JP4118106B2 - タイヤ組立体関連情報取得システム、およびタイヤ組立体の力学挙動計測センサユニット - Google Patents

タイヤ組立体関連情報取得システム、およびタイヤ組立体の力学挙動計測センサユニット Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤとホイールが組み立てられて車両に装着されるタイヤ組立体のタイヤ空洞領域に面するホイール面に取り付けられるタイヤ組立体の力学挙動計測センサユニット、およびタイヤ組立体関連情報取得システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、車両の制駆動性能および操縦性能を向上させるために、車両の挙動を計測し、計測結果に応じて車両の制駆動や各車輪の操舵を制御するシステムが種々開発されている。
例えば、アンチロックブレーキシステム、トラクションコントロールシステム等が挙げられる。(非特許文献1)
【0003】
アンチロックブレーキシステムでは、車輪に装着された回転速度センサで計測された車輪の回転速度の情報およびブレーキ圧センサで計測されたブレーキ圧の情報から、車輪の滑り、より詳しくはタイヤと路面の滑りの限界を検知し、車輪の回転速度を制御することで、滑り易い路面でも安定した走行を実現することができる。
また、トラクションコントロールシステムでは、例えば、車両の発進時、左右輪の路面状態が異なる場合、駆動力が滑り易い車輪の方に逃げ車両の進行方向が変化することを抑制するためにヨーレートセンサで計測される情報に応じてタイヤに駆動力を与えて制御する。
【0004】
さらに、車両の旋回中、ハンドルによる操舵角を計測する操舵角センサ、ヨーレートセンサおよび横加速度センサで計測される情報からアンダーステアやオーバステア等のステア特性の程度が判断されると、左右輪の制駆動力を調整して旋回中の車両の向きを制御し、車輪の横滑りを抑制する横滑り制御システムも提案されている。
アンダステアとは、周知のように、旋回中の車両の回動するヨーレートが不足して車両が車両の進行方向に対して旋回外側に向く状態をいい、オーバステアとは、旋回中の車両の回動するヨーレートが過剰となって車両が車両の進行方向に対して旋回内側に向く状態をいう。そして、オーバステアの程度が過度になると、操舵に対する応答が不安定となり、最終的に車輪が横滑りを始める。
【0005】
このようなシステムでは、車輪に取り付けられた車輪回転速度センサ、ブレーキ圧センサ、操舵角センサ、ヨーレートセンサおよび横加速度センサで得られる情報を用いて制動力や駆動力の制御が行われる。この場合、ヨーレートセンサおよび横加速度センサは、車両の重心位置近傍に設けられ、車両の挙動を正確に計測するために用いられる。
【0006】
【非特許文献1】
「「走る」「曲がる」「止まる」を安全にサポートするDVS 」、[平成14年7月29日検索]、インターネット<http://www.daihatsu.co.jp/tech/dvs/top.htm>
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようなシステムは、上述したようにヨーレートセンサおよび横加速度センサが剛体系である車両の重心位置近傍に設けられるため、測定される情報は車両の挙動に関するものである。実際、車輪を形成するタイヤ組立体に現れる所定の挙動がサスペンション機構を介して剛体系である車体に伝わって、実際に車両の挙動が現れ始める。したがって上記システムは、車両の挙動をヨーレートセンサや横加速度センサで計測した時点で始めて、タイヤ組立体の挙動にフィードバック制御を与えるものである。このため、実際にフィードバック制御が効き始め車両の挙動が修正されるのは、タイヤ組立体に所定の挙動が現れる時点よりかなり遅れるといった問題がある。
