JP4123642B2 - 固体撮像素子の信号処理回路、固体撮像素子を用いたカメラおよび映像信号通信システム並びに映像信号通信方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体撮像素子の出力信号に信号処理を行う信号処理回路に関するものである。また、本発明は、固体撮像素子を用いて構成されたカメラに関するものである。また、本発明は、固体撮像素子を用いたカメラとこれに接続する情報処理装置とからなる映像信号通信システムおよびそのシステムにて用いられる映像信号通信方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、CCD(Charge Coupled Device)撮像素子等の固体撮像素子を撮像デバイスとして用いたカメラは、固体撮像素子で得られる撮像結果に対して、その輝度(露光)を最適化するAE(Auto Exposure)や色信号のホワイトバランスをとるAWB(Auto White Balance)等を行う機能を有している。
【0003】
これらの機能は、固体撮像素子の出力信号に所定の信号処理を行う信号処理回路と、その信号処理回路における信号処理を制御するコントローラとによって実現される。そのため、固体撮像素子を用いたカメラは、通常、図5に示すように、信号処理回路として機能するカメラIC11に加えて、そのカメラIC11を制御する専用のCPU(Central Processing Unit ;以下、このCPUを「制御IC」と称す)12を備えている。
【0004】
このように構成されたカメラでは、カメラIC11と制御IC12との間が直接4線式のシリアルバス13によって1対1で対応するように接続されているため、常に制御IC12が1フィールド単位でカメラIC11の動作を制御し得るようになっている。詳しくは、図6に示すように、カメラIC11から垂直同期信号が発せられる毎(1フィールド毎)に、制御IC12が制御データをカメラIC11へ送信する。制御データは、カメラIC11でのAEやAWB等を制御するためのデータであり、具体的にはカメラIC11がAEやAWB等を調整するにあたっての処理条件(処理係数等のパラメータ)を指定するためのデータである。
【0005】
制御データが制御IC12から送信されてくると、カメラIC11は、その制御データに従いつつ固体撮像素子の撮像結果に対してAEやAWB等の調整を行うとともに、その処理結果を検波データとして制御IC12へ返信する。この検波データには、例えば図7に示すように、同一のパケット内に、AEの処理結果についてのAE検波データと、各色信号毎のAWBの処理結果についてのAWB検波データ(1)〜(4)とが含まれる。
【0006】
そして、制御IC12は、図6のように、返信された検波データを基に、次フィールドについての制御データを決定し、次フィールドの垂直同期信号があった後に、その決定した制御データをカメラIC11へ送信する。
カメラIC11および制御IC12は、このような制御データおよび検波データの授受を、各フィールド毎に繰り返す。したがって、カメラIC11と制御IC12との間では、制御データと検波データとの時間的不一致(フィールドのずれ)が発生してしまうことがなく、常に制御IC12がカメラIC11に対するフィードバック制御を1フィールド単位で行い得るようになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、固体撮像素子を用いたカメラには、図8に示すように、USB(Universal Serial Bus)またはIEEE(電気電子技術者協会)1394に準拠したシリアルバス等の通信線20を介して、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置(以下「PC」と称す)30と接続された状態で利用されるもの(以下、このカメラを「PCカメラ」と称す)がある。
【0008】
このような状態で利用されるPCカメラ10は、構成の簡素化およびこれに伴う小型軽量化や低コスト化等を実現するため、カメラIC11に対応する制御IC12を備えておらず、そのカメラIC11の制御をPC30内のCPU31が行うように構成されている。そのため、AEやAWB等を調整する場合には、通信線20を介して、PCカメラ10のカメラIC11とPC30のCPU31との間で、制御データおよび検波データの授受を行う必要がある。
