JP4117839B2 - Evaporative gas purge system leak diagnosis device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料タンク内の燃料が蒸発して生じたエバポガス(燃料蒸発ガス)を内燃機関の吸気系にパージ(放出)するエバポガスパージシステムのリーク診断を行うエバポガスパージシステムのリーク診断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、エバポガスパージシステムにおいては、燃料タンク内から発生するエバポガスが大気中に漏れ出すことを防止するために、燃料タンク内から発生したエバポガスをキャニスタ内に吸着し、このキャニスタと内燃機関の吸気系とを連通するパージ通路に設けたパージ制御弁を開弁することで、吸気系の負圧を利用してキャニスタ内に吸着されているエバポガスを吸気系へパージするようにしている。このエバポガスパージシステムから大気中にエバポガスが漏れる状態が長時間放置されるのを防止するために、エバポガスのリークを早期に検出する必要がある。
【0003】
そこで、内燃機関の運転中にパージ制御弁を開弁して吸気系から燃料タンク内に負圧を導入した後、パージ制御弁を閉弁してパージ制御弁から燃料タンクまでのエバポ系を密閉した状態で、エバポ系内の圧力(例えば燃料タンク内の圧力)の変化量を測定し、その負圧導入時の圧力変化量をリーク判定値(例えば大気圧導入時の圧力変化量)と比較することで、エバポ系のリーク(漏れ)の有無を判定するようにしたものがある。
【0004】
しかし、上記従来のリーク診断では、微小リークやリーク度合(リーク孔の大きさ)を精度良く判定することができないという欠点があった。
【0005】
そこで、例えば、特許文献1(特開平10−90107号公報)に記載されているように、電動式の正圧ポンプで基準圧力検出部内に正圧を導入して該基準圧力検出部に形成した基準孔(微小リーク孔に相当する所定孔径の孔)で規制された圧力(基準圧力)を検出し、その後、通路切換弁で正圧ポンプの圧力導入経路を切り換えて、基準圧力検出時と同一の条件で正圧ポンプによりエバポ系内に正圧を導入してエバポ系内の圧力を検出し、基準圧力とエバポ系内の圧力とを比較することで、微小リークやリーク度合を判定できるようにしたものがある。
【0006】
しかし、エバポ系内に正圧を導入してリーク診断を行う場合、もし、エバポ系にリーク孔が開いていると、リーク診断中にエバポ系内のエバポガスがリーク孔から大気中に漏れ出してしまうという欠点がある。
【0007】
この対策として、例えば、特許文献2(特開2002−4959号公報)に記載されているように、負圧ポンプで基準圧力検出部内に負圧を導入して基準圧力を検出した後、負圧ポンプでエバポ系内に負圧を導入してエバポ系内の圧力を検出し、基準圧力とエバポ系内の圧力とを比較してリーク診断を行うようにしたものがある。この場合、もし、エバポ系にリーク孔が開いていたとしても、リーク診断中に、そのリーク孔からエバポ系内に大気が吸入されるだけであり、リーク診断中にエバポ系内のエバポガスがリーク孔から大気中に漏れ出すことを防止することができる。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−90107号公報(第2頁等)
【特許文献2】
特開2002−4959号公報(第2頁等)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特許文献2のように、負圧ポンプでエバポ系内に負圧を導入してリーク診断を行うシステムでは、負圧を導入するときにエバポ系内のガスをキャニスタを通して大気側に排出することになる。しかし、エバポ系内のエバポガス濃度が高かったり、キャニスタ内のエバポガス吸着量が飽和状態か又はそれに近い状態になっていると、エバポ系内のガスをキャニスタを通して排出しても、ガス中のエバポ成分がキャニスタで吸着しきれずに大気中に放出されてしまう可能性がある。
【0010】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、負圧ポンプ等の負圧導入手段でエバポ系内に負圧を導入するリーク診断によってエバポガスが大気中に放出される量を低減することができるエバポガスパージシステムのリーク診断装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
リーク診断中に負圧導入手段によってエバポ系内から排出されるエバポガスは、排出通路を経て大気中に放出されるため、リーク診断の終了直後又は中止直後には、排出通路内に多くのエバポガスが残っているものと思われる。この状態をそのまま放置すれば、時間の経過と共に排出通路内のエバポガスが自然対流によって徐々に大気中に流れ出ていってしまい、大気中へのエバポガスの放出量を増加させる原因となる。
【0012】
そこで、本発明の請求項1のエバポガスパージシステムのリーク診断装置は、負圧導入手段によりエバポ系内に負圧を導入してエバポ系内の圧力又はそれに相関する情報(以下「エバポ系内圧力情報」という)に基づいてエバポ系のリーク診断を行うものにおいて、リーク診断の終了直後又は中止直後に、前記キャニスタ内に吸着されているエバポガスを内燃機関の吸気系にパージするためのパージ制御弁を一時的に開弁して該パージ制御弁の異常診断を行い、該パージ制御弁の異常診断の終了直後に、該リーク診断中に負圧導入手段によってエバポ系内から排出通路内に排出されたエバポガスをエバポ系内に戻すためのエバポガス戻し処理を行うようにしたものである。
【0013】
このようにすれば、リーク診断中に負圧導入手段によってエバポ系内から排出通路内に排出されたエバポガスを、リーク診断の終了直後や中止直後にエバポガス戻し処理によってエバポ系内に戻すことができ、排出通路内のエバポガスが大気中に放出される量を低減することができる。
【0024】
更に、請求項1に係る発明では、リーク診断の終了直後又は中止直後に、キャニスタ内に吸着されているエバポガスを内燃機関の吸気系にパージするためのパージ制御弁を一時的に開弁して該パージ制御弁の異常診断を行い、このパージ制御弁の異常診断の終了直後にエバポガス戻し処理を実行するようにしているため、リーク診断の終了直後や中止直後に、パージ制御弁の異常診断とエバポガス戻し処理を実行することができる。
【0025】
ところで、リーク診断中に負圧導入手段よってエバポ系内から排出通路内に排出されるエバポガス量が多い場合は、排出通路の容積が小さいと、リーク診断中に排出通路内に排出されたエバポガスが排出通路の大気開放口から大気中に流れ出してしまう。
【0026】
この対策として、請求項2のように、排出通路に、エバポガスを一時的に貯溜するエバポガス貯溜部を設けるようにしても良い。このようにすれば、エバポガス貯溜部を設けた分だけエバポガスを貯溜する容積を拡大することができるので、リーク診断中のエバポガス排出量が多い場合でも、エバポガスをエバポガス貯溜部及び排出通路内に貯溜することができ、その後、エバポガス戻し処理によりエバポガス貯溜部及び排出通路内のエバポガスをエバポ系内に戻すことができ、排出通路の大気開放口から大気中に流れ出るエバポガス量を効果的に少なくすることができる。
【0027】
この場合、請求項3のように、エバポガス貯溜部を、排出通路の大気開放口よりも低い位置に配置して該排出通路との接続口が下向きになるように設けることが好ましい。エバポガスは空気よりも重いため、エバポガス貯溜部の位置が排出通路の大気開放口よりも高いと、排出通路内のエバポガスがエバポガス貯溜部よりも低い位置にある大気開放口の方へ流れる割合が増えて、排出通路からエバポガス貯溜部内へのエバポガスの流れが妨げられてしまい、エバポガス貯溜部としての本来の機能が低下してしまうが、エバポガス貯溜部の位置を排出通路の大気開放口よりも低くすれば、排出通路からエバポガス貯溜部内へエバポガスが流れやすくなり、エバポガス貯溜部としての本来の機能を有効に発揮させることができる。更に、エバポガス貯溜部を排出通路との接続口が下向きになるようにすれば、エバポガス戻し処理中にエバポガス貯溜部内のエバポガスを速やかに排出通路内に流下させてエバポ系内に戻すことができる。
【0028】
また、請求項4のように、排出通路の大気開放口にフィルタを設け、このフィルタのうち負圧導入手段側にエバポガスを吸着する吸着体を設けるようにしても良い。このようにすれば、排出通路の大気開放口から大気中に流れ出ようとするエバポガスをフィルタの吸着体に吸着させることができ、エバポガスが大気中に放出される量を効果的に低減することができる。
【0029】
