JP2004119255A - 温度ヒューズ - Google Patents

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Abstract

【課題】感温ペレット型温度ヒューズに用いられる、化学物質粉末を造粒しペレットに成型加工して得られる化学物質粉末ペレットの保管条件等による、昇華・軟化変形に起因する感温ペレット型温度ヒューズの動作温度以下での誤動作を防止する。
【解決手段】感温ペレット型温度ヒューズの感温ペレットとして、溶融温度が近似している化学物質粉末からなるペレットと熱可塑性樹脂からなるペレットとから構成された感温ペレットを用いて、重ねて温度ヒューズのケースに収容して組み込むことを特徴とした感温ペレット型温度ヒューズを提供する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は過昇温による機器の破損を防止するために使用される温度ヒューズに関し、特に感温材に特定の融点を持つ絶縁性の感温ペレットを使用する感温ペレット型温度ヒューズに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子、電気機器を過熱損傷から保護する保護素子として、特定温度で作動して回路を遮断する温度ヒューズが用いられている。この種の温度ヒューズには感温材として特定温度で溶融する低融点合金を用いたものと絶縁性の化学物質よりなる感温ペレットを用いたものとがある。
【0003】
特に後者の感温ペレット型温度ヒューズの代表的なものは図2に示す構造を有する。図2は従来の感温ペレット型温度ヒューズの縦断面図であり、図3はその感温ペレット型温度ヒューズの動作後の状態を示す縦断面図である。
以下の図を用いた説明において、各図の同じ箇所の同じ部品には、同符号を付して図示している。
図2において、良導電性および良熱伝導性の金属を用いた円筒型金属ケース1の一端にリード線2がかしめ固定されている。金属ケース1内に特定温度で溶融する絶縁性の化学物質よりなる円柱状の感温ペレット24、次いで強圧縮スプリング7の弾性力を感温ペレット4に平均して押圧するための円板5、次いで円板5、6の間に圧縮状態で介在する閉回路用の強圧縮スプリング7、強圧縮スプリング7の弾性力を可動電極8に平均して押圧するための前記円板5と同一の円板6、良導電性の金属よりなりその周縁部に金属ケース1の内面に押圧接触している複数個の舌片を有する可動電極8が収容されている。また、金属ケース1の他端開口部を絶縁性セラミックス等からなる絶縁碍管10により閉塞し、大径部の内方端は金属ケース1に形成された段部に係合されており、かつ金属ケース1の開口端の絶縁碍管10よりも張り出す部分は中心軸に向かって屈曲されており、絶縁碍管10が金属ケース1の内方および外方に移動するのを防止している。リード線3が絶縁碍管10の中心孔を貫通しており、リード線3の内方向端が前記可動電極8と接触する接点となり、かつその接点近傍および絶縁碍管10の外側に隣接する部分に膨大部をそれぞれ設けて、リード線3が絶縁碍管10の内方および外方に移動するのを防止している。弱圧縮スプリング9が可動電極8と絶縁碍管10との間に配置され、定常状態において前記強圧縮スプリング7により圧縮された状態にある。また、絶縁碍管10の外方向を封止樹脂11により封止する。
【0004】
上記の構成における感温ペレット型温度ヒューズを電子、電気機器に直列に接続し、かつ電子、電気機器の異常温度上昇を検知したい箇所に配置することによって感温ペレット型温度ヒューズを介して電子、電気機器に通電することができる。常温時は感温ペレット4が固体であり、強圧縮スプリング7は弱圧縮スプリング9の弾性力に抗して可動電極8をリード線3の内方向端に強く押圧接触させている。したがって、リード線2―金属ケース1―可動電極8―リード線3が導通状態に保持されている。しかし、電子、電気機器の短絡等に起因する異常発生によって、異常温度上昇を検知したい箇所の温度が感温ペレット型温度ヒューズの動作温度にまで上昇すると、感温ペレット4が溶融し、従って強圧縮スプリング7が伸張してその弾性力が減少する結果、弱圧縮スプリング9が伸張するので可動電極8がリード線3の内方向端から離隔してリード線2、3間が非導通状態となる。このことによって、電子、電気機器への通電が停止されて電子、電気機器のそれ以上の温度上昇が阻止され、電子、電気機器の過熱損傷あるいはそれに起因する火災発生が未然に阻止される。
