JP4116856B2 - 1塩基多型の検出方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、検体中のDNA中に含まれる特定の配列の検出、および遺伝子の多型性の検出、1塩基置換(SNPs)分析等に関する
【0002】
【従来技術】
ゲノム解析研究によりもたらされた成果は、体系的遺伝子多型解析と体系的遺伝子発現解析に集約される。近年、これらのゲノム情報を医療分野に応用しようとする動きが活発になり、遺伝子の多型と発現解析技術は飛躍的に進展している。
【0003】
遺伝子多型の中でも1塩基置換(SNPs)は、1000塩基に1つあるといわれており、これらのSNPsが、各個体差、個人の特性や先天的な体質の違いを生じる原因であると考えられている。そのうえ、これまで環境因子の作用する割合が比較的高いと考えられていた疾患(糖尿病や高血圧症等)にも危険因子として要因遺伝子が関与し、その多くは1塩基多型で規定されていることが明らかになりつつある。それ故、SNPs解析は、個人の体質に合わせた投薬や治療(テーラーメード医療)に繋がっていくと考えられ、非常に注目を浴びている。
【0004】
現在までにSNPs解析に関しては、様々な方法が開発されてきたが、大別すると、未知の塩基置換を検出する方法と、既知の塩基置換を検出する方法とに大別される。
【0005】
既知の塩基置換としては解析法としては、直接塩基配列を解析する方法やオリゴヌクレオチドを用いたDNAチップ等が挙げられる。
【0006】
テーラーメード医療のための遺伝子検査という観点で考えるならば、今後必要とされるのは、各疾患に関連付けられた患者のSNPsをタイピングする技術である。しかも、投薬や治療の指針をできる限り速く決定することにより、より効果的な治療が望める。それ故、誰もが簡単に検査ができ、迅速に結果を得られるようなSNPsタイピング技術の開発が望まれる。
【0007】
現在既知のSNPsをタイピングする方法は、原理で分類すると、ポリメラーゼ反応を利用する方法と、ハイブリダイゼーションを利用する方法の2つになる。
【0008】
ハイブリダイゼーションを利用する方法は、DNAチップを用いる単純ハイブリダイゼーション法(Sequence By Hybridization)(Drmanac R,et al:Genomics 4:114-128(1989))やDye-labeled oligonucleotide ligation法(Chen X, et al.:Genome Res. 8:549-556(1998))、及びInvader法(Lyamichev, et al:Science 260:778-783(1993))の3つがある。いずれの場合も、各対立遺伝子(アレル)に対応したオリゴヌクレオチドを用意し、どちらのアレルにハイブリダイズしたかを検出するのが原則となる。
【0009】
これらの方法は、ハイブリ操作を必要とするため時間を要したり、あるいは、検出系に蛍光を採用していたりするため装置が高価であるといった問題を有し、簡便に検査を行うことはできない。
【0010】
ポリメラーゼ反応を利用する方法は、SNaPShot法、Pyrosequence法(Alderborn, A. et.al:Genome Res.,28:1249-1258(2000))のようにSNPの近くにプライマーを設定し、SNP部位でどの塩基が取りこまれたか見る方法と、3'末端付近に各アレルに対応したSNP部位を含むようにプライマーを設計し、ポリメラーゼ反応が起こるか否かで判定を行う方法(ARMS法(Amplification refractory mutation system)、Newton CR, et al.:Nucl Acids Res.17:2503-2516(1989)、PASA法(PCR-amplification of specific alleles),Sarker G et al:Anal Biochem 186:64-68(1990))とに別れる。
【0011】
SNaPShot法は、SNP部位の直前までプライマーを作り、ジデオキシヌクレオチドのみで伸長反応を行い、どの塩基が取りこまれたか解析する方法である。これは1塩基のみの伸長反応であるため、解析するにはシークエンサーを用いなければならず、高価な装置が必要であるという問題を有する。
【0012】
Pyrosequence法は、SNPの数塩基上流または直前にプライマーを設計し、これを起点にシークエンス反応を1塩基ずつデオキシヌクレオチドを添加することにより行う方法である。その際、伸長反応が起こった場合のみ生じるピロリン酸をATPに変換して化学発光を起こさせ、この発光を検出する。取りこまれる塩基量と定量的にピロリン酸が生成するため、定量性に優れている。しかし、4種のdNTPをそれぞれ順番に反応部に加える必要があるという操作性や発光を検出する装置が必要であるといったコスト面で問題が残る。
【0013】
ARMS法やPASA法は、プライマーの起点とする伸長反応がプライマー3'末端と鋳型のマッチングに強く依存することを利用したものである(Kwok S. et al.:Nucleic Acids Res 18,999-1005(1990),Huang M.M. et al.:Nucleic Acids Res. 20,4567-4573(1992))。即ち、あらかじめ各アレルに相補的なプライマーを用意しておき、試料の遺伝子型と一致した場合にのみ伸長反応が起きることを利用し、増幅反応が起きたか否かで遺伝子型を判定する方法である。この方法は、電気泳動などの簡便な方法で迅速に調べられると言う点で優れている。
【0014】
しかし、実際には、各アレル特異プライマー間は1塩基の相違しかなく、鋳型の配列次第ではミスマッチプライマーによってもしばしば非特異的な増幅が起きる(Huang M.M. et al.:Nucleic Acids Res. 20,4567-4573(1992))。また、増幅が起きるか否かは用いる機器や周囲の環境等の微妙な条件によっても左右されるため、非特異増幅を抑える事は困難である。
【0015】
実際、ARMS法では、ミスマッチを増強する目的でプライマーの3'末端の1塩基上流にもう1つミスマッチを人為的に導入している。これは、3'末端から4塩基以内に2塩基のミスマッチを入れることでPCRの増幅効率が大幅に低下するからである。(Kwok S. et al.:Nucleic Acids Res 18,999-1005(1990))これにより、条件を厳密に制御することなく、非特異増幅をある程度、抑えることができる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
上記の方法に基づけば、明確に塩基多型の検出ができるように思われる。しかしながら、PCR等の増幅反応において、異なるプライマーを用いて反応を行えば、両プライマー由来の増幅に対する効率が異なることが少なくない。両対立遺伝子に対応する増幅産物が一定でなければ、SNPの型がヘテロ接合である場合、両アレルの増幅量が異なり、ホモ接合との識別が困難になると言う問題がある。
