JP4117477B2 - 光モジュール及びその製造方法並びに電子機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光モジュール及びその製造方法並びに電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
【特許文献1】
特開平11−191865号公報(図1)
【0004】
【発明の背景】
光モジュール等の固体撮像素子を用いた固体撮像装置において、固体撮像素子ユニットや電子部品等を回路基板上に平面的に搭載、実装するものが知られている(特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、フィルムキャリアやリードフレームパッケージのリードの長さ等によって、固体撮像素子ユニットの固定位置が設定されているため、固体撮像素子ユニットと光学チップ(例えばCCDチップ)の距離が不安定になっていた。また、固体撮像素子ユニットや電子部品等が、回路基板上に平面的に搭載、実装されているため、固体撮像装置の厚み(高さ)は薄くできるが、実装面積は大きくなっていた。
【0006】
本発明の目的は、この問題点を解決するものであり、その目的は、光モジュールの高信頼性化、小型化及び高集積化と低コスト化を図ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明に係る光モジュールは、
配線パターンを有し、開口を有する第1の部分と、第2の部分を有し、前記第2の部分が前記第1の部分に平面的に重なるように屈曲された配線基板と、
電極及び光学的部分を有し、前記光学的部分が前記開口を向くように、前記電極を介して前記配線パターンに接続されて、前記配線基板の屈曲の内側に搭載された光学チップと、
前記光学チップが当接する当接面を有し、前記配線基板の屈曲の内側に設けられたスペーサと、
レンズを保持し、前記配線基板の屈曲の外側に設けられたホルダと、
を含み、
前記光学チップは、前記当接面に当接し、
前記スペーサは、前記ホルダとの固定部を有し、前記固定部が前記第1の部分を貫通し、
前記ホルダは、前記固定部に取り付けられてなる。本発明によれば、スペーサは、光学チップが当接する当接面と、レンズを保持するホルダの固定部を有している。これによって、光学チップの方向が規制され、ホルダがスペーサに固定される。したがって、光学チップとレンズとの距離が一定になり、かつ安定し、光モジュールの信頼性を高めることができる。
(2)この光モジュールにおいて、
前記当接面は、前記光学チップが収納される凹部の底面をなし、前記凹部内に前記光学チップが収納されてもよい。これによれば、スペーサは収納部が設けられているため、配線基板に搭載された光学チップがスペーサ内に収納でき、光モジュールの小型化及び高集積化を図ることができる。
(3)この光モジュールにおいて、
前記スペーサは、前記凹部の反対側に第2の凹部をさらに有してもよい。
(4)この光モジュールにおいて、
前記配線基板に実装されるとともに前記第2の部分に搭載されて、前記配線基板の屈曲の内側に設けられ、前記第2の凹部に収納された集積回路チップをさらに含んでもよい。これによれば、スペーサは収納部が設けられているため、配線基板に搭載された集積回路チップがスペーサ内に収納でき、光モジュールの小型化及び高集積化を図ることができる。
(5)この光モジュールにおいて、
前記集積回路チップは、前記光学チップの少なくとも一部に平面的に重なるように設けられてもよい。これによれば、配線基板に搭載された光学チップや集積回路チップがスペーサ内に立体的にかつコンパクトに収納でき、光モジュールの小型化及び高集積化を図ることができる。
(6)本発明に係る電子機器は、上記光モジュールを備える。
(7)本発明に係る光モジュールの製造方法は、
配線パターンを有し、開口を有する第1の部分と、第2の部分を有する配線基板に、電極及び光学的部分を有する光学チップを、前記光学的部分が前記開口を向くように、前記電極を介して前記配線パターンに接続して搭載すること、
前記第2の部分が前記第1の部分に平面的に重なるように前記配線基板を屈曲させ、前記光学チップが当接する当接面と固定部を有するスペーサを、前記固定部が前記第1の部分を貫通するとともに、前記当接面に前記光学チップが当接するように前記配線基板に取り付けること、
レンズを保持するホルダを、前記固定部に取り付けること、
を含む。本発明によれば、スペーサは、光学チップが当接する当接面と、レンズを保持するホルダの固定部を有している。これによって、光学チップの方向が規制され、ホルダがスペーサに固定される。したがって、光学チップとレンズとの距離が一定になり、かつ安定し、光モジュールの信頼性を高めることができる。
