JP4117779B2 - 感温ペレット型温度ヒュ−ズ - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は筒型外囲器内に感温ペレットを収容しこれにスプリングを作用させて所定温度で回路を遮断または導通状態にする感温ペレット型温度ヒュ−ズ、特に感温ペレットを所定の感温材に補強材および増量材を添加または表面処理することでペレットの成形加工およびペレットの機械的強度を高めて保管性や耐久性を改良する感温ペレット型温度ヒュ−ズに関する。
【0002】
【従来の技術】
温度ヒューズは、機器の異常過熱を正確に検知し、速やかに回路を遮断または導通させる保護部品として、各種家電製品、携帯機器、通信機器、事務機器、車載機器、ACアダプタ、充電器、モータ、電池、その他電子部品に使用されている。従来の温度ヒューズは可溶体である感温材料により大きく2つに分類され、導電性の低融点合金を使用する可溶合金型温度ヒュ−ズと非導電性の感温物質を使用する感温ペレット型温度ヒュ−ズとがあって、いずれも周囲温度の異常上昇時に作動して機器の電流遮断あるいは通電路の導通状態を形成して機器類を保護する、いわゆる非復帰型温度スイッチである。作動する温度は使用する感温材で決められ、通常、60℃から250℃、定格電流が0.5Aから15Aの範囲で機能する保護部品として品揃えされ、初期の常温状態における導通または遮断状態を所定の動作温度で逆転させて遮断または導通状態にする電気的保護手段である。
【0003】
感温ペレット型温度ヒュ−ズは、両端にリ−ドを取付けた外囲器内に所定の溶融温度を有する化学薬品をペレット状に成形加工して配置し、これに圧縮ばねなどの可動導電体を押圧して構成される。たとえば、外囲器がガラス管の場合、管内面の一部分に一対の導電膜を形成し、感温ペレット、通電位置と遮断位置間を移動可能な可動導電体およびこの可動導電体に絶縁体を介在して押圧する圧縮ばねを順次挿入した構造の温度ヒュ−ズがある(特開平10−177833号公報参照)。また、筒型外囲器に金属ケ−スを用いた場合、一方のリードを一方の開口側にかしめ固定し、他方リードを他方の開口側を封止する絶縁ブッシングを介在して固定し、この金属ケ−ス内に感温ペレットを2枚のばね板間に挾み込んで常温時にはこのばね板をケ−ス内壁面に接触させる簡素化構造の温度ヒュ−ズが知られている(特開平5−307925号公報参照)。さらに、一方に導出リ−ドを接続した金属ケ−スにシリコンゴム等の弾性体、感温ペレット、透孔を有する金属片および捩じりを与えたばね可動片とを順次挿入し、他方の開口から封止セラミックを圧入し、このセラミックに他方の導出リ−ドを貫通して封止配置した温度ヒュ−ズも知られている(特開平9−282992号公報参照)。特に、スプリング部材として強圧縮ばねと弱圧縮ばねとを使用して可動接点体に押圧力を作用させて感温ペレットの動作温度時に可動接点体の移動を確実にする温度ヒュ−ズも知られている(特開平5−135649号、特開平11−111135号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述の感温ペレット型温度ヒュ−ズは、感温材に比較的純粋な化学薬品又は熱可塑性樹脂が使用されており、この物質を造粒し着色用色粉とバインダを添加して所定形状に成形加工してペレットにするが、ペレット加工後に軟化、昇華、潮解性など環境条件の影響を受けて変形することがある。特に、ペレットの機械的強度の弱みは製造過程の各工程管理や製品後の保管条件などの影響をうけて変形するなど多くの観点で問題点があった。たとえば、ペレット成形加工では材質自体に潮解性があるものでは外気に触れることで変形したり昇華したりするので外気遮断のための完全なシ−ル管理が要求され、成形加工品では硬度などの機械的強度が弱く温度ヒュ−ズの組み立て時のスプリング圧により変形して不具合となることがある。さらには、製品後の温度ヒュ−ズに対して、高温高湿の保管条件ではペレットの昇華、潮解に加えてペレット形状に変形を生じたり縮小したりして本来の機能発揮や製品寿命に悪い影響を与えることがあった。特に、化学薬品を使用する従来の感温ペレットでは高温下での軟化変形が顕著で徐々に縮小化して接点が解離する不具合を招く。それゆえ、使用環境や経時的変化の影響を受け難くて、周囲の厳しい保管雰囲気に曝され高温高湿や有害ガスを浴びる環境下においても感温ペレット自体に欠陥を生じさせない感温ペレットの提案が望まれていた。
