JP4120370B2 - 脚式移動ロボット用の歩行器の設計方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも複数本の可動脚を備えた脚式移動ロボットの開発支援に係り、特に、2足直立歩行を行なう脚式移動ロボットの開発支援に関する。
【0002】
さらに詳しくは、本発明は、脚式移動ロボットの研究開発・製造時における、歩行やその他の姿勢不安定となる脚式作業の実施の支援に係り、特に、脚式移動ロボットの歩行やその他の姿勢不安定となる脚式作業時における補助に関する。
【0003】
【従来の技術】
電気的若しくは磁気的な作用を用いて人間の動作に似せた運動を行う機械装置のことを「ロボット」という。ロボットの語源は、スラブ語の"ROBOTA(奴隷機械)"に由来すると言われている。わが国では、ロボットが普及し始めたのは1960年代末からであるが、その多くは、工場における生産作業の自動化・無人化などを目的としたマニピュレータや搬送ロボットなどの産業用ロボット(industrial robot)であった。
【0004】
最近では、ヒトやサルなどの2足直立歩行を行う動物の身体メカニズムや動作を模した脚式移動ロボットに関する研究開発が進展し、実用化への期待も高まってきている。ヒトの生体メカニズムや動作を再現した脚式移動ロボットのことを、特に、「人間形」、若しくは「人間型」のロボット(humanoid robot)と呼ぶ。
【0005】
2足直立による脚式移動は、クローラ式や、4足又は6足式などに比し不安定で姿勢制御や歩行制御が難しくなるが、不整地や障害物など作業経路上に凹凸のある歩行面や、階段や梯子の昇降など不連続な歩行面に対応することができるなど、柔軟な移動作業を実現できるという点で優れている。
【0006】
2足の脚式移動ロボットに関する姿勢制御や安定歩行に関する技術は既に数多提案されている。ここで言う安定な「歩行」とは、「転倒することなく、脚を使って移動すること」と定義することができる。ロボットの姿勢安定制御は、ロボットの転倒を回避する上で非常に重要である。何故ならば、転倒は、ロボットが実行中の作業を中断することを意味し、且つ、転倒状態から起き上がって作業を再開するために相当の労力や時間が払われるからである。また、転倒によって、ロボット本体自体、あるいは転倒するロボットと衝突する相手側の物体にも、致命的な損傷を与えてしまう危険があるからである。
【0007】
2足など直立歩行を行なうロボットの場合、そもそも通常の直立姿勢が不安定であることから、転倒の問題は特に特に重要である。このため、例えばZMP(Zero Moment Point)を歩行の安定度判別の規範として用いた、脚式移動ロボットの姿勢安定制御や歩行時の転倒防止に関する数多の提案がなされている。ZMPによる安定度判別規範は、歩行系から路面には重力と慣性力、並びにこれらのモーメントが路面から歩行系への反作用としての床反力並びに床反力モーメントとバランスするという「ダランベールの原理」に基づく。力学的推論の帰結として、足底接地点と路面の形成する支持多角形(すなわちZMP安定領域)の辺上あるいはその内側にピッチ軸及びロール軸モーメントがゼロとなる点、すなわち「ZMP(Zero Moment Point)」が存在する(例えば、非特許文献1を参照のこと)。
【0008】
他方、開発の成果として、完成した脚式移動ロボットの姿勢安定制御が可能で、転倒を回避するような動作を実現することができたり、あるいは転倒時に損傷を防止するようなメカニズムを備えていたりしたとしても、開発の途上において、試作機は転倒を繰り返すということが想定される。ところが、実験段階において、転倒する度に機体が損傷してしまうと、補修を経てから出ないと実験を再開することができず、この結果、開発期間の長期化や開発コストの増大を招来する。
【0009】
ロボットの研究開発や製造などの歩行テスト(又はその他の形態の脚式作業のテスト)を実施する際、例えば、天井から機体を吊り下げたり、両側で人が支えたりと、転倒時のサポートが大掛かりになっていた。また、人手で支えているときに、質量のある機体が転倒したり、あるいは暴走したりすると、作業員が巻き込まれて大怪我をするなど、安全性に欠け、労働衛生上好ましくない。また、人手によるサポートでは、人為的ミスにより信頼性が低下する。
【0010】
通常、転倒する可能性がある移動体の作業を支える手段として、車輪を設けることが考えられる。しかしながら、この場合、自重が重たくなることや、路面との摩擦が移動作業への負荷となり、障害となる。自重への影響が大きかったり、路面との摩擦が高かったりする場合、支持がある場合に確立された姿勢安定制御は、支持があることを前提にして成立するものであり、支持を外した自由歩行の場合に適用することはできない。
【0011】
【非特許文献1】
