JP4118347B2 - 電力の横断方向分配部材を有する分配盤 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、互いに並列に配置された複数の分配盤であって、該各分配盤は電流レール片を含む複数の導体接続部及び電力の横断方向分配部材を有している形式のものに関する。このような分配盤は、例えば電圧源、信号受信部、イニシェータ（Initiator)、アクチュエータ、フィールド装置(Feldgeraet)のような技術的な構成部分の給電技術的及び制御技術的な結合のために用いられる。分配盤はイニシェータ端子箱の構成にも用いられる（ヨーロッパ特許出願公開第０２２２０３０Ａ１号明細書）。さらに、分配盤はモジュール構造の制御装置でも種々に使用される。
【０００２】
【従来の技術】
分配盤の列方向で導体接続部を接続して、電位を列方向の分配盤間で転送するために適したブリッジエレメントは種々の構造で公知である。このような横断方向分配盤（Querverteiler)は、例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第４３２２５３５Ａ１号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第３０４８４９７Ａ１号明細書、及びドイツ連邦共和国特許出願公開第６８９１２０４０Ｔ２号明細書により公知である。このようなすべての構成においては、横断方向分配がもっぱら１つの分配盤内で行われ、閉じられた構成部材の接続状態に基づき接続箇所に所定の電位が必要である。この場合、電位の通常横断方向分配と呼ばれる転送は、もっぱら接続部材を互いに列方向で結合することによってしか行われていない。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、互いに並列に配置された分配盤を確実にかつ簡単に少なくとも区分ごとに、付加的な電位分岐可能な状態で同電位にもたらすことができるようにすることである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明の構成では、各分配盤の導体接続部はそれぞれ電流レール片に、横断方向分配に対して付加的な電位分岐のための底部側の一方にスリーブ接点を有しており、かつ他方に差込舌片を有しており、並列配置の隣接の両方の分配盤間に、該分配盤間の付加的な電位分岐のための電位移送部材を設けてあり、該電位移送部材は、前記隣接の一方の分配盤の導体接続部の前記スリーブ接点に接触する導電片と接触可能な、１つの差込スリット及び２つのばね部分から成るばね形接点、並びに前記隣接の他方の分配盤の導体接続部の前記スリーブ接点と接触可能な差込舌片を有している。
【０００５】
本発明の前記構成に基づき、例えばプラス電位（Pluspotential)を導く１つの分配盤からこのプラス電位を電位移送部材により、並列配置の別の分配盤にも導くことができ、該分配盤が全体に若しくは所定の極数まで同じく前記プラス電位を導く。さらに、分岐箇所から導電片を介して１つの導体接続部の底部側のスリーブ接点内で付加的な電位分岐を行うことができ、電位分岐が例えば、コントロール装置へ、信号装置へ、基板へ、若しくは１つのモジュール型の、分配盤に配属された１つの電子モジュールへ導かれる。これにより、大きなモジュール型の複合的な制御装置が特にスペースを節減してフレキシブルに分岐及び配線される。
【０００６】
さらに特に有利な構成では、分配盤内で電力を横断方向分配するために導体接続部の電流レール片の側方に、差込舌片を配置してあり、該差込舌片は、分配盤の配列に際して該配列方向で隣接の導体接続部の前記スリーブ接点に接触するようになっている。特別な分配盤コーム(Verteilerkamme)若しくは横断方向分配盤なしですむこのような著しく有利な構成においては、導体接続部のいずれにしても存在するスリーブ接点が底部側の差込接点エレメントとしても使用される。
【０００７】
【発明の実施の形態】
図１は、複数の接続プレートがまとめられて成る１つの接続ブロック、例えばモジュール型の１つの制御装置の２つの接続プレート１，２を示しており、この場合、図示の実施例では接続プレート２が、電位横断方向分配及び電位分岐に関連して入口側の接続プレートであって、同じくモジュール型に形成された分配盤（Verteilerleiste)３の第１のエレメントをプレートケーシング５の対応する受容部４内に保持している。分配盤３の個別エレメントは導電性の導体接続部６からほぼ構成されており、導体接続部が１つのケーシングプレート７内に配置されており、ケーシングプレートが一方の側に係止ピン８を備え、かつ他方の側に係止ピンのための係止切欠きを備えており、従って配列して組み立てる際に分配盤が所望の極数で構成される。図示の実施例では張力形接続部として形成された導体接続部６は、電流レール片９を有しており、電流レール片が一方で側方のスリーブ接点(Buchsenkontakt)１０を、かつ他方で差込舌片（Stecklasche)１１を有していており、スリーブ接点及び差込舌片は分配盤の組み立てに際して差込舌片１１を隣接の導体接続部６のスリーブ接点１０内に係合して接触させるように配置されている。この場合、スリーブ接点１０は底部側で開いていて、従って同時に底部側の差込式接点部材を形成しており、該差込式接点部材のためにケーシングプレート７の底部区分にも自由な通路が設けられている。
