JP4122579B2 - 照明領域設定装置、露光装置及び露光方法 - Google Patents

照明領域設定装置、露光装置及び露光方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レチクルへ照射されるビームの照明領域を設定する照明領域設定装置および光源からのビームを照明領域設定手段を介してレチクル上に照射し、照明されたレチクルの像を感光基板の転写領域に投影露光する露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、パソコンやテレビ等の表示素子としては、薄型化を可能とする液晶表示基板が多用されるようになっている。この種の液晶表示基板は、平面視矩形状の感光基板上に透明薄膜電極をフォトリソグラフィの手法で所望の形状にパターニングすることにより製造されている。そして、このフォトリソグラフィの装置として、レチクル上に形成されたパターンを投影光学系を介して感光基板上のフォトレジスト層に露光する露光装置が用いられている。
【0003】
従来、この種の露光装置、例えばステッパ方式の露光装置では、露光対象となる感光基板の大型化に対応するために、感光基板の露光領域を複数の単位領域に分割して各単位領域に応じた露光を繰り返し、最終的に所望のパターンを合成する画面合成の手法が用いられている。そして、この画面合成により露光を行う際には、レチクル上に照射される光源からのビームを照明領域設定装置によって、上記単位領域に応じて照明領域を設定している。
【0004】
一般に、上記の照明領域設定装置では、レチクルに対して略共役の位置に配置されるレチクルブラインドが用いられている。
従来、この種のレチクルブラインドは、金属材料で形成された直交する二辺の基準辺を有するユニット(以後、ブラインド羽根と呼ぶ)を対向して配置し、これらブラインド羽根を光軸と直交する方向であるXY方向に移動させることにより開口の位置と大きさ、すなわち照明領域を設定するものである。
【0005】
ところが、このレチクルブラインドでは、設定された開口により複数の単位領域毎に露光するため、隣接する単位領域においてレチクルの描画誤差や投影光学系のレンズの収差、感光基板を位置決めする基板ステージの位置決め誤差等が起因して、パターンの継ぎ目部分に段差が発生し、デバイスの特性が損なわれることがある。さらに、画面合成された単層のパターンを多層に重ね合わせた場合、各層の単位領域の重ね誤差やパターンの線幅差がパターンの継ぎ目部分で不連続に変化し、特にアクティブマトリックス液晶デバイスでは、パターン継ぎ目部分でコントラストが不連続に変化してデバイスの品質が低下することになる。
【0006】
上記のような画面合成上の不都合を解消する手段の一例として、特開平7−235466号公報に開示されているものがある。
これは、上記ブラインド羽根をガラスにて形成し、その基準片をCr蒸着により形成するものである。ここで、基準片の一辺は、所定の範囲でCr濃度が0〜100%まで徐々に変化するように形成されている。
【0007】
このガラスブラインドにより単位領域を設定し露光する際には、上記Cr濃度が変化する一辺側、いわゆる濃度ウェッジ側において露光量が0〜100%まで徐々に変化することになる。ここで、濃度ウェッジ部が重なるように隣接する単位領域を露光すると、濃度変化が逆になっているため、濃度ウェッジ部では全ての露光範囲で100%の露光量となる。
【0008】
その結果、パターン継ぎ目が見えてしまう原因である重ね誤差や線幅差が存在しても、それが徐々に変化するために人間の目では認識されなくなる。ここで、濃度ウェッジ部と直交する辺においては、ガラスブラインドを所定速度でスキャンすることにより露光量を0〜100%まで徐々に変化させることができ、濃度ウェッジと同様の効果が得られる。この結果、開口部の四辺において継ぎ目が見えるという不具合は解消される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の照明領域設定装置および露光装置には、以下のような問題が存在する。
レチクルへ照射されるビームはガラスプレートを透過するが、このガラスプレート上の開口部または濃度ウェッジ部に異物が付着する可能性がある。
【0010】
この異物が、ある大きさ以上の場合、異物の像が感光基板に結像し転写されてしまい不良品を出すことになる。そこで、従来はCr蒸着面側に水銀光等の検出光を投射するとともに、このときに発生する散乱光の光量を計測することにより異物の有無を検出していた。
【0011】