【0017】
本発明は、1塩基多型を正確、簡便かつ迅速に検出する方法を提供することを目的とする。特に、本発明は、対立遺伝子のヘテロ接合とホモ接合を明確に区別する方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ヘテロ接合における各対立遺伝子由来の増幅産物量を実質的に同じになるように各対立遺伝子に特異的なプライマーを設計し、このような2種類の対立遺伝子特異的プライマーを用いることにより、ヘテロ接合における増幅産物とホモ接合における増幅産物とを区別できることを見出した。
【0019】
即ち、両対立遺伝子に特異的なプライマーを、そのSNP部位を含むように設定し、さらにミスマッチを増強するため、SNP部位近傍に人為的なミスマッチが入るよう設計した。その際、ヘテロ接合の試料の各対立遺伝子と各々に対応したプライマーとのミスマッチ度が等しくなるように、人為的なミスマッチ塩基を選択することにより、各対立遺伝子由来の増幅産物量が等しくなりホモ接合と区別できるようになった。
【0020】
即ち、本発明によれば、ヘテロ接合における各対立遺伝子の増幅量が実質的に同じになるように設計した2種類の対立遺伝子特異的プライマーを用いる、1塩基多型の検出方法が提供される。
好ましくは、対立遺伝子特異的プライマーの3'末端から4塩基以内に多型部位が存在するように設計した対立遺伝子特異的プライマーを用いる。
好ましくは、多型部位の隣接塩基にミスマッチ塩基を導入した対立遺伝子特異的プライマーを用いる。
好ましくは、多型部位に隣接するミスマッチ塩基を各対立遺伝子に応じて選択した対立遺伝子特異的プライマーを用いる。
【0021】
好ましくは、ポリメラーゼ反応を利用して1塩基多型を検出する。
好ましくは、ポリメラーゼ反応生成物を用いて1塩基多型を検出する。
好ましくは、検出手段として電気泳動、クロマトグラフィー又はHPLCを用いて1塩基多型を検出する。
【0022】
好ましくは、ポリメラーゼ反応時の副反応生成物を用いて1塩基多型を検出する。
好ましくは、副反応生成物はピロリン酸である。
好ましくは、乾式分析素子を用いてピロリン酸の検出を行う。
好ましくは、1塩基多型の検出は、1塩基多型のホモ/ヘテロ接合を判別することを含む。
【0023】
本発明の別の側面によれば、各対立遺伝子の増幅量が実質的に同じになるように設計した2種類の対立遺伝子特異的プライマーを含む、本発明の方法を行うためのプライマーセットが提供される。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の1塩基多型の検出方法は、ヘテロ接合における各対立遺伝子の増幅量が実質的に同じになるように設計した2種類の対立遺伝子特異的プライマーを用いることを特徴とする。本発明の方法を利用することにより、1塩基多型のホモ/ヘテロ接合を判別することが可能である。本発明の方法の好ましい形態では、各アレル特異的なプライマーを用いてポリメラーゼ反応を行わせ、その伸長反応の有無を検出する。検出する方法の具体例として、電気泳動、質量分析、液体クロマトグラフィー等の増幅産物を直接測定する方法や、ポリメラーゼ伸長反応の際、生成するピロリン酸を検出する方法が挙げられる。図1に、本発明の実施形態を説明する概念図を示す。
【0025】
本発明に係る1塩基多型のホモ/ヘテロ接合を判別する方法の第一の好ましい形態を以下に列記する。
アレル特異的なプライマーを検出したいSNP部位を含むように設定する。その際、アレルに対するミスマッチを高めるためSNP部位近傍に人為的にミスマッチを入れる。人為的なミスマッチを各アレルに対する各プライマーのミスマッチ度が等しくなるように選択する。それらのプライマーを別々に用いてポリメラーゼ伸長反応を行わせる。
【0026】
実際に伸長反応が起きたか否かをピロ燐酸を検出することで行う。より好ましくは、キサントシンまたはイノシン、ピロホスファターゼ、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ、キサンチンオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ及び発色剤を含有する試薬層を備えることを特徴とするピロ燐酸定量用乾式分析素子を用いて行う。
以下に本発明の実施の形態について更に詳細に説明する。
【0027】
(A)ターゲット核酸断片:
本発明において分析の対象となるターゲット核酸断片とは、少なくとも一部の塩基配列が既知であるポリヌクレオチドであり、動物、微生物、細菌、植物などすべての生物から単離されるゲノミックDNA断片が対象となり得る。またウイルスから単離可能なRNA断片またはDNA断片、およびmRNAを鋳型として合成されたcDNA断片も対象とすることが可能である。ターゲット核酸断片はできる限り精製され、核酸断片以外の余分な成分が取り除かれていることが望ましい。例えば、動物(例えば人間)の血液から単離したゲノミックDNA断片を対象とする場合または血液中に存在する感染細菌やウイルスの核酸(DNAまたはRNA)断片を対象とする場合、単離の過程で破壊された白血球細胞膜、赤血球中から溶出したヘモグロビン、および血液中存在するその他の一般化学物質は、十分に取り除いておく必要がある。特にヘモグロンビンは、続いて行うポリメラーゼ伸長反応を阻害する。
【0028】
(B)ターゲット核酸断片と特異的なプライマー:
本発明において使用するターゲット核酸断片と特異的なプライマーは、ターゲット核酸断片の塩基配列が既知である目的の部位に対して相補的な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドである。このターゲット核酸断片と相補的なプライマーがターゲット核酸断片の目的の部位にハイブリダイゼーションすることで、プライマーの3’末端を起点に、ターゲット核酸を鋳型としポリメラーゼ伸長反応が進行する。即ち、本発明においてはプライマーがターゲット核酸断片の目的の部位を認識して特異的にハイブリダイゼーションするか否かがポイントとなる。本発明で使用するプライマーの好ましい塩基数は5〜60塩基である。特に好ましくは15〜40塩基である。
【0029】
さらに、本発明におけるプライマーは、少なくとも一方を検出したい多型部位を含むように設定する必要がある。より好ましくは、3'末端より4塩基以内に設定することである。これは、本発明における多型検出が、プライマーの起点とする伸長反応がプライマーの3'末端と鋳型のマッチングに強く依存することを利用したものであるからであり、3'末端近傍にミスマッチが有れば、伸長反応は進まない。しかし、実際には、各アレル特異プライマー間に、検出部位であるSNP部位の1塩基の相違しか無ければ、鋳型の配列次第ではミスマッチプライマーによっても非特異的な増幅が起きうる。また、増幅が起きるか否かは用いる機器や周囲の環境等の微妙な条件によっても左右されるため、非特異増幅を抑える事は困難となり多型を判定することはできなくなる。そこで、SNP多型部位以外にも人為的にさらにミスマッチを入れる必要がある。人為的なミスマッチは、SNP多型部位近傍にあることが好ましく、隣接していればより好ましい。これにより、非特異増幅をある程度抑えることができる。
