JP4122599B2 - 画像処理装置、画像処理方法及び情報記録媒体 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力した画像をフーリエ変換により処理する画像処理装置、画像処理方法及び情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像の圧縮等を行う場合には、原画像を領域分割し、各領域について離散コサイン変換して各領域の特徴を抽出する方法が一般的に採用されていた。また、原画像を光学系で入力する場合、光学系を移動させて領域分割した各領域毎に画像を順次撮像するようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このように原画像を領域分割し、各領域を対象として離散コサイン変換する方法では、高い圧縮率は得られるものの、逆変換時にブロック状のノイズが発生することが多い。また、各領域毎に処理するので、原画像全体の大域的な特徴を抽出することは困難であった。さらに、光学系を移動させて領域分割した各領域毎に画像を順次撮像して処理する従来の方法では、画像処理に多大な時間と手間を要するという問題点があった。
【0004】
そこで、本発明の目的は、上述の如き従来の実状に鑑み、画像全体の大域的な特徴を抽出することができ、しかも、迅速に画像処理を行うことができる画像処理装置、画像処理方法及び情報記録媒体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、本発明では、原画像全体を一度に入力してフーリエ変換し、このフーリエ変換により得られた信号の振幅分布を周波数平面の中心からの距離をパラメータとする所定の関数で置換し、上記フーリエ変換により得られた各点の位相分布と上記置換された振幅分布とからフーリエ逆変換を行って上記原画像に対応した画像を生成する。
【0006】
すなわち、本発明に係る画像処理装置は、原画像全体を一度に入力可能な画像入力手段と、入力された画像をフーリエ変換する変換手段と、上記変換手段で得られた信号の振幅分布を、この振幅分布に近似し且つ周波数平面の中心からの距離をパラメータとする所定の関数で置換する振幅置換手段と、上記変換手段で得られた各点の位相分布と上記振幅置換手段で置換された振幅分布とからフーリエ逆変換を行って上記原画像に対応した画像を生成する逆変換手段とを具備することを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る画像処理方法は、原画像全体を一度に入力する画像入力ステップと、入力された画像をフーリエ変換する変換ステップと、上記変換ステップで得られた信号の振幅分布を、この振幅分布に近似し且つ周波数平面の中心からの距離をパラメータとする所定の関数で置換する振幅置換ステップと、上記変換ステップで得られた各点の位相分布と上記振幅置換ステップで置換された振幅分布とからフーリエ逆変換を行って上記原画像に対応した画像を生成する逆変換ステップとを有することを特徴とする。
【0008】
さらに、本発明に係る情報記録媒体は、原画像全体を一度に入力する画像入力ステップと、入力された画像をフーリエ変換する変換ステップと、上記変換ステップで得られた信号の振幅分布を、この振幅分布に近似し且つ周波数平面の中心からの距離をパラメータとする所定の関数で置換する振幅置換ステップと、上記変換ステップで得られた各点の位相分布と上記振幅置換ステップで置換された振幅分布とからフーリエ逆変換を行って上記原画像に対応した画像を生成する逆変換ステップとを有することを特徴とするコンピュータにより読み取り実行可能な画像処理プログラムを記録してなる。
【0009】
本発明では、例えば、上記周波数平面の中心点からの距離をパラメータとする分数関数を上記所定の関数として用いる。また、本発明では、フーリエ逆変換により生成した画像の各点の実数部を0以上にするように各点の実数部の値を繰り上げる。さらに、本発明では、フーリエ複素数平面の各点の振幅分布の二乗を
f(k) =a/(kb+h)
なる試行関数f(k) で最適近似する。
【0010】
また、上述の課題を解決するために、本発明では、原画像全体を一度に入力してフーリエ変換し、このフーリエ変換により得られた信号のフーリエ複素数平面の中心点からの距離に対する振幅分布のフラクタル次元を求め、上記フーリエ複素数平面の各点の振幅分布を上記フラクタル次元を用いた所定の関数で置換し、上記フーリエ変換により得られた各点の位相分布と上記置換された振幅分布とからフーリエ逆変換を行って上記原画像に対応した画像を生成する。
【0011】
すなわち、本発明に係る画像処理装置は、原画像全体を一度に入力可能な画像入力手段と、上記画像入力手段による入力画像をフーリエ変換する変換手段と、上記変換手段によって得られたフーリエ複素数平面の中心点からの距離に対する振幅分布のフラクタル次元を求めるフラクタル次元算出手段と、上記変換手段によって得られたフーリエ複素数平面の各点の振幅分布を上記フラクタル次元算出手段により求められるフラクタル次元を用いた所定の関数で置換する振幅置換手段と、上記変換手段によって得られたフーリエ複素数平面の各点の位相分布と上記振幅置換手段によって置換された振幅分布とからフーリエ逆変換により画像を生成する逆変換手段とを具備することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る画像処理方法は、原画像全体を一度に入力する画像入力ステップと、入力された画像をフーリエ変換する変換ステップと、上記変換ステップで得られた信号の振幅分布を、この振幅分布に近似し且つ周波数平面の中心からの距離をパラメータとする所定の関数で置換する振幅置換ステップと、上記変換ステップで得られた各点の位相分布と上記振幅置換ステップで置換された振幅分布とからフーリエ逆変換を行って上記原画像に対応した画像を生成する逆変換ステップとを有することを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明に係る情報記録媒体は、原画像全体を一度に入力する画像入力ステップと、入力画像をフーリエ変換する変換ステップと、上記フーリエ変換によって得られたフーリエ複素数平面の中心点からの距離に対する振幅分布のフラクタル次元を求めるフラクタル次元算出ステップと、上記フーリエ変換によって得られたフーリエ複素数平面の各点の振幅分布を上記フラクタル次元を用いた所定の関数で置換する置換ステップと、上記フーリエ変換によって得られたフーリエ複素数平面の各点の位相分布と上記振幅置換ステップで置換された振幅分布とからフーリエ逆変換により画像を生成する逆変換ステップとを有することを特徴とするコンピュータにより読み取り実行可能な画像処理プログラムを記録してなる。
【0014】
本発明では、例えば、フーリエ複素数平面の中心点からの距離に対応する上記入力画像の空間周波数をf、上記フラクタル次元をd、所定の定数をαとして、α/fd にて示される関数で上記振幅分布を置換する。また、本発明では、フーリエ逆変換により生成された画像の各点の実数部の最小値が0以上になるように各点の実数部の値を変換する。
【0015】
さらに、上述の課題を解決するために、本発明では、原画像全体を一度に入力してフーリエ変換し、このフーリエ変換によって得られたフーリエ複素数平面の各点の振幅分布を所定の関数で置換するとともに、上記フーリエ変換によって得られたフーリエ複素数平面の各点の位相分布を横軸方向あるいは縦軸方向に等価スムージング変換する。また、上記等価スムージング変換された位相分布について、そのスムージング変換を行った方向に微分又は差分をとり、上記微分又は差分をとった位相分布について、さらに二次微分又は二次差分をとり、上記所定の関数で置換された振幅分布と上記位相分布の二次微分又は二次差分を合成し、これを振幅分布に置き換える。そして、上記フーリエ変換によって得られたフーリエ複素数平面の各点の位相分布と上記合成された振幅分布とからフーリエ逆変換を行って上記原画像に対応した画像を生成する。
【0016】
すなわち、本発明に係る画像処理装置は、原画像全体を一度に入力可能な画像入力手段と、入力された画像をフーリエ変換する変換手段と、上記変換手段で得られたフーリエ複素数平面の各点の振幅分布を所定の関数で置換する振幅置換手段と、上記変換手段で得られたフーリエ複素数平面の各点の位相分布を横軸方向あるいは縦軸方向に等価スムージング変換するスムージング変換手段と、上記スムージング変換手段により等価スムージング変換されたフーリエ複素数平面の各点の位相分布について、そのスムージング変換を行った方向に微分又は差分をとる演算手段と、上記演算手段により微分又は差分をとった位相分布について、さらに微分又は差分をとる二次演算手段と、上記振幅置換手段により置換された振幅分布と上記二次演算手段により検出された上記位相分布の二次微分又は二次差分を合成し、これを振幅分布に置き換える合成手段と、上記変換手段で得られたフーリエ複素数平面の各点の位相分布と上記合成手段により合成された振幅分布とからフーリエ逆変換を行って上記原画像に対応した画像を生成する逆変換手段とを具備することを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る画像処理方法は、原画像全体を一度に入力する画像入力ステップと、入力画像をフーリエ変換する変換ステップと、上記フーリエ変換によって得られたフーリエ複素数平面の中心点からの距離に対する振幅分布のフラクタル次元を求めるフラクタル次元算出ステップと、上記フーリエ変換によって得られたフーリエ複素数平面の各点の振幅分布を上記フラクタル次元を用いた所定の関数で置換する振幅置換ステップと、上記フーリエ変換によって得られたフーリエ複素数平面の各点の位相分布と上記振幅置換ステップで置換された振幅分布とからフーリエ逆変換により画像を生成する逆変換ステップとを有することを特徴とする。
【0018】
さらに、本発明に係る情報記録媒体は、原画像全体を一度に入力可能な画像入力ステップと、入力された画像をフーリエ変換する変換ステップと、上記フーリエ変換によって得られたフーリエ複素数平面の各点の振幅分布を所定の関数で置換する振幅置換ステップと、上記フーリエ変換によって得られたフーリエ複素数平面の各点の位相分布を横軸方向あるいは縦軸方向に等価スムージング変換するスムージング変換ステップと、上記等価スムージング変換された位相分布について、そのスムージング変換を行った方向に微分又は差分をとる演算ステップと、上記微分又は差分をとった位相分布について、さらに微分又は差分をとる二次演算ステップと、上記所定の関数で置換された振幅分布と上記位相分布の二次微分又は二次差分を合成し、これを振幅分布に置き換える合成ステップと、上記フーリエ変換によって得られたフーリエ複素数平面の各点の位相分布と上記合成された振幅分布とからフーリエ逆変換を行って上記原画像に対応した画像を生成する逆変換ステップとを有することを特徴とするコンピュータにより読み取り実行可能な画像処理プログラムを記録してなる。
【0019】
本発明では、例えば、上記所定の関数は、上記フーリエ複素数平面の中心点からの距離に対応する入力画像の空間周波数fをパラメータとする1/f関数である。また、上記スムージング変換では、フーリエ複素数平面の縦軸あるいは縦軸上の位相値を出発値とし、横軸方向あるいは縦軸方向における隣り合った点における位相値の変化が±πの範囲内に入るように各点の位相値に2nπ(nは整数)を加える。さらに、高速フーリエ変換アルゴリズムを用いてフーリエ変換及び/又はフーリエ逆変換を行う。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
本発明は、例えば図1に示すような構成の画像処理装置10により実施される。
【0022】
この図1に示した画像処理装置10は、原画像Cを撮像する撮像装置11と、この撮像装置11から原画像Cの画像データが入力される信号処理装置12と、この信号処理装置12から画像データが供給される表示装置13とからなる。
【0023】
上記撮像装置11は、例えばCCDカメラからなり、原画像C全体を1度に撮像して、その画像データを上記信号処理装置12に供給するようになっている。
【0024】
また、上記信号処理装置12は、マイクロコンピュータからなり、その機能的な構成要素としてバス20を介して接続された入力インタフェース部21、高速フーリエ変換(FFT)部22、メモリ部23、振幅置換部24、高速フーリエ逆変換(IFFT)部25と出力インタフェース部26を備えている。
【0025】
この信号処理装置12における入力インタフェース部21は、撮像装置11により得られる原画像Cの画像データをバス20を介して高速フーリエ変換部22へ入力するものであって、上記撮像装置11とともに画像入力手段を構成している。
【0026】
また、高速フーリエ変換部22は、上記入力インタフェース部21から送られてくる原画像Cの画像データに対して高速フーリエ変換を行うものである。
【0027】
具体的には、高速フーリエ変換部22は、入力インタフェース部21から送られてくる原画像Cの画像データf(x,y) について、(1)式の演算処理を実行して、実数部A(ωx,ωy) と虚数部B(ωx,ωy)からなる複素数の変換データF(ωx,ωy) を生成する。
【0028】
【数1】
【0029】
なお、(1)式において、iは虚数を示し、ωx,ωy は周波数のx成分とy成分を示す。
【0030】
この高速フーリエ変換部22は、上記(1)式の演算により得られた変換データF(ωx,ωy) を次の(2)式で示される極座標で表す極座標変換を行う極座標変換部27を備えている。
【0031】
【数2】
【0032】
なお、(2)式において、R(ωx,ωy) はF(ωx,ωy) の振幅であり、また、θ(ωx,ωy) はF(ωx,ωy) の位相を示す。
【0033】
上記高速フーリエ変換部22は、上記極座標変換部27により得られる振幅R(ωx,ωy) 及び位相θ(ωx,ωy) をバス20を介して出力する。上記極座標変換部27からバス20を介して出力される振幅R(ωx,ωy) は振幅置換部24に与えられ、また、位相θ(ωx,ωy) はメモリ部23に格納される。
【0034】
また、上記信号処理装置12における振幅置換部24は、上記極座標変換部27からの振幅R(ωx,ωy) を所定の関数で置換するものである。
【0035】
ここで、この振幅置換部24における置換処理について具体的に説明する。
【0036】
図2は、振幅R(ωx,ωy) と周波数ωx,ωy で構成される空間座標図である。
【0037】
この図2に示すように、各ドットの振幅R(ωx,ωy) は周波数ωx,ωy であるX−Y座標系の各点Pで表される。
【0038】
