JP4280957B2 - 画像処理装置および方法、並びに記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置および方法、並びに記録媒体に関し、特に、例えば、複数のピントのぼけ具合の異なる画像を用いて、ピントの合った1枚の画像を作成することができるようにした画像処理装置および方法、並びに記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、カメラの中でも、オートフォーカスカメラが主流になりつつある。このオートフォーカスカメラは、対象物体までの距離を測定して、その距離に対応してレンズを最適な位置(フォーカスの合った、すなわち、ピントの合った画像を撮像面に投影することができる位置)に移動させた後、対象物体を撮影することにより、ピントの合った画像を得ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ピントを合わせるために、レンズを移動させるための高価な部品を必要とする課題があった。
【0004】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、低コストで、レンズを移動させることなく、ピントの合った画像を作成することができるようにするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像処理装置は、レンズからの距離が異なる位置にそれぞれレンズと平行に設けられた複数の撮像面で撮像された、錯乱円の半径がそれぞれ異なる対象物体の複数の画像を取得する取得手段と、取得手段により取得された複数の画像の重みを算出する第1の算出手段と、取得手段により取得された複数の画像の平均値を算出する第2の算出手段と、第1の算出手段により算出された重みと、第2の算出手段により算出された複数の画像の平均値に基づいて、重み付き平均を求めることにより、1つの対象物体にピントの合った画像を生成する画像生成手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
本発明の画像処理装置は、複数の撮像面で対象物体の画像を撮像する撮像手段をさらに設けるようにすることができる。
【0007】
本発明の画像処理方法は、レンズからの距離が異なる位置にそれぞれレンズと平行に設けられた複数の撮像面で撮像された、錯乱円の半径がそれぞれ異なる対象物体の複数の画像を取得する取得ステップと、取得ステップの処理により取得された複数の画像の重みを算出する第1の算出ステップと、取得ステップの処理により取得された複数の画像の平均値を算出する第2の算出ステップと、第1の算出ステップの処理により算出された重みと、第2の算出ステップの処理により算出された複数の画像の平均値に基づいて、重み付き平均を求めることにより、1つの対象物体にピントの合った画像を生成する画像生成ステップとを含むことを特徴とする。
【0008】
本発明の記録媒体に記録されているプログラムは、レンズからの距離が異なる位置にそれぞれレンズと平行に設けられた複数の撮像面で撮像され、錯乱円の半径がそれぞれ異なる対象物体の複数の画像を取得する取得ステップと、取得ステップの処理により取得された複数の画像の重みを算出する第1の算出ステップと、取得ステップの処理により取得された複数の画像の平均値を算出する第2の算出ステップと、第1の算出ステップの処理により算出された重みと、第2の算出ステップの処理により算出された複数の画像の平均値に基づいて、重み付き平均を求めることにより、1つの対象物体にピントの合った画像を生成する画像生成ステップとを含むことを特徴とする。
【0009】
本発明の画像処理装置および方法、並びに記録媒体に記録されているプログラムにおいては、撮像された複数の画像の重みが算出されるとともに、複数の画像の平均値が算出され、算出された重みと複数の画像の平均値に基づいて、重み付き平均が求められることにより、1つの対象物体にピントの合った画像が生成される。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を適用した実施の形態の構成例を示す図である。なお、説明をわかりやすくするために、撮像装置2と画像処理装置3は、個々に図示されているが、一体となっていてもよい。
【0011】
撮影対象物体1は、撮影の対象になる物体である。撮像装置2は、レンズ11(図2)からの距離が異なるCCD12−1乃至12−3(図2)により、撮影対象物体1の画像を撮像する。画像処理装置3は、撮像装置2で撮影された撮影対象物体1の3枚の画像を用いて、ピントの合った(フォーカスの合った)1枚の画像を作成する。
【0012】
図2は、撮像装置2の光学系の構成例を示す図である。
【0013】
レンズ11は、撮影対象物体1より入射された光を、図示せぬハーフミラーを介して、CCD(Charge Coupled Device)12−1の撮像面12−1a,CCD12−2の撮像面12−2a、およびCCD12−3の撮像面12−3aにそれぞれ導く。ここで、レンズ11は、焦点距離がZであり、直径がDであり、撮影対象物体1との距離がAであるとする。
【0014】
CCD12−1乃至12−3は、レンズ11の取り付け基準面から撮像面12−1a乃至12−3aまでの距離(フランジバック)が、それぞれ異なる位置に配置されており、複数の撮像画像を得ることができる。ここで、レンズ11の基準面とCCD12−1の撮像面12−1aとの距離はB1であり、レンズ11の基準面とCCD12−2の撮像面12−2aとの距離はB2であり、レンズ11の基準面とCCD12−3の撮像面12−3aとの距離はB3であるとする。また、レンズ11の基準面と撮影対象物体1の結像位置Qとの距離はBであり、B1<B2<B3<Bの関係が成り立つとする。
