JP4121097B2 - 乳化重合を開始するためのレドックス触媒系 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は新規なレドックス触媒系、この触媒系によってビニル化合物を乳化重合することによって分散物を製造する方法、特にポリビニルエステルを基本成分とするもの並びにそれを多孔質−および半多孔質物質のための耐水性のホルムアルデヒド不含接着剤として用いることに関する。
【0002】
【従来技術】
レドックス触媒系はビニル化合物を遊離基乳化重合の開始に広範囲で使用されている。一成分系の熱解離性開始剤と比較した場合のこの系の長所は一般に短い誘導期間および、低温での重合およびその結果として得られる高分子量の重合体を可能とする低い活性エネルギーにある。レドックス触媒系の種々の組合せは科学文献および特許文献に掲載されている。しばしば使用されるレドックス対の組合せは、一方が酸化剤の過酸化水素、ベンゾイルペルオキシド、アルキル−ヒドロペルオキシド、ペルオキソ二硫酸塩であり、もう一方が還元剤、例えば遷移金属イオン、例えばFe2+、カルボン酸、例えばアスコルビン酸または酒石酸、硫黄化合物、例えば亜硫酸水素ナトリウム、亜鉛−またはナトリウム−ホルムアルデヒド−スルホキシレート等である。レドックス重合の総括的考察は技術文献、例えばG.S.Misra and U.D.N.Bajpai in Prog. Polym.Sci.8、61−131(1982)に記載されている。
【0003】
単独重合体および共重合体のポリビニルエステル分散物、例えば接着剤の分野、特にポリビニルアルコールの様な保護コロイドで安定化されている接着剤の分野のために該分散物を製造するために、しばしば重合開始用にレドックス触媒系が同様に使用される。これはドイツ特許出願公開第4,420,484号明細書(第三ブチル−ヒドロペルオキシド/ナトリウム−ホルムアルデヒド−スルホキシレート)、ヨーロッパ特許出願公開第0,623,661号明細書(アンモニウム−ペルオキソジスルファート/Fe2+/ナトリウム−ホルムアルデヒド−スルホキシレート)、ドイツ特許出願公開第3,942,628号明細書、ヨーロッパ特許出願公開第0,394,774号明細書およびドイツ特許第2,620,738号明細書(あらゆる第三ブチル−ヒドロペルオキシド/ナトリウム−ホルムアルデヒド−スルホキシレート)によって説明されている。ドイツ特許第2,620,738号明細書によると、そこで使用されているレドックス触媒系、即ち第三ブチル−ヒドロペルオキシド/ナトリウム−ホルムアルデヒド−スルホキシレートを使用することは、それによって可能となる保護コロイドのポリビニルへのビニルエステルのグラフト反応によって、特に分散物から得られるフィルムの耐水性が改善されるという長所がある。
【0004】
還元成分がカルボニル化合物、例えばケトン、グリオキサールまたはグリオキサール誘導体、例えばメチルグリオキサールの亜硫酸水素塩付加物またはその他に、種々の他の硫黄化合物とグリオキサールまたはメチルグリオキサールとの付加物であってもよい、酢酸ビニル−エチレン−エマルジョンコポリマーを製造するためのレドックス触媒系を用いることも従来技術である。ドイツ特許出願公開第3,239,212号明細書(米国特許第4,360,632号明細書に対応)には、酸化剤(例えば第三ブチル−ヒドロペルオキシド)および還元剤としての、亜硫酸水素ナトリウムと炭素原子数3〜8のケトンとの水溶性付加物(例えばアセトン−亜硫酸水素ナトリウム)とを含むホルムアルデヒド不含レドックス触媒系によるラテックスの製法が開示されている。有利に使用されるモノマー系は酢酸ビニル、エチレンおよび他の官能性コモノマーを含有している。
【0005】
ドイツ特許出願公開第2,649,532号明細書、特開昭52−55,709号公報および特開昭60−99,096号公報は、酸化剤の他に、グリオキサールまたはメチルグリオキサールと還元性硫黄/酸素化合物、例えばチオスルホン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩または亜鉛塩、ジ亜チオン酸(dithionous acid)、ジ亜硫酸、亜硫酸水素ナトリウムまたは亜硫酸水素カリウムとの反応生成物を含有するホルムアルデヒド不含のレドックス触媒系に関する。使用される特別な化合物はグリオキサールの亜硫酸水素アルカリ金属付加物である。関係するポリマーは、場合によっては別の架橋性コポリマー、例えばn−ブトキシメチルアクリルアミドを含有していてもよい酢酸ビニル−エチレン共重合体である。この生成物は不織布および紙のホルムアルデヒド不含バインダーとして適しているが、耐水性に関して望まれる程の効果はグリオキサル誘導体を用いたのでは達成できない(比較例1)。
【0006】