ところが、この検出光では、ガラスプレートの表面側を検出することは可能だが、裏面側に検出光を投射することは構造上困難であり、現実的には裏面側の異物の有無を検出することはできなかった。
【0012】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、レチクルブラインドの裏面側に異物が付着することを防止できる照明領域設定装置および異物の像が感光基板に転写されてしまうことを防止できる露光装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は、実施の形態を示す図1ないし図4に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明の照明領域設定装置は、ビーム(B)を透過する透過部(43)の表面側にビーム(B)の少なくとも一部を遮光する遮光部(44)が形成され、遮光部(44)を用いてビーム(B)が照明する領域を設定する照明領域設定装置(11)において、ビーム(B)を透過するとともに、透過部(43)の裏面側に所定の空間である閉空間(38,42)を形成するカバープレート(37,41)を設けたことを特徴とするものである。
【0014】
従って、本発明の照明領域設定装置では、透過部(43)およびカバープレート(37,41)を透過するビーム(B)に対して遮光部(44)を用いることによって、ビーム(B)が照明する領域を設定することができる。また、カバープレート(37,41)によって、透過部(43)の裏面側が閉空間(38,42)になっているので、透過部(43)の裏面側に異物が付着することを防止できる。
【0015】
また、本発明の露光装置は、光源(2)からのビーム(B)を照明領域設定装置(11)を介してレチクル(R)上に照射し、照明されたレチクル(R)のパターンを感光基板(P)に転写する露光装置(1)において、照明領域設定装置(11)としては、請求項1から3のいずれかに記載された照明領域設定装置(11)が、透過部(43)の表面側をレチクル(R)の共役面(F)の近傍に位置させて用いられ、照明領域設定装置(11)によりレチクル(R)に照射されるビーム(B)の照明領域が設定されることを特徴とするものである。
【0016】
従って、本発明の露光装置では、透過部(43)の裏面側が閉空間になっているので、異物がこの透過部(43)の裏面側に付着して感光基板(P)に転写されることを防止できる。また、異物が透過部(43)の裏面側に付着する場合はカバープレート(37,41)に付着するが、カバープレート(37,41)はレチクル(R)の共役面(F)に対して閉空間(38,42)を隔てた距離の位置に配置されているので、異物の像が感光基板(P)に結像することを防止できる。
また、本発明の露光方法は、先に記載の露光装置を用いて前記レチクルのパターンを前記感光基板上の単位領域に転写する露光方法において、前記感光基板はガラスプレートであることを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の照明領域設定装置および露光装置の実施の形態を、図1ないし図4を参照して説明する。
図2は、露光装置1の概略構成図である。
露光装置1は、レチクルRに形成されたパターンを感光基板P上へ投影転写するものであって、水銀ランプ(光源)2と照明光学系3と投影光学系4と基板ステージ5とから構成されている。
【0018】
水銀ランプ2は、照明光としてのビームBを発するものである。この水銀ランプ2には、楕円鏡6が付設されている。楕円鏡6は、水銀ランプ2が発する照明光を集光するものである。
【0019】
照明光学系3は、反射ミラー7,8と、波長選択フィルタ9と、フライアイインテグレータ10と、照明領域設定装置11と、レンズ系12とから概略構成されている。反射ミラー7は、楕円鏡6で集光されたビームBを波長選択フィルタ9へ向けて反射するものである。反射ミラー8は、照明領域設定装置11を通過したビームBをレンズ系12へ向けて反射するものである。
【0020】
波長選択フィルタ9は、ビームBのうち露光に必要な波長(g線やi線)のみを通過させるものである。フライアイインテグレータ10は、波長選択フィルタ9を通過したビーム5の照度分布を均一にするものである。レンズ系12は、照明領域設定装置11で設定された照明領域の像をレチクルRで結像させるものである。
【0021】
照明領域設定装置11は、フライアイインテグレータ10を通過したビームBが照明する領域を設定するものであって、図1に示すように、ベース13、中板14,15、ホルダ(保持体)16,17、レチクルブラインド18,19および異物検査装置20を主体として構成されている。