ヴコブラトビッチ(Miomir Vukobratovic)著「脚式移動ロボット(LEGGED LOCOMOTION ROBOTS)」(加藤一郎外著『歩行ロボットと人工の足』(日刊工業新聞社))
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、2足直立歩行を行なう脚式移動ロボットの開発を支援することにある。
【0013】
本発明のさらなる目的は、脚式移動ロボットの研究開発・製造時における、歩行やその他の姿勢不安定となる脚式作業の実施を支援することにある。
【0014】
本発明のさらなる目的は、研究開発・製造時において、脚式移動ロボットの歩行やその他の姿勢不安定となる脚式作業を好適に補助することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、少なくとも複数本の可動脚を備え、脚式作業を行なう脚式移動ロボットのための歩行器であって、
床面から所定の高さに配設された底部大輪と、
前記底部大輪の上方に配設された上部小輪と、
前記底部大輪及び前記上部小輪を連結する連結部と、
前記脚式移動ロボットに前記歩行器を固定する固定部と、
を具備することを特徴とする脚式移動ロボット用の歩行器である。
【0016】
ここで、前記の各部材の接合には、溶着と樹脂接合を併用するようにしてもよい。これによって、接合剛性を向上させ、強力にすることができる。
【0017】
また、前記底部大輪及び前記上部小輪は平板構造体とし、前記連結部は丸棒とする。すなわち、それぞれ弾力性と剛性を考慮した形状の、軽量且つ高剛性のグラスファイバー部材によって構成される。また、これらの部材によって構成されたフレーム全体が歪むことで、ロボットが衝突したときや転倒したときに、緩衝材としての効果を発揮することができる。
【0018】
また、歩行器の質量をロボットの自重の3%以下に抑えることで、運動性能への影響がなくすことができる。
【0019】
また、前記脚式移動ロボット側の前記固定部の対応部位には1以上のピン穴が穿設され、前記固定部は、前記ピン穴に嵌合するピンを備えていてもよい。ここで言う前記脚式移動ロボット側の前記固定部の対応部位は、例えば、前記脚式移動ロボットの脚付け根付近である。また、前記ピンは、両端にリング状のゴムを配置した円筒部材を貫挿し、フランジとともに挟み込み、さらに前記フランジの底面部をナットで螺着し締め付けることによって、前記リング状のゴムが潰され、その外径が大きくなることによって、前記ピン穴に対して固定される。
【0020】
また、前記上部小輪は、前記歩行器を装着した前記脚式移動ロボットの歩行姿勢又はその他の動作の妨げにならないように、脚の股関節ロール、ピッチ、ヨーの各軸回りの可動範囲と干渉しない径及び高さ位置で、且つ、腕部の歩行姿勢(手振り)との干渉がない外径寸法に設定される。
【0021】
また、前記底部大輪は、歩行姿勢時の床面から質量重心高さ(H)を正3角形と考え、底辺長さ(底部大輪11の径)Dを下式のように設定する。
【0022】
【数2】
【0023】
また、前記底部大輪は、前記脚式移動ロボットの歩行時に膝を曲げて歩行するための十分なクリアランスを考慮した床面からの高さを持つものとする。
【0024】
また、前記固定部は、常に傾斜せず、水平が保たれる部位である腰下部のフレームを基礎として、前記脚式移動ロボットと固定及び連結する。
【0025】
しかして、本発明に係る脚式移動ロボット用の歩行器によれば、機械的な可動部を持ち、その可動部の動作によって人間との情報のやりとりやエンタテインメントを目的としたロボットに関して、以下の事柄を実現することができる。
【0026】
(1)評価・検討などのための自立歩行時の転倒を防止することで、ロボット本体への自身の故障を軽減し又は回避することができる。
(2)質量のあるロボットを作業員が手で支えることにより、手首への負担から腱鞘炎などの障害を起こす原因となっていたが、支える必要がなくなることにより、労働衛生上の対策となる。
(3)人手のサポートによる、安全性の問題や人為的ミスによる危険を解消することができる。
(4)開発途上において、独立した機器を装着するため、遠隔支持や吊り下げるなどの支えることのない非接触での適応制御などの挙動観察を行なうことが可能になる。歩行器を機体に装着することによる影響はほとんどない。また、装着による外乱が少ないことから、歩行など機体動作の定量的な計測を精度よく行なうことができる。
(5)歩行器は、製造最終工程での出荷前動作確認・エージング時の補助装置となる。
(6)歩行器は、軽量且つ高剛性のフレームで構成されているので、フレーム全体が歪むことで、ロボットの衝突時や転倒時に緩衝材として衝撃を吸収し、ロボットや周囲環境への危害を軽減することができる。
(7)部材の接合には溶着と樹脂接着を併用することで、接合剛性を強力にすることができる。