更に米国特許第3,438,941号明細書には、亜硫酸水素ナトリウムとポリアクロレインとの付加物を塩酸で1.5より下のpHにして還元剤として、過硫酸アンモニウムおよび第三ブチル−ヒドロペルオキシドより成る酸化性混合物と組合せて特にα,β−不飽和アルデヒド、例えばアクロレインの乳化重合に使用すること、そしてその際に還元剤として使用される付加物が相当に多量に使用した場合に同時に安定化剤として機能することが開示されている。しかしながら、pHが低いために、米国特許第3,438,941号明細書に記載された重合条件はビニルエステルの重合に適していない。
【0007】
更に、比較的に最近の文献に保護コロイドとしてのポリビニルアルコールの存在下にビニルエステル、特に純粋な酢酸ビニルを乳化重合するためのレドックス触媒系の開発についての研究報告がされている。単官能性カルボニル化合物の亜硫酸水素塩付加物が還元性成分として、ペルオキソ二硫酸塩と組み合わせて使用されている。R.M.Mohsen等、Pigment and ResinTechnology、7月/8月号、第4〜6頁、17(1993)にはポリビニルアルコールで安定化されたポリ酢酸ビニル分散物をレドックス触媒系のペルオキソ二硫酸カリウム/オクタナル(亜硫酸水素ナトリウム)によって接着剤として製造することが開示されている。A.S.Badran等は、ポリビニルアルコールの存在下に、Acta Polym.42、1(1991)にペルオキソ二硫酸カリウム/サリチルアルデヒド(亜硫酸水素ナトリウム)、ActaPolym.41、187(1990)にペルオキソ二硫酸カリウム/アセトン(亜硫酸水素ナトリウム)、Polym.Sci.A28、411(1990)にペルオキソ二硫酸カリウム/シクロヘキサノン(亜硫酸水素ナトリウム)を触媒として用いて酢酸ビニルを乳化重合することを開示している。還元剤としてベンズアルデヒド−(亜硫酸水素ナトリウム)、アセトアルデヒド−(亜硫酸水素ナトリウム)および(メチルプロピルケトン)−(亜硫酸水素ナトリウム)を含むレドックス触媒系がJ.Appl.Polym.Sci.49、187(1993)でA.S.Badran等によって報告されている。レドックス触媒系において還元剤として単官能性の亜硫酸水素塩付加物を用いることによる欠点は、木材を接着する場合に耐水性に関して所望の程度の効果が同様に達成できない点である(比較例3。
【0008】
半多孔質−および多孔質基材の接着剤として使用されるポリビニルエステル分散物は、規格に従う耐水性接合に使用される。種々の架橋剤、例えば少なくとも3つの炭素原子を持つマスクされた多官能性アルデヒド(出願前の刊行物でないドイツ特許出願公開第4,420,484号明細書)、マスクされた多官能性イソシアネート(ヨーロッパ特許出願公開第0,206,059号明細書)を後から添加することまたは架橋性コモノマー、例えばN−メチロールアクリルアミドまたは関連する化合物を用いること(ドイツ特許(C)第2,620,738号明細書、ドイツ特許出願公開第3,942,628号明細書およびヨーロッパ特許出願公開第0,394,774号明細書)または両方の手段の組合せること(ドイツ特許出願公開第4,420,484号明細書およびヨーロッパ特許出願公開第0,623,661号明細書)で、特にルイス酸の存在下に、保護コロイドによって錯塩化され得る化合物、例えばアルミニウム(III )塩の存在下にポリビニルエステル分散物から誘導されるフィルムの耐水性を沸騰水に対しても耐水性と成るまで著しく改善することができる。その際に水性相は酸性に成る。
【0009】
最近では毒性の理由から、ホルムアルデヒドを遊離状態または、架橋段階で遊離され得る貯蔵ホルムアルデヒドとして結合した状態で含有する成分、例えばホルムアルデヒド樹脂、モノマーとしてのN−メチロール(メタ)アクリルアミドまたはレドックス触媒系の成分としてのナトリウム−ホルムアルデヒド−スルホキシレートを工業的に使用することをできるだけ避ける努力がされている。これは接着剤の分野にも当て嵌まる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の課題は、保護コロイド、例えばポリビニルアルコールで安定化されておりそして場合によっては酸性硬化剤、例えば塩化アルミニウムの添加後に木材が耐水性に接合するのに適合する、特にDIN EN204の試験規格に従う高度な試験クラスD4を満足するホルムアルデヒド不含の単独重合体−および共重合体分散物、特にポリビニル分散物を非常に合理的にかつ経済的に製造する方法を開発することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この課題は少なくとも二官能性の亜硫酸水素塩付加物を還元性成分として含有するレドックス触媒系を用いることによって達成される。本発明は、少なくとも1種類の酸化剤および、グルタルアルデヒド−ビス(亜硫酸水素ナトリウム)とスクシンアルデヒド−ビス(亜硫酸水素ナトリウム)とより成る群から選択された還元剤を含むレドックス触媒系にある。
