JP4121116B2 - Dehumidification and humidification system - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、除湿及び加湿を単一のシステムで実現することができる除湿兼加湿システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
温度、湿度を一定に保つ空調システムにおいて、除湿が必要な場合には、過冷却除湿+再熱方式が採用され、より低湿度を求められる分野では、ハニカム型を用いた乾式除湿方式が採用されている。また、湿度管理の重要な分野では、現在も湿式除湿方式であるカサバ方式(中外エアシステム(株))が用いられている。また、カサバ方式に用いられる吸収剤としての塩化リチウムは非常に安定性の高い物質であるため、カサバ方式は病院や食品関係の空調などでも採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の空調システムには、以下に述べるような問題点があった。すなわち、過冷却除湿+再熱方式はエネルギー消費量が大きく、ランニングコストが高いという欠点があった。
また、乾式除湿方式(ハニカムローター方式)は、装置及びダクトワークが複雑であり、設置スペースも大きくなるという欠点があった。また、吸着剤の再生は高温(最低でも90℃以上)の空気で行うため、加熱のためのエネルギーが大きいという欠点があった。
【0004】
さらに、湿式除湿方式であるカサバ方式は、再生装置を必要とするため設置スペースが大きくなるだけでなく、構造が複雑で、価格が高いという欠点があった。また、カサバ方式は除湿がメインであり、加湿システムを考慮しておらず、加湿を必要とする冬季においては、再生部分は全く不要部分となっている。さらに、カサバ方式では、冷却と除湿を同時に行っているため、塩化リチウム溶液の中にすべての除湿水分が吸収される。そのため、この水分を放出するための加熱エネルギーの量が大きくなってしまうという欠点があった。また、塩化リチウム溶液の加熱再生機を小型化するためには、加熱エネルギー温度を例えば90℃以上と高くする必要があるため、効率が悪かった。
【0005】
本発明は、上述したような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、除湿及び加湿を単一のシステムで実現することができ、低コスト、省スペース、省エネルギー化を可能とした除湿兼加湿システムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、処理空気の取入口及び供給口を有するチャンバの内部に、所定の気液接触面積を有する気化式加湿膜から成る第1の水膜と第2の水膜を備え、両水膜間で所定の濃度の吸放湿性溶液が循環されるように構成され、前記第1の水膜の前段には、前記処理空気を加熱する加熱エネルギーを供給する加熱コイルが配設され、前記第1の水膜と第2の水膜の間には、冷却負荷及びチャンバ内で前記処理空気に加湿された水分の除湿に必要な熱量を除去する冷却コイルが配設され、処理後の空気の室内への供給口には、乾球温度センサー及び露点温度センサーが設けられ、前記乾球温度センサーの検出値に基づいて、前記冷却コイルにおける冷却量を制御する第1の制御部と、前記露点温度センサーの検出値に基づいて、前記加熱コイルにおける加熱量を制御する第2の制御部とを備え、前記供給口における温度及び湿度を一定に制御する除湿兼加湿システムにおいて、前記取入口から取り入れられる前記処理空気は、外気と前記供給口から室内に供給された戻り空気の混合空気からなり、除湿モードであって、夏季の冷房時には、前記処理空気は、加熱コイルの運転を必要とせず第1の水膜において加湿されると同時に、前記吸放湿性溶液の濃度は高められ、前記第1の制御部は前記冷却コイルの冷却量を制御して前記処理空気を冷却し、前記第2の水膜において除湿されると同時に前記吸放湿性溶液の濃度は低くなり、中間期の冷房時には、前記第2の制御部は前記加熱コイルの加熱量を制御して前記処理空気の相対湿度を下げるために加熱し、この処理空気は前記第1の水膜において加湿されると同時に、前記吸放湿性溶液の濃度は高められ、さらに、前記第1の制御部は前記冷却コイルの冷却量を制御して前記処理空気を冷却し、この処理空気は前記第2の水膜において除湿されると同時に、前期吸放湿性溶液の濃度は低くなり、加湿モードであって、冬季の暖房時には、前記第2の制御部は前記加熱コイルの加熱量を制御して前記処理空気を加熱し、この処理空気は前記第1の水膜において加湿され、さらに第2の水膜において加湿されるように構成されたことを特徴とする。
【0008】
