JP4122857B2 - マルチリーフコリメータ及びそれを用いた放射線治療装置 - Google Patents

マルチリーフコリメータ及びそれを用いた放射線治療装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マルチリーフコリメータ及びそれを用いた放射線治療装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は放射線治療装置の従来例を示す概念図である。
【0003】
同図に示す放射線治療装置は、放射線ビーム(陽子線)1を発生する発生手段としてのサイクロトロン2と、サイクロトロン2からの放射線ビーム1をベッド3上の患者4の近傍まで案内する案内手段としてのS字状管(直線部は省略され、曲線部のみ示されている。)5と、S字状管5の出射側に設けられ放射線ビーム1を患者4の患部4aの形状に合わせた形状、深度、照射エネルギーの放射線ビームを形成する照射野形成装置6と、照射野形成装置6とS字状管5とを支持し患者4のまわりに回転面が鉛直になるように回転させるガントリと呼ばれる回転手段(図示せず。)とで構成されたものである。
【0004】
図6(a)は図5に示した放射線治療装置に用いられるベッド周辺の平面図であり、図6(b)は図6(a)に示したベッドの回転後の状態を示す図である。
【0005】
患者4を載置するベッド3は、公知の移動手段20により矢印P1方向に回転でき、水平方向(矢印P2、P3方向)に並進させることができるようになっている。通常はこれに加え、鉛直方向(矢印5方向)に並進させることができ、また鉛直面内で回転(矢印6、7方向)することができるようになっている。尚、矢印P4はガントリの回転方向を示す。
【0006】
図5に示す照射野形成装置6は、二次電子モニタ9と、位置・線量モニタ10と、電磁石からなりビームをX軸方向に走査するワブラーX11と、鉛からなりビーム1の強度分布を広げる散乱体12と、電磁石からなりビーム1をY軸方向に走査するワブラーY13と、第一固定コリメータ14と、けんざん状に形成されブラッグピークを拡大させるリッジフィルタ15と、積層されたアクリル板からなりビーム1の体内深度を決定するファインデグレータ16と、ビーム1の照射方向を補正するアライメントシステム17と、第二固定コリメータ18と、ビーム1の断面形状を患者4の患部の形状に合わせるためのマルチリーフコリメータ19とで構成されている。
【0007】
図7はS字状管から出射した直後のビームの強度を示す強度分布図であり、図8はS字状管からのビームが散乱体を透過した後のビームの強度を示す強度分布図である。図7、8において横軸が位置を示し、縦軸がビーム強度を示す。図9は図7に示した強度分布特性を有するビームを両ワブラー及び散乱体で加工した後のビーム強度分布を立体的に示す図である。
【0008】
図5に示す照射野形成装置6では、ワブラーX11及びワブラーY13を同一振幅で位相90度ずらして図7に示すような分布特性を有するビームを正弦波で走査すると、ビームの照射面がリサジュー曲線、すなわち円を描くので、その照射面におけるビーム強度分布が略円筒状となる。このような円筒状の強度分布を有するビームが散乱体12を透過すると、「円筒」の側壁の断面が図8のように拡がり、全体として図9に示すような円筒の裾野が広がったカルデラ状の強度分布が得られる。両ワブラー11、13の振幅を変えて異なる径の「カルデラ」を重ねることにより、略円盤状の均一な照射野が形成されるようになっている。
【0009】
このような略円盤状の照射野を有する放射線ビームがマルチリーフコリメータを通過すると患部4aの外形に略等しい断面形状の放射線ビームとなる。
【0010】
図10は図5に示した放射線治療装置の照射野形成装置に用いられるマルチリーフコリメータの従来例を示す断面図である。図11は図10に示したマルチリーフコリメータに用いられるリーフ移動手段の拡大断面図である。
【0011】
図10に示すマルチリーフコリメータ19は、放射線出射部に矢印P5方向に出射される放射線を覆うように対向すると共に、(図面に対して垂直な方向)に積層配置された複数対のリーフ21a、21bと、リーフ21a、21bの外側(図では下側)にリーフ21a、21bを覆うように配置された複数対のリーフ22a、22bと、各リーフ22a、22bが互いに離れる方向(矢印P6、P7)に移動できるように案内する複数対のガイド25a、25b、26a、26b、27a、27bと、各リーフ21a、21b、22a、22bをそれぞれ個別に移動させて患者4の患部4aの形状に合わせた照射野を形成するためのリーフ移動手段23a、23b、24a、24bとで構成されている。
【0012】
図では内側(この場合上側)のリーフ21a、21bが閉じ、外側(この場合下側)のリーフ対22a、22bが開いた状態を示している。
