JP4126632B2 - 画像データ変換装置及び画像データ変換方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像データ変換装置及び画像データ変換方法に関し、例えば精細度の低い画像データを精細度の高い画像データに変換する画像データ変換装置及び画像データ変換方法に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば帯域制限によって精細度が劣化した画像(いわゆるぼけ画像)に対して補間演算による補間処理を施すことにより画素補間を行い、その画質の改善を図るようになされた画像データ変換装置がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、画像データ変換装置としては、予め低精細度及び高精細度の各画像データに基づいて、低精細度の画像を高精細度の画像に変換する際の予測係数を求めておき、当該予測係数を用いた予測演算によって例えば低精細度の画像を高精細度の画像に変換するアップコンバータがある。
【0004】
このアップコンバータにおいては、算出しようとする注目画素の周囲の複数画素を低精細度の画像データから抽出し、当該抽出された各画素の信号レベル分布に基づいてその画像を特徴付けるクラスを割り当て、当該クラスに応じて予め算出されている予測係数を用いた予測演算を行うようになされている。
【0005】
かかるクラス分類適応処理においては、クラスを割り当てる際に抽出する複数画素を広い間隔かつ広い範囲で選択すれば、特に精細度の低いぼけた画像の特徴を、少ない画素を基に正確に把握することができると考えられる。
【0006】
ところが、抽出する複数画素を広い間隔で選択すると、細かい絵柄に対してその特徴を正確に把握することが困難になる問題があった。
【0007】
従って、クラスを割り当てる際に抽出する複数画素を高密度かつ広い範囲で多く選択すれば絵柄やその精細度に関わらず画像を忠実に特徴付けることができると考えられる。ところが多くの画素を抽出してクラス分類しようとすると、クラス数が膨大になりそれに伴う予測係数の記憶回路等のハードウエアの規模が膨大になる問題があった。
【0008】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、簡易な構成によって画像の精細度に応じた当該画像の正確な特徴付を行うことができる画像データ変換装置及び画像データ変換方法を提案しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、第1画像データから注目画素と、当該注目画素を中心として前後に所定の画素間隔おきに配置された複数の画素とからなる画素グループをクラスタップとして、画素間隔が順次広げられた結果得られる複数のクラスタップをそれぞれ抽出し、複数のクラスタップにおける注目画素及び複数の画素からなる信号レベル分布が表されたクラスコードをそれぞれ生成し、画素間隔が広げられる前後のクラスタップにそれぞれ対応するクラスコード同士を比較し、画素間隔を広げる前の前クラスコードと画素間隔を広げた後の後クラスコードとの共通部分により傾向を判断し、前クラスコードと後クラスコードとの傾向が異なるとき、前クラスコードを最適クラスコードとして選択決定し、最適クラスコードに対応した第1画像データよりも高精細の第2画像データを予測生成するための予測係数と、最適クラスコードに対応する最適クラスタップとが用いられた予測演算を実行することにより第2画像データの注目画素を生成することにより、一段と少ない画素数かつ広い範囲で第1の画像の注目画素の特徴を正確に把握することができる。
【0010】
従って、第1の画像の特徴を忠実に把握し得る画像データ変換装置を一段と簡易な構成で実現できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0012】
(1)クラス分類適応処理の原理
ここでは例えば標準解像度の画像データ(以下、これをSD(Standard Definition )画像データと呼ぶ)をその各画素の信号レベル分布に応じたクラスに分類し、クラス毎に所定のデータ処理を施すことにより高解像度の画像データ(以下、これをHD(High Definition )画像データと呼ぶ)を生成するいわゆるクラス分類適応処理の原理について説明する。
【0013】
図1は、このクラス分類適応処理を実現するアップコンバータ51の回路構成を示す。アップコンバータ1は、外部から供給される例えば8ビットのパルス符号変調(PCM:Pulse Code Modulation )データでなるSD画像データS51をクラス分類部52及び予測演算部53に入力する。クラス分類部52は、例えば図2に示すように、SD画像データS51のうち注目画素及び当該注目画素を中心とした複数の周辺画素でなる合計7画素(タップ)をクラス分類用の画素(以下、これをクラスタップと呼ぶ)として設定し、それらの信号レベル分布に基づいてクラスコードS52を生成する。因みに、図中実線は第1フィールドを示し、点線は第2フィールドを示す。
【0014】
このクラス分類部52によってクラスコードS52を生成する方法としては、PCMデータを直接使用する(すなわちPCMデータをそのままクラスデータS52とする)方法や、ADRC(Adaptive Dynamic Range Coding )等のデータ圧縮方法を用いてクラス数を削減するような方法が考えられる。このうちPCMデータをそのままクラスコードS52とする方法では、クラスタップとして8ビットのPCMデータを7タップ用いることから、クラス数が256という膨大な数のクラス数に分類されることになり、実用上問題がある。
【0015】
そこで実際には、クラス分類部52は、ADRCのようなデータ圧縮処理(すなわち再量子化処理)を施すことによりクラス数を削減するようになされている。このADRCによる分類法は、注目画素を中心とする近傍領域内の数タップからADRCコードを、次式
【0016】
【数1】
Figure 0004126632
【0017】
によって求め、当該ADRCコードに基づいてクラスコードS52を生成する手法を用いている。ここで、ci はADRCコード、xi は各クラスタップの入力画素値、MINは領域内にある各クラスタップの入力画素値のうちの最小画素値、DRは領域内のダイナミックレンジ(最大画素値と最小画素値との差分)、kは再量子化ビット数である。
【0018】