【0022】
ベース13は、ビームB方向に収容空間23を隔てて互いに対向する対向壁21,22を有する断面視U字形状をなしている。そして、収容空間23には、上記中板14、ホルダ16、レチクルブラインド18を備えるユニットおよび中板15、ホルダ17、レチクルブラインド19を備えるユニットがレチクルRに対する共役面Fを挟んでそれぞれ収容されている。
【0023】
対向壁21,22には、ビームBが貫通する貫通孔24,25がそれぞれ形成されている。対向壁21の内面には、Y軸方向に伸長する一対のガイドレール26,26(図1では一ヶ所のみ表示)が設けられている。また、対向壁22の外面には、Y軸方向に伸長する一対のガイドレール27,27(図1では一ヶ所のみを表示)が設けられている。そして、対向壁22の内面にも、Y軸方向に伸長する一対のガイドレール28,28(図1では一ヶ所のみ表示)が設けられている。
【0024】
中板14には、ビームBが貫通する貫通孔29が形成されるとともに、Y軸ガイド30,30およびガイドレール31,31がそれぞれ一対で設けられている。Y軸ガイド30,30は、ガイドレール26,26に移動自在に嵌合するものである。ガイドレール31,31は、ホルダ16に臨む面にX軸方向に伸長するように設けられている。
【0025】
中板15には、ビームBが貫通する貫通孔32が形成されるとともに、Y軸ガイド33,33およびガイドレール34,34がそれぞれ一対で設けられている。Y軸ガイド33,33は、ガイドレール28,28に移動自在に嵌合するものである。ガイドレール34,34は、ホルダ17に臨む面にX軸方向に伸長するように設けられている。
【0026】
ホルダ16には、ビームBが貫通する貫通孔35が形成されるとともに、一対のX軸ガイド36,36が設けられている。X軸ガイド36,36は、ガイドレール31,31に移動自在に嵌合するものである。また、ホルダ16には、レチクルブラインド18およびカバープレート37がそれぞれ貼設されて保持されている。レチクルブラインド18は、その裏面がホルダ16の共役面F側から貫通孔35を覆うように貼設されている。カバープレート37は、レチクルブラインド18と逆側から貫通孔35を覆うように貼設されている。そして、これらホルダ16およびカバープレート37により、レチクルブラインド18の裏面側に閉空間38が形成されている。
【0027】
カバープレート37は、ビームBを透過するガラス等の透過性材料で形成されている。また、カバープレート37の上記裏面側は、共役面Fから所定距離離間するように設定されている。
【0028】
ホルダ17には、ビームBが貫通する貫通孔39が形成されるとともに、一対のX軸ガイド40,40が設けられている。X軸ガイド40,40は、ガイドレール34,34に移動自在に嵌合するものである。また、ホルダ17には、レチクルブラインド19およびカバープレート41がそれぞれ貼設されて保持されている。レチクルブラインド19は、その裏面がホルダ17の共役面F側から貫通孔39を覆うように貼設されている。カバープレート41は、レチクルブラインド19と逆側から貫通孔39を覆うように貼設されている。そして、これらホルダ17およびカバープレート41により、レチクルブラインド19の裏面側に閉空間42が形成されている。
【0029】
カバープレート41は、ビームBを透過するガラス等の透過性材料で形成されている。また、カバープレート41の上記裏面側は、共役面Fから所定距離離間するように設定されている。これらカバープレート37,41の共役面FからのビームB方向の離間距離は、ビームBの光路上の光学特性、すなわち水銀ランプ2、投影光学系4、レンズ系12および感光基板Pへの露光面積に基づいて設定されている。
【0030】
一方、図3に示すように、レチクルブラインド18,19のそれぞれは、照明光のビームBを透過する透明なガラス基板(透過部)43を備えている。二枚のガラス基板43の表面側は、共役面Fを挟んで互いに対向するように、且つ該共役面Fの近傍に位置している。
【0031】
ガラス基板43上には、遮光部44と減光部46と開口48とが備えられている。遮光部44は、ビームBを遮光するようにビームBの透過率を減少させるものであって、ガラス基板43上の表面側にクロムを蒸着することにより形成されている。
【0032】
減光部46には、上記クロムが露光装置1の解像限界以下の大きさのドット状でガラス基板43上の表面側に蒸着されている。そして、このドット状のクロム膜の密度は、開口48から遮光部44へ向かうにしたがって漸次大きくなるように設定されることにより、ビームBの減光率が漸次変化する構成になっている。また、開口48は、クロムが蒸着されない平面視矩形状をなすものである。
