JP4118857B2 - Dnaプローブチップおよびdnaハイブリダイゼーション制御法 - Google Patents

Dnaプローブチップおよびdnaハイブリダイゼーション制御法 Download PDF

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本発明はポリヌクレオチド混合試料液中に含まれる種々のターゲットポリヌクレオチドを一度に検査するDNAプローブチップあるいはDNAプローブアレーと呼ばれるものに関する。DNA、RNAなどの試料液中のターゲットポリヌクレオチドと基板に固定したプローブDNAとのハイブリダイゼーションを高速かつ高収率で行うチップ構造とハイブリダイゼーション法に関する。
ゲノム計画の進展とともにDNAレベルで生体を理解し、病気の診断や生命現象の理解をしようとする動きが活発化してきた。生命現象の理解や遺伝子の働きを調べるには遺伝子の発現状況を調べることが有効である。この有力な方法として固体表面上に数多くのDNAプローブを種類毎に区分けして固定したDNAプローブアレーあるいはDNAプローブチップ(実際には固定されているのはオリゴヌクレオチドの誘導体であるのでオリゴチップと呼ぶこともある)が用いられている。
DNAプローブチップを作るには、光化学反応と、半導体工業でよく用いられるリソグラフィーを用いて区画された多数のセルに、設計された配列のオリゴマーを一塩基づつ合成して行く方法(非特許文献1:Science 251, 767-773(1991))、あるいは、DNAプローブやタンパク質プローブを各区画に一つ一つ植え込んでいく方法(非特許文献2:Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93, 4613-4918 (1996))などがある。
これらのチップは、いずれもスライドガラスなどの平面状に多数のプローブを、区画を区切り、アレー状に整列させた構造をしている。どのプローブがどの位置にあるかは、プローブが固定されている物理的な位置のみでインデクシングされるのが一般的である。
使用方法は、チップ基板上のプローブに、蛍光標識したDNA断片やmRNAやこれを逆転写したcDNAなどのターゲットポリヌクレオチド(以下単にターゲットポリヌクレオチド)をハイブリダイズさせて、基板上に導入される蛍光体を蛍光スキャナーで検出する。あるいは、ターゲットポリヌクレオチドをハイブリダイズさせた後に、プローブと隣接してターゲットポリヌクレオチドに相補な蛍光標識オリゴを連結反応(ライゲーション)で連結したり、DNAポリメラーゼを用いて蛍光標識dNTP基質を反応させたりして、基板上に導入する蛍光体を検出するのが主流である。
最近では、酸化還元反応を利用した電気化学的な検出を行う方法も実用になっている。タンパク質の場合は抗原抗体反応のようなアフィニティー反応を利用して、基板上に特定タンパク質などを捕捉した後、質量分析機で分析する方法、蛍光標識抗体や酵素標識抗体でサンドイッチ反応をおこない、基板上に残る蛍光体や酵素活性を検出する方法、電気化学発光を用いる検出法がある。
電気化学発光法では、電極表面に抗原捕捉用の抗体が存在する。サンドイッチ用抗体の標識物にはルテニウム錯体を用いる(非特許文献3:Clin. Chem., 37, 1534-1539 (19991))。電極表面ではルテニウムが酸化され、TPAのレドックス反応とカップルさせて還元するときに励起状態となったルテニウムの電子が基底状態に落ちる時に光を発するので、この光を検出する。
DNAプローブチップにおけるハイブリダイゼーションのメカニズムの検討に関していくつかの報告がある。Wattersonらの非特許文献4(Langmuir, 16, 4984-4992(2000))記載の内容によると、プローブ平均間隔が3〜7nmの範囲では、チップ表面のプローブ固定密度が高くなると、プローブのマイナス電荷とターゲットポリヌクレオチドのマイナス電荷の斥力により、ターゲットポリヌクレオチドのチップ表面への接近速度とハイブリダイゼイーション速度が低下するという。他方、Kurlらによると数〜数十nm間隔でプローブを固定すると高密度の方が感度が上がる(非特許文献5)という。
Science 251, 767-773 (1991) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93, 4613-4918 (1996) Clin. Chem., 37, 1534-1539 (19991) Langmuir, 16, 4984-4992 (2000) Nucleic Acids Research, 29, 5163-5168 (2001)
上記従来技術の項で明らかなように、DNAプローブチップを用いるターゲットポリヌクレオチドのハイブリダイゼーションに関しては、ある程度の実験的なメカニズムの検討がなされているものの、それらが実際のDNAプローブチップの構造やハイブリダイゼーションのさせ方に反映されているわけではない。むしろ、チップ上に固定するプローブのコンテンツ開発や計測手段開発が主流であり、プローブごとの速度論的、熱力学的な原理に基づいて優れた条件でのハイブリダイゼーションを行おうとする試みは少ない。
このために、従来の方法では、ハイブリダイゼーションの反応時間として12時間程度の長い時間が必要となっているのみならず、反応効率も低い。