【0012】
本発明のレドックス触媒系の適する酸化性成分は少なくとも1つのアゾ基または過酸化物基を持つ原則として水溶性の化合物、例えばアゾビスイソブチロニトリル、過酸化水素、ペルオキソ二燐酸塩、例えばペルオキソ二燐酸アンモニウム、−ナトリウムおよび−カリウム、ペルオキソ硫酸塩、例えば過硫酸アンモニウム、−ナトリウムおよび−カリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、−ナトリウムおよび−カリウムおよび有機系ヒドロペルオキシド類、例えばアルキルペルオキシド類である。脂肪族のアルキルヒドロペルオキシド類、特に第三ブチルヒドロペルオキシドを用いるのが特に有利である。種々の酸化剤の混合物を使用することも可能である。
【0013】
還元性成分の新規成分として使用されるものとしては、グルタルアルデヒド−ビス(亜硫酸水素ナトリウム)とスクシンアルデヒド−ビス(亜硫酸水素ナトリウム)とより成る群から選択された還元剤が挙げられる。
【0014】
グルタルアルデヒド−ビス(亜硫酸水素ナトリウム)とスクシンアルデヒド−ビス(亜硫酸水素ナトリウム)とより成る群から選択された還元剤と組合せることのできる別の還元剤には遷移金属イオン、例えばFe(II)、Fe(III )、Co(II)、Mn(III)、アスコルビン酸、酒石酸、ヒドロキシルアミン、亜燐酸ナトリウム、チオ尿素の様な化合物、チオ硫酸ナトリウム、ヒドロキシメタンスルフィン酸のナトリウム塩および亜鉛塩および、特に二亜硫酸ナトリウム(ピロ亜硫酸ナトリウム)、亜硫酸ナトリウムおよび亜硫酸水素ナトリウムがある。しばしば、少なくとも二官能性のアルデヒドの市販の亜硫酸水素塩付加物は製造工程から既に少量の遊離亜硫酸水素塩を含有している。
【0015】
酸化剤中の酸化性基と還元剤中の還元性基とのモル比は1:0.01〜1:100であるのが有利である。これは個々の場合に使用される物質の組合せおよびそれぞれの場合に使用されるレドックス式の化学量論に左右される。第三ブチル−ヒドロペルオキシドと、グルタルアルデヒド−ビス(亜硫酸水素ナトリウム)とスクシンアルデヒド−ビス(亜硫酸水素ナトリウム)とより成る群から選択された還元剤との有利なレドックス組合せの場合には、亜硫酸水素塩付加物は好ましくは1:1〜100:1の酸化剤とのモル比で、特に好ましくは2:1〜30:1のモル比で使用する。
【0016】
別の還元剤を本発明のこの亜硫酸水素塩付加物の他に使用する場合には、グルタルアルデヒド−ビス(亜硫酸水素ナトリウム)とスクシンアルデヒド−ビス(亜硫酸水素ナトリウム)とより成る群から選択された還元剤の重量割合は全還元剤の総重量の少なくとも50% 、好ましくは少なくとも75% 、特に好ましくは少なくとも90% である。特に有利なレドックス触媒系は第三ブチルヒドロペルオキシドおよびグルタルアルデヒド−ビス(亜硫酸水素ナトリウム)またはスクシンアルデヒド−ビス(亜硫酸水素ナトリウム)を含んでいる。
【0017】
本発明はビニル化合物、好ましくはビニルエステルを本発明のレドックス触媒系を用いて乳化重合することによってポリマー分散物を製造する方法にも関する。
モノマーの総重量を基準とする酸化剤の量は好ましくは0.005〜3% 、特に好ましくは0.01〜0.1% である。
【0018】
モノマーの総重量を基準とする還元剤の総重量は好ましくは0.01〜4重量% 、特に好ましくは0.1〜1.2重量% である。
本発明のレドックス触媒系を用いて製造されるポリマーは好ましくは以下のモノマー群に含まれるビニルエステルの単独重合体または共重合体である:
a)ビニルエステル、特に酸残基中の炭素原子数1〜18のもの、例えば蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルイソブチラート、ビニルピバレート、ビニル−2−エチルヘキサノエート、酸基中炭素原子数9〜10の飽和した分岐状モノカルボン酸のビニルエステル、比較的長い鎖長の飽和−または不飽和脂肪酸のビニルエステル、例えばラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニルおよび安息香酸および、安息香酸の置換誘導体のビニルエステル、例えばp−第三ブチル安息香酸ビニル。これらの内、単独重合体を形成する酢酸ビニルを専ら使用するのが特に有利である。上記の他のビニルエステルは50重量% の割合まで酢酸ビニルと共重合し得る。ポリマー中の全ての酢酸ビニルの総割合は好ましくは少なくとも50重量% 、特に好ましくは75〜100重量% である。