この場合、請求項5のように、排出通路のフィルタに設けられた吸着体は、キャニスタに設けられた吸着体よりも細孔径が小さい活性炭で形成するようにすると良い。リーク診断中に負圧導入手段によってエバポ系内から排出通路内に排出されるエバポガス(つまりキャニスタをすり抜けてきたエバポガス)は、低沸点成分(例えばC4以下)の割合が高いため、排出通路のフィルタに設ける吸着体は、キャニスタの吸着体よりも細孔径が小さい活性炭で形成した方がエバポガスの吸着性能を向上させることができる。しかも、低沸点成分であれば、吸着体の細孔径を小さくしても脱離性能の低下が少なく、吸着体で吸着したエバポガスを容易にバックパージすることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態(1)を図1乃至図10に基づいて説明する。まず、図1に基づいてエバポガスパージシステムの構成を説明する。燃料タンク11には、エバポ通路12を介してキャニスタ13が接続されている。このキャニスタ13内には、エバポガス(燃料蒸発ガス)を吸着する活性炭等の吸着体(図示せず)が収容されている。
【0031】
一方、キャニスタ13とエンジン吸気系との間には、キャニスタ13内の吸着体に吸着されているエバポガスをエンジン吸気系にパージ(放出)するためのパージ通路14が設けられ、このパージ通路14の途中に、パージ流量を制御するパージ制御弁15が設けられている。このパージ制御弁15は、常閉型の電磁弁により構成され、通電をデューティ制御することで、キャニスタ13からエンジン吸気系へのエバポガスのパージ流量を制御するようになっている。
【0032】
この燃料タンク11からパージ制御弁15までのエバポ系のリーク診断を行うために、キャニスタ13の大気連通路16には、リークチェックモジュール17が取り付けられている。
【0033】
図2乃至図4に示すように、リークチェックモジュール17は、キャニスタ13側に接続されるキャニスタ連通路18に、通路切換弁19を介して大気連通路20(排出通路)と負圧導入路21とが接続されている。大気連通路20は、大気側に直接連通するように設けられ、その先端付近にフィルタ22が設けられている。一方、負圧導入路21は、電動式の負圧ポンプ23(負圧導入手段)を介して大気連通路20の途中に接続されている。この負圧ポンプ23は、モータ37によって駆動され、負圧導入路21から大気連通路20の方向(大気側)へガスを排出するように配置されている。
【0034】
図5に示すように、負圧ポンプ23は効率の良いベーンポンプであり、ケーシング38内に偏心配置されたロータ39の外周側に、複数のベーン40が径方向にスライド可能に設けられ、ロータ39を回転駆動して各ベーン40間の空間容積を変化させることで、吸入口41からガスを吸い込んで吐出口42から吐出するように構成されている。このベーン式の負圧ポンプ23には、吸入口41から吐出口42まで連通する隙間が生じるため、後述するエバポガス戻し処理では、この負圧ポンプ23内の隙間を利用する。
【0035】
図2乃至図4に示すように、通路切換弁19は、キャニスタ連通路18と大気連通路20とを接続する大気開放位置(図2に示す位置)と、キャニスタ連通路18と負圧導入路21とを接続する負圧導入位置(図3に示す位置)との間を切換動作可能な電磁弁により構成されている。この通路切換弁19は、例えば、通電OFF時には、スプリング等の付勢手段19aにより大気開放位置に保持され、通電をONすると、ソレノイド19bの電磁駆動力により負圧導入位置に切り換えられるようになっている。
【0036】
また、キャニスタ連通路18と負圧導入路21との間には、通路切換弁19をバイパスするバイパス通路24が接続され、このバイパス通路24の途中に、基準オリフィス25(基準孔)が設けられている。この基準オリフィス25は、通路内径がバイパス通路24の他の部位の通路内径よりも大幅に絞られて基準リーク孔径(例えば直径0.5mm)になるように形成されている。この基準オリフィス25と、バイパス通路24のうち基準オリフィス25から負圧導入路21につながる通路24aとによって基準圧力検出部26が構成され、この基準圧力検出部26に、圧力センサ27が設けられている。
【0037】
図2に示すように、パージ制御弁15の閉弁時に通路切換弁19が大気開放位置に切り換えられているときには、バイパス通路24内(基準圧力検出部26内)がキャニスタ連通路18と大気連通路20を介して大気に開放されるため、圧力センサ27により基準圧力検出部26内の圧力を検出することで大気圧を検出することができる。
【0038】
そして、通路切換弁19が大気開放位置に切り換えられてエバポ系内がキャニスタ連通路18と大気連通路20を介して大気に開放された状態で、負圧ポンプ23が駆動されると、基準オリフィス25の存在により基準圧力検出部26内が負圧になる。このとき、圧力センサ27により基準圧力検出部26内の圧力を検出することで、基準オリフィス25の基準リーク孔径に対応した基準圧力を検出することができる。
【0039】
一方、図3に示すように、パージ制御弁15の閉弁時に通路切換弁19が負圧導入位置に切り換えられているときには、エバポ系が密閉されて、基準圧力検出部26の圧力センサ27の周辺部分が負圧導入路21とキャニスタ連通路18を介してエバポ系内に連通するため、圧力センサ27により基準圧力検出部26内の圧力を検出することでエバポ系内の圧力を検出することができる。
【0040】
そして、通路切換弁19が負圧導入位置に切り換えられてエバポ系が密閉された状態で、負圧ポンプ23が駆動されると、エバポ系内のガスがキャニスタ13通路16,18→負圧ポンプ23→大気連通路20の経路で大気側に排出されて、エバポ系内に負圧が導入される。
【0041】
尚、図1に示すように、燃料タンク11内には、燃料残量を検出する燃料レベルセンサ28が設けられている。その他、冷却水温を検出する水温センサ29、吸気温を検出する吸気温センサ30等の各種のセンサが設けられている。
【0042】
これらの各種センサの出力は、制御回路(以下「ECU」と表記する)31に入力される。このECU31の電源端子には、メインリレー32を介して車載バッテリ(図示せず)から電源電圧が供給される。この他、パージ制御弁15、通路切換弁19、負圧ポンプ23、圧力センサ27、燃料レベルセンサ28等に対しても、メインリレー32を介して電源電圧が供給される。メインリレー32のリレー接点32aを駆動するリレー駆動コイル32bは、ECU31のメインリレーコントロール端子に接続され、このリレー駆動コイル32bに通電することで、リレー接点32aがON(オン)して、ECU31等に電源電圧が供給される。そして、リレー駆動コイル32bへの通電をOFF(オフ)することで、リレー接点32aがOFFして、ECU31等への電源供給がOFFされる。
【0043】
ECU31のキーSW端子には、イグニッションスイッチ(以下「IGスイッチ」と表記する)33のON/OFF信号が入力される。IGスイッチ33をONすると、メインリレー32がONされて、ECU31等への電源供給が開始され、IGスイッチ33をOFFすると、メインリレー32がOFFされて、ECU31等への電源供給がOFFされる。
【0044】
また、ECU31には、バックアップ電源34と、このバックアップ電源34を電源として計時動作するソークタイマ35が内蔵されている。このソークタイマ35は、エンジン停止後(IGスイッチ33のOFF後)に計時動作を開始してエンジン停止後の経過時間を計測する。前述したように、IGスイッチ33をOFFすると、メインリレー32がOFFされて、ECU31等への電源供給がOFFされるが、エンジン停止中にリーク診断を行うために、ソークタイマ35の計測時間(エンジン停止後の経過時間)が所定時間(例えば3〜5時間)に到達すると、ECU31のバックアップ電源34を電源にしてECU31のメインリレーコントロール端子の駆動回路を作動させてメインリレー32をONさせ、ECU31、パージ制御弁15、通路切換弁19、負圧ポンプ23、圧力センサ27、燃料レベルセンサ28等に電源電圧を供給するようになっている。
【0045】
ECU31は、マイクロコンピュータを主体として構成され、そのROM(記憶媒体)に記憶された燃料噴射制御プログラム、点火制御プログラム及びパージ制御プログラムを実行することで、燃料噴射制御、点火制御及びパージ制御を行う。
【0046】
更に、ECU31は、後述する図7乃至図10に示すリーク診断用の各プログラムを実行することで、リークチェックモジュール17を制御して基準圧力とエバポ系内圧力を検出し、両者を比較してエバポ系のリークの有無を診断する。
【0047】
ここで、本実施形態(1)で実行するエバポ系のリーク診断について説明する。図6に示すように、エンジン運転停止(IGスイッチ33のOFF)から所定時間(例えば3〜6時間)が経過した時点t1 で、基準圧力検出処理を開始する。この基準圧力検出処理では、パージ制御弁15を閉弁(OFF)状態に維持すると共に通路切換弁19を大気開放位置(OFF)に維持したまま負圧ポンプ23をONして、基準圧力検出部26内に負圧を導入し(図2参照)、基準圧力検出部26内への負圧導入開始から所定時間T1 が経過した時点t2 (又は基準圧力検出部26内の圧力が安定した時点)で、基準圧力検出部26内の負圧が基準オリフィス25に対応した基準圧力付近で安定したと判断して、圧力センサ27により検出される基準圧力検出部26内の圧力を基準圧力Pr としてECU31のメモリに記憶する。
【0048】