(8)この光モジュールの製造方法において、
前記スペーサは、凹部を有し、記当接面が前記光学チップを収納する前記凹部の底面をなし、前記凹部に前記光学チップを収納することを含んでもよい。
(9)この光モジュールの製造方法において、
前記配線基板を屈曲させる工程の前に、前記第2の部分に集積回路チップを搭載することをさらに含んでもよい。
(10)この光モジュールの製造方法において、
前記スペーサは、前記凹部の反対側に第2の凹部をさらに有して、
前記スペーサを、前記第1の部分に取り付けた後に、前記配線基板を屈曲させて、前記集積回路チップを、前記第2の凹部に収納することを含んでもよい。
(11)この光モジュールの製造方法において、
前記スペーサを、前記第2の部分に取り付けた後に、前記配線基板を屈曲させて前記固定部を前記第1の部分に貫通させ、前記光学チップを、前記凹部に収納するとともに前記当接面に当接させることを含んでもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施の形態に係る光モジュールの断面図である。光学チップ10は、光学的部分12と、光学的部分12を有する面の反対側の面14を有する。光学的部分12は、光が入射または出射する部分である。また、光学的部分12は、光エネルギーと他のエネルギー(例えば電気)を変換する。すなわち、光学的部分12は、図示しない複数のエネルギー変換素子(受光素子・発光素子)を有する。本実施の形態では、光学的部分12は受光部である。この場合、光学チップ10は、受光チップ(例えば撮像チップ)である。
【0009】
光学チップ10には、複数の電極16が形成されている。電極16は、光学的部分12に電気的に接続されている。電極16は、パッド上に形成されたバンプを有するが、パッドのみであってもよい。電極16は、光学的部分12の外側に形成されている。光学チップ10の複数辺(例えば対向する2辺または4辺)または1辺に沿って電極16を配置してもよい。
【0010】
配線基板20は、基板(ベース基板または基材)22と、基板22上に形成された配線パターン24とを含む。基板22は、屈曲可能な材料で構成されている。すなわち、基板22は、フレキシブル基板であり、例えばポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂等の材料からなる。配線パターン24は、基板22の一方の面に形成されてもよいし、両方の面に形成されてもよい。配線パターン24は、メッキ技術、露光技術などの周知技術を適用して形成することができる。配線パターン24は、例えば銅等の材料からなる。配線パターン24は、複数の配線から構成されている。配線パターン24は、電気的な接続部となる複数の端子40(図2に示す)を含む。端子40は、配線の端部であってもよく、ランドであってもよい。
【0011】
配線基板20は、第1及び第2の部分34、36を有する。例えば、配線基板20は、平面的に展開した状態で長方形の平面形状をなし、第1及び第2の部分34、36は配線基板20の長さ方向に配列されてもよい。第1の部分34は、光学チップ10の搭載領域を有する。第2の部分36は、第1の部分34に平面的に重ねられる部分であり、図1に示す例では、集積回路チップ70の搭載領域を有する。図1に示すように、第1及び第2の部分34、36は、少なくとも一部同士が重ねられる。図1に示す例では、配線パターン24が形成された面を谷として、配線基板20が屈曲している。配線基板20の屈曲部は、第1及び第2の部分34、36の境界を含む部分である。第1及び第2の部分34、36の境界は明確に存在する必要はなく、図1に示す例の場合、光学チップ10の搭載領域と、集積回路チップ70の搭載領域との間で、配線基板20を屈曲させればよい。
【0012】
平面的に重ねられた第1及び第2の部分34、36の間には、所定の空間が設けられている。配線基板20を平面的に展開したときに、第1及び第2の部分34、36の間には、一定の幅を有する第3の部分38が設けられている。第3の部分38は、配線基板20の屈曲部となる。図1に示す例では、配線基板20の屈曲部は円弧形状であるが、スペーサ50の収納部52の外壁に沿うようにコの字形状に曲げてもよい。配線基板20は、コの字形状に曲げにくいため、基板22の図示しない穴(例えばスリット)を屈曲部に形成してもよい。こうすることで、配線基板20を曲げやすくすることができる。コの字形状に曲げることにより、配線基板20の屈曲部すなわち第3の部分38の領域を小さくすることができ、配線基板20の大きさを小さくすることができる。なお、配線基板20の屈曲構造は、上述に限定されず、第1の部分34に複数の第2の部分36が平面的に重ねられてもよい。例えば、配線基板20を平面的に展開したときに、第1の部分34に対して、異なる方向にそれぞれ第2の部分36が配置されてもよい。