このような構成を有する請求項1に記載の発明によれば、除湿モードの場合、第1の水膜が加湿部(再生部)として機能し、第2の水膜が除湿部として機能する。一方、加湿モードの場合には、第1の水膜及び第2の水膜の両方が加湿部として機能するため、冷却コイルに供給する冷却水の温度を高めにでき、また、加熱コイルに供給する温水の温度を低くすることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の除湿兼加湿システムにおいて、前記システム中において、前記吸放湿性溶液の濃度が一定に保たれるように構成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記吸放湿性溶液の濃度を一定に保つ手段が、前記第1の水膜の下部に設けられた水槽内の水位を一定に保持するように、前記水槽内に所定量の補給水を供給するものであることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記吸放湿性溶液の濃度を一定に保つ手段が、前記露点温度センサーの検出値に基づいて、前記第1の水膜の下部に設けられた水槽内に供給する補給水量を制御するものであることを特徴とする。
【0012】
上記のような構成を有する請求項2〜請求項4の発明によれば、システム中で循環される吸放湿性溶液の濃度を一定に保持することができるので、処理空気の室内への供給口における相対湿度を一定に保つことが容易にできる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施の形態(以下、実施形態という)を図面を参照して説明する。
(1)第1実施形態
(1−1)構成
本実施形態の除湿兼加湿システムは、図1に示すように構成されている。すなわち、処理空気の取入口及び供給口を有するチャンバ(図示せず)の内部に、プレフィルタ1、中性能フィルタ2、加熱コイル3、第1の水膜4、冷却コイル5、第2の水膜6、送風機7が順次設けられている。また、供給口には、乾球温度センサーPt及び露点温度センサーDPが設けられ、それぞれの検出結果が第1の制御部8及び第2の制御部9に送られるように構成されている。
【0014】
また、前記第1の水膜4及び第2の水膜6は共に、十分な気液接触面積を有する気化式加湿膜から構成され、両水膜間で吸放湿性溶液である塩化リチウム溶液が循環されるように構成されている。すなわち、第2の水膜6から排出された塩化リチウム溶液は、第1のポンプP1を備えた第1の配管10を介して、第1の水膜4の上部から滴下されるように構成されている。また、第1の水膜4から排出された塩化リチウム溶液は、第2のポンプP2を備えた第2の配管11を介して、第2の水膜6の上部から滴下されるように構成されている。
【0015】
さらに、第1の水膜4の下部に備えられた第1の水槽12と第2の水膜6の下部に備えられた第2の水槽13は、連通管14によって連結されている。また、前記第1の水槽12には補給水供給ライン15が接続され、ボールタップ16により、第1の水槽12内の水位を一定に維持することができるように構成されている。その結果、本システム内を循環する塩化リチウム溶液の濃度は、ほぼ一定に維持することが可能となる。
【0016】
さらに、前記加熱コイル3には、第1のバルブ17を備えた温水供給ライン18が接続され、前記冷却コイル5には、第2のバルブ19を備えた冷水供給ライン20が接続されている。
そして、前記乾球温度センサーPtの検出結果に基づいて制御信号を送出する第1の制御部8によって、前記第2のバルブ19が制御され、前記露点温度センサーDPの検出結果に基づいて制御信号を送出する第2の制御部9によって、前記第1のバルブ17が制御されるように構成されている。
【0017】
なお、前記第1及び第2の水膜4、6としては、加湿飽和効率が100%に近いものを使用することが望ましい。また、第1及び第2の水膜4、6に供給される塩化リチウム溶液の初期濃度は、本システムを適用した空気調和装置の出口における設定湿度に対応させて適宜設定されるが、通常、16〜20%に設定することが望ましい。
【0018】
(1−2)作用・効果
上記のような構成を有する本実施形態の除湿兼加湿システムの作用を、夏季の冷却・除湿モードの場合、冬季の加湿モードの場合及び中間期の冷却・除湿モードの場合とに分けてそれぞれ説明する。
なお、以下に述べる実施例においては、本システムを適用した空気調和装置に導入される処理空気は、外気と室内からの戻り空気(1:1)の混合空気とする。また、室内設定温度を23℃、45%に想定し、空気調和装置の出口の空気制御は年間一定、16℃、70%(このとき、DP=11℃)に制御することとする。このときの第1の制御部8の設定乾球温度は16℃、第2の制御部9の設定露点温度は11℃である。
【0019】