基準圧力Pr の検出後、エバポ系内圧力検出及びリーク判定処理を開始する。このエバポ系内圧力検出及びリーク判定処理では、負圧ポンプ23をON状態に維持したまま通路切換弁19を負圧導入位置(ON)に切り換えて、負圧ポンプ23によりエバポ系内に負圧を導入する(図3参照)。このエバポ系内への負圧導入開始から所定時間T2 が経過する前に、圧力センサ27で検出したエバポ系内の圧力Pf がリーク判定値(例えば基準圧力Pr 又はそれよりも少し低い圧力に設定された値)よりも低くなれば、リーク無しと判定する。一方、エバポ系内への負圧導入開始から所定時間T2 が経過した時点t3 (又はエバポ系内の圧力が安定した時点)で、エバポ系内の圧力Pf がリーク判定値以上の場合には、リーク有りと判定する。その際、エバポ系内の圧力Pf が基準圧力Pr 付近に収束していれば、基準オリフィス25の基準リーク孔径(例えば直径0.5mm)相当のリーク孔と判定し、エバポ系内の圧力Pf が基準圧力Pr よりも高ければ、基準オリフィス25の基準リーク孔径よりも大きいリーク孔と判定する。
【0049】
上述したように、負圧ポンプ23でエバポ系内に負圧を導入してリーク診断を行うシステムでは、負圧を導入するときにエバポ系内のガスをキャニスタ13を通して大気側に排出するが、エバポ系内のエバポガス濃度が高かったり、キャニスタ13内のエバポガス吸着量が飽和状態か又はそれに近い状態になっていると、エバポ系内のガスをキャニスタ13を通して排出しても、ガス中のエバポ成分がキャニスタ13で吸着しきれずに大気連通路20側に排出されてしまう。
【0050】
そこで、ECU31は、図10に示すエバポガス戻し処理プログラムを実行することで、図6に示すように、リーク診断の終了直後(又は中止直後)でエバポ系内がまだ負圧状態のときに、通路切換弁19を負圧導入位置(ON)に維持したまま負圧ポンプ23をOFFするエバポガス戻し処理を行う。これにより、大気連通路20内のエバポガスが図4に矢印で示すように負圧ポンプ23内の隙間、負圧導入路21、キャニスタ連通路18を通ってエバポ系内に吸入される。
【0051】
以下、ECU31が実行する図7乃至図10に示すリーク診断用の各プログラムの処理内容を説明する。
【0052】
[リーク診断メイン制御]
図7のリーク診断メイン制御プログラムは、例えばIGスイッチ33のOFF後にソークタイマ35によってメインリレー32がONされた後に所定時間毎に実行され、特許請求の範囲でいうリーク診断手段としての役割を果たす。
【0053】
本プログラムが起動されると、まず、ステップ101で、リーク診断実行条件が成立しているか否かを判定する。ここで、リーク診断実行条件は、例えば、IGスイッチ33がOFFされていること(つまりエンジン停止中であること)、IGスイッチ33のOFFから所定時間(例えば3〜6時間)が経過していること等である。上記条件を全て満たせば、リーク診断実行条件が成立するが、上記条件のうちいずれか1つでも満たさない条件があれば、リーク診断実行条件が不成立となる。
【0054】
このステップ101で、リーク診断実行条件が成立していると判定された場合には、ステップ102以降のリーク診断に関する処理を次のようにして実行する。まず、ステップ102で、基準圧力検出期間中であるか否かを判定し、基準圧力検出期間中であれば、ステップ103に進み、後述する図8の基準圧力検出処理プログラムを実行した後、ステップ106に進み、後述する図10のエバポガス戻し処理プログラムを実行して、本プログラムを終了する。
【0055】
その後、基準圧力検出処理が終了して、ステップ102で、基準圧力検出期間中でないと判定されたときに、ステップ104に進み、エバポ系内圧力検出期間中であるか否かを判定し、エバポ系内圧力検出期間中であれば、ステップ105に進み、後述する図9のエバポ系内圧力検出及びリーク判定処理プログラムを実行した後、ステップ106に進み、後述する図10のエバポガス戻し処理プログラムを実行して本プログラムを終了する。尚、図10のエバポガス戻し処理プログラムは、リーク診断が終了又は中止されるまで、エバポガス戻し処理を行わないようになっている(ステップ401)。
【0056】
その後、リーク診断が終了が終了した時点で、ステップ102とステップ104で共に「No」と判定されて、ステップ106に進み、後述する図10のエバポガス戻し処理プログラムを実行して本プログラムを終了する。
【0057】
尚、リーク診断の途中(基準圧力検出期間中又はエバポ系内圧力検出期間中)に、例えばIGスイッチのONによりリーク診断実行条件が不成立となってリーク診断が中止されたときには、その時点で、ステップ101からステップ106に進み、後述する図10のエバポガス戻し処理プログラムを実行して、本プログラムを終了する。
【0058】
[基準圧力検出処理]
図7のリーク診断メイン制御プログラムのステップ103で、図8の基準圧力検出処理プログラムが起動されると、まず、ステップ201で、パージ制御弁15を閉弁(OFF)状態に維持すると共に通路切換弁19を大気開放位置(OFF)に維持したまま負圧ポンプ23をONして、基準圧力検出部26内に負圧を導入する。この後、ステップ202に進み、圧力センサ27により基準圧力検出部26内の圧力を検出する。
【0059】
この後、ステップ203に進み、基準圧力検出部26内への負圧導入時間(負圧導入開始からの経過時間)が所定時間T1 未満であるか否かを判定する。その結果、基準圧力検出部26内への負圧導入時間が所定時間T1 未満であれば、ステップ204に進み、基準圧力検出部26内の圧力が安定状態であるか否かを、例えば基準圧力検出部26内の圧力変化速度が所定値よりも遅いか否かによって判定し、基準圧力検出部26内の圧力が安定していなければ、そのまま本プログラムを終了する。
【0060】
その後、ステップ203で基準圧力検出部26内への負圧導入時間が所定時間T1 に到達したと判定された時点、又は、ステップ204で基準圧力検出部26内の圧力が安定したと判定された時点で、基準圧力検出部26内の負圧が基準オリフィス25の基準リーク孔径に対応した基準圧力付近で安定したと判断して、ステップ205に進み、圧力センサ27により検出される基準圧力検出部26内の圧力を基準圧力Pr としてECU31のメモリに記憶する。
【0061】
[エバポ系内圧力検出及びリーク判定処理]
図7のリーク診断メイン制御プログラムのステップ105で、図9のエバポ系内圧力検出及びリーク判定処理プログラムが起動されると、まず、ステップ301で、パージ制御弁15を閉弁(OFF)状態に維持すると共に負圧ポンプ23をON状態に維持したまま通路切換弁19を負圧導入位置(ON)に切り換えて、負圧ポンプ23によりエバポ系内に負圧を導入する。この後、ステップ302に進み、圧力センサ27によりエバポ系内の圧力Pf を検出する。
【0062】
この後、ステップ303に進み、圧力センサ27で検出したエバポ系内の圧力Pf がリーク判定値(例えば基準圧力Pr 又はそれよりも少し低い圧力に設定された値)よりも低いか否かを判定する。その結果、エバポ系内の圧力Pf がリーク判定値よりも低いと判定された場合には、ステップ304に進み、正常(リーク無し)と判定する。
【0063】
これに対して、上記ステップ303で、エバポ系内の圧力Pf がリーク判定値以上であると判定された場合には、ステップ305進み、エバポ系内への負圧導入時間(負圧導入開始からの経過時間)が所定時間T2 未満であるか否かを判定する。その結果、エバポ系内への負圧導入時間が所定時間T2 未満であれば、ステップ306に進み、エバポ系内の圧力Pf が安定状態であるか否かを、例えばエバポ系内の圧力変化速度が所定値よりも遅いか否かによって判定し、エバポ系内の圧力Pf が安定していなければ、そのまま本プログラムを終了する。
【0064】
その後、ステップ303でエバポ系内の圧力Pf がリーク判定値以上であると判定されたまま、ステップ305でエバポ系内への負圧導入時間が所定時間T2 に到達したと判定された場合、又は、ステップ306でエバポ系内の圧力Pf が安定したと判定された場合には、ステップ307に進み、異常(リーク有り)と判定して、運転席のインストルメントパネルに設けられた警告ランプ36を点灯したり、或はインストルメントパネルの警告表示部(図示せず)に警告表示して運転者に警告すると共に、その異常情報(異常コード等)をECU31のバックアップRAM(図示せず)に記憶する。
【0065】
[エバポガス戻し処理]
図7のリーク診断メイン制御プログラムのステップ106で、図10のエバポガス戻し処理プログラムが起動されると、まず、401で、リーク診断が終了したか又はリーク診断を途中で中止したか否かを判定し、リーク診断中であれば、そのまま本プログラムを終了する。
【0066】
その後、ステップ401で、リーク診断が終了したか又はリーク診断を中止したと判定されたときに、ステップ402に進み、エバポ系内がまだ負圧状態のときに、パージ制御弁15を閉弁(OFF)状態に維持すると共に通路切換弁19を負圧導入位置(ON)に維持したまま負圧ポンプ23をOFFするエバポガス戻し処理を行う。これにより、大気連通路20内のエバポガスが負圧ポンプ23内の隙間、負圧導入路21、キャニスタ連通路18を通ってエバポ系内に吸入される。また、このエバポガス戻し処理によってガスがキャニスタ13内を通過してエバポ系内へ吸入されるときのガスの流れによってキャニスタ13内に吸着されているエバポガスを脱離させて燃料タンク11側に戻すバックパージを発生させることができる。