【0013】
開口部26は、配線基板20の第1の部分34に形成されている。開口部26は、配線基板20の貫通穴である。開口部26の外形は、光学的部分12の外形よりも大きい。こうすることで、光学的部分12に対する光路を確保し、光学的部分12に入射する光量を多くすることができる。図1に示すように、第2の部分36にも開口部28を有してもよい。開口部26、28には、配線パターン24の一部であるリード30、32が突出してもよい。リード30、32は、エッチング、電解メッキ法、機械的な打ち抜き法等により形成される。
【0014】
貫通穴42は、第1の部分34の領域に形成されている。貫通穴42には、スペーサ50の固定部62が貫通する。したがって、貫通穴42は、固定部62の数や形状に合わせて形成される。貫通穴42の外形は、固定部62のガイド部64の外形より大きく形成されている。貫通穴42は、プレス等の機械的方法等により形成されてもよい。
【0015】
配線基板20は、TAB(Tape Automated Bonding)技術を用いて電子部品を実装する(以降TAB実装という)場合に使用されるフィルムキャリアテープの一部であってもよい。フィルムキャリアテープの場合は、配線基板20の長手方向の両側に、複数のスプロケットホールが連続して形成されている。このスプロケットホールにより、フィルムキャリアテープが搬送、位置決めされ、電子部品等が実装される。フィルムキャリアテープには、第1の部分34、第3の部分38、第2の部分36が、この順番で繰り返し形成されている。光学チップ10は、開口部26に突出したリード30と、TAB実装して接続することができる。また、集積回路チップ70も、光学チップ10と同様に、開口部28に突出したリード32とTAB実装されてもよい。さらに、電子部品18も、光学チップ10や集積回路チップ70と同じ工程で実装されてもよい。フィルムキャリアテープに連続して形成された、第1の部分34、第3の部分38及び第2の部分36で形成される1ユニット毎の境界で切断することにより、光学チップ10や集積回路チップ70等が実装された配線基板20が得られる。図1に示す例では、リード30、32は屈曲した形状をしているが、屈曲しない形状でもよい。電気的な接続部は、封止材によって封止することが好ましい。
【0016】
スペーサ50は、光学チップ10が当接する当接面54と、ホルダ80が固定される固定部62を有する。また、スペーサ50は、電子部品18を収納する収納部52が形成されている。スペーサ50は、平面的に重ねられた第1及び第2の部分34、36の間で、固定部62が第1の部分34を貫通して、所定の空間に設けられている。すなわち、スペーサ50の高さ(厚み)によって、第1及び第2の部分34、36で構成する空間の高さ(幅)が決められている。スペーサ50と配線基板20とは、接着等により固定されてもよい。スペーサ50は、例えばプラスチックであり、金型を用いた成形等で作製されてもよい。
【0017】
当接面54は、スペーサ50のほぼ中央部に形成されている。当接面54は、光学的部分12を有する面の反対側の面14と接触して、光学チップ10の方向を規制している。図1に示すように、当接面54は、光学的部分12の反対側の面14の外形より大きく、凹部58の底面を形成している。これによれば、スペーサ50により、光学チップ10の裏面への不要な光の入射を防止することができ、信頼性を向上することができる。
【0018】
凹部58は、光学チップ10が当接する当接面54を底面とする形状をなす。凹部58には、光学チップ10が収納されてもよい。第2の凹部60は、凹部58の反対側に形成されてもよい。第2の凹部60には、集積回路チップ70が収納されてもよい。
【0019】
固定部62は、図1に示すように、貫通穴42を貫通するガイド部64と、ホルダ80が固定される軸66を有し、段差を形成していてもよい。ガイド部64は、スペーサ50を配線基板20に対して、平面的に位置決めする機能を持つ。ガイド部64の高さ(厚み)は、配線基板20の厚みより若干大きく形成されていてもよい。こうすることで、ホルダ80を取り付けた時に、配線基板20との上下方向の隙間が確保される。したがって、ホルダ80が、ガイド部64に必ず当接して位置決めされることになる。また、ガイド部64の厚みを若干大きくすることで、配線基板20が上下方向にあまり移動せず、位置決めされることになる。ガイド部64の平面的な形状は、円形状であっても、四角形状であってもよく、任意でよい。軸66は、ホルダ80の取り付け部86に形成された取り付け穴90に挿入され、嵌合される。こうすることで、ホルダ80が位置決めされる。
