JP4126143B2 - 開閉バルブ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクチュエータとバルブボディとが分解可能な開閉バルブに関し、特に分解を簡単にした開閉バルブに関する。
【0002】
【従来の技術】
開閉バルブは、例えば図8に示すように、ポート102,103が形成されたバルブボディ101にアクチュエータ110が一体に固定され、そのアクチュエータ110の往復運動を伝達するロッド111下端に固定された弁体105が、弁座面106に当接・離間して弁の開閉を行うように構成されている。そして、そのアクチュエータ110には、例えばエアシリンダやソレノイドが使用され、そのアクチュエータ本体112が、上方からねじ込まれたボルト121,121…によってバルブボディ101へ固定されて、一個の開閉バルブ100が形成されている。
【0003】
こうした開閉バルブ100は、例えばポート102,103がガス管に接続されて、ガスライン上に配管される。図9は、開閉バルブ100の配管部分を示した断面図であって、図9(a)は、管の半径方向断面図であり、図9(b)は、ポート及び管の軸方向断面図である。ポート102(103)と管130とは、図9(b)に示すように管内にセンタリング123がはめ込まれて同軸上に配置され、センタリング123外周に嵌合したOリング124を両フランジ102a,130aで挟み込み、更にその両フランジをまたいだクランプ125a,125bによって図9(a)に示すように挟み込んで固定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうした開閉バルブ100は、メンテナンスなどのために分解する必要があるが、前述した従来の開閉バルブ100のような構造のものは、分解が容易でなく、配管箇所によっては非常に困難なこともあった。
即ち、図9に示すように配管した開閉バルブ100は、センタリング123がポート102(103)及び管130内に強くはめ込まれ、ガスライン上からバルブ自体を簡単に取り外しできないようになっている。そのため、開閉バルブ100の分解は、配管した状態のままで行われることが多い。
ところが、従来の開閉バルブ100は、アクチュエータ本体112をバルブボディ101に固定したボルト121,121…を取り外すのに工具が必要であるため、特に開閉バルブ100の配管箇所が狭いところでは、工具が入らないこともあって分解を非常に困難にしていた。
【0005】
そこで本発明は、かかる課題を解決すべく、バルブボディとアクチュエータとの分解が簡単な開閉バルブを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
参考発明は、出力軸による軸方向の往復運動を行うアクチュエータと、流路を構成するバルブボディとが組み立て可能なものであって、バルブボディ内に挿入されたアクチュエータの出力軸先端には弁体が設けられ、バルブボディ内に形成された弁座に対して弁体が当接・離間することによって弁の開閉を行う開閉バルブにおいて、前記アクチュエータには、組み立ての際にバルブボディに対して外側から嵌合する筒状の嵌合部材が設けられ、その嵌合部材又はバルブボディの一方に設けられた凸状部が他方に設けられた凹状部に入り込んで、組み立てられたアクチュエータとバルブボディとをロックすることを特徴とする。
よって、参考発明の開閉バルブによれば、嵌合部材及びバルブボディの一方に設けられた凸状部を他方に設けられた凹状部から取り出すようにしてアクチュエータをバルブボディから外すだけで分解が可能となる。
【0007】
また、参考発明は、出力軸による軸方向の往復運動を行うアクチュエータと、流路を構成するバルブボディとが組み立て可能なものであって、バルブボディ内に挿入されたアクチュエータの出力軸先端には弁体が設けられ、バルブボディ内に形成された弁座に対して弁体が当接・離間することによって弁の開閉を行う開閉バルブにおいて、前記アクチュエータは、組み立ての際にバルブボディに対して外側から嵌合するように設けられた筒状の嵌合部材に、筒状のガイド部材がスライド可能にはめ合わされ、その嵌合部材に穿設された複数のテーパ孔に装填された球体が、ガイド部材によって外側から押さえ付けられるものであって、ガイド部材によって嵌合部材の内側へ突き出された球体がバルブボディに形成されたロック穴に入り込んで、組み立てられたアクチュエータとバルブボディとをロックすることを特徴とする。
【0008】
