JP4115191B2 - モータの制御装置及び制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はモータの制御装置及び制御方法に関し、特に、モータを動力源として使用して機構を駆動する機器における、デジタルエンコーダの出力信号に基づいた速度サーボを行なう、モータの制御装置及び制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ等に於ける情報出力装置として、所望される文字や画像等の情報を用紙やフィルム等シート状の記録媒体に記録を行うプリンタが広く使用されている。
【0003】
プリンタの記録方式としては様々な方式が知られているが、用紙等の記録媒体に非接触記録が可能である、カラー化が容易である、静粛性に富む、等の理由でインクジェット方式が近年特に注目されており、又その構成としては所望される記録情報に応じてインクを吐出する記録ヘッドを装着すると共に用紙等の記録媒体の送り方向と交差する方向に往復走査しながら記録を行なうシリアル記録方式が安価で小型化が容易などの点から一般的に広く用いられている。
【0004】
インクジェットプリンタの機構部分の駆動源としてはモータが使用されており、記録ヘッドを搭載したキャリッジを往復駆動するキャリッジモータ、記録媒体を給紙するASFモータ、ヘッドクリーニング等を行う回復系モータ、記録媒体を記録スキャン毎に送る紙送りモータ等が使用されている。従来、低コスト化が容易であり、制御が簡単である等の理由により、上記駆動源としてはステッピングモータが多く使用されていた。
【0005】
インクジェットプリンタは、上記のようにノンインパクト方式である為に騒音が少ないが、更なる静音化に加え、回転ムラや振動が少ない、高速化や高精度な制御が可能であるなどの理由で、上記駆動源としてDCモータが使用されることが多くなっている。この場合、DCモータの制御情報を得るためにエンコーダを使用するのが一般的である。
【0006】
図12は、DCモータの制御に使用されるデジタルエンコーダの動作原理を示す図である。図示されたデジタルエンコーダは光学式エンコーダであり、LED701が発生した光のうちコードホイール702を通過した光をディテクタ703で検出して信号を発生するように構成されている。
【0007】
コードホイール702上には、光を透過する部分704と光を透過しない部分705とが決められた間隔で交互に配置されている。ディテクタ703には複数のフォトダイオード706,707,708,709が決められた間隔で配置さており、各フォトダイオード706,707,708,709で検出された光を基に電気信号A 710、電気信号*A 711、電気信号B 712、電気信号*B 713に変換して出力し、出力された電気信号710,711,712,713は、コンパレーター714,715に入力されて差動出力のチャネルA716及びチャネルB717として出力される。
【0008】
デジタルエンコーダから出力される信号には、様々な原因によりノイズが発生する可能性がある。このノイズの影響を無くす為に、一般的にデジタルエンコーダから出力された信号を、デジタルLPF(ローパスフィルタ)を通して使用する。
【0009】
図13は、エンコーダ出力に接続されるLPFの回路図の例を示している。複数のDFF801,802,803,804をシリアルに接続してシフトレジスタを構成する。このシフトレジスタにデジタルエンコーダからの出力信号805が入力され、クロック信号CLK806が入力される度に順次DFF801の状態がDFF802に、DFF802の状態がDFF803に、DFF803の状態がDFF804に伝搬される。各DFF802,803,804の出力は、AND(論理和)ゲート807に入力され、ANDゲート807の出力は、JKFF808のJ入力に入力される。一方、各DFF802,803,804の反転出力も別のANDゲート809に入力され、ANDゲート809の出力はJKFF808のK入力に入力される。
【0010】
この回路の動作を説明すると、3つのDFF802,803,804の出力が全てHighレベルになるとANDゲート807からHighレベル信号が出力され、その結果JKFF808はHighレベル信号を出力する。また、3つのDFF802,803,804の出力が全てLowレベルになるとANDゲート809からHighレベル信号が出力され、その結果JKFF808はLowレベル信号を出力する。つまり、3つのDFF802,803,804の出力が全て一致した時のみJKFF808の出力が変化する。
【0011】
ここで、3つのDFF802,803,804の出力が全て一致する為には、デジタルエンコーダの出力信号805のレベルが最低クロック信号CLKの3周期以上一定である必要がある。言い換えれば、デジタルエンコーダの出力信号805のクロック信号CLKの3周期未満の短時間での変化は無視される。従って、LPFのカットオフ周波数を低く(フィルタリング効果を大きく)する場合には、シフトレジスタの段数を増やすかデータをシフトさせるタイミングを規定するクロック信号CLKの周期を遅く(周波数を低く)すればよい。
【0012】
デジタルエンコーダにおいては、解像度が150LPI(1インチ当たりのライン数)や300LPI等に予め定められており、デジタルエンコーダの出力信号の1周期に対応する物理的な距離(又は角度)がわかっている。そこで、デジタルエンコーダの1周期の時間を計測することにより、その時点での移動速度(又は角速度)を知ることができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
