JP4119225B2 - ガスメータ接続用ライザー管 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、地中に埋設されたプラスチック管とガスメータを含む地上のガス配管との接続に使用されるガスメータ接続用ライザー管に関する。
【0002】
【従来の技術】
地中に埋設されたプラスチック管(例えばPE管)に金属管を接続し、この金属管を地上に立ち上げて地上のガスメータに配管接続する場合、例えば図4に示すようにトランジション継手を用いた立ち上げ配管が採用されている。同図において、ガスメータ30の入口側では、ガス本管(不図示)に接続されるPE管20の先端部に外面が樹脂で被覆された鋼管(以下樹脂被覆鋼管という)21が、接合面に電熱線を内蔵した電気融着継手(以下EF継手という)22、トランジション継手23及び樹脂被覆継手24により接続されて地上に立ち上げられ、ガスメータ継手31によりガスメータ30の入口に接続される。樹脂被覆鋼管21の途中には腐食防止のために、電気絶縁機能を有する絶縁継手25(例えばねじ込み式外面プラスチック被覆継手)が設けられる。一方ガスメータ30の出口側では、先端が建物内のヘッダー(不図示)に接続されるフレキ管40にフレキ継手41を介して樹脂被覆鋼管42が接続されて地上に立ち上げられる。樹脂被覆鋼管42は、ガスメータ継手31によりガスメータ30の出口に接続される。ガスメータ30は、支持金具32及び33により地上に立ち上げられた配管に保持される。34はガス栓、35は試験用チーである。この配管工法においては、トランジション継手23は地中(G.L.以下)で樹脂被覆鋼管21にねじ込まれているので、安全性を確保するために定期的に保安検査が行われる。
【0003】
上記保安検査を無くすために、鋼管を用いたライザー管を使用することが提案され、実用化されている。例えば特許文献1には、一端が地中の埋設プラスチック管に接続して立ち上げられるプラスチック管の地上端から地中の埋設部に亘って内挿されかつ他端がガスメータに連結される鋼管と、鋼管を内挿したプラスチック管の少なくとも地上に立ち上げられた部分の外面とそのプラスチック管の地中部に位置する部分の外面とに装着して縮径しプラスチック管と鋼管との間を密封固定する金属製筒体とからなるガスメータ接続用ライザー管が提案されている。また特許文献2には、一端に樹脂被覆鋼管が接続される継手本体の表面を樹脂で被覆し、その樹脂被覆層の地上立ち上がり部を耐候性を有する保護カバーで覆い、上記樹脂被覆層の端部を埋設された樹脂管と接続するガスメータ接続用ライザー管が提案されている。特許文献1及び特許文献2に記載されたライザー管によれば、定期保安検査を省略することができ、しかも絶縁機能をもつので、ガスメータ廻りの配管施工の合理化に有効である。特に特許文献2に記載されたライザー管は、簡単な構造であってしかも高い絶縁機能をもつので、極めて有用なものである。
【0004】
【特許文献1】
特許第3088710号公報(第3−4頁、図1、図2)
【特許文献2】
特開2000−146061号公報(第3−4頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献2に記載されたライザー管は、継手本体の外周面に熱可塑性樹脂を射出成形して樹脂被覆層を設けて製造されるため、例えば呼び径が20A、25A、32Aといった小口径のガス配管に適用する場合には、ライザー管が多量に使用されるので、口径ごとに射出成形用金型を準備しておけばよいので、経済的に製造することができる。しかしながら、例えば呼び径が50A乃至80Aといった大口径のガス配管に適用する場合には、ライザー管が多量に使用されるわけではないので、口径ごとに射出成形用金型を準備しておくことは、製造コストを考慮すると、工業的には採用できないといえる。
【0006】
従って本発明の目的は、従来のガスメータ接続用ライザー管の問題点を解決し、シンプルな構造と優れた絶縁性能を有し、大口径のガス配管に適用できるガスメータ接続用ライザー管を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のガスメータ接続用ライザー管は、一端部に鋼管の受容部を有する基体と、前記基体の外周面に装着され、その他端部側の端面から延出するプラスチック管との融着部を有する樹脂製円筒体と、前記一端部側に装着された保護スリーブと、前記樹脂製円筒体の外周面に被着された、前記樹脂よりも耐候性の大なる材料からなる保護カバーと、前記保護カバーの内周側に挿入された押圧リングを有することを特徴とするものである。