しかし、X−Y座標系の周波数ωx,ωy で振幅R(ωx,ωy) を表示するのは、画像の特徴を抽出する上で好ましくない。すなわち、画像中には、X,Y軸に平行な成分のみではなく、斜め方向の成分も含まれるので、この部分に特徴があった場合に抽出することができない。
【0039】
この振幅置換部24では、図2に示すように、振幅R(ωx,ωy) をr1 −θ1 の極座標に変換して、振幅R(ωx,ωy) を周波数ωx,ωy 平面の中心からの距離を示す径座標r1 をパラメータとした振幅R(r1) で表示する。
【0040】
例えば、図3の(a),(b)に示すような原画像C1 ,C2 を振幅R(r1) で表示すると、原画像C1 の振幅R1(r1)は図4に一点鎖線で示すような分布状態となり、また、原画像C2 の振幅R2(r1)は図4に一点鎖線で示すような分布状態となる。
【0041】
そこで、振幅置換部24は、これらの振幅振幅R1(r1),R2(r1)をこれらの振幅を近似した関数α/r1 (αは任意の定数)で置換するようになっている。
【0042】
すなわち、振幅置換部24は、上記極座標変換部27からの振幅R(ωx,ωy) を(3)式に示すように上記関数α/r1 で置き換える。
【0043】
【数3】
【0044】
そして、上記振幅置換部24では、このようにして置換した(3)式で示される振幅R(ωx,ωy) と上記メモリ部23から読み出される位相θ(ωx,ωy) とにより、上述の(2)式に基づいて、次の(4)式で示される変換データF1(ωx,ωy)を生成する。
【0045】
【数4】
【0046】
さらに、上記振幅置換部24では、各点の実数部A1(ωx,ωy)と虚数部B1(ωx,ωy)を計算して、上記(4)式で示される変換データF1(ωx,ωy)を(5)式に示すように複素数に変換する。
【0047】
【数5】
【0048】
また、上記信号処理装置12における高速フーリエ逆変換部25は、上記振幅置換部24により得られた変換データF1(ωx,ωy)を高速フーリエ逆変換するものである。この高速フーリエ逆変換部25は、上述の(5)式で示される変換データF1(ωx,ωy)を高速フーリエ逆変換することにより、(6)式で示される各点の画像データf1(x,y)を生成する。
【0049】
【数6】
【0050】
なお、(6)式において、A2(x,y)は画像データf1(x,y)の実数部であり、また、B2(x,y)は画像データf1(x,y)の虚数部である。
【0051】
ここで、このようなフーリエ逆変換を行うと、実数部A2(x,y)が負の値になる点が発生するので、この高速フーリエ逆変換部25は、各点の実数部のうち負の実数部を0以上に繰り上げる正規化を行うようになっている。
【0052】
上記高速フーリエ逆変換部25の正規化機能を図5に示す。すなわち、図5の(a)に示すように、最小値A2min〜最大値A2maxに亘る実数部A2(x,y)の中には0よりも小さい負の値を有するものも含まれるので、上記高速フーリエ逆変換部25では、フーリエ逆変換により得られた出力画像を構成する各点の実数部A2(x,y)の値の最大値A2max及び最小値A2minを計算し、各画素に対して、次の(7)式の演算を行う。
【0053】
【数7】
【0054】
ここで、(7)式において、A2(x,y)は変換前の各画素値であり、A3(x,y)は変換後の各画素値を表す。
【0055】
そして、次の(8)式の演算処理により正規化した実数部A4(x,y)を得る。
【0056】
【数8】
【0057】
なお、(8)式におけるβは階調数であり、定数である。
【0058】
すなわち、上記高速フーリエ逆変換部25では、FFTの結果として得られる負の値になる点を含む実数部A2(x,y)が、上記関数α/r1 の定数αとは無関係に、図5の(b)に示すように、すべての画素値が0以上の値を有する実数部A4(x,y)に正規化されることになり、上述の(6)式の実数部A2(x,y)がこの(8)式の実数部A4(x,y)に置き換えられ、次の(9)式のように実数表示された画像データf1(x,y)’がバス20を介して出力インタフェース部26から出力される。
【0059】
【数9】
【0060】
そして、この画像処理装置10おいて、表示装置13は、CRTディスプレイ装置などからなり、上記信号処理装置12の出力インタフェース部26から出力される画像データf1(x,y)’に応じて再生画像Dを表示する。
【0061】
次に、このような構成の画像処理装置10の動作について、図6に示すフローチャートに従って説明する。なお、本発明の画像処理方法は、この画像処理装置10により実施される。
【0062】
すなわち、図6に示すフローチャートにおいて、最初のステップS1は、処理すべき原画像Cを入力する画像入力ステップであって、このステップS1では、上記撮像装置11により例えば図3の(a)に示した原画像C1 全体を撮像して、処理すべき原画像C1 の画像データf(x,y) を生成する。この画像データf(x,y)は、上記信号処理装置12の入力インタフェース部21を介して高速フーリエ変換部22に入力される。
【0063】
次のステップS2は、入力画像をフーリエ変換する変換ステップであって、このステップS2では、上記画像データf(x,y) について、上記高速フーリエ変換部22において上述の(1)式の演算処理を実行することにより2次元高速フーリエ変換(FFT)を行い、さらに、上記極座標変換部27により上述の(2)式の演算処理を実行して座標に変換して、振幅R(ωx,ωy) と位相θ(ωx,ωy) を求める。上記振幅R(ωx,ωy) は振幅置換部24に与えられ、また、位相θ(ωx,ωy) はメモリ部23に格納される。
【0064】
次のステップS3及びステップS4は、振幅置換ステップであり、このステップS3では、上記フーリエ変換によって得られた信号の振幅R(ωx,ωy) を上記振幅置換部24においてr1 −θ1 の極座標に変換し、上記振幅R(ωx,ωy) を周波数ωx,ωy 平面の中心からの距離を示す径座標r1 をパラメータとした振幅R(r1) で表示する。そして、上述の(3)式で示したように、この振幅分布R(r1) をこれに近似した関数α/r1 に置き換える。
【0065】
例えば上述の図3の(a)に示した原画像C1 の振幅R1(ωx,ωy)は、図4に一点鎖線で示すような振幅分布R1(r1)に変換され、この振幅分布R1(r1)がこれに近似した関数α/r1 に置き換えられる。
【0066】
すなわち、原画像C1 の振幅分布の特徴を大局的に抽出した関数α/r1 が原画像C1 の振幅分布として決定される。
【0067】
そして、ステップS4では、このようにして置換した(3)式で示される振幅分布R(ωx,ωy) と上記メモリ部23から読み出される位相θ(ωx,ωy) を合成し、上述の(4)式で示される変換データF1(ωx,ωy)を生成する。さらに、各点の実数部A1(ωx,ωy)と虚数部B1(ωx,ωy)を計算して、上記(4)式で示される変換データF1(ωx,ωy)を上述の(5)式に示すように複素数に変換する。
【0068】
次のステップS5及びステップS6は、フーリエ逆変換を行う逆変換ステップであり、ステップS5では、上記高速フーリエ逆変換部25において上記(5)式で示される変換データF1(ωx,ωy)を高速フーリエ逆変換することにより上述の(6)式で示される各点の画像データf1(x,y)を生成する。
【0069】
さらに、ステップS6では、上記(6)式で示される各点の画像データf1(x,y)を上述の(7)式及び(8)式に従って正規化する。
【0070】
そして、ステップS7では、上述の(9)式のように正規化された実数部で表された画像データf1(x,y)’を出力インタフェース部26から表示装置13に出力する。
【0071】
これにより、この画像処理装置10では、上記信号処理装置12の出力インタフェース部26から出力される画像データf1(x,y)’に応じて上記表示装置13の画面に再生画像Dが表示される。
【0072】
この画像処理装置10では、図3の(a)に示した原画像C1 について、この画像処理装置10により画像処理を行った結果、上記表示装置13の画面には、図7の(a)に示すような再生画像D1 として表示された。
【0073】
図3の(a)と図7の(a)を対比すれば明らかなように、再生画像D1 は原画像C1 の特徴を大局的に捉えており、原画像C1 とほとんど変わらない正確な画像となっている。
【0074】
また、 図3の(b)に示した原画像C2 について、この画像処理装置10により原画像C1 と同様な画像処理を行った結果、上記表示装置13の画面には、図7の(b)に示すように、原画像C2 とほとんど変わらない正確な再生画像D2 を得ることができた。
【0075】
以上のように、この画像処理装置10では、原画像C全体を撮像装置11により一度に取り込み、高速フーリエ変換部22変換して得た変換データF(ωx,ωy) の振幅分布R(ωx,ωy) 全体を関数α/r1 で置換した後、高速フーリエ逆変換部25で逆変換して再生画像Dを得るので、原画像C全体の特徴を大局的に抽出することができる。
【0076】
また、原画像C全体を取り込むので、従来のように逆変換時にブロック状のノイズが発生することがなく、しかも、原画像C全体を一度に入力するので、撮像と画像処理を短時間且つ容易に行うことができる。
【0077】
この発明は、上記実施形態に限定されるものでなく、その要旨の範囲内において種々の変形や変更が可能である。
【0078】
例えば、上記画像処理装置10では高速フーリエ変換を信号処理装置12の高速フーリエ変換部22において行う構成としたが、例えば図8に示すような構成とすることにより、原画像Cを撮像する撮像装置31において光学的に高速フーリエ変換(FFT)を行うようにすることもできる。
【0079】
すなわち、この図8に示した画像処理装置30は、原画像Cを撮像する撮像装置31と、この撮像装置31から原画像Cの画像データが入力される信号処理装置32と、この信号処理装置32から画像データが供給される表示装置33とからなる。
【0080】
上記撮像装置31は、光学レンズ31Aを介してCCDイメージャ31Bにより原画像Cを撮像するCCDカメラからなり、原画像Cから光学レンズ31Aまでの距離L1と上記光学レンズ31AからCCDイメージャ31Bまでの距離L2がともに上記光学レンズ31Aの焦点距離に等しくなるように位置決めされている。このような構成の撮像装置31では、原画像Cの2次元FFT像の振幅分布を示す撮像出力を上記CCDイメージャ31Bにより得ることができる。また、原画像Cの位相分布は、例えば厚さが一様に変化する楔状のガラス板31Cを上記光学レンズ31AとCCDイメージャ31Bの間で上記厚さが変化する方向に移動させ、そのときの干渉縞の変化から位相検出部31Dで検出することができる。
【0081】
そして、この撮像装置31は、原画像Cの撮像出力として、原画像Cの2次元FFT像の振幅分布R(ωx,ωy) と位相分布θ(ωx,ωy) を上記信号処理装置32に供給する。
【0082】
この画像処理装置30における信号処理装置32では、上記撮像装置31から原画像Cの2次元FFT像の振幅分布R(ωx,ωy) と位相分布θ(ωx,ωy) を示す撮像出力が供給されることにより、上述の図6のフローチャートに示した手順に準じた処理が行われる。すなわち、高速フーリエ変換は既に光学的に行われているので、この信号処理装置32では、上述の図2のフローチャートにおけるステップS2に対応する入力画像を2次元FFTする変換ステップは必要なく、ステップS3以降の処理のみを行う。
【0083】
したがって、上記信号処理装置32は、高速フーリエ変換のための演算処理を省略することができるので、画像処理の速度を高めることができる。また、上記信号処理装置32は、高速フーリエ変換を行う必要がないので、その機能的な構成要素としてバス20を介して接続された入力インタフェース部21、メモリ部23、振幅置換部24、高速フーリエ逆変換(IFFT)部25と出力インタフェース部26を備えるものとすることができる。
【0084】
さらに高速フーリエ逆変換も光学的に行うようにすれば、上記信号処理装置32の負担をさらに軽減して、画像処理の速度をさらに高めることができる。
【0085】
また、上述の画像処理装置10,30では、振幅分布を関数α/r1 で置換したが、置換用の関数は、ωx,ωy からなる周波数平面の中心からの距離fをパラメータとする分数関数であればよく、次のような分数関数を適用することもできる。
【0086】
【数10】
【0087】
さらに、上述の画像処理装置10,30における置換処理部24では、フーリエ変換によって得られるフーリエ複素数平面の各点の振幅分布の二乗を
f(k) =a/(kb+h)
なる試行関数f(k) で最適近似するようにしても良い。
【0088】
すなわち、画像入力のフーリエ変換によって得られるフーリエ複素数平面の各点の振幅分布数値実験を行った結果、画像入力のフーリエ変換によって得られるフーリエ複素数平面の各点の振幅分布の二乗が、
f(|k|) =a/(|k|b+h)
試行関数で比較的によく近似することができることが明らかになった。
【0089】
また、本発明は、例えば図9に示すような構成の画像処理装置100により実施される。
【0090】
この図9に示した画像処理装置100は、原画像Cを撮像する撮像装置111と、この撮像装置111から原画像Cの画像データが入力される信号処理装置112と、この信号処理装置112から画像データが供給される表示装置113とからなる。
【0091】
上記撮像装置111は、例えばCCDカメラからなり、原画像C全体を撮像してその画像データを上記信号処理装置112に供給するようになっている。
【0092】
また、上記信号処理装置112は、マイクロコンピュータからなり、その機能的な構成要素としてバス120を介して接続された入力インタフェース部121、高速フーリエ変換(FFT)部122、メモリ部123、振幅置換部124、高速フーリエ逆変換(IFFT)部125と出力インタフェース部126に加えてフラクタル次元算出部128を備えている。
【0093】
この信号処理装置112において、高速フーリエ変換部122は、上記撮像装置111から入力インタフェース部121を介して入力される原画像Cの画像データについて高速フーリエ変換を行うものである。
【0094】
また、フラクタル次元算出部128は、上記高速フーリエ変換部122によって得られたフーリエ複素数平面の中心点からの距離に対する振幅分布のフラクタル次元を求めるものである。
【0095】
また、振幅置換部124は、上記高速フーリエ変換部122によって得られたフーリエ複素数平面の各点の振幅分布を上記フラクタル次元算出部128により求められるフラクタル次元を用いた所定の関数で置換する処理を行うものである。
【0096】
さらに、高速フーリエ逆変換部125は、上記高速フーリエ変換部122によって得られたフーリエ複素数平面の各点の位相分布と上記振幅置換部124によって置換された振幅分布とからフーリエ逆変換により上記原画像Cに対応する再生画像Dの画像データを生成するものである。