【0020】
図1に示す例では、ホルダ80を軸66の嵌合により固定したが、軸66の嵌合のみならず、例えば軸66を取り付け部86より突出させて、機械的または熱的によるカシメでホルダ80を固定してもよい。さらに、ガイド部64にねじ穴を形成して、ホルダ80をねじで固定してもよい。
【0021】
電子部品18は、配線基板20に搭載されている。図1に示す例では、電子部品18は、第2の部分36に搭載されているが、第1の部分32に搭載されてもよいし、第1及び第2の部分34、36の両方に搭載されてもよい。いずれの場合にも、電子部品18が収納できるように、収納部52の開口の向きや収納容積を考慮して、収納部52が形成されて収納される。電子部品18は、例えば、抵抗器やコンデンサ等である。
【0022】
集積回路チップ70(例えば半導体チップ)は、平面的に矩形状をしている。集積回路チップ70は、光学チップ10に電気的に接続されている。集積回路チップ70は、複数の電極72が形成されている。電極72は、パッド上に形成されたバンプを有するが、パッドのみであってもよい。集積回路チップ70は、第2の部分36に搭載されている。図1に示す例では、集積回路チップ70は、電極72を介して、配線パターン24のリード32に電気的に接続されている。接続は、TAB実装で行われてもよい。また、集積回路チップ70は、異方性導電膜(ACF)や異方性導電ペースト(ACP)を用いて配線基板20に実装されてもよい。また、フェースアップ構造を形成するように実装して、ワイヤボンディングして接続されてもよい。異方性導電膜(ACF)等やワイヤボンディングでの接続においては、配線基板20には開口部28を設けなくともよい。集積回路チップ70は、スペーサ50の第2の凹部60に収納されていてもよい。集積回路チップ70は、光学チップ10の少なくとも一部に、スペーサ50を介して平面的に重なっていてもよい。これによれば、配線基板20に立体的に積層することが可能となり、光モジュールの小型化及び高集積化が図れる。
【0023】
図1に示すように、光モジュールは、ホルダ80を含む。ホルダ80は、内枠82と外枠84を含む。ホルダ80は、その平面視において光学的部分12を囲む形状をなす。レンズ88は、図示しないレンズ88の固定枠に固定され、さらに、固定枠が内枠82に固定され保持されていてもよいし、内枠82の固定部(図示せず)に当接し、押さえ金具(図示せず)によって固定する構造であってもよい。固定枠と内枠82との固定は、ねじ式や嵌合式であってもよい。レンズ88は、光学的部分12に対応する位置に配置されている。
【0024】
図1に示す例では、内枠82は、その外周に雄ねじが形成されている。外枠84は、その内周に内枠82の雄ねじと係合する雌ねじが形成されている。外枠84には、レンズ88が固定された内枠82がねじ込まれている。外枠84は、スペーサ50に取り付けられる取り付け部86を有する。さらに、取り付け部86には、取り付け穴90が形成されている。取り付け穴90に軸66が嵌合され、取り付け部86の底面がガイド部64の上面に当接して、ホルダ80が固定されている。これによって、配線基板20の開口部26を挟んで、レンズ88と光学的部分12とが対向するように配置される。同時に、配線基板20、スペーサ50及びホルダ80が平面的に、かつ高さ方向についても位置決めされる。光学的部分12とレンズ88との距離は、光学チップ10の厚み、スペーサ50のガイド部64と光学チップ10が当接する当接面54との距離、ホルダ80内のレンズ88の位置により決まる。ガイド部64と当接面54の距離は、スペーサ50が一体であるため一定であり、光学的部分12とレンズ88との距離も一定になり、かつ安定し、信頼性が向上する。必要に応じて、軸66と取り付け部86を接着等で固定してもよい。レンズ88が固定された内枠82は、光学的部分12に焦点が合うように、高さ方向の位置が調整されている。取り付け部86を含む外枠84の平面視の形状は、四角形状であっても、円形状であっても、その他の形状であってもよい。内枠82及び外枠84は、金型を用いてプラスチックで作製されてもよいし、アルミニウム等の金属を旋盤加工やフライス加工し、その後メッキ等して作製されてもよい。
【0025】