本発明は、このような難点を解決するためになされたもので、固体チップ表面でのハイブリダイゼーション速度を改善し、短時間で計測が可能で高感度かつ擬陽性ハイブリダイゼーションの少ないDNAプローブチップ,このような問題点を解決するDNAプローブチップの作成法、および、DNAプローブチップにおけるハイブリダイゼーション法を提供することにある。
本発明は、
1)プローブは電極表面に固定し、ターゲットポリヌクレオチドをプローブが固定された電極表面近傍に濃縮できる構造とすること、
2)前記電極表面近傍に濃縮されたターゲットポリヌクレオチドを拡散させるときに、プローブが速やかに起立するよう、プローブは、その自由端にマイナスに解離する残基(マイナス電荷)を導入した構造とすること、
により上記の目的を実現する。
上記に加え、さらに、より工夫されたものとして、
3)プローブは、固定端側をGCリッチとすることにより、起立したプローブへのターゲットポリヌクレオチドのハイブリダイゼーションが基板側から自由端側に進むようにする。このことにより、周囲のプローブや固相表面の立体障害を受けにくくする、
4)プローブは、プローブ主鎖のマイナス電荷が除去されたものとすることにより、ターゲットポリヌクレオチドがプローブにハイブリダイゼーションしやすいようにする、
ものとして、固体チップ表面でのハイブリダイゼーション速度を、より改善し、短時間で計測が可能で高感度かつ擬陽性ハイブリダイゼーションの少ないものとする。
本発明によれば、DNAプローブチップ表面に固定したプローブのトポロジーとハイブリダイゼーション形成の方向を制御できるので、プローブチップ上でのプローブのハイブリダイゼーション速度を、従来法の数十倍以上に高めることができる。
プローブとターゲットポリヌクレオチドとのハイブリダイゼーションの過程を考察すると、効率よくハイブリダイゼーションを行うには、以下の点を考慮する必要があることに気づく。
1)DNAプローブチップでは、プローブは固相表面に固定されており、プローブとターゲットポリヌクレオチドのハイブリダイゼーションは、実質的に、固液界面での相補鎖結合反応となる。このため、溶液中のターゲットポリヌクレオチドがプローブと衝突するにはターゲットポリヌクレオチドが固液界面まで拡散する必要がある。固体表面の拡散層に達するまでは、十分攪拌するか、ターゲットポリヌクレオチドに濃度勾配をつけて、固液界面近傍の濃度を高めることが必要であるが、単に攪拌するだけでは拡散層内はターゲットポリヌクレオチドの拡散係数に頼ることになり時間がかかる。
本発明では、DNAプローブチップ表面(プローブを固定している固相表面)をプラス電位として、マイナスの電荷を有するターゲットポリヌクレオチドをDNAプローブチップ表面に静電的に引き寄せる。この結果、DNAプローブチップ表面とターゲットポリヌクレオチドを含む試料液との固液界面から試料液に向かって、ターゲットポリヌクレオチドの濃度勾配を形成することができる。すなわち、DNAプローブチップ表面に近いほどターゲットポリヌクレオチドの濃度が高い状態とすることが出来る。DNAプローブチップ表面をプラス電位とするには、DNAプローブチップ表面にプラスに解離する残基(プラス電荷)を導入して調製するか、あるいは、DNAプローブチップ表面とDNAプローブチップ表面から離れた位置の試料液の部分とに電極を配し、DNAプローブチップ表面がプラス電位となるように電圧を印加することで実現する。
2)DNAプローブチップ上のプローブとターゲットポリヌクレオチドは、いずれも、マイナスに荷電されたポリマーである。ハイブリダイゼーション形成の過程では、プローブとターゲットポリヌクレオチドの最もハイブリダイゼーションしやすい部分が核となり、ハイブリッドを形成し、その領域が広がることにより完全なハイブリダイゼーションが完了すると考えられる。このときに考慮しなくてはならないのが、DNAプローブチップ表面の影響と隣接するプローブの立体障害である。
従来技術の項で示したNucleic Acids Research, 29, 5163-5168 (2001)とLangmuir, 16, 4984-4992(2000)の両者を比較すると、プローブ密度が、十分、疎な状態では熱力学的にプローブ量が多いほうがハイブリダイゼーションに有利であるが、密度が7nm以下になると、隣接するプローブの電荷反発力によりハイブリダイゼーション効率が低下すると解釈できる。また、本文献には記載されていないが、プローブ密度が高いと立体障害によりハイブリダイゼーション効率が低下する。
マクロ的な観察からは、最適なプローブ密度が存在することになる。しかし、本発明では、上記1)記載のように、ターゲットポリヌクレオチドをプローブ近傍に高密度に存在させて、プローブと衝突させるので、マクロ的な観察で言えるような、最適なプローブ密度が存在することにはならない。すなわち、本発明では、ターゲットポリヌクレオチドはチップ表面上のプローブに到達した状態からハイブリダイゼーションがスタートする。したがって、ハイブリダイゼーションの効率は、プローブの先端がハイブリダイゼーションの核になるか、プローブの根元(チップ表面)の方が核になるかにより、異なることに気づいた。