【0005】
したがって、本発明の目的は上記欠点を解消するために提案されたものであり、感温ペレットの物理化学的特性に着目して機械的強度を向上するために補強材または増量材としてシランカップリング材または無機物フィラのガラスもしくは炭素繊維、アルミナ、シリカなどの絶縁性無機物質を添加し付与する新規かつ改良された感温ペレット型温度ヒュ−ズを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、感温ペレットは所定温度で溶融する感温物質に加えて機械的強度を高めるシランカップリング材や無機物フィラが補強材または増量材として添加や表面処理により付与される。無機物の選定にあたっては物理化学的性質が配慮され、成形加工や製造工程での取り扱いの容易さと成形後の変質や変形等に対処できる特性を有する材料を選択する。その結果、物理化学的特性は改善され安定な動作特性を有する感温ペレット型温度ヒュ−ズが提供される。具体的には、所定の温度で溶融する化学薬品あるいは熱可塑性樹脂の感温材に対して、シランカップリング材が略0.2〜2容量%、あるいは無機物フィラが略5〜25容量%の範囲内で添加されたり、あるいは、補強材シランカップリング材をスプレーなどで感温材や無機フィラを表面処理して付与して感温ペレットを成形加工する。このようにして成形された感温ペレットは、これを収容する筒型外囲器と、外囲器の一端開口側に取付けた第1電極を形成する第1リ−ド部材と、外囲器の他端開口側に取付けた第2電極を形成する第2リ−ド部材と、外囲器に収容され感温ペレットに係留する可動導電部材と、外囲器に収容され可動導電部材に押圧作用するスプリング部材とを具備する感温ペレット型温度ヒューズとして、感温ペレットの溶融時に第1および第2電極間を遮断または導通状態に切換える。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の感温ペレット型温度ヒュ−ズは、所定の動作温度で溶融する感温物質の感温材に結合材のバインダと着色材の色粉を添加して造粒および識別化を容易にする感温ペレットに成形加工するが、その際に補強材あるいは増量材としてシランカップリング材あるいは無機物フィラが添加あるいは表面処理により付与される。このようにして成形された感温ペレットは、通常の方法で筒状金属ケースに収容される。そして、感温ペレットと、この感温ペレットを収容する筒状金属ケ−スと、この金属ケ−スの一端開口側にかしめ固定して取付けられてケ−ス内壁面を第1電極とする第1リ−ド部材と、この金属ケ−スの他端開口側に装着した絶縁ブッシングと、この絶縁ブッシングを貫通配置してその先端部を第2電極とする第2リ−ド部材と、この金属ケ−スに収容されその内周壁と電気的に接続する可動接点体と、この金属ケ−スに収容され可動接点体に押圧作用をおよぼす圧縮ばね部材とを具備し、感温ペレットの溶融時に第1および第2電極間を遮断または導通状態に切換える。好ましくは、圧縮ばね部材が強圧縮ばねと弱圧縮ばねからなり、強圧縮ばねが弱圧縮ばねの弾性力に抗して可動接点体を第2電極に押圧接触させる。特に、強圧縮ばねはその両端に押圧板を介して感温ペレットおよび可動接点体の間に配置し、組立の容易化と共にばね動作の安定化が図られ、感温ペレットの溶融時に弱圧縮ばねの押圧力により可動接点体を移動させて回路遮断する常時ON−異常時OFFの温度ヒュ−ズとする。一方、強圧縮ばねを感温ペレットと一体化して圧縮状態で配置すれば、感温ペレットの溶融時に弱圧縮ばねの押圧力に抗して可動接点体を移動させ回路導通する常時ON−異常時OFFの機能を奏する感温ペレット型温度ヒュ−ズが提供される。
【0008】