【0097】
この画像処理装置100における表示装置113は、CRTディスプレイ装置などからなり、上記信号処理装置112の出力インタフェース部126から出力される画像データに応じて再生画像Dを表示するようになっている。
【0098】
そして、この画像処理装置100では、図10のフローチャートに示す手順に従って画像処理を行う。
【0099】
すなわち、先ず、最初のステップS11は、処理すべき原画像Cを入力する画像入力ステップであって、このステップS11では、上記撮像装置111により原画像Cを撮像することにより、処理すべき原画像Cの画像データf(x,y) を生成する。この画像データは、上記信号処理装置112の入力インタフェース部121に入力され、上記バス120を介して上記メモリ部123に蓄積される。
【0100】
次のステップS12は、入力画像をフーリエ変換する変換ステップであって、このステップS12では、上記メモリ部123に蓄積された画像データf(x,y) について、上記高速フーリエ変換部122により2次元高速フーリエ変換(FFT)を行い、原画像Cの周波数成分を求める。
【0101】
具体的には、上記メモリ部123に蓄積された画像データf(x,y) について、上記高速フーリエ変換部122により上述の(1)式の演算処理を実行して、実数部A(ωx,ωy) と虚数部B(ωx,ωy)からなる複素数の変換データF(ωx,ωy) を生成して、この変換データF(ωx,ωy) を上述の(2)式のように極座標で表す。
【0102】
次のステップS13では、位相分布θ(ωx,ωy) を上記メモリ部123に記憶しておく。
【0103】
そして、次のステップS14は、振幅分布のフラクタル次元を求めるフラクタル次元算出ステップであって、このステップS14では、上記フーリエ変換によって得られたフーリエ複素数平面の中心点からの距離に対する振幅分布のフラクタル次元をフラクタル次元算出部128により求める。
【0104】
すなわち、原画像Cの各点は実数部のみから成っているが、周波数成分に対応するフーリエ変換後の各点は実数部と虚数部より成るため、これをR−θ座標系(極座標系)に変換する。ここで、R座標は周波数成分の強度を表し、θ座標は周波数成分の位相を表す。
【0105】
この画像処理装置110では、このR座標を用いて、原画像Cの特徴を抽出する。周波数平面は、原画像と同様にX−Y座標系で表されるが、2次元FFTの結果得られる周波数平面においては、中心部が低い周波数に対応し、周辺部が高い周波数成分に対応している。そのため、R−θ座標系(極座標系)の方が特徴抽出には適している。
【0106】
具体的に、図11に示した原画像CaをFFTして得られた周波数成分の振幅分布を図12に示す。この図12からも明らかなように、2次元FFT後の振幅分布は、特定のθ成分から成るピークの部分とそれ以外の背景部分として特徴付けることができる。前者からは、図11に示した原画像Caの周期性の高い部分が特徴として抽出されており、後者からは、それ以外の全体的な画像の特徴が抽出できると考えられる。後者すなわち背景部分について、R座標に対する振幅をプロットすると、図13に示す特性線Aが得られる。同様に、図14、図15及び図16に示すような各原画像Cb,Cc,Cdの2次元FFT後の振幅分布では、背景部分について、R座標に対する振幅をプロットすると、図13に示す特性線B、特性線C及び特性線Dが得られる。
【0107】
ここで、図13における横軸は周波数すなわち振幅分布画像における中心点からの距離の対数であり、また、縦軸は振幅値の対数である。このように、両軸を対数でプロットした場合、原データがフラクタル的な性質を有する場合はグラフが直線になり、その傾きの負数がフラクタル次元dを表す。
【0108】
フラクタル次元dを用いると、原データは、α/fd (αは定数)型の関数で近似することができるので、次のステップS15では、上記R−θ座標系の周波数成分f(R極座)の振幅分布を上記関数α/fd で置き換える。すなわち、ステップS15は、置換ステップであり、このステップS15では、上記FFTによって得られたフーリエ複素数平面の各点の振幅分布R(ωx,ωy) を(10)式に示すように上記フラクタル次元dを用いた所定の関数α/fd で置き換える。
【0109】
【数11】
【0110】
そして、次のステップS16では、このようにして置換した(10)式で示される振幅分布R(ωx,ωy) をR−θ座標系からX−Y座標系に変換し、上述のステップS3で記憶しておいた位相分布θ(ωx,ωy) を上記メモリ部123から読み出して合成することによって、各点の複素数値のR−θ座標値を求め、上述の(2)式に基づいて、次の(11)式で示される変換データF1(ωx,ωy)を生成する。
【0111】
【数12】
【0112】
さらに、各点の実数部A1(ωx,ωy)と虚数部B1(ωx,ωy)を計算して、上述の(4)式で示される変換データF1(ωx,ωy)を上述の(5)式で示すように複素数に変換する。
【0113】
次のステップS17は、フーリエ逆変換を行う逆変換ステップであり、このステップS17では、上述の(5)式で示される変換データF1(ωx,ωy)をフーリエ逆変換することにより、上述の(6)式で示される各点の画像データf1(x,y)を生成する。
【0114】
ここで、このようなフーリエ逆変換を行うと、実数部A2(x,y)が負の値になる点が発生するので、ステップS18において、各点の実数部全体を正規化し、すべての画素値が0以上になるように変換操作を施す。すなわち、ステップS18は、実数部変換ステップであり、このステップS18では、上記逆変換ステップにより生成された画像の各点の実数部の最小値が0以上になるように各点の実数部の値を変換する。具体的には、このステップS18では、上述のステップS17におけるフーリエ逆変換により得られた出力画像を構成する各点の実数部A2(x,y)の値の最大値A2max及び最小値A2minを計算し、各画素に対して、上述の(7)式の演算を行い、上述の(8)式の演算処理により正規化した実数部A4(x,y)を得る。
【0115】
こようにして上記ステップS18では、FFTの結果として得られる負の値になる点を含む実数部A2(x,y)が、上記関数α/fd の定数αとは無関係に、すべての画素値が0以上の値を有する実数部A4(x,y)に正規化される。
【0116】
最後のステップS19では、このようにして生成された上記実数部A4(x,y)の画像データで与えられる画像を出力する。
【0117】
ここで、上述の図11に示した画像Caについて、実際に上記操作を行って得られた画像Daを図17に示す。また、比較のため、フラクタル次元dを「1」とした場合の画像Da’を図18に示す。両画像Da,Da’を比較して明らかなように、入力画像Cのフラクタル次元dを用いた方が、より原画像Cを忠実に再現することができる。
【0118】
このように、この画像処理装置100では、上記撮像装置111で原画像C全体を撮像することにより得られる原画像Cの画像データf(x,y) について、上記信号処理装置112においてFFTにより得られる変換データF(ωx,ωy) の振幅分布R(ωx,ωy) をフラクタル次元dを用いた所定の関数α/fd で置き換えてから、高速フーリエ逆変換により再生画像Dを得るので、原画像C全体の特徴を大局的に抽出することができる。
【0119】
また、原画像C全体を1度に取り込んで処理するので、従来のように逆変換時にブロック状のノイズが発生することもなく、撮像と画像処理を短時間に効率よく行うことができる。
【0120】
なお、この画像処理装置100においても、上述の図8に示した画像処理装置30と同様に、原画像Cを撮像する撮像光学系にて光学的にFFTを行うようにして、原画像Cの2次元FFT像の振幅分布R(ωx,ωy) と位相分布θ(ωx,ωy) を得ることにより、上記信号処理装置112では、上述の図10のフローチャートにおけるステップS12に対応する入力画像を2次元FFTする変換ステップが必要なくなり、ステップS14以降の処理のみを行うようにすることができる。さらに高速フーリエ逆変換も光学的に行うようにすれば、上記信号処理装置112の負担をさらに軽減して、画像処理の速度をさらに高めることができる。
【0121】
また、本発明は、例えば図19に示すような構成の画像処理装置200により実施される。
【0122】
この図19に示した画像処理装置200は、原画像Cを入力するための撮像装置210及び外部入力端子211と、この撮像装置210又は外部入力端子211から原画像Cの画像データが入力される信号処理装置220と、この信号処理装置220から画像データが出力される表示装置230及び外部出力端子231とからなる。
【0123】
上記撮像装置210は、例えばCCDカメラからなり、原画像C全体を撮像してその画像データを上記信号処理装置220に供給するようになっている。
【0124】
また、上記信号処理装置220は、マイクロコンピュータからなり、その機能的な構成要素としてバス221を介して接続された入力インタフェース部222、メモリ部223、演算部224及び出力インタフェース部225を備えている。
【0125】
さらに、この画像処理装置200における表示装置230は、CRTディスプレイ装置などからなり、上記信号処理装置220の出力インタフェース部225から出力される画像データに応じて再生画像Dを表示するようになっている。
【0126】
なお、上記外部入力端子211及び外部出力端子231には、画像の取り扱いが可能なコンピュータやイメージスキャナ、デジタルカメラ、記憶装置、ビデオ記録再生装置、テレビジョン受像機、携帯端末などを接続することができる。
【0127】
この画像処理装置200において、原画像Cの画像データは、撮像装置210又は外部入力端子211から信号処理装置220の入力インタフェース部222に入力され、バス221を介してメモリ部223に蓄積される。メモリ部223に蓄積された画像データは、演算部224によって図20のフローチャートに従って処理される。そして、上記演算部224による処理結果として得られる所定の画像処理済みの画像データが出力インタフェース部225を介して表示装置230又は外部出力端子231に出力される。
【0128】
すなわち、この画像処理装置200では、図20のフローチャートに示す手順に従って画像処理を行う。
【0129】
先ず、最初のステップS21は、処理すべき原画像Cを入力する画像入力ステップであって、このステップS21では、処理すべき原画像Cの画像データf(x,y) が撮像装置210又は外部入力端子211から信号処理装置210の入力インタフェース部212に入力され、バス211を介してメモリ部223に蓄積される。
【0130】
次のステップS22は、入力画像をフーリエ変換する変換ステップであって、このステップS22では、メモリ部223に蓄積された画像データf(x,y) について、演算部224により2次元高速フーリエ変換(FFT)を行い、原画像Cの周波数成分を求める。
【0131】
具体的には、メモリ部223に蓄積された画像データf(x,y) について、演算部224により上述の(1)式の演算処理を実行して、実数部A(ωx,ωy) と虚数部B(ωx,ωy)からなる複素数の変換データF(ωx,ωy) を生成して、この変換データF(ωx,ωy) を上述の(2)式のように極座標で表す。
【0132】
次のステップS23では、位相分布θ(ωx,ωy) を上記メモリ部223に記憶しておく。
【0133】
ここで、図21に示す原画像Cに対し、FFTして得られた周波数成分の振幅分布を図22に示し、また、位相分布を図23に示す。
【0134】
2次元FFT後の振幅分布は、図22に示すように、1/fに近い分布に原画像に依存する特徴的なパターンが乗った画像なっている。これに対し、位相分布は、図23に示すように、一般的にランダムなノイズ状に見え、このままで画像の特徴を抽出するのは困難である。位相分布は−π〜+πの範囲内に折り畳まれているので、位相分布ができるだけスムーズに繋がるようにように−π〜+πの範囲外まで展開することにより、特徴量の抽出がより容易になる可能性がある。
【0135】
そこで、この画像処理装置200では、次のステップS24において、2次元周波数空間内におけるy軸(fy軸)上の点の位相を出発点とし、±fxの方向に順次スムージング変換を進めていく。ここで、スムージング変換は、ある点の位相値に、その手前にある点のいそう値からの変化量が±π以内に入るように2nπ(nは整数)を加える操作である。位相値は2πの周期をもつため、2nπを加えても等値である。
【0136】
図23に示した位相分布についてスムージング変換を行うことにより得られる位相分布は図24に示すように横縞状となっている。
【0137】
次のステップS25では、このようにスムージング変換を行った位相分布について、そのスムージング変換を進めた方向と同一方向に差分をとる。
【0138】
図24に示した位相分布について差分をとることにより得られる位相分布を図25に示す。
【0139】
差分をとることにより得られる位相分布は、図25に示すように、その特徴的パターンが上述の図22に示した2次元FFT後の振幅分布と類似したパターンを示す。ただし、この差分の位相分布は周波数軸(fx軸,fy軸)に対して反対称のパターンとなり、周波数軸(fx軸,fy軸)に対して対称のパターンで表現される振幅分布とは表現が異なっている。
【0140】
そこで、次のステップS26では、この差分をとった位相分布について、さらにもう一度同様な方法で差分を取る。この操作を二次差分と呼ぶ。
【0141】
位相分布の二次差分で得た分布を図26に示す。
【0142】
この位相分布の二次差分の分布は、上述の図22に示した2次元FFT後の振幅分布とそのパターンが類似しており、しかも、周波数軸(fx軸,fy軸)に対して対称となっており、この点においても上記振幅分布と類似している。
【0143】
上記ステップS26では、演算部224により位相分布の二次差分分布を得てメモリ部223に記憶しておく。
【0144】
次のステップS27は、振幅置換ステップであり、このステップS27では、2次元FFT後の振幅分布はその画像に特徴的なパターンである非等方的な成分を除けば大雑把に1/fに近い等方的な分布をしているので、第一次近似として1/fの分布を振幅分布として用いる。次に非等方的な成分として上述の位相分布の二次差分で得た分布を、上記1/fの分布と合成する。すなわち、例えば、位相分布の二次差分分布に適切な係数を掛け、1/fの分布に加算あるいは減算し、これを振幅分布に置き換える。
【0145】
図27に1/fの分布を示し、図28位相分布の二次差分分布にある係数を掛けて得られた分布を示す。これら2つの分布を合成して得られた分布は、図29のようになる。この図29に示す分布を振幅分布として用いる。
【0146】