よって、参考発明の開閉バルブによれば、組み立ての際には、嵌合部材をバルブボディにはめ込んで球体をロック穴に入れ、それとともにガイド部材をスライドさせて球体を外側から押さえ付けてロックする。一方、分解する際には、ガイド部材をスライドさせて球体の押さえ付けを外せば、容易にロックが解除されて嵌合部材をバルブボディから抜くことができ、アクチュエータの分解が簡単に行うことができる。
【0009】
また、本発明は、出力軸による軸方向の往復運動を行うアクチュエータと、流路を構成するバルブボディとが組み立て可能なものであって、ベローズに覆われてバルブボディ内に挿入されたアクチュエータの出力軸の先端には弁体が設けられ、バルブボディ内に形成された弁座に対して弁体が当接・離間することによって弁の開閉を行う開閉バルブにおいて、前記アクチュエータには、組み立ての際にバルブボディに対して外側から嵌合する筒状の嵌合部材が設けられ、その嵌合部材には上下2段に穿設された複数のテーパ孔に球体が装填され、その嵌合部材に対してスライド可能にはめ合わされた筒状のガイド部材が、上下にスライドすることによって上下2段に装填された球体を交互にテーパ孔内に外側から押さえ付けるものであって、ガイド部材によって嵌合部材の内側へ突き出された下方の球体は、バルブボディに形成されたロック穴に入り込んで組み立てられたアクチュエータとバルブボディとをロックし、ガイド部材によって嵌合部材の内側へ突き出された上方の球体は、ベローズに接続された筒状のベローズアダプタの外周の段部が引っかけられることを特徴とする 。
【0010】
よって、本発明の開閉バルブによれば、組み立ての際には、嵌合部材をバルブボディにはめ込んで下方の球体をロック穴に入れ、それとともにガイド部材をスライドさせて下方の球体を外側から押さえ付けてロックする。一方、分解する際には、ガイド部材をスライドさせて下方の球体の押さえ付けを外せば、容易にロックが解除されて嵌合部材をバルブボディから抜くことができ、アクチュエータの分解が簡単に行うことができる。また、分解の際には、上方の球体が外側から押さえ付けられ、その内側に突出した球体にベローズアダプタが引っかけられ、アクチュエータやベローズなどを一体にバルブボディから分解させることができる。
【0011】
参考発明は、出力軸による軸方向の往復運動を行うアクチュエータと、流路を構成するバルブボディとが組み立て可能なものであって、バルブボディ内に挿入されたアクチュエータの出力軸先端には弁体が設けられ、バルブボディ内に形成された弁座に対して弁体が当接・離間することによって弁の開閉を行う開閉バルブにおいて、前記アクチュエータは、組み立ての際にバルブボディに対して外側から嵌合するように設けられた筒状の嵌合部材に、筒状のガイド部材がスライド可能にはめ合わされ、その嵌合部材に穿設された複数のテーパ孔に装填された球体が、ガイド部材によって外側から押さえ付けられるものであって、ガイド部材によって嵌合部材の内側へ突き出された球体がバルブボディに形成された環状のロック溝に入り込んで、組み立てられたアクチュエータとバルブボディとをロックすることを特徴とする。
【0012】
よって、参考発明の開閉バルブによれば、組み立ての際には、嵌合部材をバルブボディにはめ込んで球体をロック溝に入れ、それとともにガイド部材をスライドさせて球体を外側から押さえ付けてロックする。その際、嵌合部材に内側に隠れるロック溝に球体を入れる必要があるが、ロック溝が環状に形成されているため、球体の位置を調整することなく嵌合部材をバルブボディに簡単に嵌合させることができる。一方、分解する際には、ガイド部材をスライドさせて球体の押さえ付けを外せば、容易にロックが解除されて嵌合部材をバルブボディから抜くことができ、アクチュエータの分解が簡単に行うことができる。
【0013】
また、本発明は、出力軸による軸方向の往復運動を行うアクチュエータと、流路を構成するバルブボディとが組み立て可能なものであって、ベローズに覆われてバルブボディ内に挿入されたアクチュエータの出力軸の先端には弁体が設けられ、バルブボディ内に形成された弁座に対して弁体が当接・離間することによって弁の開閉を行う開閉バルブにおいて、前記アクチュエータには、組み立ての際にバルブボディに対して外側から嵌合する筒状の嵌合部材が設けられ、その嵌合部材には上下2段に穿設された複数のテーパ孔に球体が装填され、その嵌合部材に対してスライド可能にはめ合わされた筒状のガイド部材が、上下にスライドすることによって上下2段に装填された球体を交互にテーパ孔内に外側から押さえ付けるものであって、ガイド部材によって嵌合部材の内側へ突き出された下方の球体は、バルブボディに形成された環状のロック溝に入り込みんで組み立てられたアクチュエータとバルブボディとをロックし、ガイド部材によって嵌合部材の内側へ突き出された上方の球体は、ベローズに接続された筒状のベローズアダプタの外周の段部が引っかけられることを特徴とする。