【0015】
なお、距離B1乃至距離B3は固定されており、距離Aの値に関わらず、それらの値は、常に一定にされるとともに、距離Bに対して、距離B1と距離B2の差、および、距離B2と距離B3の差が微小であるように設定されている。ただし、レンズ11と結像位置Qとの距離Bは、撮影対象物体1とレンズ11との距離Aに応じて変化する。
【0016】
CCD12−1の撮像面12−1aでは、ピントがかなりずれた画像が撮像される。すなわち、錯乱円の半径がR1となる画像が撮像される。この画像は、ピントの合ったシャープな画像(レンズ11から距離Bだけ離れた位置に撮像面を配置した場合に撮影される画像)に対して、半径R1のボックスフィルタをかけた画像と等価である。
【0017】
なお、半径Rのボックスフィルタとは、原点から半径R内の位置(領域)においては、1/(πR2)であり、それ以外の位置においては、0となるフィルタのことである。
【0018】
CCD12−2の撮像面12−2aでは、CCD12−1の撮像面12−1aで撮像される画像に比べると多少はピントが合っているが、それでもまだ、ピントがずれた画像が撮像される。すなわち、錯乱円の半径がR2となる画像が撮像される。この画像は、ピントの合ったシャープな画像(レンズ11から距離Bだけ離れた位置に撮像面を配置した場合に撮影される画像)に対して、半径R2のボックスフィルタをかけた画像と等価である。
【0019】
CCD12−3の撮像面12−3aでは、CCD12−2の撮像面12−2aで撮像される画像に比べると多少はピントが合っているが、それでもまだ、ピントがずれた画像が撮像される。すなわち、錯乱円の半径がR3となる画像が撮像される。この画像は、ピントの合ったシャープな画像(レンズ11から距離Bだけ離れた位置に撮像面を配置した場合に撮影される画像)に対して、半径R3のボックスフィルタをかけた画像と等価である。
【0020】
このように、撮像装置2では、半径R1の錯乱円である画像、半径R2の錯乱円である画像、および、半径R3の錯乱円である画像を撮像し、画像処理装置3に出力する。
【0021】
なお、上述したように、距離B1と距離B2の差、および、距離B2と距離B3の差が微小であるように設定されているので、半径R1と半径R2、および、半径R2と半径R3は、ほぼ等しくなる。また、図2に示されるように、半径R1,半径R2、および半径R3は、R1>R2>R3の関係が成り立つ。
【0022】
図3は、画像処理装置3のハードウェアの電気的構成例を示すブロック図である。
【0023】
演算処理回路21は、バス25を介してプログラムメモリ22に格納されている処理プログラムを読み出し、後述する処理を行う。プログラムメモリ22は、演算処理回路21が処理を行うためのプログラムや、演算処理回路21の動作上必要なデータを記憶する。データメモリ23は、演算前の画像データや、演算処理回路21で処理された処理データ(ピントの合った画像データ)などを記憶する。フレームメモリ24は、データメモリ23に記憶された処理データを画像表示部29に表示するために、その処理データを一旦格納する。演算処理回路21、プログラムメモリ22、データメモリ23、およびフレームメモリ24は、バス25を介して相互に接続されているとともに、入出力インターフェース26にも接続されている。
【0024】
入出力インターフェース26には、撮像装置2で撮影された複数の画像データを入力したり、処理データを外部装置に出力したりするための入出力端子27、キーボードやマウスよりなる入力部28、LCD(Liquid Crystal Display),CRT(Cathode Ray Tube)などより構成される画像表示部29が接続されている。また、入出力インターフェース26には、必要に応じて、プログラムをインストールするためのドライブ30が接続されており、磁気ディスク41、光ディスク42、光磁気ディスク43、または半導体メモリ44などが装着される。
【0025】
次に、本発明の実施の形態の動作を説明する前に、撮像装置2より画像処理装置3に供給される画像(以下、G(x,y)と記載する)について詳しく説明する。
【0026】
まず、画像G(x,y)に対して、次式(1)で表わされる計算を考える。
【数1】
【0027】
ここで、H(x,y,T)は、位置(x,y)から距離Tだけ離れた全ての位置における画像G(x,y)の平均値を表し、θは、角度変数を表している。すなわち、上記式(1)では、位置(x,y)から(Tcos(θ),Tsin(θ))だけずれた位置の画像G(x,y)の値が、θ=0乃至2πの間で積分され、積分された値を2πで除算することにより、画像G(x,y)の平均値が算出される。以下、画像G(x,y)の平均値は、画像H(x,y,T)と記載する。
【0028】
この画像G(x,y)は、ピントの合ったシャープな画像F(x,y)に対して、半径Rだけピンぼけした画像であるとする。すなわち、錯乱円の半径がRの画像が、画像G(x,y)であるとする。以下、錯乱円の半径がRである画像は、画像G(x,y,R)と記載する。
【0029】
上述したように、半径Rの錯乱円である画像G(x,y,R)は、ピントの合ったシャープな画像F(x,y)に対して、半径Rのボックスフィルタをかけた画像と等価であるので、半径Rの錯乱円である画像G(x,y,R)は、次式(2)で表わされる。
【数2】
【0030】
ここで、S(R)は、半径Rの円内を表わしている。すなわち、上記式(2)では、(u,v)だけずれた位置のシャープな画像F(x,y)の値が、半径Rの円内(S(R))で二重積分され、二重積分された値をπR2で除算することにより、画像G(x,y,R)の値が算出される。
【0031】
この半径Rの錯乱円である画像G(x,y,R)の平均値は、上記式(2)を上記式(1)に代入することにより算出され、次式(3)で表わされる。
