JP4123839B2 - 電気光学装置、その駆動方法、階調制御信号生成回路および電子機器 - Google Patents

電気光学装置、その駆動方法、階調制御信号生成回路および電子機器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気光学装置、その駆動方法、階調制御信号生成回路および電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気光学物質として液晶やEL(electroluminescence)素子を用いた電気光学装置は、走査線とデータ線との各交差に対応する画素を有するのが一般的である。近年、この種の電気光学装置の駆動方法として、パルス幅変調法を用いて画素を複数の階調により表示させる方法(以下、「PWM階調制御方法」という)が提案されている。
【0003】
このPWM階調制御方法においては、走査線が選択される期間(以下、「選択期間」という)のうち、電気光学物質を駆動させる電圧をデータ線に対して印加する時間長を、各画素の階調を指示する階調データに応じて異ならせることにより、各選択期間における電気光学物質への電圧実効値を制御して、画素を階調表示させるようになっている。したがって、PWM階調制御方法を用いるためには、選択期間の開始から各階調に応じた時間長を規定するための信号(以下、「階調制御信号GCP」という)を生成することが必要となる。
【0004】
この階調制御信号GCPの電圧波形は、図15に示すように、各選択期間の開始から各階調に応じた時間長を経た時点にパルス(以下、「階調規定パルス」という)GPが配置されたものとなる。そして、図15に示すように、各選択期間の開始から、階調制御信号GCPのうち各画素の階調に応じた階調規定パルスGPの立ち上がりまでの期間において、電気光学物質に対して画素をオン状態とする電圧を印加する一方、残りの期間において画素をオフ状態とする電圧を印加することによって画素が階調表示される。
【0005】
図13は、図15に示した階調制御信号GCPを生成するための回路(以下、「階調制御信号生成回路」という)の構成を示すブロック図である。同図に示すように、この階調制御信号生成回路70は、ひとつの選択期間に含まれる階調規定パルスGPに対応する数(ここでは「64」とする)のデコードユニット71と、各デコードユニット71から出力された信号の論理和を出力するORゲート72とを有する。各デコードユニット71は、図13および図15に示すように、クロック信号CLKと、選択期間の最初に立ち上がるリセット信号と、電気光学装置の電源入力直後に与えられる階調規定データとに基づいて、いずれかの階調規定パルスGPに対応する期間にHレベルとなる信号を出力する。このうち階調規定データは、選択期間の開始から各階調規定パルスGPが出力されるべきタイミングまでのクロック数(すなわち時間長)を特定するためのデータである。例えば、図15に示す階調制御信号GCPは、選択期間の開始から数えて第6番目(選択期間の開始を「第0番目」とする)のクロック信号CLKの立ち上がりにおいて階調規定パルスGPを有する。したがって、この階調規定パルスGPに対応する階調規定データは、“0000000000000110”となる。なお、ここでは、図15に示すように、ひとつの選択期間の時間長がクロック信号CLK周期の512倍に相当する場合を想定している。そして、クロック信号CLKの512個の立ち上がりのうちいずれかを階調規定データによって特定する必要があることとの関係上、各階調規定データを16ビット(=2バイト)とする。さらに、ひとつの選択期間内には64個の階調規定パルスGPが含まれるから、各階調規定パルスGPに対応した64種類の階調規定データが用意されることとなる。
【0006】
図14は、各デコードユニット71の構成例を示すブロック図である。同図に示すメモリ711および712は、電気光学装置の電源投入直後に与えられる階調規定データを保持するためのメモリである。すなわち、ひとつの階調規定パルスGPに対応する階調規定データのうち下位8ビットはメモリ711に保持される一方、上位8ビットはメモリ712に保持される。
【0007】
カウンタ713は、クロック信号CLKのクロック数をカウントするための8ビットカウンタであり、8ビットのカウント値に桁上がりが発生すると信号Cを出力するようになっている。一方、カウンタ714は、この信号Cに基づいて桁上がりの回数をカウントするための8ビットカウンタである。これらのカウンタ713および714は、リセット信号RESの立ち上がり(すなわち選択期間の開始時点)においてカウント値をリセットする。また、比較器715は、メモリ711に格納された階調規定データの下位8ビットとカウンタ713によるカウント値とを比較する。一方、比較器716は、メモリ712に格納された階調規定データの上位8ビットとカウンタ714によるカウント値とを比較する。いずれの比較器715および716も、階調規定データの8ビットとカウント値とが一致する場合にはHレベルの信号を出力する一方、一致しない場合にはLレベルの信号を出力するようになっている。ANDゲート717は、各比較器715および716から出力された信号の論理積を出力するようになっている。この構成のもと、カウンタ713によるカウント値と階調規定データの下位8ビットとが一致し、かつカウンタ714によるカウント値と階調規定データの上位8ビットとが一致する期間においてのみ、図15に示すように各デコードユニット71からの出力信号がHレベルとなる。図15に示すように、これらのデコードユニット71からの出力信号の論理積が、図13に示すORゲート72によって階調制御信号GCPとして出力されるのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図13ないし図15に示したように、各階調規定パルスGPごとに選択期間からの時間長を規定する方法を採った場合、階調制御信号GCPに転送される階調規定データのデータ量が膨大となるという問題があった。例えば、図13ないし図15に示した従来の構成のもとでは、各階調規定パルスGPごとに2バイトの階調規定データが必要とされるため、64個の階調規定パルスGPを特定するためには合計128バイト(=2バイト×64)にもおよぶデータを階調制御信号生成回路70に転送する必要がある。また、表示の多階調化を図るためにはひとつの選択期間に含まれる階調規定パルスGPの数を増加させる必要がある。しかしながら、この場合には、階調規定パルスGPの数の増大に比例して階調規定データのデータ量も増大するため、上記問題はいっそう深刻なものとなる。さらに、階調規定データのデータ量の増大に伴なって、階調制御信号生成回路の回路規模の肥大化といった問題も生じ得る。