デジタルエンコーダの出力信号と、LPFや周期カウンタ等の制御回路とは非同期の関係にあり、これら制御回路に入力されたデジタルエンコーダの出力信号に対しては、制御回路のサンプル用クロック信号CLKで同期を取り1周期の時間を計測するが、この際に必ず量子化誤差が生じる。
【0014】
また、上記のようなインクジェットプリンタの機構部分は、停止と駆動とが短時間で繰り返されるので、モータの制御としては駆動速度が短時間のうちに変化する系を効率良くサーボ制御する必要がある。
【0015】
駆動速度が遅い場合には、デジタルエンコーダの出力信号の周期が長くなる為、上記の量子化誤差の影響は小さい。しかしながら、駆動速度が速くなるに従ってデジタルエンコーダの出力信号の周期が短くなる為、上記の量子化誤差の影響が大きくなり、その結果、検出した速度情報の精度が低下して効率良いサーボ制御が行なえないという問題が生じる。
【0016】
一方、高速駆動時の量子化誤差を低減させる為に分解能を高めるべく制御回路のサンプル用クロック信号CLKの周期を短く(周波数を高く)すると、低速駆動時のデジタルエンコーダの出力信号の周期に対するカウント値が大きくなる。このためカウンタがオーバーフローするのを防止すべく、ビット数の大きなカウンタを使用する必要があるという問題が生じる。
【0017】
近年は、上記のようなインクジェットプリンタにおいては、記録速度を高速化するために機構部分及びモータを一層高速で駆動することが行われており、上記のような問題を解決することが望まれている。
【0018】
本発明は以上のような状況に鑑みてなされたものであり、分解能を高くせずに、高速駆動を行なう際の量子化誤差を小さくすることができる、モータの制御装置及び制御方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明のモータの制御装置は、モータを動力源として使用して機構を駆動する機器におけるモータの制御装置であって、
前記機構の所定距離の移動に応じて検出信号を出力する検出手段と、
前記検出信号と所定周波数のクロック信号とを入力し前記検出信号の1周期の間に入力した前記クロック信号の数をカウントするカウンタと、前記検出信号が新たに入力されるごとに前記カウンタから出力されたカウント値を保持する第1のラッチと、前記検出信号が新たに入力されるごとに前記第1のラッチから出力されたカウント値を保持する第2のラッチとを有し、前記第1のラッチ及び前記第2のラッチに保持されたカウント値を出力する周期情報出力手段と、
前記第1のラッチに保持されたカウント値または該カウント値と前記第2のラッチに保持されたカウント値との演算値と、所定の閾値と、に基づいて、前記機構の速度情報を算出する速度情報算出手段と、
前記速度情報に基づいて、前記機構の駆動を制御する制御手段と、を備えている。
また、上記の目的を達成するために本発明のモータの制御装置は、モータを動力源として使用して機構を駆動する機器におけるモータの制御装置であって、
前記機構の所定距離の移動に応じて検出信号を出力する検出手段と、
前記検出信号の周期に関する情報をデジタル値で出力する周期情報出力手段と、
前記所定距離及び前記デジタル値に基づいて、前記機構の速度情報を算出する速度情報算出手段と、
前記速度情報に基づいて、前記機構の駆動を制御する制御手段と、を備えており、
前記周期情報出力手段は、所定の周期の間に入力されたクロック信号の数をカウントする第1のカウンタと、前記所定の周期の連続する複数周期の間に入力された前記クロック信号の数をカウントする第2のカウンタとを有し、前記第1のカウンタのカウント値に基づいて、前記第1のカウンタまたは前記第2のカウンタのいずれか一方のカウント値を前記デジタル値として出力する。
【0020】
また、上記の目的を達成する本発明のモータの制御方法は、モータを動力源として使用して機構を駆動する機器におけるモータの制御方法であって、
前記機構の所定距離の移動に応じて検出信号を出力する検出工程と、
前記検出信号と所定周波数のクロック信号とを入力し前記検出信号の1周期の間に入力した前記クロック信号の数をカウンタでカウントし、前記検出信号が新たに入力されるごとに前記カウンタから出力されたカウント値を第1のラッチに保持し、前記検出信号が新たに入力されるごとに前記第1のラッチから出力されたカウント値を第2のラッチに保持し、前記第1のラッチ及び前記第2のラッチに保持されたカウント値を出力する周期情報出力工程と、
前記第1のラッチに保持されたカウント値または該カウント値と前記第2のラッチに保持されたカウント値との演算値と、所定の閾値と、に基づいて、前記機構の速度情報を算出する速度情報算出工程と、
前記速度情報に基づいて、前記機構の駆動を制御する制御工程と、を備えていることを特徴とする。
また、上記の目的を達成する本発明のモータの制御方法は、モータを動力源として使用して機構を駆動する機器におけるモータの制御方法であって、
前記機構の所定距離の移動に応じて検出信号を出力する検出工程と、
前記検出信号の周期に関する情報をデジタル値で出力する周期情報出力工程と、
前記所定距離及び前記デジタル値に基づいて、前記機構の速度情報を算出する速度情報算出工程と、
前記速度情報に基づいて、前記機構の駆動を制御する制御工程と、を備えており、
前記周期情報出力工程において、所定の周期の間に入力されたクロック信号の数をカウントする第1のカウンタと、前記所定の周期の連続する複数周期の間に入力された前記クロック信号の数をカウントする第2のカウンタとによってカウントされたそれぞれのカウント値に基づいて、前記第1のカウンタまたは前記第2のカウンタのいずれか一方のカウント値を前記デジタル値として出力する。
【0021】
更に、上記目的は上述のモータの制御方法を実現する本発明のコンピュータプログラム、又は該プログラムを格納した記憶媒体によっても達成される。