【0009】
しかしながら、PCカメラ10は、USB等の通信線20を介してPC30と接続しているため、例えばPCカメラ10の通信ポート12がビジー(busy)状態で使用できないと、PC30側への検波データの送信が待たされてしまう。また、PC30のCPU31においても、検波データを基にした制御データの決定が、他の処理(他のアプリケーションプログラムの実行)によって遅れてしまう可能性がある。
【0010】
これらのことから、PC30側では、図9に示すように、PCカメラ10側から検波データを受け取っても、その検波データがいつの時点のデータであるかを判別できなくなるおそれがある。また、PCカメラ10側へ制御データを送信しても、その制御内容がどの時点で反映されたかを把握できないおそれがある。
【0011】
つまり、PCカメラ10は、カメラIC11の制御をPC30内のCPU31が行うため、専用の制御IC12を設けた場合のように制御データおよび検波データの授受を各フィールド毎に行うといったことが困難である。したがって、上述したように制御データと検波データとの授受によってカメラIC11の制御を行おうとしても、制御データと検波データとの相関が不明確になってしまうので、結果としてその制御を正しく行えない可能性がある。
【0012】
そこで、本発明は、上述した事情を鑑みて、専用の制御ICによらない場合であっても、制御データと検波データとの相関を明確化して、適切な信号処理制御を正しく行うことを可能にする固体撮像素子の信号処理回路、固体撮像素子を用いたカメラ、映像信号通信システムおよび映像信号通信方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために案出されたもので、固体撮像素子の出力信号に対し所定の信号処理を行う信号処理回路であって、前記信号処理を行う際の処理条件を外部からの制御指示に基づいて変更する被制御手段と、前記被制御手段による処理条件の変更結果を前記制御指示の発行元に通知するとともに、前記変更結果の通知に当該変更を行った時に関する時間情報と当該変更の基になった制御指示とのいずれか一方または両方を付加する通知手段とを備えることを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明は、上記目的を達成するために案出されたもので、固体撮像素子と、被写体からの入射光を取り込んで前記固体撮像素子の撮像面上に結像させる光学系と、前記固体撮像素子の出力信号に所定の信号処理を行う信号処理回路とを具備するカメラであって、前記信号処理回路が信号処理を行う際の処理条件を外部からの制御指示に基づいて変更する被制御手段と、前記被制御手段による処理条件の変更結果を前記制御指示の発行元に通知するとともに、前記変更結果の通知に当該変更が行われた時に関する時間情報と当該変更の基になった制御指示とのいずれか一方または両方を付加する通知手段とを備えることを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明は、上記目的を達成するために案出されたもので、固体撮像素子と、被写体からの入射光を取り込んで前記固体撮像素子の撮像面上に結像させる光学系と、前記固体撮像素子の出力信号に所定の信号処理を行って映像信号とする信号処理回路とを具備するカメラと、前記カメラと通信線を介して接続するインタフェース手段と、そのインタフェース手段に接続しているカメラの動作制御を行うコントロール手段とを具備する情報処理装置とからなり、前記カメラと前記情報処理装置との間で映像信号の授受を行うように構成された映像信号通信システムに関する。そして、このようなシステムにおいて、前記カメラは、前記コントロール手段からの制御指示があると、これを基に前記信号処理回路が信号処理を行う際の処理条件を変更する被制御手段と、前記被制御手段による処理条件の変更結果を前記コントロール手段に通知するとともに、前記変更結果の通知に当該変更を行った時に関する時間情報と当該変更の基になった制御指示とのいずれか一方または両方を付加する通知手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記目的を達成するために案出された方法で、固体撮像素子と、被写体からの入射光を取り込んで前記固体撮像素子の撮像面上に結像させる光学系と、前記固体撮像素子の出力信号に所定の信号処理を行って映像信号とする信号処理回路とを具備するカメラと、前記カメラと通信線を介して接続するインタフェース手段と、そのインタフェース手段に接続しているカメラの動作制御を行うコントロール手段とを具備する情報処理装置とからなり、前記カメラと前記情報処理装置との間で映像信号の授受を行うように構成されたシステムにて用いられる映像信号通信方法である。