【数3】
【0032】
ここで、H(x,y,T,R)は、位置(x,y)から距離Tだけ離れた全ての位置における、半径Rの錯乱円である画像G(x,y,R)の平均値を表し、θは、角度変数を表わしている。以下、半径Rの錯乱円である画像G(x,y,R)の平均値は、画像H(x,y,T,R)と記載する。
【0033】
このように、半径Rの錯乱円である画像G(x,y,R)に対して、上記式(1)の計算を行うことにより、新たな画像H(x,y,T,R)が得られる。この新たな画像H(x,y,T,R)は、ピントの合ったシャープな画像F(x,y)に対して、上記式(3)の計算を行うことにより得られた画像H(x,y,T,R)と一致する。
【0034】
次に、ピントの合ったシャープな画像F(x,y)の各点の値が、上記式(3)により算出される画像H(x,y,T,R)の値にどの程度寄与しているのか否かを考える。すなわち、位置(x+p,y+q)における画像F(x,y)の値が、位置(x,y)における画像H(x,y,T,R)の値にどの程度寄与しているのか否かを表わすデータHC(x,y,x+p,y+q,T,R)を算出することを考える。
【0035】
このデータHC(x,y,x+p,y+q,T,R)は、ピントの合ったシャープな画像F(x,y)として、位置(x+p,y+q)においては1、それ以外においては0であると仮定して、上記式(3)を算出することにより求められる。すなわち、データHC(x,y,x+p,y+q,T,R)は、デルタ関数を用いて、次式(4)で表わされる。
【数4】
【0036】
ここで、(u,v)の二重積分は、x座標が、x+Tcos(θ)−(x+p)で、y座標が、y+Tsin(θ)−(y+q)である点が、半径R内の位置に存在すれば1、存在しなければ0となる。すなわち、点(x+Tcos(θ),y+Tsin(θ))を中心とする半径R内に、点(x+p,y+q)が存在すれば1、存在しなければ0とする。
【0037】
このように、上記式(4)において、(u,v)の二重積分の値が1となる範囲を図4に示す。
【0038】
図4において、横軸をx軸とし、縦軸をy軸とする(なお、図4以降の図においても同様とする)。同図において、領域51および領域52は、いずれも半径Rの円であり、点(x,y)から距離Tだけ離れた位置にその円の中心があり、かつ、円周上に点(x+p,y+q)が存在する。また、x軸方向に対して、点(x,y)から領域51の中心方向の角度はφ1であり、点(x,y)から領域52の中心方向の角度はφ2である。なお、距離Tは、T>Rであるとする。
【0039】
このように、角度φ1と角度φ2を定義した場合、角度φ1と角度φ2の間に角度θが存在すれば、点(x+Tcos(θ),y+Tsin(θ))を中心とする半径R内に点(x+p,y+q)が存在することになる。従って、次式(5)で表わされるように、上記式(4)を変形することができる。ここで、Δφは、Δφ=φ2−φ1を表わしている。
【数5】
【0040】
図5は、上記式(5)により算出されるデータHC(x,y,x+p,y+q,T,R)がどのような範囲の値であるのかを示す図である。ここで、Δφは、図4に示されたφ2−φ1と等しい値である。
【0041】
図5において、領域61は、半径Rの円であり、原点Oから距離Tだけ離れた位置にその円の中心(T,0)があり、かつ、円周上に、原点Oからの距離がLである点P1,P2が存在する。ここで、Lは、図4に示された、点(x,y)と点(x+p,y+q)との距離を表わしており、L=√(p2+q2)である。Δφは、原点Oから見た、点P1と点P2からなる円弧の部分の角度を表わしている。なお、距離Lは、(T−R)≦L≦(T+R)であるとする。
【0042】
このように、距離Tが、T>Rで、かつ、点(x,y)と点(x+p,y+q)との距離Lが、(T−R)≦L≦(T+R)となる場合には、上記式(4)に示されたデータHC(x,y,x+p,y+q,T,R)の値を算出することができる。また、距離Tが、T<Rとなる場合にも、同様に、上記式(4)に示されたデータHC(x,y,x+p,y+q,T,R)の値を算出することができる。
【0043】
図6は、距離Tが、T<Rで、かつ、点(x,y)と点(x+p,y+q)との距離Lが、(R−T)≦L≦(T+R)となる場合に、上記式(4)により算出されるデータHC(x,y,x+p,y+q,T,R)がどのような範囲の値であるのかを示す図である。
【0044】
図6において、領域71は、半径Rの円であり、原点Oから距離Tだけ離れた位置にその円の中心(T,0)があり、かつ、円周上に、原点Oからの距離がLである点P1,P2が存在する。ここで、Lは、図4に示された、点(x,y)と点(x+p,y+q)との距離を表わしており、L=√(p2+q2)である。Δφは、原点Oから見た、点P1と点P2からなる円弧の部分の角度を表わしている。
【0045】
図7は、距離Tが、T<Rで、かつ、点(x,y)と点(x+p,y+q)との距離Lが、L<(R−T)となる場合に、上記式(4)により算出されるデータHC(x,y,x+p,y+q,T,R)がどのような範囲の値であるのかを示す図である。
【0046】
図7において、領域81は、半径Rの円であり、かつ、原点Oから距離Tだけ離れた位置にその円の中心(T,0)がある。この場合、Δφは、全ての角度θ(0度乃至360度)において、(Tcos(θ),Tsin(θ))を中心とする半径R内に点(p,q)が存在するので、Δφ=360度である。
【0047】
図5乃至図7に示された図からわかるように、上記式(4)のデータHC(x,y,x+p,y+q,T,R)は、値x、値y、値p、および値qに、直接は関係しておらず、点(x,y)と点(x+p,y+q)との距離Lに関係している。以下、説明をわかりやすくするために、データHC(x,y,x+p,y+q,T,R)は、データHC(L,T,R)と記載する。