この問題は、ヨーレートセンサおよび横加速度センサを剛体系である車両の重心位置近傍に設けて計測しなければならないことに起因して生じる問題である。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題を解決するために、車両の制駆動性能および旋回性能の制御を従来に比べてより迅速に行うことができる車両の制御システムに用いられる、少なくともヨーレートセンサを備えたタイヤ組立体の力学挙動計測センサユニット、および、タイヤ組立体関連情報取得システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、車両に装着された、タイヤがホイールに組付けられてなるタイヤ組立体に関する情報を取得するシステムであって、前記タイヤ組立体のタイヤ空洞領域に面するホイール面に取り付けられており、前記タイヤ組立体のホイール回転面の向きの変化を表す回転面角速度情報を少なくとも計測するヨーレートセンサを少なくとも備え、前記回転面角速度情報を電波で送信するセンサユニットと、前記センサユニットから送信された前記回転面角速度情報を受信する、前記車両に設けられた通信装置と、前記通信装置が受信した前記回転面角速度情報から、前記車両のハンドルによる前記タイヤ組立体の操舵角の変化を差し引き、前記タイヤ組立体に関する情報として、前記車両のサスペンション特性に基く前記ホイール回転面の向きの変化量の情報を求める、前記車両に設けられた装置と、を有することを特徴とするタイヤ組立体関連情報取得システムを提供する。なお、前記車両には、前記操舵角の変化量を計測する操舵角センサが備えられており、前記装置は、前記タイヤ組立体の操舵角の変化の情報を、前記操舵角センサより取得することが好ましい。また、前記センサユニットは、前記タイヤ組立体のホイール回転面の向きの変化を表す情報として、所定軸周りの回転角速度を計測する振動式ヨーレートセンサと、前記振動式ヨーレートセンサで得られた前記回転角速度の情報を電波で送信する送信手段と、を有し、前記振動式ヨーレートセンサの前記所定軸は、前記ホイール面に取り付けられた状態で、前記タイヤ組立体の回転にともなって前記タイヤ組立体に生じる遠心力方向に略一致することが好ましい。また、前記車両に設けられた前記通信装置は、さらに、前記センサユニットに対して信号を送信し、前記センサユニットは、さらに、前記車両から送信される信号を受信する受信手段と、この受信手段で受信した信号の受信電力を前記ヨーレートセンサ、および前記送信手段の駆動電力とする電力生成手段を備えることが好ましい。また、前記装置は、前記通信装置と接続されて前記通信装置の動作を制御することで、前記通信装置から、少なくとも前記タイヤ組立体の回転周期の2分の1以下よりも短い一定の時間間隔で、前記センサユニットに向かって前記信号を送信させ、前記センサユニットの前記送信手段は、前記受信手段が前記信号を受信する都度に呼応して、前記回転面角速度情報を電波で送信することが好ましい。また、前記センサユニットは、さらに、前記タイヤ組立体のホイール回転軸方向の加速度を計測する加速度センサを有し、前記送信手段は、前記回転角速度の情報とともに、前記加速度センサで得られた横加速度情報を送信し、前記車両に設けられた前記通信装置は、前記回転面角速度情報とともに前記加速度情報を受信し、前記装置は、自身が求めた前記車両のサスペンション特性に基く前記ホイール回転面の向きの変化量の情報と、前記加速度情報とを用いて、車両の旋回中のステア特性の状態を推定することが好ましい。また、前記装置は、推定した前記ステア特性の状態に基いて、前記タイヤ組立体の制駆動力あるいは舵角を調整することが好ましい。なお、前記送信手段において送信に用いる電波は、10GHz以下、例えば315MHzや433MHzの周波数の電波である。
また、前記受信手段において受信される信号は、例えば、2.45GHz〜5.8GHzの信号である。
【0010】