すなわちADRCによる分類法は、領域内のダイナミックレンジから再量子化ビット数に応じた量子化ステップ幅を算出し、入力画素値から最小画素値を減算した画素値を量子化ステップ幅に応じて再量子化するものである。例えば領域内の7タップにおいて各クラスタップを1ビットに再量子化する1ビットADRCを行う場合では、領域内のダイナミックレンジに基づいて7タップの各入力画素値を適応的に1ビット量子化し、その結果、7タップの入力画素値を7ビットのデータに削減することができるので、全体としてクラス数を128クラスにまで削減することができる。
【0019】
図1に戻って、予測係数ROM(Read Only Memory)54は、後述する学習回路60によって予め生成された各クラス毎に対応した予測係数データS53を格納しており、クラス分類部52から供給されるクラスコードS52に応じた予測係数データS53を読み出し、これを予測演算部53に送出する。予測演算部53は、例えば図3に示すように、外部から入力されるSD画像データS51のうち、注目画素及び当該注目画素を中心とした複数の周辺画素でなる合計13タップを予測演算用の画素(以下、これを予測タップと呼ぶ)として選定し、当該予測タップの各画素値と予測係数データS53とを用いて、線形一次結合でなる次式
【0020】
【数2】
Figure 0004126632
【0021】
によって表される積和演算を行うことにより、予測タップには存在しないHD画素の集まりであるHD画像データS54を生成し、これを外部に出力する。ここで、x′は各HD画素値、xi は各予測タップの画素値、wi は予測係数、nは予測タップ数であり、この場合nは13である。
【0022】
ところで図4は、予測係数ROM54に格納されている予測係数データを生成する学習回路60の回路構成を示し、当該学習回路60は、予測係数データを予め生成して、これを予測係数ROM54に格納するようになされている。学習回路60は、いわゆる教師信号としてのHD画像データS60を垂直間引きフィルタ61及び予測係数算出回路62に入力する。学習回路60は、HD画像データS60を垂直間引きフィルタ61及び水平間引きフィルタ63によって間引くことにより、生徒信号としてのSD画像データS61を生成し、これをクラス分類部64及び予測係数算出回路62に入力するようになされている。
【0023】
クラス分類部64は、図1に示すアップコンバータのクラス分類部52と同様の構成でなり、SD画像データS61からクラスタップを選定し、その信号レベル分布に基づいてクラスコードS62を生成した後、これを予測係数算出回路62に送出する。予測係数算出回路62は、HD画像データS60及びSD画像データS61を基に、クラスコードS62が示すクラスに応じた予測係数をクラス毎に算出し、その結果得た予測係数データS63を予測係数ROM54に格納する。
【0024】
この場合、予測係数算出回路62は、上述の(2)式における予測係数wを最小自乗法によって求めるようになされている。具体的には予測係数算出回路62は、XをSD画素値、Wを予測係数、YをHD画素値として、いわゆる観測方程式と呼ばれる次式
【0025】
【数3】
Figure 0004126632
【0026】
を生成するように各データを収集する。ここでmは予測するHD画素の画素数を示す学習データ数、nは予測タップ数である。
【0027】
次に予測係数算出回路62は、この(3)式を基に、次式
【0028】
【数4】
Figure 0004126632
【0029】
に示す残差方程式を立てる。従って各予測係数wi は、この(4)式から、次式
【0030】
【数5】
Figure 0004126632
【0031】
が最小のときに最適な値となることがわかる。すなわち次式
【0032】
【数6】
Figure 0004126632
【0033】
を満たすように予測係数wi が算出される。
【0034】
そこで予測係数算出回路62は、このn個ある(6)式を満たすようなw1 、w2 、……、wn を算出すればよいことになり、上述の(4)式から、次式
【0035】
【数7】
Figure 0004126632
【0036】
を得、これら(6)及び(7)式から、次式
【0037】
【数8】
Figure 0004126632
【0038】
を求める。そして予測係数算出回路62は、上述の(4)及び(8)式から、次式
【0039】
【数9】
Figure 0004126632
【0040】
によって表される正規方程式を生成する。このようにして予測係数算出回路62は、予測タップ数nと同一次数の連立方程式でなる正規方程式を生成し、掃き出し法(Gauss Jordanの消去法)を用いてこの正規方程式を解くことにより、各予測係数wi を算出する。
【0041】
以下、学習回路60による予測係数生成手順について図5に示すフローチャートを用いて説明する。学習回路60はステップSP61から入り続くステップSP62において、教師信号としてのHD画像データS60から生徒信号としてのSD画像データS61を生成することにより、予測係数を生成するのに必要な学習データを生成する。ステップSP63において、学習回路60は、予測係数を生成するのに必要十分な学習データが得られたか否か判定し、その結果、未だ必要十分な学習データが得られていないと判断された場合にはステップSP63において否定結果を得ることによりステップSP64に移行する。
【0042】
ステップSP64において、学習回路60は、SD画像データS61からクラスタップを選定し、その信号レベル分布に基づいてクラス分類を行う。ステップSP65において、学習回路60は、各クラス毎に上述の(9)式でなる正規方程式を生成し、ステップSP62に戻って同様の処理手順を繰り返すことにより、予測係数を生成するのに必要十分な正規方程式を生成する。
【0043】
これに対してステップSP63において肯定結果が得られると、このことは必要十分な学習データが得られたことを表しており、このとき学習回路60はステップSP66に移って、上述の(9)式でなる正規方程式を掃き出し法によって解くことにより、予測係数w1 、w2 、……、wn を各クラス毎に生成する。そしてステップSP67において、学習回路60は、生成した各クラス毎の予測係数w1 、w2 、……、wn を予測係数ROM54(図1)に格納し、ステップSP68において当該予測係数生成手順を終了する。
【0044】
(2)クラス分類適応処理を用いた画像データ変換装置
図6は図1〜図5について上述したクラス分類適応処理を用いた画像データ変換装置100として、入力画像データD100である標準解像度の画像データ(以下これをSD(Standard Definition) 画像データと呼ぶ)を高解像度の出力画像データD114((HD:High Definition) 画像データ)に変換する装置を示すものである。
【0045】