【0014】
よって、本発明の開閉バルブによれば、組み立ての際には、嵌合部材をバルブボディにはめ込んで下方の球体をロック溝に入れ、それとともにガイド部材をスライドさせて下方の球体を外側から押さえ付けてロックする。一方、分解する際には、ガイド部材をスライドさせて下方の球体の押さえ付けを外せば、容易にロックが解除されて嵌合部材をバルブボディから抜くことができ、アクチュエータの分解が簡単に行うことができる。また、分解の際には、上方の球体が外側から押さえ付けられ、その内側に突出した球体にベローズアダプタが引っかけられ、アクチュエータやベローズなどを一体にバルブボディから分解させることができる。
【0015】
また、本発明の開閉バルブは、前記嵌合部材が、嵌合方向に形成されたスリット溝を備え、バルブボディに突設された突起を当該スリット溝に入れてバルブボディへ嵌合させるものであることを特徴とする。
よって、本発明の開閉バルブによれば、嵌合部材を当該スリット溝に突起を入れるようにしてバルブボディへ嵌合させれば、ロック穴の場合には、その位置を探さずに球体を入れることができ、またロック溝の場合には、嵌合後の嵌合部材の回転防止になる。
【0016】
また、本発明の開閉バルブは、前記嵌合部材に螺合され、球体をテーパ孔内に押さえ付けたガイド部材の抜け止め防止のためのカラーを有することを特徴とする。
よって、本発明の開閉バルブによれば、カラーによって安定したロック状態を維持することができ、また嵌合部材に螺合させたカラーの位置決めも簡単で、紛失のおそれもない。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る開閉バルブの一実施の形態について図面を参照して説明する。図1及び図2は、第1実施の形態の開閉バルブを示した断面図であり、特に図1はバルブボディとアクチュエータとが固定された状態を示し、図2はバルブボディとアクチュエータとが分解可能な状態を示したものである。
本実施の形態の開閉バルブ1は、半導体製造ラインの排気系に配管される真空排気バルブを例に挙げたものであり、特にアクチュエータにはエアシリンダ10を用いたものである。
開閉バルブ1のバルブボディ2は、円筒形の下方端に縮径した出力ポート3が同軸に突設し、側面部には入力ポート4が軸線と直交方向に突設して形成されている。そして、そのバルブボディ2内には、出力ポート3へ連続する平坦な環状の面が弁座面5として形成されている。
【0018】
一方、エアシリンダ10は、シリンダ11内にピストン12が上下方向に摺動自在に装填され、そのピストン12によってシリンダ11が上下2室に分割され、ピストン12下方の加圧室にはシリンダ11に形成された吸排気ポート13が連通している。また、ピストン12にはロッド15が同軸上に一体に固定され、同時に上下動するよう構成されている。
円筒形状のシリンダ11にはロッド15を案内する貫通孔16が形成され、その貫通孔16を貫いてロッド15がバルブボディ2内にまで進入している。貫通孔16内にはブシュがはめ込まれ、ロッド15がスムーズに摺動するように嵌挿され、また貫通孔16内はシールリングによて圧縮エアが漏れるのを防止するよう構成されている。
【0019】
バルブボディ2内にまで延設されたロッド15の先端にはベローズ組立7が固定され、そこには弁座面5に対して当接・離間するシール用のOリング6が保持されている。
そして、そのロッド15に連結されたベローズ組立7とシリンダ11との間にはスプリング8が装填され、ベローズ組立7、ロッド15及びピストン12が常時下方に付勢され、この開閉バルブ1は、Oリング6が常時弁座面5に当接するノーマルクローズ型をなして構成されている。
【0020】
また、このロッド21及びスプリング8を覆うようにベローズ20が設けられている。ベローズ20は、下端がベローズ組立7に、上端がベローズアダプタ21に接続され、これらが一体のものとして形成されている。
ベローズアダプタ21は、上端が広がるようにして段差が形成された円筒状の部材である。更に具体的には、バルブボディ2内にほぼ隙間無くはまり込むような外径の円筒であって、外周には環状の溝が形成され、そこに装填されたOリング26によってバルブボディ2との間から流体が漏れないようにシールしている。また、ベローズアダプタ21は、上端の段差部分がバルブボディ2とシリンダ11とに挟み込まれるようになっている。
【0021】