【0009】
本発明は、以上説明した事情に鑑みてなされたものであり、階調制御信号を生成するためのデータ量を低減することができる電気光学装置およびその駆動方法、この電気光学装置を用いた電子機器、ならびに階調制御信号生成回路を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、走査線とデータ線との交差に対応する画素を、複数の階調のいずれかを示す階調データに従って階調表示させる電気光学装置の駆動方法において、前記走査線が選択される選択期間内の複数の時点に時系列的に対応するビットであって、前記各時点が当該選択期間の開始から各階調に応じた時間長を経た時点に該当するか否かをクロック信号の周期毎に対応させて示すビットからなる階調規定ビット列に基づいて、前記選択期間の開始から各階調に応じた時間長を経た時点においてレベル変動する階調制御信号であって、転送された前記階調規定ビット列をメモリに格納し、前記メモリに格納した前記階調規定ビット列を前記選択期間の開始時にシフトレジスタにセットするとともに、セットした前記階調規定ビット列を前記シフトレジスタから前記クロック信号の1周期毎に1ビットずつ順番に読み出し、読み出した1ビットと前記クロック信号とを論理演算することにより前記階調制御信号を生成し、前記複数の階調のうち少なくとも中間階調を示す階調データが与えられたとき、前記データ線に対し、選択期間の開始から、前記階調制御信号がレベル変動する時点のうち当該階調データに対応する時点までの期間において第1の電圧を印加する一方、残りの期間において前記第1の電圧とは異なる第2の電圧を印加することを特徴とする電気光学装置の駆動方法。
【0011】
この構成によれば、選択期間内の各時点が選択期間の開始から各階調に応じた時間長を経た時点に該当するか否かを示す階調規定ビット列に基づいて階調制御信号が生成されるようになっている。このため、選択期間の開始から各階調に応じた時点までの時間長を表すデータに基づいて階調制御信号を生成する構成と比較して、階調制御信号生成回路へのデータ転送量を著しく低減することができる。
【0013】
また、本発明に係る電子機器は、上述した電気光学装置を備えることを特徴としている。上述したように本発明に係る電気光学装置によれば、階調制御信号生成回路へのデータ転送量を低減することができるから、この電気光学装置は、消費電力の低減が要求される電子機器の表示装置として特に好適である。このような電子機器としては、例えば可搬型のパーソナルコンピュータや携帯電話機などが考えられる。
【0014】
また、本発明は、走査線とデータ線との交差に対応する画素を、複数の階調のいずれかを示す階調データに従って階調表示させる電気光学装置であって、前記走査線が選択される選択期間の開始から各階調に応じた時間長を経た時点においてレベル変動する階調制御信号が供給されるとともに、前記複数の階調のうち少なくとも中間階調を示す階調データが与えられたとき、前記データ線に対し、選択期間の開始から、前記階調制御信号がレベル変動する時点のうち当該階調データに対応する時点までの期間において第1の電圧を印加する一方、残りの期間において前記第1の電圧とは異なる第2の電圧を印加するデータ線駆動回路を具備する電気光学装置に用いられて前記階調制御信号を生成する回路において、
前記選択期間内の複数の時点に時系列的に対応するビットであって、前記各時点が当該選択期間の開始から階調に応じた時間長を経た時点に該当するか否かをクロック信号の周期毎に対応させて示すビットからなる階調規定ビット列を生成する回路であって、転送された前記階調規定ビット列を格納するメモリと、前記メモリに格納された階調規定ビット列を前記選択期間の開始時にセットするとともに、セットした前記階調規定ビット列を前記クロック信号の1周期毎に1ビットずつ順番に読み出すシフトレジスタと、前記シフトレジスタから読み出された1ビットと前記クロック信号とを論理演算して、前記階調制御信号として生成する論理回路とを有することを特徴とする。この階調制御信号生成回路によれば、電気光学装置に関して上述した理由によって、階調制御信号の生成のためのデータ転送量を低減することができるという利点がある。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。かかる実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更可能である。
【0016】
<A:実施形態の構成>
まず、本発明に係る電気光学装置を、電気光学物質として液晶を用いた液晶表示装置に適用した形態について説明する。なお、ここでは、画素を駆動するためのスイッチング素子としてTFD(Thin Film Diode)素子を用いた構成を例示するが、本発明の適用範囲をこの種の液晶表示装置に限定する趣旨ではない。この液晶表示装置は、素子基板と対向基板とがシール材を介して貼り合わされるとともに、両基板とシール材とによって囲まれた領域に、電気光学物質たる液晶が封止された構成となっている。
【0017】
図1は、本実施形態に係る液晶表示装置の電気的な構成を示すブロック図である。同図に示すように、液晶表示装置は、複数の走査線200と複数のデータ線300とを有する。このうち走査線200は、対向基板上に形成された帯状の電極であり、行(X)方向に延在する。他方、データ線300は、素子基板上に形成されて列(Y)方向に延在する。そして、データ線300と走査線200との各交差には画素50が設けられる。なお、本実施形態においては、説明の便宜上、200本の走査線200と160本のデータ線300とが設けられた場合を想定する。したがって、この液晶表示装置は、200行×160列のマトリクス型の表示装置として機能するが、本発明の適用範囲をこれに限定する趣旨ではない。
【0018】
各画素50は、液晶表示要素51と、素子基板に形成されたTFD素子52とが直列に接続された構成となっている。このうち液晶表示要素51は、TFD素子52に接続された矩形状の画素電極と、電極として作用する走査線200と、両電極間に挟持された液晶とから構成される。なお、図1においては、TFD素子52がデータ線300の側に接続され、液晶表示要素51が走査線200の側に接続された構成が示されているが、これとは逆に、TFD素子52が走査線200の側に接続され、液晶表示要素51がデータ線300の側に接続された構成としてもよい。