前述する補強材のシランカップリング材は1分子中に有機官能基と加水分解基とを有し、これによって無機物質と有機物質を結びつけることができ、感温ペレットの物理的強度や耐水性、接着性の向上を図ることができる。また、化学薬品や熱可塑性樹脂の感温材や無機物フィラに対する表面処理により無機質の疎水化や分散性の向上が図れたり、有機樹脂等の表面改質が達成される。一方、増量材の無機フィラは、好ましくはガラス繊維や炭素繊維のほか、シリカ、アルミナ、フリット、珪酸塩、カルシュウム塩から選択される一種または2種以上の充填物からなり、感温材に対して略5〜25容量%の範囲内で添加され、それにより絶縁抵抗値や耐電圧値を高めたり、機械的特性としての成形加工や強度を高めてペレットの変形抑止機能を奏する。したがって、特に化学薬品の感温ペレットで発生し易い変形や変質が抑止され機械的強度が高められて安定な動作特性の感温ペレット型温度ヒュ−ズが得られる。同様に無機フィラに対してシランカップリング材を添加したり、表面処理することで疎水性や分散性の更なる向上が図られる。ここで、珪酸塩としてのゼオライト、カルシウム塩としてのりん酸カルシウムや炭酸カルシウムも無機フィラとして用いられ、その添加量はフィラ充填物の機械的強度を高める効果が期待される条件は無機フィラが約5容量%以上であり、感温材の溶融による有効体積減少を確保するに必要な量として約25容量%以内にする。具体的に温度ヒューズは、筒状外囲器は金属ケ−スからなり、第1リード部材をその一端開口側にかしめ固定して取付けられてケ−ス内壁面を第1電極として形成し、第2リード部材をこの金属ケ−スの他端開口側に装着した絶縁ブッシングを貫通させて装着しその先端部を第2電極として形成し、第1電極と第2電極間に長手方向に延びる2枚の舌片状弾性平板を配置し、拡開状態の2枚の舌片平板間に感温ペレットを挾み込んで平板先端の裏面をケ−ス内壁面に接触させる感温ペレット型温度ヒュ−ズであり、他の実施態様には、筒状絶縁管に感温ペレットを収容して、第1および第2リ−ド部材をこの絶縁管の開口側にそれぞれ固定すると共にこれらのリ−ド部材と電気的に接続された第1および第2電極をそれぞれケ−ス内壁面の一部に形成し、これら第1電極と第2電極の通電位置から遮断位置に移動可能な導電体を絶縁管に収容し、これを絶縁管の一端側に配置されたスプリングにより絶縁体を介して導電体を感温ペレットに押圧する感温ペレット型温度ヒュ−ズがある。
【0009】
【実施例1】
図1および図2は本発明に係る実施例の感温ペレット型温度ヒュ−ズでそれぞれ常温の平常時と異常加熱した動作時の温度ヒュ−ズの部分断面図を示す。この感温ペレット型温度ヒュ−ズは、銅、黄銅などの良導体で熱伝導性良好な円筒状金属ケ−ス1と、その一方の開口側にかしめ固定した第1リード部材2と、この金属ケ−ス1内に収容された感温ペレット3、一対の押圧板4、5、強圧縮ばね6良導電性で適度の弾性を有する銀合金の可動接点体7および弱圧縮ばね8を含むスイッチ機能部品と、金属ケ−ス1の他方の開口に挿入された絶縁ブッシング9と、この絶縁ブッシング9を貫通して金属ケ−ス1から絶縁配置された第2リ−ド部材10とを具備して構成される。さらに、第2リード部材10の内方先端11は図1の常温時状態Aでは可動接点体7と接触し、図2の以上温度上昇状態Bでは離隔している固定接点である。また、12は金属ケース1の開口と絶縁ブッシング9と第2リード部材10とを封止する封止樹脂である。そして、13は封止樹脂12を金属ケース1の開口に十分に盛上げて封止させるための絶縁碍管である。本発明の特徴とする感温ペレット3は化学薬品または熱可塑性樹脂からなる感温材の造粒化物質に少量のバインダと色粉が添加されるほかにシランカップリング材が添加または表面処理で付与される。添加量としては0.2〜2容量%の範囲内である。あるいは、無機物フィラが5〜25容量%の範囲内、好ましくは10〜20容量%で添加され、必要に応じてこれにシランカップリング材が添加または表面処理で付与される。無機物フィラには好ましくはガラスまたは炭素繊維であり、略5〜25容量%の範囲内で添加する。実施例ではガラス繊維を用いた。