すなわち、プローブの先端(自由端)がハイブリダイゼーションの核になる場合は、巨大なターゲットポリヌクレオチド分子がプローブDNAに巻き付く(2本鎖を形成する)過程で隣接するプローブと衝突したり、チップ表面に衝突したりすることになるので立体的に不利となり、巻き付く速度が遅くなる。一方、プローブが固定されている側、すなわち、プローブの根元(チップ表面)の方がハイブリダイゼーションの核になる場合は、チップ表面から遠ざかる方向でターゲットポリヌクレオチドがプローブに巻き付く(2本鎖を形成する)。この場合は、チップ表面から遠ざかる方向にハイブリダイゼーションが進行するので立体的な障害は少ない。さらに、隣接プローブの先端部もターゲットポリヌクレオチドが巻き付いた状態ではないので、障害は少ない。
以下、図面を参照しながら、より具体的に説明する。
(実施例1)
図1Aは、本発明の実施に好適なDNAプローブチップ100の平面図、図1Bは、図1AのA−A位置で矢印方向に見た断面図である。
1はDNAプローブチップ基板としてのフロートガラス(20×40mm)である。2は電極であり、基板1の表面に蒸着されている。電極は10×10mmで100nmの厚さのITO(Indium-Tin Oxide)である。3はITO電極2の表面に形成された10nm厚のフッ素表面コーティングである。4はプローブ固定領域であり、フッ素表面コーティングを周期的に除去して電極2の表面を露出させたものである。図1Aでは、プローブ固定領域4は4×4個として大きな円形状で示したが、実際のプローブ固定領域4は30μmφ程度の広さとされ、例えば、100×100個設けられる。隣接するプローブ固定領域4とは60μm程度離れているとともに、隣接するプローブ固定領域4間にはフッ素表面コーティングが配されて、プローブ固定領域4は、それぞれ独立した形となっている。
電極2の上面に設けられるフッ素表面コーティング3は、隣接するプローブ固定領域4間のクロスコンタミネーションを防ぐ目的で導入されている。それぞれのプローブ固定領域4には、ピンアレー装置により数百plのオーダーで、所定のプローブ液が塗布されるので、プローブ液が領域からはみ出さないように、フッ素表面コーティング3は撥水性の性質が要求される。プリント技術で塗布されたフッ素表面コーティング3表面に、マスクを用いて酸素プラズマでアッシングしてフッ素表面コーティングを除去することによりプローブ固定領域4を作成できる。酸素プラズマアッシングによりプローブ固定領域4を作成するため、この領域の露出しているITO電極2は親水性となる。
プローブをプローブ固定領域4のITO電極2の表面に固定する方法を述べる。ITO電極2の表面は酸化状態にあるので、シランカップリング反応を用いてDNAプローブを固定する。DNAプローブ固定の実施条件、すなわち緩衝液組成、試料DNAプローブに関してはNucleic Acids Research (2002) 30, No.16 e87記載のハイブリダイゼーション方法に従う。プローブ固定法に関しては、上記文献に従い、ITO電極2を3−アミノプロピルトリメトキシシランで処理し、表面にアミノ基を導入する。表面に導入したアミノ基とプローブのSH基の間をN−(11−maleimidoundecanoxyloxy)succinimideで架橋する。この方法で50塩基前後のプローブを固定するとプローブ固定密度がおおよそ15nm2に1分子になる。
あるいは、A.Kumarらの方法(Nucleic Acids Research (2000) 28, No.14 e71記載の方法で、あらかじめ、合成オリゴヌクレオチドの5’末端にトリメトキシシラン残基を導入したシラン化DNAプローブを、プローブ固定領域4のITO電極2の表面に塗布してプローブを固定する。
(実施例2)
図2Aは、図1を参照して説明したDNAプローブチップ100の表面にターゲットポリヌクレオチドを含む試料液を導入した状態、図2BはDNAプローブチップ100の表面と試料液との固液界面から試料液に向かって、ターゲットポリヌクレオチドの濃度勾配を形成する最初の手順をとった状態、図2Cは濃度勾配を形成する次の手順をとった状態を、それぞれ、断面図の形で示す図である。
DNAプローブチップ100の表面に、適当なスペーサ(図示しない)を入れて0.1mmのギャップを空け、カバーガラス11を乗せる。カバーガラス11の内面には、100nmの厚さのITO電極15を設ける。DNAプローブチップ100の表面とカバーガラス11との隙間に40マイクロリットルのmRNA試料液50を添加する。試料液50は、スライドガラスを一定の速度で往復運動させ、攪拌される。図2Aはこの状態を示す図であり、12−1、12−2および12−3は、それぞれ、プローブ固定領域4に固定されたプローブである。14は、試料液50内に分散しているターゲットポリヌクレオチドである。この状態では、ターゲットポリヌクレオチドはターゲットポリヌクレオチドの拡散係数に応じて拡散するに過ぎない。
図2Bは、DNAプローブチップ100の電極2とカバーガラス11の電極15との間に、電源25により、電極2がプラスになるように+15V/cmになるように電界(実効的には電極間で0.15V)を印加した状態を示す図である。この結果、DNAプローブチップ表面側をプラス電位とすることで、マイナスの電荷を有するターゲットポリヌクレオチド14およびプローブ12−1,12−2および12−3を静電的に、DNAプローブチップ表面に引き寄せる。なお、電極15はカバーガラス11に貼り付けてある必要はなく、試料液50内のDNAプローブチップ表面側から離れた部位にあれば良い。