【0019】
データ線駆動回路30は、各データ線300に対してデータ信号X1〜X160をそれぞれ供給するための回路である。走査線駆動回路20は、各走査線200に対して走査信号Y1〜Y200をそれぞれ供給するための回路である。なお、本実施形態においては、1水平走査期間(1H)を前半期間と後半期間とに2分割して駆動を行なう構成となっている。このため、以下では、1水平走査期間の前半期間と後半期間とを総称するとき「1/2水平走査期間」と表記する場合がある。
【0020】
一方、駆動電圧生成回路40は、データ信号として用いられる電圧レベルVDPおよびVDN、ならびに走査信号として用いられる電圧レベルVSP(正側選択電圧)、VHP(正側非選択電圧)、VHN(負側非選択電圧)およびVSN(負側選択電圧)をそれぞれ生成するものである。なお、電圧レベルVDPとVHPは同一レベルとして共用され、電圧レベルVDN、VHNは同一レベルとして共用されるが、説明の便宜上、これらの電圧レベルを別個の表記として説明する。また、以下では、走査線200やデータ線300に印加される電位について、データ線300に印加される電圧VDP、VDNの中間電位を基準として、高電位側を正、低電位側を負としている。
【0021】
<制御回路>
制御回路10は、走査線駆動回路20およびデータ線駆動回路30に対して、所定の制御信号やクロック信号などを供給するための回路である。図2は、制御回路10の構成を示すブロック図である。同図に示すように、この制御回路10は、発振回路11と、制御信号生成回路12と、メモリ13と、階調制御信号生成回路14とを有する。このうち発振回路11は、各種の信号を生成するための基準となるクロック信号CLKを発振して出力するものである。なお、本実施形態においては、1/2水平走査期間に含まれるクロック数を「512」とした場合、すなわち1/2水平走査期間の時間長がクロック信号CLKの周期の512倍に相当する場合を想定する(図3参照)。
【0022】
制御信号生成回路12は、発振回路11から供給されるクロック信号CLKに基づいて各種の制御信号を生成するための回路である。具体的には、制御信号生成回路12は、フレーム開始パルスYD、クロック信号YCLK、交流駆動信号MY、制御信号INH、ラッチパルスLP、リセット信号RESおよび交流駆動信号MXをそれぞれ生成する。以下、制御信号生成回路12によって生成される信号について簡単に説明する。
【0023】
まず第1に、フレーム開始パルスYDは、図6に示すように、1垂直走査期間(1フレーム)の最初に出力されるパルスである。第2に、クロック信号YCLKは、走査線200側の基準信号であり、1水平走査期間の時間長に相当する周期を有する。第3に、交流駆動信号MYは、走査線200側において画素50を交流駆動するために用いられる信号である。すなわち、交流駆動信号MYは、図6に示すように、1水平走査期間ごとにレベルが反転し、かつ、同一の走査線200が選択される水平走査期間においては1フレームごとに信号レベルが反転するようになっている。後述するように、本実施形態においては、この交流駆動信号MYに基づいて、1水平走査期間ごとに走査信号の極性が反転され、かつ、その極性が1フレームごとに反転されることとなる。第4に、制御信号INHは、1水平走査期間を2等分した期間のうち後半期間を選択するための信号であり、図6に示すように、当該後半期間においてHレベルとなる。
【0024】
第5に、ラッチパルスLPは、データ線300側においてデータ信号をラッチするための信号であり、図8に示すように、1水平走査期間の最初に出力されるパルスである。第6に、リセット信号RESは、データ線300側において、1水平走査期間を2等分した期間のうち前半期間と後半期間とを規定するためのパルスであり、図8に示すように、前半期間の最初および後半期間の最初に出力される。このリセット信号RESは、データ線駆動回路30のほか階調制御信号生成回路14にも出力される(図2参照)。第7に、交流駆動信号MXは、データ線300側において画素50を交流駆動するために用いられる信号であり、図8に示すように、ある水平走査期間の後半期間から次の水平走査期間の前半期間まで同レベルを維持し、その後、レベル反転する信号である。なお、1水平走査期間の後半期間における交流駆動信号MXと、同期間における交流駆動信号MYとは、互いに反転レベルとなるように設定されている。
【0025】
次に、図2に示す階調制御信号生成回路14は、階調制御信号GCPを生成してデータ線駆動回路30に出力するための回路である。この階調制御信号GCPは、図3に示すように、1/2水平走査期間(1水平走査期間の前半期間または後半期間)の開始時点から各階調に応じた時間長を経た時点に階調規定パルスGPを配列させたものである。本実施形態においては、画素50の濃度を指示する階調データが6ビットで表されて64階調表示を行なうものとする。そして、このうち階調データの(000000)が白(オフ)を指示する一方、(111111)が黒(オン)を指示するものとすると、階調制御信号GCPは、白表示および黒表示を除いた階調データ(000001)〜(111110)に対応する計62の中間階調に対応する階調規定パルスGPを有する必要がある。もっとも、本実施形態においては、各階調に対応する時間長の調整を可能とするため、階調制御信号GCPが、1/2水平走査期間において、中間階調数「62」に「2」を補助的に加えた「64」個の階調規定パルスGPを有するものとする。なお、本実施形態においては、階調規定パルスGPが等ピッチで配列されているが、実際には、液晶の電圧−透過率特性に応じてそのパルス間隔を異ならせることによって、その特性の非線形性を補償することが望ましい。
【0026】
この階調制御信号GCPは、図2に示すように、発振回路11から供給されるクロック信号CLKと、制御信号生成回路12から供給されるリセット信号RESと、メモリ13に格納された階調規定ビット列GPBとに基づいて生成される。ここで、階調制御信号生成回路14の具体的な構成の説明に先立ち、階調規定ビット列GPBの内容について詳述する。
【0027】