【0030】
しかしながら、PCR等の増幅反応において、異なるプライマーを用いて反応を行えば、両プライマー由来の増幅に対する効率が異なることが少なくない。
これは、ヘテロ接合の場合、両対立遺伝子由来の増幅量が等しくならず、ホモ接合と判断を誤る可能性が生じる。そこで、両アレル由来の増幅産物量が等しくなるよう人為的なミスマッチを設定する。例えば、有る遺伝子が(G/A)のSNPを有する場合、G型を検出するプライマーの配列を、・・・・・AG・・・・・、A型を検出するプライマーの配列を、・・・・・CA・・・・・、とするように設定すれば良い。
【0031】
(C)ポリメラーゼ:
本発明において使用するポリメラーゼは、ターゲット核酸がDNAの場合は、ターゲット核酸断片の一本鎖に変性された部分にプライマーがハイブリダイゼーションすることで形成された2本鎖の部分を起点として、5’→3’の方向に、デオキシヌクレオシド3リン酸(dNTP)を材料として、ターゲット核酸断片を鋳型にして相補的な伸長反応を触媒するDNAポリメラーゼである。具体的に使用されるDNAポリメラーゼとしては、DNAポリメラーゼI、DNAポリメラーゼIのクレノー断片、Bst DNAポリメラーゼ等がある。DNAポリメラーゼは目的に応じて選択または組み合わせることが可能である。例えば、ターゲット核酸断片の一部を増幅(例えばPCR法)する場合には、耐熱性に優れたTaq DNAポリメラーゼを用いることが有効である。その他、目的に応じて、3’→5’方向へのヘキソキナーゼ活性を持つ、DNAポリメラーゼα、T4DNAポリメラーゼ、及びT7 DNAポリメラーゼを併用することも可能である。
【0032】
また、RNAウイルスのゲノミック核酸またはmRNAがターゲット核酸断片である場合には、逆転写活性を有するリバーストランスクリプターゼを使用することが可能である。さらにリバーストランスクリプターゼとTaq DNAポリメラーゼを併用することも可能である。
【0033】
(D)ポリメラーゼ伸長反応:
本発明において対象となるポリメラーゼ伸長反応には、前記(A)に記載されているようなターゲット核酸断片の1本鎖に変性された部分の一部に特異的にハイブリダイゼーションした、前記(B)に記載されているようなターゲット核酸断片と相補的なプライマーの3’末端を起点として、デオキシヌクレオシド3リン酸(dNTP)を材料として、前記(C)に記載されているようなポリメラーゼを触媒として、ターゲット核酸断片を鋳型にして進行する相補的な核酸の伸長反応の全てが含まれる。この相補的な核酸の伸長反応とは、少なくとも2回(2塩基分)、連続しての伸長反応が起こることをさしている。
【0034】
ターゲット核酸の量が少ない場合は、ポリメラーゼ伸長反応を利用した何らかの手段でターゲット核酸の目的部分を増幅することが好ましい。ターゲット核酸の増幅には、これまで開発、発明されてきた各種の方法を使用することができる。
【0035】
核酸増幅法としては、PCR(特公平4−67960号、特公平4−67957号)、LCR(特開平5−2934号)、SDA(Strand Displacement Amplification:特開平5−130870号)、RCA(Rolling Circle Amplification:Proc.Natl.Acad.Sci, Vol.92, 4641-4645 (1995))、ICAN(Isothermal and Chimeric primer-initiated Amplification of Nucleic Acids)、LAMP(Loop-Mediated Isothermal Amplification of DNA;Bio Industry, 第18巻、2号(2001))、NASBA(Nucleic acid Sequence-based Amplification method; Nature, 350, 91 (1991))、及びTMA(Transcription mediated amplification method; J.Clin Microbiol.第31巻、3270(1993))等が挙げられる。
【0036】
ターゲット核酸の増幅法で最も一般的で普及している方法はPCR(ポリメラーゼチェーンリアクション)法である。PCR法では、反応液の温度の上げ下げを周期的にコントロールすることにより、変性(核酸断片を2本鎖から1本鎖に変性する工程)→アニーリング(1本鎖に変性した核酸断片にプライマーをハイブイリダイズさせる工程)→ポリメラーゼ(TaqDNAポリメラーゼ)伸長反応→ディネイチャーの周期的な工程を繰り返すことで、ターゲット核酸断片の目的部分を増幅する方法である。最終的に、ターゲット核酸断片の目的部位は初期量の100万倍にも増幅し得る。
【0037】
ターゲット核酸断片がRNA断片の場合は、逆転写活性を有するリバーストランスクリプターゼを使用し、RNA鎖を鋳型にして伸長反応を行うことが可能である。さらにリバーストランスクリプターゼとTaq DNAポリメラーゼを併用し、RT(リバーストランスクリプション)反応に引き続いてPCR反応を行う、RT−PCR法を用いることができる。
【0038】
LCR(特開平5−2934号)は、一本鎖DNAに2本の相補的なオリゴヌクレオチドプローブ鎖をend-to-tailに結合させて、耐熱性リガーゼで2本のオリゴヌクレオチド鎖間のニックを封じる。その結合したDNA鎖が変性で遊離し、また鋳型となり、増幅するという方法である。プローブ配列を工夫し、増幅が起きたか否かでSNP判定することができる。また、LCRを改良して、2つのプライマー間にギャップを設定し、その間をポリメラーゼで埋める方法(Gap-LCR:Nucleic Acids Research、第23巻、4号、675(1995))も開発されている。この方法を用いると、ポリメラーゼ伸長反応によるピロ燐酸の生成を測定することでSNPを判定することも可能になる。
【0039】
SDA(Strand Displacement Amplification:特開平5−130870号)は、エクソヌクレアーゼを用いたサイクリングアッセイ法であり、ポリメラーゼ伸長反応を利用したターゲット核酸断片の目的部位の増幅法の一つである。この方法は、ターゲット核酸断片の目的部位に特異的にハイブリダイゼーションしたプライマーを起点としたポリメラーゼ伸長反応とともに、5’→3’エクソヌクレアーゼを作用させて、プライマーを逆方向から分解する方法である。分解したプライマーの代わりに新たなプライマーがハイブリダイゼーションし、再度DNAポリメラーゼによる伸長反応が進行する。このポリメラーゼによる伸長反応と、この先に伸長した鎖を外すエクソヌクレアーゼによる分解反応が順次、周期的に繰り返される。ここで、ポリメラーゼによる伸長反応とエクソヌクレアーゼによる分解反応は等温条件で実施することが可能である。プライマー配列を工夫することで、ポリメラーゼ反応が起きたか否かでSNP判定することが可能である。