図6において画像データ変換装置100は、SD画像データである入力画像データD100を複数の領域切り出し部101A、101B、……101kに入力する。
【0046】
複数の領域切り出し部101A、101B、……101kは、それぞれ生成しようとするHD画像の注目画素に対応するSD画像(入力画像データD100)の注目画素とその周囲の画素に対応する複数の画素を、このとき入力されるSD画像データ(入力画像データD100)の画素からクラスタップとして抽出する。
【0047】
このとき、各領域切り出し部101A、101B、……101kは、それぞれ異なる画素間隔でSD画像(入力画像データD100)からクラスタップを切り出すようになされている。すなわち、領域切り出し部101Aは図7(A)に示すように、生成しようとするHD画像の注目画素に対応するSD画像の注目画素PE1と当該注目画素PE1の左右水平方向に隣接する4つの画素PE2、PE3、PE4及びPE5とからなる5つの画素のデータをそれぞれ第1のクラスタップCT0として抽出する。
【0048】
また、領域切り出し部101Bは図7(B)に示すように、生成しようとするHD画像の注目画素に対応するSD画像の注目画素PE1と当該注目画素PE1の左右水平方向に1画素ずつ間引いてなる1画素おきの4つの画素PE12、PE13、PE14及びPE15とからなる5つの画素のデータをそれぞれ第2のクラスタップCT1として抽出する。
【0049】
また、領域切り出し部101Cは図7(C)に示すように、生成しようとするHD画像の注目画素に対応するSD画像の注目画素PE1と当該注目画素PE1の左右水平方向に2画素ずつ間引いてなる2画素おきの4つの画素PE22、PE23、PE24及びPE25とからなる5つの画素のデータをそれぞれ第3のクラスタップCT2として抽出する。
【0050】
以下同様にして、複数の領域切り出し部においてそれぞれ注目画素PE1の左右水平方向に間引く画素数を1画素ずつ増やしてクラスタップを抽出して行き、合計k個の領域切り出し部101A〜101kにおいてそれぞれクラスタップCT0〜CT(k−1)を抽出する。因みに、k番目の領域切り出し部101kでは(k−1)画素ずつ間引いたクラスタップCT(k−1)を抽出することになる。
【0051】
この実施の形態の場合、例えば5つの領域切り出し部101A〜101kを用いることによって、図7(A)〜(E)に示すように、0画素間隔のクラスタップCT0から4画素間隔のクラスタップCT(k−1=4)まで5通りのクラスタップを抽出するものとする。
【0052】
各領域切り出し部101A〜101kはそれぞれの間引き間隔で切り出したクラスタップCT0〜CT(k−1)を、それぞれ対応するパターン抽出部103A〜103kに供給する。パターン抽出部103A〜103kは、領域切り出し部101A〜101kから供給される各クラスタップCT0〜CT(k−1)の各画素値に基づいて、各クラスタップCT0〜CT(k−1)によって表される波形パターンを(1)式について上述した1ビットADRCの手法を用いて抽出する。
【0053】
すなわち、図8に示すように、高精細度の原画像波形ORG(図8(A))に対して画像データ変換装置100(図6)に入力される入力画像データD100の精細度が低下した状態である場合(図8(B)〜(D))、図8(B)に示すように領域切り出し部101Aにおいては当該入力画像データD100によって表される画素について注目画素PE1を中心として順次隣接する比較的狭い切り出し領域T0の合計5つの画素PE1〜PE5をそれぞれクラスタップCT0として切り出し、これをパターン抽出部103Aに供給する。
【0054】
従って、パターン抽出部103Aは、図8(B)に示すように、クラスタップCT0として切り出された各画素PE1〜PE5について、1ビットADRCによるパターン抽出を行うことにより、当該5つの画素PE1〜PE5の波形パターンとして、図8(B)において水平方向左側から順次「00111」で表される波形パターンデータD103Aを得る。パターン抽出部103Aはこのようにして抽出された波形パターンデータD103Aをクラスコード発生部105に供給する。
【0055】
また、領域切り出し部101Bは図8(C)に示すように、入力画像データD100によって表される画素について注目画素PE1を中心として1画素おきに隣接する合計5つの画素PE1及びPE12〜PE15をそれぞれ切り出し領域T1のクラスタップCT1として切り出し、これをパターン抽出部103Bに供給する。
【0056】
従って、パターン抽出部103Bは、図8(C)に示すように、クラスタップCT1として切り出された各画素PE1及びPE12〜PE15について、1ビットADRCによるパターン抽出を行うことにより、当該5つの画素PE1及びPE12〜PE15の波形パターンとして、図8(C)において水平方向左側から順次「01110」で表される波形パターンデータD103Bを得る。パターン抽出部103Bはこのようにして抽出された波形パターンデータD103Bをクラスコード発生部105に供給する。
【0057】
また、領域切り出し部101Cは図8(D)に示すように、入力画像データD100によって表される画素について注目画素PE1を中心として2画素おきに隣接する合計5つの画素PE1及びPE22〜PE25をそれぞれ切り出し領域T2のクラスタップCT2として切り出し、これをパターン抽出部103Cに供給する。
【0058】
従って、パターン抽出部103Cは、図8(D)に示すように、クラスタップCT2として切り出された各画素PE1及びPE22〜PE25について、1ビットADRCによるパターン抽出を行うことにより、当該5つの画素PE1及びPE22〜PE25の波形パターンとして、図8(D)において水平方向左側から順次「00100」で表される波形パターンデータD103Cを得る。パターン抽出部103Cはこのようにして抽出された波形パターンデータD103Cをクラスコード発生部105に供給する。
【0059】
また、領域切り出し部101D(図示せず)〜101kにおいても同様にしてクラスタップCT3〜CT(k−1)を切り出し、これを対応するパターン抽出部103D(図示せず)〜103kに供給し、それぞれの波形パターンを抽出しこれを波形パターンデータD103D(図示せず)〜D103kとしてクラスコード発生部105に供給する。
【0060】
クラスコード発生部105は、図9に示すように、パターン抽出部103A〜103k(図6)からそれぞれ供給される波形パターンデータD103A〜D103kをそれぞれ対応するクラスコード発生部107A〜107kに入力する。
【0061】