【0022】
すなわち、本発明では、モータを動力源として使用して機構を駆動する機器におけるモータの制御において、機構の所定距離の移動に応じて検出信号を出力し、検出信号の周期に関する情報をデジタル値で出力し、所定距離及びデジタル値に基づいて、機構の速度情報を算出し、速度情報に基づいて、機構の駆動を制御するようにし、周期の長さに応じて、連続した複数の周期に関する情報をデジタル値として出力する。
【0023】
このようにすると、例えば、周期が短い場合には、連続した2つの周期に関する情報をデジタル値として出力するようにすることで、2つの周期に対するデジタル値の変動は1つの周期に対するデジタル値の変動の略半分となるので、分解能を高くせずに、見かけ上サンプリング周波数を倍にしたのと同様に、デジタル値を用いる場合に生じる量子化誤差を低減できるという効果が得られる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、本発明に係るモータ制御装置を使用する記録装置の例として、シリアル式インクジェットプリンタについて説明する。
【0025】
<インクジェットプリンタの構成>
図10は、以下で説明する本発明に係るモータ制御装置を利用するインクジェットプリンタの構成を示す、部分透視図である。
【0026】
図中1001はプラテンローラであり、搬送モータ1018によって回転駆動されて記録媒体1002を搬送すると共にその記録面を規制する。キャリッジ1004は、キャリッジモータ1014の駆動力を伝達するワイヤ1013によって2本のガイドシャフト1003に沿って移動可能に構成されている。キャリッジ1004には、記録媒体に対してインクを吐出するノズルが配列された記録ヘッド1005が搭載され、記録ヘッド1005にはフレキシブルケーブル1019を介して記録すべき画像に対応した吐出信号が供給される。
【0027】
キャリッジモータ1014のエンコーダは、キャリッジ1004の移動方向(ガイドシャフト)に沿って設けられるリニア型のデジタルエンコーダであり、キャリッジ1004が一定距離移動する度に矩形波(パルス)状の信号を出力する。一方、搬送モータ1018のエンコーダは、駆動軸又はギアの回転軸に取り付けられるロータリー型のデジタルエンコーダであり、駆動軸又はギアの回転軸が一定角度回転する度に矩形波状の信号を出力する。
【0028】
記録動作を実行する際には、記録媒体1002が搬送モータ1018によってプラテンローラ1001の規制する記録位置に搬送されると、キャリッジモータ1014によって記録ヘッド1005を搭載したキャリッジ1004が図中左側から右側へ移動される。キャリッジ1004が左から右へ移動(走査)する間に、フレキシブルケーブル1019を介して記録ヘッド1005に吐出信号が供給されると、記録ヘッド1005の各ノズルからインクが吐出され、吐出されたインクが記録媒体に到達して記録が行なわれる。
【0029】
このようなキャリッジ1004の1回の走査による記録と、記録媒体1002を1回の走査で記録される長さだけ搬送することを交互に行なうことにより、1ページの記録媒体に対する記録が行なわれる。
【0030】
次に、上述した装置の記録制御を実行するための制御構成について説明する。
【0031】
図11はインクジェットプリンタの制御回路の構成を示すブロック図である。制御回路を示す同図において、1100は記録信号を入力するインターフェース、1101は装置全体を制御するMPU(又はCPU)、1102はMPU1101が実行する制御プログラムを格納するROM、1103は各種データ(上記記録信号やヘッドに供給される記録データ等)を保存しておくDRAMである。1104は記録ヘッド1005に対する記録データの供給制御を行うASICなどのゲートアレイ(G.A.)であり、インターフェース1100、MPU1101、RAM1103間のデータ転送制御も行う。1014は記録ヘッド1005を搭載するキャリッジを駆動するためのキャリッジモータ、1018は記録媒体搬送のための搬送モータである。1105は記録ヘッドを駆動するヘッドドライバ、1106,1107はそれぞれ搬送モータ1018、キャリッジモータ1014を駆動するためのモータドライバである。
【0032】
上記制御構成の動作を説明すると、インターフェース1100に記録信号が入るとゲートアレイ1104とMPU1101との間で記録信号がプリント用の記録データに変換される。そして、モータドライバ1106、1107が駆動されると共に、ヘッドドライバ1105に送られた記録データに従って記録ヘッド1005が駆動され、記録が行われる。
【0033】
ここでは、MPU1101が実行する制御プログラムをROM1102に格納するものとしたが、EEPROM等の消去/書き込みが可能な記憶媒体を更に追加して、インクジェットプリンタと接続されたホストコンピュータから制御プログラムを変更できるように構成することもできる。
【0034】
以下、上記のようなインクジェットプリンタのキャリッジモータ及び/又は搬送モータの駆動制御に利用される本発明に係るモータ制御装置の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0035】
<第1の実施形態>
図1は本発明のモータ制御装置の第1の実施形態の構成を示すブロック図である。本実施形態のモータ制御装置は、デジタルエンコーダ101と、駆動制御部103と、モータドライバ部111とを有し、モータ102の駆動を制御する。
【0036】
デジタルエンコーダ101は、モータ102の駆動により機構部分が所定の距離(角度)だけ移動(回転)する度に矩形波状の信号を出力する。
【0037】