そして、ステップS28では、ステップS23でメモリ部223に記憶しておいた位相分布を読み出して上記置き換えられた振幅分布と合成し、フーリエ複素数平面における各点の実数部と虚数部を計算する。
【0147】
次のステップS29では、ステップS28で得られたフーリエ複素数平面における各点の実数部と虚数部からなる画像をフーリエ逆変換する。これにより、原画像に近い画像を得ることができる。
【0148】
ここで、このようなフーリエ逆変換により得られる画像は、ステップS21における入力画像とは異なり、実数部が負の値になる点が発生するので、このような点を正しく二次元画面上に表現するために、ステップS30において、各点の実数部全体を正規化し、すべての画素値が0以上になるように変換操作を施す。
【0149】
最後のステップS31では、このようにして生成された画像データで与えられる画像を出力する。
【0150】
ここで、上述の図21に示した原画像Cについて、図27に示した1/fの分布を振幅分布として用いることにより得られた再生画像D’を図30に示し、また、1/fの分布と位相分布の二次差分分布にある係数を掛けて得られた分布を合成して得られた図29に示した分布を振幅分布として用いることにより得られた再生画像Dを図31に示す。
【0151】
各再生画像D’,Dを比べると、原画像Cにおいて見られる壁面の模様等の再現性などにおいて、図31に示した再生画像Dの方が優れている。
【0152】
上述の実施の形態において、ステップS25,S26の差分の代わりに微分を用いても同様な処理が可能である。この場合、ステップS25はステップS24においてスムージング変換が行われた位相分布について、そのスムージング変換を進めた方向と同一方向に微分をとることによって行われる。微分をとることによって得られる位相微分分布 φ(ωx,ωy)/ ωは、フーリエ変換後の実数部A(ωx,ωy)、虚数部B(ωx,ωy)と、それぞれの微分A’(ωx,ωy)、B’(ωx,ωy)及び振幅分布R(ωx,ωy)を用いて次の(12)式によって求められる。
【0153】
【数13】
【0154】
この(12)式においては、位相微分分布の分母に振幅分布の2乗R2 (ωx,ωy)があるため、一般的に振幅分布の大きい部分では位相成分の微分絶対値は小さい値となり、同時にその変化も小さくなる。
【0155】
次にステップS26では、二次差分の代わりに二次微分をとる。ここで、位相分布の二次微分分布の 2 φ(ωx,ωy)/ ω2 は、フーリエ変換後の実数部A(ωx,ωy)、虚数部B(ωx,ωy)と、それぞれの微分A’(ωx,ωy)、B’(ωx,ωy)及び振幅分布R(ωx,ωy)を用いて次の(13)式によって求められる。
【0156】
【数14】
【0157】
この(13)式においては、位相の二次微分分布の分母に振幅分布の4乗R4 (ωx,ωy)がある項と、振幅分布の2乗R2 (ωx,ωy)がある項とで構成され、位相微分と同様に、一般的に振幅分布の大きい部分では位相二次微分の絶対値は小さい値となり、同時にその変化も小さくなる。
【0158】
また、次のステップS27では、上述と同様に新たな振幅分布が求められる。
【0159】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、原画像全体を撮像することにより得られる原画像の画像データについて、高速フーリエ変換により得られる変換データの振幅分布を所定の関数で置き換えてから、高速フーリエ逆変換により再生画像を得るので、原画像全体の特徴を大局的に抽出することができる。また、原画像全体を1度に取り込んで処理することにより、従来のように逆変換時にブロック状のノイズが発生することもなく、撮像と画像処理を短時間に効率よく行うことができる。
【0160】
さらに、本発明によれば、原画像全体を撮像することにより得られる原画像の画像データについて、高速フーリエ変換により得られる変換データの振幅分布をフラクタル次元を用いた所定の関数で置き換えてから、高速フーリエ逆変換により再生画像を得ることにより、より原画像を忠実に再現することができる。
【0161】
したがって、本発明によれば、従来のように逆変換時にブロック状のノイズが発生することなく、原画像全体の特徴を大局的に抽出して原画像を忠実に再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する画像処理装置の構成例を示すブロック構成図である。
【図2】振幅と周波数からなる空間座標図である。
【図3】上記画像処理装置により処理された原画像の例を示す図である。
【図4】図3に示した原画像をFFTして得られた周波数成分の振幅分布を示す図である。
【図5】上記画像処理装置による正規化の処理を示す図である。
【図6】上記画像処理装置による画像処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】上記画像処理装置により上記図3に示した原画像を処理して得られた画像を示す図である。
【図8】本発明係る画像処理装置の変形例を示すブロック構成図である。
【図9】本発明を実施する画像処理装置の他の構成例を示すブロック構成図である。
【図10】図9に示した画像処理装置による画像処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】上記画像処理装置により処理された原画像の例を示す図である。
【図12】図11に示した原画像をFFTして得られた周波数成分の振幅分布を示す図である。
【図13】原画像をFFTして極座標に変換した場合に、原画像の背景部分について、R座標に対する振幅をプロットすることにより得られる特性線を示す図である。
【図14】上記画像処理装置により処理された原画像の他の例を示す図である。
【図15】上記画像処理装置により処理された原画像の他の例を示す図である。
【図16】上記画像処理装置により処理された原画像の他の例を示す図である。
【図17】上記画像処理装置により上記図11に示した原画像を処理して得られた画像を示す図である。
【図18】フラクタル次元dを1として上記図11に示した原画像を処理して得られた画像を示す図である。
【図19】本発明を実施する画像処理装置の他の構成例を示すブロック構成図である。
【図20】図19に示した画像処理装置による画像処理の手順を示すフローチャートである。
【図21】上記画像処理装置により処理された原画像の例を示す図である。
【図22】図21に示した原画像のFFT後における振幅分布を示す図である。
【図23】図21に示した原画像をFFT後における位相分布を示す図である。
【図24】図23に示した位相分布を等価スムージング変換した後の位相分布を示す図である。
【図25】図24に示した位相分布の一次差分の分布を示す図である。
【図26】図25に示した位相分布の二次差分の分布を示す図である。
【図27】1/fの分布を示す図である。
【図28】図26に示した位相分布の二次差分分布に係数を掛けた結果を示す図である。
【図29】図25に示した1/f分布と図26に示した位相分布の二次差分分布を合成した結果を示す図である。
【図30】図25に示した1/f分布を振幅分布として用いた場合の再生画像を示す図である。
【図31】図29に示した合成分布を振幅分布として用いた場合の再生画像を示す図である。
【符号の説明】
10,30,110,200 画像処理装置、11,31,111,210 撮像装置、12,32,112,220 信号処理装置、13,33,113,230 モニタ装置、21,41,121,222 入力インタフェース部、22,42,122 高速フーリエ変換部、23,43,123,223 メモリ部、24,44 振幅置換部、25,45,125 高速フーリエ逆変換部、26,46,126,225 出力インタフェース部、31A 光学レンズ、31B CCDイメージャ、31C ガラス板、212 外部入力端子、231 外部出力端子
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力した画像をフーリエ変換により処理する画像処理装置、画像処理方法及び情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像の圧縮等を行う場合には、原画像を領域分割し、各領域について離散コサイン変換して各領域の特徴を抽出する方法が一般的に採用されていた。また、原画像を光学系で入力する場合、光学系を移動させて領域分割した各領域毎に画像を順次撮像するようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このように原画像を領域分割し、各領域を対象として離散コサイン変換する方法では、高い圧縮率は得られるものの、逆変換時にブロック状のノイズが発生することが多い。また、各領域毎に処理するので、原画像全体の大域的な特徴を抽出することは困難であった。さらに、光学系を移動させて領域分割した各領域毎に画像を順次撮像して処理する従来の方法では、画像処理に多大な時間と手間を要するという問題点があった。
【0004】
そこで、本発明の目的は、上述の如き従来の実状に鑑み、画像全体の大域的な特徴を抽出することができ、しかも、迅速に画像処理を行うことができる画像処理装置、画像処理方法及び情報記録媒体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、本発明では、原画像全体を一度に入力してフーリエ変換し、このフーリエ変換により得られた信号の振幅分布を周波数平面の中心からの距離をパラメータとする所定の関数で置換し、上記フーリエ変換により得られた各点の位相分布と上記置換された振幅分布とからフーリエ逆変換を行って上記原画像に対応した画像を生成する。
【0006】
すなわち、本発明に係る画像処理装置は、原画像全体を一度に入力可能な画像入力手段と、入力された画像をフーリエ変換する変換手段と、上記変換手段で得られた信号の振幅分布を、この振幅分布に近似し且つ周波数平面の中心からの距離をパラメータとする所定の関数で置換する振幅置換手段と、上記変換手段で得られた各点の位相分布と上記振幅置換手段で置換された振幅分布とからフーリエ逆変換を行って上記原画像に対応した画像を生成する逆変換手段とを具備することを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る画像処理方法は、原画像全体を一度に入力する画像入力ステップと、入力された画像をフーリエ変換する変換ステップと、上記変換ステップで得られた信号の振幅分布を、この振幅分布に近似し且つ周波数平面の中心からの距離をパラメータとする所定の関数で置換する振幅置換ステップと、上記変換ステップで得られた各点の位相分布と上記振幅置換ステップで置換された振幅分布とからフーリエ逆変換を行って上記原画像に対応した画像を生成する逆変換ステップとを有することを特徴とする。
【0008】
さらに、本発明に係る情報記録媒体は、原画像全体を一度に入力する画像入力ステップと、入力された画像をフーリエ変換する変換ステップと、上記変換ステップで得られた信号の振幅分布を、この振幅分布に近似し且つ周波数平面の中心からの距離をパラメータとする所定の関数で置換する振幅置換ステップと、上記変換ステップで得られた各点の位相分布と上記振幅置換ステップで置換された振幅分布とからフーリエ逆変換を行って上記原画像に対応した画像を生成する逆変換ステップとを有することを特徴とするコンピュータにより読み取り実行可能な画像処理プログラムを記録してなる。
【0009】
本発明では、例えば、上記周波数平面の中心点からの距離をパラメータとする分数関数を上記所定の関数として用いる。また、本発明では、フーリエ逆変換により生成した画像の各点の実数部を0以上にするように各点の実数部の値を繰り上げる。さらに、本発明では、フーリエ複素数平面の各点の振幅分布の二乗を
f(k) =a/(kb+h)
なる試行関数f(k) で最適近似する。
【0010】
また、上述の課題を解決するために、本発明では、原画像全体を一度に入力してフーリエ変換し、このフーリエ変換により得られた信号のフーリエ複素数平面の中心点からの距離に対する振幅分布のフラクタル次元を求め、上記フーリエ複素数平面の各点の振幅分布を上記フラクタル次元を用いた所定の関数で置換し、上記フーリエ変換により得られた各点の位相分布と上記置換された振幅分布とからフーリエ逆変換を行って上記原画像に対応した画像を生成する。
【0011】
すなわち、本発明に係る画像処理装置は、原画像全体を一度に入力可能な画像入力手段と、上記画像入力手段による入力画像をフーリエ変換する変換手段と、上記変換手段によって得られたフーリエ複素数平面の中心点からの距離に対する振幅分布のフラクタル次元を求めるフラクタル次元算出手段と、上記変換手段によって得られたフーリエ複素数平面の各点の振幅分布を上記フラクタル次元算出手段により求められるフラクタル次元を用いた所定の関数で置換する振幅置換手段と、上記変換手段によって得られたフーリエ複素数平面の各点の位相分布と上記振幅置換手段によって置換された振幅分布とからフーリエ逆変換により画像を生成する逆変換手段とを具備することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る画像処理方法は、原画像全体を一度に入力する画像入力ステップと、入力された画像をフーリエ変換する変換ステップと、上記変換ステップで得られた信号の振幅分布を、この振幅分布に近似し且つ周波数平面の中心からの距離をパラメータとする所定の関数で置換する振幅置換ステップと、上記変換ステップで得られた各点の位相分布と上記振幅置換ステップで置換された振幅分布とからフーリエ逆変換を行って上記原画像に対応した画像を生成する逆変換ステップとを有することを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明に係る情報記録媒体は、原画像全体を一度に入力する画像入力ステップと、入力画像をフーリエ変換する変換ステップと、上記フーリエ変換によって得られたフーリエ複素数平面の中心点からの距離に対する振幅分布のフラクタル次元を求めるフラクタル次元算出ステップと、上記フーリエ変換によって得られたフーリエ複素数平面の各点の振幅分布を上記フラクタル次元を用いた所定の関数で置換する置換ステップと、上記フーリエ変換によって得られたフーリエ複素数平面の各点の位相分布と上記振幅置換ステップで置換された振幅分布とからフーリエ逆変換により画像を生成する逆変換ステップとを有することを特徴とするコンピュータにより読み取り実行可能な画像処理プログラムを記録してなる。
【0014】
本発明では、例えば、フーリエ複素数平面の中心点からの距離に対応する上記入力画像の空間周波数をf、上記フラクタル次元をd、所定の定数をαとして、α/fd にて示される関数で上記振幅分布を置換する。また、本発明では、フーリエ逆変換により生成された画像の各点の実数部の最小値が0以上になるように各点の実数部の値を変換する。