クラスコード発生部107A〜107kはそれぞれ入力された波形パターンデータD103A〜D107kを各波形パターンを表すクラスコードに変換し、当該クラスコードデータD107A〜D107kをクラスコード比較器108及びクラスコードセレクタ111に供給する。
【0062】
クラスコード比較器108は、各クラスコード発生部107A〜107kから供給されるクラスコードデータD107A〜D107kを比較することにより、図8について上述した精細度の低い入力画像データD100(図8(B)〜(D))の原画像データである高精細度の波形パターン(図8(A))の特徴を判別すると共に、当該原画像の波形パターンの特徴に最も近い波形パターンを得るためのクラス(クラスタップCT0〜CT(k−1))をクラスコードデータD107A〜D107kによって表されるクラスコードの中から選択する。
【0063】
すなわち、画像データ変換装置100の入力画像データD100である精細度の低い画像データにおいては、その原画像である高精細度の画像に比べて変化のある波形パターンが変化の少ない波形パターンになっている場合がある。従って、画像データ変換装置100は、画素間隔を変化させて切り出した各クラスタップCT0〜CT(k−1)が表す波形パターン(クラス)をクラスコード比較器108において比較することにより、原画像の波形パターンの特徴を判別し、当該判別された特徴に最も近い波形パターンを表すクラスを選択する。
【0064】
この場合、クラスコード比較器108は図10に示す処理手順に従って原画像の特徴に最も近い波形パターン(クラス)を選択する。この処理手順においてクラスコード比較器108は、入力画像データD100から間引き間隔を順次広げて複数クラスのクラスタップを切り出す際に、当該間引き間隔を広げる前後で波形パターンの比較を行い、間引く間隔を広げる前後で注目画素近傍の波形の特徴(タップ情報)が失われるか否かを判別することにより、原画像の波形の特徴に最も近い波形パターンを選択する。
【0065】
そして、クラスコード比較器108は、間引く間隔を広げる前後で波形の特徴(タップ情報)が失われるか否かを判断する方法として、間引く間隔を広げる前の波形パターンが、間引く間隔を広げた後の波形パターンの一部であるか否かを判別するようになされている。
【0066】
すなわち、間引く間隔を広げる前のクラスタップによって形成される波形パターンをCLSaとすると共に間引く間隔を広げた後のクラスタップによって形成される波形パターンをCLSbとし、クラスタップを水平方向の5タップとした場合の波形パターンCLSaとして例えば「00111」、「00011」、「11000」及び「11100」の4つのパターンを考える。
【0067】
波形パターンCLSaが「00111」又は「00011」である場合、注目画素を中心として、左右の波形データは「00」又は「11」となっている。従って、これら2ビット分のデータは、それぞれ「0」又は「1」で代表させることができ、波形パターンCLSaとして「00111」を間引くことによって「×011×」で表される波形パターンCLSb(但し、×は「0」又は「1」)が得られるとき、または、波形パターンCLSaとして「00011」を間引くことによって「×001×」で表される波形パターンCLSb(但し、×は「0」又は「1」)が得られるとき、間引き後の波形パターンCLSbは、間引き前の波形パターンCLSaの一部であると判断することができ、これに対して間引き後の波形パターンCLSbとして「×011×」(但し、×は「0」又は「1」)又は「×001×」(但し、×は「0」又は「1」)が得られないとき、クラスコード比較器108は、間引き前の波形パターンCLSaが原画像の特徴を表す波形パターンであると判断することができ、当該波形パターンCLSaをこのときの注目画素PE1のクラス波形として選択する。
【0068】
また、波形パターンCLSaが「11000」又は「11100」である場合、注目画素を中心として、左右の波形データは「11」又は「00」となっている。従って、これら2ビット分のデータは、それぞれ「1」又は「0」で代表させることができ、波形パターンCLSaとして「11000」を間引くことによって「×100×」で表される波形パターンCLSb(但し、×は「0」又は「1」)が得られるとき、または、波形パターンCLSaとして「11100」を間引くことによって「×110×」で表される波形パターンCLSb(但し、×は「0」又は「1」)が得られるとき、間引き後の波形パターンCLSbは、間引き前の波形パターンCLSaの一部であると判断することができ、これに対して間引き後の波形パターンCLSbとして「×100×」(但し、×は「0」又は「1」)又は「×110×」(但し、×は「0」又は「1」)が得られないとき、クラスコード比較器108は、間引き前の波形パターンCLSaが原画像の特徴を表す波形パターンであると判断することができ、当該波形パターンCLSaをこのときの注目画素PE1のクラス波形として選択する。
【0069】
このように、入力画像データD100として高域成分が失われた精細度の低い画像データが画像データ変換装置100に入力された場合、当該入力画像データD100のクラスタップを切り出す際に、注目画素近傍のタップ情報(波形の特徴)を失わない程度にタップ間隔(間引き間隔)を広げることにより、注目画素近傍から波形全体に亘っての特徴を忠実に表すクラスタップを選択することができる。
【0070】
従って、クラスコード比較器108は、図10の処理手順に入ると、ステップSP100からステップSP101に移り、当該ステップSP101において間引き間隔が「0」である波形パターンCLS0と、間引き間隔が「1」である波形パターンCLS1とを比較し、波形パターンCLS0が波形パターンCLS1の一部であるか否かを判断する。
【0071】
因みに、波形パターンCLS0は図8(B)について上述したように、パターン抽出部103Aにおいて入力画像データD100から間引き間隔を「0」として切り出されたクラスタップCT0に対して1ビットADRCを行うことにより得られる波形パターンデータD103Aであり、また、波形パターンCLS1は図8(C)について上述したように、パターン抽出部103Bにおいて入力画像データD100から間引き間隔を「1」として切り出されたクラスタップCT1に対して1ビットADRCを行うことにより得られる波形パターンデータD103Bである。
【0072】
ステップSP101において否定結果が得られると、このことは、間引き前の波形パターンCLS0が間引き後の波形パターンCLS1の一部ではないことを表しており、このときクラスコード比較器108はステップSP111に移って、間引き前の波形パターンCLS0をこのときの注目画素PE1を表す波形パターン(すなわちクラスタップ)として選択する。