本実施の形態によれば、スペーサ50に、光学チップ10と当接する当接面54を有するため、リード30に接続された光学チップ10の高さが規制される。さらに、スペーサ50に固定部62を有し、固定部62にホルダ80を固定しているため、光学チップ10とレンズ88との距離が一定となり、また安定するため、光モジュールの信頼性が向上する。また、スペーサ50に凹部58や第2の凹部60が形成されているため、光学チップ10や集積回路チップ70を搭載しても、凹部58や第2の凹部60に収納することができ、配線基板20が平面的に大きくならない。したがって、高集積化や小型化、低コスト化が可能となる。
【0026】
次に、本実施の形態に係る光モジュールの製造方法について説明する。図2〜図5は、本実施の形態に係る光モジュールの製造方法について説明する図である。なお、図2及び図4においては、リード30、32は図示していない。図2及び図3に示すように、配線基板20を平面的に展開した状態で、光学的部分12が配線基板20の開口部26を向くように、光学チップ10を第1の部分34に搭載する。光学チップ10を搭載する方法は、電極16を介して、配線基板20のリード30にTAB実装してもよい。電子部品18は、図2に示す例では、第2の部分36に搭載されているが、第1の部分34に搭載してもよいし、第1の部分34と第2の部分36の両方に搭載してもよい。さらに、必要に応じて、第3の部分38に搭載してもよい。
【0027】
次に、スペーサ50を、図3に示すように、第1の部分34の開口部26に対応する位置に取り付ける。すなわち、光学チップ10が搭載された後、光学チップ10を凹部58に収納するように、固定部62を配線基板20の貫通穴42(図2に示す)に挿入して取り付ける。必要に応じて、スペーサ50を配線基板20に、接着等によって固定してもよい。また、固定部62を貫通穴42に挿入した後、固定部62のガイド部64の一部を、機械的や熱的なカシメにより固定してもよい。こうすることで、スペーサ50を確実に固定することができる。集積回路チップ70は、配線基板20を屈曲する前に第2の部分36に搭載する。搭載する方法は、電極72を介して、配線基板20のリード32にTAB実装してもよい。
【0028】
図4は、図3においてスペーサ50を取り付けた状態を、スペーサ50の取り付け方向から見た平面図である。図4に示すように、スペーサ50は、4箇所の固定部62によって位置決めされ、配線基板20に取り付けられている。スペーサ50は、ほぼ中心に光学チップ10を収納している。
【0029】
次いで、図5に示すように、第1の部分34と第2の部分36でスペーサ50を挟み込む方向に、第2の部分36が第1の部分34に平面的に重なるように配線基板20を屈曲させる。すなわち、配線基板20を、集積回路チップ70を第2の凹部60に収納するように屈曲させ、スペーサ50に固定する。固定は、接着等で行ってもよい。
【0030】
ホルダ80の取り付けは、図5に示すように、外枠84の取り付け部86に設けられた取り付け穴90に、軸66を挿入する。取り付け部86は、固定部62の段差部、すなわちガイド部64の上面に当接して高さ方向が規制される。必要に応じて、固定部62と取り付け部86を接着等で固定してもよい。こうすることで、ホルダ80に内蔵されたレンズ88が、光学的部分12に対応する位置に配置される。以上によって、光モジュールが完成する。なお、ホルダ80を取り付ける工程は、スペーサ50が搭載されていれば、その後のいずれの工程であってもよい。すなわち、配線基板20を屈曲させる前であっても、屈曲させた後でもよい。
【0031】
フィルムキャリアテープの一部を配線基板20に使用する場合は、連続して形成された第1の部分34、第3の部分38、第2の部分36の所望の位置に、光学チップ10、集積回路チップ70、電子部品18を連続して実装することができる。光学チップ10や集積回路チップ70は、TAB実装されてもよい。フィルムキャリアテープに連続して形成された、第1の部分34、第3の部分38及び第2の部分36で形成される1ユニット毎の境界で切断することにより、光学チップ10や集積回路チップ70等が実装された配線基板20が連続して得られる。この配線基板20に、前述の説明のように、スペーサ50を取り付け、屈曲させて、レンズ88を保持したホルダ80を取り付けることで光モジュールが完成する。
【0032】