本発明は、また、タイヤがホイールに組付けられて車両に装着されるタイヤ組立体のタイヤ空洞領域に面するホイール面に取り付けられ、前記タイヤ組立体の力学挙動を計測する力学挙動計測センサユニットであって、前記ホイール面に取り付けられた状態で、前記タイヤ組立体のホイール回転面の向きの変化を表す情報として、所定軸周りの回転角速度を計測する振動式ヨーレートセンサと、前記振動式ヨーレートセンサで得られた前記回転角速度の情報を電波で送信する送信手段と、を有し、前記ヨーレートセンサの前記所定軸は、前記ヨーレートセンサが前記ホイール面に取り付けられた状態で、前記タイヤ組立体の回転にともなって前記タイヤ組立体に生じる遠心力方向に略一致することを特徴とする、タイヤ組立体の力学挙動計測センサユニットを、併せて提供する。なお、前記タイヤ組立体の力学挙動計測センサユニットは、さらに、前記車両から送信される信号を受信する受信手段と、この受信手段で受信した信号の受信電力を前記振動式ヨーレートセンサおよび前記送信手段の駆動電力とする電力生成手段を備えることが好ましい。また、前記センサユニットの前記送信手段は、前記受信手段が前記信号を受信する都度に呼応して、前記回転面角速度情報を電波で送信することが好ましい。また、前記センサユニットは、さらに、前記タイヤ組立体のホイール回転軸方向の加速度を計測する加速度センサを有し、前記送信手段は、前記回転角速度の情報とともに、前記加速度センサで得られた横加速度情報を送信することが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のタイヤ組立体の力学挙動計測センサについて、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明のタイヤ組立体の力学挙動計測センサの好適実施例である計測センサ10をタイヤTとホイールWとを組み立てたタイヤ組立体12に設置固定した状態を示す断面図であり、図2は、計測センサ10の構成を示すブロック図である。
計測センサ10は、タイヤ組立体12のタイヤ空洞領域に面するホイールWのホイール面に取り付けられて、走行中の横加速度、ヨーレート、タイヤ内圧およびタイヤ空洞領域における雰囲気温度を計測するセンサである。
計測センサ10は、受信アンテナ16と、全波整流回路18と、センサ部20と、送信信号生成部22と、送信アンテナ24と、制御部26とを有して構成される。
【0013】
受信アンテナ16は、後述する車両の車体側に取り付けられた送信装置14から送信され、計測センサ10に計測を促して計測情報を出力するよう呼びかける呼び掛け信号Rを受信するものである。
全波整流回路18は、受信アンテナ16で受信した呼び掛け信号R(例えば2.45GHz)を全波整流して計測センサ10の駆動電力とする回路で、公知の回路が用いられる。
これにより、例えば、送信装置14からの100mWの放射電力に対して3.5V/100kΩの電力を生成することができる。
【0014】
センサ部20は、横加速度センサ(以降、横Gセンサという)20a、ヨーレートセンサ20b、圧力センサ20cおよび温度センサ20dを有する。
横Gセンサ20aは、図1に示すホイール回転軸Aに平行なx方向(ホイール回転軸方向あるいは横方向という)のタイヤ組立体12の横加速度を、ヨーレートセンサ20bは、タイヤ組立体12のホイール回転軸Aに直交するホイール回転面Pの向きの変化を計測する公知のセンサである。横Gセンサ20aは、例えば、歪み方式あるいは圧電方式等が用いられる。
【0015】
圧力センサ20cは、タイヤ空洞領域内のタイヤ内圧を計測するセンサで、例えばダイアフラム方式の圧力センサである薄膜型圧力センサや拡散型半導体圧力センサが用いられる。
温度センサ20dは、タイヤ空洞領域内の雰囲気温度を計測するセンサで、例えば、半導体温度センサが用いられる。また、サーミスタを用いた抵抗素子型温度センサを用いてもよい。
【0016】
ヨーレートセンサ20bは、振動式ジャイロが用いられる。この振動式ジャイロは、一方向に振動する振動素子に角速度の運動を付与すると、コリオリの力により振動方向と直交する方向に2次振動が発生する。この2次振動の振動形態を信号として取り出すことでヨーレートを計測するものである。