b)α,β−不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、それらと炭素原子数1〜18の第一〜第二飽和一価アルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−エチルヘキサノール、環状脂肪族アルコールおよび比較的に長鎖の脂肪アルコールとのエステル。更にα,β−不飽和ジカルボン酸、例えばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸またはシトラコン酸、およびそれらと炭素原子数1〜18の飽和した一価の脂肪族アルコールとのモノエステルまたはジエステルも共重合し得る。これらのコモノマーの割合はモノマーの総量を基準として25重量% まで、好ましくは1〜15重量% である。
c)エチレン性不飽和炭化水素、例えばエチレンまたは炭素原子数3〜18のα−オレフィン、例えばプロピレン、ブチレン、またスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレンおよびハロゲン化不飽和脂肪族炭化水素、例えば塩化ビニル、弗化ビニル、塩化ビニリデン、弗化ビニリデンがある。モノマーの総量を基準とするこれらコモノマーの割合は50重量% まで、好ましくは1〜25重量% である。
d)多重エチレン性不飽和モノマー、例えばジアリルフタレート、ジアリルマレエート、トリアリルシアヌレート、テトラアリルオキシエタン、ジビニルベンゼン、1,4−ブタンジオール−ジメタクリレート、トリエチレン−グリコール−ジメタクリレート、ジビニルアジペート、アリル(メタ)アクリレート、ビニルクロトナート、メチレンビスアクリルアミド、ヘキサンジオール−ジアクリレート、ペンタエリスリトール−ジアクリレートおよびトリメチロールプロパン−トリアクリレート。この群のモノマーの割合は10重量% まで、好ましくは0.01〜2重量% である。
e)窒素官能性モノマー、例えば(メタ)アクリルアミド、アリルカルバマート、アクリロニトリル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、アリル−N−メチロールカルバマートおよびまたN−メチロールエステル、N−メチロール(メタ)アクリルアミドのアルキルエステルまたはマンニッヒ塩基、またはアリル−N−メチロールカルバマート、アクリルアミドグリコール酸、メチル−アクリルアミドメトキシアセテート、N−(2,2−ジメトキシ−1−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、p−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)メタクリルアミド、エチルイミダゾリドン−メタクリレート、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルピロリドン。モノマーの総量を基準とするこれらコモノマーの割合は15重量% まで、好ましくは0.1〜10重量% である。
f)ヒドロキシ官能性モノマー、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートおよびそれらとエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドとの付加物。これらのコモノマーの割合はモノマーの総量を基準として25重量% まで、好ましくは0.1〜15重量% である。
g)自己架橋性であるかまたはカルボニル基を介して架橋し得るコモノマーであって、ジアセトンアクリルアミド、アリルアセトアセテート、ビニルアセトアセテートおよびアセトアセトキシエチル(メタ)アクリレートより成る群から選択されるもの。モノマーの総量を基準とするこれらコモノマーの割合は10重量% まで、好ましくは0.01〜5重量% である。
【0019】
ビニルエステル単位の他にポリマー中に存在するb)〜g)群のコモノマー単位の割合は全体で50重量% まで可能である。
本発明のレドックス触媒系を用いて製造される分散物は特にポリマー安定剤(保護コロイド)によって安定化されている。適する安定剤の例にはポリビニルアルコール、特に60〜100モル% 、好ましくは70〜98モル% の加水分解度および4重量% 濃度水溶液で20℃にて2〜70mPa.sの粘度を有するポリビニルアルコールがある。
【0020】
保護コロイドとしては、天然−または合成ポリマー、例えばポリビニルアルコールの誘導体、エーテル化セルロース誘導体、例えばヒドロキシエチルセルロースまたはカルボキシメチルセルロースを使用することもできる。これらは単独でまたはポリビニルアルコールと組合せて用いることができる。ポリビニルピロリドン、澱粉、デキストリン、グア、アルギナート類、蛋白質、例えばカゼインまたはゲラチン、ポリカルボン酸、例えばポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタクリルアミド)、またマレイン酸または無水マレイン酸とエチレン性不飽和化合物、例えばメチルビニルエーテルまたはスチレンとのコポリマーが同様に適する。ポリマーの固形分含有量を基準として、保護コロイドの割合は1〜20重量% 、特に2〜13重量% であるのが好ましい。