【0015】
さらに、上述の課題を解決するために、本発明では、原画像全体を一度に入力してフーリエ変換し、このフーリエ変換によって得られたフーリエ複素数平面の各点の振幅分布を所定の関数で置換するとともに、上記フーリエ変換によって得られたフーリエ複素数平面の各点の位相分布を横軸方向あるいは縦軸方向に等価スムージング変換する。また、上記等価スムージング変換された位相分布について、そのスムージング変換を行った方向に微分又は差分をとり、上記微分又は差分をとった位相分布について、さらに二次微分又は二次差分をとり、上記所定の関数で置換された振幅分布と上記位相分布の二次微分又は二次差分を合成し、これを振幅分布に置き換える。そして、上記フーリエ変換によって得られたフーリエ複素数平面の各点の位相分布と上記合成された振幅分布とからフーリエ逆変換を行って上記原画像に対応した画像を生成する。
【0016】
すなわち、本発明に係る画像処理装置は、原画像全体を一度に入力可能な画像入力手段と、入力された画像をフーリエ変換する変換手段と、上記変換手段で得られたフーリエ複素数平面の各点の振幅分布を所定の関数で置換する振幅置換手段と、上記変換手段で得られたフーリエ複素数平面の各点の位相分布を横軸方向あるいは縦軸方向に等価スムージング変換するスムージング変換手段と、上記スムージング変換手段により等価スムージング変換されたフーリエ複素数平面の各点の位相分布について、そのスムージング変換を行った方向に微分又は差分をとる演算手段と、上記演算手段により微分又は差分をとった位相分布について、さらに微分又は差分をとる二次演算手段と、上記振幅置換手段により置換された振幅分布と上記二次演算手段により検出された上記位相分布の二次微分又は二次差分を合成し、これを振幅分布に置き換える合成手段と、上記変換手段で得られたフーリエ複素数平面の各点の位相分布と上記合成手段により合成された振幅分布とからフーリエ逆変換を行って上記原画像に対応した画像を生成する逆変換手段とを具備することを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る画像処理方法は、原画像全体を一度に入力する画像入力ステップと、入力画像をフーリエ変換する変換ステップと、上記フーリエ変換によって得られたフーリエ複素数平面の中心点からの距離に対する振幅分布のフラクタル次元を求めるフラクタル次元算出ステップと、上記フーリエ変換によって得られたフーリエ複素数平面の各点の振幅分布を上記フラクタル次元を用いた所定の関数で置換する振幅置換ステップと、上記フーリエ変換によって得られたフーリエ複素数平面の各点の位相分布と上記振幅置換ステップで置換された振幅分布とからフーリエ逆変換により画像を生成する逆変換ステップとを有することを特徴とする。
【0018】
さらに、本発明に係る情報記録媒体は、原画像全体を一度に入力可能な画像入力ステップと、入力された画像をフーリエ変換する変換ステップと、上記フーリエ変換によって得られたフーリエ複素数平面の各点の振幅分布を所定の関数で置換する振幅置換ステップと、上記フーリエ変換によって得られたフーリエ複素数平面の各点の位相分布を横軸方向あるいは縦軸方向に等価スムージング変換するスムージング変換ステップと、上記等価スムージング変換された位相分布について、そのスムージング変換を行った方向に微分又は差分をとる演算ステップと、上記微分又は差分をとった位相分布について、さらに微分又は差分をとる二次演算ステップと、上記所定の関数で置換された振幅分布と上記位相分布の二次微分又は二次差分を合成し、これを振幅分布に置き換える合成ステップと、上記フーリエ変換によって得られたフーリエ複素数平面の各点の位相分布と上記合成された振幅分布とからフーリエ逆変換を行って上記原画像に対応した画像を生成する逆変換ステップとを有することを特徴とするコンピュータにより読み取り実行可能な画像処理プログラムを記録してなる。
【0019】
本発明では、例えば、上記所定の関数は、上記フーリエ複素数平面の中心点からの距離に対応する入力画像の空間周波数fをパラメータとする1/f関数である。また、上記スムージング変換では、フーリエ複素数平面の縦軸あるいは縦軸上の位相値を出発値とし、横軸方向あるいは縦軸方向における隣り合った点における位相値の変化が±πの範囲内に入るように各点の位相値に2nπ(nは整数)を加える。さらに、高速フーリエ変換アルゴリズムを用いてフーリエ変換及び/又はフーリエ逆変換を行う。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
本発明は、例えば図1に示すような構成の画像処理装置10により実施される。
【0022】
この図1に示した画像処理装置10は、原画像Cを撮像する撮像装置11と、この撮像装置11から原画像Cの画像データが入力される信号処理装置12と、この信号処理装置12から画像データが供給される表示装置13とからなる。
【0023】
上記撮像装置11は、例えばCCDカメラからなり、原画像C全体を1度に撮像して、その画像データを上記信号処理装置12に供給するようになっている。
【0024】
また、上記信号処理装置12は、マイクロコンピュータからなり、その機能的な構成要素としてバス20を介して接続された入力インタフェース部21、高速フーリエ変換(FFT)部22、メモリ部23、振幅置換部24、高速フーリエ逆変換(IFFT)部25と出力インタフェース部26を備えている。
【0025】
この信号処理装置12における入力インタフェース部21は、撮像装置11により得られる原画像Cの画像データをバス20を介して高速フーリエ変換部22へ入力するものであって、上記撮像装置11とともに画像入力手段を構成している。
【0026】
また、高速フーリエ変換部22は、上記入力インタフェース部21から送られてくる原画像Cの画像データに対して高速フーリエ変換を行うものである。
【0027】
具体的には、高速フーリエ変換部22は、入力インタフェース部21から送られてくる原画像Cの画像データf(x,y) について、(1)式の演算処理を実行して、実数部A(ωx,ωy) と虚数部B(ωx,ωy)からなる複素数の変換データF(ωx,ωy) を生成する。
【0028】
【数1】
【0029】
なお、(1)式において、iは虚数を示し、ωx,ωy は周波数のx成分とy成分を示す。
【0030】
この高速フーリエ変換部22は、上記(1)式の演算により得られた変換データF(ωx,ωy) を次の(2)式で示される極座標で表す極座標変換を行う極座標変換部27を備えている。
【0031】
【数2】
【0032】
なお、(2)式において、R(ωx,ωy) はF(ωx,ωy) の振幅であり、また、θ(ωx,ωy) はF(ωx,ωy) の位相を示す。
【0033】
上記高速フーリエ変換部22は、上記極座標変換部27により得られる振幅R(ωx,ωy) 及び位相θ(ωx,ωy) をバス20を介して出力する。上記極座標変換部27からバス20を介して出力される振幅R(ωx,ωy) は振幅置換部24に与えられ、また、位相θ(ωx,ωy) はメモリ部23に格納される。
【0034】
また、上記信号処理装置12における振幅置換部24は、上記極座標変換部27からの振幅R(ωx,ωy) を所定の関数で置換するものである。
【0035】
ここで、この振幅置換部24における置換処理について具体的に説明する。
【0036】
図2は、振幅R(ωx,ωy) と周波数ωx,ωy で構成される空間座標図である。
【0037】
この図2に示すように、各ドットの振幅R(ωx,ωy) は周波数ωx,ωy であるX−Y座標系の各点Pで表される。
【0038】
しかし、X−Y座標系の周波数ωx,ωy で振幅R(ωx,ωy) を表示するのは、画像の特徴を抽出する上で好ましくない。すなわち、画像中には、X,Y軸に平行な成分のみではなく、斜め方向の成分も含まれるので、この部分に特徴があった場合に抽出することができない。
【0039】
この振幅置換部24では、図2に示すように、振幅R(ωx,ωy) をr1 −θ1 の極座標に変換して、振幅R(ωx,ωy) を周波数ωx,ωy 平面の中心からの距離を示す径座標r1 をパラメータとした振幅R(r1) で表示する。
【0040】
例えば、図3の(a),(b)に示すような原画像C1 ,C2 を振幅R(r1) で表示すると、原画像C1 の振幅R1(r1)は図4に一点鎖線で示すような分布状態となり、また、原画像C2 の振幅R2(r1)は図4に一点鎖線で示すような分布状態となる。
【0041】
そこで、振幅置換部24は、これらの振幅振幅R1(r1),R2(r1)をこれらの振幅を近似した関数α/r1 (αは任意の定数)で置換するようになっている。
【0042】
すなわち、振幅置換部24は、上記極座標変換部27からの振幅R(ωx,ωy) を(3)式に示すように上記関数α/r1 で置き換える。
【0043】
【数3】
【0044】
そして、上記振幅置換部24では、このようにして置換した(3)式で示される振幅R(ωx,ωy) と上記メモリ部23から読み出される位相θ(ωx,ωy) とにより、上述の(2)式に基づいて、次の(4)式で示される変換データF1(ωx,ωy)を生成する。
【0045】
【数4】
【0046】
さらに、上記振幅置換部24では、各点の実数部A1(ωx,ωy)と虚数部B1(ωx,ωy)を計算して、上記(4)式で示される変換データF1(ωx,ωy)を(5)式に示すように複素数に変換する。
【0047】
【数5】
【0048】
また、上記信号処理装置12における高速フーリエ逆変換部25は、上記振幅置換部24により得られた変換データF1(ωx,ωy)を高速フーリエ逆変換するものである。この高速フーリエ逆変換部25は、上述の(5)式で示される変換データF1(ωx,ωy)を高速フーリエ逆変換することにより、(6)式で示される各点の画像データf1(x,y)を生成する。
【0049】
【数6】
【0050】
なお、(6)式において、A2(x,y)は画像データf1(x,y)の実数部であり、また、B2(x,y)は画像データf1(x,y)の虚数部である。
【0051】
ここで、このようなフーリエ逆変換を行うと、実数部A2(x,y)が負の値になる点が発生するので、この高速フーリエ逆変換部25は、各点の実数部のうち負の実数部を0以上に繰り上げる正規化を行うようになっている。
【0052】
上記高速フーリエ逆変換部25の正規化機能を図5に示す。すなわち、図5の(a)に示すように、最小値A2min〜最大値A2maxに亘る実数部A2(x,y)の中には0よりも小さい負の値を有するものも含まれるので、上記高速フーリエ逆変換部25では、フーリエ逆変換により得られた出力画像を構成する各点の実数部A2(x,y)の値の最大値A2max及び最小値A2minを計算し、各画素に対して、次の(7)式の演算を行う。
【0053】
【数7】
【0054】
ここで、(7)式において、A2(x,y)は変換前の各画素値であり、A3(x,y)は変換後の各画素値を表す。
【0055】
そして、次の(8)式の演算処理により正規化した実数部A4(x,y)を得る。
【0056】
【数8】
【0057】
なお、(8)式におけるβは階調数であり、定数である。
【0058】
すなわち、上記高速フーリエ逆変換部25では、FFTの結果として得られる負の値になる点を含む実数部A2(x,y)が、上記関数α/r1 の定数αとは無関係に、図5の(b)に示すように、すべての画素値が0以上の値を有する実数部A4(x,y)に正規化されることになり、上述の(6)式の実数部A2(x,y)がこの(8)式の実数部A4(x,y)に置き換えられ、次の(9)式のように実数表示された画像データf1(x,y)’がバス20を介して出力インタフェース部26から出力される。
【0059】
【数9】
【0060】
そして、この画像処理装置10おいて、表示装置13は、CRTディスプレイ装置などからなり、上記信号処理装置12の出力インタフェース部26から出力される画像データf1(x,y)’に応じて再生画像Dを表示する。
【0061】
次に、このような構成の画像処理装置10の動作について、図6に示すフローチャートに従って説明する。なお、本発明の画像処理方法は、この画像処理装置10により実施される。
【0062】
すなわち、図6に示すフローチャートにおいて、最初のステップS1は、処理すべき原画像Cを入力する画像入力ステップであって、このステップS1では、上記撮像装置11により例えば図3の(a)に示した原画像C1 全体を撮像して、処理すべき原画像C1 の画像データf(x,y) を生成する。この画像データf(x,y)は、上記信号処理装置12の入力インタフェース部21を介して高速フーリエ変換部22に入力される。
【0063】
次のステップS2は、入力画像をフーリエ変換する変換ステップであって、このステップS2では、上記画像データf(x,y) について、上記高速フーリエ変換部22において上述の(1)式の演算処理を実行することにより2次元高速フーリエ変換(FFT)を行い、さらに、上記極座標変換部27により上述の(2)式の演算処理を実行して座標に変換して、振幅R(ωx,ωy) と位相θ(ωx,ωy) を求める。上記振幅R(ωx,ωy) は振幅置換部24に与えられ、また、位相θ(ωx,ωy) はメモリ部23に格納される。
【0064】
次のステップS3及びステップS4は、振幅置換ステップであり、このステップS3では、上記フーリエ変換によって得られた信号の振幅R(ωx,ωy) を上記振幅置換部24においてr1 −θ1 の極座標に変換し、上記振幅R(ωx,ωy) を周波数ωx,ωy 平面の中心からの距離を示す径座標r1 をパラメータとした振幅R(r1) で表示する。そして、上述の(3)式で示したように、この振幅分布R(r1) をこれに近似した関数α/r1 に置き換える。
【0065】
例えば上述の図3の(a)に示した原画像C1 の振幅R1(ωx,ωy)は、図4に一点鎖線で示すような振幅分布R1(r1)に変換され、この振幅分布R1(r1)がこれに近似した関数α/r1 に置き換えられる。
【0066】
すなわち、原画像C1 の振幅分布の特徴を大局的に抽出した関数α/r1 が原画像C1 の振幅分布として決定される。
【0067】
そして、ステップS4では、このようにして置換した(3)式で示される振幅分布R(ωx,ωy) と上記メモリ部23から読み出される位相θ(ωx,ωy) を合成し、上述の(4)式で示される変換データF1(ωx,ωy)を生成する。さらに、各点の実数部A1(ωx,ωy)と虚数部B1(ωx,ωy)を計算して、上記(4)式で示される変換データF1(ωx,ωy)を上述の(5)式に示すように複素数に変換する。
【0068】
次のステップS5及びステップS6は、フーリエ逆変換を行う逆変換ステップであり、ステップS5では、上記高速フーリエ逆変換部25において上記(5)式で示される変換データF1(ωx,ωy)を高速フーリエ逆変換することにより上述の(6)式で示される各点の画像データf1(x,y)を生成する。