【0048】
ところで、T>Rで、かつ、L<(T−R)となる場合や、あるいは、T>Rで、かつ、(T+R)<Lとなる場合には、任意の角度θ(0度乃至360度)において、(Tcos(θ),Tsin(θ))を中心とする半径R内に点(p,q)は存在しないことを考慮すると、上記式(4)は、次式(6)で表わされる。
【数6】
【0049】
ここで、Mは、次式(7)で表わされる。
【数7】
【0050】
このように、半径Rの錯乱円である画像G(x,y,R)に対して、上記式(1)を算出することにより、新たな画像H(x,y,T,R)を得ることができる。この新たな画像H(x,y,T,R)は、ピントの合ったシャープな画像F(x,y)に対して、上記式(3)により算出された画像H(x,y,T,R)と一致する。
【0051】
ここで、任意の位置(x,y)に着目すると、この任意の位置(x,y)における画像H(x,y,T,R)の値は、上記式(3)で示されたように、各位置(x+p,y+q)における画像F(x,y)の値に重みを付けて加算(積分)することで得られる。この重み(すなわち寄与率)は、L=√(p2+q2)の関数であり、その値は、上記式(6)に示されたデータHC(L,T,R)である。
【0052】
次に、ピントの合ったシャープな1枚の画像F(x,y)に対して、ピントのぼけ具合の異なる3枚の画像を考える。
$
これら3枚の画像のピントのぼけ具合(すなわち、錯乱円の半径)を、R1,R2,R3(R1>R2>R3)とする。これにより、3枚の画像は、G1(x,y,R1)、G2(x,y,R2)、およびG3(x,y,R3)と表わされる。そして、これらの画像G1(x,y,R1)、画像G2(x,y,R2)、および画像G3(x,y,R3)に対して、上記式(3)を算出する。なお、画像G1(x,y,R1)に対しては、T=R2とし、画像G2(x,y,R2)に対しては、T=R1とし、画像G3(x,y,R3)に対しては、T=R1+R2−R3とする。
【0053】
上記式(3)の算出の結果、画像G1(x,y,R1)の平均値は画像H(x,y,R2,R1)、画像G2(x,y,R2)の平均値はH(x,y,R1,R2)、画像G3(x,y,R3)の平均値はH(x,y,R1+R2-R3,R3)となる。これら3枚の画像に対して、重みW1,W2,W3を用いて、次式(8)に従って、重み付き平均を行う。
【数8】
【0054】
ここで、H3(x,y,R1,R2,R3,W1,W2,W3)は、3枚の画像のH(x,y,R2,R1)、H(x,y,R1,R2)、およびH(x,y,R1+R2-R3,R3)の重み付き平均を表わしており、以下、画像H3と略記する。このように、任意の位置(x,y)における、画像H3の値は、各位置(x+p,y+q)における画像F(x,y)の値に重みを付けて加算(積分)することで得られる。この重み(すなわち、寄与率)は、次式(9)で表わされる。
【数9】
【0055】
ここで、H3C(L,R1,R2,R3,W1,W2,W3)は、画像H3の重みを表わし、以下、重みH3 Cと略記する。Lは、図4に示された、点(x,y)と点(x+p,y+q)との距離を表わしており、L=√(p2+q2)である。
【0056】
図8は、上記式(9)により算出される重みH3Cがどのような範囲の値であるのかを示す図である。
【0057】
図8において、領域91乃至領域93は、それぞれ、半径R1、半径R2、および、半径R3の円であり、かつ、それらの円の中心が(R2,0)、(R1,0)、および、(R1+R2-R3,0)である。ここで、距離Lが、L<(R1−R2)である場合を例として、同図に示される距離L1を考える。
【0058】
この場合、上記式(9)に示された右辺の第1項であるW1・HC(L,R2,R1)は、図7を参照して説明したように、上記式(6)に示された0≦L≦(R−T)の範囲に相当するので、次式で表わされる。
W1・HC(L,R2,R1)=W1・(360/2(πR1)2)
なお、上記式(9)に示された右辺の第2項であるW2・HC(L,R1,R2)、および、第3項であるW3・HC(L,R1+R2-R3,R3)は、ともに0である。
【0059】
次に、距離Lが、(R1−R2)≦L<(R1+R2)−(2・R3)である場合を例として、図8に示される距離L2を考える。ここで、原点Oから見た、点N1、点N2、点N3、および点N4からなる円弧の部分の角度を∠N1N2N3N4と表わし、原点Oから見た、点N2と点N3からなる円弧の部分の角度を∠N2N3と表わす。
【0060】
この場合、上記式(9)に示された右辺の第1項であるW1・HC(L,R2,R1)は、次式で表わされる。
W1・HC(L,R2,R1)=W1・(∠N1N2N3N4/2(πR1)2)
また、上記式(9)に示された右辺の第2項であるW2・HC(L,R1,R2)は、次式で表わされる。
W2・HC(L,R1,R2)=W2・(∠N2N3/2(πR2)2)
なお、上記式(9)に示された右辺の第3項であるW3・HC(L,R1+R2-R3,R3)は、0である。
【0061】
次に、距離Lが、(R1+R2−R3)≦L<(R1+R2)である場合を例として、図8に示される距離L3を考える。ここで、原点Oから見た、点N5、点N6、点N7、点N8、点N9、および点N10からなる円弧の部分の角度を∠N5N6N7N8N9N10と表わし、原点Oから見た、点N6、点N7、点N8、および点N9からなる円弧の部分の角度を∠N6N7N8N9と表わし、原点Oから見た、点N7と点N8からなる円弧の部分の角度を∠N7N8と表わす。
【0062】
この場合、上記式(9)に示された右辺の第1項であるW1・HC(L,R2,R1)は、次式で表わされる。