【0067】
以上説明した本実施形態(1)では、リーク診断の終了直後又は中断直後にエバポ系内がまだ負圧状態のときに負圧ポンプ23をOFFするエバポガス戻し処理を行うようにしたので、リーク診断中に負圧ポンプ23によってエバポ系内から大気連通路20に排出されたエバポガスを、リーク診断の終了直後又は中止直後に負圧ポンプ23内の隙間を通してエバポ系内に吸入させることができて、大気連通路20内のエバポガスが大気中に放出される量を低減することができ、エバポエミッションを向上させることができる。
【0068】
[実施形態(2)]
次に、図11乃至図16を用いて本発明の実施形態(2)を説明する。
前記実施形態(1)では、エバポガス戻し処理として、リーク診断の終了直後又は中止直後にエバポ系内が負圧の状態で負圧ポンプ23を停止するようにしたが、本実施形態(2)では、図12に示すように、エバポガス戻し処理として、リーク診断の終了直後又は中止直後にエバポ系内が負圧の状態で通路切換弁19を大気開放位置側に制御するようにしている。これにより、リーク診断の終了直後又は中止直後に、大気連通路20内のエバポガスが、図11に矢印で示すように、大気連通路20→通路切換弁19→キャニスタ連通路18の経路でエバポ系内に吸入される。
【0069】
更に、本実施形態(2)では、エバポガス戻し処理中に通路切換弁19の通電をデューティ制御して、エバポガス戻し処理により大気連通路20内のガスが通路切換弁19を通る経路でエバポ系内に吸入されるときのガス吸入流量を制御することで、キャニスタ13内に吸着されているエバポガスのバックパージ量や吸気音を調整する。
【0070】
ここで、通路切換弁19の通電をデューティ制御する際のデューティ比(ON/OFFの比)は、例えば、次のようにして設定する。一般に、図13に示すように、エバポガス戻し処理によりエバポ系内に吸入されるガス吸入流量が少ない領域では、ガス吸入流量(ガス吸入流速)の増加と共にキャニスタ13のエバポガス脱離特性が良くなるが、ガス吸入流量(ガス吸入流速)がある程度大きくなると、キャニスタ13のエバポガス脱離特性がほぼ一定となる。そこで、キャニスタ13のエバポガス脱離特性が所定以上となるガス吸入流量領域の下限値付近に目標ガス吸入流量を設定することで、キャニスタ13のエバポガス脱離特性を所定以上確保できる範囲で、実ガス吸入流量を少なくして吸気音を小さくできるようにする。この目標ガス吸入流量に対応した基本デューティ比(例えばエバポ系内の圧力と空間容積が所定の標準状態のときに実ガス吸入流量を目標ガス吸入流量に制御するデューティ比)が設定されている。
【0071】
また、大気連通路20内のガスがエバポ系内に吸入されるときのガス吸入流量は、エバポ系内の圧力やエバポ系内の空間容積によって変化するため、図14に示すマップを用いて圧力センサ27で検出したエバポ系内の圧力に応じた流量制御係数K1 を求めると共に、図15に示すマップを用いて燃料レベルセンサ28で検出した燃料残量から求まるエバポ系内の空間容積に応じた流量制御係数K2 を求め、基本デューティ比に流量制御係数K1 と流量制御係数K2 を乗算して最終的なデューティ比を求める。
【0072】
これにより、エバポ系内の圧力とエバポ系内の空間容積に応じてデューティ比を設定して、大気連通路20内のガスがエバポ系内に吸入されるときのガス吸入流量を目標ガス吸入流量に精度良く制御して、キャニスタ13内に吸着されているエバポガスのバックパージを促進しながら吸気音を小さくする。
【0073】
本実施形態(2)のエバポガス戻し処理は、図16に示すエバポガス戻し処理プログラムによって実行される。本プログラムが起動されると、まず、501で、リーク診断が終了したか又はリーク診断を途中で中止したか否かを判定し、リーク診断が終了したか又はリーク診断を中止したと判定されたときに、ステップ502に進み、エバポ系内がまだ負圧状態のときに、パージ制御弁15を閉弁(OFF)状態に維持すると共に負圧ポンプ23をONしたまま通路切換弁19を前述したようにして設定したデューティ比でデューティ制御するエバポガス戻し処理を行う。尚、このエバポガス戻し処理中に負圧ポンプ23をOFFするようにしても良い。
【0074】
このエバポガス戻し処理により、大気連通路20内のエバポガスが、図11に矢印で示すように、大気連通路20→通路切換弁19→キャニスタ連通路18の経路でエバポ系内に吸入される。
【0075】
以上説明した本実施形態(2)では、リーク診断の終了直後又は中止直後にエバポ系内が負圧の状態で通路切換弁19を大気開放位置側に制御するエバポガス戻し処理を行うようにしたので、リーク診断の終了直後又は中止直後に大気連通路20内のエバポガスを通路切換弁19を通る経路でエバポ系内に吸入することができ、大気連通路20内のエバポガスが大気中に放出される量を低減することができる。しかも、本実施形態(2)のように、大気連通路20内のエバポガスを通路切換弁19を通る経路でエバポ系内に吸入するようにすれば、エバポ系内に吸入するガス吸入流量を、負圧ポンプ23内の隙間を利用する前記実施形態(1)よりも多くすることができ、キャニスタ13内に吸着されているエバポガスのバックパージを促進することができる利点もある。
【0076】
また、本実施形態(2)では、エバポ系内に吸入されるガス吸入流量によってキャニスタ13のエバポガス脱離特性や吸気音が変化することを考慮して、エバポガス戻し処理中に通路切換弁19をデューティ制御して、大気連通路20側からエバポ系内に吸入されるガス吸入流量を制御するようにしたので、キャニスタ13内に吸着されているエバポガスのバックパージを促進しながら、このバックパージの性能を確保できる範囲で、実ガス吸入流量を少なくして吸気音を小さくすることができる。
【0077】
更に、本実施形態(2)では、大気連通路20側からエバポ系内に吸入されるガス吸入流量は、エバポ系内の圧力やエバポ系内の空間容積によって変化する点に着目して、エバポ系内の圧力とエバポ系内の空間容積に応じてガス吸入流量の制御値(デューティ比)を設定するようにしたので、大大気連通路20側からエバポ系内に吸入されるガス吸入流量を精度良く制御することができる。しかも、エバポ系内の圧力はリーク診断用の圧力センサ27で検出することができ、エバポ系内の空間容積は燃料レベルセンサ28で検出される燃料残量から求めることができるので、大気連通路20側からエバポ系内に吸入されるガス吸入流量を検出するセンサ類を新たに設ける必要がなく、低コスト化することができる。
【0078】
しかしながら、エバポ系内に吸入されるガス吸入流量を検出するセンサを設け、そのセンサで検出したガス吸入流量を目標ガス吸入流量に一致させるように通路切換弁19のデューティ比を設定するようにしても良い。
【0079】
また、エバポガス戻し処理中に通路切換弁19を必ずしもデューティ制御する必要はなく、エバポガス戻し処理中に通路切換弁19を大気開放位置(OFF)に切り換えるようにしても良い。
【0080】
[実施形態(3)]
エバポガス戻し処理として通路切換弁19をデューティ制御することで、大気連通路20内のエバポガスを通路切換弁19を通る経路でエバポ系内に吸入する場合に、負圧ポンプ23を停止すると、大気連通路20内のエバポガスが負圧ポンプ23内の隙間からもエバポ系内に吸入されてしまう。
【0081】
そこで、本発明の実施形態(3)では、図17に示すように、負圧ポンプ23の吸入口部分(負圧導入路21)に、大気連通路20内のガスが負圧ポンプ23内の隙間を通ってエバポ系の方向に逆流するのを阻止するチェック弁43を設ける構成としている。このようにすれば、エバポガス戻し処理時に負圧ポンプ23を停止しても、大気連通路20内のガスがエバポ系内に吸入される経路を大気連通路20から通路切換弁19を通る経路のみに限定することができるので、エバポ系内に吸入されるガス吸入流量を通路切換弁19のデューティ制御によって精度良く制御することができる。
【0082】
[実施形態(4)]
本発明の実施形態(4)では、図18に示すように、リーク診断の終了直後又は中止直後に、パージ制御弁15を一時的に開弁してエバポ系内の圧力が変化するか否かによってパージ制御弁15の異常の有無を診断し、このパージ制御弁15の異常診断の終了直後に、通路切換弁19をデューティ制御するエバポガス戻し処理を実行するようにしている。このようにすれば、リーク診断の終了直後や中止直後に、パージ制御弁15の異常診断とエバポガス戻し処理を実行することができる。
【0083】
尚、エバポガス戻し処理は、通路切換弁19をデューティ制御するエバポガス戻し処理に限定されず、通路切換弁19を大気開放位置に切り換えるエバポガス戻し処理や、通路切換弁19を負圧導入位置に維持したまま負圧ポンプ23をOFFするエバポガス戻し処理を行うようにしても良い。
【0084】
[実施形態(5)]
ところで、リーク診断中に負圧ポンプ23よってエバポ系内から大気連通路20内に排出されるエバポガス量が多いと、リーク診断中に大気連通路20の大気開放口からエバポガスが大気中に流れ出してしまう可能性がある。
【0085】