【０００８】
接続プレート２は、装備に基づき図示の実施例では給電電位及び電位分岐に関連して接続ブロックの入口兼給電供給プレート(Eingangs- und Einspeisescheibe)である。端部でその前に配置された接続プレート１は接続ブロックのためのＰＥ・プレート(PE-Scheibe)であってよく、実施例で設けられた３つの分配盤の１つを介して中立導体電位をも接続ブロック内に移送する。互いに並べて配置された隣接の別の両方の分配盤３の以下に詳細に説明しようとする第１の個別エレメントのうちで、図示の構成においては接続プレート１に、電気的な機能のない表示支持プレート１２が配置されている。図１の両方のプラス・矢印(Plus-Pfeil)は、並列に位置する両方の配電盤３において全体的に若しくは少なくとも所定の極数にわたってプラス電位が差込舌片１１及びスリーブ接点１０を介して横断方向分配されていることを示している。両方の分配盤３内の入口側の第１の導体接続部６のうちで、横断方向分配のための配列に際してはもっぱら差込舌片１１のみが必要とされるのに対して、スリーブ接点１０は自由になっていて、従って１つの分配盤から別の分配盤内への橋絡する電位分岐(ueberbruekende Potentialverzweigung）のため、及び横断方向分配に対して付加的な１つの電位分岐のために用いられる。
【０００９】
図示の実施例では中央の分配盤３の導体接続部６の底部側でも利用可能な自由なスリーブ接点１０が、ここではアングル状に構成された導電片１３を用いた接触によって接続プレート２内で電位を分岐して、例えばそれを接続ブロックに配属された電子モジュール（図示せず）に導くために用いられる。
【００１０】
前述の電位は、当該の導体接続部６内を延びる導線（図示せず）によって導かれ、さらに特別な電位移送部材１４を用いて、並列に配置された別の分配盤３の隣接の導体接続部６に導かれ、該別の分配盤内では電位は再び前述の電気的な横断方向分配によってさらに転送される。この隣接の分配盤の導体接続部６のスリーブ接点は、開いていて、従って底部側から電位移送部材１４によって接触できる。
【００１１】
電位移送部材１４は結合レール１５から成っており、結合レールが互いに並列な分配盤の両方の導体接続部６間の間隔を橋絡しており、結合レールの一方の端部にばね形接点を形成するために、１つの差込スリット１６を形成する２つのばね部分１７が設けられている。ばね部分１７は結合レールから下方へ延びて、かつ自由端部の区分で曲げられていて、従って側方から導電片１３の直立のアングル区分に差しはめられ、これによって十分な接点ばね力及び確実な接触及び導電のための大きな電流中継横断面が得られる。
【００１２】
結合レール１５は他方の端部を曲げられていて、該端部に上方に延びる差込舌片１８を保持しており、該差込舌片が底部側から当該の分配盤の第１の導体接続部６のスリーブ接点１０内に接触され、従って１つの分配盤から別の分配盤への電位移送が達成される。
【００１３】
有利な構成では電位移送部材１４に、差込舌片１８に相対して逆向きに延びるように支持舌片１９が設けられており、該支持舌片のために接続プレート２のプレートケーシング５のリブ２０が対向支承面を形成している。電位移送部材１４の結合レール１５は有利には側方から接続プレート２のプレートケーシング５の２つのリブ２１，２２間にはめ込まれ、該リブは接点ばね脚のばね部分１７、差込舌片１８、及び支持舌片１９並びに導電片１３のための開口を有している。接続プレート２の相応の装備の後に、導電片３の上側の端部及び電位移送部材１４の差込舌片１８の上側の端部が受容部４内に突入していて、従って分配盤３の装着に際して所望の接触を行う。
【００１４】
ほかの形式で形成された分配盤も前記形式の電位移送部材に電位移送可能に結合でき、底部側の開かれたスリーブ接点との少なくとも１つの導体接続部を有している。分配盤の別の使用例では導電片１３は、場合によっては完全に異なる形状で、例えば直接に接続ブロックのケーシング内に隣接して配置された機能導体板（Funktionsleiterplatte)に通じていてよい。イニシェータ端子ブロック内での使用に際しては、導電片１３が異なる形状で例えば制御灯（Kontrolleucht)若しくは信号装置に通じていてよい。