開閉バルブ1は、このようなベローズアダプタ21を挟み込み、図示するように組み合わされたバルブボディ2とシリンダ11とが連結されて一体のものとなっている。そのロック手段として、本実施の形態ではカプラー式を採用している。
即ち、本実施の形態の開閉バルブ1は、バルブボディ2とシリンダ11との接合位置に、上下2段に鋼球31,31…,32,32…を保持するリング22が配置され、そのリング22の外周にはめ込んだリングガイド23を上下させることによって、両者を固定及び分解するよう構成したものである。ここで、図3は、ロック手段を構成する部材を示した図であり、ベローズアダプタ21、リング22及びリングガイド23の断面と、バルブボディ2の側面を示している。
【0022】
先ずバルブボディ2は、上端部外周が図1に示すようにリング22をはめ込むことができるように段部が形成され、そこには8個のロック穴27,27…が形成されている。ロック穴27,27…は、バルブボディ2の内側に縮径したテーパ状の有底穴であって、同一円周上に均等な間隔で形成されている。なお、ロック穴27,27…を、バルブボディ2を貫通した孔とすることに何ら問題はない。
次に、ベローズアダプタ21は、前述したようにバルブボディ2内にはめ込むことが可能な円筒状のものであって、その上端の段差部分の外周面には、バルブボディ2上端の面取り部2aとでテーパ溝28(図1参照)を形成するように、上方への傾斜面をもった段部21aが形成されている。
【0023】
次いで、リング22は、前述したようにバルブボディ2の段差部分にはめ込むことが可能な円筒部材であり、上下2段に8個の保持孔33,33…,34,34…が形成されている。その保持孔33,33…と保持孔34,34…とは、共に同一円周上に均等な間隔で穿設され、鋼球31,31…,32,32…(図1参照)が内側に抜けない程度に縮径したテーパ状の貫通孔である。そして、このリング22は、内側に張り出したフランジが形成され、図1に示すようにそこに圧入した平行ピン29によってシリンダ11に対して位置決めされる。
更に、リングガイド23は、そのようなリング22にはめ合わすことができる内径寸法の円筒状部材であり、その内周面には環状のテーパ溝30が形成されている。
【0024】
そして、これらはシリンダ11などとともに組み立てられ、図4に示す駆動部ユニット50が構成される。
駆動部ユニット50は、リング22が平行ピン29の圧入によってシリンダ11に固定され、そのシリンダ11に対して下からはめ合わされたベローズアダプタ21は、リング22の鋼球31,31…に段部21a(図3参照)が引っかけられ、抜け落ちないように保持されている。即ち、図4に示す駆動部ユニット50を取り外した状態では、リングガイド23によって押さえ付けられた鋼球31,31…がリング22の内側から突き出て、ベローズアダプタ21の抜けが防止しされている。
鋼球31,31…,32,32…は、リング22の保持孔33,33…,34,34…に外側から入れられ、外側にはめ込まれたリングガイド23によって脱落しないように保持されている。なお、下方の保持孔34,34…に入れられた鋼球32,32…は、図4に示す状態でもリングガイド23によって外側への脱落が防止されている。
【0025】
次に、開閉バルブ1の動作及び分解について説明する。
開閉バルブ1は、通常ベローズ組立7がスプリング8によって下方へ付勢され、Oリング6が弁座面5に当接して閉弁状態になっている。そして、吸排気ポート13から圧縮エアが供給されると、ピストン12が下方から加圧されて上昇し、それによってベローズ組立7が持ち上げられ、Oリング6が弁座面5から離間して開弁状態になる。逆に、ピストン12を上方へ加圧していた圧縮エアをシリンダ11から排出すれば、再びスプリング8によってOリング6が弁座面5に押し当てられて閉弁状態になる。
こうした弁の開閉によってポート3,4間を通る流体の流れが制御される。このとき流体は、ベローズ20によってシリンダ11側へ漏れることはなく、またベローズアダプタ21に保持されたOリング26によって外部に漏れることもない。
【0026】
続いて、開閉バルブの分解について説明する。本実施の形態の開閉バルブ1では、例えばOリング6やベローズ20が劣化した場合に、これらを交換するために分解が必要になる。分解には、バルブボディ2から図4に示す駆動部ユニット50の取り外しを行う。