【0069】
さらに、ステップS6では、上記(6)式で示される各点の画像データf1(x,y)を上述の(7)式及び(8)式に従って正規化する。
【0070】
そして、ステップS7では、上述の(9)式のように正規化された実数部で表された画像データf1(x,y)’を出力インタフェース部26から表示装置13に出力する。
【0071】
これにより、この画像処理装置10では、上記信号処理装置12の出力インタフェース部26から出力される画像データf1(x,y)’に応じて上記表示装置13の画面に再生画像Dが表示される。
【0072】
この画像処理装置10では、図3の(a)に示した原画像C1 について、この画像処理装置10により画像処理を行った結果、上記表示装置13の画面には、図7の(a)に示すような再生画像D1 として表示された。
【0073】
図3の(a)と図7の(a)を対比すれば明らかなように、再生画像D1 は原画像C1 の特徴を大局的に捉えており、原画像C1 とほとんど変わらない正確な画像となっている。
【0074】
また、 図3の(b)に示した原画像C2 について、この画像処理装置10により原画像C1 と同様な画像処理を行った結果、上記表示装置13の画面には、図7の(b)に示すように、原画像C2 とほとんど変わらない正確な再生画像D2 を得ることができた。
【0075】
以上のように、この画像処理装置10では、原画像C全体を撮像装置11により一度に取り込み、高速フーリエ変換部22変換して得た変換データF(ωx,ωy) の振幅分布R(ωx,ωy) 全体を関数α/r1 で置換した後、高速フーリエ逆変換部25で逆変換して再生画像Dを得るので、原画像C全体の特徴を大局的に抽出することができる。
【0076】
また、原画像C全体を取り込むので、従来のように逆変換時にブロック状のノイズが発生することがなく、しかも、原画像C全体を一度に入力するので、撮像と画像処理を短時間且つ容易に行うことができる。
【0077】
この発明は、上記実施形態に限定されるものでなく、その要旨の範囲内において種々の変形や変更が可能である。
【0078】
例えば、上記画像処理装置10では高速フーリエ変換を信号処理装置12の高速フーリエ変換部22において行う構成としたが、例えば図8に示すような構成とすることにより、原画像Cを撮像する撮像装置31において光学的に高速フーリエ変換(FFT)を行うようにすることもできる。
【0079】
すなわち、この図8に示した画像処理装置30は、原画像Cを撮像する撮像装置31と、この撮像装置31から原画像Cの画像データが入力される信号処理装置32と、この信号処理装置32から画像データが供給される表示装置33とからなる。
【0080】
上記撮像装置31は、光学レンズ31Aを介してCCDイメージャ31Bにより原画像Cを撮像するCCDカメラからなり、原画像Cから光学レンズ31Aまでの距離L1と上記光学レンズ31AからCCDイメージャ31Bまでの距離L2がともに上記光学レンズ31Aの焦点距離に等しくなるように位置決めされている。このような構成の撮像装置31では、原画像Cの2次元FFT像の振幅分布を示す撮像出力を上記CCDイメージャ31Bにより得ることができる。また、原画像Cの位相分布は、例えば厚さが一様に変化する楔状のガラス板31Cを上記光学レンズ31AとCCDイメージャ31Bの間で上記厚さが変化する方向に移動させ、そのときの干渉縞の変化から位相検出部31Dで検出することができる。
【0081】
そして、この撮像装置31は、原画像Cの撮像出力として、原画像Cの2次元FFT像の振幅分布R(ωx,ωy) と位相分布θ(ωx,ωy) を上記信号処理装置32に供給する。
【0082】
この画像処理装置30における信号処理装置32では、上記撮像装置31から原画像Cの2次元FFT像の振幅分布R(ωx,ωy) と位相分布θ(ωx,ωy) を示す撮像出力が供給されることにより、上述の図6のフローチャートに示した手順に準じた処理が行われる。すなわち、高速フーリエ変換は既に光学的に行われているので、この信号処理装置32では、上述の図2のフローチャートにおけるステップS2に対応する入力画像を2次元FFTする変換ステップは必要なく、ステップS3以降の処理のみを行う。
【0083】
したがって、上記信号処理装置32は、高速フーリエ変換のための演算処理を省略することができるので、画像処理の速度を高めることができる。また、上記信号処理装置32は、高速フーリエ変換を行う必要がないので、その機能的な構成要素としてバス20を介して接続された入力インタフェース部21、メモリ部23、振幅置換部24、高速フーリエ逆変換(IFFT)部25と出力インタフェース部26を備えるものとすることができる。
【0084】
さらに高速フーリエ逆変換も光学的に行うようにすれば、上記信号処理装置32の負担をさらに軽減して、画像処理の速度をさらに高めることができる。
【0085】
また、上述の画像処理装置10,30では、振幅分布を関数α/r1 で置換したが、置換用の関数は、ωx,ωy からなる周波数平面の中心からの距離fをパラメータとする分数関数であればよく、次のような分数関数を適用することもできる。
【0086】
【数10】
【0087】
さらに、上述の画像処理装置10,30における置換処理部24では、フーリエ変換によって得られるフーリエ複素数平面の各点の振幅分布の二乗を
f(k) =a/(kb+h)
なる試行関数f(k) で最適近似するようにしても良い。
【0088】
すなわち、画像入力のフーリエ変換によって得られるフーリエ複素数平面の各点の振幅分布数値実験を行った結果、画像入力のフーリエ変換によって得られるフーリエ複素数平面の各点の振幅分布の二乗が、
f(|k|) =a/(|k|b+h)
試行関数で比較的によく近似することができることが明らかになった。
【0089】
また、本発明は、例えば図9に示すような構成の画像処理装置100により実施される。
【0090】
この図9に示した画像処理装置100は、原画像Cを撮像する撮像装置111と、この撮像装置111から原画像Cの画像データが入力される信号処理装置112と、この信号処理装置112から画像データが供給される表示装置113とからなる。
【0091】
上記撮像装置111は、例えばCCDカメラからなり、原画像C全体を撮像してその画像データを上記信号処理装置112に供給するようになっている。
【0092】
また、上記信号処理装置112は、マイクロコンピュータからなり、その機能的な構成要素としてバス120を介して接続された入力インタフェース部121、高速フーリエ変換(FFT)部122、メモリ部123、振幅置換部124、高速フーリエ逆変換(IFFT)部125と出力インタフェース部126に加えてフラクタル次元算出部128を備えている。
【0093】
この信号処理装置112において、高速フーリエ変換部122は、上記撮像装置111から入力インタフェース部121を介して入力される原画像Cの画像データについて高速フーリエ変換を行うものである。
【0094】
また、フラクタル次元算出部128は、上記高速フーリエ変換部122によって得られたフーリエ複素数平面の中心点からの距離に対する振幅分布のフラクタル次元を求めるものである。
【0095】
また、振幅置換部124は、上記高速フーリエ変換部122によって得られたフーリエ複素数平面の各点の振幅分布を上記フラクタル次元算出部128により求められるフラクタル次元を用いた所定の関数で置換する処理を行うものである。
【0096】
さらに、高速フーリエ逆変換部125は、上記高速フーリエ変換部122によって得られたフーリエ複素数平面の各点の位相分布と上記振幅置換部124によって置換された振幅分布とからフーリエ逆変換により上記原画像Cに対応する再生画像Dの画像データを生成するものである。
【0097】
この画像処理装置100における表示装置113は、CRTディスプレイ装置などからなり、上記信号処理装置112の出力インタフェース部126から出力される画像データに応じて再生画像Dを表示するようになっている。
【0098】
そして、この画像処理装置100では、図10のフローチャートに示す手順に従って画像処理を行う。
【0099】
すなわち、先ず、最初のステップS11は、処理すべき原画像Cを入力する画像入力ステップであって、このステップS11では、上記撮像装置111により原画像Cを撮像することにより、処理すべき原画像Cの画像データf(x,y) を生成する。この画像データは、上記信号処理装置112の入力インタフェース部121に入力され、上記バス120を介して上記メモリ部123に蓄積される。
【0100】
次のステップS12は、入力画像をフーリエ変換する変換ステップであって、このステップS12では、上記メモリ部123に蓄積された画像データf(x,y) について、上記高速フーリエ変換部122により2次元高速フーリエ変換(FFT)を行い、原画像Cの周波数成分を求める。
【0101】
具体的には、上記メモリ部123に蓄積された画像データf(x,y) について、上記高速フーリエ変換部122により上述の(1)式の演算処理を実行して、実数部A(ωx,ωy) と虚数部B(ωx,ωy)からなる複素数の変換データF(ωx,ωy) を生成して、この変換データF(ωx,ωy) を上述の(2)式のように極座標で表す。
【0102】
次のステップS13では、位相分布θ(ωx,ωy) を上記メモリ部123に記憶しておく。
【0103】
そして、次のステップS14は、振幅分布のフラクタル次元を求めるフラクタル次元算出ステップであって、このステップS14では、上記フーリエ変換によって得られたフーリエ複素数平面の中心点からの距離に対する振幅分布のフラクタル次元をフラクタル次元算出部128により求める。
【0104】
すなわち、原画像Cの各点は実数部のみから成っているが、周波数成分に対応するフーリエ変換後の各点は実数部と虚数部より成るため、これをR−θ座標系(極座標系)に変換する。ここで、R座標は周波数成分の強度を表し、θ座標は周波数成分の位相を表す。
【0105】
この画像処理装置110では、このR座標を用いて、原画像Cの特徴を抽出する。周波数平面は、原画像と同様にX−Y座標系で表されるが、2次元FFTの結果得られる周波数平面においては、中心部が低い周波数に対応し、周辺部が高い周波数成分に対応している。そのため、R−θ座標系(極座標系)の方が特徴抽出には適している。
【0106】
具体的に、図11に示した原画像CaをFFTして得られた周波数成分の振幅分布を図12に示す。この図12からも明らかなように、2次元FFT後の振幅分布は、特定のθ成分から成るピークの部分とそれ以外の背景部分として特徴付けることができる。前者からは、図11に示した原画像Caの周期性の高い部分が特徴として抽出されており、後者からは、それ以外の全体的な画像の特徴が抽出できると考えられる。後者すなわち背景部分について、R座標に対する振幅をプロットすると、図13に示す特性線Aが得られる。同様に、図14、図15及び図16に示すような各原画像Cb,Cc,Cdの2次元FFT後の振幅分布では、背景部分について、R座標に対する振幅をプロットすると、図13に示す特性線B、特性線C及び特性線Dが得られる。
【0107】
ここで、図13における横軸は周波数すなわち振幅分布画像における中心点からの距離の対数であり、また、縦軸は振幅値の対数である。このように、両軸を対数でプロットした場合、原データがフラクタル的な性質を有する場合はグラフが直線になり、その傾きの負数がフラクタル次元dを表す。
【0108】
フラクタル次元dを用いると、原データは、α/fd (αは定数)型の関数で近似することができるので、次のステップS15では、上記R−θ座標系の周波数成分f(R極座)の振幅分布を上記関数α/fd で置き換える。すなわち、ステップS15は、置換ステップであり、このステップS15では、上記FFTによって得られたフーリエ複素数平面の各点の振幅分布R(ωx,ωy) を(10)式に示すように上記フラクタル次元dを用いた所定の関数α/fd で置き換える。
【0109】
【数11】
【0110】
そして、次のステップS16では、このようにして置換した(10)式で示される振幅分布R(ωx,ωy) をR−θ座標系からX−Y座標系に変換し、上述のステップS3で記憶しておいた位相分布θ(ωx,ωy) を上記メモリ部123から読み出して合成することによって、各点の複素数値のR−θ座標値を求め、上述の(2)式に基づいて、次の(11)式で示される変換データF1(ωx,ωy)を生成する。
【0111】
【数12】
【0112】
さらに、各点の実数部A1(ωx,ωy)と虚数部B1(ωx,ωy)を計算して、上述の(4)式で示される変換データF1(ωx,ωy)を上述の(5)式で示すように複素数に変換する。
【0113】
次のステップS17は、フーリエ逆変換を行う逆変換ステップであり、このステップS17では、上述の(5)式で示される変換データF1(ωx,ωy)をフーリエ逆変換することにより、上述の(6)式で示される各点の画像データf1(x,y)を生成する。
【0114】
ここで、このようなフーリエ逆変換を行うと、実数部A2(x,y)が負の値になる点が発生するので、ステップS18において、各点の実数部全体を正規化し、すべての画素値が0以上になるように変換操作を施す。すなわち、ステップS18は、実数部変換ステップであり、このステップS18では、上記逆変換ステップにより生成された画像の各点の実数部の最小値が0以上になるように各点の実数部の値を変換する。具体的には、このステップS18では、上述のステップS17におけるフーリエ逆変換により得られた出力画像を構成する各点の実数部A2(x,y)の値の最大値A2max及び最小値A2minを計算し、各画素に対して、上述の(7)式の演算を行い、上述の(8)式の演算処理により正規化した実数部A4(x,y)を得る。
【0115】
こようにして上記ステップS18では、FFTの結果として得られる負の値になる点を含む実数部A2(x,y)が、上記関数α/fd の定数αとは無関係に、すべての画素値が0以上の値を有する実数部A4(x,y)に正規化される。
【0116】
最後のステップS19では、このようにして生成された上記実数部A4(x,y)の画像データで与えられる画像を出力する。
【0117】
ここで、上述の図11に示した画像Caについて、実際に上記操作を行って得られた画像Daを図17に示す。また、比較のため、フラクタル次元dを「1」とした場合の画像Da’を図18に示す。両画像Da,Da’を比較して明らかなように、入力画像Cのフラクタル次元dを用いた方が、より原画像Cを忠実に再現することができる。
【0118】