本実施の形態によれば、スペーサ50を搭載することにより、光学チップ10が当接面54に当接し、光学チップ10の方向が規制される。また、取り付け穴90に軸66を嵌合することにより、ホルダ80がスペーサ50の固定部62に固定される。したがって、当接面54に当接した光学チップ10とホルダ80に保持されたレンズ88との距離が一定になり、かつ安定し、光モジュールの信頼性を高めることができる。また、配線基板20を平面的に展開した状態で、光学チップ10、集積回路チップ70、電子部品18などの各部品を実装できるので、光モジュールの取り扱いに優れる。また、配線基板20に搭載された光学チップ10、集積回路チップ70及び電子部品18がスペーサ50内に収納でき、立体的にかつコンパクトに積層することが可能になり、光モジュールの小型化及び高集積化を図ることができる。さらに、フィルムキャリアテープの一部を配線基板20に使用すれば、光学チップ10、集積回路チップ70、電子部品18などの各部品を連続して実装でき、切断することにより配線基板20を得ることができる。したがって、生産性に優れ、製造コストが低く抑えられる。
【0033】
図6から図8は、本実施の形態に係る光モジュールの製造方法の変形例を示す図であり、スペーサ50を第2の部分36に固定する変形例である。図6に示すように、集積回路チップ70を、予め第2の部分36に搭載しておく。集積回路チップ70を搭載する方法は、前述の、スペーサ50を第1の部分34に取り付ける実施例で説明した内容が適用できる。スペーサ50の取り付け時に、集積回路チップ70を第2の凹部60に収納するように取り付ける。スペーサ50は、接着等で配線基板20に固定してもよい。また、スペーサ50を取り付ける前に、電子部品18が搭載されていれば、スペーサ50の収納部52に収納するように取り付ける。光学チップ10は、配線基板20を屈曲する前に第1の部分34に搭載する。光学チップ10を搭載する方法も、前述の、スペーサ50を第1の部分34に取り付ける実施例で説明した内容が適用できる。
【0034】
次いで、図7に示すように、第1の部分34と第2の部分36でスペーサ50を挟み込む方向に、第2の部分36が第1の部分34に平面的に重なるように配線基板20を屈曲させる。すなわち、凹部58に光学チップ10を収納するように屈曲させる。また、配線基板20の貫通孔42に、固定部62を貫通させる。同時に、スペーサ50の当接面54を、光学チップ10の光学的部分12の反対側の面14に当接させる。屈曲後、配線基板20とスペーサ50を、接着等で固定してもよい。
【0035】
次いで、図8に示すように、レンズ88を保持したホルダ80を、取り付け穴90に軸66を嵌合させて取り付ける。必要であれば、取り付け部86を、接着等で固定部62に固定してもよい。ホルダ80を取り付ける工程は、前述の実施例で説明した内容が適用できる。これによって、レンズ88が光学的部分12に対応する位置に配置される。以上によって、光モジュールが完成する。
【0036】
本実施の形態によれば、配線基板20を屈曲させることにより、当接面54に光学チップ10が当接し、光学チップ10の方向が規制される。また、取り付け穴90に軸66を嵌合することにより、ホルダ80がスペーサ50の固定部62に固定される。したがって、当接面54に当接した光学チップ10とホルダ80に保持されたレンズ88との距離が一定になり、かつ安定し、光モジュールの信頼性を高めることができる。また、配線基板20を平面的に展開した状態で、光学チップ10、集積回路チップ70、電子部品18などの各部品を実装できるので、光モジュールの取り扱いに優れる。また、配線基板20に搭載された光学チップ10、集積回路チップ70及び電子部品18がスペーサ50内に収納でき、立体的にかつコンパクトに積層することが可能になり、光モジュールの小型化及び高集積化を図ることができる。
【0037】
図9(A)及び図9(B)は、本実施の形態に係る光モジュールを有する電子機器の図であり、携帯電話3000を示している。携帯電話3000には、画像を撮影するためのカメラ3100が内蔵されている。光モジュールは、カメラ3100に組み込まれている。
【0038】
本実施の形態によれば、前述のように、光モジュールが高信頼性であり、さらには高集積化、小型化、低コスト化できるため、それを用いた電子機器も、信頼性が向上し、さらには高集積化、小型化、低コスト化できる。
【0039】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び結果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の実施の形態に係る光モジュールの断面図である。
【図2】 図2は、本発明の実施の形態に係る光モジュールの製造方法を説明する図である。
