記低圧燃料噴射弁の噴孔が逆止弁を介して連通していることを特徴としている。
【0011】
針弁が噴孔を閉じている状態では、同時に、この針弁によって低燃圧室が高燃圧室から隔てられ、高圧が作用しない。この状態で、第2の燃料が低圧燃料噴射弁から供給される。そして、高圧燃料噴射弁からの燃料噴射時に低燃圧室が高圧となっても、逆止弁の作用により、低圧燃料噴射弁への逆流が阻止される。
【0012】
この請求項1の発明をさらに具体化した請求項2の発明は、第2の燃料の供給時に、上記低燃圧室が電磁切換弁を介して低圧側、例えば大気圧下にある第1の燃料の燃料タンク等に解放されることを特徴としている。
【0013】
これにより、第2の燃料の供給時には、低燃圧室が積極的に低圧に保たれ、第2の燃料の供給が一層容易となる。
【0014】
また、この請求項2に従属する請求項3の発明では、上記低燃圧室は、燃料が通流可能な連通孔を備えた仕切板によって、噴孔側部分と高燃圧室側部分とに区画されており、その噴孔側部分に、上記低圧燃料噴射弁の噴孔が連通しているとともに、高燃圧室側部分に、上記電磁切換弁を備えたリターン燃料通路が接続されている。
【0015】
上記仕切板は、連通孔を通して常に燃料の通流が可能であるが、低燃圧室内を、噴孔側部分と高燃圧室側部分とにほぼ仕切っている。なお、針弁が上記の連通孔を貫通するように構成することもできる。従って、リターン燃料通路の電磁切換弁が開いている状態で低圧燃料噴射弁から第2の燃料が供給されてきたときに、第2の燃料がリターン燃料通路へ流れてしまうことはなく、噴孔側部分つまり低燃圧室内に確実に残存する。
【0016】
ここで、例えば請求項6のように、上記電磁切換弁による低燃圧室の解放期間が、高圧燃料噴射弁からの燃料噴射時期と重ならないように設定されるとともに、この解放期間内に、上記低圧燃料噴射弁の噴射時期が設定される。
【0017】
また、請求項4の発明においては、上記高圧燃料噴射弁は、針弁の先端部分と当接して上記噴孔を閉塞する第1のシート部と、針弁の中間部分と当接して上記高燃圧室と上記低燃圧室とを遮断する第2のシート部と、を備えている。
【0018】
つまり、高圧燃料噴射弁の針弁がリフトすると、第1のシート部から離れることにより先端の噴孔が開き、また同時に、第2のシート部から針弁が離れることにより、低燃圧室が高燃圧室に連通する。従って、第1の燃料の高い圧力が低燃圧室内の混合燃料に作用し、この混合燃料が噴孔から噴射される。
【0019】
さらに、請求項5の発明においては、上記第2のシート部が、弾性部材によって構成されている。従って、高い加工精度を要さずに、第2のシート部に針弁が確実に当接する。
【0020】
【発明の効果】
この発明によれば、高圧燃料ポンプ等を含む高圧噴射系は1系統のみであり、これに低圧噴射系を組み合わせたものとなるので、高圧噴射系を2系統とした場合に比較して装置全体の構成が簡素となり、車両への搭載が容易になるとともに、高圧噴射に伴う燃費の悪化を最小限のものとすることができる。また、高圧燃料噴射弁および低圧燃料噴射弁のそれぞれの噴射量の制御によって、第1,第2の燃料の混合割合を広い範囲で可変制御でき、機関運転条件に応じた燃料成分の調整、ひいては自己着火燃焼領域の拡大を達成できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0022】
図1は、この発明に係る自己着火ガソリン内燃機関用燃料噴射装置の一実施例を示している。
【0023】
図において、51は、各気筒にそれぞれ設けられる燃料噴射弁ユニットを示している。この燃料噴射弁ユニット51は、各気筒のシリンダに向けて取り付けられる高圧燃料噴射弁2と、この高圧燃料噴射弁2の外周に固定されたブロック状のハウジング13と、このハウジング13を介して高圧燃料噴射弁2に一体に支持された低圧燃料噴射弁14と、を主体として構成されている。
【0024】
上記高圧燃料噴射弁2は、先端に噴孔62を有するバルブボディ61と、バルブスプリング21によって常時閉方向に付勢された針弁1と、この針弁1をリフトさせるソレノイド22と、を備えている。なお、9は針弁1の基部に設けられた針弁支持部、16はソレノイド22に接続されたコネクタである。
【0025】