この対策として、本発明の実施形態(5)では、図19に示すように、大気連通路20に、エバポガスを貯溜するエバポガス貯溜部44を設けるようにしている。このようにすれば、エバポガス貯溜部44を設けた分だけエバポガスを貯溜する空間容積を拡大することができるので、リーク診断中のエバポガス排出量が多い場合でも、エバポガスをエバポガス貯溜部44及び大気連通路20内に貯溜することができ、その後、エバポガス戻し処理によりエバポガス貯溜部44及び大気連通路20内のエバポガスをエバポ系内に戻すことができる。これにより、リーク診断中の排出エバポガス量が多い場合でも、大気連通路20の大気開放口から大気中に流れ出るエバポガス量を効果的に少なくすることができる。
【0086】
尚、図20に示すように、エバポガス貯溜部44は、大気連通路20の大気開放口20aよりも低い位置に配置して該大気連通路20との接続口44aが下向きになるように設けるようにしても良い。エバポガスは空気よりも重いため、エバポガス貯溜部44の位置が大気連通路20の大気開放口20aよりも高いと、大気連通路20内のエバポガスがエバポガス貯溜部44よりも低い位置にある大気開放口20aの方へ流れる割合が増えて、大気連通路20からエバポガス貯溜部44内へのエバポガスの流れが妨げられてしまい、エバポガス貯溜部44としての本来の機能が低下してしまう。これに対し、エバポガス貯溜部44の位置を大気連通路20の大気開放口20aよりも低くすれば、大気連通路20からエバポガス貯溜部44内へエバポガスが流れやすくなり、エバポガス貯溜部44としての本来の機能を有効に発揮させることができる。
【0087】
更に、エバポガス貯溜部44を大気連通路20との接続口44aが下向きになるようにすれば、エバポガス戻し処理中にエバポガス貯溜部44内のエバポガスを速やかに大気連通路20に流下させてエバポ系内に戻すことができる。
【0088】
[実施形態(6)]
図21に示す本発明の実施形態(6)では、大気連通路20のフィルタ22のうち負圧ポンプ23側に、エバポガスを吸着する吸着体45を設けるようにしている。このフィルタ22に設けられた吸着体45は、キャニスタ13に設けられた吸着体よりも細孔径が小さい活性炭で形成されている。
【0089】
本実施形態(6)では、大気連通路20のフィルタ22に吸着体45を設けたので、大気連通路20の大気開放口から大気中に流れ出ようとするエバポガスをフィルタ22の吸着体45に吸着させることができ、エバポガスが大気中に放出される量を効果的に低減することができる。
【0090】
また、リーク診断中に負圧ポンプ23によってエバポ系内から大気連通路20内に排出されるたエバポガス(つまりキャニスタ13をすり抜けてきたエバポガス)は、低沸点成分(例えばC4以下)の割合が高いため、本実施形態(6)のように、大気連通路20のフィルタ22に設ける吸着体45は、キャニスタ13の吸着体よりも細孔径が小さい活性炭で形成することによって、大気連通路20内のエバポガスの吸着性能を向上させることができる。しかも、低沸点成分であれば、吸着体45の細孔を小さくしても脱離性能の低下が少なく、吸着体45で吸着したエバポガスを容易にバックパージすることができる。
【0091】
尚、上記各実施形態(1)〜(6)では、リーク診断を行う際に、圧力センサ27で基準圧力やエバポ系内の圧力を検出するようにしたが、基準圧力やエバポ系内の圧力の代用情報として負圧ポンプ23の電流、電圧、回転速度等の負圧ポンプの運動特性値を用いたり、負圧ポンプ23の吐出流量を用いるようにしても良い。
【0092】
また、上記各実施形態(1)〜(6)では、負圧ポンプ23としてベーン式ポンプを用いたが、これに限定されず、ウエスコ式ポンプ等の他の型式のポンプを用いるようにしても良い。
【0093】
また、上記各実施形態(1)〜(6)では、エンジン停止中にリーク診断を行うシステムに本発明を適用したが、エンジン運転中にリーク診断を行うシステムに本発明を適用しても良い。
【0094】
その他、本発明は、エバポガスパージシステムや、リークチェックモジュール17等のリーク診断システムの構成を適宜変更したり、リーク診断の具体的判定方法を適宜変更しても良く、要は、負圧ポンプ等の負圧導入手段でエバポ系内に負圧を導入してリーク診断を行うシステムであれば、本発明を適用して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態(1)におけるエバポガスパージシステムの構成を示す図
【図2】基準圧力検出処理時の状態を示すリークチェックモジュール及びその周辺の構成図
【図3】エバポ系内圧力検出処理時の状態を示すリークチェックモジュール及びその周辺の構成図
【図4】実施形態(1)のエバポガス戻し処理時の状態を示すリークチェックモジュール及びその周辺の構成図
【図5】負圧ポンプの横断面図
【図6】実施形態(1)の実行例を示すタイムチャート
【図7】リーク診断メイン制御プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図8】基準圧力検出処理プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図9】エバポ系内圧力検出及びリーク判定処理プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図10】実施形態(1)のエバポガス戻し処理プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図11】実施形態(2)のエバポガス戻し処理時の状態を示すリークチェックモジュール及びその周辺の構成図
【図12】実施形態(2)の実行例を示すタイムチャート
【図13】キャニスタのエバポガス脱離特性とガス吸入流量との関係を示す図
【図14】流量制御係数K1 のマップを概念的に示す図
【図15】流量制御係数K2 のマップを概念的に示す図
【図16】実施形態(2)のエバポガス戻し処理プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図17】実施形態(3)のエバポガス戻し処理時の状態を示すリークチェックモジュール及びその周辺の構成図
【図18】実施形態(4)の実行例を示すタイムチャート
【図19】実施形態(5)のリークチェックモジュール及びその周辺の構成図
【図20】実施形態(5)の変形例を示すリークチェックモジュール及びその周辺の構成図
【図21】実施形態(6)のリークチェックモジュール及びその周辺の構成図
【符号の説明】
11…燃料タンク、12…エバポ通路、13…キャニスタ、14…パージ通路、15…パージ制御弁、17…リークチェックモジュール、18…キャニスタ連通路、19…通路切換弁、20…大気連通路(排出通路)、21…負圧導入路、22…フィルタ、23…負圧ポンプ(負圧導入手段)、24…バイパス通路、25…基準オリフィス(基準孔)、26…基準圧力検出部、27…圧力センサ、28…燃料レベルセンサ、31…ECU(リーク診断手段)、43…チェック弁、44…エバポガス貯溜部、45…吸着体。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a leak diagnosis apparatus for an evaporative gas purge system that performs a leak diagnosis of an evaporative gas purge system that purges (releases) evaporative gas (fuel evaporative gas) generated by evaporation of fuel in a fuel tank into an intake system of an internal combustion engine. It is.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, in an evaporative gas purge system, in order to prevent the evaporative gas generated from the fuel tank from leaking into the atmosphere, the evaporative gas generated from the fuel tank is adsorbed in the canister, and the intake air of the canister and the internal combustion engine is absorbed. By opening a purge control valve provided in a purge passage communicating with the system, the exhaust gas adsorbed in the canister is purged to the intake system using the negative pressure of the intake system. In order to prevent the state where the evaporative gas leaks from the evaporative gas purge system into the atmosphere from being left for a long time, it is necessary to detect the evaporative gas leak at an early stage.