振動素子は、例えば一方向に延びる音叉形状(U字形状)あるいはビーム形状、あるいはリング形状を成した厚さ数μmのセラミックで構成されたものが用いられる。音叉形状を成した振動子の場合、振動子を2つ用い、音叉形状の長手方向をタイヤ回転方向および逆回転方向に向けて配置される。なお、タイヤ組立体12の回転に伴ってヨーレートセンサ20bも回転するので遠心力を受けるが、遠心力の方向は、振動子に作用するコリオリの力の作用方向および振動子の振動方向のそれぞれに直交するため、遠心力がヨーレートの計測に影響を与えることは少ない。
ヨーレートセンサ20bは、例えば、シリコンセンシングシステムジャパン社製のシリコンジャイロ等が例示される。
【0017】
また、ヨーレートセンサ20bがタイヤ組立体12の回転に伴ってホイール面に沿って上方、下方に周期的に移動するため、一定のヨーレートでタイヤ組立体12が運動する場合、ヨーレートセンサ20bから出力される検出信号はタイヤ組立体12の回転に伴って周期的に変動する交流信号となる。したがって、ヨーレートセンサ20bの検出信号をサンプリングした信号値を車両の車体側に断続的に、例えば数mSの時間間隔で送信するように構成される。これにより、送信された情報からヨーレートの情報を正確に算出することができる。
【0018】
制御部26は、センサ部20で得られた各センサの検出信号を取り込みサンプリングするとともに、サンプリングして得られた信号値と、計測センサ10に割り当てられて記憶されている識別信号値とを、送信信号生成部22に供給する部位である。
送信信号生成部22は、例えば、10GHz以下、例えば315MHzや433MHzの搬送波を発振するとともに、この搬送波を制御部26から供給された信号値および識別信号値を用いて変調し、さらに増幅して高周波信号を生成する部位である。
送信アンテナ24は、送信信号生成部22で生成された高周波信号を共振させ、呼び掛け信号Rに対する応答信号Sを電波として放射する部位である。
【0019】
なお、計測センサ10は、少なくとも、全波整流回路18、センサ部20、送信信号生成部22および制御部26が、略50mm×30mmの矩形状を成した基板28上にコンパクトに構成され、基板28を覆うように図示されない筐体に収納されている。なお、筐体には、圧力センサ20cでタイヤ空洞領域内のタイヤ内圧を計測できるように、貫通孔が設けられている。
受信アンテナ16および送信アンテナ24は、基板28上に上記回路とともに一体的に設けられ、基板28の基板面の垂直方向に最大放射強度を持つ平面アンテナであってもよい。しかし、計測センサ10はタイヤ空洞領域に面するホイール面に配置されることから、タイヤ空洞領域内で放射した電波が効率よく受信されるように、受信アンテナ16および送信アンテナ24を、帯状導体の電波放射面が基板28の周りを向くループ状アンテナとするのがよい。
【0020】
このような計測センサ10を取り付けたタイヤ組立体12を4輪車両である乗用車40に装着したときの制御システム50が図3に示されている。
制御システム50では、図1に示すタイヤ組立体12と同様の構成を持つタイヤ組立体12a〜12dが乗用車40に装着されており、タイヤ組立体12a〜12dのそれぞれに対応して、呼び掛け信号Rを送信するとともに応答信号Sを受信する通信装置14a〜14dと、通信装置14a〜14dで得られた、計測センサ10a〜10dにおける各センサの検出信号の信号値を統合化して、操舵システム54および制駆動システム56を制御するための制御信号を生成し供給するシステム制御装置58と、を有して構成される。
操舵システム54は、例えば、前輪のタイヤ組立体12a、12bの向き、さらには、後輪のタイヤ組立体12c,12dの向きを微調整するシステムである。制駆動システム56は、タイヤ組立体12a〜12dの制駆動を微調整するシステムである。
なお、システム制御装置58には、図示されないが、乗用車40のハンドルによる操舵角の情報やブレーキ圧の情報や各車輪の回転速度の情報が供給されるように構成される。
【0021】
通信装置14a〜14dは、応答信号Sを受信して識別信号でタイヤ組立体12a〜12dからの信号であることを確認すると、センサ部12で計測された信号値を取り出し、システム制御装置44に供給する。
