JP4118147B2 - シリンジポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薬液の注入等に利用されるシリンジポンプの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
(発明の名称;輸液装置
特許第3184862号公報)
【0003】
本願シリンジポンプ、もしくは輸液装置に係る技術は、その用途が人命に関わるものであることから、信頼性の向上には種々の改善が提案されている。上述特許文献1もその一例である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来周知のシリンジポンプは、押子を駆動する駆動モータ自体が、筐体に対し転動可能に保持されて、駆動モータの発生トルクと押子が対応する注入負荷との相互作用で該駆動モータが転動し、この駆動モータの転動で作動するスイッチにより、注入負荷の異常発生を検出するように構成されている。
【0005】
シリンジポンプ全体像は周知のものであることから、これを図示も説明も省略するが、図3および図4は、シリンジポンプの押子を駆動する駆動モータの様子を示す要部正面図とその側面図で、両図に見るように上述従来の構成は、転動可能に保持された駆動用モータ自体の転動を、定常状態に保持するための押圧バネが板バネで形成され、押圧のためのモータ本体との当接が、当該モータ本体の側面と摺接状態となるので、モータ本体との摺動摩擦の影響や押圧力の向きが駆動モータの転動に伴う当接点の偏倚の向きと異なる他、図に示すように当該押圧バネの固定部と押圧力調整ネジの位置が近接せざるを得ないこと等、注入負荷の変動に伴う駆動モータの発生トルクに対応する押圧力の調整が、容易ではなく、また調整精度も高いものと言えないのが実態であった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に成るシリンジポンプは、筐体と、該筐体に保持されたシリンジ本体と、シリンジ内部を移動自在の押子と、該押子の移動動力源であって、その出力軸が前記筐体に保持される軸受により回転自在に軸支されると共に、該軸支された出力軸により固定子も転動可能なように保持される駆動モータと、該固定子の転動を規制するため当該固定子側面の所定部位に当接するように設けられる回転止め機構と、該回転止め機構との当接点と異なる部位の固定子側面に配置され該固定子側面との離接により作動するマイクロスイッチと、前記固定子側面と回転止め機構とを圧接するためのバネ部材と、該バネ部材の圧接力を調整するためのバネ圧調整手段とを備え、前記固定子側面を回転止め機構に押圧するためのバネ部材は、その片端が前記固定子に保持されたトーションバネであって、前記バネ圧調整手段が、該トーションバネの開放端を変移するように構成され、また、前記駆動モータのブラケットは、出力軸と同芯状の円筒部を備え、該円筒部がトーションバネの巻回部嵌着手段であって、前記バネ圧調整手段が、当該トーションバネの開放端伸長部先端近傍で対接・作用するように構成され、前記バネ圧調整手段は、当該トーションバネの開放端伸長部が変移する際の案内となるバネガイド部を備える如く構成されている。
【0007】
【実施例】
以下図面によって本発明の実施例を説明する。
【0008】
図1は、本願発明に係る駆動モータ自体の転動とその位置決め・安定保持手段を説明するための要部正面透視図で、図2は図1の例の駆動モータを背面側から見た時の様子を示すものである。
【0009】
図1に、ダブって破線で示す駆動モータは、図2の外周縁に対応するもので、筐体に設けられる回転止め機構と当接した状態と、図示のトーションバネで構成された押圧用のバネ部材が作用せずに、回転止め機構と離間した状態の双方を併示するものである。
【0010】
図2を参照して、駆動モータのブラケットに形成された円筒部の外周面もしくは図示はしないがその内周面に巻回部が嵌着保持されたトーションバネが、片端を前記駆動モータの一隅に固定保持され、他方の開放端は直線状に伸長して、前記筐体の所定部位に設けられているバネ圧調整手段に連係するように構成されている。
【0011】
そして、駆動モータの回転止め機構との当接面と別の側面部位には、上述駆動モータの転動に対応して離接し作動するマイクロスイッチが配置されている。
【0012】
上述片端が駆動モータに保持されているトーションバネが、その巻回部の巻戻し力で、図1に示す駆動モータの側面と回転止め機構との離間状態から両者を圧接状態とするように作用することは改めて言うまでも無いことで、その開放端が併設されたバネ圧調整手段によって変移することで上述駆動モータの側面と回転止め機構との押圧力を調整するように構成される。
【0013】