この階調規定ビット列GPBは、メモリ13に格納された一連のビットであり、液晶表示装置の電源投入直後にこのメモリ13から階調制御信号生成回路14に転送される。この階調規定ビット列GPBは、1/2水平走査期間内の各時点に時系列的に対応するビットからなる。ただし、本実施形態における階調規定ビット列GPBは、1/2水平走査期間に含まれるクロック数「512」に対応した数のビットからなるものとする。換言すると、階調規定ビット列GPBは、1/2水平走査期間内に等間隔に並ぶ「512」の時点の各々に時系列的に対応する「512」のビットからなるということができる。なお、以下では、階調規定ビット列GPBを構成する各ビットのうち1/2水平走査期間の開始に対応するビットを「第0番目」のビットとし、続く各ビットを「第1番目」、「第2番目」、……、と表記するものとする。
【0028】
階調規定ビット列GPBを構成する各ビットは、1/2水平走査期間のうち当該ビットに対応する時点が、当該1/2水平走査期間の開始時点からみて、いずれかの中間階調に応じた時間長を経た時点に該当するか否かを示している。より具体的には、ビット「1」は、このビットに対応する時点が、いずれかの中間階調に応じた時間長を経た時点に該当することを示している。これに対し、ビット「0」は、このビットに対応する時点が、いずれの中間階調に応じた時間長を経た時点にも該当しないことを示している。したがって、図3に示すように、階調規定パルスGPは、1/2水平走査期間のうち階調規定ビット列GPBのビット「1」に対応する時点に配列されることとなる。
【0029】
次に、図4を参照して、階調制御信号生成回路14の具体的構成について説明する。同図に示すように、階調制御信号生成回路14は、複数のメモリ141と、シフトレジスタ142とを有する。
【0030】
各メモリ141は、512ビットの階調規定ビット列GPBを8ビットずつ格納する8ビットメモリである。したがって、階調制御信号生成回路14が備えるメモリ141の数は、階調規定ビット列GPBを構成するビット数「512」を、ひとつのメモリ141に格納されるビット数「8」で除した数である「64」となる。液晶表示装置の電源が投入されると、メモリ13に格納された512ビットの階調規定ビット列GPBが、8ビットずつ分割されて各メモリ141に転送される。具体的には、図4に示す上から第1段目のメモリ141には、階調規定ビット列GPBのうち1/2水平走査期間の開始に対応する第0番目から第7番目までの合計8ビットが転送される。図4において第1段目のメモリ141に付記された「1/64」は、階調規定ビット列GPBを「64」分割したビット列のうち、1/2水平走査期間の開始からみて第「1」番目のビット列がこのメモリ141に格納されることを示している。同様に、第2段目のメモリ141には、階調規定ビット列GPBのうち第8番目から第15番目までの合計8ビットが転送され、第64段目のメモリ141には、階調規定ビット列GPBのうち第504番目から第511番目までの合計8ビットが転送されることとなる。
【0031】
次に、シフトレジスタ142は、1/2水平走査期間内のクロック数に対応する512ビットのシフトレジスタであり、各メモリ141に保持された階調規定ビット列GPBをクロック信号CLKに従って順次シフトする。詳述すると、シフトレジスタ142は、64個のメモリ141に格納された512ビットからなる階調規定ビット列GPBを、リセット信号RESの立ち上がりのタイミング(すなわち1/2水平走査期間の開始時点)においてセットするとともに、セットされた階調規定ビット列GPBをクロック信号CLKの立ち上がりタイミングにおいて順次シフトする。なお、シフト方向(図中の矢印の方向)に対して最も下流側に階調規定ビット列GPBの第0番目のビットがセットされ、最も上流側に第511番目のビットがセットされるようになっている。
【0032】
かかる構成により、クロック信号CLKの立ち上がりタイミングにおいて、階調規定ビット列GPBを構成する各ビットが1ビットずつシフトレジスタ142から出力されることとなる。例えば、図3に示した階調規定ビット列GPBは第0番目から第5番目までのビットが「0」である。したがって、1/2水平走査期間の開始直後からクロック信号CLKの6周期分の時間長にわたって、シフトレジスタ142からの出力信号GPPはLレベルとなる。一方、階調規定ビット列GPBのうち第6番目のビットは「1」である。したがって、第6番目のクロック信号CLKの立ち上がりから、続く第7番目のクロック信号CLKの立ち上がりまでの期間において、出力信号GPPはHレベルとなる。
【0033】
図4に示すANDゲート143は、シフトレジスタ142からの出力信号GPPとクロック信号CLKとの論理積を階調制御信号GCPとして出力する。この結果、図3に示すように、、クロック信号CLKの半周期に対応する幅を有する階調規定パルスGPが、階調規定ビット列GPBのうちビット「1」に対応するタイミングに配置された階調制御信号GCPが得られるのである。この構成によれば、電源投入直後において階調制御信号生成回路14に転送されるデータ量は512ビット(=64バイト)である。これに対し、図13および図14に示した従来の階調制御信号生成回路によれば128バイトのデータ転送が必要であった。すなわち、本実施形態によれば、階調制御信号生成回路14へのデータ転送量を半分に低減することができるのである。
【0034】
<走査線駆動回路>
次に、走査線駆動回路20について詳述する。図5は、この走査線駆動回路20の構成を示すブロック図であり、図6は、走査線駆動回路20の動作を説明するためのタイミングチャートである。図5に示すように、走査線駆動回路20は、シフトレジスタ21、電圧選択信号生成回路22、レベルシフタ23およびセレクタ24を有する。
【0035】
シフトレジスタ21は、走査線200の本数に対応する200ビットシフトレジスタである。このシフトレジスタ21は、図6に示すように、1フレームの最初に供給されるフレーム開始パルスYDを、1水平走査期間の周期を有するクロック信号YCLKに従って順次シフトして、転送信号YS1、YS2、……、YS200として出力するものである。ここで、転送信号YS1〜YS200は、各走査線200にそれぞれ1対1に対応して、選択すべき走査線200を指定するものである。
【0036】