上記バルブボディ61内には、燃料室として、針弁1の周囲に、低燃圧室6と高燃圧室7とが形成されている。低燃圧室6は、バルブボディ61の上部シート部3を挟んで、噴孔62側に、また高燃圧室7は、バルブスプリング21側に、それぞれ位置しており、針弁1中間部のテーパ状の第2シート面1b(図2参照)が上記上部シート部3に着座することによって、互いに隔てられ、かつ針弁1がリフトした状態では互いに連通するようになっている。そして、上記高燃圧室7は、高圧燃料噴射弁2中心の通路を通して、基端部の燃料入口8に常時連通し、ここから後述するように、高圧燃料が常時供給されている。低燃圧室6は、内部に円環状の仕切板63を有し、この仕切板63によって、さらに、噴孔62側の部分6aと高燃圧室7側の部分6bとに区画されている(図2参照)。上記仕切板63の中央の連通孔には、針弁1が貫通し、かつ該針弁1外周との間には、適宜な間隙が確保されている。従って、噴孔62側の部分6aと高燃圧室7側の部分6bとは完全には分離されておらず、燃料の通流が可能である。
【0026】
上記低燃圧室6の高燃圧室7側の部分6bには、バルブボディ61およびハウジング13を通して形成されたリターン燃料通路10の先端が接続されている。
【0027】
また、図2に示すように、針弁1先端の半球状の第1シート面1aが噴孔62周縁の下部シート部4に着座するようになっており、この下部シート部4のさらに外周側には、噴出する燃料に旋回成分を付与するスワラーチップ5が配設されている。
【0028】
上記低圧燃料噴射弁14は、先端に噴孔72を有するバルブボディ71と、バルブスプリング73によって常時閉方向に付勢された針弁74と、この針弁74をリフトさせるソレノイド75と、を備えており、燃料入口76から導入される低圧燃料を、針弁74のリフトに伴って噴射する構成となっている。なお、15はソレノイド75に接続されたコネクタである。
【0029】
上記低圧燃料噴射弁14の噴孔72は、ハウジング13およびバルブボディ61を通して形成された低圧燃料供給通路11の一端に接続されており、かつこの低圧燃料供給通路11の他端は、上記高圧燃料噴射弁2の低燃圧室6の噴孔62側の部分6aに接続されている。そして、この低圧燃料供給通路11には、上記低燃圧室6から低圧燃料噴射弁14側への燃料の逆流を阻止する逆止弁12が介装されている。
【0030】
この実施例の燃料噴射装置は、2種類の燃料系を備えており、例えば、一方の燃料33が高オクタン価燃料、他方の燃料42が低オクタン価燃料である。
【0031】
高オクタン価燃料33の燃料系は、燃料タンク34と、モータ28により駆動されて燃料タンク34内の高オクタン価燃料33を圧送するフィードポンプ27と、燃料フィルタ32と、モータ26により駆動され、かつフィードポンプ27から送られた燃料を高圧にして高圧燃料噴射弁2に供給する高圧燃料ポンプ25と、この高圧燃料ポンプ25による高圧通路23内の燃料圧力を所定圧力(例えば10MPa)に調圧する高圧側レギュレートバルブ24と、フィードポンプ27と高圧燃料ポンプ25との間の通路37内の圧力を所定圧力に調圧する低圧側レギュレートバルブ31と、を備えている。上記高圧側レギュレートバルブ24および低圧側レギュレートバルブ31からそれぞれ排出された余剰の燃料は、通路30および通路38を介して燃料タンク34に戻される。また、上記高圧燃料噴射弁2のリターン燃料通路10は、燃料タンク34へ向かうリターン燃料通路29に接続されており、かつこの燃料リターン燃料通路29には、該通路29を開閉する電磁切換弁20が介装されている。
【0032】
また、低オクタン価燃料42の燃料系は、燃料タンク43と、モータ41により駆動されて燃料タンク43内の低オクタン価燃料42を低圧燃料噴射弁14に供給する低圧燃料ポンプ40と、燃料フィルタ36と、低圧燃料噴射弁14に至る低圧通路39内の燃料圧力を所定圧力(例えば0.3MPa)に調圧するレギュレートバルブ35と、を備えている。レギュレートバルブ35から排出された余剰の燃料は、通路44を介して燃料タンク43に戻される。
【0033】
なお、図1においては、比較的低圧の燃料通路が細い実線で、高圧の燃料通路が太い実線で、また略大気圧の燃料通路が破線で、それぞれ示されている。
【0034】
上記電磁切換弁20、高圧燃料噴射弁2および低圧燃料噴射弁14は、それぞれエンジンコントロールユニット45から出力される駆動パルス信号によって、個々に制御される。
【0035】
次に、上記構成の燃料噴射装置における作用を説明する。
【0036】