【0013】
図11に示すリーフ移動手段23aは、モータ28と、モータ28の出力軸に連結されたカップリング29と、一端(図では右側)がカップリング29に連結され残りがリーフ21aの孔30に挿入された送りネジ31と、送りネジ31に螺合すると共にリーフ21aに固定されたナット32とで構成されている。他のリーフ移動手段23b、24a、24bもリーフ移動手段23aと同様の構造を有している。尚、33はベアリングである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の放射線治療装置は、各リーフ21a、21b、22a、22bを放射線ビームの中心軸P5に対して直交する方向にスライドさせるため、各リーフ21a、21b、22a、22bが形成するコリメート先端の外径が大きくなり、図12に示すように患者4の背丈方向に対して斜めから放射線ビームを照射して治療を行う際にマルチリーフコリメータ19と患者4とが干渉するため、マルチリーフコリメータ19の傾斜角度を大きくとることができなかった。またマルチリーフコリメータ19と患部4との間の距離Laが長くなるので、放射線ビームが拡がって患部4aにおける照射野の輪郭がぼやけてしまい十分な治療を行うことができなかったという問題があった。
【0015】
尚、図12は図6に示したマルチリーフコリメータと患者との位置関係を示す説明図である。
【0016】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、患部における放射線ビームの輪郭の精度が高いマルチリーフコリメータ及びそれを用いた放射線治療装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、放射線治療装置の照射野形成装置に用いられるマルチリーフコリメータにおいて、上記照射野形成装置の放射線ビームの出射側に外側に向かって該放射線ビームに対して傾斜した方向に突き合うと共にV字断面形状となるように積層配置された複数対のリーフと、各リーフ対が上記傾斜した方向に直線移動できるように案内する複数対のガイドと、各リーフをそれぞれ個別に移動させて患者の患部の形状に合わせた開口部を形成するためのリーフ移動手段とを備えたものである。
【0018】
請求項2の発明は、請求項1に記載の構成に加え、リーフ対の外側に、リーフ対に沿ってV字断面形状となると共にリーフ対の列に対してずれるように積層配置された複数対の外側リーフと、各外側リーフ対が互いに離れる方向に移動できるように案内する複数対の外側ガイドと、各外側リーフをそれぞれ個別に移動させてリーフ対と共に患者の患部の形状に合わせた開口部を形成するための外側リーフ移動手段とを有するのが好ましい。
【0019】
請求項3の発明は、放射線ビームを発生する発生手段と、該発生手段からの放射線ビームを患者の近傍まで案内する案内手段と、該案内手段の出射側に設けられ上記放射線ビームを上記患者の患部の形状に合わせた形状、深度、照射エネルギーに形成する照射野形成装置と、該照射野形成装置を上記案内手段ごと上記患者のまわりに回転させる回転手段とを備えた放射線治療装置において、上記照射野形成装置のマルチリーフコリメータは、放射線ビームの出射側に外側に向かって該放射線ビームに対して傾斜した方向に突き合うと共にV字断面形状となるように積層配置された複数対のリーフと、各リーフ対が上記傾斜した方向に直線移動できるように案内する複数対のガイドと、各リーフをそれぞれ個別に移動させて患者の患部の形状に合わせた開口部を形成するためのリーフ移動手段とを備えものである。
【0020】
請求項4の発明は、請求項3に記載の構成に加え、リーフ対の外側に、リーフ対に沿ってV字断面形状となると共にリーフ対の列に対してずれるように積層配置された複数対の外側リーフと、各外側リーフ対が互いに離れる方向に移動できるように案内する複数対の外側ガイドと、各外側リーフをそれぞれ個別に移動させてリーフ対と共に患者の患部の形状に合わせた開口部を形成するための外側リーフ移動手段とを有するのが好ましい。
【0021】
請求項5の発明は、請求項3または4に記載の構成に加え、患者ベッドが少なくとも水平面内の2つの並進方向と水平面内の1つの回転方向に自由度をもち、通常は3つの自由度に上下方向の並進1自由度と鉛直面内の2つの回転自由度とを加えた計6自由度をもつように患者ベッド移動手段を設けるのが好ましい。
【0022】
請求項6の発明は、請求項3から5のいずれかに記載の構成に加え、マルチリーフコリメータが放射線ビームの中心軸のまわりに回転するように照射野形成装置にマルチリーフコリメータ回転手段を設けるのが好ましい。
【0023】