[0003]
Therefore, during operation of the internal combustion engine, the purge control valve is opened to introduce negative pressure into the fuel tank from the intake system, and then the purge control valve is closed to seal the evaporation system from the purge control valve to the fuel tank. Measure the amount of change in the pressure in the evaporation system (for example, the pressure in the fuel tank) and compare the amount of change in pressure when the negative pressure is introduced to the leak judgment value (for example, the amount of change in pressure when the atmospheric pressure is introduced). By doing so, there is one that determines whether or not there is an evaporative leak.
[0004]
However, the conventional leak diagnosis has a drawback in that it is impossible to accurately determine a minute leak or a leak degree (a size of a leak hole).
[0005]
Therefore, for example, as described in Patent Document 1 (Japanese Patent Laid-Open No. 10-90107), a positive pressure is introduced into the reference pressure detection unit by an electric positive pressure pump, and the reference pressure detection unit is formed. The pressure (reference pressure) regulated by the reference hole (a hole with a predetermined hole diameter corresponding to a minute leak hole) is detected, and then the pressure introduction path of the positive pressure pump is switched by the passage switching valve. By detecting the pressure in the evaporation system by introducing a positive pressure into the evaporation system with a positive pressure pump under the conditions of the above, it is possible to judge minute leaks and the degree of leakage by comparing the reference pressure and the pressure in the evaporation system There is something that was made.
[0006]
However, when leak diagnosis is performed by introducing positive pressure into the evaporation system, if there is a leak hole in the evaporation system, the evaporation gas in the evaporation system leaks into the atmosphere from the leak hole during the leak diagnosis. There is a disadvantage that it ends up.
[0007]
As a countermeasure for this, for example, as described in Patent Document 2 (Japanese Patent Application Laid-Open No. 2002-4959), a negative pressure is introduced into the reference pressure detection unit by a negative pressure pump, and then the negative pressure is detected. There is a type in which a negative pressure is introduced into the evaporation system by a pump to detect the pressure in the evaporation system, and a leak diagnosis is performed by comparing the reference pressure and the pressure in the evaporation system. In this case, even if a leak hole is opened in the evaporation system, the atmosphere is only sucked into the evaporation system from the leak hole during the leak diagnosis, and the evaporation gas in the evaporation system leaks during the leak diagnosis. Leakage from the hole into the atmosphere can be prevented.
[0008]
[Patent Document 1]
JP-A-10-90107 (second page, etc.)
[Patent Document 2]
JP 2002-4959 A (page 2 etc.)
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, as in Patent Document 2 described above, in a system that performs a leak diagnosis by introducing a negative pressure into the evaporation system with a negative pressure pump, the gas in the evaporation system is discharged to the atmosphere side through the canister when the negative pressure is introduced. Will do. However, if the evaporation gas concentration in the evaporation system is high, or if the amount of adsorption of the evaporation gas in the canister is at or near the saturated state, the evaporation component in the gas can be discharged even if the evaporation system gas is exhausted through the canister. May not be absorbed by the canister and may be released into the atmosphere.