そして、前記コントロール手段からの制御指示があると、前記カメラ側にて前記制御指示を基に前記信号処理回路が信号処理を行う際の処理条件を変更して当該信号処理を最適化し、その最適化のための処理条件の変更結果に対し当該変更を行った時に関する時間情報と当該変更の基になった制御指示とのいずれか一方または両方を付加し、その付加後の変更結果を前記カメラ側から前記情報処理装置のコントロール手段に通知し、前記カメラ側からの通知を受けると当該通知に付加された時間情報または制御指示に応じてその後に前記カメラに対して与える制御指示の内容を前記コントロール手段が決定することを特徴とする。
【0017】
上記構成の信号処理回路、カメラ若しくは映像信号通信システムまたは上記手順の映像信号通信方法によれば、処理条件の変更結果を制御指示の発行元または情報処理装置のコントロール手段へ通知するのにあたって、その変更結果に時間情報と制御指示とのいずれか一方または両方が付加される。よって、付加された時間情報または制御指示を基にすれば、通知された側においても、処理条件の変更が行われた時またはその変更の基になった指示内容が分かるようになる。つまり、処理条件の変更とその変更結果の通知とが非同期であっても、制御指示の発行元または情報処理装置のコントロール手段では、例えば制御データによって具現化される制御指示と検波データによって具現化される変更結果通知との間の相関が明確になる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明に係る信号処理回路、カメラおよび映像信号通信システム並びに映像信号通信方法について説明する。
【0019】
先ず始めに、映像信号通信システムの全体について説明する。
本実施の形態における映像信号通信システムは、既に説明したように、PC30と、これに通信線20を介して接続するPCカメラとからなり、これらの間で映像信号の授受を行うように構成されたものである(図8参照)。
【0020】
そのために、PC30には、通信線20を介して接続するPCカメラの動作制御を行うCPU31と、その通信線20に接続するための通信ポート32と、その通信ポート32とCPU31との間を接続する内部バス33と、が設けられてる。なお、CPU31は、所定プログラムを実行することによって、PCカメラの動作制御を行うようになっている。また、通信ポート32に接続する通信線20としては、例えばUSBまたはIEEE1394に準拠したシリアルバスが考えられるが、他の公知であるネットワーク技術を用いたものであってもよい。
【0021】
一方、PCカメラには、固体撮像素子の他に、通信線20に接続するための通信ポート14と、その通信ポートと4線式のシリアルバスを介して接続するカメラICとが設けられいるが、このカメラICが既に説明した従来のものとは異なっている。
【0022】
ここで、本実施の形態におけるPCカメラについて詳しく説明する。
図1は、本発明をPCカメラに適用した場合の概略構成例を示すブロック図である。
【0023】
図例のように、本実施の形態のPCカメラ1は、レンズ2と、撮像素子3と、プリアンプ4と、A/Dコンバータ5と、カメラIC6と、を備えてなるものである。なお、プリアンプ4およびA/Dコンバータ5は、カメラIC6内に設けられたものあってもよい。
【0024】
レンズ2は、被写体(ただし不図示)からの入射光を取り込んで撮像素子3の撮像面上に結像させるものである。
撮像素子3は、CCD撮像素子等の固体撮像素子からなるもので、撮像面上に結像された画像を画素単位で電気信号に変換し、画像信号としてプリアンプ4に供給するものである。
プリアンプ4は、撮像素子3から出力される画像信号をサンプルホールドして必要なデータを取り出すとともに、適正なレベルに合わせるためのゲインコントロールを行い、そのゲインコントロール後の出力信号をA/Dコンバータ5に供給するものである。
A/Dコンバータ5は、プリアンプ4からの出力信号をアナログ信号からデジタル信号に変換してカメラIC6に供給するものである。
【0025】