また、感温材としては熱可塑性樹脂のポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリエチレンテレフタレ−ト(PET)、ポリアミド(PA)、ポリアセタ−ル(POM),ポリカ−ボネ−ト(PC)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリテトラフロロエチレン(PTFE)等が所望する融点の材料を選択する。シランカップリング材の付与は補強材としても特に優れており、無機物フィラの添加は感温ペレットの機械的強度や電気的絶縁性に関する物理的特性の改善に役立つ。そして、これらの添加や表面処理による付与は、化学薬品又は熱可塑性樹脂を感温材に使用する感温ペレットで生じやすい高温高湿下での軟化変形や水分による潮解、あるいは昇華等によるペレットの体積減少による問題を確実に解消でき、経時変化によるペレット変形とそれに伴うスイッチ機能の不具合を解消できる。
【0010】
【実施例2】
本発明の実施例はけい素原子Siにひとつの有機官能基と2〜3の無機質と反応する官能基を有するシランカップリング材を感温材または増量材に対して略0.2〜2容量%の範囲内で混合添加したり表面処理したりして付与することを特徴とする。このシランカップリング材は一般にX〜Si(OR)の化学式で表わせる化合物で分子中に2個以上の異なった反応基を持っており、このうちのXはアミノ基、ビニル基、エポキシ基などといった有機質と反応する基、もう一方のORはメトキシ基、エトキシ基といった加水分解可能な基のため、通常では結びつきにくい有機質材料と無機質材料とのバインダとして機能するものでこの結合特性を利用している。シランカップリング材を一般式で示すとYRSiXである。ここで、X:けい素原子に結合している加水分解性基で−OR、−Cl、−NRなど
Y:有機マトリックスと反応する有機官能基でCH=C(CH)COO−、NHCHCHNH−、HS―、CL−などである。具体的化学物質とその構造では、アミノシラン(特殊アミノシラン配合物)、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン{CH2=C(CH3)COO(CH23 Si(OCH33}、ビニルトリアセトキシシラン{CH2=CHSi(OCOCH33}等がある。
【0011】
感温材にシランカップリング材を1%と無機物フィラを10%添加して成形加工した感温ペレットを用いて特開平5−307925号公報に開示の簡素化タイプの感温ペレット型温度ヒュ−ズにも適用できる。この場合に所定の動作温度で溶融する熱可塑性樹脂を感温材として用い、前述する実施例と同様にシランカップリング材とガラス繊維の無機物フィラを所定範囲内で添加して感温ペレットを成形加工する。感温ペレット型温度ヒューズは前述のペレットを収容する筒状金属ケ−スと、この金属ケ−スの一端開口側にかしめ固定して取付けられてケ−ス内壁面を第1電極とする第1リ−ド部材と、この金属ケ−スの他端開口側に挿入して装着固定した絶縁ブッシングと、この絶縁ブッシングを貫通し先端部を第2電極とする第2リ−ド部材とを具備し、さらに可動導電体部材とスプリング部材の両機能を奏するように感温ペレットを挾み込む2枚の平板ばねを具備し、このばねを金属ケ−スの内壁面の第1電極と第2リ−ド部材の先端部の第2電極との間に配置する。すなわち、導電性および弾性を有する長手方向に延びた2枚の舌片からなる平板ばねは、一端を固定して第2リ−ド部材の第2電極と電気機械的に結合し、他端を2枚の舌片が開脚自在にした平板ばねであり、この舌片状平板の間に開脚側から感温ペレットを挾み込むことで押圧を作用させて感温ペレットを保持し、同時に舌片状平板の裏面を金属ケ−ス内壁面の第1電極に接触させる。したがって、常温の平常時は平板ばねを介して導電状態が維持されるが、周囲温度が特定の温度以上に上昇すると感温ペレットが溶融し平板ばねが圧縮力で縮まってケ−ス内壁面との接触が断たれ、第1および第2リ−ド部材間の電気回路を遮断する。この実施例は構成部品を少なくした簡素化構造の温度ヒューズにおいて、感温ペレットがシランカップリング材とフィラ充填物で機械的強度性を高めるので実用的効果を発揮できる。
【0012】
【実施例3】