【0005】
このように感温ペレットを用いる温度ヒューズは、感温ペレットを構成する感温材として通常は比較的純粋な単一の化学物質粉末が使用されており、この化学物質粉末を造粒し所定の形状に成形加工して感温ペレットとする。この感温ペレットを構成する感温材の化学物質粉末の材質は、個々の特性に差が有り、相対的に昇華性の大きいものや軟化変形を起こしやすいものがある。このため、実際に保管または使用される条件によっては、感温ペレットの昇華、軟化圧縮、軟化変形により動作する温度よりも低い温度で接点が離隔し、温度ヒューズが誤動作することが考えられる。すなわち、温度ヒューズが保管または使用される周囲温度が温度ヒューズ動作温度付近で継続して変化するような場合、その都度昇華が行われて、感温ペレットの寸法が徐々に減少し、ついには接点が離隔するまでに減少し、その結果温度ヒューズが動作温度以下の温度で誤動作することが考えられる。
【0006】
上記した温度ヒューズの動作温度より低い温度で誤動作することに対して、実開昭57−94142には、金属ケースに圧縮スプリングの感温ペレット側に介在された円板の前面周辺部に密着する筒体を挿入する方法が、また実開昭57−103647には、金属ケースに弾性リングを挟んだ2枚の押圧板を感温ペレットと強圧縮スプリング間に挿入する方法が開示されている。いずれも感温ペレットが露出する金属ケース内部の空間を小さくして感温ペレットの昇華を減少させる方法であるが、いずれも部品点数と組立工数が増加し、また構造が複雑になるという問題があった。
【0007】
また、このような問題点に関して、本出願人は、所定の温度で溶融する熱可塑性樹脂を感温ペレットとして用い、化学物質粉末を使用した感温ペレットの問題点である昇華、軟化変形を抑制した感温ペレット型温度ヒューズについての出願を行っている。(出願番号:特願2002―121714)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、感温ペレットに化学物質粉末を用いた感温ペレットには、温度ヒューズの保管条件や環境条件によっては、感温ペレットの昇華・軟化変形を起こし接点が動作温度以下で離隔し誤動作するという問題があり、また、感温ペレットに熱可塑性樹脂を用いた感温ペレット型温度ヒューズは、感温ペレットの融点での感温ペレット型温度ヒューズの動作性が、化学物質粉末を用いた感温ペレットと比較してやや緩慢となる傾向がある。
【0009】
したがって、本発明の目的は、感温ペレット型温度ヒューズにおいて、感温ペレットの昇華・軟化変形に起因する接点の離隔による動作温度以下での誤動作を防ぎ、温度ヒューズの保管温度条件に影響を受けず、また、温度ヒューズの動作性の良い感温ペレット型温度ヒューズの提供にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による感温ペレット型温度ヒューズは、感温ペレットを材料の異なる2種の感温ペレットを用いて構成したことを特徴とする。このように構成することで、温度ヒューズの部品数を増やしたり、構造を複雑にしたりすることなく、感温ペレットの昇華・軟化変形を抑制することができるものである。また、本発明による感温ペレット型温度ヒューズは、感温ペレットが化学物質粉末からなる感温ペレットと昇華・軟化変形をほとんどしない熱可塑性樹脂からなる感温ペレットとを用いることを特徴とする。このように構成することで、化学物質粉末ペレットの昇華・軟化変形を抑制し感温ペレット型温度ヒューズの動作温度以下での誤動作を防止でき、熱可塑性樹脂ペレットの溶融温度における動作性を補えるものである。さらに、本発明による感温ペレット型温度ヒューズは、2種の感温ペレットを重ねてケースに組み込むことを特徴とする。このように構成することで、構造を複雑にすることなく、従来と同様の様態で感温ペレットを用いて、感温ペレットの昇華・軟化変形を抑制することができるものである。次いで、本発明による感温ペレット型温度ヒューズは、前記化学物質粉末ペレットと前記熱可塑性樹脂ペレットの溶融温度差を0〜5℃以内の範囲とすることを特徴とする。