図2Cは、電源25により電圧を印加した30秒後に、DNAプローブチップ100の電極2とカバーガラス11の電極15との間に、電源26により、電極2がマイナスになるように−15V/cmの電界(実効的には電極間で0.15V)をかけ、0分間から30分間攪拌を続けた状態を示す図である。電極2がマイナスになるため、静電的に、DNAプローブチップ表面に引き寄せられていたマイナスの電荷を有するターゲットポリヌクレオチド14およびプローブ12−1,12−2および12−3は、DNAプローブチップ表面を離れる。プローブ12は短いので、短時間で離れ、ターゲットポリヌクレオチド14は時間をかけて離れることになるが、試料液50内のターゲットポリヌクレオチド14の濃度はDNAプローブチップ表面側ほど濃度が高い勾配を持ったものとなる。
すなわち、図2Cに示すように、電界を反転させるとプローブ12のマイナス電荷やターゲットポリヌクレオチド14のマイナス電荷との反発力が働き、これらがDNAプローブチップ表面から遠ざかる方向に働く。プローブ12はターゲット14に対して短い(小さい)ので、より速く遠ざかろうとするが、方端が固定されているので、プローブ分子はすばやくチップ表面に対して直鎖状に起立する。これに対して、ターゲットポリヌクレオチドは分子が大きいので、動きが鈍く、DNAプローブチップ表面に滞在する時間が長い。すなわち、プローブの固定端近傍のほうが先端近傍よりターゲットポリヌクレオチド濃度が高くなる。
すなわち、図2Cはハイブリダイゼーションが始まる前の状態を示すことになるが、ターゲットポリヌクレオチドとプローブとのハイブリダイゼーションの確率は、プローブの根元の方が先端部分より高くなる。よって、プローブのチップ表面に近い部分にハイブリダイゼーションの核が確率的に形成する率が高まり、プローブの基板近くの方から先端の方向にハイブリダイゼーションが進行し、ターゲットポリヌクレオチドはDNAプローブチップ表面上のプローブと効率よくハイブリダイゼーションすることになる。
図3は、実施例2の効果を示す図である。図2A、図2Bおよび図2Cで説明したようにしてプローブ12に捕捉されるターゲットポリヌクレオチドを評価するために、ターゲットポリヌクレオチドに金粒子を結合させておき、DNAプローブチップに印加する電界の条件をパラメータとして、ターゲットポリヌクレオチドを捕捉する時間を種々変えて調べた。このチップを洗浄し、乾燥させ、走査型電子顕微鏡で表面に残存する金粒子の数をカウントした。横軸は電界をかける時間、縦軸はカウントされた金粒子の数である。
特性曲線101は、電源25により、電極2−15間に、+15V/cmの電界を印加した後、電源26により、電極2−15間に、−15V/cmの電界を印加した場合のDNAプローブチップのターゲットポリヌクレオチドの捕捉結果、102は、コントロールとして、いかなる電界も加えないときのDNAプローブチップのターゲットポリヌクレオチドの捕捉結果、および、103は電源25により、+15V/cmを印加しただけで、電源26により、−15V/cmを印加しなかった場合のDNAプローブチップのターゲットポリヌクレオチドの捕捉結果を、それぞれ、示す。ここで、101と103は、最初の+15V/cmを印加する時間は同じとした。
特性曲線101に明らかなように、まず、電源25により、電極2−15間に、+15V/cmの電界を印加して、マイナスの電荷を有するターゲットポリヌクレオチド14およびプローブ12−1,12−2および12−3を静電的に、DNAプローブチップ表面に引き寄せる。その後、電源26により、電極2−15間に、−15V/cmの電界を印加して、静電的に、DNAプローブチップ表面に引き寄せられていたマイナスの電荷を有するターゲットポリヌクレオチド14およびプローブ12−1,12−2および12−3を、DNAプローブチップ表面から離す。この手順をとることにより、試料液50内のターゲットポリヌクレオチド14の濃度はDNAプローブチップ表面側ほど濃度が高い勾配を持ったものとなり、この結果、効率よくターゲットポリヌクレオチドを捕捉出来たことが分かる。なお、図からも分かるように、ある程度、ハイブリダイゼーションが進めば、捕捉できるターゲットポリヌクレオチドは飽和するので、ハイブリダイゼーション反応を長時間続ける価値はない。
なお、本実施例では金ナノ粒子を標識に用いたが、Cy3蛍光体で標識した配列番号3を試料としても、同様な傾向の結果を得ることができる。すなわち、蛍光標識を用いる場合は図3の縦軸は相対蛍光強度におきかえればよい。
電源25により、電極2−15間に、+15V/cmの電界を印加して、マイナスの電荷を有するターゲットポリヌクレオチド14およびプローブ12−1,12−2および12−3を静電的に、DNAプローブチップ表面に引き寄せただけでは、この電界を取り去っても、引き寄せられたプローブが図2Cに示すように、整然と並ばないので、ハイブリダイゼーションの反応が進み難い。
いかなる電圧も印加しないときは、試料液50内のターゲットポリヌクレオチド14の濃度勾配は生じないので、ターゲットポリヌクレオチド14の捕捉率は低いものとなるのは当然である。