別の実施例の変形として、本発明の特徴であるシランカップリング材を感温材や無機物フィラに表面処理して付与して感温ペレットを成形加工する。表面処理方法には乾式法や湿式法によりカップリング材を付着させることもできるが、スプレー方式の場合、有機溶剤や水で希釈したシランカップリング材の溶液や懸濁液を用いてスプレーして付与する。このような処理を経て感温ペレットを成形加工して感温ペレットとする。この感温ペレットを、例えば筒状絶縁管に収容し、第1および第2リ−ド部材をこの絶縁管の開口側にそれぞれ固定すると共に第1および第2電極をそれぞれケ−ス内壁面の一部分に形成し、これら第1電極と第2電極の通電位置から遮断位置に移動可能な球状の導電体を絶縁管に収容し、この球状導電体は球状絶縁体を介在して感温ペレット側に押圧するスプリングを具備して構成する。スプリングは絶縁管の一端側に配置されており、球状絶縁体を介して球状導電体を感温ペレットに押圧する。平常時に導電体は内壁面の第1および第2電極と接触状態にあって回路の導通状態を維持する位置にある。そして、感温ペレットが温度上昇で所定の温度を越えると溶融し、それによって導電体がスプリングの押圧で非導通位置に移動し回路遮断となる。この実施例も構造が簡素化され、機械的強度的に有利な無機物フィラを添加した感温ペレットの使用が有効に利用される。
【0013】
【発明の効果】
この発明によれば、感温材にシランカップリング材あるいは無機物フィラが添加あるいは表面処理されるのでペレットの成形加工が容易になり、ペレット自体の機械的強度が十分に高められ、かつペレットの経時変化に伴なう 機械的強度劣化や化学的構造の変質等による動作機能の不具合を解消する。感温材にシランカップリング材や無機物フィラの添加、あるいは感温材やフィラに対するシランカップリング材の表面処理は感温ペレットの成形加工をより容易にすると共に感温ペレットの保管条件に拘わらず変形や変質を抑止し、それにより長寿命化と動作安定化の実現が期待できる。特に、ペレット強度の向上は、ばねによる変形を抑えるのに有効であり、また早切れ対策となると共に感温ペレット型温度ヒュ−ズの構成簡素化にも役立ち、ロ−コスト製品の提供を可能にする。また、温度ヒュ−ズの保管並びに経時変化において、高湿度や有害ガスの雰囲気中に置かれても長期にわたり安定化が図られ、腐食や絶縁度の劣化を防ぎ保管中はもとより使用中でも電気的特性を含めた性能低下を防止し、経年変化も抑止され常に所定の動作温度で正確に作動する安定性と信頼性の向上に役立つなどの実用的効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明ので常温時の感温ペレット型温度ヒューズの縦断面図
【図2】 図1の実施例において動作後の感温ペレット型温度ヒューズの縦断面図
【符号の説明】
1 金属ケ−ス(外囲器)
2 第1リード部材(第1電極)
3 感温ペレット
4、5 押圧板
6 強圧縮ばね(スプリング部材)
7 可動接点体(可動導電部材)
8 弱圧縮ばね(スプリング部材)
9 絶縁ブッシング
10 第2リ−ド部材
11 内方先端(第2電極)

Claims (3)

  1. 所定の温度で溶融する感温材を成形加工した感温ペレットと、これを収容する両端側にリード部材を設けた筒型外囲器と、この外囲器内で前記感温ペレットに係留する可動導電部材と、この可動導電部材に押圧作用させるスプリング部材とを具備する感温ペレット型温度ヒュ−ズにおいて、前記感温ペレットはその感温材にシランカップリング材を付与したことを特徴とする感温ペレット型温度ヒューズ。
  2. 前記シランカップリング材はけい素原子Siにひとつの有機官能基と2〜3の無機質と反応する官能基を有し、前記感温材に対して略0.2〜2容量%の範囲内で添加したことを特徴とする請求項1に記載の感温ペレット型温度ヒューズ
  3. 前記シランカップリング材はけい素原子Siにひとつの有機官能基と2〜3の無機質と反応する官能基を有し、前記感温ペレットの表面処理により付与したことを特徴とする請求項2に記載の感温ペレット型温度ヒューズ。
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