カメラIC6は、A/Dコンバータ5から供給されるデジタル信号に対し所定の信号処理を行う信号処理回路として機能するものである。そのために、カメラIC6は、例えば、Y/C分離回路61、RGB変換回路62、被制御コントローラ回路63、積分回路64、圧縮回路65および通信制御回路66を有する構成となっている。なお、これらの各回路61〜66は、カメラIC6として一体で設けられたものではなく、それぞれが別体で設けられたものであってもよい。
【0026】
Y/C分離回路61は、A/Dコンバータ5からのデジタル信号を輝度(Y)信号と色差(C)信号とに分離するものである。この分離を行うために、Y/C分離回路61は、図2に示すように、例えば補色市松色差線順次方式を利用した演算によって輝度信号と色差信号とを求めるデジタル信号処理回路(Digital Signal Processor;以下「DSP」と略す)61aを有している。さらに、Y/C分離回路61は、DSP61aが求めた輝度信号に対し、乗算係数(以下「Yゲイン」と称す)の変更により、その輝度信号の信号レベルをコントロールする乗算器61bを有している。この乗算器61bでのYゲインのコントロールによって、Y/C分離回路61では、露光を最適化するAE機能を実現し得るようになっている。なお、乗算器61bによるYゲインのコントロールは、被制御コントローラ回路63から与えられる制御信号に従いつつ行われるものとする。
【0027】
また図1において、RGB変換回路62は、Y/C分離回路61で輝度信号と色差信号とに分離された後のデジタル信号をR(赤),G(緑),B(青)の原色信号であるR信号,G信号,B信号に変換するものである。この変換を行うために、RGB変換回路62は、図3に示すように、輝度信号と色差信号との分光特性に基づく演算によってR信号,G信号,B信号のそれぞれを求める原色分離回路62aを有している。さらに、RGB変換回路62は、原色分離回路62aが求めたR信号,G信号,B信号に対し、それぞれの比率が等しくなるようにゲインを調整するホワイトバランスアンプ62r,62g,62bを有している。これらホワイトバランスアンプ62r,62g,62bでのゲイン調整によって、RGB変換回路62では、ホワイトバランスをとるAWB機能を実現し得るようになっている。なお、ホワイトバランスアンプ62r,62g,62bによるゲイン調整も、Y/C分離回路61の乗算器61bと同様に、被制御コントローラ回路63から与えられる制御信号に従いつつ行われるものとする。。
【0028】
また図1において、被制御コントローラ回路63は、Y/C分離回路61の乗算器61bおよびRGB変換回路62のホワイトバランスアンプ62r,62g,62bに対して、制御信号を供給するものである。ただし、被制御コントローラ回路63では、PCカメラ1の動作制御がPC30のCPU31によって行われることから、通信線20を介してCPU31から送信される制御指示、すなわちCPU31から送信される制御データの内容(例えばYゲインの値やゲイン調整係数といったパラメータ)に基づいて、制御信号を生成するようになっている。
【0029】
なお、被制御コントローラ回路63は、CPU31からの制御データに違いつつAE処理を行うのにあたって、Y/C分離回路61の乗算器61bにYゲインをコントロールさせるのではなく、撮像素子3のシャッタースピードをコントロールするようにしたり、プリアンプ4のゲインをコントロールするようにしてもよい。
【0030】
積分回路64は、RGB変換回路62によって変換された後のR信号,G信号,B信号をそれぞれフィールド毎に積分して、その積分値を通信制御回路66へ供給するものである。この積分値は、後述するように、PC30のCPU31がAEおよびAWB(以下、これらを単に「AE/AWB」と記す)の制御を行うために必要となる検波データの生成に用いられる。
【0031】
圧縮回路65は、R信号,G信号,B信号(必要に応じて例えばγ補正といった他の処理がさらに行われていてもよい)を映像信号として通信線20を介してPC30側へ送信するのにあたって、その通信線20のデータ転送速度を考慮して、送信すべき映像信号にデータ圧縮処理を行うものである。データ圧縮処理は、MPEG(Moving Picture Experts Group)等の公知技術を利用して行えばよい。なお、通信線20を介した送信に支障が生じなければ、圧縮回路65は無くてもよい。
【0032】