【0008】
本発明において、前記基体の前記押圧リングにより押圧される部分の外周面に、前記樹脂製円筒体の内周面が食い込まれる複数条の係止部が形成されていることが好ましい。この構成によれば、樹脂製円筒体と基体との密着性を向上させることができる。
本発明において、前記基体の両端部には、前記樹脂製円筒体と接するシール部材が挿入されていることが必要である。この構成によれば、ライザー管の気密性が向上し、高い安全性が得られる。
【0009】
本発明によれば、金属製基体の外周に樹脂製円筒体を固着し、その外周面を保護カバーで被覆するので、シンプルな構造と優れた絶縁性能を有し、大口径のガス配管に対応できるガスメータ接続用ライザー管を提供することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。図1は本発明のガスメータ接続用ライザー管を用いて配管した状態を示す模式図で図4と同一機能部分は同一の参照符号で示し、図2は本発明の実施の形態に係わるガスメータ接続用ライザー管の半縦断面図、図3は図2のA部を拡大した図である。
図1に示すライザー管を用いたガス配管においては、ガス管(不図示)に接続されるPE管20の先端部に、EF継手22及びライザー管10により樹脂被覆鋼管21が接続されて地上に立ち上げられ、ガスメータ30の入り口はメータ継手31を介して樹脂被覆鋼管21と接続される。ガスメータ30の出口側では、先端が建物内のヘッダー(不図示)に接続されるフレキ管40にフレキ継手41を介して接続された樹脂被覆鋼管42が接続されて地上に立ち上げられる。32及び33は、ガスメータ30を配管部材に保持する支持金具、34はガス栓、35は試験用チーである。
【0011】
本発明のライザー管10は、例えば機械構造用炭素鋼鋼管(STKM材)からなる円筒状の基体11と、その外周面に装着された例えばポリエチレン管からなる樹脂製円筒体12と、円筒体12を基体11に押圧するカシメリング13と、樹脂製円筒体12の外周面に被着された保護カバー14と、基体11の一端側に装着された保護スリーブ15を有する(図2参照)。基体11は、図3に示すように、一端側に樹脂被覆鋼管21(図1参照)の端部が接続される受け口11aを有し、その内周面にテーパ雌ネジ11bが形成されている。また基体11の一端側には、カシメリング13により押圧される部分にネジ部が設けられ、その部分は断面鋸歯状の係止部11cを形成している。基体11の他端側にシール部材(例えばOリング)が嵌装される円周溝11dが形成されている(図2参照)。樹脂製円筒体12は、例えばPE管を所定長さに切断して形成され、受け口11aに当接する側の端部内周面に面取り加工が施され、かつ他方の端部が基体11の端面から延出して埋設プラスチック管(例えばPE管)との融着部12a(図2参照)が形成されるような長さを有する。保護カバー14は、円筒体12を形成する樹脂(例えばPE)よりも耐候性の大なる熱収縮性樹脂(例えば塩化ビニール)で形成され、樹脂製円筒体12の内地表から露出する部分を覆うことができる長さを有する。保護カバー14は、特に樹脂製円筒体12を紫外線から保護するために、1〜2mm程度の厚さを有することが望ましい。保護スリーブ15は、保護カバー14と同様に円筒体12を形成する樹脂(例えばPE)よりも耐候性の大なる熱収縮性樹脂(例えば塩化ビニール)で形成され、樹脂被覆鋼管21(図1参照)の端部が差し込まれる受け口15aと、基体11の受け口11a及びカシメリング13の外周面に当接する接合面15bと、保護カバー14の一端側が差し込まれるインロー部15cを有する。保護スリーブ15と基体11とカシメリング13とを相互に密着させるために、接合面15bの外径は、カシメリング13と実質的に同一の外径を有するように形成される。
【0012】