W1・HC(L,R2,R1)=W1・(∠N5N6N7N8N9N10/2(πR1)2)
また、上記式(9)に示された右辺の第2項であるW2・HC(L,R1,R2)は、次式で表わされる。
W2・HC(L,R1,R2)=W2・(∠N6N7N8N9/2(πR2)2)
さらにまた、上記式(9)に示された右辺の第3項であるW3・HC(L,R1+R2-R3,R3)は、次式で表わされる。
W3・HC(L,R1+R2-R3,R3)=W3・(∠N7N8/2(πR3)2)
【0063】
なお、距離Lが、(R1+R2)≦Lである場合、上記式(9)に示された右辺の各項は、すべて0である。
【0064】
図8からわかるように、例えば、W1=(πR1)2、W2=-2・(πR2)2、および、W3=(πR3)2とすると、L=L1である場合、重みH3Cの値は、次式で表わされる。
H3C=360/2=180
また、L=L2である場合、重みH3Cの値は、次式で表わされる。
H3C=(∠N1N2N3N4/2)−2・(∠N2N3/2)
この値は、図8からもわかるように、ほぼ0である。また、L=L3である場合、重みH3Cの値は、次式で表わされる。
H3C=(∠N5N6N7N8N9N10/2)−2・(∠N6N7N8N9/2)+(∠N7N8/2)
この値は、図8からもわかるように、ほぼ0である。
【0065】
このように、重みW1,W2,W3を設定すると、距離Lが、L<(R1−R2)となる場合に比べて、L≧(R1−R2)の場合には、3枚の画像の重みH3Cの値が、極端に0に近づく。従って、位置(x,y)の画像H3の値に寄与するシャープな画像F(x,y)の値は、その位置が(x,y)付近に存在するもののみであることがわかる。
【0066】
次に、ピントの合ったシャープな1枚の画像F(x,y)に対して、ピントのぼけ具合の異なる2枚の画像を考える。
【0067】
これら2枚の画像のピントのぼけ具合(すなわち、錯乱円の半径)を、R1,R2(R1>R2)とする。すなわち、2枚の画像は、G1(x,y,R1)、および、G2(x,y,R2)と表わされる。そして、これらの画像G1(x,y,R1)および画像G2(x,y,R2)に対して、上記式(3)を算出する。なお、画像G1(x,y,R1)に対しては、T=R2とし、画像G2(x,y,R2)に対しては、T=R1とする。
【0068】
上記式(3)の算出の結果、画像G1(x,y,R1)の平均値は画像H(x,y,R2,R1)、画像G2(x,y,R2)の平均値は画像H(x,y,R1,R2)となる。これら2枚の画像に対して、重みW1,W2を用いて、次式(10)に従って、重み付き平均を行う。
【数10】
【0069】
ここで、H2(x,y,R1,R2,W1,W2)は、2枚の画像のH(x,y,R2,R1)およびH(x,y,R1,R2)の重み付き平均を表わしており、以下、画像H2と略記する。このように、任意の位置(x,y)における、画像H2の値は、各位置(x+p,y+q)における画像F(x,y)の値に重みを付けて加算(積分)することで得られる。この重み(すなわち、寄与率)は、次式(11)で表わされる。
【数11】
【0070】
ここで、H2C(L,R1,R2,W1,W2)は、画像H2の重みを表わし、以下、重みH2Cと略記する。Lは、図4に示された、点(x,y)と点(x+p,y+q)との距離を表わしており、L=√(p2+q2)である。
【0071】
図9は、上記式(11)により算出される重みH2Cがどのような範囲の値であるのかを示す図である。
【0072】
図9において、領域101および領域102は、それぞれ、半径R1および半径R2であり、かつ、それらの円の中心が(R2,0)および(R1,0)である。ここで、距離Lが、L<(R1−R2)である場合を例として、同図に示される距離L4を考える。
【0073】
この場合、上記式(11)に示された右辺の第1項であるW1・HC(L.R2,R1)は、図7を参照して説明したように、上記式(6)に示された0≦L≦(R−T)の範囲に相当するので、次式で表わされる。
W1・HC(L.R2,R1)=W1・(360/2(πR1)2)
なお、上記式(9)に示された右辺の第2項であるW2・HC(L,R1,R2)は、0である。
【0074】
次に、距離Lが、(R1−R2)≦L<(R1+R2)である場合を例として、図9に示される距離L5を考える。ここで、原点Oから見た、点N11、点N12、点N13、および点N14からなる円弧の部分の角度を∠N11N12N13N14と表わし、原点Oから見た、点N12と点N13からなる円弧の部分の角度を∠N12N13と表わす。
【0075】
この場合、上記式(11)に示された右辺の第1項であるW1・HC(L,R2,R1)は、次式で表わされる。
W1・HC(L,R2,R1)=W1・(∠N11N12N13N14/2(πR1)2)
また、上記式(11)に示された右辺の第2項であるW2・HC(L,R1,R2)は、次式で表わされる。
W2・HC(L,R1,R2)=W2・(∠N12N13/2(πR2)2)
【0076】
なお、距離Lが、(R1+R2)≦Lである場合、上記式(11)に示された右辺の各項は、すべて0である。
【0077】
図9に示される図からわかるように、例えば、W1=(πR1)2、および、W2=−C・(πR2)2とすると、L=L4である場合、重みH2Cの値は、次式で表わされる。ここで、Cは、ほぼ1.2となる値である。
H2C=360/2=180
また、L=L5である場合、重みH2Cの値は、次式で表わされる。
H2C=(∠N11N12N13N14/2)−C・(∠N12N13/2)
この値は、図9からもわかるように、ほぼ0である。
【0078】