【0073】
これに対してステップSP101において肯定結果が得られると、このことは間引き前の波形パターンCLS0が間引き後の波形パターンCLS1の一部であることを表しており、このときクラスコード比較器108はステップSP102に移って、さらに間引き間隔を広げた波形パターンCLS2を間引き間隔を広げる前の波形パターンCLS1と比較する。
【0074】
因みに、波形パターンCLS2は図8(D)について上述したように、パターン抽出部103Cにおいて入力画像データD100から間引き間隔を「2」として切り出されたクラスタップCT2に対して1ビットADRCを行うことにより得られる波形パターンデータD103Cである。
【0075】
ステップSP102において否定結果が得られると、このことは、間引き前の波形パターンCLS1が間引き後の波形パターンCLS2の一部ではないことを表しており、このときクラスコード比較器108はステップSP112に移って、間引き前の波形パターンCLS1をこのときの注目画素PE1を表す波形パターン(すなわちクラスタップ)として選択する。
【0076】
これに対してステップSP102において肯定結果が得られると、このことは間引き前の波形パターンCLS1が間引き後の波形パターンCLS2の一部であることを表しており、このときクラスコード比較器108はステップSP103に移って、さらに間引き間隔を広げた波形パターンCLS3を間引き間隔を広げる前の波形パターンCLS2と比較する。
【0077】
因みに、波形パターンCLS3は、入力画像データD100から間引き間隔を「3」として切り出されたクラスタップCT3に対して1ビットADRCを行うことにより得られる波形パターンデータである。
【0078】
ステップSP103において否定結果が得られると、このことは、間引き前の波形パターンCLS2が間引き後の波形パターンCLS3の一部ではないことを表しており、このときクラスコード比較器108はステップSP113に移って、間引き前の波形パターンCLS2をこのときの注目画素PE1を表す波形パターン(すなわちクラスタップ)として選択する。
【0079】
これに対してステップSP103において肯定結果が得られると、このことは間引き前の波形パターンCLS2が間引き後の波形パターンCLS3の一部であることを表しており、このときクラスコード比較器108はステップSP104に移って、さらに間引き間隔を広げた波形パターンCLS4を間引き間隔を広げる前の波形パターンCLS3と比較する。
【0080】
因みに、波形パターンCLS4は、入力画像データD100から間引き間隔を「4」として切り出されたクラスタップCT4に対して1ビットADRCを行うことにより得られる波形パターンデータである。
【0081】
ステップSP104において否定結果が得られると、このことは、間引き前の波形パターンCLS3が間引き後の波形パターンCLS4の一部ではないことを表しており、このときクラスコード比較器108はステップSP114に移って、間引き前の波形パターンCLS3をこのときの注目画素PE1を表す波形パターン(すなわちクラスタップ)として選択する。
【0082】
これに対してステップSP104において肯定結果が得られると、このことは間引き前の波形パターンCLS3が間引き後の波形パターンCLS4の一部であることを表しており、このときクラスコード比較器108はステップSP115に移って、間引き後の波形パターンCLS4をこのときの注目画素PE1を表す波形パターン(すなわちクラスタップ)として選択する。
【0083】
かくして、クラスコード比較器108は図10に示す処理手順によって、クラスタップCT0〜CT4(=CT(k−1))のうち原画像の特徴を最も良く表すと推定されるクラスタップを選択し、当該クラスタップを表すクラスコードをこのときの注目画素PE1に対する最適クラスコードとする。そして、クラスコード比較器108は、当該最適クラスコードを選択する制御データD108をクラスコードセレクタ111(図9)及びスイッチ回路SW115(図6)にそれぞれに供給する。
【0084】
クラスコードセレクタ111は、クラスコード比較器108から供給される制御データD108に基づいて、クラスコード発生部107A〜107k(この実施の形態の場合k=5)からそれぞれ出力されるクラスコードデータD107A〜D107kのうち、クラスコード比較器108において最適クラスコードとして選択されたクラスコードデータを選択し、これを最適クラスコードデータD111としてROMテーブル113(図6)に供給する。
【0085】
ROMテーブル113は、後述する学習処理によって予め算出されている各クラスに対応する予測タップの予測係数wi (i=1〜n)の組を記憶しており、クラスコードセレクタ111(図9)から供給される最適クラスコードデータD111に対応した予測係数wi (i=1〜n)を読み出し、当該予測係数データD113を予測演算部114に供給する。
【0086】
またこのとき、クラスコード発生部105(図6)のクラスコード比較器108は、最適クラスコードを選択する制御データD108をスイッチ回路SW115に供給する。スイッチ回路SW115は、制御データD108によって選択指定された最適クラスコードで表されるクラスに対応した予測タップを領域切り出し部102A〜102kから供給される予測タップFT0〜FT(k−1)の中から選択する。
【0087】
すなわち、領域切り出し部102A〜102kは、それぞれ入力画像データD100を入力し、当該入力画像データD100から予測タップを切り出すようになされている。この場合、図11に示すように、各領域切り出し部102A〜102kは、図7について上述した領域切り出し部101A〜101kにおけるクラスタップCT0〜CT(k−1)の切り出し方法と同様にして、それぞれ異なる画素間隔で予測タップFT0〜FT(k−1)を切り出すようになされている。
【0088】
領域切り出し部102Aは、図11(A)に示すように、生成しようとするHD画像の注目画素に対応するSD画像(入力画像データD100)の注目画素PE1と当該注目画素PE1の左右水平方向に隣接する4つの画素PE2、PE3、PE4及びPE5とからなる5つの画素のデータをそれぞれ第1の予測タップFT0として抽出する。この実施の形態の場合、当該予測タップFT0は領域切り出し部101Aにおいて切り出されるクラスタップCT0と同一の画素で構成されており、クラスコード発生部105において最適クラスとして選択された波形パターンがクラスタップCT0から得られる波形パターンである場合には、当該クラスタップCT0に対応した予測タップFT0がスイッチ回路SW115において選択されるようになされている。
【0089】