[0010]
The present invention has been made in consideration of such circumstances. Therefore, the object of the present invention is to release the evaporated gas into the atmosphere by leak diagnosis in which a negative pressure is introduced into the evaporation system by a negative pressure introducing means such as a negative pressure pump. It is an object of the present invention to provide a leak diagnosis apparatus for an evaporative gas purge system that can reduce the amount of generated gas.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
Since the evaporative gas discharged from the evaporative system by the negative pressure introducing means during the leak diagnosis is released into the atmosphere through the discharge passage, a large amount of the vapor is present in the discharge passage immediately after the end of the leak diagnosis or immediately after cancellation. It seems that it remains. If this state is left as it is, the evaporative gas in the discharge passage gradually flows out into the atmosphere by natural convection as time elapses, causing an increase in the amount of evaporative gas released into the atmosphere.
[0012]
In view of this, the leak diagnosis apparatus for an evaporation gas purge system according to claim 1 of the present invention introduces a negative pressure into the evaporation system by the negative pressure introducing means, and the pressure in the evaporation system or information correlated therewith (hereinafter referred to as “evaporation system pressure”). Evapo system leak diagnosis based on "information") immediately after the end of the leak diagnosis or immediately after The purge control valve for purging the evaporation gas adsorbed in the canister to the intake system of the internal combustion engine is temporarily opened to perform abnormality diagnosis of the purge control valve, and completion of abnormality diagnosis of the purge control valve Immediately after, During the leak diagnosis, an evaporation gas returning process is performed for returning the evaporation gas discharged from the evaporation system into the discharge passage by the negative pressure introducing means into the evaporation system.
[0013]
In this way, the evaporative gas discharged from the evaporative system into the exhaust passage by the negative pressure introducing means during the leak diagnosis can be returned to the evaporative system by the evaporative gas return process immediately after the end of the leak diagnosis or immediately after it is stopped. Thus, the amount of evaporated vapor in the discharge passage can be reduced.
[0024]
Furthermore, in the invention according to claim 1, Immediately after the end of leak diagnosis or immediately after cancellation, the purge control valve for purging the evaporation gas adsorbed in the canister to the intake system of the internal combustion engine is temporarily opened to diagnose the abnormality of the purge control valve. The evaporative gas return process is executed immediately after the completion of the purge control valve abnormality diagnosis. Because Immediately after the end of the leak diagnosis or immediately after the leak diagnosis, the abnormality diagnosis of the purge control valve and the evaporation gas return process can be executed.
[0025]
By the way, when the amount of evaporation gas discharged from the evaporation system into the discharge passage by the negative pressure introducing means during the leak diagnosis is large, if the volume of the discharge passage is small, the evaporated gas discharged into the discharge passage during the leak diagnosis is reduced. It flows out into the atmosphere from the air opening of the discharge passage.
[0026]
As a countermeasure, the claims 2 As described above, an evaporative gas storage section for temporarily storing evaporative gas may be provided in the discharge passage. In this way, the volume of the evaporated gas can be increased by the amount of the evaporated gas storage section, so that the evaporated gas can be stored in the evaporated gas storage section and the discharge passage even when the amount of the evaporated exhaust gas during the leak diagnosis is large. After that, the evaporation gas can be returned to the evaporation system by the evaporation gas return process, and the amount of evaporation gas flowing out into the atmosphere from the atmosphere opening of the discharge path can be effectively reduced. Can do.
[0027]
In this case, the claim 3 As described above, it is preferable that the evaporation gas reservoir is disposed at a position lower than the atmosphere opening port of the discharge passage so that the connection port with the discharge passage faces downward. Since the evaporative gas is heavier than air, if the evaporative gas reservoir is located higher than the air outlet in the exhaust passage, the proportion of the evaporative gas in the exhaust passage flows toward the atmospheric open port located lower than the evaporative gas reservoir. As a result, the flow of the evaporative gas from the exhaust passage into the evaporative gas reservoir is obstructed and the original function of the evaporative gas reservoir is reduced, but the position of the evaporative gas reservoir is lower than the air opening of the exhaust passage. Thus, the evaporative gas easily flows from the discharge passage into the evaporative gas reservoir, and the original function as the evaporative gas reservoir can be effectively exhibited. Furthermore, if the connection port of the evaporation gas storage part is directed downward, the evaporation gas in the evaporation gas storage part can quickly flow down into the discharge path and return to the evaporation system during the evaporation gas returning process.
[0028]
Claims 4 As described above, a filter may be provided at the atmosphere opening of the discharge passage, and an adsorbent that adsorbs the evaporation gas may be provided on the negative pressure introducing means side of the filter. In this way, the evaporative gas that is about to flow out into the atmosphere from the atmosphere opening port of the discharge passage can be adsorbed by the adsorbent of the filter, and the amount of evaporative gas released into the atmosphere can be effectively reduced. it can.
[0029]
In this case, the claim 5 As described above, the adsorbent provided in the filter of the discharge passage may be formed of activated carbon having a pore diameter smaller than that of the adsorbent provided in the canister. The evaporation gas discharged from the evaporation system into the discharge passage by the negative pressure introduction means during the leak diagnosis (that is, the evaporation gas that has passed through the canister) has a high ratio of low boiling point components (for example, C4 or less). It is possible to improve the adsorption performance of the evaporative gas when the adsorbent provided in is formed of activated carbon having a pore size smaller than that of the canister. In addition, if the component has a low boiling point, even if the pore diameter of the adsorbent is reduced, the desorption performance is hardly lowered, and the evaporative gas adsorbed by the adsorbent can be easily back purged.
[0030]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiment (1) of the present invention will be described below with reference to FIGS. First, the configuration of the evaporation gas purge system will be described with reference to FIG. A
[0031]
On the other hand, a
[0032]
In order to perform evaporative leak diagnosis from the
[0033]
As shown in FIG. 2 to FIG. 4, the
[0034]
As shown in FIG. 5, the
[0035]
As shown in FIGS. 2 to 4, the
[0036]
A
[0037]
As shown in FIG. 2, when the
[0038]
When the
[0039]
On the other hand, as shown in FIG. 3, when the
[0040]
Then, when the
[0041]
As shown in FIG. 1, a
[0042]
Outputs of these various sensors are input to a control circuit (hereinafter referred to as “ECU”) 31. A power supply voltage is supplied to a power supply terminal of the
[0043]
An ON / OFF signal of an ignition switch (hereinafter referred to as “IG switch”) 33 is input to a key SW terminal of the
[0044]
Further, the
[0045]
The
[0046]
Further, the
[0047]
Here, the evaporative leak diagnosis executed in the present embodiment (1) will be described. As shown in FIG. 6, the reference pressure detection process is started at a time t1 when a predetermined time (for example, 3 to 6 hours) has elapsed since the engine operation was stopped (
[0048]
After the detection of the reference pressure Pr, the evaporation system internal pressure detection and leak determination processing are started. In this evaporation system internal pressure detection and leak determination processing, the
[0049]
As described above, in the system in which the negative pressure is introduced into the evaporation system by the
[0050]
Therefore, the
[0051]
Hereinafter, processing contents of each program for leak diagnosis shown in FIGS. 7 to 10 executed by the
[0052]
[Leak diagnosis main control]
The leak diagnosis main control program of FIG. 7 is executed every predetermined time after the
[0053]
When this program is started, first, in
[0054]
If it is determined in
[0055]
Thereafter, when the reference pressure detection process is completed and it is determined in
[0056]
Thereafter, when the end of the leak diagnosis is finished, it is determined as “No” in both
[0057]
In addition, during the leak diagnosis (during the reference pressure detection period or during the evaporative system pressure detection period), for example, when the leak diagnosis execution condition is not satisfied due to ON of the IG switch and the leak diagnosis is stopped, at that time, Proceeding from
[0058]
[Reference pressure detection processing]
When the reference pressure detection processing program in FIG. 8 is started in
[0059]
Thereafter, the process proceeds to step 203, where it is determined whether or not the negative pressure introduction time (elapsed time from the start of negative pressure introduction) into the reference
[0060]
Thereafter, when it is determined at
[0061]
[Evaporation system pressure detection and leak judgment processing]
When the evaporation system pressure detection and leak determination processing program of FIG. 9 is started in
[0062]
Thereafter, the process proceeds to step 303, in which it is determined whether or not the pressure Pf in the evaporation system detected by the
[0063]
On the other hand, if it is determined in
[0064]
Thereafter, when it is determined in
[0065]
[Evaporation return processing]
When the evaporative gas return processing program of FIG. 10 is started in
[0066]
Thereafter, when it is determined in
[0067]
In the present embodiment (1) described above, since the evaporative gas returning process for turning off the
[0068]
[Embodiment (2)]
Next, an embodiment (2) of the present invention will be described with reference to FIGS.