通信制御回路66は、通信ポート14からのデータ送信および通信ポート14でのデータ受信を管理するものである。具体的には、PC30側への映像信号の送信、PC30のCPU31からの制御データの受信、PC30のCPU31への検波データの送信等を管理するようになっている。
【0033】
ただし、通信制御回路66では、検波データの送信にあたって、以下に述べるような特徴的な処理を行う。つまり、通信制御回路66は、本実施の形態のPCカメラ1、さらに詳しくはそのPCカメラ1に搭載されたカメラIC6において、最も特徴的な機能を有している。
【0034】
検波データの送信にあたって、通信制御回路66は、図4に示すような通信パケットを生成する。
この通信パケットには、ヘッダー、AE検波データおよびAWB検波データ(1)〜(4)に加えて、フィールドカウンタとAE/AWB制御データとが付加されている。
【0035】
ヘッダーには、通信パケットの発信元および送信先を特定するためのアドレス等が表示される。また、AE検波データおよびAWB検波データ(1)〜(4)は、それぞれが積分回路64によるフィールド毎の積分値を基に生成されるもので、AE検波データがY/C分離回路61でのAE処理の結果に関するもの、AWB検波データ(1)〜(4)がRGB変換回路62でのAWB処理の結果に関するものである。なお、AWB検波データ(1)〜(4)が複数あるのは、各色毎あるいは各色間についての処理結果が存在するからである。
【0036】
フィールドカウンタには、AE/AWB処理を行った時に関する時間情報が表示される。すなわち、フィールドカウンタには、AE検波データおよびAWB検波データ(1)〜(4)の採取時刻が表示される。この時間情報の採取のために、通信制御回路66では、PCカメラ1の動作開始からの経過時間を、例えばクロックパルスに従って動作するカウンタによって監視するようになっている。
【0037】
AE/AWB制御データは、AE/AWB処理の基になった制御データ、すなわちAE検波データおよびAWB検波データ(1)〜(4)を採取した際にPC30側から被制御コントローラ回路63に与えられていた制御データである。
【0038】
次に、以上のように構成されたPCカメラ1における処理動作例について説明する。
このPCカメラ1では、PC30のCPU31から通信線20を介して制御データが送信されてくると、その制御データを通信ポート14で受け取った後に、通信制御回路66がその制御データを被制御コントローラ回路63へ供給する。これにより、被制御コントローラ回路63は、その制御データによって指示される内容に従いつつ、Y/C分離回路61の乗算器61bにYゲインをコントロールさせるとともに、RGB変換回路62のホワイトバランスアンプ62r,62g,62bにゲイン調整を行わせる。
【0039】
その後、PCカメラ1では、このようにして行ったAE/AWB処理の結果から得られた1フィールド分の積分回路64による積分値を基に、通信制御回路66が検波データ送信のための通信パケットを生成する。このとき、通信制御回路66は、通信パケット内に、その検波データの採取時刻についてのフィールドカウンタを付加する。また、通信制御回路66は、通信パケット内に、先にCPU31から受信している制御データをAE/AWB制御データとして付加する。そして、通信制御回路66は、フィールドカウンタおよびAE/AWB制御データを付加した通信パケットを、通信ポート14から通信線20を介してPC30側へ返信する。
【0040】
これに対して、PC30では、PCカメラ1から通信線20を介して通信パケットが送信されてくると、その通信パケットを通信ポート32で受け取った後に、CPU31がその通信パケットの内容を解析する。
【0041】
ただし、PCカメラ1とPC30との間はUSB等の通信線20を介して接続されているため、これらの間での通信パケット等の授受は、例えばPCカメラ1からPC30への通信パケットの送信が待たされたりCPU31が他のアプリケーションプログラムを実行しているなどの理由によって、非同期で行われる可能性がある。
【0042】
ところが、PCカメラ1からの通信パケットには、フィールドカウンタおよびAE/AWB制御データが付加されている。そのため、CPU31は、これらを基にすれば、通信パケットの授受に時間差が生じた場合であっても、検波データの採取時刻とその基になった制御データの内容が分かるようになる。したがって、CPU31は、PCカメラ1側から受け取った通信パケットに含まれる検波データがいつの時点のデータであるかを、的確に判別できるようになる。さらに、CPU31は、PCカメラ1側へ送信した制御データの内容がどの時点で反映されたかを、的確に把握できるようになる。