このように、化学物質粉末ペレットと熱可塑性樹脂ペレットの溶融温度差を設定することで、2種の感温ペレットを用いる場合において、温度ヒューズの目的とする動作温度で確実に動作させることができるものである。さらにまた、本発明による感温ペレット型温度ヒューズは、感温ペレットを構成する2種の感温ペレットのいずれか一方が設計動作寸法以上の構成体積を有することを特徴とする。このように各感温ペレットの構成体積を設定することで、温度ヒューズの感温ペレットの昇華・軟化変形が進んだ場合においても、動作温度以下での誤動作を防ぐことができるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明による感温ペレット型温度ヒューズは、良導電性と良熱伝導性を有する金属ケースと、この金属ケースの一端に接続されたリード部材と、金属ケース内部の前記リード部材を接続した側から感温ペレット、強圧縮スプリング、スプリングの押圧を感温ペレットと可動電極に平均して伝えるために前記強圧縮スプリングを狭持する押圧板と、金属ケース内周壁と電気的に接続する可動電極と、この可動電極を押圧する強圧縮スプリングとを収容し、この金属ケースの他端開口部を閉塞した絶縁碍管とこの絶縁碍管の中心を貫通配置しその先端部が前記可動電極と電気的に接触するリード部材と、この絶縁碍管と可動電極との間に配置された弱圧縮スプリングと、この絶縁碍管が閉塞した金属ケース開口部を封止する封止樹脂からなる。
【0012】
前記感温ペレットは、温度ヒューズの感温ペレットとして、2種類の異なる材料からなる感温ペレットを用いて構成される。すなわち、化学物質粉末からなる感温ペレットと熱可塑性樹脂からなる感温ペレットとから構成され、金属ケースに重ねて組み込まれる。このように構成することで、化学物質粉末ペレットと熱可塑性樹脂ペレットの各々の短所である、化学物質粉末ペレットの昇華・軟化変形に起因する動作温度以下での誤動作を熱可塑性樹脂ペレットを同時に用いることで温度ヒューズの構造を複雑にすることなく防止し、そして、熱可塑性樹脂ペレットの温度ヒューズ動作時の溶融速度における動作性を化学物質粉末ペレットを同時に用いることで補うものである。
【0013】
これらの化学物質粉末ペレットと熱可塑性樹脂ペレットとは、溶融温度の差が0℃〜5℃の範囲にあるものを選択して用いる。また、化学物質粉末ペレットと熱可塑性樹脂ペレットとの構成体積比率は、いずれか一方が感温ペレットの設計動作寸法以上の体積を有し、他方が感温ペレットの残部をなすように構成する。ここで設計動作寸法とは、温度ヒューズの感温ペレットが、所定の温度で溶融して圧縮スプリングが伸張し、接点が離隔するように設計した感温ペレットの体積減少分をいう。
【0014】
このように、化学物質粉末ペレットと熱可塑性樹脂ペレットの溶融温度の差を5℃以内に設定することで、本発明のように2種の感温ペレットを用いる場合、温度ヒューズの目的とする温度での動作において、一方のペレットが溶融不充分等で温度ヒューズの動作するに至らない場合に、他方のペレットの溶融により温度ヒューズを動作させて、確実に目的とする温度で温度ヒューズを動作させるものである。
【0015】
そして、感温ペレットを構成する各ペレットの構成体積比率を設定することで、化学物質粉末ペレットの構成体積が小さくなり、温度ヒューズケース内空間に露出する表面積も小さくなるので、相対的に化学物質粉末ペレットの昇華量が減少するものであり、また、化学物質粉末ペレットが動作温度以下の温度で、昇華・軟化変形が進行した場合において、熱可塑性樹脂ペレットの構成体積のため、温度ヒューズの接点が離隔する程度まで感温ペレットの体積減少に至らないものである。
【0016】
以上のように構成した感温ペレット型温度ヒューズにおいて、温度ヒューズの動作温度を化学物質粉末ペレットの溶融温度に設定した場合、熱可塑性樹脂ペレットの溶融温度が化学物質粉末ペレットより0 ̄5℃高いものを選択して用いる。このようにして感温ペレットを用いることで、化学物質粉末ペレットの昇華・軟化変形を抑制することができ、また、昇華・軟化変形が進行した場合でも、熱可塑性樹脂ペレットの体積分により温度ヒューズの誤動作を防止することができる。
【0017】