さらに、第1のポンプP1及び第2のポンプP2は常時運転し、加熱コイル3に供給される温水温度は、例えば、冬季のターボ冷凍機運転における冷却水温度34℃、冷却コイル5に供給される冷水温度は9.5℃とする。また、塩化リチウム溶液の濃度が20%となるように、第1の水槽12の水位を設定するものとする。
【0020】
(A)夏季
まず、夏季の冷房、除湿モードについて、図2を参照して説明する。例えば、外気が34℃、相対湿度が60%(図2中のa点)の夏季の減湿モードにおいては、本システムを適用した空気調和装置に取り入れられる処理空気は、外気(図2中のa点)と室内からの戻り空気(図2中のb点)の1:1の混合空気なので、図2のc点(28.5℃、58%RH)となる。この処理空気が、プレフィルタ1、中性能フィルタ2を介して、チャンバ内に取り入れられる。
【0021】
この場合、塩化リチウム溶液の平衡蒸気線図を示した図3から明らかなように、水膜4を介して20%の塩化リチウム溶液に接触した出口空気の相対湿度は70%なので、第1の水膜4において処理空気は加湿され、27℃、70%(図2中のd点)となる。なお、第1の水膜4における加湿操作によって、第1の水槽12内の塩化リチウム溶液の濃度は濃くなる。
【0022】
続いて、乾球温度センサーPtに基づく第1の制御部8によって、第2のバルブ19が開かれ、冷却コイル5に9.5℃の冷水が供給され、これにより処理空気が14.5℃まで冷却されると共に除湿されて(絶対湿度が、0.016→0.010kg/kgまで下がる)、RH98%となる(図2中のe点)。
この処理空気は、続いて第2の水膜6に送られるが、図3に示したように、20%の塩化リチウム溶液に接触する出口空気の相対湿度は70%なので、この場合、第2の水膜6において処理空気は除湿され、16℃、70%(図2中のf点)となる。
【0023】
なお、外気(図2中のa点)の状態は時々刻々変化し、それに伴って図2中のc点、d点、e点も変化するが、本システムを適用した空気調和装置の出口状態(図2中のf点)は、第1の制御部8及び第2の制御部9の設定値である乾球温度16℃及び露点温度11℃となるように、第1のバルブ17及び第2のバルブ19が制御されることによって、図2中のf点に維持される。
なお、第2の水膜6において、処理空気中の水分を吸湿して濃度が薄くなった塩化リチウム溶液は、第1の配管10を介して第1の水膜4の上部から滴下され、第1の水膜4における加湿工程を経ることにより、水分を放出して再生される。
【0024】
このように本システムを適用した空気調和装置においては、夏季の除湿モードの場合、第1の水膜4が加湿部(再生部)として機能し、第2の水膜6が除湿部として機能する。また、冷却コイル5に供給する冷却水は9.5℃程度で良く、従来の冷却水(7℃)に比べて冷水温度を高くすることができる。
【0025】
ここで、本実施形態の夏季(冷房、除湿時)における作用・効果を、図4に示すような構成を有する従来から用いられている過冷却除湿+再熱方式の空調機(以下、従来型空調機という)と比較して説明する。
すなわち、従来型空調機は、処理空気の取入口及び供給口を有するチャンバ(図示せず)の内部に、プレフィルタ31、中性能フィルタ32、冷却コイル33、加熱コイル34、蒸気式加湿器35、送風機36が順次設けられている。また、供給口の室内側近傍には、乾球温度センサーPt及び露点温度センサーDPが設けられ、それぞれの検出結果が第1の制御部37及び第2の制御部38に送られるように構成されている。
【0026】
さらに、前記冷却コイル33には、第1のバルブ39を備えた冷水供給ライン40が接続され、前記加熱コイル34には、第2のバルブ41を備えた温水供給ライン42が接続されている。また、前記蒸気式加湿器35には、第3のバルブ43を備えた蒸気供給ライン44が接続されている。
【0027】
そして、前記乾球温度センサーPtの検出結果に基づいて制御信号を送出する第1の制御部37によって、前記第1のバルブ39及び第2のバルブ41が制御され、前記露点温度センサーDPの検出結果に基づいて制御信号を送出する第2の制御部38によって、前記第1のバルブ39及び第3のバルブ43が制御されるように構成されている。
【0028】
このような構成を有する従来型空調機に、外気が34℃、相対湿度が60%の外気(図5のa点)と室内からの戻り空気(図5中のb点)の1:1の混合空気が取り入れられると、露点温度センサーDPの検出結果に基づいて制御信号を送出する第2の制御部38によって、第1のバルブ39が開かれ、冷却コイル33に7℃の冷水が供給され、これにより処理空気が11℃まで冷却されると共に除湿されて(絶対湿度が、0.014→0.008kg/kgまで下がる)、RH98%となる(図5中のd点)。続いて、第1の制御部37によって、第2のバルブ41が開かれ、加熱コイル34に34℃の温水が供給され、これにより処理空気は16℃、70%(図5中のe点)となる。