このように、この画像処理装置100では、上記撮像装置111で原画像C全体を撮像することにより得られる原画像Cの画像データf(x,y) について、上記信号処理装置112においてFFTにより得られる変換データF(ωx,ωy) の振幅分布R(ωx,ωy) をフラクタル次元dを用いた所定の関数α/fd で置き換えてから、高速フーリエ逆変換により再生画像Dを得るので、原画像C全体の特徴を大局的に抽出することができる。
【0119】
また、原画像C全体を1度に取り込んで処理するので、従来のように逆変換時にブロック状のノイズが発生することもなく、撮像と画像処理を短時間に効率よく行うことができる。
【0120】
なお、この画像処理装置100においても、上述の図8に示した画像処理装置30と同様に、原画像Cを撮像する撮像光学系にて光学的にFFTを行うようにして、原画像Cの2次元FFT像の振幅分布R(ωx,ωy) と位相分布θ(ωx,ωy) を得ることにより、上記信号処理装置112では、上述の図10のフローチャートにおけるステップS12に対応する入力画像を2次元FFTする変換ステップが必要なくなり、ステップS14以降の処理のみを行うようにすることができる。さらに高速フーリエ逆変換も光学的に行うようにすれば、上記信号処理装置112の負担をさらに軽減して、画像処理の速度をさらに高めることができる。
【0121】
また、本発明は、例えば図19に示すような構成の画像処理装置200により実施される。
【0122】
この図19に示した画像処理装置200は、原画像Cを入力するための撮像装置210及び外部入力端子211と、この撮像装置210又は外部入力端子211から原画像Cの画像データが入力される信号処理装置220と、この信号処理装置220から画像データが出力される表示装置230及び外部出力端子231とからなる。
【0123】
上記撮像装置210は、例えばCCDカメラからなり、原画像C全体を撮像してその画像データを上記信号処理装置220に供給するようになっている。
【0124】
また、上記信号処理装置220は、マイクロコンピュータからなり、その機能的な構成要素としてバス221を介して接続された入力インタフェース部222、メモリ部223、演算部224及び出力インタフェース部225を備えている。
【0125】
さらに、この画像処理装置200における表示装置230は、CRTディスプレイ装置などからなり、上記信号処理装置220の出力インタフェース部225から出力される画像データに応じて再生画像Dを表示するようになっている。
【0126】
なお、上記外部入力端子211及び外部出力端子231には、画像の取り扱いが可能なコンピュータやイメージスキャナ、デジタルカメラ、記憶装置、ビデオ記録再生装置、テレビジョン受像機、携帯端末などを接続することができる。
【0127】
この画像処理装置200において、原画像Cの画像データは、撮像装置210又は外部入力端子211から信号処理装置220の入力インタフェース部222に入力され、バス221を介してメモリ部223に蓄積される。メモリ部223に蓄積された画像データは、演算部224によって図20のフローチャートに従って処理される。そして、上記演算部224による処理結果として得られる所定の画像処理済みの画像データが出力インタフェース部225を介して表示装置230又は外部出力端子231に出力される。
【0128】
すなわち、この画像処理装置200では、図20のフローチャートに示す手順に従って画像処理を行う。
【0129】
先ず、最初のステップS21は、処理すべき原画像Cを入力する画像入力ステップであって、このステップS21では、処理すべき原画像Cの画像データf(x,y) が撮像装置210又は外部入力端子211から信号処理装置210の入力インタフェース部212に入力され、バス211を介してメモリ部223に蓄積される。
【0130】
次のステップS22は、入力画像をフーリエ変換する変換ステップであって、このステップS22では、メモリ部223に蓄積された画像データf(x,y) について、演算部224により2次元高速フーリエ変換(FFT)を行い、原画像Cの周波数成分を求める。
【0131】
具体的には、メモリ部223に蓄積された画像データf(x,y) について、演算部224により上述の(1)式の演算処理を実行して、実数部A(ωx,ωy) と虚数部B(ωx,ωy)からなる複素数の変換データF(ωx,ωy) を生成して、この変換データF(ωx,ωy) を上述の(2)式のように極座標で表す。
【0132】
次のステップS23では、位相分布θ(ωx,ωy) を上記メモリ部223に記憶しておく。
【0133】
ここで、図21に示す原画像Cに対し、FFTして得られた周波数成分の振幅分布を図22に示し、また、位相分布を図23に示す。
【0134】
2次元FFT後の振幅分布は、図22に示すように、1/fに近い分布に原画像に依存する特徴的なパターンが乗った画像なっている。これに対し、位相分布は、図23に示すように、一般的にランダムなノイズ状に見え、このままで画像の特徴を抽出するのは困難である。位相分布は−π〜+πの範囲内に折り畳まれているので、位相分布ができるだけスムーズに繋がるようにように−π〜+πの範囲外まで展開することにより、特徴量の抽出がより容易になる可能性がある。
【0135】
そこで、この画像処理装置200では、次のステップS24において、2次元周波数空間内におけるy軸(fy軸)上の点の位相を出発点とし、±fxの方向に順次スムージング変換を進めていく。ここで、スムージング変換は、ある点の位相値に、その手前にある点のいそう値からの変化量が±π以内に入るように2nπ(nは整数)を加える操作である。位相値は2πの周期をもつため、2nπを加えても等値である。
【0136】
図23に示した位相分布についてスムージング変換を行うことにより得られる位相分布は図24に示すように横縞状となっている。
【0137】
次のステップS25では、このようにスムージング変換を行った位相分布について、そのスムージング変換を進めた方向と同一方向に差分をとる。
【0138】
図24に示した位相分布について差分をとることにより得られる位相分布を図25に示す。
【0139】
差分をとることにより得られる位相分布は、図25に示すように、その特徴的パターンが上述の図22に示した2次元FFT後の振幅分布と類似したパターンを示す。ただし、この差分の位相分布は周波数軸(fx軸,fy軸)に対して反対称のパターンとなり、周波数軸(fx軸,fy軸)に対して対称のパターンで表現される振幅分布とは表現が異なっている。
【0140】
そこで、次のステップS26では、この差分をとった位相分布について、さらにもう一度同様な方法で差分を取る。この操作を二次差分と呼ぶ。
【0141】
位相分布の二次差分で得た分布を図26に示す。
【0142】
この位相分布の二次差分の分布は、上述の図22に示した2次元FFT後の振幅分布とそのパターンが類似しており、しかも、周波数軸(fx軸,fy軸)に対して対称となっており、この点においても上記振幅分布と類似している。
【0143】
上記ステップS26では、演算部224により位相分布の二次差分分布を得てメモリ部223に記憶しておく。
【0144】
次のステップS27は、振幅置換ステップであり、このステップS27では、2次元FFT後の振幅分布はその画像に特徴的なパターンである非等方的な成分を除けば大雑把に1/fに近い等方的な分布をしているので、第一次近似として1/fの分布を振幅分布として用いる。次に非等方的な成分として上述の位相分布の二次差分で得た分布を、上記1/fの分布と合成する。すなわち、例えば、位相分布の二次差分分布に適切な係数を掛け、1/fの分布に加算あるいは減算し、これを振幅分布に置き換える。
【0145】
図27に1/fの分布を示し、図28位相分布の二次差分分布にある係数を掛けて得られた分布を示す。これら2つの分布を合成して得られた分布は、図29のようになる。この図29に示す分布を振幅分布として用いる。
【0146】
そして、ステップS28では、ステップS23でメモリ部223に記憶しておいた位相分布を読み出して上記置き換えられた振幅分布と合成し、フーリエ複素数平面における各点の実数部と虚数部を計算する。
【0147】
次のステップS29では、ステップS28で得られたフーリエ複素数平面における各点の実数部と虚数部からなる画像をフーリエ逆変換する。これにより、原画像に近い画像を得ることができる。
【0148】
ここで、このようなフーリエ逆変換により得られる画像は、ステップS21における入力画像とは異なり、実数部が負の値になる点が発生するので、このような点を正しく二次元画面上に表現するために、ステップS30において、各点の実数部全体を正規化し、すべての画素値が0以上になるように変換操作を施す。
【0149】
最後のステップS31では、このようにして生成された画像データで与えられる画像を出力する。
【0150】
ここで、上述の図21に示した原画像Cについて、図27に示した1/fの分布を振幅分布として用いることにより得られた再生画像D’を図30に示し、また、1/fの分布と位相分布の二次差分分布にある係数を掛けて得られた分布を合成して得られた図29に示した分布を振幅分布として用いることにより得られた再生画像Dを図31に示す。
【0151】
各再生画像D’,Dを比べると、原画像Cにおいて見られる壁面の模様等の再現性などにおいて、図31に示した再生画像Dの方が優れている。
【0152】
上述の実施の形態において、ステップS25,S26の差分の代わりに微分を用いても同様な処理が可能である。この場合、ステップS25はステップS24においてスムージング変換が行われた位相分布について、そのスムージング変換を進めた方向と同一方向に微分をとることによって行われる。微分をとることによって得られる位相微分分布 φ(ωx,ωy)/ ωは、フーリエ変換後の実数部A(ωx,ωy)、虚数部B(ωx,ωy)と、それぞれの微分A’(ωx,ωy)、B’(ωx,ωy)及び振幅分布R(ωx,ωy)を用いて次の(12)式によって求められる。
【0153】
【数13】
【0154】
この(12)式においては、位相微分分布の分母に振幅分布の2乗R2 (ωx,ωy)があるため、一般的に振幅分布の大きい部分では位相成分の微分絶対値は小さい値となり、同時にその変化も小さくなる。
【0155】
次にステップS26では、二次差分の代わりに二次微分をとる。ここで、位相分布の二次微分分布の 2 φ(ωx,ωy)/ ω2 は、フーリエ変換後の実数部A(ωx,ωy)、虚数部B(ωx,ωy)と、それぞれの微分A’(ωx,ωy)、B’(ωx,ωy)及び振幅分布R(ωx,ωy)を用いて次の(13)式によって求められる。
【0156】
【数14】
【0157】
この(13)式においては、位相の二次微分分布の分母に振幅分布の4乗R4 (ωx,ωy)がある項と、振幅分布の2乗R2 (ωx,ωy)がある項とで構成され、位相微分と同様に、一般的に振幅分布の大きい部分では位相二次微分の絶対値は小さい値となり、同時にその変化も小さくなる。
【0158】
また、次のステップS27では、上述と同様に新たな振幅分布が求められる。
【0159】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、原画像全体を撮像することにより得られる原画像の画像データについて、高速フーリエ変換により得られる変換データの振幅分布を所定の関数で置き換えてから、高速フーリエ逆変換により再生画像を得るので、原画像全体の特徴を大局的に抽出することができる。また、原画像全体を1度に取り込んで処理することにより、従来のように逆変換時にブロック状のノイズが発生することもなく、撮像と画像処理を短時間に効率よく行うことができる。
【0160】
さらに、本発明によれば、原画像全体を撮像することにより得られる原画像の画像データについて、高速フーリエ変換により得られる変換データの振幅分布をフラクタル次元を用いた所定の関数で置き換えてから、高速フーリエ逆変換により再生画像を得ることにより、より原画像を忠実に再現することができる。
【0161】
したがって、本発明によれば、従来のように逆変換時にブロック状のノイズが発生することなく、原画像全体の特徴を大局的に抽出して原画像を忠実に再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する画像処理装置の構成例を示すブロック構成図である。
【図2】振幅と周波数からなる空間座標図である。
【図3】上記画像処理装置により処理された原画像の例を示す図である。
【図4】図3に示した原画像をFFTして得られた周波数成分の振幅分布を示す図である。
【図5】上記画像処理装置による正規化の処理を示す図である。
【図6】上記画像処理装置による画像処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】上記画像処理装置により上記図3に示した原画像を処理して得られた画像を示す図である。
【図8】本発明係る画像処理装置の変形例を示すブロック構成図である。
【図9】本発明を実施する画像処理装置の他の構成例を示すブロック構成図である。
【図10】図9に示した画像処理装置による画像処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】上記画像処理装置により処理された原画像の例を示す図である。
【図12】図11に示した原画像をFFTして得られた周波数成分の振幅分布を示す図である。
【図13】原画像をFFTして極座標に変換した場合に、原画像の背景部分について、R座標に対する振幅をプロットすることにより得られる特性線を示す図である。
【図14】上記画像処理装置により処理された原画像の他の例を示す図である。
【図15】上記画像処理装置により処理された原画像の他の例を示す図である。
【図16】上記画像処理装置により処理された原画像の他の例を示す図である。
【図17】上記画像処理装置により上記図11に示した原画像を処理して得られた画像を示す図である。
【図18】フラクタル次元dを1として上記図11に示した原画像を処理して得られた画像を示す図である。
【図19】本発明を実施する画像処理装置の他の構成例を示すブロック構成図である。
【図20】図19に示した画像処理装置による画像処理の手順を示すフローチャートである。
【図21】上記画像処理装置により処理された原画像の例を示す図である。
【図22】図21に示した原画像のFFT後における振幅分布を示す図である。
【図23】図21に示した原画像をFFT後における位相分布を示す図である。
【図24】図23に示した位相分布を等価スムージング変換した後の位相分布を示す図である。
【図25】図24に示した位相分布の一次差分の分布を示す図である。
【図26】図25に示した位相分布の二次差分の分布を示す図である。
【図27】1/fの分布を示す図である。
【図28】図26に示した位相分布の二次差分分布に係数を掛けた結果を示す図である。
【図29】図25に示した1/f分布と図26に示した位相分布の二次差分分布を合成した結果を示す図である。