駆動制御部103は、LPF(ローパスフィルタ)部104、周期検出部105、第1の速度検出カウンタ106、第2の速度検出カウンタ107、第1の速度情報ラッチ部108、第2の速度情報ラッチ部109、サーボコントロール部110を有している。
【0038】
駆動制御部102の各部と上記図11に関して説明した構成との対応を説明すると、例えば、LPF部104、周期検出部105、第1の速度検出カウンタ106、第2の速度検出カウンタ107、第1の速度情報ラッチ部108、及び第2の速度情報ラッチ部109はゲートアレイ1104内に設けられ、サーボコントロール部110は、MPU1101が所定のプログラムを実行することによって実現される。
【0039】
デジタルエンコーダ101からの出力信号は、駆動制御部103のLPF(ローパスフィルタ)部104を通過することによりノイズが除去され、周期検出部(エッジ検出部)105に入力される。周期検出部105はデジタルエンコーダの出力信号から周期検出信号を生成し、第1の速度検出カウンタ部106及び第2の速度検出カウンタ部107に出力する。
【0040】
これら2つのカウンタ部106及び107は、デジタルエンコーダの出力信号の周期をその間に入力されたクロックの数でカウントするが、これら2つのカウンタ部106及び107は、互いに単位とするエンコーダの周期数が異なり、例えば、第1の速度検出カウンタ部106は1つのエンコーダ周期、第2の速度検出カウンタ部107は2つのエンコーダ周期を単位としてクロック数をカウントする。
【0041】
なお、本実施形態では説明を簡略にする為、異なる周期数を単位としてカウントするカウンタ部を2つ有する構成としているが、適用する装置やシステムに応じて異なる周期数を単位としてカウントするカウンタ部を3つ以上有する構成としても良い。
【0042】
第1の速度検出カウンタ部106は常にカウント動作を実施しており、測定周期の終了を検出すると、カウント値を第1の速度情報ラッチ部108に出力すると共にカウント値をリセットする。同様に第2の速度検出カウンタ部107も測定周期の終了を検出すると、カウント値を第2の速度情報ラッチ部109に出力すると共にカウント値をリセットする。
【0043】
サーボコントロール部110は必要に応じて速度情報を取得するが、その際、まず第1の速度情報ラッチ部108の値を読み込み、予め設定されている基準カウント値と比較を行う。その結果、読み込まれた第1の速度情報ラッチ部108からの値の方が予め設定されている基準カウント値以上(速度が遅い)である場合には、読み込まれた第1の速度情報ラッチ部106の値を使用して速度情報を求める。一方、比較の結果、第1の速度情報ラッチ部108からの値の方が予め設定されている基準カウント値より小さい(速度が速い)場合には、第2の速度情報ラッチ部109の値を読み込み、この値を使用して速度情報を求める。
【0044】
サーボコントロール部110は、求めた速度情報を基にサーボ制御の演算を実施してモータドライバ部111を制御する。モータドライバ部111は、サーボコントロール部110からの制御信号に従ってモータ102へ通電する電流を制御する。そして、エンコーダ101が、モータ102の駆動によって機構部分が所定距離移動する度に矩形波状の信号を駆動制御部103へ出力することにより、フィードバック制御ループが確立される。
【0045】
ここで、図3を参照して本実施形態におけるサーボコントロール部110での速度情報の求め方について説明する。
【0046】
図3の(a)はデジタルエンコーダ101から出力されるパルス信号、(b)は第1の速度検出カウンタ部106から出力され第1の速度情報ラッチ部に保持されたカウント値、(c)は第2の速度検出カウンタ部107から出力され第2の速度情報ラッチ部109に保持されたカウント値の例をそれぞれ示している。
【0047】
上述のように、第1の速度検出カウンタ部106は1つのエンコーダ周期の間に入力されたクロック数をカウントし、第2の速度検出カウンタ部107は2つのエンコーダ周期の間に入力されたクロック数をカウントする。図示されたように、4つのエンコーダ周期に対する第1の速度検出カウンタ部106のカウント値がそれぞれ30、25、20、15であり、第2の速度検出カウンタ部107のカウント値が55及び35であると想定する。
【0048】
ここで、サーボコントロール部110での比較対象として予め設定されている基準カウント値が23であると想定すると、サーボコントロール部110が速度情報を求めるのに使用するカウント値は、第1及び第2の周期に対しては、第1の速度検出カウンタ部106のカウント値30及び25となり、第3の周期に対しては、第2の速度検出カウンタ部107のカウント値55となる。
【0049】
サーボコントロール部110で速度情報を求める場合に、エンコーダのパルスが出力される距離をAとすると、第1の速度検出カウンタ部106のカウント値を使用する場合には、速度=距離/時間=A/(カウント値×クロック周期)となり、第2の速度検出カウンタ部107のカウント値を使用する場合には、2A/(カウント値×クロック周期)となる。この場合、クロック周期は一定であるので、速度情報としてA/カウント値、又は2A/カウント値を用いてもよい。
【0050】
図示した例では、カウント値がエンコーダ周期毎に大きく異なっているが、実際に高速駆動が行なわれる場合には、カウント値が非常に小さい値となり、かつその値が安定しない場合がある。例えば、所望の駆動速度に対するカウント値が5であり、実際はそれに非常に近い速度で駆動されているにもかかわらず、検出されるカウント値としては4〜6の間となる場合がある。
【0051】