電圧選択信号生成回路22は、交流駆動信号MYと制御信号INHとに基づいて電圧選択信号を生成する。この電圧選択信号は、VSP(正側選択電圧)、VHP(正側非選択電圧)、VHN(負側非選択電圧)、またはVSN(正側選択電圧)の4値のうち各走査線200に印加すべき電圧を指示するための信号である。なお、この電圧選択信号の具体的な内容は、後述する走査信号の電圧波形とあわせて説明する。
【0037】
レベルシフタ23は、電圧選択信号生成回路22によって出力された電圧選択信号の電圧振幅を拡大するものである。セレクタ24は、電圧振幅が拡大された電圧選択信号によって指示される電圧を実際に選択して、対応する走査線200の各々に供給する。
【0038】
<走査信号の電圧波形>
ここで、図6を参照して、走査線駆動回路20によって出力される走査信号の電圧波形について説明する。
同図に示すように、フレーム開始パルスYDは、クロック信号YCLKによって1水平走査期間(1H)ごとに順次シフトされ、これが転送信号YS1〜YS200としてシフトレジスタ21から出力される。
【0039】
さらに、これらの転送信号YS1〜YS200と、交流駆動信号MYと、制御信号INHとに基づいて、以下の条件を満たす電圧選択信号が生成される。すなわち、ある走査線200に供給される走査信号に着目すると、第1に、当該走査線200に対応する転送信号がHレベルとなる水平走査期間のうち、制御信号INHがHレベルとなる後半期間において、当該走査信号の電圧レベルが交流駆動信号MYに応じた選択電圧(VSPまたはVSNのいずれか)となり、第2に、制御信号INHがLレベルに反転した後においては、当該走査信号の電圧レベルが直前の選択電圧に対応する非選択電圧(VHPまたはVHNのいずれか)となるように、電圧選択信号が生成される(図6参照)。
【0040】
そして、かかる電圧選択信号に応じた電圧が印加される結果、各走査線200に供給される走査信号の電圧波形は以下のようになる。いま、図6に示す第nフレーム内の水平走査期間のうち、転送信号YS1がHレベルとなる第1番目の水平走査期間に着目する。この水平走査期間のうち制御信号INHがHレベルとなる後半期間において、第1行目の走査線200に供給される走査信号Y1の電圧は、Hレベルの交流駆動信号MYに対応する正側選択信号VSPとなり、その後半期間の経過後において当該選択電圧VSPに対応する正側非選択電圧VHPとなる。一方、次の第(n+1)フレームに属する第1番目の水平走査期間においては、交流駆動信号MYのレベルはLレベルとなる。したがって、第1番目の水平走査期間の後半期間においては、第1行目の走査線200に供給される走査信号Y1の電圧はLレベルの交流駆動信号MYに対応する負側選択信号VSNとなり、その後半期間の経過後において当該選択電圧VSNに対応する負側非選択電圧VHNとなる。
【0041】
一方、交流駆動信号MYは、1水平走査期間ごとにレベルが反転するため、隣接する走査線200に供給される走査信号の電圧も、1水平走査期間ごとに交互に極性が反転することとなる。例えば、図6に示す第nフレームにおいて第1行目の走査線200に供給される走査信号の電圧が、当該水平走査期間の後半期間において正側選択電圧VSPであれば、第2行目の走査線200に供給される走査信号の電圧は、当該水平走査期間の後半期間において負側選択電圧VSNとなる。
【0042】
<データ線駆動回路>
次に、図7を参照して、データ線駆動回路30の構成について説明する。同図に示すように、データ線駆動回路30は、アドレス制御回路31、表示データRAM32、PWMデコーダ33およびセレクタ34を備える。このうちアドレス制御回路31は、階調データの読み出しに用いる行アドレスを生成するものであり、当該行アドレスを、1フレームの最初に供給されるフレーム開始パルスYDによりリセットするとともに、各水平走査期間の最初に供給されるラッチパルスLPで歩進させる構成となっている。
【0043】
表示データRAM32は、200行×160列に配列する画素50に対応した記憶領域を有するデュアルポートRAM(Random Access Memory)である。すなわち、表示データRAM32の書き込み側(図示略)では、各画素50の階調を指示する階調データが、当該各画素50に対応する番地に書き込まれる。一方、表示データRAM32の読み出し側では、行アドレスで指定された番地の階調データが1行分ごとに読み出されるようになっている。すなわち、1水平走査期間ごとに、ひとつの行に属する160個の画素50の階調を指示する階調データが読み出されることとなる。
【0044】
次に、PWMデコーダ33は、表示データRAM32から読み出された階調データと、制御回路10から供給される交流駆動信号MX、リセット信号RESおよび階調制御信号GCPとに基づいて、各データ線300ごとに電圧選択信号を出力する。この電圧選択信号は、VDP(正側データ電圧)およびVDN(負側データ電圧)の2値のうち各データ線300に対して印加すべき電圧をセレクタ34に指示するための信号である。一方、セレクタ34は、PWMデコーダ33から出力される電圧選択信号に応じて電圧VDPまたはVDNのいずれかを選択するとともに、選択した電圧を各データ線300に印加する。
【0045】
<データ信号の電圧波形>
次に、図8を参照して、データ線駆動回路30によって出力されるデータ信号の電圧波形について説明する。
上述したように、各水平走査期間ごとに、ひとつの行に属する160個の画素50の階調を指示する階調データが表示データRAM32から読み出されてPWMデコーダ33に供給される。一方、PWMデコーダ33は、これらの階調データと、交流駆動信号MX、リセット信号RESおよび階調制御信号GCPとに基づいて、以下の条件を満たす電圧選択信号を生成する。すなわち、図8に示すように、各データ信号の電圧レベルが、第1に、リセット信号RESが供給される1水平走査期間の最初において交流駆動信号MXと反対のレベルにリセットされ、第2に、階調制御信号GCPのうち階調データに対応する階調規定パルスGPの立ち上がりにおいて交流駆動信号MXと同一レベルに反転する関係となるように、PWMデコーダ33は電圧選択信号を生成する。ただし、PWMデコーダ33は、階調データがオフに相当する(000000)であればデータ信号が交流駆動信号MXと反対レベルとなるように、階調データがオンに相当する(111111)であればデータ信号が交流駆動信号MXと同一のレベルとなるように、それぞれ電圧選択信号を生成する。
【0046】