(8)路面との接触をなくすことで、キャスターなどの転がり摩擦によるロボットへの影響をなくすことができる。
(9)歩行器の質量を、ロボットの自重の3%以下に軽減することで、運動性能への影響を少なくすることができる。
(10)ロボットと歩行器の固定方法として、ロボットの固定部位側へのピン挿入とピン側に組み込んだリング状ゴムを変形させその径を拡張することで、ピン穴中に与圧固定することができ、余分な固定用の部品を必要としないワンタッチ固定の機構とする。
(11)大掛かりな設備が要らず、小額費用で実現することができる。
【0027】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
【0029】
図1及び図2には本発明の実施に供される「人間形」又は「人間型」の脚式移動ロボット100が直立している様子を前方及び後方の各々から眺望した様子を示している。図示の通り、脚式移動ロボット100は、胴体部と、頭部と、左右の上肢部と、脚式移動を行なう左右2足の下肢部とで構成され、例えば胴体に内蔵されている制御部(図示しない)により機体の動作を統括的にコントロールするようになっている。
【0030】
左右各々の下肢は、大腿部と、膝関節と、脛部と、足首と、足平とで構成され、股関節によって体幹部の略最下端にて連結されている。また、左右各々の上肢は、上腕と、肘関節と、前腕とで構成され、肩関節によって体幹部の上方の左右各側縁にて連結されている。また、頭部は、首関節によって体幹部の略最上端中央に連結されている。
【0031】
制御部は、この脚式移動ロボット100を構成する各関節アクチュエータの駆動制御や各センサ(後述)などからの外部入力を処理するコントローラ(主制御部)や、電源回路その他の周辺機器類を搭載した筐体である。制御部は、その他、遠隔操作用の通信インターフェースや通信装置を含んでいてもよい。
【0032】
このように構成された脚式移動ロボット100は、制御部による全身協調的な動作制御により、2足歩行を実現することができる。かかる2足歩行は、一般に、以下に示す各動作期間に分割される歩行周期を繰り返すことによって行なわれる。すなわち、
【0033】
(1)右脚を持ち上げた、左脚による単脚支持期
(2)右足が接地した両脚支持期
(3)左脚を持ち上げた、右脚による単脚支持期
(4)左足が接地した両脚支持期
【0034】
脚式移動ロボット100における歩行制御は、あらかじめ下肢の目標軌道を計画し、上記の各期間において計画軌道の修正を行なうことによって実現される。すなわち、両脚支持期では、下肢軌道の修正を停止して、計画軌道に対する総修正量を用いて腰の高さを一定値で修正する。また、単脚支持期では、修正を受けた脚の足首と腰との相対位置関係を計画軌道に復帰させるように修正軌道を生成する。
【0035】
歩行動作の軌道修正を始めとして、機体の姿勢安定制御には、一般に、ZMPに対する偏差を小さくするための位置、速度、及び加速度が連続となるように、5次多項式を用いた補間計算により行なう。例えば、ZMP(Zero Moment Point)を歩行の安定度判別の規範として用いる。
【0036】
図示の脚式移動ロボットの開発の途上において、試作機は転倒を繰り返すということが想定される。ところが、実験段階において、転倒する度に機体が損傷してしまうと、補修を経てから出ないと実験を再開することができず、この結果、開発期間の長期化や開発コストの増大を招来する。
【0037】
そこで、本発明では、歩行やその他の姿勢不安定となる脚式作業の実施を支援する歩行器を提案する。この歩行器は、装着時におけるロボットの自重への影響が少なく、路面との摩擦が小さいことを特徴とする。
【0038】
図3〜図6には、脚式移動ロボット100に歩行器1を装着したときの正面、側面、上面、並び斜視した様子をそれぞれ示している。また、図7には、歩行器1の3面図を示している。
【0039】
各図に示すように、脚式移動ロボットの歩行やその他の脚式作業を支援する歩行器1は、底部大輪11と、ピン固定部12と、上部小輪13と、底部大輪11と上部小輪13とを連結する4本のロッド14で構成される。
【0040】
これら部材11〜14の接合には、溶着と樹脂接合を併用する。これによって、接合剛性を向上させ、強力にすることができる。
【0041】
底部大輪11と上部小輪13は平板構造体とし、4本のロッド14は丸棒(中空シャフト)とすることで、それぞれ弾力性と剛性を考慮した形状の、軽量且つ高剛性のグラスファイバー部材によって構成される。
【0042】
また、これらの部材11〜14によって構成されたフレーム全体が歪むことで、ロボット100が衝突したときや転倒したときに、緩衝材としての効果を発揮するようになっている。
【0043】
また、歩行器1の質量は、ロボットの自重の3%以下に抑えることで、運動性能への影響がないレベルとしている。