従来の制御では、このような場合にも、カウント値を5とするようなサーボ制御が行なわれる。これに対して本実施形態によれば、2つのエンコーダ周期に対するカウント値の変動は1つのエンコーダ周期に対するカウント値の変動の略半分となるので、見かけ上サンプリング周波数を倍にしたのと同様に量子化誤差を低減できるという効果が得られる。
【0052】
本実施形態のサーボコントロール部110の動作を、図2のフローチャートを参照して説明する。
【0053】
まず、サーボコントロール部110がサーボ動作を開始すると(ステップS201)、サーボコントロール部110は第1の速度情報ラッチ部108の情報を取得する(ステップS202)。ここで、取得した第1の速度情報ラッチ部108のカウント値と予め設定されている基準カウント値との比較を行う(ステップS203)。
【0054】
その結果、第1の速度情報ラッチ部108のカウント値が予め設定されている基準カウント値以上である場合には、取得した第1の速度情報ラッチ部108のカウント値を使用してサーボ演算を実施(ステップS204)して終了する(ステップS205)。
【0055】
一方、ステップS203での比較の結果、第1の速度情報ラッチ部108のカウント値が予め設定されている基準カウント値より小さい場合には、第2の速度情報ラッチ部109の値を取得して(ステップS206)、この値を使用してサーボ制御を実施(ステップS204)して終了する(ステップS205)。
【0056】
以上説明したように本実施形態によれば、量子化誤差の影響を低減することができ効率的なサーボ制御を行なうことができるという効果が得られる。
【0057】
<第2の実施形態>
図4は本発明のモータ制御装置の第2の実施形態の構成を示すブロック図である。本実施形態のモータ制御装置も、第1の実施形態と同様にデジタルエンコーダ301と、駆動制御部303と、モータドライバ部312とを有し、モータ302の駆動を制御するが、駆動制御部303の構成が第1の実施形態とは異なっている。
【0058】
デジタルエンコーダ301は、モータ302の駆動により機構部分が所定の距離(角度)だけ移動(回転)する度に矩形波状の信号を出力する。
【0059】
駆動制御部303は、LPF(ローパスフィルタ)部304、周期検出部305、速度検出カウンタ部306、速度情報ラッチ部307、速度履歴情報1ラッチ部308、速度履歴情報2ラッチ部309、速度履歴情報3ラッチ部310、及びサーボコントロール部311を有している。
【0060】
駆動制御部303の各部と上記図11に関して説明した構成との対応を説明すると、例えば、LPF部304、周期検出部305、速度検出カウンタ部306、速度情報ラッチ部307、速度履歴情報1ラッチ部308、速度履歴情報2ラッチに309、及び速度履歴情報3ラッチ部310はゲートアレイ1104内に設けられ、サーボコントロール部311は、MPU1101が所定のプログラムを実行することによって実現される。
【0061】
デジタルエンコーダ301からの出力信号は、駆動制御部303のLPF(ローパスフィルタ)部304を通過することによりノイズが除去され、周期検出部(エッジ検出部)305に入力される。周期検出部305はデジタルエンコーダの出力信号から周期検出信号を生成し、速度検出カウンタ部306に出力する。
【0062】
速度検出カウンタ部306は、デジタルエンコーダの出力信号の周期をその間に入力されたクロックの数でカウントする。本実施形態の速度検出カウンタ部306は予め決められた一定のデジタルエンコーダ周期数に対するクロック数をカウントする。本実施形態では、説明を簡略化する為、デジタルエンコーダの出力信号1周期に対するクロック数をカウントするものとする。
【0063】
速度検出カウンタ部306は常にカウント動作を実施しており、測定周期の終了を検出すると、カウント値を速度情報ラッチ部307に出力すると共にカウント値をリセットする。この時、速度情報ラッチ部307内に保持されていたカウント値は速度履歴情報1ラッチ部308へ出力され、速度履歴情報1ラッチ部308内に保持されていたカウント値は速度履歴情報2ラッチ部309へ出力され、速度履歴情報2ラッチ部309内に保持されていたカウント値は速度履歴情報3ラッチ部310へとそれぞれラッチされる。これにより、現在カウントされたカウント値と過去3つ分のカウント値が保持される。
【0064】
なお、本実施形態では、過去3つ分のカウント値を履歴情報として保持する構成としているが、適用する装置やシステムに応じて、履歴情報として保持するカウント値の数は適宜選択されるのがよい。
【0065】
サーボコントロール部311は必要に応じて速度情報を取得するが、その際、まず速度情報ラッチ部307の値を読み込み、予め設定されている基準カウント値と比較を行う。その結果、取得した速度情報ラッチ部307のカウント値の方が予め設定されている基準カウント値以上(速度が遅い)である場合には、その速度情報を使用して速度情報を求める。
【0066】
一方、比較の結果、速度情報ラッチ部307のカウント値が予め設定されている基準カウント値より小さい(速度が速い)場合には、速度履歴情報1ラッチ部308のカウント値を読み込み、速度情報ラッチ部307のカウント値と加算して第1の加算結果を算出する。そして、この第1の加算結果と予め設定されている基準カウント値との比較を行なう。第1の加算結果が依然として基準カウント値より小さい場合には、更に速度履歴情報2ラッチ部309のカウント値を第1の加算結果に加算して第2の加算結果を求めて同様の比較を行う。第2の加算結果が依然として基準カウント値より小さい場合には、更に速度履歴情報3ラッチ部310のカウント値を加算して第3の加算結果を求めて同様の比較を行なう。
【0067】