【図3】 図3は、本発明の実施の形態に係る光モジュールの製造方法を説明する図である。
【図4】 図4は、本発明の実施の形態に係る光モジュールの製造方法を説明する図である。
【図5】 図5は、本発明の実施の形態に係る光モジュールの製造方法を説明する図である。
【図6】 図6は、本発明の実施の形態に係る光モジュールの製造方法の変形例を説明する図である。
【図7】 図7は、本発明の実施の形態に係る光モジュールの製造方法の変形例を説明する図である。
【図8】 図8は、本発明の実施の形態に係る光モジュールの製造方法の変形例を説明する図である。
【図9】 図9(A)及び図9(B)は、本発明の実施の形態に係る電子機器を示す図である。
【符号の説明】
10…光学チップ 12…光学的部分 16…電極 20…配線基板 22…基板 24…配線パターン 26、28…開口部 34…第1の部分 36…第2の部分 42…貫通穴 50…スペーサ 54…当接面 58…凹部 60…第2の凹部 62…固定部 64…ガイド部 66…軸 70…集積回路チップ80…ホルダ 88…レンズ 90…取り付け穴 3000…電子機器
Claims (11)
- 配線パターンを有し、開口を有する第1の部分と、第2の部分を有し、前記第2の部分が前記第1の部分に平面的に重なるように屈曲された配線基板と、
電極及び光学的部分を有し、前記光学的部分が前記開口を向くように、前記電極を介して前記配線パターンに接続されて、前記配線基板の屈曲の内側に搭載された光学チップと、
前記光学チップが当接する当接面を有し、前記配線基板の屈曲の内側に設けられたスペーサと、
レンズを保持し、前記配線基板の屈曲の外側に設けられたホルダと、
を有し、
前記光学チップは、前記当接面に当接し、
前記スペーサは、前記ホルダとの固定部を有し、前記固定部が前記第1の部分を貫通し、
前記ホルダは、前記固定部に取り付けられてなる光モジュール。 - 請求項1に記載の光モジュールにおいて、
前記当接面は、前記光学チップが収納される凹部の底面をなし、前記凹部内に前記光学チップが収納されてなる光モジュール。 - 請求項1または請求項2に記載の光モジュールにおいて、
前記スペーサは、前記凹部の反対側に第2の凹部をさらに有してなる光モジュール。 - 請求項3に記載の光モジュールにおいて、
前記配線基板に実装されるとともに前記第2の部分に搭載されて、前記配線基板の屈曲の内側に設けられ、前記第2の凹部に収納された集積回路チップをさらに含んでなる光モジュール。 - 請求項4に記載の光モジュールにおいて、
前記集積回路チップは、前記光学チップの少なくとも一部に平面的に重なるように設けられてなる光モジュール。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載の光モジュールを有する電子機器。
- 配線パターンを有し、開口を有する第1の部分と、第2の部分を有する配線基板に、電極及び光学的部分を有する光学チップを、前記光学的部分が前記開口を向くように、前記電極を介して前記配線パターンに接続して搭載すること、
前記第2の部分が前記第1の部分に平面的に重なるように前記配線基板を屈曲させ、前記光学チップが当接する当接面と固定部を有するスペーサを、前記固定部が前記第1の部分を貫通するとともに、前記当接面に前記光学チップが当接するように前記配線基板に取り付けること、
レンズを保持するホルダを、前記固定部に取り付けること、
を含む光モジュールの製造方法。 - 請求項7に記載の光モジュールの製造方法において、
前記スペーサは、凹部を有し、前記当接面が前記光学チップを収納する前記凹部の底面をなし、前記凹部に前記光学チップを収納することを含む光モジュールの製造方法。 - 請求項8に記載の光モジュールの製造方法において、
前記配線基板を屈曲させる工程の前に、前記第2の部分に集積回路チップを搭載することをさらに含む光モジュールの製造方法。 - 請求項9に記載の光モジュールの製造方法において、
前記スペーサは、前記凹部の反対側に第2の凹部をさらに有して、
前記スペーサを、前記第1の部分に取り付けた後に、前記配線基板を屈曲させて、前記集積回路チップを、前記第2の凹部に収納することを含む光モジュールの製造方法。 - 請求項9に記載の光モジュールの製造方法において、
前記スペーサを、前記第2の部分に取り付けた後に、前記配線基板を屈曲させて前記固定部を前記第1の部分に貫通させ、前記光学チップを、前記凹部に収納するとともに前記当接面に当接させることを含む光モジュールの製造方法。
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