開閉バルブ1は、組み立てられた通常の使用状態では図1に示すように、ベローズアダプタ21がバルブボディ2内にはめ込まれ、駆動部ユニッ50がバルブボディ2と一体になっている。このとき、リング22がバルブボディ2の外周にはめ込まれ、そこに保持された下段の鋼球32,32…がリングガイド23によって外側から押さえ付けられてバルブボディ2のロック穴27,27…内に入り込んでいる。そのため、鋼球32,32…が、バルブボディ2から駆動部ユニット50が外れないようにするロックの役目を果たしている。更に、このとき鋼球32,32…を押さえているリングガイド23が外れないように、上方には取り外し可能なカラー35がリング22にはめ込まれ、下方にはストッパリング36がリング22に設けられている。
【0027】
次に、開閉バルブ1を分解する場合、即ちバルブボディ2から駆動部ユニット50を取り外す場合には、先ず図1に示す状態からカラー35を外し、図2に示すようにリングガイド23を上方にスライドさせる。本実施の形態では、このリングガイド23のスライドだけで、バルブボディ2から図4に示す駆動部ユニット50の分解が可能となる。
具体的には、作業者がリングガイド23を上方に引き上げれば、鋼球31,31…,32,32…を保持孔33,33…,34,34…内で転がせながら、そのリングガイド23を図2に示す位置にまで移動させることができる。そのため、鋼球32,32…は、リングガイド23による押さえから開放される。そして、作業者が図2に示す状態から更にリングガイド23を引き上げれば、リング22を引っかけて駆動部ユニット50をバルブボディ2から取り外すことができる。
【0028】
一方、この駆動部ユニット50をバルブボディ2へ組み付ける場合には、バルブボディ2内にベローズアダプタ21をはめ込むようにして駆動部ユニット50を押し込んでいく。図2に示すようにバルブボディ2の上端にベローズアダプタ21が付き当たるまで押し込んだところで、駆動部ユニット50を回転させるなどしてロック穴27,27…へ鋼球32,32…を落として位置決めする。そして、リングガイド23を図1に示すように下方へスライドさせて鋼球32,32…がロック穴27,27…から抜け出ないように押さえ込み、バルブボディ2と駆動部ユニット50との組み付けを完了する。
【0029】
このような開閉バルブ1によれば、リングガイド23を引き上げるだけでロックを外し、駆動部ユニット50をバルブボディ2から取り外すことができるようになり、工具を使用することなく開閉バルブ1の分解を簡単に行うことが可能となった。従って、工具を入れることが困難な狭い装置内部でも簡単に開閉バルブ1を分解することができるようになった。
また、本実施の形態の駆動部ユニット50は、ベローズアダプタ21を鋼球331,31…によって保持するだけなので、そのベローズアダプタ21と一体のベローズ20の取り替えも簡単に行うことができる。
【0030】
また、図1に示す組立状態では鋼球32,32…のみが、一方図2に示す分解可能状態では鋼球31,31…のみがリングガイド23によって内側へ押さえ付けられるようになっている。そのため、各状態でリングガイド23による反力が鋼球31,31…と鋼球32,32…とで分散せず、図1に示す組立状態では鋼球32,32…によるロックを確実に行うことができ、図2に示す分解可能状態では鋼球31,31…によってベローズアダプタ21を確実に保持することができる。
【0031】
次に、本発明に係る開閉バルブの第2実施の形態について図面を参照して説明する。図5及び図6は、本実施の形態の開閉バルブを示した断面図であり、特に図5はバルブボディとアクチュエータとが固定された状態を示し、図6はバルブボディとアクチュエータとが分解可能な状態を示したものである。
本実施の形態の開閉バルブ51も、前記第1実施の形態と同様に半導体製造ラインの排気系に配管される真空排気バルブであり、ほぼ同様に構成されたものである。従って、同様の構成については適宜第1実施の形態のものを参照しながら説明する。
開閉バルブ51は、バルブボディ52とエアシリンダ60とを一体にしたものでり、入力ポート53と出力ポート54との間の弁座面55に弁体部を当接・離間させるようにしたものである。
【0032】
エアシリンダ60は、シリンダ61内にピストン62が摺動自在に装填され、下方の加圧室にはシリンダ61に形成された吸排気ポート63が連通している。ピストン62にはロッド64が同軸上に一体に固定され、そのロッド64が貫通孔65を貫いてバルブボディ52内にまで進入している。ロッド64の先端にはベローズ組立66が固定され、そこには弁座面55に対して当接・離間するOリング67が保持されている。この開閉バルブ51も、ベローズ組立66とシリンダ61との間にスプリング68がはめ込まれ、Oリング67が常時弁座面55に当接するノーマルクローズ型である。