このように、重みW1,W2を設定すると、距離Lが、L<(R1−R2)となる場合に比べて、L≧(R1−R2)の場合には、2枚の画像の重みH2Cの値が、極端に0に近づく。従って、位置(x,y)の画像H2の値に寄与するシャープな画像F(x,y)の値は、その位置が(x,y)付近に存在するもののみであることがわかる。
【0079】
次に、図10のフローチャートを参照して、画像処理装置3が実行する、ピントのぼけ具合の異なる3枚の画像を用いて、ピントの合ったシャープな1枚の画像に修復する処理について説明する。
【0080】
ステップS1において、演算処理回路21は、修復を行う(ピント合わせを行う)ための複数(いまの場合、3枚)の画像データを撮像装置2から読み込み、入出力端子27、入出力インタフェース26、およびバス25を介してデータメモリ23に一旦記憶させる。これにより、データメモリ23には、3枚の画像G1(x,y)、画像G2(x,y)、および画像G3(x,y)が記憶される。
【0081】
ステップS2において、入力部28は、ステップS1の処理で読み込まれた3枚の画像データに対して、ぼけ具合(錯乱円の半径)の入力を行う。すなわち、ユーザにより入力部28が操作され、3枚の画像データに対して、ぼけ具合の入力が行われる。これにより3枚の画像G1(x,y,R1)、画像G2(x,y,R2)、および画像G3(x,y,R3)が設定される。
【0082】
ステップS3において、演算処理回路21は、データメモリ23に記憶されている3枚の画像データを読み出し、重みW1,W2,W3を算出する。ここで、演算処理回路21は、上記式(9)に示された重みH3Cの値が、L>(R1−R2)の範囲において、なるべく小さい値となるような重みW1,W2,W3を算出する。そして、演算処理回路21は、算出した重みW1,W2,W3をデータメモリ23に記憶する。
【0083】
ステップS4において、演算処理回路21は、データメモリ23に記憶されている3枚の画像データの平均値をそれぞれ算出する。すなわち、演算処理回路21は、画像G1(x,y,R1)、画像G2(x,y,R2)、および画像G3(x,y,R3)の平均値を、次式(12)、次式(13)、および、次式(14)に従って、それぞれ算出する。
【数12】
【数13】
【数14】
【0084】
上記式(12)では、位置(x,y)から(R2cos(θ),R2sin(θ))だけずれた位置の画像G1(x,y,R1)の値が、θ=0乃至2πの間で積分され、積分された値を2πで除算することにより、画像G1(x,y,R1)の平均値が算出される。上記式(13)では、位置(x,y)から(R1cos(θ),R1sin(θ))だけずれた位置の画像G2(x,y,R2)の値が、θ=0乃至2πの間で積分され、積分された値を2πで除算することにより、画像G2(x,y,R2)の平均値が算出される。上記式(14)では、位置(x,y)から((R1+R2-R3)cos(θ), (R1+R2-R3)sin(θ))だけずれた位置の画像G3(x,y,R3)の値が、θ=0乃至2πの間で積分され、積分された値を2πで除算することにより、画像G3(x,y,R3)の平均値が算出される。
【0085】
ステップS5において、演算処理回路21は、ステップS4の処理で算出された3枚の画像データの平均値である画像h1(x,y)、画像h2(x,y)、および画像h3(x,y)に対して、ステップS3の処理で算出された重みW1,W2,W3を用いて、次式(15)に従って、重み付き平均を行う。
【数15】
【0086】
上記式(15)では、画像h1(x,y)、画像h2(x,y)、および、画像h3(x,y)の値に、それぞれ、重みW1,W2,W3を付けて加算することで、画像H3が得られる。
【0087】
そして、ステップS5において、演算処理回路21は、算出された画像H3をデータメモリ23に記憶させる。
【0088】
ステップS6において、演算処理回路21は、ステップS5の処理で算出され、データメモリ23に記憶されている画像H3を読み出し、フレームメモリ24に一旦記憶させる。そして、演算処理回路21は、フレームメモリ24に記憶されている画像を、バス25および入出力インタフェース26を介して画像表示部29に出力させ、処理は終了される。
【0089】
このように、3枚のピントのぼけ具合(錯乱円の半径)の異なる画像の重み付き平均を行うことにより、ピントの合ったシャープな1枚の画像を得ることができる。
【0090】
ところで、上述した処理では、半径R1、半径R2、および半径R3は、いずれも、その値が既知であると仮定して、入力部28を用いてユーザにより入力されたが、一般的には、この値は、不明である。従って、半径R1、半径R2、および半径R3の値を、変化させて、最適な画像H3が得られるまで、上述した処理を繰り返し行うようにすれば良い。
【0091】
ここで、最適な画像H3を得るためには、画像表示部29に表示された画像をユーザにより判断させるか(ピントが合っているか否かを目で見て判断させるか)、あるいは、ピントの合っていない画像には高周波成分が含まれていないことを利用して、高周波成分が含まれているのか否かを自動でチェックさせる。
【0092】
しかしながら、図2に示された図より明らかな様に、半径R1、半径R2、および半径R3は、次式(16)の関係が成り立つ。
【数16】
【0093】
ここで、距離Bの値は不定であるが、半径R1、半径R2、および半径R3との間には、上記式(16)を満たすような関係がある。従って、上記式(16)の関係を満たすような半径R1、半径R2、および半径R3についてのみ、上述した処理を行えば良い。
【0094】
また、撮影対象物体1とレンズ11との距離Aが既知であれば、次式(17)に従って、距離Bの値を算出することができる。
【数17】
【0095】
このように、半径R1、半径R2、および半径R3は、上記式(16)と式(17)により算出(確定)される。
【0096】