【0044】
ピン固定部12には、ロボット100と接合して固定するための2本の段付きピン21が突設されている。本実施形態では、脚式移動ロボット100と歩行器1とを接合する方法として、ロボット100の脚付け根側フレームに、歩行器1側の段付きピン21を挿入するためのピン穴を穿設して、このピン穴にピンを嵌合するように構成されている。
【0045】
図8には、ピン固定部12に取り付けられた段付きピン21の断面構造を示している。図示の通り、段付きピン21は、両端にリング状のゴム22を配置した円筒部材23を貫挿し、フランジ24とともに挟み込み、さらに底面部をナット25で螺着している。ナット25を締め付けることによって、リング状のゴム22が潰され、その外径が大きくなることによって、ロボット100側のピン穴に対して固定できるようになっている(ワンタッチ固定)。
【0046】
図3〜図6に示すように、本実施形態に係る歩行器1は、底部大輪11と上部小輪13が床面から所定の高さ及び間隔を以って構成されている。
【0047】
上部小輪13は、歩行器1を装着したロボット100の歩行姿勢や動作の妨げにならないように、脚の股関節ロール、ピッチ、ヨーの各軸回りの可動範囲と干渉しない径及び高さ位置で、且つ、外径としては、腕部の歩行姿勢(手振り)との干渉がない寸法に設定する。
【0048】
また、底部大輪11は、ロボット100の質量重心位置が腹部付近にあり、歩行姿勢時の床面から質量重心高さ(H)を正3角形と考え、底辺長さ(底部大輪11の径)Dを下式のように設定する(図9を参照のこと)。
【0049】
【数3】
【0050】
このφD以上の径にすれば、安定の状態と定義して、底部大輪11の径を決定することができる。
【0051】
また、底部大輪の床面からの高さについては、ロボット歩行時に膝を曲げて歩行するため、その分のクリアランスを考慮して設定する。
【0052】
また、歩行器1をロボット100に固定する位置に関しては、常に傾斜せず、水平が保たれる部位である腰下部のフレームを基礎として、歩行器1の固定及び連結を行なうように構成した。
【0053】
[追補]
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。
【0054】
本発明の要旨は、必ずしも「ロボット」と称される製品には限定されない。すなわち、電気的若しくは磁気的な作用を用いて人間の動作に似せた運動を行う機械装置であるならば、例えば玩具等のような他の産業分野に属する製品であっても、同様に本発明を適用することができる。
【0055】
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0056】
【発明の効果】
以上詳記したように、本発明によれば、脚式移動ロボットの研究開発・製造時における、歩行やその他の姿勢不安定となる脚式作業の実施を支援することができる。
【0057】
また、本発明によれば、研究開発・製造時において、脚式移動ロボットの歩行やその他の姿勢不安定となる脚式作業を好適に補助することができる。
【0058】
本発明に係る脚式移動ロボット用の歩行器によれば、機械的な可動部を持ち、その可動部の動作によって人間との情報のやりとりやエンタテインメントを目的としたロボットに関して、以下の事柄を実現することができる。
(1)評価・検討などのための自立歩行時の転倒を防止することで、ロボット本体への自身の故障を軽減し又は回避することができる。
(2)質量のあるロボットを作業員が手で支えることにより、手首への負担から腱鞘炎などの障害を起こす原因となっていたが、支える必要がなくなることにより、労働衛生上の対策となる。
(3)人手のサポートによる、安全性の問題や人為的ミスによる危険を解消することができる。
(4)開発途上において、独立した機器を装着するため、遠隔支持や吊り下げるなどの支えることのない非接触での適応制御などの挙動観察を行なうことが可能になる。歩行器を機体に装着することによる影響はほとんどない。また、装着による外乱が少ないことから、歩行など機体動作の定量的な計測を精度よく行なうことができる。
(5)歩行器は、製造最終工程での出荷前動作確認・エージング時の補助装置となる。
(6)歩行器は、軽量且つ高剛性のフレームで構成されているので、フレーム全体が歪むことで、ロボットの衝突時や転倒時に緩衝材として衝撃を吸収し、ロボットや周囲環境への危害を軽減することができる。
(7)部材の接合には溶着と樹脂接着を併用することで、接合剛性を強力にすることができる。
(8)路面との接触をなくすことで、キャスターなどの転がり摩擦によるロボットへの影響をなくすことができる。
(9)歩行器の質量を、ロボットの自重の3%以下に軽減することで、運動性能への影響を少なくすることができる。