また、温度ヒューズの動作温度を、熱可塑性樹脂ペレットの溶融温度に設定した場合には、化学物質粉末ペレットの溶融温度が、熱可塑性樹脂ペレットより0 ̄5℃高いものを選択して用いる。このようにして、感温ペレットを用いることで、温度ヒューズ動作温度での熱可塑性樹脂ペレットの溶融が、化学物質粉末ペレットの溶融速度と比してやや緩慢となる場合でも、化学物質粉末ペレットを同時に用いることで、化学物質粉末ペレットの動作温度における溶融により、確実に温度ヒューズを動作させるものである。
【0018】
【実施例】
以下に本発明による実施例について図を参照して説明する。図1は、本発明による感温ペレット型温度ヒューズの実施例を示す縦断面図である。本実施例による感温ペレット型温度ヒューズAは、銅、黄銅等からなる良導電性および良熱伝導性の円筒型金属ケース1と、この円筒型金属ケース1の一端にかしめ固定された銅等からなるリード線2と、この円筒型金属ケース1内にリード線2が接続された側から、熱可塑性樹脂を成形して得られる円柱状の熱可塑性樹脂ペレット4bと化学物質粉末を造粒し粉末プレス成形して得られる円柱状の化学物質粉末ペレット4aとを重ねて組み込み、強圧縮スプリング7を狭持した押圧板5、6、強圧縮スプリング7、良導電性で適度の弾力性を有する銀合金の可動電極8を収容し、円筒型金属ケース1の他端開口部を、内方向端で可動電極7と押圧接続する銅等からなるリード線3が中心孔を貫通し、弱圧縮スプリング9を可動電極との間に介在させた絶縁碍管10で封止し、この開口端外部を封止樹脂11で封止したものである。このとき感温ペレット型温度ヒューズの設計動作寸法を、感温ペレットの体積が40vol%減少したとき温度ヒューズが動作するように設計してある。
【0019】
上記の構造の感温ペレット型温度ヒューズにおいて、化学物質粉末ペレット4aは、動作温度が216℃で、構成体積比率は感温ペレット全体の50vol%であり、熱可塑性樹脂ペレット4bは動作温度が220℃で、構成体積比率は残部である50vol%を構成する。このように感温ペレットを構成することによって、感温ペレット4aの構成体積比率と金属ケース1の内部空間に対する露出表面積とが減少し、化学物質粉末ペレット100vol%の場合と比較して、相対的に感温ペレットとしての昇華量が減少すると共に、化学物質粉末ペレット4aの構成体積比率が減少することによって、相対的に感温ペレットとしての軟化変形量が減少する。なおかつ、化学物質粉末ペレット4aが昇華・軟化変形が進行したとしても、昇華・軟化変形がほとんど発生しなく、かつ設計動作寸法以上の構成体積を有する熱可塑性樹脂ペレット4bで感温ペレットの残部を構成させているため、接点が離隔する程度まで感温ペレットが減少することを防止し、温度ヒューズの動作温度以下で、誤動作することを防止することができる。
【0020】
また、化学物質粉末ペレット4aと熱可塑性樹脂ペレット4bとの溶融温度の差が0〜5℃以内のため、2種類の感温ペレットを重ねて一つの感温ペレットとして用いる場合に、例えば、化学物質粉末ペレット4aが、温度ヒューズの目的とする動作温度で動作不良を起こした場合、熱可塑性樹脂ペレット4bの動作温度での溶融により、温度ヒューズを確実に動作させることができる。
【0021】
このとき、用いる熱可塑性樹脂の特性によっては、所望する特性への改善のためフィラー等の添加材を用いても良い。例えば、ガラス繊維等の無機フィラーを添加することによって、熱可塑性樹脂ペレットの機械強度や絶縁性を向上させることができる。
【0022】
選択できる熱可塑性樹脂として、感温ペレット型温度ヒューズの所定の動作温度で溶融する溶融温度を有する汎用のプラスチックやエンジニアリングプラスチック等の熱可塑性樹脂がある。例えば、汎用プラスチックの熱可塑性樹脂として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート等を使用できる。エンジニアリングプラスチックとしては、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリテトラフロロエチレン等を使用することができ、また、これらの熱可塑性樹脂を組み合わせて一つの熱可塑性樹脂ペレットとしても良い。これらの熱可塑性樹脂は、化学物質粉末に比較して、ペレット形状への加工が容易であり、量産性に富むものである。
【0023】
【発明の効果】