【0043】
そして、CPU31は、その通信パケットの解析結果に応じて、PCカメラ1に対してどのようなAE/AWB制御を行えばよいかを決定し、その決定結果を反映させた制御データを通信ポート32から通信線20を介してPCカメラ1側へ送信する。
【0044】
つまり、PC30側では、通信パケットに付加されたフィールドカウンタおよびAE/AWB制御データによって、既にPCカメラ1側に指示した制御データとその後PCカメラ1側から受け取った検波データとの相関が明確になるので、通信パケット等の授受が非同期に行われても、PCカメラ1に対する適切なAE/AWB制御を正しく行うことができる。。
【0045】
このことから、フィールドカウンタおよびAE/AWB制御データの付加機能を有したカメラIC6を備えてPCカメラ1を構成すれば、PCカメラ1内に専用の制御ICを設けなくてもPC30側から適切なAE/AWB制御を行い得るようになるので、PCカメラ1側では小型軽量化や低コスト化等を容易に実現することができ、またPC30側では高画質の映像信号が得られるようになる。
【0046】
なお、本実施の形態では、PC30側へ送信する通信パケットの生成にあたって、通信制御回路66がその通信パケットにフィールドカウンタとAE/AWB制御データとの双方を付加する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、通信制御回路66は、必ずしもフィールドカウンタとAE/AWB制御データとの双方を付加する必要はなく、少なくともいずれか一方のみを付加するようにしてもよい。これは、フィールドカウンタとAE/AWB制御データとを共に付加するのがPC30側での制御には最も好ましいが、いずれか一方のみを付加してもPC30側で制御データと通信パケット(検波データ)との相関が明確になるからである。このようにいずれか一方のみを付加する場合の具体例の一つとして、例えばPC30側で制御データの送信履歴を記憶するメモリ容量を確保し、PCカメラ1からの送信パケットにはフィールドカウンタのみを付加し、その送信履歴とフィールドカウンタとを基にPC30側でAE/AWB制御を行うようにする、といったことが考えられる。
【0047】
また、本実施の形態では、撮像素子3からの出力信号に対してAE/AWB処理を行う場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、撮像素子3からの出力信号に対するものであれば他の信号処理であっても、本実施の形態の場合と同様のフィードバック制御を適用することが考えられる。
【0048】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の信号処理回路、カメラ若しくは映像信号通信システムまたは映像信号通信方法によれば、例えば信号処理の処理条件の変更結果の通知にあたって、その変更結果に時間情報と制御指示とのいずれか一方または両方が付加するので、その付加された時間情報または制御指示を基にすれば、通知された側においても処理条件の変更が行われた時またはその変更の基になった指示内容が分かるようになる。つまり、処理条件の変更とその変更結果の通知とが非同期で行われても、制御指示と変更結果通知との相関が明確になる。これにより、その制御元では、信号処理の処理条件についての適切な制御を正しく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をPCカメラに適用した場合の概略構成の一例を示すブロック図である。
【図2】図1のPCカメラが備えるY/C分離回路の一例を示すブロック図である。
【図3】図1のPCカメラが備えるRGB変換回路の一例を示すブロック図である。
【図4】図1のPCカメラが備える通信制御回路によって生成される通信パケットのフォーマット例を示す説明図である。
【図5】従来の固体撮像素子を用いたカメラの一例を示すブロック図である。
【図6】図5のカメラによるAE/AWB制御の概要の一例を示す説明である。
【図7】図5のカメラによって生成される通信パケットのフォーマット例を示す説明図である。