【0033】
開閉バルブ51は、ロッド64及びスプリング68を覆ったベローズ70が設けられ、その下端がベローズ組立66に、上端がベローズアダプタ71に接続され、これらが一体のものとして形成されている。ベローズアダプタ71は、上端のフランジ部に段差が形成された円筒状の部材であり、特にバルブボディ52内にほぼ隙間無くはまり込むような外径寸法であって、その外周にはシール用のOリング72が装填されている。そして、そうしたベローズアダプタ71は、上端のフランジ部が図示するようにバルブボディ52とシリンダ61とに挟み込まれるようになっている。
【0034】
開閉バルブ51は、このようなベローズアダプタ71を挟み込んで図示するように組み合わされたバルブボディ52とシリンダ61とが連結されて一体のものとなっている。そのロック手段として、本実施の形態でもカプラー式を採用している。
本実施の形態の開閉バルブ51は、バルブボディ52とシリンダ61との接合位置に、上下2段に鋼球81,81…,82,82…を保持するリング73が配置され、そのリング73の外周にはめ込んだリングガイド74を上下させることによって、両者を固定及び分解するよう構成したものである。ここで、図7は、バルブボディ52の上端部とリング73を示した側面図である。
【0035】
本実施の形態では、リング73をはめ込むバルブボディ52の段部にテーパを有するロック溝56が環状に形成されている。一方、リング73は、そのバルブボディ52の段差部分にはめ込むことが可能な円筒部材であり、上端に雄ネジ85が形成されている。リング73は、バルブボディ52に対して一義的にはめ込むことができるように、バルブボディ52の突起57に対するスリット溝86が切られている。また、リング73には、第1実施の形態と同様に上下2段に8個の保持孔83,83…,84,84…が同一円周上に均等に形成され、テーパによって鋼球81,81…,82,82…(図6参照)が内側に抜けないようになっている。そして、このリング73はシリンダ61と一体となるように嵌合され、バルブボディ52に対して一緒に取り外しができるように構成されている。
【0036】
次に、ベローズアダプタ71は、前述したようにバルブボディ52内にはめ込むことが可能な円筒状のものであって、その上端のフランジ部の外周面には、図5に示すようにバルブボディ52上端の面取り部52a(図7参照)とでテーパ溝75を形成する段部が形成されている。
ベローズアダプタ71、リング73及びリングガイド74は、シリンダ61などと一体に組み立てられ、図4に示す第1実施の形態の駆動部ユニット50と同様の駆動部ユニットが構成されている。
【0037】
駆動部ユニットは、図5に示すようにリング73がシリンダ61と一体に嵌合し、そのリング73に対して下からはめ合わされたベローズアダプタ71が鋼球81,81…に引っかけられ、抜け落ちないように保持されている。即ち、駆動部ユニットを取り外した状態では、リングガイド74によって押さえ付けられた鋼球81,81…がリング73の内側から突き出て(図6参照)ベローズアダプタ71の抜けが防止されている。
鋼球81,81…,82,82…は、リング73の保持孔83,83…,84,84…に外側から入れられ、外側にはめ込まれたリングガイド74によって脱落しないように保持されている。
【0038】
次に、開閉バルブ51の動作及び分解について説明する。
開閉バルブ51は、通常ベローズ組立66がスプリング68によって下方へ付勢され、Oリング67が弁座面55に当接して閉弁状態になっている。そして、吸排気ポート63から圧縮エアが供給されると、ピストン62が下方から加圧されて上昇し、それによってベローズ組立66が持ち上げられ、Oリング67が弁座面55から離間して開弁状態になる。逆に、ピストン62を上方へ加圧していた圧縮エアをシリンダ61から排出すれば、再びスプリング68によってOリング67が弁座面55に押し当てられて閉弁状態になる。
こうした弁の開閉によってポート53,54間を通る流体の流れが制御される。このとき流体は、ベローズ70によってシリンダ61側へ漏れることはなく、またベローズアダプタ71に保持されたOリング76によって外部に漏れることもない。
【0039】
続いて、開閉バルブの分解について説明する。分解には、バルブボディ52からエアシリンダ60などからなる駆動部ユニットの取り外しを行う。