【0021】
保護コロイドの他に、ポリマーの固形分含有量を基準として10重量% まで、好ましくは0.1〜2重量% の非イオン性−および/またはアニオン性乳化剤も重合混合物中に付随的に使用してもよい。かゝる乳化剤の例には分子当たりに8〜50モルのエチレンオキシド単位を持つアルキルアリール−ポリグリコールエーテルおよびアルキルポリグリコール−エーテル、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマー、アルキルスルホナートまたはアルキルアリールスルホナート、アルキルスルファート、疎水性部分に好ましくは8〜18個の炭素原子を持ちそして親水性部分に50までのエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド単位を持つアルキル−およびアリールエーテルスルファートおよび−ホスファート、およびスルホコハク酸のモノエステルまたはジエステルまたはアルキル残基中に好ましくは8〜18の炭素原子を持つアルキルフェノールがある。
【0022】
本発明の分散物の製法は、原則として遊離基乳化重合の慣用の連続−または不連続法を用いて慣用の反応器、例えばループ型−または攪拌式反応器で実施することができる。不連続法、例えばバッチ法、バッチ/供給流の組合せ、純粋な供給流法または核形成粒子上への供給流法を用いるのが有利である。純粋なモノマーの供給流法が特に有利である。
【0023】
レドックス触媒系の個々の成分、即ち酸化剤および、グルタルアルデヒド−ビス(亜硫酸水素ナトリウム)とスクシンアルデヒド−ビス(亜硫酸水素ナトリウム)とより成る群から選択された還元剤の内、少なくとも一方、好ましくは両方を水性供給流の形で重合の間に計量供給する。亜硫酸水素塩付加物は、供給流の水溶液中でまたは重合の間に直接的に分散物中で、遊離の多官能性アルデヒドとアルカリ金属ピロ亜硫酸塩またはアルカリ金属亜硫酸水素塩との反応によってその場でも製造することができる。
【0024】
還元成分が少なくとも3つの炭素原子を持ち、かつ亜硫酸水素塩付加物として完全にマスクされた少なくとも二官能性のアルデヒドだけでなく1種類以上の他の還元成分を含有する場合には、それをマスクされた多官能性アルデヒドと一緒に計量供給するのが有利である。重合を開始するために、少量の、好ましくは総重量の<20重量% の酸化剤および/または還元剤を重合混合物中に一緒に最初に導入してもよい。
【0025】
重合は、pHによる亜硫酸水素塩付加物の解離が重合条件のもとで生じない様なpHで実施する。この範囲はpH4以上、好ましくは4.5の値以上、特に5以上である。このpHを維持するために、例えば酢酸アルカリ金属、燐酸アルカリ金属および炭酸アルカリ金属の如き慣用の緩衝塩を使用することができる。
全反応工程の間の反応温度は0℃〜100℃、好ましくは30〜95℃、特に好ましくは45〜90℃である。
【0026】
本発明は更に本発明の方法によって得ることのできる重合体分散物にも関する。
重合体分散物は細かく分散し、安定で、かつ凝集塊を含んでいない。本発明の分散物の固形分含有量は好ましくは20〜65重量% 、特に好ましくは30〜60重量% である。本発明に従って製造される重合体分散物は、レドックス触媒系を介して導入され、エマルジョン重合体に結合されそして架橋性であるマスクされたアルデヒド基を含有している。
【0027】
本発明に従って製造されるポリマー分散物は、慣用の添加物、例えば凝結防止剤を添加する場合には、噴霧−または凍結乾燥してもよい。噴霧乾燥する場合には、キャリヤーガスの温度は好ましくは、亜硫酸水素塩付加物としてブロックされたアルデヒド基の熱解離が生じない様に選択するのが有利である。得られる分散物粉末は再分散させて、ポリマーの水性分散物を再びもたらすことができる。当業者ならばこの目的に必要な方法に精通している。
【0028】
ポリマー分散物は保護コロイドのポリビニルアルコールによって錯体化されていてもよい酸性化合物、特に塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、ジルコニウム−オキシクロライドまたは燐酸の水溶液を分散物を基準として1〜10重量% 添加することによって有利に活性化される。この様に変性されたポリマー分散物のpHは好ましくは2.5〜4である。
【0029】