In the embodiment (1), as the evaporative gas return processing, the
[0069]
Further, in the present embodiment (2), the energization of the
[0070]
Here, the duty ratio (ON / OFF ratio) when duty-controlling the energization of the
[0071]
Further, since the gas suction flow rate when the gas in the
[0072]
Thereby, the duty ratio is set according to the pressure in the evaporation system and the space volume in the evaporation system, and the gas suction flow rate when the gas in the
[0073]
The evaporation gas returning process of the present embodiment (2) is executed by the evaporation gas returning process program shown in FIG. When this program is started, it is first determined in 501 whether the leak diagnosis has been completed or whether the leak diagnosis has been stopped halfway, and it has been determined that the leak diagnosis has been completed or has been stopped. In
[0074]
By this evaporation gas return processing, the evaporation gas in the
[0075]
In the present embodiment (2) described above, immediately after the end of the leak diagnosis, or immediately after the cancellation, the evaporative gas return process is performed to control the
[0076]
Further, in the present embodiment (2), the
[0077]
Furthermore, in the present embodiment (2), focusing on the fact that the gas suction flow rate sucked into the evaporation system from the
[0078]
However, a sensor for detecting the gas suction flow rate sucked into the evaporation system is provided, and the duty ratio of the
[0079]
Further, it is not always necessary to duty-control the
[0080]
[Embodiment (3)]
By performing duty control of the
[0081]
Therefore, in the embodiment (3) of the present invention, as shown in FIG. 17, the gas in the
[0082]
[Embodiment (4)]
In the embodiment (4) of the present invention, as shown in FIG. 18, whether or not the pressure in the evaporation system changes by temporarily opening the
[0083]
The evaporative gas returning process is not limited to the evaporative gas returning process in which the
[0084]
[Embodiment (5)]
By the way, if the amount of evaporation gas discharged from the evaporation system into the
[0085]
As a countermeasure against this, in the embodiment (5) of the present invention, as shown in FIG. 19, an evaporation
[0086]
As shown in FIG. 20, the
[0087]
Furthermore, if the
[0088]
[Embodiment (6)]
In the embodiment (6) of the present invention shown in FIG. 21, an adsorbent 45 that adsorbs the evaporation gas is provided on the side of the
[0089]
In this embodiment (6), since the adsorbent 45 is provided in the
[0090]
In addition, the evaporation gas discharged from the
[0091]
In each of the above embodiments (1) to (6), when the leak diagnosis is performed, the
[0092]
In each of the above embodiments (1) to (6), the vane pump is used as the
[0093]
In the above embodiments (1) to (6), the present invention is applied to a system that performs a leak diagnosis while the engine is stopped. However, the present invention may be applied to a system that performs a leak diagnosis while the engine is operating. .
[0094]
In addition, according to the present invention, the configuration of the leak diagnosis system such as the evaporation gas purge system and the
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing a configuration of an evaporation gas purge system in an embodiment (1) of the present invention.
FIG. 2 is a configuration diagram of a leak check module and its surroundings showing a state during a reference pressure detection process
FIG. 3 is a configuration diagram of a leak check module and its surroundings showing a state at the time of evaporation system internal pressure detection processing;
FIG. 4 is a configuration diagram of a leak check module and its surroundings showing a state at the time of an evaporative gas returning process of the embodiment (1)
FIG. 5 is a cross-sectional view of a negative pressure pump
FIG. 6 is a time chart showing an execution example of the embodiment (1).
FIG. 7 is a flowchart showing a flow of processing of a leak diagnosis main control program;
FIG. 8 is a flowchart showing a processing flow of a reference pressure detection processing program.
FIG. 9 is a flowchart showing a processing flow of an evaporation system internal pressure detection and leak determination processing program;
FIG. 10 is a flowchart showing a processing flow of an evaporation gas return processing program according to the embodiment (1).
FIG. 11 is a configuration diagram of a leak check module and its surroundings showing a state at the time of evaporative gas return processing in the embodiment (2)
FIG. 12 is a time chart showing an execution example of the embodiment (2).
FIG. 13 is a graph showing the relationship between the evaporation gas desorption characteristics of a canister and the gas suction flow rate.
FIG. 14 is a diagram conceptually showing a map of a flow control coefficient K1.
FIG. 15 is a diagram conceptually showing a map of a flow rate control coefficient K2.
FIG. 16 is a flowchart showing a processing flow of an evaporation gas return processing program according to the embodiment (2).
FIG. 17 is a configuration diagram of a leak check module and its surroundings showing a state at the time of an evaporative gas returning process of the embodiment (3)
FIG. 18 is a time chart showing an execution example of the embodiment (4).
FIG. 19 is a configuration diagram of a leak check module and its surroundings according to the embodiment (5).
FIG. 20 is a configuration diagram of a leak check module and its periphery showing a modification of the embodiment (5)
FIG. 21 is a configuration diagram of a leak check module according to the embodiment (6) and its surroundings;
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (5)
前記燃料タンク及び前記キャニスタを含むエバポ系内に負圧を導入する負圧導入手段と、該負圧導入手段により前記エバポ系内に負圧を導入して前記エバポ系内の圧力又はそれに相関する情報(以下「エバポ系内圧力情報」という)に基づいて前記エバポ系のリーク診断を行うリーク診断手段とを備えたエバポガスパージシステムのリーク診断装置において、
前記リーク診断手段は、前記リーク診断の終了直後又は中止直後に、前記キャニスタ内に吸着されているエバポガスを内燃機関の吸気系にパージするためのパージ制御弁を一時的に開弁して該パージ制御弁の異常診断を行い、該パージ制御弁の異常診断の終了直後に、該リーク診断中に前記負圧導入手段によって前記エバポ系内から排出通路内に排出されたエバポガスを前記エバポ系内に戻すためのエバポガス戻し処理を行うことを特徴とするエバポガスパージシステムのリーク診断装置。Applied to an evaporative gas purge system that adsorbs evaporative gas generated by evaporation of fuel in a fuel tank into a canister and purges the evaporative gas adsorbed in the canister into an intake system of an internal combustion engine,
A negative pressure introduction means for introducing a negative pressure into an evaporation system including the fuel tank and the canister, and a negative pressure is introduced into the evaporation system by the negative pressure introduction means to correlate with the pressure in the evaporation system. In a leak diagnosis apparatus for an evaporative gas purge system comprising leak diagnosis means for performing leak diagnosis of the evaporative system based on information (hereinafter referred to as “evaporative system pressure information”),
The leak diagnosis means temporarily opens a purge control valve for purging the evaporation gas adsorbed in the canister to the intake system of the internal combustion engine immediately after the end of the leak diagnosis or immediately after the leak diagnosis. An abnormality diagnosis of the control valve is performed, and immediately after completion of the abnormality diagnosis of the purge control valve, the evaporation gas discharged from the evaporation system into the discharge passage by the negative pressure introduction means during the leak diagnosis is entered into the evaporation system. An apparatus for diagnosing a leak in an evaporation gas purge system, which performs an evaporation gas returning process for returning.
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