開閉バルブ51は、組み立てられた通常の使用状態では図5に示すように、ベローズアダプタ71がバルブボディ52内にはめ込まれている。このとき、リング73がバルブボディ52の外周にはめ込まれ、そこに保持された下段の鋼球82,82…がリングガイド74によって外側から押さえ付けられてバルブボディ52のロック溝56内に入り込んでいる。そのため、鋼球82,82…が、バルブボディ52から駆動部ユニットが外れないようにしている。このとき、鋼球82,82…を押さえているリングガイド74が外れてしまわないように、上方にはカラー76が、下方にはストッパリング77がリング73に設けられている。カラー76は、内周面に雌ネジが形成され、リング73の雄ネジ85(図7参照)に螺合したものである。
【0040】
次に、開閉バルブ51を分解する場合、即ちバルブボディ52からエアシリンダ60などを取り外す場合には、先ず図5に示す状態から図6に示すようにカラー76を回して上昇させ、リングガイド74を上方にスライドさせる。このリングガイド74のスライドだけで、バルブボディ52からエアシリンダ60等からなる駆動部ユニットの分解が可能となる。
具体的には、作業者がリングガイド74を上方に引き上げると、鋼球81,81…,82,82…を保持孔83,83…,84,84…内で転がせながら、リングガイド74を図6に示す位置にまで移動させることができる。そのため、鋼球82,82…は、リングガイド74の押さえから開放される。そして、作業者が更にリングガイド74を引き上げれば、リング73を引っかけてエアシリンダ60やベローズ70など(駆動部ユニット)を一体にバルブボディ52から取り外すことができる。
【0041】
一方、これをバルブボディ52へ組み付ける場合には、バルブボディ52内側にはベローズアダプタ71を、その外側にはリング73をはめ込む。その際、リング73のスリット溝86をバルブボディ52の突起57の位置に合わせるようにしてはめ込む(図7参照)。このとき、図6に示すようにバルブボディ52の上端にベローズアダプタ71が付き当たるまで押し込んだところで、ロック溝56へ鋼球82,82…が落ちる。そして、リングガイド74を図5に示すように下方へスライドさせれば、鋼球82,82…がロック溝56から抜け出ないように押さえ付けられ、バルブボディ52への組み付けが完了する。
【0042】
よって、こうした開閉バルブ51によれば、第1実施形態と同様、リングガイド74を引き上げるだけでロックを外し、駆動部ユニットをバルブボディ52から取り外すことができるようになり、工具を使用することなく開閉バルブ51の分解を簡単に行うことが可能となった。従って、工具を入れることが困難な狭い装置内部でも簡単に開閉バルブ51を分解することができるようになった。
また、本実施の形態の駆動部ユニットは、ベローズアダプタ71を鋼球81,81…によって保持するだけなので、そのベローズアダプタ71と一体のベローズ20の取り替えも簡単に行うことができる。
【0043】
また、図5に示す組立状態では鋼球82,82…のみが、一方図6に示す分解可能状態では鋼球81,81…のみがリングガイド74によって内側へ押さえ付けられるようになっている。そのため、各状態でリングガイド74による反力が鋼球81,81…と鋼球82,82…とで分散せず、図5に示す組立状態では鋼球82,82…によるロックを確実に行うことができ、図6に示す分解可能状態では鋼球81,81…によってベローズアダプタ71を確実に保持することができる。
【0044】
更に、本実施の形態では、スリット溝86をバルブボディ52の突起57に合わせてはめ込むため、駆動部ユニットの組み立て位置が一義的に決まっているが、そうしたスリット溝86を設けない場合でも、バルブボディ52のロック溝56に鋼球82,82…を入れるようにしたので、第1実施の形態のように組み立て時に隠れてしまうロック穴27,27…に入れるための調整が必要なく、単にバルブボディ52にリング73をはめ込むだけで、鋼球82,82…をロック溝56に入れ込むことができる。
また、開閉バルブ51は、組み立て状態でスリット溝86に突起57が入っているため、駆動部ユニットの回転を防止した位置決めを行うことができる。
【0045】
なお、本発明は、前記実施に形態のものに限定されるわけではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、前記実施の形態では開閉バルブの一例として真空排気バルブを挙げて説明したが、これ以外の構成のものであってもよい。
また、第1実施の形態では、リング22にも第2実施の形態のリング22と同様にスリット溝86を設けるようにしてもよい。こうしてリング73をバルブボディ2に対して一義的にはめ込むようにすれば、鋼球32,32…を簡単にロック穴27に入れることができる。即ち、駆動部ユニット50をバルブボディ2へ簡単に組み付けることができる。