なお、DNAプローブチップ表面をプラス電位とするには、上述したように、DNAプローブチップ表面とDNAプローブチップ表面から離れた位置の試料液の部分とに電極を配し、DNAプローブチップ表面がプラス電位となるように電圧を印加する方法に限られることは無く、他にも、DNAプローブチップ表面にプラスに解離する残基(プラス電荷)を導入して調製するものとしても実現できる。図2Bの参照符号6(+の表示とこれを囲う丸)は、このプラスに解離した残基(プラス電荷)である。DNAプローブチップ表面にプラスに解離する残基(プラス電荷)を導入してDNAプローブチップ表面をプラス電位とした場合には、外部から印加する電界は、図2Cに示す反転用の電界のみで良い。
(実施例3)
実施例3ではプローブとターゲットポリヌクレオチドのハイブリダイゼーションについてのハイブリダイゼーションの核とハイブリダイゼーションの進行方向の影響を考慮した実施例である。
図4Aはプローブ12−3とターゲットポリヌクレオチド14が、プローブ12−3の根元部(DNAプローブチップの表面に近い部位)をハイブリダイゼーションの核としてハイブリダイゼーションをするときの模様を模式的に示す図であり、図4Bはプローブ12−3とターゲットポリヌクレオチド14が、プローブ12−3の先端部(自由端部)に近い部位)をハイブリダイゼーションの核としてハイブリダイゼーションをするときの模様を模式的に示す図である。
図4A、図4Bにおいて、21、22はハイブリダイゼーションの核となった部位である。図4Aを参照すれば、プローブが固定されている側、すなわち、プローブの根元(チップ表面)の方がハイブリダイゼーションの核になる場合は、チップ表面から遠ざかる方向でターゲットポリヌクレオチドがプローブに巻き付く(2本鎖を形成する)。この場合は、チップ表面から遠ざかる方向にハイブリダイゼーションが進行するので立体的な障害は少ない。さらに、隣接プローブの先端部もターゲットポリヌクレオチドが巻き付いた状態ではないので、障害は少ないことが良く理解できる。一方、図4Bを参照すれば、プローブの先端(自由端)がハイブリダイゼーションの核になる場合は、巨大なターゲットポリヌクレオチド分子がプローブDNAに巻き付く(2本鎖を形成する)過程で隣接するプローブと衝突したり、チップ表面に衝突したりすることになるので立体的に不利となり、巻き付く速度が遅くなることが良く理解できる。
プローブの根元(チップ表面)の方がハイブリダイゼーションの核になるようにするためには、試料液50内のターゲットポリヌクレオチド14をDNAプローブチップ表面に引き、DNAプローブチップ表面に近い位置の試料液50内のターゲットポリヌクレオチド14の濃度勾配を大きくすることが有効であることは先に述べた。ここでは、プローブの配列を工夫してプローブの根元(チップ表面)の方がハイブリダイゼーションの核になるようにする例について述べる。
プローブとしてはヒトmRNA配列から50塩基長の配列を抽出して用いる。配列は基板に近い20塩基とそのほかの部分でのGC量が15%以上異なる配列部分を優先的に採用する。すなわち、基板に近い方をGC含量を高くする。配列上できない場合は自由端から10塩基程度の位置から30塩基程度位置までの間に鋳型となるcDNA配列とミスマッチとなる配列あるいはACGTのいずれとも安定な相補鎖を形成しないブランク配列を入れた形でプローブ配列を設計する。ただし、ミスマッチ配列あるいはブランク配列を入れすぎると安定性が低下するので、この範囲で2箇所までとする。このような方法でハイブリダイゼーションの安定性を制御することは、プローブの固定端近傍にハイブリダイゼーションの核を形成させる上で重要である。
具体例として、プローブ配列として、配列番号1に示す、PON1(Homo sapiens paraoxonase 1)のmRNAで918〜967塩基部分の配列に相補な配列(配列番号2)を用いる。
5’−AAAAUCUUCU UCUAUGACUC AGAGAAUCCU CCUGCAUCAG AGGUGCUUCG−3’:配列番号1
5’−CGAAGCACCT CTGATGCAGG AGGATTCTCT GAGTCATAGA AGAAGATTTT−3’:配列番号2
ここで、ハイブリダイゼーションの核が基板表面に近い部分に出来るようにした場合と遠い部分に出来るようにした場合の比較をするため、一つのDNAプローブチップのプローブ固定領域4には、配列番号2の塩基配列を持つプローブを、5’末端で、上述した方法のいずれかで固定する。同時に、他のDNAプローブチップのプローブ固定領域4には、同じ配列番号2の塩基配列を持つプローブを、3’末端で固定する。プローブ2の配列を10塩基ごとに区切りGC%を計算すると、5’末端側から、60%、60%、40%、40%、20%となる。すなわち、このプローブを5’末端で固定して用いて、ハイブリダイゼーションを行うと、5’末端側の20merが最初にハイブリダイズし、ここを核にしてプローブ3’末端側にハイブリダイゼーション領域が広がることになる。一方、このプローブを3’末端で固定して用いて、ハイブリダイゼーションを行うと、5’末端側、すなわち、プローブの自由端側の20merが最初にハイブリダイズし、ここを核にしてプローブ3’末端側(チップ表面側)にハイブリダイゼーション領域が広がることになる。
ハイブリダイゼーション用の試料の調製法を説明する。試料としては合成1本鎖DNAを用いる。モデルのため下記のようにコア部分に配列番号2に相補な配列を有し、前後に20塩基からなるポリA(A20で表示)を結合し、全長を90塩基としている。
5’−A20−AAAATCTTCT TCTATGACTC AGAGAATCCT CCTGCATCAG AGGTGCTTCG−A20−3’(配列番号3)