【００１５】
前述の二極の横断方向分配の代わりに、並列な複数の分配盤での多極の電位移送部材１４′による多極の分配も可能である。このために、図５に示した電位移送部材１４′が延長された結合レール１５′から成っており、結合レールがばね部分１７を備えている。結合レール１５′のばね部分と差込舌片１８を備えて折り曲げられた図示してない端部との間で結合レールのクランク状折り曲部２３に上方に向いた別の差込舌片１８が設けられている。
【図面の簡単な説明】
【図１】 モジュール型の制御装置の接続プレートから組み立てられた接続ブロックの入口側の端部の斜視図
【図２】 電位移送部材、導電片及び、これに接触する両方の導体接続部の１つの側の側面図
【図３】 電位移送部材、導電片及び、これに接触する両方の導体接続部の別の側の側面図
【図４】 電位移送部材、導電片及び、これに接触する両方の導体接続部の平面図
【図５】 別の電位移送部材の斜視図
【符号の説明】
１，２ 接続プレート、 ３ 分配盤、 ４ 受容部、 ５ プレートケーシング、 ６ 導体接続部、 ７ ケーシングプレート、 ８ 係止ピン、 ９ 電流レール片、 １０ スリーブ接点、 １１ 差込舌片、 １２ 表示支持プレート、 １３ 導電片、 １４ 電位移送部材、 １５ 結合レール、 １６ 差込スリット、 １７ ばね部分、 １８ 差込舌片、 １９ 支持舌片、 ２３ クランク状折り曲部

Claims (9)

1. 互いに並列に配置された複数の分配盤であって、該各分配盤は電流レール片（９）を含む複数の導体接続部（６）及び電力の横断方向分配部材を有している形式のものにおいて、前記各分配盤（３）の導体接続部（６）はそれぞれ前記電流レール片（９）に、前記横断方向分配に対して付加的な電位分岐のための底部側の一方にスリーブ接点（１０）を有しており、かつ他方に差込舌片（１１）を有しており、並列配置の隣接の両方の分配盤（３）間に、該分配盤間の付加的な電位分岐のための電位移送部材（１４，１４′）を設けてあり、該電位移送部材（１４，１４′）は、前記隣接の一方の分配盤（３）の導体接続部（６）の前記スリーブ接点（１０）に接触する導電片（１３）と接触可能な、１つの差込スリット（１６）及び２つのばね部分（１７）から成るばね形接点、並びに前記隣接の他方の分配盤（３）の導体接続部（６）の前記スリーブ接点（１０）と接触可能な差込舌片（１８）を有していることを特徴とする分配盤。
2. 電位移送部材（１４，１４′）が差込舌片（１８）に対して逆向きに延びる支持エレメント（１９）を有している請求項１記載の分配盤。
3. 電位移送部材（１４，１４′）が、隣接の分配盤（３）の両方の導体接続部（６）間の間隔を橋絡する結合レール（１５）から成っており、該結合レールの前記ばね形接点部は、１つの差込接点スリット（１６）を形成する２つのばね部分（１７）によって形成されており、該ばね部分が前記導電片（１３）への側方からの装着のために折り曲げられている請求項１又は２記載の分配盤。
4. 電位移送部材（１４′）の結合レール（１５′）は、端部に配置された前記ばね形接点と、該ばね形接点間のクランク状折り曲部（２３）に配置された差込舌片（１８）を有している請求項３記載の分配盤。
5. 分配盤（３）内で電力を横断方向分配するために導体接続部（６）の電流レール片（９）の側方に、差込舌片（１１）を配置してあり、該差込舌片（１１）は、分配盤（３）の配列に際して該配列方向で隣接の導体接続部（６）の前記スリーブ接点（１０）に接触するようになっている請求項１から４のいずれか１項記載の分配盤。
6. 分配盤が、個別の接続プレート（１，２）から組み立てられた接続ブロックの対応するケーシング領域の互いに並列に配置された受容部（４）内に配置されている請求項１から５のいずれか１項記載の分配盤。
7. 電位移送部材（１４）及び導電片（１３）を受容する接続プレート（２）が、電気的な横断方向分配及び電位分岐に関連して接続ブロックの入口側の接続プレートである請求項５記載の分配盤。
8. 接続プレート（２）のプレートケーシング（５）内に、電位移送部材（１４）の支持エレメント（１９）のための対向支承面（２０）が形成されている請求項２及び５又は６記載の分配盤。
9. 電位移送部材（４）の結合レール（１５）は、接続プレート（２）のプレートケーシング（５）の２つのリブ（２１，２２）間に配置されている請求項３及び５から７のいずれか１項記載の分配盤。

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