(10)ロボットと歩行器の固定方法として、ロボットの固定部位側へのピン挿入とピン側に組み込んだリング状ゴムを変形させその径を拡張することで、ピン穴中に与圧固定することができ、余分な固定用の部品を必要としないワンタッチ固定の機構とする。
(11)大掛かりな設備が要らず、小額費用で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に供される脚式移動ロボットが直立している様子を前方から眺望した様子を示した図である。
【図2】本発明の実施に供される脚式移動ロボットが直立している様子を後方から眺望した様子を示した図である。
【図3】脚式移動ロボット100に歩行器1を装着したときの正面図である。
【図4】脚式移動ロボット100に歩行器1を装着したときの側面図である。
【図5】脚式移動ロボット100に歩行器1を装着したときの上面図である。
【図6】脚式移動ロボット100に歩行器1を装着したときの斜視図である。
【図7】歩行器1の3面図を示した図である。
【図8】段付きピン21の断面構成を示した図である。
【図9】歩行器1の底部大輪11と上部小輪13の寸法を説明するための図である。
【符号の説明】
1…歩行器
11…底部大輪
12…ピン固定部
13…上部小輪
14…ロッド
21…段付きピン
22…リング状ゴム
23…円筒部材
24…フランジ
25…ナット
Claims (10)
- 少なくとも複数本の可動脚を備え、脚式作業を行なう脚式移動ロボットのための歩行器の設計方法であって、
前記歩行器は、底部大輪と、前記底部大輪の上方に配設された上部小輪と、前記底部大輪及び前記上部小輪を連結する連結部と、前記脚式移動ロボットに前記歩行器を固定する固定部を備え、
前記固定部によって前記歩行器を前記脚式移動ロボットに固定したときに、前記底部大輪及び前記上部小輪は、それぞれ床面から所定の高さ及び間隔を以って離間して配設されるようにする、
ことを特徴とする脚式移動ロボット用の歩行器の設計方法。 - 前記の各部材の接合には、溶着と樹脂接合を併用する、
ことを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボット用の歩行器の設計方法。 - 前記底部大輪及び前記上部小輪は平板構造体とし、前記連結部は丸棒とする、
ことを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボット用の歩行器の設計方法。 - 前記歩行器全体の質量が前記脚式移動ロボットの自重の3%以下である、
ことを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボット用の歩行器の設計方法。 - 前記脚式移動ロボット側の前記固定部の対応部位には1以上のピン穴が穿設されており、
前記固定部は、前記ピン穴に嵌合するピンを備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボット用の歩行器の設計方法。 - 前記脚式移動ロボット側の前記固定部の対応部位は、前記脚式移動ロボットの脚付け根付近である、
ことを特徴とする請求項5に記載の脚式移動ロボット用の歩行器の設計方法。 - 前記ピンは、両端にリング状のゴムを配置した円筒部材を貫挿し、フランジとともに挟み込み、さらに前記フランジの底面部をナットで螺着し締め付けることによって、前記リング状のゴムが潰され、その外径が大きくなることによって、前記ピン穴に対して固定される、
ことを特徴とする請求項5に記載の脚式移動ロボット用の歩行器の設計方法。 - 前記固定部によって前記歩行器を前記脚式移動ロボットに固定したときに、前記上部小輪は、前記歩行器を装着した前記脚式移動ロボットの歩行姿勢又はその他の動作の妨げにならないように、脚の股関節ロール、ピッチ、ヨーの各軸回りの可動範囲と干渉しない径及び高さ位置で、且つ、腕部の歩行姿勢(手振り)との干渉がない外径寸法に設定される、
ことを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボット用の歩行器の設計方法。 - 前記底部大輪は、前記脚式移動ロボットの歩行時に膝を曲げて歩行するための十分なクリアランスを考慮した床面からの高さを持つ、
ことを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボット用の歩行器の設計方法。 - 前記固定部は、常に傾斜せず、水平が保たれる部位である腰下部のフレームを基礎として、前記脚式移動ロボットと固定及び連結する、
ことを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボット用の歩行器の設計方法。
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