本発明によれば、各リーフ対が閉じたときにV字断面形状になるように配置されているので、マルチリーフコリメータの先端部が略切妻型屋根形状となり、マルチリーフコリメータ自体を傾斜配置してもマルチリーフコリメータと患者とが干渉することが少なくなり、その分だけより患部に接近することができる。この結果、マルチリーフコリメータと患部との間の距離が従来より短くなるので、放射線ビームの拡がりによる輪郭のぼやけが少なくなり、その分だけ患部における放射線ビームの形状の精度が向上する。
【0024】
リーフ対の外側に、リーフ対に対して外側リーフ対をずらして配置することにより、開口部の形状をより精密に患部の形状に合わせることができると共に、リーフ対の隙間が外側リーフ対で覆われて放射線ビームの遮蔽性が向上するので、患部以外の正常な臓器等への放射線の照射量を減少させることができる。
【0025】
マルチリーフコリメータ回転手段でマルチリーフコリメータを放射線ビームの中心軸のまわりに回転させることにより、複雑な形状の患部に対してもより正確に形状を形成することができ、放射線ビームを効果的に患部に照射することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。尚、従来例と同様の部材には共通の符号を用いた。
【0027】
図2は本発明のマルチリーフコリメータを用いた放射線治療装置の一実施の形態を示す概念図である。
【0028】
図2に示す放射線治療装置は、放射線ビーム1を発生するサイクロトロン2と、サイクロトロン2からの放射線ビーム1を患者4の近傍まで案内するS字状管5と、S字状管5の出射側に設けられ放射線ビーム1を患者4の患部4aの形状に合わせた形状、深度、照射エネルギーの放射線ビームを形成する照射野形成装置410と、照射野形成装置410をS字状管5ごと患者4のまわりに回転面が鉛直になるように回転させる回転手段(図示せず。)と、患者4を寝かせるための患者ベッド3と、患者ベッド3を少なくとも水平面内の2つの並進方向と水平面内の回転方向に移動させ、通常はこれら3つの動きに上下方向の並進と、鉛直面内での2つの回転方向との計6自由度をもつ患者ベッド移動手段20とで構成されたものである。尚、410bは後述するマルチリーフコリメータ回転手段である。
【0029】
図1は図2に示した放射線治療装置に用いられる本発明のマルチリーフコリメータの一実施の形態を示す断面図である。
【0030】
図10に示したマルチリーフコリメータとの主な相違点は、各リーフ対41a、41b、42a、42bが略V字断面形状になるように積層配置されている点である。
【0031】
図1に示すマルチリーフコリメータは、放射線ビーム(矢印P6)の出射側に外側(図では下側)に向かって斜めに突き合うようと共にV字断面形状となるように(紙面に垂直な方向に)積層配置された複数対のリーフ41a、41bと、リーフ41a、41bの外側にリーフ41a、41bを覆うように配置された複数対の外側リーフ(以下「リーフ」という。)42a、42bと、各リーフ41a、41b、42a、42bが互いに離れる方向(矢印P7、P8方向)に移動できるように案内する複数対の外側ガイド(以下「ガイド」という。)43a、43b、44a、44b、45a、45bと、各リーフ41a、41b、42a、42bをそれぞれ個別に移動させて患者4の患部4aの形状に合わせた開口部を形成するためのリーフ移動手段46a、46b及び外側リーフ移動手段(以下「リーフ移動手段」という。)47a、47bとで構成されている。
【0032】
各リーフ対41a、41b、42a、42bの先端はリーフ対41a、41b、42a、42bが閉じたときに各リーフ対41a、41b、42a、42bの間に隙間が生じることがないように斜めに形成されている。
【0033】
図では内側(図では上側)のリーフ対41a、41bが開いた状態を示し、外側(この場合下側)のリーフ対42a、42bが閉じた状態を示している。
【0034】
リーフ41a、41b、42a、42bは内側と外側との2層構造となっており、かつ、外側のリーフ対42a、42b列が内側のリーフ対42a、42b列に対して例えば半ピッチずらして配置されている。このため、内側のリーフ対41a、41bの積層方向(紙面に垂直な方向)の隙間が外側のリーフ対42a、42bで覆われるので、放射線ビームの遮蔽性が向上する。
【0035】
また、内側のリーフ対41a、41bと、外側のリーフ対42a、42bとがずれて配置されていることにより、照射野の形状をより精密に患部4bの形状に合わせることができ、患部4a以外の正常な臓器等への放射線ビームの照射量を低減することができる。
【0036】
リーフ移動手段46aは、図11に示したリーフ移動手段23aと同様に、モータ48と、モータ48の出力軸に連結されたカップリング(図示省略)と、一端がカップリングに連結され、残りがリーフ41aの孔49aに挿入された送りネジ50aと、送りネジ50aに螺合すると共にリーフ41aの一端に固定されたナット51aとで構成されている。