【0040】
LAMP法は、近年開発されたターゲット核酸断片の目的部位の増幅法である。この方法は、ターゲット核酸断片の少なくとも6箇所の特定部位を相補的に認識する少なくとも4種のプライマーと、5’→3’方向へのヌクレアーゼ活性がなく、かつ鋳型上の2本鎖DNAを1本鎖DNAとして遊離させながら伸長反応を触媒する鎖置換型のBstDNAポリメラーゼを使用することで、等温条件でターゲット核酸断片の目的部位を、特別な構造として増幅する方法である。このプライマー配列を工夫し、増幅が起きたか否かでSNP判定することが可能である。また、このLAMP法の増幅効率は高く、ポリメラーゼ伸長反応で生成するピロ燐酸の蓄積量も非常に多くなるので、ピロ燐酸を検出することでSNPを検出することが容易になる。
【0041】
ICAN法も、近年開発されたターゲット核酸断片の目的部位の増幅法である。RNA−DNAキメラプライマー、鎖置換活性と鋳型交換活性を有するDNAポリメラーゼ、RNaseHを用いる等温の遺伝子増幅法である。キメラプライマーが鋳型と結合した後、DNAポリメラーゼにより相補鎖が合成される。その後、RNaseHがキメラプライマー由来のRNA部分を切断し、切断部分から鎖置換反応と鋳型交換反応を伴った伸長反応が起きるこの反応が繰り返し起こることにより遺伝子が増幅される。このプライマー配列を工夫し、増幅が起きたか否かでSNP判定することが可能である。また、このICAN法の増幅効率は高く、ポリメラーゼ伸長反応で生成するピロ燐酸の蓄積量も非常に多くなるので、ピロ燐酸を検出することでSNPを検出することが容易になる。
【0042】
(E)検出:
本発明は、PCR等のポリメラーゼ反応後の産物量をヘテロ接合における各アレル由来の産物間で等しくするという目的に依るものなので、産物量が定量できるものであれば制限を受けないことはいうまでもない。
【0043】
検出法としては、電気泳動、液体クロマトグラフィー、質量分析計などの生成産物を直接測定する方法や、あるいはポリメラーゼ反応の結果生じるピロリン酸等を検出する方法も含まれる。定量性を考慮すれば、好ましくはピロリン酸を定量することによる検出法であり、簡便性を考慮すると、乾式分析素子を用いてピロリン酸を定量する方法がさらに好ましい。
【0044】
従来からピロ燐酸(PPi)の検出法としては、式1に示された方法が知られている。この方法では、ピロ燐酸(PPi)をスルフリラーゼによりアデノシン3燐酸(ATP)に変換し、アデノシン3燐酸がルシフェラーゼによりルシフェリンに作用して生じる発光を検出する。そのため、この方法でピロ燐酸(PPi)を検出するには発光を測定できる装置が必要である。
【0045】
【化1】
Figure 0004116856
【0046】
本発明に適したピロ燐酸の検出方法は式2または式3に示した方法である。式2または式3に示した方法は、ピロ燐酸(PPi)をピロホスファターゼで無機燐(Pi)に変換し、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(PNP)により無機燐(Pi)をキサントシンまたはイノシンと反応させ、生じたキサンチンまたはヒポキサンチンをキサンチンオキシダーゼ(XOD)により酸化して尿酸を生成させ、この酸化過程で生じる過酸化水素(H22)を用いてペルオキシダーゼ(POD)により発色剤(色素前駆体)を発色させ、これを比色するものである。これら式2または式3に示した方法では結果を比色で検出できるため、目視または簡単な比色測定装置を用いてピロ燐酸(PPi)の検出が可能である。
式2及び式3:
【0047】
【化2】
Figure 0004116856
【0048】
【化3】
Figure 0004116856
【0049】
ピロホスファターゼ(EC3,6,1,1)プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(PNP,EC2.4.2.1)、キサンチンオキシダーゼ(XOD,EC1.2.3.2)及びペルオキシダーゼ(POD,EC1.11.1.7)は市販のものを使用することができる。発色剤(すなわち色素前駆体)は、過酸化水素とペルオキシダーゼ(POD)により色素を生成させるものであればよく、例えば、ロイコ色素の酸化によって色素を生成する組成物(例、米国特許4,089,747等に記載のトリアリールイミダゾールロイコ色素、特開昭59−193352号公報(EP 0122641A)等に記載のジアリールイミダゾーロイコ色素);酸化されたときに他の化合物とカップリングにより色素を生成する化合物を含む組成物(例えば4−アミノアンチピリン類とフェノール類又はナフトール類)などを使用することができる。
【0050】
(F)乾式分析素子:
本発明において使用することのできる乾式分析素子とは、一層または複数層の機能層からなる分析素子であって、その少なくとも一層(または複数の層に渡って)に検出試薬を含有させ、層内での反応により生じた生成色素を、分析素子の外から反射光あるいは透過光により比色定量するものである。
【0051】
このような乾式分析素子を用いて定量分析するには、液体試料を展開層の表面に一定量点着する。展開層で展開された液体試料は試薬層に達し、ここで試薬と反応し、発色する。点着後、乾式分析素子を適当な時間、一定温度に保って(インクベーション)発色反応を充分に進行させた後、例えば透明支持体側から照明光を試薬層に照射し、特定波長域で反射光量を測定して反射光学濃度を求め、予め求めておいた検量線に基づいて定量分析を行う。
【0052】
乾式分析素子においては、検出を行うまでは乾燥状態で貯蔵・保管されるため、試薬を用時調製する必要がなく、また一般に乾燥状態の方が試薬の安定性が高いことから、試薬溶液を用時調製しなければならないいわゆる湿式法より簡便性、迅速性に優れている。また、微量の液体試料で、精度の高い検査を迅速に行うことができる検査方法としても優れている。
【0053】
(G)ピロ燐酸定量用乾式分析素子:
本発明で使用することのできるピロ燐酸定量用乾式分析素子は、公知の多種の乾式分析素子と同様の層構成とすることができる。乾式分析素子は、前記(E)項(ピロ燐酸(PPi)の検出)における、式2または式3の反応を行うための試薬の他、支持体、展開層、検出層、光遮蔽層、接着層、吸水層、下塗り層その他の層を含む多重層としてもよい。このような乾式分析素子として、例えば特開昭49−53888号公報(対応米国特許3,992,158)、特開昭51−40191号公報(対応米国特許4,042,335)、及び特開昭55−164356号公報(対応米国特許4,292,272)、特開昭61−4959号公報(対応EPC公開特許0166365A)の各明細書に開示されたものがある。