【0033】
異物検査装置20は、ガラス基板43の表面に異物が付着しているかどうかを検出するものであって、照明ユニット49とディテクタ50とから構成されている。照明ユニット49は、レチクルブラインド18,19間に共役面Fに沿って水銀光等の検出光を投射するものであって、ベース13のY軸方向上方に取り付けられている。
【0034】
ディテクタ50は、照明ユニット49が投射した検出光の散乱光を検出するものであって、対向壁21の貫通孔24に対して進出、退避するように、ガイドレール27に沿って移動自在とされている。
【0035】
投影光学系4は、レチクルRの照明領域に存在するパターンの像を感光基板P上に結像させるものである。
基板ステージ5は、感光基板Pを保持するものであって、互いに直交する方向へ移動自在とされている。この基板ステージ5上には、移動鏡51が設けられている。移動鏡51には、不図示のレーザ干渉計からレーザ光52が射出され、その反射光と入射光との干渉に基づいて移動鏡51とレーザ干渉計との間の距離、すなわち基板ステージ5の位置が検出される構成になっている。
【0036】
上記の構成の照明領域設定装置および露光装置のうち、まず照明領域設定装置11の作用について以下に説明する。
露光処理前に、レチクルブラインド18,19に対する異物検査を行う際には、まず水銀ランプ2からのビームBを遮断するとともに、異物検査装置20のディテクタ50をガイドレール27に沿って移動させて、図1に示すように、ベース13の貫通孔24に臨む位置に進出させる。
【0037】
次に、照明ユニット49が、レチクルブラインド18,19間に検出光を投射する。そして、ディテクタ50は、検出光の散乱光を検出する。ここで、レチクルブラインド18,19のガラス基板43の表面に異物が付着していた場合は、異物が付着していない場合に比較して散乱光の光量が変化するので異物の存在を検出できる。
【0038】
異物が検出されたときには、ホルダ16またはホルダ17を、ガイドレール31,31またはガイドレール34,34に沿ってX軸方向に移動させることによりベース13から突出させる。これにより、レチクルブラインド18,19のガラス基板43を清掃することができる。
【0039】
ここで、ガラス基板43の裏面側は、上記の異物検査装置20では検出できないが、レチクルブラインド18,19の裏面側がそれぞれ閉空間38,42になっているので異物が付着することはない。また、カバープレート37,41に付着した異物も異物検査装置20では検出できないが、カバープレート37,41が共役面Fに対してビームB方向に、光路上の光学特性に基づいて離間しているので、上記カバープレート37,41に付着した異物の像が感光基板Pに結像して転写されることはない。
【0040】
例えば、上記の構成の露光装置1において、カバープレート37,41の裏面(共役面F側と逆側の面)と共役面Fとの間のビームB方向の距離が13.5mmの場合、感光基板P上の照度むらに3%以上の影響力を及ぼしてしまう異物の大きさは直径1.1mm程度である。通常、露光装置1は、クリーンルーム内に設置されているので、この大きさ以上の異物が付着する可能性はほとんどない。したがって、カバープレート37,41を共役面Fに対して光路上の光学特性に基づいた距離離間させることにより、カバープレート37,41に付着した異物の像は、感光基板Pに転写されない。
【0041】
異物検査が完了すると、照明ユニット49からの検出光の投射を停止するとともに、ディテクタ50をガイドレール27に沿って移動させて、貫通孔24に臨む位置から退避させる。
【0042】
次に、照明領域設定装置11により、ビームBの照明領域を設定する手順について説明する。なお、照明領域の設定については、特開平7−235466号公報に開示されており、ここでは簡単に説明する。
まず、例えば中板14,15、ホルダ16,17をそれぞれ移動させて、レチクルブラインド18,19を図4(a)に示すように設定すると、上下辺に減光部46を有する開口53が形成される。
【0043】
また、図4(a)の状態から露光中にホルダ16,17を駆動してレチクルブラインド18を+X方向に、レチクルブラインド19を−X方向に移動させると、図4(b)に示すように、レチクルブラインド18の開口48の右辺およびレチクルブラインド19の開口48の左辺に、減光領域である減光部56がそれぞれ形成される。
【0044】