このように、従来型空調機においては、冷却コイル33に供給される冷水としては、本実施形態の場合より低温の冷水が必要であった。
【0029】
(B)冬季
続いて、冬季の暖房、加湿モードについて、図6を参照して説明する。例えば、外気が0℃、相対湿度が30%(図6中のa点)の冬季の加湿モードにおいては、本システムを適用した空気調和装置に取り入れられる処理空気は、外気(図6中のa点)と室内からの戻り空気(図6中のb点)の1:1の混合空気なので、図6のc点(11.5℃、50%RH)となる。この処理空気が、プレフィルタ1、中性能フィルタ2を介して、チャンバ内に取り入れられる。
【0030】
この場合、露点温度センサーDPに基づく第2の制御部9によって、本システムを適用した空気調和装置の出口部の露点温度が11℃となるように第1のバルブ17が開かれ、加熱コイル3に温水(34℃)が供給される。これにより処理空気は加熱され、24℃、25%となる(図6中のd点)。
【0031】
ここで、第2の制御部9による第1のバルブ17の開度の制御について、図8を参照して説明する。すなわち、第2の制御部9は、前記露点温度センサーDPの検出値に基づいて、設定値との差による所定の制御信号を送出するが、図8に示したように、露点温度センサーDPの設定温度(ここでは、11℃)より露点温度センサーDPの検出値の方が低い場合だけでなく、高い場合も、第1のバルブ17は開かれ、加熱コイル3に温水(34℃)が供給される。なお、第1のバルブ17の開度は、露点温度センサーDPの設定温度と実際の検出温度との差が大きいほど大きく開かれるように構成されている。
【0032】
上述したように、夏季においては、第1の水膜4が加湿部、第2の水膜6が除湿部となり、塩化リチウム溶液の濃度は一定に保たれるが、冬季においては、第1の水膜4及び第2の水膜6が共に加湿部となる。従って、処理空気は第1の水膜4によって加湿されて、約18℃、52%(図6中のe点)となり、第2の水膜6によってさらに加湿されて、16℃、70%(図6中のf点)となる。
【0033】
なお、外気(図6中のa点)の状態は時々刻々変化し、それに伴って図6中のc点、d点、e点も変化するが、本システムを適用した空気調和装置の出口状態(図6中のf点)は、第1の制御部8及び第2の制御部9の設定値である乾球温度16℃及び露点温度11℃となるように、第1のバルブ17及び第2のバルブ19が制御されることによって、図6中のf点に維持される。
【0034】
なお、上述したような第1の水膜4及び第2の水膜6における加湿操作によって、第1の水槽12及び第2の水槽13内の塩化リチウム溶液の水位は低くなるが、ボールタップ16により、補給水供給ライン15から適宜補給水が供給され、第1の水槽12及び第2の水槽13内の塩化リチウム溶液の濃度(20%)及び水位は一定に維持される。
【0035】
このように本システムを適用した空気調和装置においては、冬季の加湿モードの場合、第1の水膜4及び第2の水膜6が共に加湿部として機能する。また、加熱コイル3に供給する温水は約34℃程度の低温水で良く、冬季のターボ冷凍機運転における冷却水を用いることができるので、高効率の加湿システムを得ることができる。
【0036】
ここで、本実施形態の冬季(暖房、加湿時)における作用・効果を、図4に示すような構成を有する従来型空調機と比較して説明する。
すなわち、従来型空調機に、外気が0℃、相対湿度が30%の外気(図7中のa点)と室内からの戻り空気(図7中のb点)の1:1の混合空気が取り入れられると、乾球温度センサーPtに基づく第1の制御部37によって、第2のバルブ41が開かれ、加熱コイル34に温水(34℃)が供給される。これにより処理空気は加熱され、15℃、40%となる(図7中のd点)。
【0037】
続いて、露点温度センサーDPの検出結果に基づいて制御信号を送出する第2の制御部38によって第3のバルブ43が開かれ、蒸気式加湿器35に110℃程度の蒸気が供給される。これにより処理空気は加湿され、16℃、70%となる(図7中のe点)。
【0038】
しかしながら、従来型空調機の場合、蒸気式加湿器35に供給する加湿蒸気を得るために、ガスや灯油等の多大なエネルギーが必要となり、また、蒸気式加湿器35の下流側に、蒸気吸収距離として1500〜2000mmのスペースが必要となるため、装置が大型化していたが、本実施形態の除湿兼加湿システムでは、このような問題は生じない。
【0039】
(C)中間期
続いて、中間期の冷房、除湿モードについて、図9を参照して説明する。例えば、外気が17℃、相対湿度が90%(図9中のa点)の中間期の減湿モードにおいては、本システムを適用した空気調和装置に取り入れられる処理空気は、外気(図9中のa点)と室内からの戻り空気(図9中のb点)の1:1の混合空気なので、図9のc点(20℃、65%RH)となる。この処理空気が、プレフィルタ1、中性能フィルタ2を介して、チャンバ内に取り入れられる。