【0054】
本発明で用いることができる乾式分析素子としては、ピロ燐酸を無機燐に変換する試薬、および無機燐の量に応じた発色反応を行う試薬群を含有する試薬層を備えるピロ燐酸定量用乾式分析素子が挙げられる。
このピロ燐酸定量用乾式分析素子においては、ピロホスファターゼを用いて酵素的にピロ燐酸(PPi)を無機燐(Pi)に変換するまでは本明細書中上記した通り行うことができ、それ以降は、生化学検査分野で既知の以下に述べる「無機燐の定量法」(及びそれらに用いられる各反応の組み合わせ)を用いることにより、無機燐(Pi)の量に応じた発色反応を行うことができる。
【0055】
なお、「無機燐」を表記する場合、燐酸(燐酸イオン)として、「Pi」と表記する場合と「HPO4 2-、H2PO4 1-」と表記する両方の場合がある。以下に示す反応の例では、「Pi」として表記するが、同じ反応式に対して「HPO4 2-」と表記する場合もある。
【0056】
無機燐の定量法としては酵素法と燐モリブテン酸塩法が知られている。以下、無機燐の定量法としての酵素法と燐モリブテン酸塩法について説明する。
【0057】
A.酵素法
Piを定量検出するための一連の反応における最後の「呈色反応」に用いる酵素に応じて、ペルオキシダーゼ(POD)を用いる方法とグルコース−6−燐酸デヒドロゲナーゼ(G6PDH)を用いる方法がある。以下、これらの方法の具体例を説明する。
【0058】
(1)ペルオキシダーゼ(POD)を用いる方法の例
(1−1)
無機燐(Pi)を、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(PNP)により、イノシンと反応させ、生じたヒポキサンチンをキサンチンオキシダーゼ(XOD)により酸化して尿酸を生成する。この酸化過程で生じる過酸化水素(H22)を用いて、ペルオキシダーゼ(POD)により、4−アミノアンチピリン(4−AA)とフェノールとを酸化縮合させてキノンイミン色素を形成し、これを比色する。
【0059】
(1−2)
無機燐(Pi)、コカルボキシラーゼ(TPP)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)、Mg2+の存在下で、ピルビン酸をピルビン酸オキシダーゼ(POP)により酸化してアセチル酢酸を生成する。この酸化過程で生じる過酸化水素(H22)を用いて、上記(1−1)の場合と同様に、ペルオキシダーゼ(POD)により、4−アミノアンチピリン(4−AA)とフェノールとを酸化縮合させてキノンイミン色素を形成し、これを比色する。
【0060】
なお、上記の(1−1)および(1−2)における最後の呈色反応は、過酸化水素の検出試薬として既知の「Trinder試薬」を使用して行うことができる。この反応で、フェノールは「水素供与体」として働く。「水素供与体」として用いるフェノールは古典的で、現在は改良された様々な「水素供与体」が使用されている。このような水素供与体の具体例としては、N−エチル−N−スルホプロピル−m−アニリジン、N−エチル−N−スルホプロピルアニリン、N−エチル−N−スルホプロピル−3,5−ジメトキシアニリン、N−スルホプロピル−3,5−ジメトキシアニリン、N−エチル−N−スルホプロピル−3,5−ジメチルアニリン、N−エチル−N−スルホプロピル−m−トルイジン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−アニリジン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)アニリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン、N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメチルアニリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−トルイジン、及びN−スルホプロピルアニリンなどが挙げられる。
【0061】
(2)グルコース−6−燐酸デヒドロゲナーゼ(G6PDH)を用いる方法
(2−1)
無機燐(Pi)とグリコーゲンとをホスホリラーゼを用いて反応させ、グルコース−1−燐酸(G−1−P)を生成させる。生じたグルコース−1−燐酸をホスホグルコムターゼ(PGM)により、グルコース−6−燐酸(G−6−P)にする。グルコース−6−燐酸とニコチアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)との存在下、グルコース−6−燐酸デヒドロゲナーゼ(G6PDH)により、NADを還元してNADHにし、これを比色する。
【0062】
(2−2)
無機燐(Pi)とマルトースとをマルトースホスホリラーゼ(MP)を用いて反応させ、グルコース−1−燐酸(G−1−P)を反応させる。以下、上記(2−1)と同様に、生じたグルコース−1−燐酸をホスホグルコムターゼ(PGM)により、グルコース−6−燐酸(G−6−P)にする。グルコース−6−燐酸とニコチアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)との存在下、グルコース−6−燐酸デヒドロゲナーゼ(G6PDH)により、NADを還元してNADHにし、これを比色する。
【0063】
B.燐モリブテン酸塩法
酸性下で無機燐(燐酸塩)と水溶性モリブテン酸イオンとを錯化させた「燐モリブテン酸塩(H3[PO4Mo1236])を直接定量する「直接法」と、上記直接法の反応に続いて、還元剤により、Mo(IV)からMo(III)として、モリブテン青(Mo(III))を定量する「還元法」とがある。水溶性モリブテン酸イオンの例としては、モリブテン酸アルミニウム、モリブテン酸カドミウム、モリブテン酸カルシウム、モリブテン酸バリウム、モリブテン酸リチウム、モリブテン酸カリウム、モリブテン酸ナトリウム、モリブテン酸アンモニウムなどが挙げられる。還元法で使用される代表的な還元剤の例としては、1,2,4アミノナフトールスルホン酸、硫酸第一鉄アンモニウム、塩化第一鉄、塩化第一スズ−ヒドラジン、硫酸−p−メチルアミノフェノール、N,N−ジメチル−フェニレンジアミン、アスコルピン酸、マラカイトグリーンなどが挙げられる。
【0064】
光透過性水不透過性支持体を用いる場合の乾式分析素子は、実用的に次のような構成を取り得る。ただし、本発明の内容はこれに限定されない。
(1) 支持体上に試薬層を有するもの。
(2) 支持体上に検出層、試薬層をこの順に有するもの。
(3) 支持体上に検出層、光反射層、試薬層をこの順に有するもの。