このようにして加算結果が基準カウント値以上となるまで順次過去のカウント値を加算する。そして得られた加算結果と、この加算結果がデジタルエンコーダ信号の何周期分に相当するのかについての情報に基づいて速度情報を算出する。サーボコントロール部311は、求めた速度情報を基にサーボ制御の演算を実施してモータドライバ部312を制御する。モータドライバ部312は、サーボコントロール部311からの制御信号に従ってモータ302へ通電する電流を制御する。そしてエンコーダ301が、モータ302の駆動によって機構部分が所定距離移動する度に矩形波状の信号を駆動制御部303へ出力することにより、フィードバック制御ループが確立される。
【0068】
ここで、図6を参照して本実施形態におけるサーボコントロール部311での速度情報の求め方について説明する。
【0069】
図6の(a)はデジタルエンコーダ301から出力されるパルス信号、(b)は速度検出カウンタ部306から出力され速度情報ラッチ部307に保持されたカウント値、(c)は速度履歴情報1ラッチ部308に保持されたカウント値、(d)は速度履歴情報2ラッチ部309に保持されたカウント値、(e)は速度履歴情報3ラッチ部310に保持されたカウント値の例をそれぞれ示している。
【0070】
ここで、4つのエンコーダ周期に対する速度検出カウンタ部306のカウント値がそれぞれ100、60、30、15であり、サーボコントロール部311での比較対象として予め設定されている基準カウント値が20であると想定すると、サーボコントロール部311が速度情報を求めるのに使用するカウント値は、第1から第3の周期に対しては、速度検出カウンタ部106のカウント値となり、第4の周期に対しては、速度情報ラッチ部307に保持されたカウント値15と速度履歴情報1ラッチ部に保持されたカウント値30の加算結果である45となる。
【0071】
サーボコントロール部311で速度情報を求める場合に、エンコーダのパルスが出力される距離をAとすると、速度検出カウンタ部306のカウント値を使用する場合には、速度=距離/時間=A/(カウント値×クロック周期)となり、速度情報ラッチ部307のカウント値と速度履歴情報1ラッチ部308のカウント値との加算結果を使用する場合には、2A/(カウント値×クロック周期)となる。この場合、クロック周期は一定であるので、速度情報としてA/カウント値、又は2A/カウント値を用いてもよい。
【0072】
本実施形態のサーボコントロール部311の動作を、図5のフローチャートを参照して説明する。
【0073】
まず、サーボコントロール部311がサーボ動作を開始すると(ステップS401)、サーボコントロール部311は速度情報ラッチ部307の情報を取得する(ステップS402)。ここで、取得した情報(カウント値)と予め設定されている基準カウント値の比較を行う(ステップS403)。
【0074】
その結果、取得したカウント値が予め設定されている基準カウント値以上である(速度が遅い)場合には、取得したカウント値を使用してサーボ演算を実施(ステップS404)して終了する(ステップS405)。
【0075】
一方、ステップS403での比較の結果、取得したカウント値が予め設定されている基準カウント値より小さい(速度が速い)場合には、1つ過去のカウント値を速度履歴情報1ラッチ部308から取得し(ステップS406)、2つのカウント値を加算すると共に何周期過去までを加算したかを記憶する(ステップS407)。その後、ステップS403に戻り再び比較を実施して、加算結果が予め設定されている基準カウント値より大きくなるまで、ステップS406、S407及びS403の処理を繰り返す。
【0076】
ステップS403での比較の結果、加算結果が基準カウント値以上であれば、その加算結果と何周期分まで加算したかという情報を使用してサーボ演算を実施(ステップS404)して終了する(ステップS405)。
【0077】
以上説明したように本実施形態によれば、上記第1の実施形態と同様に、量子化誤差の影響を低減することができ効率的なサーボ制御を行なうことができるという効果が得られる。
【0078】
<第3の実施形態>
図7は本発明のモータ制御装置の第3の実施形態の構成を示すブロック図である。本実施形態のモータ制御装置も、第1及び第2の実施形態と同様にデジタルエンコーダ501と、駆動制御部503と、モータドライバ部512とを有し、モータ502の駆動を制御するが、駆動制御部503の構成が第1及び第2の実施形態とは異なっている。
【0079】
デジタルエンコーダ501は、モータ502の駆動により機構部分が所定の距離(角度)だけ移動(回転)する度に矩形波状の信号を出力する。
【0080】
デジタルエンコーダ301は、モータ302の駆動により機構部分が所定の距離(角度)だけ移動(回転)する度に矩形波状の信号を出力する。
【0081】
駆動制御部503は、LPF(ローパスフィルタ)部504、周期検出部505、速度検出カウンタ部506、基準カウント値比較部507、周期カウンタ部508、速度情報ラッチ部509、カウント周期情報ラッチ部510、及びサーボコントロール部511を有している。
【0082】
駆動制御部503の各部と上記図11に関して説明した構成との対応を説明すると、例えば、LPF部504、周期検出部505、速度検出カウンタ部506、基準カウント値比較部507、周期カウンタ部508、速度情報ラッチ部509、及びカウント周期情報ラッチ部510はゲートアレイ1104内に設けられ、サーボコントロール部511は、MPU1101が所定のプログラムを実行することによって実現される。
【0083】
デジタルエンコーダ501からの出力信号は、駆動制御部503のLPF(ローパスフィルタ)部504を通過することによりノイズが除去され、周期検出部(エッジ検出部)505に入力される。周期検出部505はデジタルエンコーダの出力信号から周期検出信号を生成し、速度検出カウンタ部506及び基準カウント値比較部507に出力する。