【図8】従来の固体撮像素子を用いたPCカメラの一例を示すブロック図である。
【図9】図8のPCカメラによるAE/AWB制御の概要の一例を示す説明である。
【符号の説明】
1…PCカメラ、2…レンズ、3…撮像素子、6…カメラIC(信号処理回路)、20…通信線、30…PC(情報処理装置)、31…CPU、32…通信ポート、61…Y/C分離回路、62…RGB変換回路、63…被制御コントローラ回路、64…積分回路、66…通信制御回路
Claims (4)
- 固体撮像素子の出力信号に対し所定の信号処理を行う信号処理回路であって、
前記信号処理を行う際の処理条件を外部からの制御指示に基づいて変更する被制御手段と、
前記被制御手段による処理条件の変更結果を前記制御指示の発行元に通知するとともに、前記変更結果の通知に当該変更を行った時に関する時間情報と当該変更の基になった制御指示とのいずれか一方または両方を付加する通知手段と
を備えることを特徴とする固体撮像素子の信号処理回路。 - 固体撮像素子と、被写体からの入射光を取り込んで前記固体撮像素子の撮像面上に結像させる光学系と、前記固体撮像素子の出力信号に所定の信号処理を行う信号処理回路とを具備するカメラであって、
前記信号処理回路が信号処理を行う際の処理条件を外部からの制御指示に基づいて変更する被制御手段と、
前記被制御手段による処理条件の変更結果を前記制御指示の発行元に通知するとともに、前記変更結果の通知に当該変更が行われた時に関する時間情報と当該変更の基になった制御指示とのいずれか一方または両方を付加する通知手段と
を備えることを特徴とする固体撮像素子を用いたカメラ。 - 固体撮像素子と、被写体からの入射光を取り込んで前記固体撮像素子の撮像面上に結像させる光学系と、前記固体撮像素子の出力信号に所定の信号処理を行って映像信号とする信号処理回路とを具備するカメラと、
前記カメラと通信線を介して接続するインタフェース手段と、該インタフェース手段に接続しているカメラの動作制御を行うコントロール手段とを具備する情報処理装置とからなり、
前記カメラと前記情報処理装置との間で映像信号の授受を行うように構成された映像信号通信システムであって、
前記カメラは、
前記コントロール手段からの制御指示があると、これを基に前記信号処理回路が信号処理を行う際の処理条件を変更する被制御手段と、
前記被制御手段による処理条件の変更結果を前記コントロール手段に通知するとともに、前記変更結果の通知に当該変更を行った時に関する時間情報と当該変更の基になった制御指示とのいずれか一方または両方を付加する通知手段と
を備えることを特徴とする映像信号通信システム。 - 固体撮像素子と、被写体からの入射光を取り込んで前記固体撮像素子の撮像面上に結像させる光学系と、前記固体撮像素子の出力信号に所定の信号処理を行って映像信号とする信号処理回路とを具備するカメラと、
前記カメラと通信線を介して接続するインタフェース手段と、該インタフェース手段に接続しているカメラの動作制御を行うコントロール手段とを具備する情報処理装置とからなり、
前記カメラと前記情報処理装置との間で映像信号の授受を行うように構成されたシステムにて用いられる映像信号通信方法であって、
前記コントロール手段からの制御指示があると、前記カメラ側にて前記制御指示を基に前記信号処理回路が信号処理を行う際の処理条件を変更して当該信号処理を最適化し、
その最適化のための処理条件の変更結果に対し当該変更を行った時に関する時間情報と当該変更の基になった制御指示とのいずれか一方または両方を付加し、その付加後の変更結果を前記カメラ側から前記情報処理装置のコントロール手段に通知し、
前記カメラ側からの通知を受けると当該通知に付加された時間情報または制御指示に応じてその後に前記カメラに対して与える制御指示の内容を前記コントロール手段が決定する
ことを特徴とする映像信号通信方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17353999A JP4123642B2 (ja) | 1999-06-21 | 1999-06-21 | 固体撮像素子の信号処理回路、固体撮像素子を用いたカメラおよび映像信号通信システム並びに映像信号通信方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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