(4) 支持体上に第2試薬層、光反射層、第1試薬層をこの順に有するもの。
(5) 支持体上に検出層、第2試薬層、光反射層、第1試薬層をこの順に有するもの。
【0065】
上記(1)ないし(3)において試薬層は異なる複数の層から成ってもよい。例えば第1試薬層には、式2または式3に示すピロホスファターゼ反応に必要な酵素ピロホスファターゼ、PNP反応に必要な基質キサントシンまたは基質イノシンと酵素PNPを、第2試薬層には、式2または式3に示すXOD反応に必要な酵素XODを、そして第3試薬層には、式2または式3に示すPOD反応に必要な酵素PODと発色色素(色素前駆体)を、それぞれ含有させてもよい。あるいは試薬層を2層として、第1試薬層ではピロホスファターゼ反応とPNP反応を、第2試薬層ではXOD反応とPOD反応を進行させてもよい。又は、第1試薬層ではピロホスファターゼ反応とPNP反応とXOD反応を、第2試薬層でPOD反応を進行させてもよい。
【0066】
なお支持体と試薬層又は検出層との間には吸水層を設けてもよい。また各層の間には濾過層を設けてもよい。また試薬層の上には展開層を設けてもよく、その間に接着層を設けてもよい。
【0067】
支持体は光不透過性(不透明)、光半透過性(半透明)、光透過性(透明)のいずれのものも用いることができるが、一般的には光透過性で水不透過性の支持体が好ましい。光透過性水不透過性支持体の材料として好ましいものはポリエチレンテレフタレート、ポリスチレンである。親水性層を強固に接着させるため通常、下塗り層を設けるか、親水化処理を施す。
【0068】
試薬層として多孔性層を用いる場合、その多孔性媒体は繊維質であってもよいし、非繊維質であってもよい。繊維質材料としては、例えば濾紙、不織布、織物布地(例えば平織り布地)、編物布地(例えばトリコット編物布地)、ガラス繊維濾紙等を用いることができる。非繊維質材料としては特開昭49−53888号公報等に記載の酢酸セルロースなどからなるメンブランフイルター、特開昭49−53888号公報、特開昭55−90859号公報(対応米国特許4,258,001)特開昭58−70163号公報(対応米国特許4,486,537)等に記載の無機物又は有機物微粒子からなる連続空隙含有粒状構造物層等のいずれでもよい。特開昭61−4959号公報(対応欧州公開EP 0166365A)、特開昭62−116258号公報、特開昭62−138756号公報(対応欧州公開EP 0226465A)、特開昭62−138757号公報(対応欧州公開EP 0226465A)、特開昭62−138758号公報(対応欧州公開EP 0226465A)等に記載の部分接着された複数の多孔性層の積層物も好適である。
【0069】
多孔性層は、供給される液体の量にほぼ比例した面積に液体を展開する、いわゆる計量作用を有する展開層であってもよい。展開層としては、これらのうち織物布地、編物布地などが好ましい。織物布地などは特開昭57−66359号公報に記載されたようなグロー放電処理をしてもよい。展開層には、展開面積、展開速度等を調節するため特開昭60−222770号公報(対応:EP 0162301A)、特開昭63−219397号公報(対応西独特許公開DE 3717913A)、特開昭63−112999号公報(対応:DE 3717913A)、特開昭62−182652号公報(対応:DE 3717913A)に記載したような親水性高分子あるいは界面活性剤を含有させてもよい。
【0070】
例えば紙、布、高分子からなる多孔質膜等に本発明の試薬を予め含浸又は塗布した後、支持体上に設けた他の水浸透性層、例えば検出層の上に、特開昭55−1645356号公報のような方法で接着させるのも有用な方法である。
【0071】
こうして作られる試薬層の厚さは特に制限されないが、塗布層として設ける場合には、1μm〜50μm程度、好ましくは2μm〜30μmの範囲が適当である。ラミネートによる積層など、塗布以外の方法による場合、厚さは数十μmから数百μmの範囲で大きく変化し得る。
【0072】
親水性ポリマーバインダーからなる水浸透性層で試薬層を構成する場合、使用できる親水性ポリマーとしては、例えば、以下のものがある。ゼラチン及びこれらの誘導体(例えばフタル化ゼラチン)、セルロース誘導体(例えばヒドロキシエチルセルロース)、アガロース、アルギン酸ナトリウム、アクリルアミド共重合体やメタアクリルアミド共重合体(例えば、アクリルアミド又はメタアクリルアミドと各種ビニル性モニマーとの共重合体)、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸と各種ビニル性モノマーとの共重合体などである。
【0073】
親水性ポリマーバインダーで構成される試薬層は、特公昭53−21677号公報(対応米国特許3,992,158)、特開昭55−164356号公報(対応米国特許4,292,272)、特開昭54−101398号公報(対応米国特許4,132,528)等の明細書に記載の方法に従って本発明の試薬組成物と親水性ポリマーを含む水溶液又は水分散液を支持体又は検出層等の他の層の上に塗布し乾燥することにより設けることができる。親水性ポリマーをバインダーとする試薬層の乾燥時の厚さは約2μm〜約50μm、好ましくは約4μm〜約30μmの範囲、被覆量では約2g/m2〜約50g/m2、好ましくは約4g/m2〜約30g/m2の範囲である。
【0074】
試薬層には式2または式3の試薬組成物の他に、塗布特性、拡散性化合物の拡散性、反応性、保存性等の諸性能の向上を目的として、酵素の活性化剤、補酵素、界面活性剤、pH緩衝剤組成物、微粉末、酸化防止剤、その他、有機物あるいは無機物からなる各種添加剤を加える事ができる。試薬層に含有させることができる緩衝剤はの例としては、日本化学学会編「化学便覧 基礎」(丸善(株)、1966年発行)1312−1320頁、R.M.C.Dawson et al編、「Data for Biochemical Research」第2版(Oxford at the Clarendon Press,1969年発行)476−508頁、「Biochemistry」5,467−477頁(1966年)、「Analytical Biochemistry」104,300−310頁(1980年)に記載のpH緩衝剤系がある。pH緩衝剤系の具体例として硼酸塩を含む緩衝剤;クエン酸又はクエン酸塩を含む緩衝剤;グリシンを含む緩衝剤;ビシン(Bicine)を含む緩衝剤;HEPESを含む緩衝剤;MESを含む緩衝剤などのグッド緩衝剤等がある。なお燐酸塩を含む緩衝剤は、ピロ燐酸検出用乾式分析素子に使用することはできない。
【0075】