本発明による感温ペレット型温度ヒューズは、感温ペレットに2種類の異なる材料からなる感温ペレット、すなわち化学物質粉末からなる感温ペレットと熱可塑性樹脂からなる感温ペレットを重ねて組み込むことにより、構造を複雑にすることなく、化学物質粉末ペレットの昇華・軟化変形を抑制し、感温ペレット型温度ヒューズの動作温度以下で接点が離隔して動作する誤動作を防ぐことができ、また、熱可塑性樹脂ペレットの動作温度での動作性を補うことができる。また、本発明による感温ペレット型温度ヒューズは、化学物質粉末ペレットと熱可塑性樹脂ペレットとの溶融温度差が0〜5℃以内のため、2種類の感温ペレットを重ねて組み込み用いる場合において、一方の感温ペレットが溶融不充分等により動作不良を起こしても、他方の感温ペレットの溶融により感温ペレット型温度ヒューズの動作を確実に行わせるものである。さらにまた、本発明による感温ペレット型温度ヒューズは、用いる2種の感温ペレットのいずれか一方が設計動作寸法以上の体積を有することを特徴とするため、化学物質粉末ペレットの昇華・軟化変形が進んだ場合においても、感温ペレット型温度ヒューズの動作温度以下での誤動作を防止するものである。また、本発明による感温ペレット型温度ヒューズは、感温ペレットの一方にペレット形状に加工成形が容易な熱可塑性樹脂を用いているため、ペレットの量産性に富むものである。そして、本発明による感温ペレット型温度ヒューズは、熱可塑性樹脂にフィラーや添加剤を加えて用いることができるため、熱可塑性樹脂ペレットの機械強度等の特性を、用いる熱可塑性樹脂の特性に合わせて向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施例の感温ペレット型温度ヒューズを示す縦断面図。
【図2】従来の感温ペレット型温度ヒューズの動作前の状態を示す縦断面図。
【図3】従来の感温ペレット型温度ヒューズの動作後の状態を示す縦断面図。
【符号の説明】
1 金属ケース
2、3 リード
4a、4b、24 感温ペレット
5、6 押圧板
7 強圧縮スプリング
8 可動電極
9 弱圧縮スプリング
10 絶縁碍管
11 封止樹脂
A 本発明の実施例による感温ペレット型温度ヒューズ
B 従来の感温ペレット型温度ヒューズ

Claims (5)

  1. 感温ペレットが動作温度で溶融して圧縮スプリングを除荷し、圧縮スプリングが伸張することにより、圧縮スプリングにより圧接されていた可動電極とリード部材とが離隔して電流を遮断する温度ヒューズにおいて、前記感温ペレットがそれぞれ異なる材料からなる2種類の感温ペレットで構成されることを特徴とする温度ヒューズ。
  2. 感温ペレットが動作温度で溶融して圧縮スプリングを除荷し、圧縮スプリングが伸張することにより、圧縮スプリングにより圧接されていた可動電極とリード部材とが離隔して電流を遮断する温度ヒューズにおいて、前記感温ペレットが化学物質粉末を用いた感温ペレットと熱可塑性樹脂を用いた感温ペレットとから構成されることを特徴とする温度ヒューズ。
  3. 感温ペレットが動作温度で溶融して圧縮スプリングを除荷し、圧縮スプリングが伸張することにより、圧縮スプリングにより圧接されていた可動電極とリード部材とが離隔して電流を遮断する温度ヒューズにおいて、化学物質粉末を用いた感温ペレットと熱可塑性樹脂を用いた感温ペレットを重ねて容器に収容することを特徴とする温度ヒューズ。
  4. 感温ペレットが動作温度で溶融して圧縮スプリングを除荷し、圧縮スプリングが伸張することにより、圧縮スプリングにより圧接されていた可動電極とリード部材とが離隔して電流を遮断する温度ヒューズにおいて、化学物質粉末を用いた感温ペレットと熱可塑性樹脂を用いた感温ペレットの溶融温度の差が0〜5℃の範囲にあることを特徴とする請求項2記載の温度ヒューズ。
  5. 感温ペレットが動作温度で溶融して圧縮スプリングを除荷し、圧縮スプリングが伸張することにより、圧縮スプリングにより圧接されていた可動電極とリード部材とが離隔して電流を遮断する温度ヒューズにおいて、前記化学物質粉末を用いた感温ペレットと前記熱可塑性樹脂を用いた感温ペレットの構成体積は、いずれか一方が温度ヒューズを動作させるのに必要な感温ペレットの体積減少量以上の構成体積を有していることを特徴とする請求項2記載の温度ヒューズ。
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