保護コロイドとしてのポリビニルアルコールで安定化されたポリビニルエステル分散物から得られそして重合開始剤として本発明のレドックス触媒系を用いて製造されるフィルムは、保護コロイドを錯体化し得る酸性化合物、例えばアルミニウム(III )塩の存在下に場合によってはホルムアルデヒドを放出する架橋性コモノマーを併用しなくともまたは後から添加しなくとも優れた耐水性を示す。本発明の分散物には別の慣用の添加物、例えば場合によっては別の中和剤、最低造膜温度を下げる造膜助剤、可塑剤、消泡剤、フィラーおよび保存剤を添加してもよい。
【0030】
また、本発明は本発明の分散物を接着剤として、特に半多孔質−および多孔質基体のための接着剤、好ましくは木材を基準に従って接合するための接着剤として使用することでもある。試験規格DIN EN 204の品質クラスD4を達成することができる。
本発明の触媒系によって製造されるポリビニルエステル分散物で製造される接合部は優れた耐水性を示す。それ故に試験規格DIN EN 204に従い木材用接着剤として使用する場合には、少なくとも性能クラスD2、好ましくはD3、特に好ましくはD4の要求に適合する。酸活性化ポリビニルエステル分散物は、極端な温度−および湿度変動のある内部空間で使用するのに、例えば室内スイミングプールおよびシャワー室において水の作用に曝すのに適しており、そして大きな気候的影響に曝される屋外の用途、例えば窓および屋外用ドアにも適している。更にこのものは非常にしばしば接合する場合に優れた有用性を有している。
【0031】
別の使用例には紙、厚紙、段ボール紙、発泡体、セメント、レザー、繊維複合体または積層材料、例えば床、壁またはシーリング接着剤または家具用ベニア接着剤またはカーペット裏面用接着剤として、木材繊維ボードまたは人造レザーのための耐水性バインダーおよび紙繊維または合成繊維で造る絶縁体材料のバインダーまたは織物または不織布のバインダーがある。
【0032】
以下の実施例によって本発明を更に詳細に説明する。全ての部および百分率は他に指摘がない限り重量に関する。
【0033】
【実施例】
実施例1〜3および比較例1のために還元性成分として使用する二官能性アルデヒドの亜硫酸水素塩付加物
グルタルアルデヒド−ビス(亜硫酸水素ナトリウム)(実施例1および2)およびグリオキサル−ビス(亜硫酸水素ナトリウム)1水和物(比較例1)の市販試料を使用する。
【0034】
スクシンアルデヒド−ビス(亜硫酸水素ナトリウム)(実施例3)およびブチルアルデヒド(亜硫酸水素ナトリウム)(比較例3)を、スクシンアルデヒドまたはブチルアルデヒドと亜硫酸水素ナトリウムとを水溶液中で反応させ、メタノールを添加して沈澱させ、メタノールで洗浄しそして減圧下に室温で乾燥することによって製造する。沃素分析にて生成物について次の組成が明らかになる:
表1:用いる亜硫酸水素塩付加物の沃素分析
┌───────────────┬─────────┬────────┐
│生成物 │亜硫酸水素塩付加物│遊離NaHSO3 │
│ │の含有量 │の含有量 │
├───────────────┼─────────┼────────┤
│グリオキサル−ビス(亜硫酸水素│ 91.5% │ 2.8% │
│ナトリウム)1水和物 │ │ │
├───────────────┼─────────┼────────┤
│スクシンアルデヒド−ビス(亜硫│ >99% │ 測定不能 │
│酸水素ナトリウム) │ │ │
├───────────────┼─────────┼────────┤
│グルタルアルデヒド−ビス(亜硫│ 98.3% │ 0.53% │
│酸水素ナトリウム) │ │ │
├───────────────┼─────────┼────────┤
│ブチルアルデヒド(亜硫酸水素ナ│ 92.8% │ 0.30% │
│トリウム) │ │ │
└───────────────┴─────────┴────────┘
実施例1
錨型攪拌機を備えそして供給用入口、還流冷却器、ジャケット型加熱冷却手段を配備した10Lの攪拌式ガラス製反応器に400g の(R) Mowiol 18−88(ヘキスト社;88モル% の加水分解度の部分鹸化ポリビニルアルコール)、5.5g の酢酸ナトリウムおよび3.5g の(R) Agitan 280(Muenzing−Chemie、消泡剤)を3510g の脱イオン水中に入れた重合用混合物を装入する。この混合物は5.7のpHを有している。12.8g の水に0.32g のグルタルアルデヒド−ビス(亜硫酸水素ナトリウム)を溶解した溶液をこの混合物に添加しそして反応器を加熱する。57℃の内部温度で350g の酢酸ビニルをこの混合物中に導入乳化する。26.2g の水に0.16g の第三ブチル−ヒドロペルオキシド(70% 濃度水溶液)を溶解した溶液を添加して60℃の内部温度で重合を開始する。この混合物が67℃の内部温度に達したら直ちに4つの別々の供給流を3時間にわたって一定量づつ計量供給する。供給流1: 3650g の酢酸ビニル