5’末端あるいは3’末端のいずれかに直径10nmの金ナノ粒子を結合させている。金ナノ粒子の標識法は、試料の合成時に5’末端と3’末端のいずれかにアルカンSHを導入することで可能である。
図5は、配列番号3を持つ試料を、配列番号2のプローブを5’末端で固定したDNAプローブチップで処理した場合の結果(特性曲線111で示す)と配列番号2のプローブを3’末端で固定したDNAプローブチップで処理した場合の結果(特性曲線113で示す)とを比較する図である。ここで、電界の印加等の他の条件は、実施例2の結果を示す図3と同じである。
すなわち、配列番号2のプローブを5’末端で固定した場合は、5’末端(DNAプローブチップ表面)側の20merが最初にハイブリダイズし、ここを核にしてプローブ3’末端側にハイブリダイゼーション領域が広がるから、図4Aで説明したようにハイブリダイゼーションの進行は早い。一方、このプローブを3’末端で固定して用いて、ハイブリダイゼーションを行うと、5’末端側、すなわち、プローブの自由端側の20merが最初にハイブリダイズし、ここを核にしてプローブ3’末端側(チップ表面側)にハイブリダイゼーション領域が広がるから、図4Bで説明したようにハイブリダイゼーションの進行は遅いことになる。
図5は、このことを具体的に示すものとなっている。
なお、本実施例では金ナノ粒子を標識に用いたが、Cy3蛍光体で標識した配列番号3を試料としても、同様な傾向の結果を得ることができる。
(実施例4)
ハイブリダイゼーションの核を基板近傍に、より形成しやすくするには、実施例2で説明したように、プローブを、すばやく起立させることも一つの重要な事項である。実施例4ではこの観点で工夫されたプローブに関する。
図6は、プローブ12−3とターゲットポリヌクレオチド14が、プローブ12−3の根元部(DNAプローブチップの表面に近い部位)をハイブリダイゼーションの核としてハイブリダイゼーションをするときの模様を模式的に示す図4Aに実施例4のプローブを使用した場合について示す図である。
実施例4では、DNAプローブチップの表面に固定されているプローブ12−3の固定端とは逆の末端(自由端)に過剰の解離基24を導入する。解離基24としては、硫酸基、あるいはリン酸基のようにマイナス電荷を持つものが使用できる。より大きな効果を期待するなら、これらのマイナス残基を多量に含む分子や粒子を使用する。プローブ先端にマイナス電荷を持つので、図2Bで説明したように、DNAプローブチップ表面側をプラス電位として、マイナスの電荷を有するターゲットポリヌクレオチド14およびプローブ12−3を静電的に、DNAプローブチップ表面に引き寄せた後、電源26によって、電界を反転させたときは、プローブ先端に導入したマイナス電荷24との間でより強い斥力が働き、プローブ12−3がすばやく起立する。
これは、DNAプローブチップ表面にプラスの静電荷を持つ残基6を恒常的に導入する場合でも同じ効果が得られる。チップ表面は特別な操作をしない限り、導入されたプラスの静電荷によりプラスに帯電しているので、図2Bで説明したように、プローブやターゲットヌクレオチドを表面に吸着することができる。この状態で、表面のプラス電荷を打ち消す以上のマイナス電位をチップ表面の電極2と対向電極15に加えれば、自由端側に過剰のマイナス電荷残基を導入したプローブはすばやく起立する。ターゲットオリゴヌクレオチド14プローブ12−3に比較してサイズが大きいので動きが鈍く、ハイブリダイゼーションの核はプローブの基板に近いほうに形成され、プローブの先端に向かってハイブリダイゼーションが進行する。このような系を有効的に実施するにはプローブ長が30から50塩基長程度がよい。
(実施例5)
本発明をより効果的にするには、プローブそのものの電荷をなくし、プローブの自由端にマイナス電荷を大量に導入するのが良い。電荷を持たないプローブとしては、合成オリゴヌクレオチドのリン酸ジエステル結合をペプチド結合に変えたPNA(Peptide Nucleic Acid)や、S−カルボキシメチル-L-システインを基本骨格とするCAS(Cysteine Antiesnse Compound)などを用いることができる。
PNAもCASもポリマーとしたときの主鎖に電荷を持たないので、ターゲットポリヌクレオチドとの静電的斥力が働かない。これらは末端がアミノ基とカルボキシル基なので、アミノ基側を固定端に用いると、自由端側は、自ずと、マイナス電荷を持つカルボキシル基となる。もちろん、これに加えて、実施例4と同様にしてマイナス電荷を持つ残基を用いて、より多量のマイナス電荷を導入することで、基板表面の電極操作で速やかにプローブを起立するものとすることができる。また、PNAやCASは主鎖に電荷を持たないのでターゲットポリヌクレオチドとの間に斥力が働かない。プローブを起立させることで、ハイブリダイゼーションの席を空けると速やかにターゲットポリヌクレオチドとハイブリサイズする。