筒内直噴型ガソリン内燃機関において自己着火燃焼を安定して得るためには、図3に示す各運転領域で、運転条件に応じたオクタン価に制御する必要がある。具体的には、領域Aに代表される低速高負荷側ほど、自己着火が生じやすく、要求オクタン価は高くなる。そして、領域Dに代表される高速低負荷ほど、自己着火が生じにくく、要求オクタン価は低い。領域A〜Dの各要求オクタン価を、それぞれOa,Ob,Oc,Odとすると、Oa>Ob≧Oc>Odの関係となる。また、各領域A〜Dの間では、要求オクタン価は、連続的に変化する。
【0037】
上記燃料噴射装置においては、オクタン価の異なる2種の燃料33,42の混合割合が要求オクタン価に応じて制御マップに割り付けられており、高圧燃料噴射弁2と低圧燃料噴射弁14の噴射パルス幅の制御により、オクタン価を要求オクタン価に応じて可変制御することができる。
【0038】
各燃料噴射弁2,14の具体的な作用を説明すると、先ず、燃料噴射前の初期状態では、低燃圧室6には、高オクタン価燃料33が充満している。噴射前の所定のタイミングで電磁切換弁20が開となり、低燃圧室6が大気圧下に解放される。この状態で、低圧燃料噴射弁14が運転条件に応じた所定のパルス幅で駆動される(図5参照)。これにより、低オクタン価燃料42が低燃圧室6に供給される。低オクタン価燃料42は、比較的低圧(例えば0.3MPa)で供給されるが、低燃圧室6が大気圧下にあることから、容易に流入し、その供給量分だけ高オクタン価燃料33がリターン燃料通路10,29を通して燃料タンク34へ排出される。ここで低燃圧室6は、仕切板63によって、噴孔62側の部分6aと高燃圧室7側の部分6bとに区画されており、低オクタン価燃料42が噴孔62側の部分6aに供給されるとともに、リターン燃料通路10が高燃圧室7側の部分6bに接続されているので、供給された低オクタン価燃料42は、低燃圧室6内に確実に保持され、リターン燃料通路10からは高オクタン価燃料33のみが排出される。
【0039】
低オクタン価燃料42の供給が終了した後に、電磁切換弁20は閉じ、低燃圧室6は密閉される。これにより、低燃圧室6には、2種の燃料33,42が混合した所定オクタン価の燃料が存在する。
【0040】
所定の噴射タイミングとなると、運転条件に応じて決定される噴射パルス幅でもって高圧燃料噴射弁2が駆動され、針弁1がリフトする。これにより噴孔62が開くとともに、高燃圧室7と低燃圧室6とが連通するため、低燃圧室6内の混合燃料に高圧が作用し、該燃料が噴孔62から高圧で噴射される。このとき、低圧燃料噴射弁14への逆流は逆止弁12によって阻止され、また、電磁切換弁20が閉じていることから、燃料タンク34側へ流出することもない。噴孔62から噴射された燃料量に等しい量の高オクタン価燃料33が高燃圧室7から低燃圧室6へ流入するので、低燃圧室6は再び高オクタン価燃料33によって満たされる。
【0041】
このように機関運転条件に応じて定まる総燃料噴射量は、高圧燃料噴射弁2の駆動パルス信号によって制御される。また、高オクタン価燃料33に対する低オクタン価燃料42の混合割合は、低圧燃料噴射弁14の駆動パルス信号によって制御される。
【0042】
高圧燃料噴射弁2の駆動パルスをTa、低圧燃料噴射弁14の駆動パルスをTb、電磁切換弁20のONパルスをTcとすると、それぞれのタイミングおよびパルス幅は、次のような関係がある。すなわち、高圧燃料噴射弁2の駆動パルスTaは、成層自己着火燃焼の場合には圧縮行程噴射となり、均質自己着火燃焼の場合には吸気行程噴射となる。また、低圧燃料噴射弁14の駆動パルスTbは、電磁切換弁20のON期間中である必要があり、パルス幅として、Tb<Tcの関係がある。そして電磁切換弁20のONパルスTcは、1サイクルの中で、高圧燃料噴射弁2の駆動パルスTaよりも早い時期であればよい。従って、例えば、成層自己着火燃焼の場合には、図4の(A)のようになり、均質自己着火燃焼の場合には図4の(B)のようになる。
【0043】
図6は、上記燃料噴射装置の制御の流れを示すフローチャートである。この図6に示すように、先ずステップ1で、吸入空気量や機関回転数、冷却水温等の機関運転条件を読み込む。そして、この機関運転条件に基づき、ステップ2で、噴射時期IT、総燃料噴射量Qtotal、混合割合αをそれぞれ決定する。次にステップ3で、噴射時期ITから電磁切換弁20の開弁時期IT1を決定し、ステップ4で、この開弁時期IT1に達したか否かを判定する。開弁時期IT1になったらステップ5に進んで、電磁切換弁20のONパルスTcを所定のパルス幅で出力する。その後、所定量Xだけ遅れた時点で、低圧燃料噴射弁14を開弁する(ステップ6,7)。この低圧燃料噴射弁14の駆動パルスTbのパルス幅は、混合割合αと総燃料噴射量Qtotalとによって決定される。