【0046】
【発明の効果】
本発明は、組み立ての際にバルブボディに対して外側から嵌合する筒状の嵌合部材がアクチュエータに設けられ、その嵌合部材及びバルブボディの一方に設けられた凸状部が他方に設けられた凹状部に入り込んで、組み立てられたアクチュエータとバルブボディとをロックするようにしたので、バルブボディとアクチュエータとの分解が簡単な開閉バルブを提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る開閉バルブの第1実施の形態を示したバルブボディとアクチュエータとが固定された状態の断面図である。
【図2】本発明に係る開閉バルブの第1実施の形態を示したバルブボディとアクチュエータとが分解可能な状態の断面図である。
【図3】開閉バルブ51のロック手段を構成する部材を示した図である。
【図4】開閉バルブ51の駆動部ユニットを示した断面図である。
【図5】本発明に係る開閉バルブの第2実施の形態を示したバルブボディとアクチュエータとが固定された状態の断面図である。
【図6】本発明に係る開閉バルブの第2実施の形態を示したバルブボディとアクチュエータとが分解可能な状態の断面図である。
【図7】バルブボディ52の一部とリング73とを示した側面図である。
【図8】従来の開閉バルブを示した一部断面の側面図である。
【図9】開閉バルブの配管部分を示した断面図である。
【符号の説明】
1 開閉バルブ
2 バルブボディ
10 エアシリンダ
22 リング
23 リングガイド
27 ロック穴
81,82 鋼球
83,84 保持孔

Claims (4)

  1. 出力軸による軸方向の往復運動を行うアクチュエータと、流路を構成するバルブボディとが組み立て可能なものであって、ベローズに覆われてバルブボディ内に挿入されたアクチュエータの出力軸の先端には弁体が設けられ、バルブボディ内に形成された弁座に対して弁体が当接・離間することによって弁の開閉を行う開閉バルブにおいて、
    前記アクチュエータには、組み立ての際にバルブボディに対して外側から嵌合する筒状の嵌合部材が設けられ、その嵌合部材には上下2段に穿設された複数のテーパ孔に球体が装填され、その嵌合部材に対してスライド可能にはめ合わされた筒状のガイド部材が、上下にスライドすることによって上下2段に装填された球体を交互にテーパ孔内に外側から押さえ付けるものであって、ガイド部材によって嵌合部材の内側へ突き出された下方の球体は、バルブボディに形成されたロック穴に入り込んで組み立てられたアクチュエータとバルブボディとをロックし、ガイド部材によって嵌合部材の内側へ突き出された上方の球体は、ベローズに接続された筒状のベローズアダプタの外周の段部が引っかけられることを特徴とする開閉バルブ。
  2. 出力軸による軸方向の往復運動を行うアクチュエータと、流路を構成するバルブボディとが組み立て可能なものであって、ベローズに覆われてバルブボディ内に挿入されたアクチュエータの出力軸の先端には弁体が設けられ、バルブボディ内に形成された弁座に対して弁体が当接・離間することによって弁の開閉を行う開閉バルブにおいて、
    前記アクチュエータには、組み立ての際にバルブボディに対して外側から嵌合する筒状の嵌合部材が設けられ、その嵌合部材には上下2段に穿設された複数のテーパ孔に球体が装填され、その嵌合部材に対してスライド可能にはめ合わされた筒状のガイド部材が、上下にスライドすることによって上下2段に装填された球体を交互にテーパ孔内に外側から押さえ付けるものであって、
    ガイド部材によって嵌合部材の内側へ突き出された下方の球体は、バルブボディに形成された環状のロック溝に入り込んで組み立てられたアクチュエータとバルブボディとをロックし、ガイド部材によって嵌合部材の内側へ突き出された上方の球体は、ベローズに接続された筒状のベローズアダプタの外周の段部が引っかけられることを特徴とする開閉バルブ。
  3. 請求項1及び請求項2に記載の開閉バルブにおいて、
    前記嵌合部材は、嵌合方向に形成されたスリット溝を備え、バルブボディに突設された突起を当該スリット溝に入れてバルブボディへ嵌合させるものであることを特徴とする開閉バルブ。
  4. 請求項1及び請求項2に記載の開閉バルブにおいて、
    前記嵌合部材に螺合され、球体をテーパ孔内に押さえ付けたガイド部材の抜け止め防止のためのカラーを有することを特徴とする開閉バルブ。
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