また、領域切り出し部102Bは図11(B)に示すように、生成しようとするHD画像の注目画素に対応するSD画像の注目画素PE1と当該画素PE1の左右水平方向に1画素ずつ間引いてなる1画素おきの4つの画素PE12、PE13、PE14及びPE15とからなる5つの画素のデータをそれぞれ第2の予測タップFT1として抽出する。この実施の形態の場合、当該予測タップFT1は領域切り出し部101Bにおいて切り出されるクラスタップCT1と同一の画素で構成されており、クラスコード発生部105において最適クラスとして選択された波形パターンがクラスタップCT1から得られる波形パターンである場合には、当該クラスタップCT1に対応した予測タップFT1がスイッチ回路SW115において選択されるようになされている。
【0090】
また、領域切り出し部102Cは図11(C)に示すように、生成しようとするHD画像の注目画素に対応するSD画像の注目画素PE1と当該画素PE1の左右水平方向に2画素ずつ間引いてなる2画素おきの4つの画素PE22、PE23、PE24及びPE25とからなる5つの画素のデータをそれぞれ第3の予測タップFT2として抽出する。この実施の形態の場合、当該予測タップFT2は領域切り出し部101Cにおいて切り出されるクラスタップCT2と同一の画素で構成されており、クラスコード発生部105において最適クラスとして選択された波形パターンがクラスタップCT2から得られる波形パターンである場合には、当該クラスタップCT2に対応した予測タップFT2がスイッチ回路SW115において選択されるようになされている。
【0091】
以下同様にして、複数の領域切り出し部102D(図示せず)〜102kにおいてそれぞれ注目画素PE1の左右水平方向に間引く画素数を1画素ずつ増やしてクラスタップを抽出して行き、合計k個の領域切り出し部102A〜102kにおいてそれぞれ予測タップFT0〜FT(k−1)を抽出する。因みに、k番目の領域切り出し部102kでは(k−1)画素ずつ間引いた予測タップFT(k−1)を抽出することになる。
【0092】
この実施の形態の場合、クラスタップを切り出す5つの領域切り出し部101A〜101kに対応して、予測タップを切り出す5つの領域切り出し部102A〜102kを用いることによって、図11(A)〜(E)に示すように、0画素間隔のクラスタップFT0から4画素間隔のクラスタップFT(k−1=4)まで5通りの予測タップを最適クラスが得られるクラスタップに対応して抽出するものとする。
【0093】
かくして、スイッチ回路SW115は、クラスコード発生部105のクラスコード比較器108(図9)から出力される制御データD108に基づいて、このときの最適クラスが得られるクラスタップに対応する予測タップFT0〜FT(k−1)を選択し、これを予測演算部114に供給する。
【0094】
ここで図12は、ROMテーブル113及び予測演算部114の詳細構成を示し、インデックスデコーダ124は、クラスコード発生部105から供給される最適クラスコードデータD111をデコードすることによりアドレスデータADi (i=1〜x)を得、当該アドレスデータADi (i=1〜x)をテーブル部122に送出することにより、アドレスデータADi (i=1〜x)に応じたクラスの組(KE1 〜KEx のいずれか)の各予測係数wi を読み出す。そしてROMテーブル113は当該読み出した予測係数データD113を予測演算部114の対応する各レジスタ133A1 〜133An を介して乗算器134A1 〜134An に供給する。
【0095】
従って各乗算器134A1 〜134An には、入力画像データD100から最適クラスとして抽出された波形パターンに応じた予測係数wi (i=1〜n)が入力されることになる。
【0096】
そしてさらに、各乗算器134A1 〜134An には、それぞれ領域切り出し部102A〜102(k−1)のいずれかからスイッチ回路SW115(図6)によって選択された予測タップ(FT0〜FT(k−1)のいずれか)の各画素値xi (i=1〜n)が供給される。
【0097】
従って、各乗算器134A1 〜134An は、それぞれ予測タップの画素値xi と予測係数wi とを乗算し、各乗算結果を続く加算器135に供給することによりこれらを加算する。かくして予測演算部114は加算器135の加算結果として上述の(2)式の演算結果を得ることにより、このとき求めようとするHD画像の注目画素の画素値x´を得る。
【0098】
予測演算部114は、かかる予測演算によって得られた各注目画素の画素値x´を、HD画像を構成する出力画像データD114として出力する。
【0099】
ここでROMテーブル113のテーブル部122に記憶される各予測係数wi は、図13に示す学習回路150によって予め算出される。すなわち図13において学習回路150は、高精細度のHD画像データD150を教師画像として正規方程式生成部161に供給すると共に、このHD画像データD150をローパスフィルタ170を介して高域成分を除去することにより画質が劣化したSD画像データD170を生成し、これを生徒画像として領域切り出し部151A〜151k及び領域切り出し部152A〜152kに供給する。
【0100】
領域切り出し部151A〜151kは、それぞれ図6について上述した領域切り出し部101A〜101kと同様にして、間引き間隔が「0」であるクラスタップCT0から順次間引き間隔を増やしたクラスタップCT0〜CT(k−1)をSD画像データD170から切り出し、これらを対応するパターン抽出部153A〜153(k−1)に供給する。
【0101】
パターン抽出部153A〜153kは、それぞれ図6について上述したパターン抽出部103A〜103kと同様にして、クラスタップCT0〜CT(k−1)として切り出された5つの画素について、1ビットADRCによるパターン抽出を行うことにより、図8について上述した場合と同様に当該5つの画素の波形パターンを抽出する。そしてパターン抽出部153A〜153kはそれぞれ抽出した波形パターンを波形パターンデータD153A〜D153kとしてクラスコード発生部158に供給する。
【0102】
クラスコード発生部158は、各パターン抽出部153A〜153kからそれぞれ供給される波形パターンデータD153A〜D153kの中から、図10について上述した手順と同様の手順に従って、最も教師画像(HD画像データD150)の特徴に近いと判断される波形クラスを選択し、これを最適クラスコードデータD158として正規方程式生成部161に供給する。
【0103】
正規方程式生成部161は、供給される教師信号(HD画像データD150)と領域切り出し部152A〜152kから供給される各予測タップの画素値を用いて、クラスコード毎に正規方程式を上述の(3)式〜(9)式によって生成する。