このように、レチクルブラインドの減光部の位置、およびレチクルブラインドの移動により、照明領域内の任意の辺に減光領域を形成することができる。なお、特開平7−235466号公報に開示されているように、レチクルブラインドに減光部の位置が異なる複数の開口を設けて、適宜選択して使用するようにしてもよい。
【0045】
こうして、レチクルブラインド18,19により設定された照明領域は、隣接する単位領域同士が減光領域で重複するように設定される。これにより、画面合成時に発生する重ね誤差や線幅差が存在しても、それが徐々に変化するために継ぎ目がぼかされ人間の目では認識されなくなり、パターン継ぎ目が見えるという事態は回避される。
なお、隣接する照明領域が無い辺は、レチクルの遮光帯によりマスキングされる。
【0046】
そして、上記の照明領域設定装置11を備えた露光装置1では、水銀ランプ2からの照明光であるビームBが楕円鏡6で集光され、反射ミラー7で反射されて波長選択フィルタ9に入射する。波長選択フィルタ9で露光に必要な波長のみが通過したビームBは、フライアイインテグレータ10で均一な照度分布にされた後、照明領域設定装置11に到達する。
【0047】
照明領域設定装置11で設定された開口を通過したビームBは、反射ミラー8で反射されてレンズ系12に入射する。このレンズ系12によってレチクルブラインド18,19で設定された開口の像が、レチクルR上で結像し、レチクルRの照明領域が照明される。この照明領域に存在するレチクルRのパターンの像は、投影光学系4によって感光基板P上に結像し、これにより感光基板P上の単位領域が露光される。なお、感光基板Pは、半導体集積回路の製造過程であればウエハであり、液晶表示素子製造過程であればガラスプレートである。
【0048】
一回の露光が終了した後、レチクルRを交換するとともに基板ステージ5を駆動して、感光基板P上の別の単位領域が次回の露光領域に位置するように、基板ステージ5の位置をレーザ干渉計で検出しながら設定する。また、この単位領域に対応する開口を照明領域設定装置11によって設定する。以下、露光終了毎に同様手順を繰り返すことにより、感光基板P上の全領域が露光される。
【0049】
本実施の形態の照明領域設定装置では、レチクルブラインド18,19のガラス基板43の表面については異物検査装置20が異物の付着を検出することができ、ガラス基板43の裏面については裏面側がホルダ16,17およびカバープレート37,41により閉空間38,42になっているので異物が付着することを防止できる。そのため、異物が付着した場合の清掃作業も表面側だけで済むのでメンテナンス時間の短縮も実現することができる。
【0050】
また、本実施の形態の照明領域設定装置では、共役面Fを挟んでガラス基板43を二枚用いているが、それぞれの裏面側がカバープレート37,41によって閉空間38,42になっているので両ガラス基板43共、裏面に異物が付着することを防止できる。
【0051】
一方、本実施の形態の露光装置では、レチクルRの共役面F近傍に位置するレチクルブラインド18,19の両面に異物が付着しないので、レチクルRに形成されたパターンを所定通り感光基板P上へ転写することができる。また、本実施の形態の露光装置では、カバープレート37,41が共役面Fに対してビームBの光路上の光学特性に基づいた距離離間しているので、上記閉空間38,42を形成するこれらカバープレート37,41に異物が付着した場合でも、感光基板P上に問題となる照度むらを起こすことや、この異物の像が感光基板Pへ転写されてしまうことを防止でき、レチクルRに形成された所定のパターンを正確に感光基板P上へ転写することができる。
【0052】
さらに、異物の付着する可能性がある面がガラス基板43の表面だけなので、異物付着による感光基板Pの不良率も半減させることもできる。
そして、上記光学特性を構成するパラメータが変更された場合は、想定される異物の大きさに基づいて、共役面Fとカバープレートとの間の離間距離を適宜設定することも可能である。
【0053】
なお、上記実施の形態において、異物検査装置20が照明領域設定装置11を構成するものとしたが、これに限られることなく、照明領域設定装置11の外部に設けられる構成でもよい。また、この異物検査装置20のディテクタ50をベース13の対向壁21に設ける構成としたが、対向壁22側に設けるような構成であってもよい。
【0054】
また、上記実施の形態において、感光基板P上の単位領域毎にレチクルRを交換する構成としたが、これに限定されるものではなく、例えばレチクルに複数回分のパターンを形成し、感光基板上の露光領域の変更に連係してレチクル内の照明領域を変更する構成であってもよい。
【0055】