供給流2: 167.1g の水に31.7g のグルタルアルデヒド−ビス(亜硫 酸水素ナトリウム)および1.1g のNaHCO3 を入れたもの
供給流3: 198.55g の水に1.45g の第三ブチルヒドロペルオキシド (t−BHP:70% 濃度水溶液)を入れたもの
供給流4: 170g の水に15g のNaHCO3 を入れたもの
ジャケット温度を制御することによって重合を、静かな還流が維持されそして内部温度が供給流の添加の間に67℃から約80℃に徐々に上昇する様に実施する。供給流の添加が完了した後に、重合を更に1時間、80℃で継続しそして次にモノマーを5.4g の過酸化水素の水溶液(30% 濃度)および1.6g のアスコルビン酸の添加によって除く。次いで10% 濃度水酸化ナトリウム溶液(消費量:約60g )を用いて5.2から少なくとも6に幾分下げるpH調整を行い、2% のブチルジグリコール−アセテートを造膜助剤として攪拌混入する。凝集塊を含まない固形分含有量51.7% で26.3Pa.sのブルックフィール粘度(RVT 6/20、23℃)を有する分散物が得られる。
【0035】
実施例2
0.16g だけのグルタルアルデヒド−ビス(亜硫酸水素ナトリウム)を重合開始のために混合物中で使用することおよび供給流2が167.1g の水に15.8g のグルタルアルデヒド−ビス(亜硫酸水素ナトリウム)を溶解した1.1g のNaHCO3 を含む溶液を添加することを除いて実施例1の処方で分散物を製造する。凝集塊を含まない固形分含有量51.7% で26.9Pa.sのブルックフィール粘度(RVT 6/20、23℃)を有する分散物が得られる。
【0036】
実施例3
0.30g のスクシンアルデヒド−ビス(亜硫酸水素ナトリウム)を重合開始のために混合物中で使用することおよび供給流2が167.1g の水に29.73g のスクシンアルデヒド−ビス(亜硫酸水素ナトリウム)を溶解した0.27g のNaHCO3 を含む溶液であることを除いて実施例1の処方で分散物を製造する。凝集塊を含まない固形分含有量52% で31.1Pa.sのブルックフィール粘度(RVT 6/20、23℃)を有する分散物が得られる。
【0037】
比較例1
グリオキサル−ビス(亜硫酸水素ナトリウム)1水和物を還元剤として使用することを除いて実施例1と同様な方法で分散物を製造する。重合は0.30g のグリオキサル−ビス(亜硫酸水素ナトリウム)1水和物を使用して開始しそして使用した供給流2は330.1g の水に29.4g のグルオキサル−ビス(亜硫酸水素ナトリウム)1水和物および0.73g のNaHCO3 を溶解した溶液である。約60g の10% 濃度NaOHの代わりに112.6g の10% 濃度NaOHを用いて6.25のpHに調整する。得られた生成物は、凝集塊を含まない固形分含有量49.6% で15.1Pa.sのブルックフィール粘度(RVT6/20、23℃)を有する分散物である。
【0038】
比較例2
亜硫酸水素ナトリウム(ピロ亜硫酸ナトリウムから製造)を還元剤として使用することを除いて実施例1と同様な方法で分散物を製造する。重合は0.014g の亜硫酸水素ナトリウムを使用して開始しそして使用した供給流2は167.1g の水に1.43g のピロ亜硫酸ナトリウムおよび0.83g のNaHCO3 を溶解した溶液である。この供給流および供給流3の添加は、モノマー供給流1の添加よりも幾分か早く開始する。得られた生成物は、凝集塊を含まない固形分含有量51.5% で26.0Pa.sのブルックフィール粘度(RVT 6/20、23℃)を有する分散物である。
【0039】
比較例3
ブチルアルデヒド(亜硫酸水素ナトリウム)を還元剤として使用することを除いて実施例1と同様な方法で分散物を製造する。重合は0.39g のブチルアルデヒド(亜硫酸水素ナトリウム)を使用して開始しそして使用した供給流2は167.1g の水に38.4g のブチルアルデヒド(亜硫酸水素ナトリウム)および1.88g のNaHCO3 を溶解した溶液である。約60g の10% 濃度NaOHを用いて6のpHに調整する。得られた生成物は、凝集塊を含まない固形分含有量52.7% で22.2Pa.sのブルックフィール粘度(RVT 6/20、23℃)を有する分散物である。
【0040】
木材用接着剤としてのポリ酢酸ビニル分散物の試験
各実施例のそれぞれ100部の分散物を、水に塩化アルミニウムを溶解した28% 濃度溶液5部と混合する。木材用接着剤としての試験をDIN EN 204/D4に従って実施する。接着および試験は次の条件のもとで実施する:
AlCl3 の添加後の熟成時間: 2時間
接着剤塗布: 150±20g /m2 (底部側)
開放待ち時間: 3分
密閉待ち時間: 3分
圧縮時間: 2時間
圧縮圧: 0.7±0.1N/mm2
各試験当たりの試験体の数: 20
貯蔵順序D4/5: 標準の温度および湿度条件で7日*)