システム制御装置44は、通信装置14a〜14dから供給されたタイヤ組立体12a〜12dのヨーレートおよび横加速度の情報、および、図示されない操舵角センサから得られた操舵角の情報から、乗用車40がオーバステアまたはアンダーステアの状態になっているか、あるいは、横滑りを起こしつつあるかといった判断を予め定められた計算に従って行い、この判断結果に基づいて、操舵システム54および制駆動システム56を制御する制御信号を生成し供給する。さらに、計測センサ10a〜10dのそれぞれの圧力センサ20cおよび温度センサ20dからのタイヤ内圧の情報および温度の情報に基づいて、タイヤ内圧が所定値以下に低下し、温度が所定値を越えて極端に上昇した場合、タイヤバーストの発生大として、乗用車40の走行を強制的に停止するように制駆動システム56への制御信号を生成する。
【0022】
このような制御システムで50では、タイヤ組立体12a〜12dのヨーレートおよび横加速度の情報が正確に把握できるように、少なくとも各車輪の回転周期の2分の1以下よりも短い一定の時間間隔、例えば、10分の1の時間間隔で断続的に呼び掛け信号Rを発するように通信装置14a〜14dが制御される。呼び掛け信号Rの都度に呼応して送信される応答信号Sに含まれるヨーレートセンサ20bで得られた信号値から、ヨーレートの情報を正確に求めることができる。
【0023】
このように、本実施例では、タイヤ組立体12a〜12dにヨーレートセンサおよび横Gセンサを備えることを特徴とするが、タイヤ組立体12a〜12dにおけるヨーレートおよび横加速度を計測することにより、従来、車両の重心位置近傍で計測されたヨーレートおよび横加速度に比べて、乗用車40の制駆動性能及び旋回性能の制御を迅速に行うことができる。
【0024】
図4は、一例として、旋回する乗用車40のハンドルに操舵角をさらに与えて操舵角を切り増す場合を説明する図である。
一定の速度で旋回する乗用車40の操舵角を更に切り増して操舵した場合、タイヤ組立体12a〜12dは、自らが持つタイヤ横力特性(スリップ角度に対する横力の変化)と、乗用車40のサスペンション特性(例えば、サスペンションの横剛性に起因して発生するホイール回転面の向きの変化を表すコンプライアンスステア特性、乗用車40の横加速度に伴って横方向に車体が傾斜するロール特性および車体のロールによって発生するホイール回転面の向きの変化を表すロールステア特性)とにより、タイヤ組立体12a〜12dの力学挙動が定まる。つまり、タイヤ組立体12a〜12dの力学挙動、すなわち、ホイール回転面Pの向きは、タイヤ組立体12a〜12dの横力特性とこれに対応するサスペンション特性との釣り合いによって定まる。
本発明において計測されるヨーレートおよび横加速度の情報は、この時点におけるタイヤ組立体の力学挙動の変化の情報であり、ヨーレートの情報とは、この場合、ハンドルの切り増しによる操舵角の増加とコンプライアンスステア特性、ロール特性およびロールステア特性等のサスペンション特性によるステアの変化を含んだホイール回転面の向きの変化の情報である。
【0025】
したがって、操舵角を与える乗用車40の前輪(タイヤ組立体12a,12b)の場合、このホイール回転面の向きの変化からハンドルの切り増しによる操舵角の増加を差し引くことで、サスペンション特性を含んで変化する、操舵角の変化を除いたホイール回転面の向きの変化量を知ることができる。
操舵角を与えない乗用車40の後輪(タイヤ組立体12c,12d)の場合、サスペンション特性を含んで変化するタイヤ組立体のホイール回転面Pの向きの変化量を直接知ることができる。
【0026】
このようなサスペンション特性を含んで変化するタイヤ組立体12a〜12d各々のホイール回転面の向きの変化量をシステム制御装置58にて求め、横加速度の情報とを用いて、乗用車40の旋回中のステア特性の状態を予測推定することができる。したがって、これにより、車両が以降において振る舞う挙動を予測することができ、例えば、車両がアンダステアの状態からオーバステアの状態に移行して、操舵性能が急に不安定となる前に、各輪の制駆動力を調整して、あるいは、舵角を調整して制御することができる。