【図30】図25に示した1/f分布を振幅分布として用いた場合の再生画像を示す図である。
【図31】図29に示した合成分布を振幅分布として用いた場合の再生画像を示す図である。
【符号の説明】
10,30,110,200 画像処理装置、11,31,111,210 撮像装置、12,32,112,220 信号処理装置、13,33,113,230 モニタ装置、21,41,121,222 入力インタフェース部、22,42,122 高速フーリエ変換部、23,43,123,223 メモリ部、24,44 振幅置換部、25,45,125 高速フーリエ逆変換部、26,46,126,225 出力インタフェース部、31A 光学レンズ、31B CCDイメージャ、31C ガラス板、212 外部入力端子、231 外部出力端子
Claims (36)
- 原画像全体を一度に入力可能な画像入力手段と、
入力された画像をフーリエ変換する変換手段と、
上記変換手段で得られた信号の振幅分布を、この振幅分布に近似し且つ周波数平面の中心からの距離をパラメータとする所定の関数で置換する振幅置換手段と、
上記変換手段で得られた各点の位相分布と上記振幅置換手段で置換された振幅分布とからフーリエ逆変換を行って上記原画像に対応した画像を生成する逆変換手段と
を具備することを特徴とする画像処理装置。 - 上記所定の関数は、上記周波数平面の中心点からの距離をパラメータとする分数関数である
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。 - 上記逆変換手段は、生成した画像の各点の実数部を0以上にするように各点の実数部の値を繰り上げる
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。 - 上記振幅置換手段は、上記変換手段で得られたフーリエ複素数平面の各点の振幅分布の二乗を
f(k) =a/(kb+h)
なる試行関数f(k) で最適近似する
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。 - 原画像全体を一度に入力可能な画像入力手段と、
上記画像入力手段による入力画像をフーリエ変換する変換手段と、
上記変換手段によって得られたフーリエ複素数平面の中心点からの距離に対する振幅分布のフラクタル次元を求めるフラクタル次元算出手段と、
上記変換手段によって得られたフーリエ複素数平面の各点の振幅分布を上記フラクタル次元算出手段により求められるフラクタル次元を用いた所定の関数で置換する振幅置換手段と、
上記変換手段によって得られたフーリエ複素数平面の各点の位相分布と上記振幅置換手段によって置換された振幅分布とからフーリエ逆変換により画像を生成する逆変換手段と
を具備することを特徴とする画像処理装置。 - 上記振幅置換手段は、上記フーリエ複素数平面の中心点からの距離に対応する上記入力画像の空間周波数をf、上記フラクタル次元をd、所定の定数をαとして、α/fd にて示される関数で上記振幅分布を置換することを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
- 上記逆変換手段により生成された画像の各点の実数部の最小値が0以上になるように各点の実数部の値を変換する実数部変換手段を有することを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
- 上記変換手段及び/又は逆変換手段は、光学系によりフーリエ変換及び/又はフーリエ逆変換を行うことを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
- 原画像全体を一度に入力可能な画像入力手段と、
入力された画像をフーリエ変換する変換手段と、
上記変換手段で得られたフーリエ複素数平面の各点の振幅分布を所定の関数で置換する振幅置換手段と、
上記変換手段で得られたフーリエ複素数平面の各点の位相分布を横軸方向あるいは縦軸方向に等価スムージング変換するスムージング変換手段と、
上記スムージング変換手段により等価スムージング変換されたフーリエ複素数平面の各点の位相分布について、そのスムージング変換を行った方向に微分又は差分をとる演算手段と、
上記演算手段により微分又は差分をとった位相分布について、さらに微分又は差分をとる二次演算手段と、
上記振幅置換手段により置換された振幅分布と上記二次演算検出手段により検出された上記位相分布の二次微分又は二次差分を合成し、これを振幅分布に置き換える合成手段と、
上記変換手段で得られたフーリエ複素数平面の各点の位相分布と上記合成手段により合成された振幅分布とからフーリエ逆変換を行って上記原画像に対応した画像を生成する逆変換手段と
を具備することを特徴とする画像処理装置。 - 上記所定の関数は、上記フーリエ複素数平面の中心点からの距離に対応する入力画像の空間周波数fをパラメータとする1/f関数である
ことを特徴とする請求項9記載の画像処理装置。 - 上記スムージング変換手段は、フーリエ複素数平面の縦軸あるいは縦軸上の位相値を出発値とし、横軸方向あるいは縦軸方向における隣り合った点における位相値の変化が±πの範囲内に入るように各点の位相値に2nπ(nは整数)を加える手段を有する
ことを特徴とする請求項9記載の画像処理装置。 - 上記変換手段及び/又は逆変換手段は、高速フーリエ変換アルゴリズムを用いてフーリエ変換及び/又はフーリエ逆変換を行うことを特徴とする請求項9記載の画像処理装置。
- 原画像全体を一度に入力する画像入力ステップと、
入力された画像をフーリエ変換する変換ステップと、
上記フーリエ変換によって得られた信号の振幅分布を、この振幅分布に近似し且つ周波数平面の中心からの距離をパラメータとする所定の関数で置換する振幅置換ステップと、
上記フーリエ変換によって得られた各点の位相分布と上記振幅置換ステップで置換された振幅分布とからフーリエ逆変換を行って上記原画像に対応した画像を生成する逆変換ステップと
を有することを特徴とする画像処理方法。 - 上記所定の関数は、上記周波数平面の中心点からの距離をパラメータとする分数関数である
ことを特徴とする請求項13記載の画像処理方法。 - 上記逆変換ステップでは、生成した画像の各点の実数部を0以上にするように各点の実数部の値を繰り上げる
ことを特徴とする請求項13記載の画像処理方法。 - 上記振幅置換ステップでは、上記変換ステップで得られたフーリエ複素数平面の各点の振幅分布の二乗を
f(k) =a/(kb+h)
なる試行関数f(k) で最適近似する
ことを特徴とする請求項13記載の画像処理方法。 - 原画像全体を一度に入力する画像入力ステップと、
入力画像をフーリエ変換する変換ステップと、
上記フーリエ変換によって得られたフーリエ複素数平面の中心点からの距離に対する振幅分布のフラクタル次元を求めるフラクタル次元算出ステップと、
上記フーリエ変換によって得られたフーリエ複素数平面の各点の振幅分布を上記フラクタル次元を用いた所定の関数で置換する振幅置換ステップと、
上記フーリエ変換によって得られたフーリエ複素数平面の各点の位相分布と上記振幅置換ステップで置換された振幅分布とからフーリエ逆変換により画像を生成する逆変換ステップと
を有することを特徴とする画像処理方法。 - 上記振幅置換ステップでは、上記フーリエ複素数平面の中心点からの距離に対応する上記入力画像の空間周波数をf、上記フラクタル次元をd、所定の定数をαとして、α/fd にて示される関数で上記振幅分布を置換することを特徴とする請求項17記載の画像処理方法。
- 上記逆変換ステップにより生成された画像の各点の実数部の最小値が0以上になるように各点の実数部の値を変換する実数部変換ステップを有することを特徴とする請求項17記載の画像処理方法。
- 上記変換ステップ及び/又は逆変換ステップでは、高速フーリエ変換アルゴリズムを用いてフーリエ変換及び/又はフーリエ逆変換を行うことを特徴とする請求項17記載の画像処理方法。
- 原画像全体を一度に入力可能な画像入力ステップと、
入力された画像をフーリエ変換する変換ステップと、
上記フーリエ変換によって得られたフーリエ複素数平面の各点の振幅分布を所定の関数で置換する振幅置換ステップと、
上記フーリエ変換によって得られたフーリエ複素数平面の各点の位相分布を横軸方向あるいは縦軸方向に等価スムージング変換するスムージング変換ステップと、
上記等価スムージング変換された位相分布について、そのスムージング変換を行った方向に微分又は差分をとる演算ステップと、
上記微分又は差分をとった位相分布について、さらに微分又は差分をとる二次演算ステップと、
上記所定の関数で置換された振幅分布と上記位相分布の二次微分又は二次差分を合成し、これを振幅分布に置き換える合成ステップと、
上記フーリエ変換によって得られたフーリエ複素数平面の各点の位相分布と上記合成された振幅分布とからフーリエ逆変換を行って上記原画像に対応した画像を生成する逆変換ステップと
を有することを特徴とする画像処理方法。 - 上記所定の関数は、上記フーリエ複素数平面の中心点からの距離に対応する入力画像の空間周波数fをパラメータとする1/f関数である
ことを特徴とする請求項21記載の画像処理方法。 - 上記スムージング変換ステップは、フーリエ複素数平面の縦軸あるいは縦軸上の位相値を出発値とし、横軸方向あるいは縦軸方向における隣り合った点における位相値の変化が±πの範囲内に入るように各点の位相値に2nπ(nは整数)を加えるステップを有する
ことを特徴とする請求項21記載の画像処理方法。 - 上記変換ステップ及び/又は逆変換ステップでは、高速フーリエ変換アルゴリズムを用いてフーリエ変換及び/又はフーリエ逆変換を行うことを特徴とする請求項21記載の画像処理方法。
- 原画像全体を一度に入力する画像入力ステップと、入力された画像をフーリエ変換する変換ステップと、上記変換ステップで得られた信号の振幅分布を、この振幅分布に近似し且つ周波数平面の中心からの距離をパラメータとする所定の関数で置換する振幅置換ステップと、上記変換ステップで得られた各点の位相分布と上記振幅置換ステップで置換された振幅分布とからフーリエ逆変換を行って上記原画像に対応した画像を生成する逆変換ステップとを有することを特徴とするコンピュータにより読み取り実行可能な画像処理プログラムを記録した情報記録媒体。
- 上記所定の関数は、上記周波数平面の中心点からの距離をパラメータとする分数関数であることを特徴とする請求項25記載のコンピュータにより読み取り実行可能な画像処理プログラムを記録した情報記録媒体。
- 上記逆変換ステップでは、生成した画像の各点の実数部を0以上にするように各点の実数部の値を繰り上げることを特徴とする請求項25記載のコンピュータにより読み取り実行可能な画像処理プログラムを記録した情報記録媒体。
- 上記振幅置換ステップでは、上記変換ステップで得られたフーリエ複素数平面の各点の振幅分布の二乗を
f(k) =a/(kb+h)
なる試行関数f(k) で最適近似する
ことを特徴とする請求項25記載のコンピュータにより読み取り実行可能な画像処理プログラムを記録した情報記録媒体。 - 原画像全体を一度に入力する画像入力ステップと、入力画像をフーリエ変換する変換ステップと、上記フーリエ変換によって得られたフーリエ複素数平面の中心点からの距離に対する振幅分布のフラクタル次元を求めるフラクタル次元算出ステップと、上記フーリエ変換によって得られたフーリエ複素数平面の各点の振幅分布を上記フラクタル次元を用いた所定の関数で置換する置換ステップと、上記フーリエ変換によって得られたフーリエ複素数平面の各点の位相分布と上記振幅置換ステップで置換された振幅分布とからフーリエ逆変換により画像を生成する逆変換ステップとを有することを特徴とするコンピュータにより読み取り実行可能な画像処理プログラムを記録した情報記録媒体。
- 上記振幅置換ステップでは、上記フーリエ複素数平面の中心点からの距離に対応する上記入力画像の空間周波数をf、上記フラクタル次元をd、所定の定数をαとして、α/fd にて示される関数で上記振幅分布を置換することを特徴とする請求項29記載のコンピュータにより読み取り実行可能な画像処理プログラムを記録した情報記録媒体。
- 上記逆変換ステップにより生成された画像の各点の実数部の最小値が0以上になるように各点の実数部の値を変換する実数部変換ステップを有することを特徴とする請求項29記載のコンピュータにより読み取り実行可能な画像処理プログラムを記録した情報記録媒体。
- 上記変換ステップ及び/又は逆変換ステップでは、高速フーリエ変換アルゴリズムを用いてフーリエ変換及び/又はフーリエ逆変換を行うことを特徴とする請求項29記載のコンピュータにより読み取り実行可能な画像処理プログラムを記録した情報記録媒体。
- 原画像全体を一度に入力可能な画像入力ステップと、
入力された画像をフーリエ変換する変換ステップと、
上記フーリエ変換によって得られたフーリエ複素数平面の各点の振幅分布を所定の関数で置換する振幅置換ステップと、
上記フーリエ変換によって得られたフーリエ複素数平面の各点の位相分布を横軸方向あるいは縦軸方向に等価スムージング変換するスムージング変換ステップと、
上記等価スムージング変換された位相分布について、そのスムージング変換を行った方向に微分又は差分をとる演算ステップと、
上記微分又は差分をとった位相分布について、さらに微分又は差分をとる二次演算ステップと、
上記所定の関数で置換された振幅分布と上記位相分布の二次微分又は二次差分を合成し、これを振幅分布に置き換える合成ステップと、
上記フーリエ変換によって得られたフーリエ複素数平面の各点の位相分布と上記合成された振幅分布とからフーリエ逆変換を行って上記原画像に対応した画像を生成する逆変換ステップと
を有することを特徴とするコンピュータにより読み取り実行可能な画像処理プログラムを記録した情報記録媒体。 - 上記所定の関数は、上記フーリエ複素数平面の中心点からの距離に対応する入力画像の空間周波数fをパラメータとする1/f関数である
ことを特徴とする請求項33記載のコンピュータにより読み取り実行可能な画像処理プログラムを記録した情報記録媒体。 - 上記スムージング変換ステップは、フーリエ複素数平面の縦軸あるいは縦軸上の位相値を出発値とし、横軸方向あるいは縦軸方向における隣り合った点における位相値の変化が±πの範囲内に入るように各点の位相値に2nπ(nは整数)を加えるステップを有する
ことを特徴とする請求項33記載のコンピュータにより読み取り実行可能な画像処理プログラムを記録した情報記録媒体。 - 上記変換ステップ及び/又は逆変換ステップでは、高速フーリエ変換アルゴリズムを用いてフーリエ変換及び/又はフーリエ逆変換を行うことを特徴とする請求項33記載のコンピュータにより読み取り実行可能な画像処理プログラムを記録した情報記録媒体。
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