【0040】
この場合、露点温度センサーDPに基づく第2の制御部9によって、第1のバルブ17が開かれ、加熱コイル3に温水(34℃)が供給される。これにより処理空気が加熱され、23℃、55%となる(図9中のd点)。
また、図3に示したように、20%の塩化リチウム溶液に接触する出口空気の相対湿度は70%なので、第1の水膜4において処理空気は加湿され、21℃、70%(図9中のe点)となる。なお、第1の水膜4における加湿操作によって、塩化リチウム溶液は水分を放出して再生される。
【0041】
続いて、乾球温度センサーPtに基づく第1の制御部8によって、第2のバルブ19が開かれ、冷却コイル5に9.5℃の冷水が供給され、これにより処理空気が13.5℃まで冷却されると共に除湿されて(絶対湿度が、0.011→0.0095kg/kgまで下がる)、RH98%となる(図9中のf点)。
【0042】
この処理空気は、続いて第2の水膜6に送られるが、図3に示したように、20%の塩化リチウム溶液に接触する出口空気の相対湿度は70%なので、この場合、第2の水膜6において処理空気は除湿され、16℃、70%(図9中のg点)となる。
なお、第2の水膜6において、処理空気中の水分を吸湿して濃度が薄くなった塩化リチウム溶液は、第1の配管10を介して第1の水膜4の上部から滴下され、第1の水膜4における加湿工程を経ることにより、水分を放出して再生される。
【0043】
このように本システムを適用した空気調和装置においては、中間期の除湿モードの場合、第1の水膜4が加湿部(再生部)として機能し、第2の水膜6が除湿部として機能する。また、冷却コイル5に供給する冷却水は約9.5℃程度で良く、従来の冷却水(7℃)に比べて冷水温度を高くすることができる。
【0044】
(2)他の実施形態
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、以下に示すような各種態様も可能であり、具体的な各部材の形状、あるいは取付位置及び方法は適宜変更可能である。例えば、上記の実施形態では、第1の水槽への補給水供給の制御は、第1の水槽12に設けられたボールタップ16によって行っているが、この補給水供給ライン15にバルブ(図示せず)を設け、上記第2の制御部9からの信号によってこのバルブの開度を調節して、塩化リチウム溶液の濃度を一定に保つことができるように構成しても良い。
【0045】
また、気化式加湿膜は、親水性あるいは吸水性を持ち、吸放湿性溶液がその表面を濡らすことができる材料であれば良い。また、上記の実施形態においては、吸放湿性溶液として塩化リチウム溶液を用いたが、臭化リチウム溶液等の液体吸収剤を用いても良い。
【0046】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、除湿及び加湿を単一のシステムで実現することができ、低コスト、省スペース、省エネルギー化を可能とした除湿兼加湿システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る除湿兼加湿システムの第1実施形態の構成を示す模式図
【図2】本発明に係る除湿兼加湿システムの夏季における作用を示す空気線図
【図3】塩化リチウム溶液の平衡蒸気線図
【図4】従来から用いられている蒸気加湿方式の空調機の構成を示す模式図
【図5】従来から用いられている蒸気加湿方式の空調機の夏季における作用を示す空気線図
【図6】本発明に係る除湿兼加湿システムの冬季における作用を示す空気線図
【図7】従来から用いられている蒸気加湿方式の空調機の冬季における作用を示す空気線図
【図8】第2の制御部による第1のバルブの開度の制御を示す図
【図9】本発明に係る除湿兼加湿システムの中間期における作用を示す空気線図
【符号の説明】
1…プレフィルタ
2…中性能フィルタ
3…加熱コイル
4…第1の水膜
5…冷却コイル
6…第2の水膜
7…送風機
8…第1の制御部
9…第2の制御部
10…第1の配管
11…第2の配管
12…第1の水槽
13…第2の水槽
14…連通管
15…補給水供給ライン
16…ボールタップ
17…第1のバルブ
18…温水供給ライン
19…第2のバルブ
20…冷水供給ライン[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a dehumidification / humidification system capable of realizing dehumidification and humidification with a single system.