【0104】
因みに、領域切り出し部152A〜152kは、それぞれ図6について上述した領域切り出し部102A〜102kと同様にして、間引き間隔が「0」であるクラスタップFT0から順次間引き間隔を増やしたクラスタップFT0〜FT(k−1)をSD画像データD170から切り出すようになされており、当該予測タップを切り出す各領域切り出し部152A〜152kはそれぞれクラスタップを切り出す領域切り出し部151A〜151kに対応付けられている。
【0105】
従って、学習回路150においても、図6について上述した画像データ変換装置100の場合と同様にして、クラスコード発生部158において最適クラスが選択されると、当該最適クラスを選択する制御データD158によってスイッチ回路SW165が切換えられ、これによりこのとき最適クラスとして選択されたクラスタップを切り出した領域切り出し部(151A〜151kのいずれか)に対応する予測タップ用の領域切り出し部(152A〜152kのいずれか)が選択される。
【0106】
かくして正規方程式生成部161は、最適クラスコードごとに領域切り出し部(152A〜152kのいずれか)から供給される予測タップの画素値と教師信号とに基づいて正規方程式D161を生成し、これを予測係数決定部162に供給する。
【0107】
予測係数決定部162は、予測タップ数と同一次数の連立方程式が得られると、掃き出し法又は最小二乗法等を用いて正規方程式を解くことにより予測係数wi を求める。
【0108】
予測係数決定部162はこのようにして求められた各予測タップに対応する予測係数wi を予測係数データD162として予測係数テーブル部122に供給し、クラスごとに対応する領域に記憶する。
【0109】
(3)実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、画像データ変換装置100は、SD画像でなる入力画像データD100の各注目画素について、領域切り出し部101A〜101kにおいてそれぞれ異なる間引き間隔でクラスタップCT0〜CT(k−1)を切り出す。
【0110】
このとき、例えば図14に示す入力画像データD100が入力されたとすると、領域切り出し部101Aにおいては、図14(A)に示すように間引き間隔が「0」である画素PE1、PE2、PE3、PE4及びPE5がクラスタップCT0として切り出される。この場合、クラスタップCT0によって表される波形パターンは、ほぼ平坦で若干右上がりの波形となり、比較的狭い切り出し領域T0において忠実に波形パターンが把握される。
【0111】
これに対して領域切り出し部101Bにおいては、図14(B)に示すように間引き間隔が「1」である画素PE1、PE12、PE13、PE14及びPE15がクラスタップCT1として切り出される。この場合、クラスタップCT1によって表される波形パターンは、注目画素PE1の左右のパターンとして図中左から順に「下がる」、「上がる」、「下がる」のように入力画像データD100の特徴を切り出し領域T0よりも広い範囲(切り出し領域T1)で忠実に表している。因みに、切り出し領域T1が広くなると、画素レベルの変化が小さな低精細度の画像の波形の変化を一段と抽出し易くなる。
【0112】
これに対して領域切り出し部101Cにおいては、図14(C)に示すように間引き間隔が「2」である比較的広い切り出し領域T2において画素PE1、PE22、PE23、PE24及びPE25がクラスタップCT2として切り出される。この場合、クラスタップCT2によって表される波形パターンは、注目画素PE1及び画素PE23の間においてレベルが一旦下がる波形パターンの特徴が失われている。
【0113】
このように間引き間隔が順次広げられた各クラスタップCT0〜CT(k−1)の中で、入力画像データD100の特徴を最も忠実に表しているクラスタップ(すなわちクラスコード)が、クラスコード発生部105において図10について上述した処理手順によって選択される。
【0114】
従って、図14に示す入力画像データD100に対しては、クラスコード発生部105は、間引き間隔が「1」であるクラスタップCT1による波形パターンをクラスコード化したものを最適クラスとして選択する。画像データ変換装置100は、このようにして選択した最適クラスに応じて予測係数を選び、当該予測係数及び予測タップの画素値を用いて予測演算を行うことにより、求めるべきHD画像の注目画素について、SD画像(入力画像データD100)からその特徴を十分に予測することができる。
【0115】
画像データ変換装置100は求めようとする各注目画素について順次クラスタップの切り出し及び最適クラスの選択並びに当該選択された最適クラスに応じた予測演算を実行することにより、画素毎に精細度に応じた最適クラスの選択を行うことができ、画像の詳細な精細度状態に応じた変換を行うことができる。
【0116】
かくして以上の構成によれば、画像データ変換装置100は、入力画像データ100の画素毎に複数の領域切り出し部101A〜101k及びパターン抽出部103A〜103kからのクラスコード同士を比較して最適クラスコードを求めることにより、比較的少ないクラスタップによって、かつ、できるだけ広い範囲で入力画像データD100の波形の特徴を忠実に把握することができ、これによりタップ数の増加に伴う回路規模の大型化を回避し得ると共に、広い範囲でのクラスタップの切り出しによって、精細度の低い入力画像データD100に対して波形の特徴を十分に把握し得ると共にSN比の改善を行うことができる。
【0117】
(4)他の実施の形態
上述の実施の形態においては、クラスタップCT0〜CT(k−1)を切り出す領域切り出し部101A〜101kに対応して予測タップFT0〜FT(k−1)を切り出す領域切り出し部102A〜102kを設け、最適クラスが得られるクラスタップに対応した予測タップを用いる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、クラスコード発生部105において選択された最適クラスに応じて切り出す予測タップを適応的に切り換えたり、固定された予測タップを用いる等、クラスタップとは異なる種々の予測タップを用いることができる。
【0118】
また上述の実施の形態においては、領域切り出し部101A〜101kにおいて間引き間隔を「0」画素から順次1画素ずつ増やして行く場合について述べたが、本発明はこれに限らず、種々の間引き間隔を適用することができる。
【0119】