【0084】
速度検出カウンタ部506は、デジタルエンコーダの出力信号の周期をその間に入力されたクロックの数でカウントする。ここで、基準カウント値比較部507は、測定周期の終了を検出すると速度検出カウンタ部506でカウントしたカウント値と予め設定されている基準カウント値との比較を行う。その結果、速度検出カウンタ部506のカウント値の方が予め設定されている基準カウント値より小さい場合、基準カウント値比較部507は速度検出カウンタ部506に対して次の周期までのカウントの延長を指示し、周期カウンタ部508に対して周期カウント値のカウントアップを指示する。
【0085】
その後、基準カウント値比較部507が測定周期の終了を再度検出すると、速度検出カウンタ部506でカウントしたカウント値と予め設定されている基準カウント値との比較を再度行う。この動作は、速度検出カウンタ部506のカウント値が予め設定されている基準カウント値以上となるまで繰り返される。
【0086】
そして基準カウント値比較部507が、速度検出カウンタ部506のカウント値が予め設定されている基準カウント値以上であると判定すると、速度検出カウンタ部506のカウント値及び周期カウンタ部508の周期カウント値とを、速度情報ラッチ部509及びカウント周期情報ラッチ部510にそれぞれ保持すると共に、それぞれのカウント値をリセットする。
【0087】
サーボコントロール部511は必要に応じて速度情報を取得するが、その際、速度情報ラッチ部509の情報とカウント周期情報ラッチ部510の情報とを読込み、この2つの情報から現在の速度情報を算出する。そして算出した速度情報に基づいてサーボ演算を実施してモータドライバ部512を制御する。モータドライバ部512は、サーボコントロール部511からの制御信号に従ってモータ502へ通電する電流を制御する。エンコーダ501が、モータ502の駆動によって機構部分が所定距離移動する度に矩形波状の信号を駆動制御部503へ出力することにより、フィードバック制御ループが確立される。
【0088】
ここで、図9を参照して本実施形態における速度情報の求め方について説明する。
【0089】
図9の(a)はデジタルエンコーダ501から出力されるパルス信号、(b)は速度検出カウンタ部506から出力され速度情報ラッチ部509に保持されたカウント値、(c)は周期カウンタ部508から出力されカウント周期情報ラッチ部510に保持されたカウント値の例をそれぞれ示している。
【0090】
ここで、3つのエンコーダ周期に対するクロック数がそれぞれ50、30、15であり、基準カウント値比較部507での比較対象として予め設定されている基準カウント値が40であると想定すると、第1のエンコーダ周期に対しては、速度検出カウンタ部506から速度情報ラッチ部509にはカウント値50が出力され、周期カウンタ部508からカウント周期情報ラッチ部510には周期数1が出力される。第2のエンコーダ周期に対しては、速度検出カウンタ部506でのカウント値30が40未満であるので、速度情報ラッチ部509及びカウント周期情報ラッチ部510には出力されない。そして、第3のエンコーダ周期に対しては、速度検出カウンタ部506から速度情報ラッチ部509にはカウント値45(=30+15)が出力され、周期カウンタ部508からカウント周期情報ラッチ部510には周期数2が出力される。
【0091】
サーボコントロール部511で速度情報を求める場合に、エンコーダのパルスが出力される距離をAとすると、速度情報ラッチ部509に保持されたカウント値と。カウント情報周期ラッチ部510に保持された周期数とを使用して、速度=距離/時間=A×周期数/(カウント値×クロック周期)となる。この場合、クロック周期は一定であるので、速度情報としてA×周期数/カウント値を用いてもよい。
【0092】
本実施形態の駆動制御部503の速度算出に関する動作を、図8のフローチャートを参照して説明する。
【0093】
まず、速度情報カウントを開始する(ステップS601)と、デジタルエンコーダの速度測定周期の検出を行う(ステップS602)。速度測定周期が検出されるまでは、速度検出カウンタ部506により入力されたクロック数のカウントを続ける(ステップS603)。ここて、速度測定周期の終了が検出されると、基準カウント値比較部507で速度検出カウンタ部506のカウント値と予め設定されている基準カウント値との比較を行う(ステップS604)。
【0094】
ステップS604での比較の結果、速度検出カウンタ部506のカウント値が予め設定されている基準カウント値未満である場合には、周期カウンタ部508の測定周期カウンタの値をインクリメント(ステップS605)して、速度検出カウンタ部506により入力されたクロック数のカウントを続ける。そして、ステップS602で、次の速度測定周期が検出されたら、ステップS604に進み、カウント値比較部507での速度検出カウンタ部506のカウント値と予め設定されている基準カウント値との比較を再度行う。この一連の動作は速度検出カウンタ部506のカウント値が予め設定されている基準カウント値以上になるまで繰り返される。
【0095】
ステップS604で、速度検出カウンタ部506のカウント値が予め設定されている基準カウント値以上であると判定されると、速度検出カウンタ部506のカウント値及び周期カウンタ部508の測定周期数とが、速度情報ラッチ部509及びカウント周期情報ラッチ部510にそれぞれ出力されて格納される(ステップS606)。その後、速度検出カウンタ部506のカウンタと周期カウンタ部508の値をリセットし(ステップS607)、処理を終了する(ステップS608)。
【0096】