上記のライザー管10はEF継手22を介してPE管20と接続され、地中でねじ込まれる部分がないので、定期保安検査を省略することができることはもちろん、一部が地中に埋設される金属で形成された基体11の外周面がその全長に亘って絶縁体(樹脂製円筒体12及び保護スリーブ15)で覆われているので、土壌と電気的に絶縁され、もってマクロセル腐食等の電気的腐食を確実に防止することができる。また基体11と樹脂製円筒体12には地中となる円周溝11d位置でシール部材(Oリング17)が装着されているので、万一火災時に地上部の樹脂製円筒体12が消失しても地中で基体11とシール部材と樹脂製円筒体12がつながり、外部へのガス漏れを抑制し、火災を助長することは無い。
【0013】
上記のライザー管10は、次の手順により組立てられる。基体11の受け口11aの端面(円筒体12に当接する側)と円周溝11dにそれぞれOリング16及びOリング17をセットし、基体11の外周面に樹脂製円筒体12を差込み、円筒体12の端面が受け口11aの端面に当接するまで押し込む。樹脂製円筒体12にカシメリング13を嵌め込むことにより、樹脂製円筒体12の内周面は、基体11の係止部11cに食い込み、樹脂製円筒体12は基体11に強固に固定され、軸方向の相対移動が阻止される。次いで樹脂製円筒体12及びカシメリング13に保護カバー14を被せ、加熱手段(例えば温水)により熱収縮させてから所定長さに切断する。次に受け口11aの外周面に接着剤を塗布後、保護カバー14を嵌入、接着して受け口11aと一体化させ、メネジ部11bで樹脂被覆鋼管21と接続する時のねじ込みに耐える強度と防食性を保持させることになる。Oリング16及びOリング17は、耐油性及び耐ガス透過性に優れたニトリルゴム(NBR)で形成することが望ましい。
【0014】
上記の如く本発明のライザー管10は、基体11、樹脂製円筒体12、カシメリング13、保護カバー14、保護スリーブ15及びOリング16、17といった少数の部品で簡単に組み立てられるので、低コストで製作することが可能となる。上記のようにして組み立てられたライザー管10を用いて、図1に示すように立ち上げ配管が行われ、ガスメータ30が接続される。
【0015】
【発明の効果】
以上に記述の如く本発明によれば、金属製基体に樹脂製円筒体を装着・固定し、その外周面を樹脂製保護カバーで被覆した構造をするので、少ない工数で組み立てられしかも高い絶縁性能と火災時の耐火性を付与することができる。特に本発明によれば、ライザー管の使用量が少ない大口径の立ち上げ配管を工業的に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスメータ接続用ライザー管を用いて配管した状態を示す模式図である。
【図2】本発明のガスメータ接続用ライザー管の半縦断面図である。
【図3】図2のA部を拡大した図である。
【図4】トランジション継手を用いた従来の配管状態を示す模式図である。
【符号の説明】
10:鋼管ライザー
11:基体
11a:大径部
11b:メネジ部
11c:係止部
11d:円周溝
12:樹脂製円筒体
12a:融着部
13:カシメリング
14:保護カバー
14a:先端部
15:保護スリーブ
15a:受け口
15b:接合面
15c:インロー部
16、17:Oリング
20:PE管
21:樹脂被覆鋼管
22:EF継手
23:トランジション継手
24:被覆継手
25:絶縁継手
30:ガスメータ
31:メータ継手
32、33:支持金具
34:ガス栓
35:試験用チー
40:フレキ管
41:フレキ継手
42:樹脂被覆鋼管
Claims (3)
- 一端部に鋼管の受容部を有する基体と、前記基体の外周面に装着され、前記基体の他端部側の端面から延出するプラスチック管との融着部を有する樹脂製円筒体と、前記基体の前記一端部側に装着された保護スリーブと、前記円筒体の外周面に被着された、前記樹脂よりも耐候性の大なる樹脂材料からなる保護カバーと、前記保護カバーの内周側に嵌入された押圧リングを有することを特徴とするガスメータ接続用ライザー管。
- 前記基体の前記押圧リングにより押圧される部分の外周面に、前記樹脂製円筒体の内周面が食い込まれる複数条の係止部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のガスメータ接続用ライザー管。
- 前記基体の両端部には、前記樹脂製円筒体と接するシール部材が挿入されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスメータ接続用ライザー管。
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