さらにまた、画像G1(x,y)、画像G2(x,y)、および画像G3(x,y)をそれぞれ解析することにより、半径R1、半径R2、および半径R3の比を算出することもできる。すなわち、上述したように、画像G1(x,y)、画像G2(x,y)、および画像G3(x,y)は、それぞれ、半径R1、半径R2、および半径R3のボックスフィルタをかけた画像である。例えば、画像Gに、半径Rのボックスフィルタをかけた場合、周波数ωの成分は、次式(18)で表わされる。
【数18】
【0097】
従って、画像G1(x,y)、画像G2(x,y)、および画像G3(x,y)に対して、それぞれ、周波数分解して、各周波数の成分ωを算出し、各周波数における成分の比が、次式(19)を満たすような、半径R1、半径R2、および半径R3の比を決定すれば良い。
【数19】
【0098】
このように、半径R1、半径R2、および半径R3の比が、上記式(19)により算出(確定)される。
【0099】
以上のように、すべての半径R1、半径R2、および半径R3に対して、上述した処理を行う必要はなく、上記式(16)と式(17)により算出される半径R1、半径R2、および半径R3、あるいは、上記式(19)を満たすような、半径R1、半径R2、および半径R3についてのみ処理を行えば良い。
【0100】
次に、画像処理装置3が実行する、ピントのぼけ具合の異なる2枚の画像を用いて、ピントの合ったシャープな1枚の画像に修復する処理について、再び、図10のフローチャートを参照して説明する。
【0101】
ステップS1において、演算処理回路21は、修復を行う(ピント合わせを行う)ための複数(いまの場合、2枚)の画像データを撮像装置2から読み込み、入出力端子27、入出力インタフェース26、およびバス25を介してデータメモリ23に一旦記憶させる。これにより、データメモリ23には、3枚の画像G1(x,y)、および、画像G2(x,y)が記憶される。
【0102】
ステップS2において、入力部28は、ステップS1の処理で読み込まれた2枚の画像データに対して、ぼけ具合(錯乱円の半径)の入力を行う。すなわち、ユーザにより入力部28が操作され、2枚の画像データに対して、ぼけ具合の入力が行われる。これにより、画像G1(x,y,R1)、および、画像G2(x,y,R2)が設定される。
【0103】
ステップS3において、演算処理回路21は、データメモリ23に記憶されている2枚の画像データを読み出し、重みW1,W2を算出する。ここで、演算処理回路21は、上記式(11)に示された重みH2Cの値が、L>(R1−R2)の範囲において、なるべく小さい値となるような重みW1,W2を算出する。そして、演算処理回路21は、算出した重みW1,W2をデータメモリ23に記憶する。
【0104】
ステップS4において、演算処理回路21は、データメモリ23に記憶されている2枚の画像データの平均値をそれぞれ算出する。すなわち、演算処理回路21は、画像G1(x,y,R1)、および、画像G2(x,y,R2)の平均値を、上記式(12)、および、上記式(13)に従って、それぞれ算出する。
【0105】
ステップS5において、演算処理回路21は、ステップS4の処理で算出された2枚の画像データの平均値である画像h1(x,y)、および、画像h2(x,y)に対して、ステップS3の処理で算出された重みW1,W2を用いて、次式(20)に従って、重み付き平均を行う。
【数20】
【0106】
上記式(20)では、画像h1(x,y)、および、画像h2(x,y)の値に、それぞれ、重みW1,W2を付けて加算することで、画像H2が得られる。
【0107】
そして、ステップS5において、演算処理回路21は、算出された画像H2をデータメモリ23に記憶させる。
【0108】
ステップS6において、演算処理回路21は、ステップS5の処理で算出され、データメモリ23に記憶されている画像H2を読み出し、フレームメモリ24に一旦記憶させる。そして、演算処理回路21は、フレームメモリ24に記憶されている画像を、バス25および入出力インタフェース26を介して画像表示部29に出力させ、処理は終了される。
【0109】
このように、2枚のピントのぼけ具合(錯乱円の半径)の異なる画像の重み付き平均を行うことにより、ピントの合ったシャープな1枚の画像を得ることができる。
【0110】
また、2枚または3枚のぼけ具合の異なる画像に限らず、4枚以上のぼけ具合の異なる画像の重み付き平均を行うことにより、ピントの合ったシャープな1枚の画像を得ることができる。
【0111】
従って、複数枚のぼけ具合の異なる画像から、ピントの合ったシャープな1枚の画像を算出する場合、一般的には、次式(21)で表わされる。
【数21】
【0112】
ここで、HK(x,y)は、k枚の異なる錯乱円(半径Ri(i=1乃至k))を持つ画像Gi(x,y)の重み付き平均を表わしている。距離Tijおよび重みWijは、次式(22)において、Lの値が大きい場合に、ほぼ0の値となるように設定される。
【数22】
【0113】
ここで、HKC(L,{Tij})は、画像HK(x,y)の重みを表わしており、上記式(22)に示された右辺の項は、上記式(6)により定義される。
【0114】
例えば、3枚の異なる錯乱円を持つ画像の場合、k=3、J(1)=1、J(2)=1、J(3)=1、T11=R2、T21=R1,T31=R1+R2−R3、W11=W1=(πR1)2、W21=W2=−2・(πR2)2、W31=W3=(πR3)2である。
【0115】
また、例えば、2枚の異なる錯乱円を持つ画像の場合、k=2、J(1)=1、J(2)=1、T11=R2、T21=R1、W11=W1=(πR1)2、W21=W2=−1.2・(πR2)2である。
【0116】
以上のように、レンズを移動させることなく、複数枚のぼけ具合の異なる画像から、ピントの合ったシャープな1枚の画像を得ることができる。