また上述の実施の形態においては、SD画像をHD画像に変換する画像データ変換装置に本発明を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばSD画像の走査線数を変換してSD画像を得る場合、HD画像の走査線数を変換してHD画像を得る場合、インターレース方式の画像をノンインターレース方式の画像に変換する場合、入力画像データを補間処理又は拡大処理する場合等、種々の画像データ変換装置に広く適用することができる。
【0120】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、第1画像データから注目画素と、当該注目画素を中心として前後に所定の画素間隔おきに配置された複数の画素とからなる画素グループをクラスタップとして、画素間隔が順次広げられた結果得られる複数のクラスタップをそれぞれ抽出し、複数のクラスタップにおける注目画素及び複数の画素からなる信号レベル分布が表されたクラスコードをそれぞれ生成し、画素間隔が広げられる前後のクラスタップにそれぞれ対応するクラスコード同士を比較し、画素間隔を広げる前の前クラスコードと画素間隔を広げた後の後クラスコードとの共通部分により傾向を判断し、前クラスコードと後クラスコードとの傾向が異なるとき、前クラスコードを最適クラスコードとして選択決定し、最適クラスコードに対応した第1画像データよりも高精細の第2画像データを予測生成するための予測係数と、最適クラスコードに対応する最適クラスタップとが用いられた予測演算を実行することにより第2画像データの注目画素を生成することにより、第1の画像データの注目画素を特徴付ける画素グループの画素数を一段と少なくしつつ広い範囲で画素グループを構成することができる。
【0121】
従って、第1の画像の特徴を忠実に把握し得る画像データ変換装置を一段と簡易な構成で実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるクラス分類適応処理の原理の説明に供するブロック図である。
【図2】本発明によるクラス分類適応処理の原理の説明に供する略線図である。
【図3】本発明によるクラス分類適応処理の原理の説明に供する略線図である。
【図4】本発明によるクラス分類適応処理の原理の説明に供するブロック図である。
【図5】本発明によるクラス分類適応処理の原理の説明に供するフローチャートである。
【図6】本発明による画像データ変換装置の一実施の形態を示すブロック図である。
【図7】クラスタップの切り出しの説明に供する略線図である。
【図8】波形パターンの抽出の説明に供する略線図である。
【図9】クラスコード発生部の構成を示すブロック図である。
【図10】最適クラスの選択処理手順を示すフローチャートである。
【図11】予測タップの切り出しの説明に供する略線図である。
【図12】予測演算部の構成を示すブロック図である。
【図13】学習回路の構成を示すブロック図である。
【図14】間引き間隔の変化に伴う抽出波形パターンの変化を示す信号波形図である。
【符号の説明】
100……画像データ変換装置、101A〜101k、102A〜102k、151A〜151k、152A〜152k……領域切り出し部、103A〜103k、153A〜153k……パターン抽出部、105、107A〜107k、158……クラスコード発生部、108……クラスコード比較器、111……クラスコードセレクタ、113……ROMテーブル、114……予測演算部、122……予測係数テーブル部、161……正規方程式生成部、162……予測係数決定部、CT0〜CT(k−1)……クラスタップ、FT0〜FT(k−1)……予測タップ。

Claims (4)

  1. 第1画像データから注目画素と、当該注目画素を中心として前後に所定の画素間隔おきに配置された複数の画素とからなる画素グループをクラスタップとして、上記画素間隔が順次広げられた結果得られる複数の上記クラスタップをそれぞれ抽出するクラスタップ抽出部と、
    複数の上記クラスタップにおける上記注目画素及び上記複数の画素からなる信号レベル分布が表されたクラスコードをそれぞれ生成するクラスコード生成部と、
    上記画素間隔が広げられる前後の上記クラスタップにそれぞれ対応する上記クラスコード同士を比較し、上記画素間隔を広げる前の前クラスコードと上記画素間隔を広げた後の後クラスコードとの共通部分により傾向を判断し、上記前クラスコードと上記後クラスコードとの傾向が異なるとき、上記前クラスコードを最適クラスコードとして選択決定する最適クラスコード決定部と、
    上記最適クラスコードに対応した上記第1画像データよりも高精細の第2画像データを予測生成するための予測係数と、上記最適クラスコードに対応する最適クラスタップとが用いられた予測演算を実行することにより上記第2画像データの注目画素を生成する注目画素生成部と
    を有する画像データ変換装置。
  2. 上記注目画素生成部は、
    複数の上記クラスタップにそれぞれ対応する複数の上記予測係数から上記最適クラスコードに応じた最適予測係数を用いて上記第2画像データの画素を生成する
    求項1に記載の画像データ変換装置。
  3. 上記クラスコード生成部は、
    上記注目画素及び上記複数の画素からなる上記信号レベル分布に所定のデータ圧縮処理を施すことにより再量子化された複数の上記クラスコードをそれぞれ生成する
    求項1に記載の画像データ変換装置。
  4. 第1画像データから注目画素と、当該注目画素を中心として前後に所定の画素間隔おきに配置された複数の画素とからなる画素グループをクラスタップとして、上記画素間隔が順次広げられた結果得られる複数の上記クラスタップをそれぞれ抽出するクラスタップ抽出ステップと、
    複数の上記クラスタップにおける上記注目画素及び上記複数の画素からなる信号レベル分布が表されたクラスコードをそれぞれ生成するクラスコード生成ステップと、
    上記画素間隔が広げられる前後の上記クラスタップにそれぞれ対応する上記クラスコード同士を比較し、上記画素間隔を広げる前の前クラスコードと上記画素間隔を広げた後の後クラスコードとの共通部分により傾向を判断し、上記前クラスコードと上記後クラスコードとの傾向が異なるとき、上記前クラスコードを最適クラスコードとして選択決定する最適クラスコード決定ステップと、
    上記最適クラスコードに対応した上記第1画像データよりも高精細の第2画像データを予測生成するための予測係数と、上記最適クラスコードに対応する最適クラスタップとが用いられた予測演算を実行することにより上記第2画像データの注目画素を生成する注目画素生成ステップと
    を有する画像データ変換方法。
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