こうして生成された電圧選択信号に基づいて電圧VDPまたはVDNのいずれかが選択される結果、データ信号の電圧波形は図8に示すとおりとなる。すなわち、1水平走査期間の前半期間に着目すると、当該期間の開始から、階調制御信号GCPのうち階調データに対応する階調規定パルスGPの立ち上がりのタイミングに至るまでの期間において、交流駆動信号MXの反転レベルに対応する電圧がデータ線300に印加される一方、残りの期間において交流駆動信号MXと同一レベルに対応する電圧がデータ線300に印加される。これに対し、1水平走査期間の後半期間に着目すると、当該期間の開始から階調データに対応する階調規定パルスGPの立ち上がりまでの期間においては交流駆動信号MXと同一レベルに対応する電圧が、残りの期間においては交流駆動信号MXの反転レベルに対応する電圧が、それぞれデータ線300に印加されることとなる。この結果、1水平走査期間において、データ信号が電圧VDPとなる期間と電圧VDNとなる期間とは、階調データにかかわらず相互に等しい時間長となる。また、1水平走査期間の後半期間において、データ信号の極性を規定する交流駆動信号MXは、同後半期間において走査信号の極性を規定する交流駆動信号MYの反転レベルとなるように設定されているから、データ信号は走査信号の極性に対応したものとなる。
【0047】
<画素への印加電圧波形>
次に、図9を参照して、画素50に対して実際に印加される電圧波形について説明する。階調データとして、オンに対応する(111111)、中間階調に対応する(000111)、オフに対応する(000000)が与えられた場合、データ信号の電圧波形がそれぞれ図9(a)、(b)および(c)に示されるものとなる点は、図8を参照して上述したとおりである。ここで、実際に画素50に印加される電圧波形は、走査信号の電圧レベルをデータ信号の電圧レベルで差し引いたものとなるから、表示データがオン、中間階調およびオフを示す場合に画素50に印加される電圧波形は、それぞれ図9(d)、(e)および(f)に示される通りとなる。
【0048】
ここで、データ信号は、階調データの内容にかかわらず電圧VDPとなる期間と電圧VDNとなる期間とが互いに等しい時間長となるように供給されるので、保持期間(対応する水平走査期間以外の期間)では、階調データがいかに変化したとしても、画素50に印加される電圧実効値はすべての画素50にわたって等しくなる。このため、水平走査期間(の後半期間)において液晶層に与えられた電荷が、TFD素子52のオフリークによって放電する割合は、すべての画素50にわたって均等となる。したがって、同一濃度となるべき画素50同士に書き込まれた電荷は、次の書き込みまで同じように減少(放電)するので、特定のパターンを表示させたときに発生する表示品位の低下を防止することができる
【0049】
また、TFD素子52は、電流−電圧特性が正負双方向にわたって非線形となるが、この特性が正極側と負極側とで若干異なる場合がある。本実施形態においては、隣接する走査線200において極性を反転させるとともに、データ信号の極性も走査信号の極性に対応させているので、偶数番目の走査線200に位置する画素50と奇数番目の走査線200に位置する画素50の明滅が交互に発生する。このため、フリッカが目立たない構成となっている。
【0050】
以上説明したように、本実施形態においては、1/2水平走査期間内の各時点に対応するビットからなる階調規定ビット列GPBに基づいて階調制御信号GCPが生成されるようになっている。そして、この階調規定ビット列GPBを構成する各ビットは、当該ビットに対応する時点が、1/2水平走査期間の開始から各階調に応じた時間長を経た時点に該当するか否かを示すようになっている。この結果、選択期間の開始から各階調に応じた時点までの時間長(クロック数)を示す階調規定データを用いて階調制御信号GCPを生成する従来の構成(図13ないし図15に示した構成)と比較して、階調制御信号生成回路14へのデータ転送量を著しく低減することができる。さらに、データ転送量の低減に伴ない、転送されたデータを保持するためのメモリや、このデータを処理するための回路の規模を小さく抑えることができるという利点がある。
【0051】
この効果は、以下に示すとおり、表示階調数を増加させるときに特に顕著となる。ここで、さらなる表示の多階調化を図るためには、1/2水平走査期間内の階調規定パルスGPの数を増加させる必要がある。このとき、図13ないし図15に示した従来の構成においては、増加させた階調規定パルスGPの分だけ階調規定データを追加する必要があり、データ量の増加を避けることはできない。これに対し、本実施形態に係る構成においては、階調規定パルスGPを追加すべきタイミングに対応するビットを「0」から「1」に変更すれば足りる。すなわち、本実施形態によれば、データ量の増大を伴なうことなく表示階調数を増加させることができるのである。また、上記からも明らかなとおり、本実施形態によれば、従来の構成と比較して、階調規定パルスGPの位置を容易に変更することができるという利点がある。
【0052】
<B:変形例>
以上この発明の一実施形態について説明したが、上記実施形態はあくまでも例示であり、上記実施形態に対しては、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で様々な変形を加えることができる。変形例としては、例えば以下のようなものが考えられる。
【0053】
<B−1:変形例1>
階調制御信号生成回路の構成は上記実施形態に示したものに限られない。図10は、階調制御信号生成回路の他の構成例を示すブロック図である。同図に示す階調制御信号生成回路14’は、カウンタ145とアドレスデコーダ146とレジスタ147とがこの順に配列された構成となっている。カウンタ145は、階調規定ビット列GPBのビット数に対応する「0」から「511」までをカウントする9ビットカウンタである。このカウンタ145は、クロック信号CLKのクロック数をアップカウントする一方、リセット信号RESの立ち上がり(すなわち選択期間の開始時点)においてカウント値をリセットするようになっている。
【0054】