プローブとしてPNAやCASを固定する場合は、以下の方法を採用する。3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの0.5%水溶液(触媒として0.5%の酢酸を含む。シランカップリング剤が溶解しない場合は溶解するまで酢酸を加える。)を30分間室温(25℃)で放置し、メトキシ基を加水分解により活性なシラノール基を形成させる。この活性化シラン液を基板表面に塗布し、室温で45分間放置する。純水で洗浄後、基板上に残る液体をブロアーで飛ばし、105℃、30分間空気中で過熱することでグリシドキシプロピル基を共有結合で導入したITO電極を有する基盤を得る。導入したグリシドキシプロピル基をなす原子団の一部がアミノ基との反応性が高いエポキシ基である。pH10の水溶液条件下で10pmol/μlの濃度の上記アミノ基を有するPNAあるいはCASと25〜100μMのLysを含む混合溶液を塗布する。ここでLysを混ぜ込むのは、PNAあるいはCASを均一に固定する目的とPNAあるいはCASの固定密度が密になり過ぎないように固定密度をコントロールするためである(PNAあるいはCASのみの溶液で固定しようとすると、これらが団子状態でITO表面を攻撃するので、アイランド状に固定密度の高い所と低い所ができる)。溶液を1時間50℃で反応させる。この反応でPNA、あるいは、CASを固定したプローブチップを得ることができる。
以上のプローブ固定で得られる基板表面は電気的にはニュートラルである。次に、表面が正電荷を帯びた基板とする方法について述べる。上記方法に用いるDNAプローブに25〜100μMのアルギニンオリゴマー(L−Arg)6を混合して反応をさせる。プローブがPNAやCASの場合はLysの代わりにアルギニンオリゴマーを添加する。これにより、基板表面がプラスにチャージしているプローブチップを得ることができる。
実施例2と同様に電極にかける電界を制御しても、電界の影響は固定するプローブが電荷を持たないので顕著ではない。しかし、プローブの自由端側にスルホン酸基を導入すると、実施例4で説明した過剰の解離基24と同様の効果が得られ、極めて高速なハイブリダイゼーションが可能となる。試料液を添加すると、基板表面のプラスチャージに試料液中のマイナス電荷を持つターゲットポリヌクレオチドが、プローブを固定したITO電極表面に濃縮される。電界を反転させると、プローブの自由端側に修飾してあるスルホン酸基のマイナス電荷が反発し、プローブが速やかに起立する。また、この例でも、実施例3と同様に基板に近いほうがGCリッチなようにプローブを固定するほうがハイブリダイゼーション速度が速く、ハイブリダイゼーション収率も高い。
[配列表]
SEQUENCE LISTING
<110> Onchip Cellomics Consortium
<120> DNA probe chip and DNA hybridization control method
<130> NT04P1102
<160> 3
<210> 1
<211> 50
<212> RNA
<213> Homo sapiens
<220>
<221> miscellaneous feature
<223> product = paraoxonase 1 (PON1)
<400> 1
aaaaucuucu ucuaugacuc agagaauccu ccugcaucag aggugcuucg 50
<210> 2
<211> 50
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<221>
<223> Synthesized DNA
<400> 2
cgaagcacct ctgatgcagg aggattctct gagtcataga agaagatttt 50
<210> 3
<211> 90
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<221>
<223> Synthesized DNA
<400> 3
aaaaaaaaaa aaaaaaaaaa aaaatcttct tctatgactc agagaatcct cctgcatcag aggtgcttcg aaaaaaaaaa aaaaaaaaaa 90
本発明の実施に好適なDNAプローブチップ100の平面図である。 図1AのA−A位置で矢印方向に見た断面図である。 図1A、図1Bを参照して説明したDNAプローブチップ100の表面にターゲットポリヌクレオチドを含む試料液を導入した状態を示す図である。 DNAプローブチップ100の表面と試料液との固液界面から試料液に向かって、ターゲットポリヌクレオチドの濃度勾配を形成する最初の手順をとった状態を示す図である。 濃度勾配を形成する次の手順をとった状態を、それぞれ、断面図の形で示す図である。本発明に係る第1の製造工程を示す図である。 実施例2の効果を示す図である。 プローブ12−3とターゲットポリヌクレオチド14が、プローブ12−3の根元部(DNAプローブチップの表面に近い部位)をハイブリダイゼーションの核としてハイブリダイゼーションをするときの模様を模式的に示す図である。 プローブ12−3とターゲットポリヌクレオチド14が、プローブ12−3の先端部(自由端部)に近い部位)をハイブリダイゼーションの核としてハイブリダイゼーションをするときの模様を模式的に示す図である。 配列番号3を持つ試料を、配列番号2のプローブを5’末端で固定したDNAプローブチップで処理した場合の結果(特性曲線111で示す)と配列番号2のプローブを3’末端で固定したDNAプローブチップで処理した場合の結果(特性曲線113で示す)とを比較する図である。 プローブ12−3とターゲットポリヌクレオチド14が、プローブ12−3の根元部(DNAプローブチップの表面に近い部位)をハイブリダイゼーションの核としてハイブリダイゼーションをするときの模様を模式的に示す図4Aに実施例4のプローブを使用した場合について示す図である。