[0002]
[Prior art]
In air conditioning systems that maintain a constant temperature and humidity, when dehumidification is required, the supercooling dehumidification + reheating method is adopted, and in the field where lower humidity is required, a dry dehumidification method using a honeycomb type is adopted. ing. Further, in an important field of humidity management, the cassava method (Chugai Air System Co., Ltd.), which is a wet dehumidification method, is still used. Further, since lithium chloride as an absorbent used in the cassava method is a very stable substance, the cassava method is also used in hospitals and food-related air conditioning.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, the conventional air conditioning system as described above has the following problems. That is, the supercooling dehumidification + reheating method has the disadvantages of high energy consumption and high running cost.
In addition, the dry dehumidification method (honeycomb rotor method) has the disadvantages that the apparatus and ductwork are complicated, and the installation space becomes large. In addition, since the regeneration of the adsorbent is performed with air at a high temperature (at least 90 ° C. or more), there is a disadvantage that energy for heating is large.
[0004]
Furthermore, the cassava method, which is a wet dehumidification method, has a disadvantage that not only the installation space is increased because of the need for a regenerator, but the structure is complicated and the price is high. In addition, the cassava method is mainly dehumidified, does not consider the humidification system, and in the winter season when humidification is required, the regenerated portion is completely unnecessary. Further, in the cassava method, since cooling and dehumidification are performed simultaneously, all dehumidified moisture is absorbed in the lithium chloride solution. For this reason, there is a drawback that the amount of heating energy for releasing the moisture is increased. Further, in order to reduce the size of the lithium chloride solution heating regenerator, the heating energy temperature needs to be increased to, for example, 90 ° C. or more.
[0005]
The present invention has been proposed in order to solve the above-described problems of the prior art, and the object thereof is to realize dehumidification and humidification with a single system, which is low cost, space-saving, The object is to provide a dehumidifying / humidifying system capable of saving energy.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the invention according to
[0008]
According to the invention described in
[0009]
According to a second aspect of the invention, the dehumidification and humidification system of
[0010]
According to a third aspect of the invention, in the invention of the second aspect , the means for keeping the concentration of the hygroscopic solution constant keeps the water level in the water tank provided below the first water film constant. It is characterized in that a predetermined amount of makeup water is supplied into the water tank so as to be held in the water tank.
[0011]
According to a fourth aspect of the present invention, in the second aspect of the present invention, the means for keeping the concentration of the hygroscopic solution constant is based on the detection value of the dew point temperature sensor. It is characterized by controlling the amount of makeup water supplied into a water tank provided at the lower part.
[0012]
According to the second to fourth aspects of the invention having the above-described configuration, the concentration of the hygroscopic solution circulated in the system can be kept constant. It is easy to keep the relative humidity at a constant.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, specific embodiments of the present invention (hereinafter referred to as embodiments) will be described with reference to the drawings.
(1) First Embodiment (1-1) Configuration The dehumidifying and humidifying system of this embodiment is configured as shown in FIG. That is, a
[0014]
The
[0015]
Further, the
[0016]
Furthermore, a hot
The
[0017]
In addition, as said 1st and
[0018]
(1-2) Actions / Effects The actions of the dehumidification / humidification system of the present embodiment having the above-described configuration are the same as in the summer cooling / dehumidification mode, in the winter humidification mode, and in the intermediate period cooling / dehumidification mode. Each will be described separately.