レジスタ147は、メモリ13(図2参照)から読み出された512ビットの階調規定ビット列GPBを格納する。一方、アドレスデコーダ146は、カウンタ145によるカウント値に対応してレジスタ147の読出アドレスを生成するための回路である。より具体的には、アドレスデコーダ146は、「0」から「511」までの各カウント値に対応して、階調規定ビット列GPBの第0番目のビットから第511番目のビットの格納アドレスをそれぞれ指定する。この構成のもと、1/2水平走査期間において、階調規定ビット列GPBの第0番目から第511番目までのビットが、クロック信号CLKに同期して順番に読み出される。この結果、レジスタ147から出力信号は、図3に示したのと同様に、1/2水平走査期間の開始時点から各階調に応じた時間長を経た時点に階調規定パルスGPが配列された階調制御信号GCPとなる。
【0055】
もっとも、本発明に係る階調制御信号生成回路の構成は、上記実施形態や本変形例に示したものには限られない。すなわち、本発明に係る階調制御信号生成回路は、階調規定ビット列GPBに基づいて、選択期間の開始から各階調に応じた時間長を経た時点においてレベル変動する階調制御信号GCPを生成し得るものであればよい。
【0056】
<B−2:変形例2>
上記実施形態においては、階調規定ビット列GPBを構成する各ビットを、クロック信号CLKの立ち上がりにそれぞれ対応させたものとした。しかしながら、階調規定ビット列GPBの内容はこれに限られるものではない。例えば、データ線駆動回路30として、クロック信号CLKを分周して得られたクロック信号XCLKに従って動作するシフトレジスタを用いた構成を採った場合、階調規定ビット列GPBを構成する各ビットを、このクロック信号XCLKの各立ち上がりにそれぞれ対応させたものとし、階調制御信号生成回路14が、クロック信号XCLKに基づいて階調制御信号GCPを生成するものとしてもよい。
【0057】
もっとも、階調規定ビット列GPBを構成する各ビットが何らかのクロック信号CLKに対応したものである必要は必ずしもない。要は、階調規定ビット列GPBを構成するビットが、選択期間内の各時点に対応するものであり、かつ当該時点が選択期間の開始から各階調に応じた時間長を経た時点に該当するか否かを示すものであればよい。
【0058】
<B−3:変形例3>
上記実施形態においては、1水平走査期間を前半期間と後半期間とに分けて駆動する方法を採ったため、64個の階調規定パルスGPが1水平走査期間の半分の期間内に配置されたものとした。しかしながら、1水平走査期間を分割することなく駆動する方法においては、階調制御信号GCPにおける64個の階調規定パルスGPが1水平走査期間にわたって配置されたものとしてもよい。すなわち、本発明における「選択期間」とは、いずれかの走査線200が選択される期間、すなわち階調データに応じた電圧が画素に対して印加されるべき期間を意味し、水平走査期間またはその半分の期間のみを意味するものではない。
【0059】
また、上記実施形態においては、階調制御信号GCPが1/2水平走査期間内に64個の階調規定パルスGPを有する場合を例示したが、本発明における選択期間に含まれる階調規定パルスGPの数がこれに限られるものでないことはもちろんである。
【0060】
<B−4:変形例4>
上記実施形態においては、画素への印加電圧を制御するためのスイッチング素子としてTFD素子52を用いた液晶表示装置を例示したが、TFT(Thin Film Transistor)に代表される三端子型スイッチング素子を用いた液晶表示装置や、かかるスイッチング素子を持たないパッシブマトリクス方式の液晶表示装置にも本発明を適用可能である。
【0061】
また、上記実施形態においては、電気光学物質に液晶を用いた液晶表示装置を例示したが、電気光学物質としてEL素子を用いたEL表示装置や、電気光学物質としてガスを用いたプラズマディスプレイなど、電気光学効果によって表示を行なう各種の電気光学装置に本発明を適用可能である。
【0062】
このように、階調規定ビット列に基づいて階調制御信号を生成する回路を備えた電気光学装置であれば、その他の構成の如何を問わず本発明を適用可能である。
【0063】
<C:電子機器>
次に、本発明に係る電気光学装置を用いた電子機器について説明する。
【0064】
<C−1:モバイル型コンピュータ>
まず、本発明に係る電気光学装置を、可搬型のパーソナルコンピュータ(いわゆるノート型パソコン)の表示部に適用した例について説明する。図11は、このパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。同図に示すように、パーソナルコンピュータ91は、キーボード911を備えた本体部912と、本発明に係る電気光学装置を適用した表示部913とを備えている。
【0065】
<C−2:携帯電話機>
続いて、本発明に係る電気光学装置を、携帯電話機の表示部に適用した例について説明する。図12は、この携帯電話機の構成を示す斜視図である。同図に示すように、携帯電話機92は、複数の操作ボタン921のほか、受話口922、送話口923とともに、本発明に係る電気光学装置を適用した表示部924を備える。
【0066】
なお、本発明に係る電気光学装置を適用可能な電子機器としては、図11に示したパーソナルコンピュータや図12に示した携帯電話機のほかにも、液晶テレビや、ビューファインダ型・モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、ディジタルスチルカメラ、あるいは本発明に係る電気光学装置をライトバルブとして用いたプロジェクタなどが挙げられる。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、階調制御信号の生成に要するデータ量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る液晶表示装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】 同液晶表示装置における制御回路の構成を示すブロック図である。
【図3】 階調制御信号および階調規定ビット列について説明するためのタイミングチャートである。
【図4】 同階調制御信号生成回路の構成を示すブロック図である。
【図5】 同液晶表示装置における走査線駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図6】 同走査線駆動回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図7】 同液晶表示装置におけるデータ線駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図8】 同データ線駆動回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図9】 同液晶表示装置において画素に印加される電圧波形を説明するためのタイミングチャートである。