なお、露光装置としては、レチクルとウエハとを静止した状態でレチクルのパターンを露光し、ウエハを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート型の露光装置でも、レチクルとウエハとを同期移動してレチクルのパターンを露光する走査型の露光装置にも適用することができる。
【0056】
露光装置の種類としては、半導体製造用の露光装置に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを露光する液晶用の露光装置や、薄膜磁気ヘッドを製造するための露光装置にも広く適用できる。
【0057】
また、照明光学系の光源としては、水銀ランプから発生する輝線(g線、i線)、に限られず、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)、F2レーザ(157nm)を用いることができる。
【0058】
投影光学系4の倍率は、縮小系のみならず等倍および拡大系のいずれでもよい。
また、投影光学系としては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用いる。
【0059】
レチクルステージや基板ステージにリニアモータを用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもよい。
また、ステージは、ガイドに沿って移動するタイプでもよく、ガイドを設けないガイドレスタイプであってもよい。
【0060】
この場合、基板ステージの移動により発生する反力は、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。また、レチクルステージの移動により発生する反力は、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。
【0061】
なお、複数のレンズから構成される照明光学系、投影光学系を露光装置本体に組み込み光学調整をするとともに、多数の機械部品からなるレチクルステージや基板ステージを露光装置本体に取り付けて配線や配管を接続し、更に総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより本実施の形態の露光装置を製造することができる。この露光装置の製造は、温度およびクリーン度が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0062】
半導体デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエハを製作するステップ、前述した実施の形態の露光装置によりレチクルのパターンをウエハに露光するステップ、デバイス組み立てステップ、(ダイシング工程、ボンディング工程、パPッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る照明領域設定装置は、ビームを透過するとともに透過部の裏面側に閉空間を形成するカバープレートを設ける構成となっている。
これにより、この照明領域設定装置では、透過部の裏面に異物が付着することを防止できるという効果が得られるとともに、異物が付着した場合の清掃作業も表面側だけで済みメンテナンス時間も短縮できるという効果が得られる。
【0064】
請求項2に係る照明領域設定装置は、閉空間が透過部の裏面側を保持する保持体とカバープレートとにより形成される構成となっている。
これにより、この照明領域設定装置では、カバープレートを設けることだけで透過部の裏面側に容易に閉空間を形成することができ、上記透過部の裏面に異物が付着することを防止するという効果やメンテナンス時間を短縮できるという効果を奏するものである。
【0065】
請求項3に係る照明領域設定装置は、カバープレートが複数の透過部のそれぞれに配置される構成となっている。
これにより、この照明領域設定装置では、透過部が複数配置された場合でも、いずれの透過部の裏面にも異物の付着を防止できるという優れた効果を奏する。
【0066】
請求項4に係る露光装置は、請求項1から3のいずれかに記載された照明領域設定装置が、透過部の表面側をレチクル共役面の近傍に位置させて用いられており、この照明領域設定装置によりレチクルに照射されるビームの照明領域を設定する構成となっている。
これにより、この露光装置では、透過部の両面に異物が付着しないので、レチクルに形成されたパターンを所定通り感光基板上へ確実に転写できるという効果が得られる。また、カバープレートに異物が付着した場合でも、感光基板上に問題となる照度むらを起こすことや、この異物の像が感光基板へ転写されてしまうことを防止でき、レチクルに形成された所定のパターンを正確に感光基板上へ転写できるという優れた効果が得られる。