【0037】
他のリーフ移動手段46b、47a、47bもリーフ移動手段46aと同様の構造に、モータ48b、52a、52b、カップリング(図示省略)、孔49b、53a、53b内に挿入された送りネジ50b、54a、54b及びナット51b、55a、55bで構成されている(図では4組だけしかリーフ移動手段が示されていないが、紙面に垂直な方向にそれぞれ複数組構成されている。)。
【0038】
図3(a)は図1に示したマルチリーフコリメータを回転させるマルチリーフコリメータ回転手段の平面透視図であり、図3(b)は図3(a)の3b−3b線断面図である。
【0039】
マルチリーフコリメータ回転手段410bは、照射野形成装置本体410aに固定される略リング状の固定側プレート56と、固定側プレート56にベアリング57を介して連結され、マルチリーフコリメータ(二点鎖線で示す)40が取り付けられた略フランジ状の可動側プレート(右上がりハッチングで示す)58と、固定側プレート56に設けられた円弧状のギヤ(セクタギヤ:従動ギヤ)59と、このギヤ59と噛み合うピニオンギヤ(駆動ギヤ)60を有し、可動側プレート58を回動させるモータ61とで構成されている。尚、62は固定側プレート56を照射野形成装置本体410aに固定するためのボルトである。
【0040】
モータ61が作動するとピニオンギヤ60が回転し、その回転がギヤ59に伝達されて可動側プレート58が回動する。可動側プレート58が回動することによりマルチリーフコリメータ40が二点鎖線L1で示す位置から二点鎖線L2で示す位置に向かって回動するようになっている。尚、マルチリーフコリメータ40が90度以上回動しないように図示しないリミッタ機構で制限されるようになっている。
【0041】
次に本発明のマルチリーフコリメータの作用について説明する。
【0042】
図1に示したマルチリーフコリメータ40の各リーフ移動手段46a、46b、47a、47bが図示しない制御手段(例えばマイクロコンピュータ)からの信号に応じて作動すると、モータ48a、48b、52a、52bが必要な回転数だけ回転し、その回転がカップリングを介して送りネジ50a、50b、54a、54bに伝達される。送りネジ50a、50b、54a、54bが回転すると、送りネジ50a、50b、54a、54bに螺合したナット51a、51b、55a、55bがリーフ41a、41b、42a、42bをモータ48a、48b、52a、52bから離れる方向(リーフ41a、41b、42a、42bが閉じる方向)か、あるいはモータ48a、48b、52a、52bに近づく方向(リーフ41a、41b、42a、42bが開く方向)に移動する。リーフ41a、41b、42a、42bの移動距離は図示しない制御手段により制御されて患部4aの形状に応じた開口部が形成される。
【0043】
各リーフ対41a、41b、42a、42bは閉じたときにV字断面形状になるように配置されているので、マルチリーフコリメータ40自体を傾斜配置してもマルチリーフコリメータ40と患者4とが干渉することが少なくなり、その分だけより患者4に接近することができる。この結果、マルチリーフコリメータ40と患部4aとの間の距離が従来例より短くなるので、放射線ビームの拡がりによる照射野の輪郭のぼけが少なくなり、その分だけ患部4aにおける放射線ビームの形状の精度が向上する。
【0044】
また、リーフ対41a、41bの外側にリーフ対41a、41b間の隙間を覆うように外側リーフ対42a、42bをずらして配置することにより、開口部の形状をより精密に患部4aの形状に合わせることができると共に放射線ビームの遮蔽性が向上するので、患部4a以外の正常な臓器等への放射線ビームの照射量を減少させることができる。
【0045】
さらに、マルチリーフコリメータ40を放射線ビームの中心軸のまわりに回転させることにより、患者4とマルチリーフコリメータ40とが干渉することを回避することができ両者間の距離を最小限にすることができる。
【0046】
図4は本発明のマルチリーフコリメータと患部との位置関係を示す図である。
【0047】
同図より患部4aとマルチリーフコリメータ40との間の距離Lbが図12に示した従来のマルチリーフコリメータを用いた場合の両者間の距離Laより短くなっていることが分かる。
【0048】
このようなマルチリーフコリメータを用いて放射線治療装置を構成することにより、患部4aへの放射線ビームが効率的に照射され、患部4a以外の正常な臓器等への放射線ビームの照射量が低減され、効果的な治療を施すことができる。