本発明で使用することのできる、ピロ燐酸定量用乾式分析素子は前述の諸特許明細書に記載の公知の方法により調製することができる。ピロ燐酸定量用乾式分析素子は一辺約5mmから約30mmの正方形またはほぼ同サイズの円形等の小片に裁断し、特公昭57−283331号公報(対応米国特許4,169,751)、実開昭56−142454号公報(対応米国特許4,387,990)、特開昭57−63452号公報、実開昭58−32350号公報、特表昭58−501144号公報(対応国際公:WO083/00391)等に記載のスライド枠に収めて化学分析スライドとして用いることが製造,包装,輸送,保存,測定操作等の観点で好ましい。使用目的によっては、長いテープ状でカセットまたはマガジンに収めて用いたり、又は小片を開口のある容器内に収めて用いたり、又は小片を開口カードに貼付または収めて用いたり、あるいは裁断した小片をそのまま用いることなどもできる。
【0076】
本発明で使用することのできるピロ燐酸定量用乾式分析素子は前述の諸特許明細書等に記載の操作と同様の操作により液体試料中の被検物であるピロ燐酸の定量検出ができる。例えば約2μL〜約30μL、好ましくは4μL〜15μLの範囲の水性液体試料液を試薬層に点着する。点着した分析素子を約20℃〜約45℃の範囲の一定温度で、好ましくは約30℃〜約40℃の範囲内の一定温度で1〜10分間インキュベーションする。分析素子内の発色又は変色を光透過性支持体側から反射測光し、予め作成した検量線を用いて比色測定法の原理により検体中のピロ燐酸の量を求めることができる。点着する液体試料の量、インキュベーション時間及び温度を一定にすることにより定量分析を高精度に実施できる。
【0077】
測定操作は特開昭60−125543号公報、特開昭60−220862号公報、特開昭61−294367号公報、特開昭58−161867号公報(対応米国特許4,424,191)などに記載の化学分析装置により極めて容易な操作で高精度の定量分析を実施できる。なお、目的や必要精度によっては目視により発色の度合いを判定して、半定量的な測定を行ってもよい。
【0078】
本発明で使用することのできる、ピロ燐酸定量乾式分析素子においては、分析を行うまでは乾燥状態で貯蔵・保管されるため、試薬を用時調製する必要がなく、また一般に乾燥状態の方が試薬の安定性が高いことから、試薬溶液を用時調製しなければならないいわゆる湿式法より簡便性、迅速性に優れている。また、微量の液体試料で、精度の高い検査を迅速に行うことができる検査方法としても優れている。
【0079】
本発明の第二の形態において使用することのできる無機燐定量用乾式分析素子は、前記のピロ燐酸定量乾式分析素子における試薬層からピロホスファターゼを除くことで調製することができる。また、特開平7−197号公報に記載の乾式分析素子を使用することも可能である。無機燐定量用乾式分析素子は、試薬層にピロホスファターゼを含有しない以外は、その層構成、製造方法、使用方法において、前記ピロ燐酸定量乾式分析素子と同様である。
以下、実施例にて本発明を詳細に説明する。しかしながら、本実施例により本発明の技術的範囲が限定されるものではない。
【0080】
【実施例】
<参考例1(比較例)>
ピロ燐酸定量用乾式分析素子を用いたアルデヒド脱水素酵素遺伝子(ALDH2遺伝子)関連部位の1塩基多型(SNPs)検出 (1塩基多型に対応する部分をプライマーの3'末端付近に設定した例)
(1)ターゲット核酸断片を含む核酸試料液の調製
予め塩基配列のシーケンシングにより、ALDH2遺伝子関連部位の特定の1塩基種が異なることにより、ALDH2活性型、ALDH2低活性型、不活性型であることが既知である、各々1人から採取した血液試料のそれぞれから、市販の核酸抽出、精製キット(QIAGEN社製、QIAamp DNA BloodMini Kit)を用いて抽出、精製したゲノミック核酸断片を1mLの精製蒸留水中に回収することで、ターゲット核酸断片を含む核酸試料液を調製した。
【0081】
(2)ピロ燐酸定量用乾式分析素子の作製
ゼラチン下塗層が設けられている厚さ180μmの無色透明ポリエチレンテレフタレ−ト(PET)平滑フイルムシ−ト(支持体)上に表1記載の組成(a)の水溶液を、以下の被覆率となるように塗布し、乾燥して試薬層を設けた。
【0082】
【表1】
試薬層水溶液の組成 ( )
ゼラチン 18.8g/m2
p-ノニルフェノキシポリキシド−ル 1.5g/m2
(グリシド−ル単位:平均10含有)
(C919−Ph−O−(CH2CH(OH)−CH2−O)10H)
キサントシン 1.96g/m2
ペルオキシダ−ゼ 15000IU/m2
キサンチンオキシダ−ゼ 13600IU/m2
プリンヌクレオシドホスホリラ−ゼ 3400IU/m2
ロイコ色素 0.28g/m2
(2−(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−4−
フェネチル−5−(4−ジメチルアミノフェニル)イミダゾ−ル)
水 136g/m2
( 希NaOH溶液でpHを6.8に調整 )
【0083】
この試薬層の上に下記の表2記載の組成(b)の接着層水溶液を以下の被覆率となるように塗布し、乾燥して接着層を設けた。
【0084】
【表2】
接着層水溶液の組成 ( )
ゼラチン 3.1g/m2
p-ノニルフェノキシポリキシド−ル 0.25g/m2
(グリシド−ル単位:平均10含有)
(C919−Ph−O−(CH2CH(OH)−CH2−O)10H)
水 59g / 2
【0085】
次いで接着層の上に30g/m2の割合で水を全面に供給してゼラチン層を膨潤させ、その上に純ポリエステル製のブロ−ド織物布地をほぼ一様に軽く圧力をかけてラミネ−トして多孔性展開層を設けた。
【0086】
次にこの展開層の上から下記の表3記載の組成(c)の水溶液を以下の被覆率となるようにほぼ均一塗布し、乾燥させ、13mm×14mmに裁断し、プラスチック製マウント材内に収めることで、ピロ燐酸定量用乾式分析素子を作成した。
【0087】
【表3】
展開層水溶液の組成 ( )
HEPES 2.3g/m2
スクロ−ス 5.0g/m2
ヒドロキシプロピルメチルセルロ−ス 0.04g/m2
(メトキシ基19〜24%、ヒドロキシプロポキシ基4〜12%)
ピロフォスファタ−ゼ 14000IU/m2
水 98.6g/m2
( 希NaOH溶液でpHを7.2に調整 )
【0088】
(3)PCR増幅
上記(1)で、ALDH2活性型またはALDH2不活性型それぞれのヒト全血試料から抽出・精製して得たタ−ゲット核酸断片を含む核酸試料液をそのまま用いて、以下の条件でPCR増幅を行った。
【0089】
<プライマー>
プライマーは、12番染色体上のALDH2遺伝子関連部位のなかに、共通のプライマー(upper)と、ALDH2の活性を決定する1塩基多型に対応する部分を3'末端付近に設定(lower-1とlower-2に記載のプライマー塩基配列の下線部分)した、ALDH2活性型および不活性型に対応する、2種のプライマ−(lower−1)および、プライマ−(lower−2)のセットを使用した。なお。lowerプライマーの1塩基多型に対応する配列の1塩基分5‘上流の塩基を変え(T→A)、人為的にミスマッチを作り出した.