【0067】
請求項5に係る露光装置は、閉空間のビーム方向の離間距離が光路上の光学特性に基づいて設定される構成となっている。
これにより、この露光装置では、カバープレートに異物が付着した場合でも、感光基板上に問題となる照度むらを起こすことや、この異物の像が感光基板へ転写されてしまうことを防止できるとともに、光学特性を構成するパラメータが変更された場合でも、想定される異物の大きさに基づいて、レチクル共役面とカバープレートとの間の離間距離を適宜設定できるという効果が得られる。
【0068】
請求項6に係る露光装置は、透過部の表面に異物が付着しているかどうかを検出する異物検査装置を備える構成となっている。
これにより、この露光装置では、裏面に異物が付着しない透過部の表面を検出できるので、露光時には表面、裏面とも異物が付着していない状態で照明領域の設定が行え、レチクルに形成された所定のパターンを正確に感光基板上へ転写できるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を示す図であって、レチクルブラインドの裏面側に閉空間を形成するカバープレートが設けられた照明領域設定装置の断面図である。
【図2】 同照明領域設定装置を備えた露光装置の概略構成図である。
【図3】 本発明の照明領域設定装置を構成するレチクルブラインドの平面図である。
【図4】 同レチクルブラインドにより開口を形成する手順を説明する説明図である。
【符号の説明】
B ビーム
F 共役面
P 感光基板
R レチクル
1 露光装置
2 水銀ランプ(光源)
11 照明領域設定装置
16,17 ホルダ(保持体)
20 異物検査装置
37,41 カバープレート
38,42 閉空間
43 ガラス基板(透過部)
44 遮光部

Claims (8)

  1. ビームを透過する透過部の表面側に前記ビームの少なくとも一部を遮光する遮光部が形成され、該遮光部を用いて前記ビームが照明する領域を設定する照明領域設定装置において、
    前記ビームを透過するとともに、前記透過部の裏面側に所定の空間である閉空間を形成するカバープレートを設け
    前記閉空間は、前記透過部の裏面側を保持する保持体と前記カバープレートとにより形成され、
    前記透過部は、前記表面側を対向させて複数配置され、
    前記カバープレートは、前記複数の透過部のそれぞれに配置されることを特徴とする照明領域設定装置。
  2. 請求項1記載の照明領域設定装置において、
    前記透過部の前記表面側に前記遮光部と隣接して、前記ビームの減光率を漸次変化させる減光部が形成されていることを特徴とする照明領域設定装置。
  3. 請求項1または2記載の照明領域設定装置において、
    前記複数の透過部は、前記透過部の前記表面に沿った方向に移動可能であることを特徴とする照明領域設定装置。
  4. 光源からのビームを照明領域設定装置を介してレチクル上に照射し、照明された該レチクルのパターンを感光基板に転写する露光装置において、
    前記照明領域設定装置としては、請求項1から3のいずれかに記載された照明領域設定装置が、前記透過部の表面側を前記レチクルの共役面の近傍に位置させて用いられ、
    前記照明領域設定装置により前記レチクルに照射される前記ビームの照明領域が設定されることを特徴とする露光装置。
  5. 請求項4記載の露光装置において、
    前記閉空間の前記ビーム方向の離間距離は、該ビームの光路上の光学特性に基づいて設定されることを特徴とする露光装置。
  6. 請求項4または5記載の露光装置において、
    前記透過部の表面側に対して検出光を投射して、該表面に異物が付着しているかどうかを検出する異物検査装置を備えることを特徴とする露光装置。
  7. 請求項4乃至6の何れか一項記載の露光装置を用いて前記レチクルのパターンを前記感光基板上の単位領域に転写する露光方法において、
    前記感光基板はガラスプレートであることを特徴とする露光方法。
  8. 請求項7記載の露光方法において、
    前記照明領域設定装置の前記透過部の前記表面側に前記遮光部と隣接して、前記ビームの減光率を漸次変化させる減光部が形成され、
    前記感光基板上には複数の単位領域が露光され、
    隣接する前記単位領域同士が重複する領域は前記減光部を介した光で露光されることを特徴とする露光方法。
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