【0117】
また、レンズ11に入射される光の赤色、緑色、および青色のそれぞれの色に対して、ピントのぼけ具合の異なる画像をもつものとして、重み付き平均を行うようにしてもよい。これにより、色収差を無視することができないようなレンズにも対応することができる。
【0118】
さらにまた、奥行きのある風景を撮影した場合には、画面を分割して、それぞれピントのぼけ具合の異なる画像をもつものとして、重み付き平均を行うようにしてもよい。これにより、パンフォーカス(画像内に撮影されている手前から奥までの全ての被写体に焦点が合っている状態)の画像を得ることができる。
【0119】
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるが、ソフトウエアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
【0120】
この記録媒体は、図3に示すように、コンピュータとは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク41(フロッピディスクを含む)、光磁気ディスク42(MD(Mini-Disk)を含む)、光ディスク43(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、もしくは不揮発性メモリ44などよりなるパッケージメディアにより構成されるだけでなく、コンピュータに予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているプログラムメモリ22などで構成される。
【0121】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0122】
【発明の効果】
以上のように、本発明の画像処理装置および方法、並びに記録媒体に記録されているプログラムによれば、低コストで、ピントの合った画像を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した実施の形態の構成例を示す図である。
【図2】図1の撮像装置の光学系の構成例を示す図である。
【図3】図1の画像処理装置のハードウェアの電気的構成例を示すブロック図である。
【図4】式(4)において、(u,v)の二重積分の値が1である範囲を示す図である。
【図5】式(5)で算出される値がどのような範囲の値であるのかを示す図である。
【図6】式(4)で算出される値がどのような範囲の値であるのかを示す図である。
【図7】式(4)で算出される値がどのような範囲の値であるのかを示す他の例の図である。
【図8】式(9)で算出される値がどのような範囲の値であるのかを示す図である。
【図9】式(11)で算出される値がどのような範囲の値であるのかを示す図である。
【図10】画像修復処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 撮影対象物体, 2 撮像装置, 3 画像処理装置, 11 レンズ,12−1乃至12−3 CCD, 12−1a乃至12−3a 撮像面, 21演算処理回路, 22 プログラムメモリ, 23 データメモリ, 24 フレームメモリ, 27 入出力端子, 28 入力部, 29 画像表示部
Claims (4)
- レンズからの距離が異なる位置にそれぞれ前記レンズと平行に設けられた複数の撮像面で撮像された、錯乱円の半径がそれぞれ異なる対象物体の複数の画像を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された複数の前記画像の重みを算出する第1の算出手段と、
前記取得手段により取得された複数の前記画像の平均値を算出する第2の算出手段と、
前記第1の算出手段により算出された前記重みと、前記第2の算出手段により算出された複数の前記画像の平均値に基づいて、重み付き平均を求めることにより、1つの前記対象物体にピントの合った画像を生成する画像生成手段と
を備える画像処理装置。 - 複数の前記撮像面で前記対象物体の画像を撮像する撮像手段をさらに備える
ことを特徴とする画像処理装置。 - レンズからの距離が異なる位置にそれぞれ前記レンズと平行に設けられた複数の撮像面で撮像された、錯乱円の半径がそれぞれ異なる対象物体の複数の画像を取得する取得ステップと、
前記取得ステップの処理により取得された複数の前記画像の重みを算出する第1の算出ステップと、
前記取得ステップの処理により取得された複数の前記画像の平均値を算出する第2の算出ステップと、
前記第1の算出ステップの処理により算出された前記重みと、前記第2の算出ステップの処理により算出された複数の前記画像の平均値に基づいて、重み付き平均を求めることにより、1つの前記対象物体にピントの合った画像を生成する画像生成ステップと
を含む画像処理方法。 - レンズからの距離が異なる位置にそれぞれ前記レンズと平行に設けられた複数の撮像面で撮像され、錯乱円の半径がそれぞれ異なる対象物体の複数の画像を取得する取得ステップと、
前記取得ステップの処理により取得された複数の前記画像の重みを算出する第1の算出ステップと、
前記取得ステップの処理により取得された複数の前記画像の平均値を算出する第2の算出ステップと、
前記第1の算出ステップの処理により算出された前記重みと、前記第2の算出ステップの処理により算出された複数の前記画像の平均値に基づいて、重み付き平均を求めることにより、1つの前記対象物体にピントの合った画像を生成する画像生成ステップと
を含む処理をコンピュータに実行させるプログラムが記録されている記録媒体。
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