【0090】
Figure 0004116856
【0091】
以下に示す反応液の組成で、[変性:94℃・20秒、アニーリング:60℃・30秒、ポリメラーゼ伸長反応:72℃・1分30秒]を35サイクル繰り返すことでPCR増幅を実施した。
【0092】
<反応液の組成>
10×PCRバッファ− 5μL
2.5mM dNTP 5μL
5μMプライマ−(upper) 2μL
5μMプライマ−(lower-1または-2) 2μL
Taq 0.5μL
(1)で得た核酸断片試料液 0.5μL
精製水 35μL
【0093】
(4)ピロ燐酸定量用分析素子を用いた検出
前記(3)におけるPCR増幅反応後の溶液をそのまま、上記(2)で製作したピロ燐酸定量用乾式分析素子上に各々20μL点着し、ピロ燐酸定量用乾式分析素子を37℃にて5分間インキュベーション後、波長650nmにて支持体側から反射光学濃度(ODR)を測定した。得られた結果を以下の表4に示す。
【0094】
【表4】
Figure 0004116856
【0095】
参考例1の結果より、試料中の既知であるALDH2の活性型とピロ燐酸定量用乾式分析素子を用いて測定した反射光学濃度(ODr)との関係は一致している。すなわちアルデヒド脱水素酵素遺伝子(ALDH2遺伝子)関連部位の1塩基多型(SNPs)を検出できていることがわかる。しかしながら、低活性型の各対立遺伝子におけるピロリン酸の生成量が異なるため、活性型と低活性型の判定が難しいことがわかる。
【0096】
<実施例1>
ピロ燐酸定量用乾式分析素子を用いたアルデヒド脱水素酵素遺伝子(ALDH2遺伝子)関連部位の1塩基多型(SNPs)検出 (プライマーの塩基を各対立遺伝子に応じて設定した例)
【0097】
(1)ターゲット核酸断片を含む核酸試料液の調製
参考例1と同様に、予め塩基配列のシーケンシングにより、ALDH2活性型、ALDH2低活性型、不活性型であることが既知であるそれぞれ1人の血液試料から、ターゲット核酸断片を含む核酸試料液を調製した。
【0098】
(2)ピロ燐酸定量用乾式分析素子の作製
参考例1と同様に行った.
【0099】
(3)PCR増幅
上記(1)で、ALDH2活性型またはALDH2不活性型それぞれのヒト全血試料から抽出・精製して得たタ−ゲット核酸断片を含む核酸試料液をそのまま用いて、以下の条件でPCR増幅を行った。
【0100】
<プライマー>
プライマーは、12番染色体上のALDH2遺伝子関連部位のなかに、共通のプライマー(upper)と、ALDH2の活性を決定する1塩基多型に対応する部分を3'末端付近に設定(lower-1とlower-2に記載のプライマー塩基配列の下線部分)した、ALDH2活性型および不活性型に対応する、2種のプライマ−(lower−1)および、プライマ−(lower−2)のセットを使用した。なお、人為的にミスマッチを作り出すため、lowerプライマーの1塩基多型に対応する配列の1塩基分5‘上流の塩基を(T→A)に変えたものと、(C→A)に変えたもののそれぞれを用いた.
【0101】
Figure 0004116856
【0102】
以下に示す反応液の組成で、[変性:94℃・20秒、アニーリング:60℃・30秒、ポリメラーゼ伸長反応:72℃・1分30秒]を35サイクル繰り返すことでPCR増幅を実施した。
【0103】
<反応液の組成>
10×PCRバッファ− 5μL
2.5mM dNTP 5μL
5μMプライマ−(upper) 2μL
5μMプライマ−(lower-1A,C又は-2A,C) 2μL
Taq 0.5μL
(1)で得た核酸断片試料液 0.5μL
精製水 35μL
【0104】
(4)ピロ燐酸定量用分析素子を用いた検出
前記(3)におけるPCR増幅反応後の溶液をそのまま、上記(2)で製作したピロ燐酸定量用乾式分析素子上に各々20μL点着し、ピロ燐酸定量用乾式分析素子を37℃にて5分間インキュベーション後、波長650nmにて支持体側から反射光学濃度(ODR)を測定した。得られた結果を以下の表5に示す。
【0105】
【表5】
Figure 0004116856
【0106】
実施例1の結果より、ピロ燐酸定量用乾式分析素子を用いて測定した反射光学濃度(ODr)は、低活性型の試料において、活性型プライマーとして1A、不活性型プライマーとして2Cを用いれば、等しくなっている。これにより、活性型/不活性型と低活性型との判別が明らかにできるようになった。
【0107】
【発明の効果】
本発明によれば、1塩基多型を正確、簡便かつ迅速に検出することが可能になった。特に、本発明によれば、対立遺伝子のヘテロ接合とホモ接合を明確に区別することが可能である。
【0108】
【配列表】
Figure 0004116856
【0109】
Figure 0004116856
【0110】
Figure 0004116856
【0111】
Figure 0004116856
【0112】
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【0113】
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【0114】
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【0115】
Figure 0004116856

【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施形態を説明する概念図を示す。

Claims (10)

  1. ヘテロ接合における各対立遺伝子の増幅量が実質的に同じになるように設計した2種類の対立遺伝子特異的プライマーを用いる、1塩基多型の検出方法において、多型部位の隣接塩基にミスマッチ塩基を導入した対立遺伝子特異的プライマーを用い、かつ1塩基多型の検出が、1塩基多型の正常型ホモ、変異型ホモ、又はヘテロ接合を判別することを含む上記方法。
  2. 対立遺伝子特異的プライマーの3'末端から4塩基以内に多型部位が存在するように設計した対立遺伝子特異的プライマーを用いる請求項1に記載の方法。
  3. 多型部位に隣接するミスマッチ塩基を各対立遺伝子に応じて選択した対立遺伝子特異的プライマーを用いる、請求項1又は2に記載の方法。
  4. ポリメラーゼ反応を利用して1塩基多型を検出する、請求項1からの何れかに記載の方法。
  5. ポリメラーゼ反応生成物を用いて1塩基多型を検出する、請求項1からの何れかに記載の方法。
  6. 検出手段として電気泳動、クロマトグラフィー又はHPLCを用いて1塩基多型を検出する、請求項5に記載の方法。
  7. ポリメラーゼ反応時の副反応生成物を用いて1塩基多型を検出する、請求項1からの何れかに記載の方法。
  8. 副反応生成物がピロリン酸である、請求項に記載の方法。
  9. 乾式分析素子を用いてピロリン酸の検出を行う、請求項に記載の方法。
  10. 各対立遺伝子の増幅量が実質的に同じになるように設計した2種類の対立遺伝子特異的プライマーであって、多型部位の隣接塩基にミスマッチ塩基を導入した対立遺伝子特異的プライマーを含む、請求項1からの何れかに記載の方法を行うためのプライマーセット。
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