符号の説明
1…DNAプローブチップ基板(フロートガラス)、2,15…電極、3…フッ素表面コーティング、4…プローブ固定領域、6…プラスに解離した残基(プラス電荷)、11…カバーガラス、12−1,12−2,12−3…プローブ、14…ターゲットポリヌクレオチド、21,22…ハイブリダイゼーションの核となった部位、24…解離基、25,26…電源、50…mRNA試料液、100…DNAプローブチップ、101,102,103,111,113…特性曲線。

Claims (11)

  1. 基板、
    該基板上に形成された複数の独立したプローブ固定領域が形成された電極および
    前記プローブ固定領域のそれぞれに共有結合で固定された所定のDNAプローブ
    を含み
    前記DNAプローブはプローブ固定領域に固定された末端側から相補鎖DNAとのハイブリダイゼーションを起こす構造を有し、該DNAプローブにハイブリダイズさせられるべき配列を持つmRNA配列から抽出した所定の長さの塩基長の配列と相補の配列とするとともに、前記複数の独立したプローブ固定領域に固定される末端側のGC量が自由端側の末端のGC量より高いことを特徴とするDNAプローブチップ。
  2. 記DNAプローブはプローブ固定領域に固定された末端と異なる末端にマイナス電荷を有する解離基が付加されている、請求項1記載のDNAプローブチップ。
  3. 前記複数の独立したプローブ固定領域が形成された電極がITO電極であり、前記プローブ固定領域以外の領域に撥水性の表面コーティングが施されている請求項1記載のDNAプローブチップ。
  4. 前記複数の独立したプローブ固定領域の電極表面がプラスに解離した残基を導入して調製されたものである請求項1記載のDNAプローブチップ。
  5. 前記DNAプローブはその主鎖がペプチド結合でできたPNA、または、S−カルボキシメチル-L-システインを基本骨格とするCASである請求項1記載のDNAプローブチップ。
  6. 前記DNAプローブは、該DNAプローブにハイブリダイズさせられるべき配列を持つmRNA配列から所定の長さの塩基長の配列と相補の配列とするとともに、前記複数の独立したプローブ固定領域に固定される末端側と自由端側の末端との間に、自由端から10塩基程度の位置から30塩基程度位置までの間に前記DNAプローブにハイブリダイズさせられるべき配列とミスマッチとなる配列あるいはACGTのいずれとも安定な相補鎖を形成しないブランク配列を入れた形となされた請求項1記載のDNAプローブチップ。
  7. 基板、該基板上に形成された複数の独立したプローブ固定領域が形成された電極および前記プローブ固定領域のそれぞれに共有結合で固定された所定のDNAプローブを含むDNAプローブチップと、該DNAプローブチップ表面に対向して配置された部材との間に、ターゲットポリヌクレオチドを含む試料液を添加する工程、
    前記電極と前記試料液部位との間に所定の電界を印加して、前記ポリヌクレオチドをDNAプローブチップ表面近傍に濃縮する工程、
    前記電極と前記試料液部位との間に印加する電界を反転させ、プローブを伸ばした状態でハイブリダイゼーションを開始させる工程
    を含み、
    前記DNAプローブは、プローブ固定領域に固定された末端と異なる自由端である末端にマイナス電荷を有する解離基が付加されており、プローブ固定領域に固定された末端側から相補鎖DNAとのハイブリダイゼーションを起こす構造を有し、該DNAプローブにハイブリダイズさせられるべき配列を持つmRNA配列から抽出した所定の長さの塩基長の配列と相補の配列とするとともに、前記複数の独立したプローブ固定領域に固定される末端側のGC量が自由端側の末端のGC量より高いことを特徴とする
    DNAハイブリダイゼーション制御法。
  8. 前記複数の独立したプローブ固定領域が形成された電極がITO電極であり、前記プローブ固定領域以外の領域に撥水性の表面コーティングが施されているDNAプローブチップが使用される請求項7記載のDNAハイブリダイゼーション制御法。
  9. 前記複数の独立したプローブ固定領域の電極表面がプラスに解離した残基を導入して調製されたものであるDNAプローブチップが使用される請求項7記載のDNAハイブリダイゼーション制御法。
  10. 前記DNAプローブはその主鎖がペプチド結合でできたPNA、または、S−カルボキシメチル-L-システインを基本骨格とするCASであるDNAプローブチップが使用される請求項7記載のDNAハイブリダイゼーション制御法。
  11. 基板、
    該基板上に形成された複数の独立したプローブ固定領域が形成された電極および
    前記プローブ固定領域のそれぞれに共有結合で固定された所定のDNAプローブ
    を含み
    前記DNAプローブはプローブ固定領域に固定された末端側が自由端側より安定なハイブリダイゼーションを形成する構造であり、該DNAプローブにハイブリダイズさせられるべき配列を持つmRNA配列から抽出した所定の長さの塩基長の配列と相補の配列とするとともに、前記複数の独立したプローブ固定領域に固定される末端側のGC量が自由端側の末端のGC量より高いことを特徴とするDNAプローブチップ。
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