In the embodiment described below, the processing air introduced into the air conditioner to which the present system is applied is a mixture of outside air and indoor return air (1: 1). The indoor set temperature is assumed to be 23 ° C. and 45%, and the air control at the outlet of the air conditioner is controlled to be constant at 16 ° C. and 70% (DP = 11 ° C. at this time). At this time, the set dry bulb temperature of the
[0019]
Further, the first pump P1 and the second pump P2 are always operated, and the hot water temperature supplied to the
[0020]
(A) Summer First, the summer cooling and dehumidification modes will be described with reference to FIG. For example, in the dehumidification mode in summer when the outside air is 34 ° C. and the relative humidity is 60% (point a in FIG. 2), the processing air taken into the air conditioner to which this system is applied is outside air (in FIG. 2). Since it is 1: 1 mixed air of the return air from the room (point a) and the return air (point b in FIG. 2), the point c in FIG. 2 (28.5 ° C., 58% RH) is obtained. This processing air is taken into the chamber through the
[0021]
In this case, as is apparent from FIG. 3 showing the equilibrium vapor diagram of the lithium chloride solution, the relative humidity of the outlet air that contacts the 20% lithium chloride solution through the
[0022]
Subsequently, the
This treated air is then sent to the
[0023]
The state of the outside air (point a in FIG. 2) changes from moment to moment, and the points c, d, and e in FIG. 2 also change accordingly, but the outlet state of the air conditioner to which this system is applied (Point f in FIG. 2) is the
In the
[0024]
Thus, in the air conditioning apparatus to which the present system is applied, in the summer dehumidifying mode, the
[0025]
Here, the action and effect of this embodiment in the summer season (cooling and dehumidification) are the same as those of the conventional supercooling dehumidification + reheating type air conditioner (hereinafter referred to as the conventional type) having the configuration shown in FIG. This will be explained in comparison with an air conditioner.
That is, the conventional air conditioner has a pre-filter 31, a
[0026]
Further, a chilled
[0027]
Then, the
[0028]
In the conventional air conditioner having such a configuration, the outside air is 34 ° C. and the relative humidity is 60%. The outside air (point a in FIG. 5) and the return air from the room (point b in FIG. 5) are 1: 1. When the mixed air is taken in, the
As described above, in the conventional air conditioner, the cold water supplied to the cooling
[0029]
(B) Next to winter, the heating and humidification modes in winter will be described with reference to FIG. For example, in the humidification mode in winter when the outside air is 0 ° C. and the relative humidity is 30% (point a in FIG. 6), the treated air taken into the air conditioner to which the present system is applied is outside air (a in FIG. 6). Point) and return air from the room (point b in FIG. 6) is 1: 1 mixed air, and therefore, point c in FIG. 6 (11.5 ° C., 50% RH) is obtained. This processing air is taken into the chamber through the
[0030]
In this case, the
[0031]
Here, the control of the opening degree of the
[0032]
As described above, in the summer, the
[0033]
The state of the outside air (point a in FIG. 6) changes from moment to moment, and the points c, d, and e in FIG. 6 also change accordingly, but the outlet state of the air conditioner to which this system is applied (Point f in FIG. 6) is the
[0034]
Although the water level of the lithium chloride solution in the
[0035]
Thus, in the air conditioning apparatus to which the present system is applied, in the humidification mode in winter, both the
[0036]
Here, the operation and effect of the present embodiment in winter (heating and humidification) will be described in comparison with a conventional air conditioner having a configuration as shown in FIG.
That is, the conventional air conditioner has a 1: 1 mixed air of outside air at 0 ° C. and relative humidity of 30% (point a in FIG. 7) and return air from the room (point b in FIG. 7). When incorporated, the
[0037]
Subsequently, the
[0038]
However, in the case of a conventional air conditioner, in order to obtain humidified steam to be supplied to the
[0039]
(C) Next to the intermediate period, the cooling and dehumidifying modes in the intermediate period will be described with reference to FIG. For example, in an intermediate humidity reduction mode in which the outside air is 17 ° C. and the relative humidity is 90% (point “a” in FIG. 9), the treated air taken into the air conditioner to which the present system is applied is outside air (in FIG. 9). 9) and the return air from the room (point b in FIG. 9) is 1: 1 mixed air, and therefore, the point c in FIG. 9 (20 ° C., 65% RH) is obtained. This processing air is taken into the chamber through the
[0040]
In this case, the
Further, as shown in FIG. 3, since the relative humidity of the outlet air that contacts the 20% lithium chloride solution is 70%, the processing air is humidified in the
[0041]
Subsequently, the
[0042]
This treated air is then sent to the
In the
[0043]
As described above, in the air conditioner to which the present system is applied, in the dehumidification mode in the intermediate period, the
[0044]
(2) Other Embodiments The present invention is not limited to the above-described embodiments, and various modes as shown below are possible. Specific shapes of members, mounting positions and methods are as follows. It can be changed as appropriate. For example, in the above embodiment, the supply water supply to the first water tank is controlled by the
[0045]
Moreover, the vaporization type humidification film | membrane should just be a material which has hydrophilicity or water absorption, and a moisture absorption / release solution can wet the surface. In the above embodiment, the lithium chloride solution is used as the moisture absorbing / releasing solution, but a liquid absorbent such as a lithium bromide solution may be used.