【0049】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、患部における放射線ビームの輪郭の精度が高いマルチリーフコリメータ及びそれを用いた放射線治療装置の提供を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2に示した放射線治療装置に用いられる本発明のマルチリーフコリメータの一実施の形態を示す断面図である。
【図2】本発明のマルチリーフコリメータを用いた放射線治療装置の一実施の形態を示す概念図である。
【図3】(a)は図1に示したマルチリーフコリメータを回転させるマルチリーフコリメータ回転手段の平面透視図であり、(b)は(a)の3b−3b線断面図である。
【図4】本発明のマルチリーフコリメータと患部との位置関係を示す図である。
【図5】放射線治療装置の概念図である。
【図6】(a)は図5に示した放射線治療装置に用いられるベッド周辺の平面図であり、(b)は(a)に示したベッドの回転後の状態を示す図である。
【図7】S字状管から出射した直後のビームの強度を示す強度分布図である。
【図8】S字状管からのビームが散乱体を透過した後のビームの強度を示す強度分布図である。
【図9】図7に示した強度分布特性を有するビームを両ワブラー及び散乱体で加工した後のビーム強度分布を立体的に示す図である。
【図10】図5に示した放射線治療装置の照射野形成装置に用いられるマルチリーフコリメータの従来例を示す断面図である。
【図11】図10に示したマルチリーフコリメータに用いられるリーフ移動手段の拡大断面図である。
【図12】図6に示したマルチリーフコリメータと患者との位置関係を示す説明図である。
【符号の説明】
40 マルチリーフコリメータ
41a、41b、42a、42b リーフ(リーフ対)
43a、43b、44a、44b、45a、45b ガイド
46a、46b、47a、47b リーフ移動手段

Claims (6)

  1. 放射線治療装置の照射野形成装置に用いられるマルチリーフコリメータにおいて、上記照射野形成装置の放射線ビームの出射側に外側に向かって該放射線ビームに対して傾斜した方向に突き合うと共にV字断面形状となるように積層配置された複数対のリーフと、各リーフ対が上記傾斜した方向に直線移動できるように案内する複数対のガイドと、各リーフをそれぞれ個別に移動させて患者の患部の形状に合わせた開口部を形成するためのリーフ移動手段とを備えたことを特徴とするマルチリーフコリメータ。
  2. 上記リーフ対の外側に、上記リーフ対に沿ってV字断面形状となると共に上記リーフ対の列に対してずれるように積層配置された複数対の外側リーフと、各外側リーフ対が互いに離れる方向に移動できるように案内する複数対の外側ガイドと、各外側リーフをそれぞれ個別に移動させて上記リーフ対と共に患者の患部の形状に合わせた開口部を形成するための外側リーフ移動手段とを有する請求項1に記載のマルチリーフコリメータ。
  3. 放射線ビームを発生する発生手段と、該発生手段からの放射線ビームを患者の近傍まで案内する案内手段と、該案内手段の出射側に設けられ上記放射線ビームを上記患者の患部の形状に合わせた形状、深度、照射エネルギーに形成する照射野形成装置と、該照射野形成装置を上記案内手段ごと上記患者のまわりに回転させる回転手段とを備えた放射線治療装置において、上記照射野形成装置のマルチリーフコリメータは、放射線ビームの出射側に外側に向かって該放射線ビームに対して傾斜した方向に突き合うと共にV字断面形状となるように積層配置された複数対のリーフと、各リーフ対が上記傾斜した方向に直線移動できるように案内する複数対のガイドと、各リーフをそれぞれ個別に移動させて患者の患部の形状に合わせた開口部を形成するためのリーフ移動手段とを備えたことを特徴とする放射線治療装置。
  4. 上記リーフ対の外側に、上記リーフ対に沿ってV字断面形状となると共に上記リーフ対の列に対してずれるように積層配置された複数対の外側リーフと、各外側リーフ対が互いに離れる方向に移動できるように案内する複数対の外側ガイドと、各外側リーフをそれぞれ個別に移動させて上記リーフ対と共に患者の患部の形状に合わせた開口部を形成するための外側リーフ移動手段とを有する請求項3に記載の放射線治療装置。
  5. 患者ベッドが少なくとも水平面内の2つの並進方向と水平面内の1つの回転方向に自由度をもち、通常は上記3つの自由度に上下方向の並進1自由度と鉛直面内の2つの回転自由度とを加えた計6自由度をもつように患者ベッド移動手段を設けた請求項3または4に記載の放射線治療装置。
  6. 上記マルチリーフコリメータが上記放射線ビームの中心軸のまわりに回転するように上記照射野形成装置にマルチリーフコリメータ回転手段を設けた請求項3から5のいずれかに記載の放射線治療装置。
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