沸騰水中で6時間
冷水中で2時間。
【0041】
試験温度: 23℃±2℃
進行速度: 50mm/分
性能グループD4/5への分類は≧4N/mm2 の引張強度の場合である。
*)標準の温度−および湿度条件:23±2℃、50±5% の相対湿度
ウエット接着強度について得られる値を表2に示す。この表は実施例で使用する触媒系で使用される成分の量を同様に示している。(数字はモノマー1kgを基準としている)
表2:触媒系および、分散物のウエット接着強度
┌───┬───────┬───┬───────┬─────┬────┐
│実施例│NaHSO3 │t-BHP │NaHSO3 │遊離NaHSO3│ D 4/5 │
│比較例│下記化合物の │[mmol]│下記化合物の │[mmol] │[N/mm2] │
│ │(ビス)付加物│ │(ビス)付加物│ │ │
│ │ │ │の量 [mmol] │ │ │
├───┼───────┼───┼───────┼─────┼────┤
│実施例│グルタルアルデ│ 3.13 │ 25.54 │ 0.41 │ 5.5 │
│ 1 │ヒド │ │ │ │ │
├───┼───────┼───┼───────┼─────┼────┤
│実施例│グルタルアルデ│ 3.13 │ 12.77 │ 0.205 │ 3.9 │
│ 2 │ヒド │ │ │ │ │
├───┼───────┼───┼───────┼─────┼────┤
│実施例│スクシンアルデ│ 3.13 │ 25.54 │ - │ 4.6 │
│ 3 │ヒド │ │ │ │ │
├───┼───────┼───┼───────┼─────┼────┤
│比較例│グリオキサル │ 3.13 │ 25.54 │ 2 │ 0.5 │
│ 1 │ │ │ │ │ │
├───┼───────┼───┼───────┼─────┼────┤
│比較例│ − │ 3.13 │ - │ 3.8 │全試験体│
│ 2 │ │ │ │ │が崩壊 │
├───┼───────┼───┼───────┼─────┼────┤
│比較例│ブチルアルデヒ│ 3.13 │ 51.08 │ 0.28 │全試験体│
│ 3 │ド │ │ │ │が崩壊 │
└───┴───────┴───┴───────┴─────┴────┘
この表から、本発明の実施例1〜3の分散物から得られるフィルムによって生じる接合は亜硫酸水素塩付加物の量に左右される高い対沸騰水耐水性を示す。実施例1および3は、試験規格DIN EN204 D4の接合物の対沸騰水耐水性のための貯蔵順序D4/5の要求に容易に合格する。本発明によらない比較例1は、当量のグルオキサル−ビス(亜硫酸水素ナトリウム)を還元剤系の成分として使用して製造された生成物が試験規格の要求より遙かに短くそして本発明の課題を解決しないことが判る。比較例2で還元剤として亜硫酸水素ナトリウムを専ら使用しても、耐水性に関して何の効果も示さない。実施例1および3で使用したアルデヒド付加物の二倍のモル量(従って当量)のブチルアルデヒド(亜硫酸水素ナトリウム)を実施例3で使用したスクシンアルデヒドと同じ炭素原子数の単官能性アルデヒドの亜硫酸水素塩付加物の代表例として使用すると、本発明によらない比較例3の場合には、接合部の耐水性に関して望ましい程の効果がないことが判る。
【0042】
遊離ホルムアルデヒド
遊離ホルムアルデヒドの検出を塩化アルミニウムで変性していない本発明の実施例1〜3の分散物の遠心分離液においてアセチルアセトン法によって紫外線/可視光線−分光分析で実施する。〔アセチルアセトン反応試薬溶液の製造については、H.PetersenおよびN.Petri、Melliand Textilberichte 66、第363頁(1985)参照〕。以下に示す値は全て検出限界の近辺にある。
【0043】
Claims (6)
- 少なくとも1種類の酸化剤および、グルタルアルデヒド−ビス(亜硫酸水素ナトリウム)とスクシンアルデヒド−ビス(亜硫酸水素ナトリウム)とより成る群から選択された還元剤を含む、エチレン性不飽和化合物の遊離基乳化重合のためのレドックス触媒系。
- 有機ヒドロペルオキシドが酸化剤として存在している請求項1に記載のレドックス触媒系。
- 酸化剤中の酸化性基と還元剤の還元性基とのモル比が1:0.01〜1:100である請求項1に記載のレドックス触媒系。
- 請求項1に記載のレドックス触媒系を用いてビニル化合物を乳化重合することによってポリマー分散物を製造する方法。
- 酸基中の炭素原子数1〜18のビニルエステルをビニル化合物として使用する請求項4に記載の方法。
- レドックス触媒系の酸化剤および還元剤を別々の供給流によって並列的に計量供給する請求項4に記載の方法。
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