バネ圧調整手段は、トーションバネの開放端近傍に、伸縮自在に当接する調整ネジと、調整された該調整ネジを固定するためのナットと、トーションバネ開放端の位置を安定保持するためのバネガイドピンと、これらの取付部材とで構成され、筐体に固定されている。
【0014】
なお図示はしないが、上述実施例ではバネ圧調整手段を必須としているが、バネ圧調整手段での微調整を必要としない場合には、トーションバネの開放端伸長部側を固定することも可能である。
【0015】
駆動モータが転動可能に保持され、回転止め機構、該回転止め機構と駆動モータとを圧接状態とするバネ部材、マイクロスイッチ等夫々の構成要件夫々の機能・作用は、上述従来技術と同じであるので、詳細は省くが、シリンジポンプによる薬液の注入過程で、注入経路途中の閉塞等、注入圧力の変化に対応する負荷の変動を検知して、シリンジの押子を駆動する駆動モータの駆動トルクと、トーションバネによる駆動モータを回転止め機構への押圧力の差異を利用することで異常検出を行うものである。
【0016】
上述従来技術の例を示す図3に見るように、従前技術でのバネ部材が長さに制限の在る板バネでバネ定数が大きく、また、押圧力維持に伴う弾性の劣化も懸念材料であり、然も押圧力調整手段がバネ固定部と近接することにより調整ネジによる押圧力調整が困難で、調整に手間取る等の問題の改善策が本願発明の命題となっている。
【0017】
本願発明によるバネ部材のトーションバネは、上述の通り巻回部の巻戻し力として機能するものでバネ定数が小さく、然も、直線状に伸長する開放端でのバネ圧調整は、巻回部の捲き込みを均一にし易いものであることから、注入圧力の変化に対応する押圧力の調整を容易としている。
【0018】
【発明の効果】
本発明に成るシリンジポンプは、注入負荷の変動に伴う駆動モータの発生トルクに対応する押圧力調整が必要な際、調整の容易化・調整精度向上を実現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に成るシリンジポンプの例の、駆動モータ自体の転動とその位置決め・安定保持手段を説明するための要部正面透視図である。
【図2】図1の例の、駆動モータを背面側から見た時の様子を示すものである。
【図3】従来技術に成るシリンジポンプの例の、押子を駆動する駆動モータの様子を示す要部正面図である。
【図4】図3の例の側面図である。
【符号の説明】
1 シリンジ本体
2 筐体
2−1 回転止め機構
3 駆動モータ
3−1 固定子側面
3−2 ブラケットの円筒部
4 トーションバネ
4’ イタバネ
5 マイクロスィッチ
6 バネ圧調整手段
6−1 バネ圧調整ネジ
6−2 保持手段
6−3 バネガイド部

Claims (6)

  1. 筐体と、該筐体に保持されたシリンジ本体と、シリンジ内部を移動自在の押子と、該押子の移動動力源であって、その出力軸が前記筐体に保持される軸受により回転自在に軸支されると共に、該軸支された出力軸により固定子も転動可能なように保持される駆動モータと、を備えるシリンジポンプにおいて、前記固定子の転動を規制するため当該固定子側面の所定部位に当接するように設けられる回転止め機構と、該回転止め機構との当接点と異なる部位の固定子側面に配置され該固定子側面との離接により作動するマイクロスイッチと、前記固定子側面と回転止め機構とを圧接するためのバネ部材とを有し、前記固定子側面と回転止め機構とを圧接するためのバネ部材が、少なくも片端が駆動モータの固定子に固定保持されたトーションバネであること、を特徴とするシリンジポンプ。
  2. 前記トーションバネは、片端が駆動モータの固定子に固定保持されると共に、他端が、対接して設けられるバネ圧調整手段により変移自在の開放端伸長部を備えるように構成されていること、を特徴とする請求項1に記載のシリンジポンプ。
  3. 前記駆動モータのブラケットは、出力軸と同芯状の円筒部を備え、該円筒部外周面がトーションバネの巻回部嵌着手段であるように構成されていること、を特徴とする請求項1もしくは2に記載のシリンジポンプ。
  4. 前記駆動モータのブラケットは、出力軸と同芯状の円筒部を備え、該円筒部内周面がトーションバネの巻回部嵌着手段であるように構成されていること、を特徴とする請求項1もしくは2に記載のシリンジポンプ。
  5. 前記バネ圧調整手段が、当該トーションバネの開放端伸長部先端近傍で対接・作用するように構成されていること、を特徴とする請求項2から4のいずれかに記載のシリンジポンプ。
  6. 前記バネ圧調整手段が、当該トーションバネの開放端伸長部が変移する際の案内となるバネガイド部を備えること、を特徴とする請求項2から5のいずれかに記載のシリンジポンプ。
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