[0046]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, dehumidification and humidification can be realized with a single system, and a dehumidification / humidification system that can achieve low cost, space saving, and energy saving can be provided.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram showing a configuration of a first embodiment of a dehumidifying / humidifying system according to the present invention. FIG. 2 is an air line diagram showing an action in summer of the dehumidifying / humidifying system according to the present invention. Equilibrium vapor diagram of the solution [Fig. 4] Schematic diagram showing the configuration of a conventional steam humidification type air conditioner [Fig. 5] Shows the action of a conventional steam humidification type air conditioner in summer Air diagram [Fig. 6] Air diagram showing the operation in winter of the dehumidification / humidification system according to the present invention [Fig. 7] Air diagram showing the operation in winter of the steam humidification type air conditioner used conventionally [ FIG. 8 is a diagram showing the control of the opening degree of the first valve by the second control unit. FIG. 9 is an air line diagram showing the operation in the intermediate period of the dehumidification / humidification system according to the present invention.
DESCRIPTION OF
Claims (5)
前記取入口から取り入れられる前記処理空気は、外気と前記供給口から室内に供給された戻り空気の混合空気からなり、
除湿モードであって、
夏季の冷房時には、前記処理空気は、加熱コイルの運転を必要とせず第1の水膜において加湿されると同時に、前記吸放湿性溶液の濃度は高められ、前記第1の制御部は前記冷却コイルの冷却量を制御して前記処理空気を冷却し、前記第2の水膜において除湿されると同時に前記吸放湿性溶液の濃度は低くなり、
中間期の冷房時には、前記第2の制御部は前記加熱コイルの加熱量を制御して前記処理空気の相対湿度を下げるために加熱し、この処理空気は前記第1の水膜において加湿されると同時に、前記吸放湿性溶液の濃度は高められ、さらに、前記第1の制御部は前記冷却コイルの冷却量を制御して前記処理空気を冷却し、この処理空気は前記第2の水膜において除湿されると同時に、前期吸放湿性溶液の濃度は低くなり、
加湿モードであって、冬季の暖房時には、前記第2の制御部は前記加熱コイルの加熱量を制御して前記処理空気を加熱し、この処理空気は前記第1の水膜において加湿され、さらに第2の水膜において加湿されるように構成されたことを特徴とする除湿兼加湿システム。A chamber having a processing air inlet and a supply port is provided with a first water film and a second water film made of a vaporizing humidifying film having a predetermined gas-liquid contact area. A hygroscopic solution having a concentration is circulated, and a heating coil for supplying heating energy for heating the processing air is disposed in front of the first water film, and the first water film is provided. A cooling coil for removing heat necessary for dehumidification of the moisture humidified by the processing air in the chamber and the cooling load is disposed between the second water film and the second water film, and supply of the processed air to the room The mouth is provided with a dry bulb temperature sensor and a dew point temperature sensor. Based on a detection value of the dry bulb temperature sensor, a first control unit that controls a cooling amount in the cooling coil, and a detection of the dew point temperature sensor Heating amount in the heating coil based on the value And a second control unit for controlling, in dehumidification and humidification system for controlling the temperature and humidity in the supply port constant,
The processing air taken in from the intake port is composed of a mixture of outside air and return air supplied into the room from the supply port,
In dehumidification mode,
During cooling in summer, the processing air is humidified in the first water film without requiring operation of a heating coil, and at the same time, the concentration of the hygroscopic solution is increased, and the first control unit performs the cooling. The cooling amount of the coil is controlled to cool the processing air, and the concentration of the hygroscopic solution is reduced at the same time that the moisture is dehumidified in the second water film ,
During cooling in the intermediate period, the second control unit controls the amount of heating of the heating coil to heat to reduce the relative humidity of the processing air, and the processing air is humidified in the first water film. At the same time, the absorbing concentration of moisture solution increased further, the first control unit to cool the process air by controlling the cooling amount of the cooling coil, the process air is the second water film at the same time Ru dehumidified in the concentration of the previous term moisture sorption solution is low,
A humidification mode, during winter heating, the second control unit heats the process air by controlling the heating amount of said heating coil, the process air is humidified in the first water film, further dehumidification and humidification system, characterized in that configured so that humidified in the second water film.
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