【0044】
そして、所定のパルス幅Tcを与えたら、電磁切換弁20を閉じる(ステップ8,9)。さらに、ステップ10で所定の噴射時期ITになったか判定し、所定の噴射時期ITとなった時点で高圧燃料噴射弁2を開弁する(ステップ11)。このときの噴射パルス幅Taは、総燃料噴射量Qtotalに応じて与えられる。
【0045】
このように上記燃料噴射装置によれば、要求オクタン価に応じて2種の燃料の混合割合を連続的に可変制御することができ、広い運転領域にわたって安定した自己着火燃焼を得ることができる。
【0046】
次に、図7は、高圧燃料噴射弁2の一部を変更した実施例を示している。この実施例は、針弁1中間部のテーパ状の第2シート面1bが当接する上部シート部として、弾性変形可能な円環状の弾性シール板81と、この弾性シール板81の外周に設けられた支持部材82と、を有し、この支持部材82を高燃圧室7の底部に圧入することによって固定保持されている。上記弾性シール板81は、バネ鋼材等からなり、針弁1がリフトした自由状態では(B)のように平坦であり、かつ針弁1の着座状態では、(A)のように弾性変形可能となっている。従って、この実施例によれば、上部シート部として高い加工精度が要求されず、かつ針弁1の加工誤差等によるシール不良を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る燃料噴射装置の構成を示す構成説明図。
【図2】高圧燃料噴射弁の先端部を拡大して示す断面図。
【図3】運転領域を示す特性図。
【図4】成層燃焼(A)と均質燃焼(B)における各パルス信号のタイミングを示す特性図。
【図5】低圧燃料噴射弁14の燃料噴射時の説明図。
【図6】燃料噴射装置の制御の流れを示すフローチャート。
【図7】上部シート部の異なる実施例を示す要部の断面図であって、(A)は着座時、(B)はリフト時における断面図。
【符号の説明】
1…針弁
2…高圧燃料噴射弁
3…上部シート部
4…下部シート部
6…低燃圧室
7…高燃圧室
10…リターン燃料通路
12…逆止弁
13…ハウジング
14…低圧燃料噴射弁
20…電磁切換弁
25…高圧燃料ポンプ
33…高オクタン価燃料
40…低圧燃料ポンプ
42…低オクタン価燃料
63…仕切板
Claims (6)
- 第1の燃料が高圧で導かれ、かつ燃料室から噴孔を通してシリンダ内へ混合燃料を噴射する高圧燃料噴射弁と、第2の燃料が低圧で導かれ、かつ上記燃料室へ向けてこの第2の燃料を供給する低圧燃料噴射弁と、を備え、
上記燃料室は、高圧の第1の燃料が常時供給される高燃圧室と、該高燃圧室から針弁により隔てられ、かつ噴孔側に位置する低燃圧室と、を備え、上記低燃圧室側に、上記低圧燃料噴射弁の噴孔が逆止弁を介して連通していることを特徴とするガソリン自己着火内燃機関の燃料噴射装置。 - 第2の燃料の供給時に、上記低燃圧室が電磁切換弁を介して低圧側に解放されることを特徴とする請求項1記載のガソリン自己着火内燃機関の燃料噴射装置。
- 上記低燃圧室は、燃料が通流可能な連通孔を備えた仕切板によって、噴孔側部分と高燃圧室側部分とに区画されており、その噴孔側部分に、上記低圧燃料噴射弁の噴孔が連通しているとともに、高燃圧室側部分に、上記電磁切換弁を備えたリターン燃料通路が接続されていることを特徴とする請求項2記載のガソリン自己着火内燃機関の燃料噴射装置。
- 上記高圧燃料噴射弁は、針弁の先端部分と当接して上記噴孔を閉塞する第1のシート部と、針弁の中間部分と当接して上記高燃圧室と上記低燃圧室とを遮断する第2のシート部と、を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガソリン自己着火内燃機関の燃料噴射装置。
- 上記第2のシート部が、弾性部材によって構成されていることを特徴とする請求項4記載のガソリン自己着火内燃機関の燃料噴射装置。
- 上記電磁切換弁による低燃圧室の解放期間が、高圧燃料噴射弁からの燃料噴射時期と重ならないように設定されるとともに、この解放期間内に、上記低圧燃料噴射弁の噴射時期が設定されることを特徴とする請求項2または3に記載のガソリン自己着火内燃機関の燃料噴射装置。
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