【図10】 本発明の変形例に係る階調制御信号生成回路の構成を示すブロック図である。
【図11】 本発明に係る電気光学装置を適用した電子機器の一例たるパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
【図12】 本発明に係る電気光学装置を適用した電子機器の一例たる携帯電話機の構成を示す斜視図である。
【図13】 従来の電気光学装置における階調制御信号生成回路の構成を示すブロック図である。
【図14】 従来の階調制御信号生成回路におけるデコードユニットの構成を示すブロック図である。
【図15】 従来の階調制御信号生成回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【符号の説明】
10……制御回路、11……発振回路、12……制御信号生成回路、13……メモリ、14,14’……階調制御信号生成回路、141……メモリ、142……シフトレジスタ、143……ANDゲート、145……カウンタ、146……アドレスデコーダ、147……レジスタ、20……走査線駆動回路20、200……走査線、21……シフトレジスタ、22……電圧選択信号生成回路、23……レベルシフタ、24……セレクタ、30……データ線駆動回路、300……データ線、31……アドレス制御回路、32……表示データRAM、33……PWMデコーダ、34……セレクタ、40……駆動電圧生成回路、50……画素、51……液晶表示要素、52……TFD素子。

Claims (4)

  1. 走査線とデータ線との交差に対応する画素を、複数の階調のいずれかを示す階調データに従って階調表示させる電気光学装置の駆動方法において、
    前記走査線が選択される選択期間内の複数の時点に時系列的に対応するビットであって、前記各時点が当該選択期間の開始から各階調に応じた時間長を経た時点に該当するか否かをクロック信号の周期毎に対応させて示すビットからなる階調規定ビット列に基づいて、前記選択期間の開始から各階調に応じた時間長を経た時点においてレベル変動する階調制御信号であって、
    転送された前記階調規定ビット列をメモリに格納し、
    前記メモリに格納した前記階調規定ビット列を前記選択期間の開始時にシフトレジスタにセットするとともに、セットした前記階調規定ビット列を前記シフトレジスタから前記クロック信号の1周期毎に1ビットずつ順番に読み出し、読み出した1ビットと前記クロック信号とを論理演算することにより前記階調制御信号を生成し、
    前記複数の階調のうち少なくとも中間階調を示す階調データが与えられたとき、前記データ線に対し、選択期間の開始から、前記階調制御信号がレベル変動する時点のうち当該階調データに対応する時点までの期間において第1の電圧を印加する一方、残りの期間において前記第1の電圧とは異なる第2の電圧を印加する
    ことを特徴とする電気光学装置の駆動方法。
  2. 走査線とデータ線との交差に対応する画素を、複数の階調のいずれかを示す階調データに従って階調表示させる電気光学装置において、
    前記走査線が選択される選択期間内の複数の時点に時系列的に対応するビットであって、前記各時点が当該選択期間の開始から各階調に応じた時間長を経た時点に該当するか否かをクロック信号の周期毎に対応させて示すビットからなる階調規定ビット列に基づいて、前記選択期間の開始から各階調に応じた時間長を経た時点においてレベル変動する階調制御信号を生成する階調制御信号生成回路と、
    前記複数の階調のうち少なくとも中間階調を示す階調データが与えられたとき、前記データ線に対し、選択期間の開始から、前記階調制御信号がレベル変動する時点のうち当該階調データに対応する時点までの期間において第1の電圧を印加する一方、残りの期間において前記第1の電圧とは異なる第2の電圧を印加するデータ線駆動回路と
    を具備し、
    前記階調制御信号生成回路は、
    転送された前記階調規定ビット列を格納するメモリと、
    前記メモリに格納された階調規定ビット列を前記選択期間の開始時にセットするとともに、セットした前記階調規定ビット列を前記クロック信号の1周期毎に1ビットずつ順番に読み出すシフトレジスタと、
    前記シフトレジスタから読み出された1ビットと前記クロック信号とを論理演算して、前記階調制御信号として生成する論理回路と
    を有することを特徴とする電気光学装置。
  3. 請求項2に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
  4. 走査線とデータ線との交差に対応する画素を、複数の階調のいずれかを示す階調データに従って階調表示させる電気光学装置であって、
    前記走査線が選択される選択期間の開始から各階調に応じた時間長を経た時点においてレベル変動する階調制御信号が供給されるとともに、前記複数の階調のうち少なくとも中間階調を示す階調データが与えられたとき、前記データ線に対し、選択期間の開始から、前記階調制御信号がレベル変動する時点のうち当該階調データに対応する時点までの期間において第1の電圧を印加する一方、残りの期間において前記第1の電圧とは異なる第2の電圧を印加するデータ線駆動回路を具備する電気光学装置に用いられて前記階調制御信号を生成する回路において、
    前記選択期間内の複数の時点に時系列的に対応するビットであって、前記各時点が当該選択期間の開始から階調に応じた時間長を経た時点に該当するか否かをクロック信号の周期毎に対応させて示すビットからなる階調規定ビット列を生成する回路であって、
    転送された前記階調規定ビット列を格納するメモリと、
    前記メモリに格納された階調規定ビット列を前記選択期間の開始時にセットするとともに、セットした前記階調規定ビット列を前記クロック信号の1周期毎に1ビットずつ順番に読み出すシフトレジスタと、
    前記シフトレジスタから読み出された1ビットと前記クロック信号とを論理演算して、前記階調制御信号として生成する論理回路と
    を有することを特徴とする階調制御信号生成回路。
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