【0027】
なお、本実施例のような制御を行わない場合、タイヤ組立体12a〜12dの力学挙動の変化により現れる横力の増加がサスペンションを介して乗用車の車体に伝わり、この後、車両の挙動の変化、すなわち、車両進行方向に対する向きの変化が徐々に現れ始める。従来は、この時点でヨーレートを計測し、制駆動および操舵の制御システムにフィードバックを与えていた。
したがって、本実施例では、乗用車40に所定の挙動の変化が現れる前にタイヤ組立体の力学挙動の変化を計測して制御するので、従来に比べて迅速な制御を行うことができる。
【0028】
以上、本発明のタイヤ組立体の力学挙動計測センサについて詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。上記実施例では、ヨーレートセンサおよび横加速度センサの他に温度センサおよび圧力センサを備える計測センサであるが、計測センサはヨーレートセンサおよび横加速度センサからなるものであってもよい。
【0029】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明のタイヤ組立体の力学挙動計測センサは、タイヤ組立体のホイール回転面の向きの変化を計測するヨーレートセンサと、タイヤ組立体のホイール回転軸方向の加速度を計測する加速度センサとをタイヤ空洞領域に面するホイール面に備えて構成されるので、車両の制駆動性能および旋回性能の制御を従来に比べてより迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のタイヤ組立体の力学挙動計測センサの一実施例である計測センサのタイヤ組立体に取り付けた状態を示す断面図である。
【図2】 本発明のタイヤ組立体の力学挙動計測センサの一例である計測センサの構成を示すブロック図である。
【図3】 本発明のタイヤ組立体の力学挙動計測センサを用いた車両の制御システムの一例を示す図である。
【図4】 本発明のタイヤ組立体の力学挙動計測センサの計測を説明する説明図である。
【符号の説明】
10 計測センサ
12 タイヤ組立体
14 通信装置
16 受信アンテナ
18 全波整流回路
20 センサ部
22 送信信号生成部
24 送信アンテナ
26 制御部
28 基板

Claims (11)

  1. 車両に装着された、タイヤがホイールに組付けられてなるタイヤ組立体に関する情報を取得するシステムであって、
    前記タイヤ組立体のタイヤ空洞領域に面するホイール面に取り付けられており、前記タイヤ組立体のホイール回転面の向きの変化を表す回転面角速度情報を少なくとも計測するヨーレートセンサを少なくとも備え、
    前記回転面角速度情報を電波で送信するセンサユニットと、
    前記センサユニットから送信された前記回転面角速度情報を受信する、前記車両に設けられた通信装置と、
    前記通信装置が受信した前記回転面角速度情報から、前記車両のハンドルによる前記タイヤ組立体の操舵角の変化を差し引き、前記タイヤ組立体に関する情報として、前記車両のサスペンション特性に基く前記ホイール回転面の向きの変化量の情報を求める、前記車両に設けられた装置と、
    を有することを特徴とするタイヤ組立体関連情報取得システム。
  2. 前記車両には、前記操舵角の変化量を計測する操舵角センサが備えられており、前記装置は、前記タイヤ組立体の操舵角の変化の情報を、前記操舵角センサより取得することを特徴とする請求項1記載のタイヤ組立体関連情報取得システム。
  3. 前記センサユニットは、
    前記タイヤ組立体のホイール回転面の向きの変化を表す情報として、所定軸周りの回転角速度を計測する振動式ヨーレートセンサと
    前記振動式ヨーレートセンサで得られた前記回転角速度の情報を電波で送信する送信手段と、を有し、
    前記振動式ヨーレートセンサの前記所定軸は、前記ホイール面に取り付けられた状態で、前記タイヤ組立体の回転にともなって前記タイヤ組立体に生じる遠心力方向に略一致することを特徴とする請求項1または2記載のタイヤ組立体関連情報取得システム。
  4. 前記車両に設けられた前記通信装置は、さらに、前記センサユニットに対して信号を送信し、
    前記センサユニットは、
    さらに、前記車両から送信される信号を受信する受信手段と、
    この受信手段で受信した信号の受信電力を前記ヨーレートセンサ、および前記送信手段の駆動電力とする電力生成手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ組立体関連情報取得システム。
  5. 前記装置は、前記通信装置と接続されて前記通信装置の動作を制御することで、前記通信装置から、少なくとも前記タイヤ組立体の回転周期の2分の1以下よりも短い一定の時間間隔で、前記センサユニットに向かって前記信号を送信させ、
    前記センサユニットの前記送信手段は、前記受信手段が前記信号を受信する都度に呼応して、前記回転面角速度情報を電波で送信することを特徴とする請求項4に記載のタイヤ組立体関連情報取得システム。
  6. 前記センサユニットは、
    さらに、前記タイヤ組立体のホイール回転軸方向の加速度を計測する加速度センサを有し、
    前記送信手段は、前記回転角速度の情報とともに、前記加速度センサで得られた横加速度情報を送信し、
    前記車両に設けられた前記通信装置は、前記回転面角速度情報とともに前記加速度情報 を受信し、
    前記装置は、自身が求めた前記車両のサスペンション特性に基く前記ホイール回転面の向きの変化量の情報と、前記加速度情報とを用いて、車両の旋回中のステア特性の状態を推定することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ組立体関連情報取得システム。
  7. 前記装置は、推定した前記ステア特性の状態に基いて、前記タイヤ組立体の制駆動力あるいは舵角を調整することを特徴とする請求項6記載のタイヤ組立体関連情報取得システム。
  8. タイヤがホイールに組付けられて車両に装着されるタイヤ組立体のタイヤ空洞領域に面するホイール面に取り付けられ、前記タイヤ組立体の力学挙動を計測する力学挙動計測センサユニットであって、
    前記ホイール面に取り付けられた状態で、前記タイヤ組立体のホイール回転面の向きの変化を表す情報として、所定軸周りの回転角速度を計測する振動式ヨーレートセンサと
    前記振動式ヨーレートセンサで得られた前記回転角速度の情報を電波で送信する送信手段と、を有し、
    前記ヨーレートセンサの前記所定軸は、前記ヨーレートセンサが前記ホイール面に取り付けられた状態で、前記タイヤ組立体の回転にともなって前記タイヤ組立体に生じる遠心力方向に略一致することを特徴とするタイヤ組立体の力学挙動計測センサユニット
  9. さらに、前記車両から送信される信号を受信する受信手段と、
    この受信手段で受信した信号の受信電力を前記振動式ヨーレートセンサおよび前記送信手段の駆動電力とする電力生成手段を備える請求項記載のタイヤ組立体の力学挙動計測センサユニット
  10. 前記センサユニットの前記送信手段は、前記受信手段が前記信号を受信する都度に呼応して、前記回転面角速度情報を電波で送信することを特徴とする請求項9記載のタイヤ組立体の力学挙動計測センサユニット。
  11. 前記センサユニットは、
    さらに、前記タイヤ組立体のホイール回転軸方向の加速度を計測する加速度センサを有し、
    前記送信手段は、前記回転角速度の情報とともに、前記加速度センサで得られた横加速度情報を送信することを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載のタイヤ組立体の力学挙動計測センサユニット。
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