なお、サーボコントロール部511では、上述のように速度情報ラッチ部509に保持されたカウント値と、カウント周期情報ラッチ部510に保持された周期数とを基に、現在の速度情報を算出してサーボ制御を実施する。
【0097】
以上説明したように本実施形態では、上記第1及び第2の実施形態の効果に加え、サーボコントロール部の機能を実現するMPUの負荷を軽減することができるという効果がある。
【0098】
[他の実施形態]
以上の実施形態は、シリアル式インクジェットプリンタのキャリッジモータ及び/又は搬送モータの制御に本発明を適用したものであるが、本発明は、インクジェットプリンタに限らず、モータを使用する様々な機器に適用可能である。
【0099】
また、上記の実施形態はいずれもDCモータの制御に本発明を適用したものであるが、DCモータ以外でも上記の速度サーボ等のフィードバック制御が可能なモータであれば、本発明を適用できる。
【0100】
本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0101】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0102】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。
【0103】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0104】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0105】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した(図2、5及び8に示す)フローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0106】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、例えば、周期が短い場合には、連続した2つの周期に関する情報をデジタル値として出力するようにすることで、2つの周期に対するデジタル値の変動は1つの周期に対するデジタル値の変動の略半分となるので、分解能を高くせずに、見かけ上サンプリング周波数を倍にしたのと同様に、デジタル値を用いる場合に生じる量子化誤差を低減できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のモータ制御装置の第1の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の実施形態のサーボコントロール部の動作のフローチャートである。
【図3】図1の実施形態における検出信号及びカウント数の例を示す図である。
【図4】本発明のモータ制御装置の第2の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図5】図4の実施形態のサーボコントロール部の動作のフローチャートである。
【図6】図4の実施形態における検出信号及びカウント数の例を示す図である。
【図7】本発明のモータ制御装置の第3の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図8】図7の実施形態の速度情報算出に関する動作のフローチャートである。
【図9】図7の実施形態における検出信号及びカウント数の例を示す図である。
【図10】本発明の実施形態に係るシリアル式インクジェットプリンタの全体図である。
【図11】図10のプリンタの制御構成を説明するブロック図である。
【図12】デジタルエンコーダの動作原理を示す図である。
【図13】エンコーダ出力に接続されるLPFの例を示す回路図である。
【符号の説明】
101,301,501 デジタルエンコーダ
102,302,502 モータ
103,303,503 駆動制御部
104,304,504 LPF部
105,305,505 周期検出部
106,107,306,506,508 カウンタ部
108,109,307〜310,509,510 ラッチ部
110,311,511 サーボコントロール部
111,312,512 モータドライバ部
507 基準カウント値比較部 507
Claims (9)
- モータを動力源として使用して機構を駆動する機器におけるモータの制御装置であって、
前記機構の所定距離の移動に応じて検出信号を出力する検出手段と、
前記検出信号と所定周波数のクロック信号とを入力し前記検出信号の1周期の間に入力した前記クロック信号の数をカウントするカウンタと、前記検出信号が新たに入力されるごとに前記カウンタから出力されたカウント値を保持する第1のラッチと、前記検出信号が新たに入力されるごとに前記第1のラッチから出力されたカウント値を保持する第2のラッチとを有し、前記第1のラッチ及び前記第2のラッチに保持されたカウント値を出力する周期情報出力手段と、
前記第1のラッチに保持されたカウント値または該カウント値と前記第2のラッチに保持されたカウント値との演算値と、所定の閾値と、に基づいて、前記機構の速度情報を算出する速度情報算出手段と、
前記速度情報に基づいて、前記機構の駆動を制御する制御手段と、を備えていることを特徴とするモータの制御装置。 - 前記速度情報算出手段は、前記第1のラッチに保持されたカウント値と前記閾値とを比較する比較手段を有し、該カウント値が前記閾値より小さい場合に、該カウント値と前記第2のラッチに保持されたカウント値との演算値を用いて速度情報を算出することを特徴とする請求項1に記載のモータの制御装置。
- 前記演算値は加算値であることを特徴とする請求項2に記載のモータの制御装置。
- 前記周期情報出力手段は、さらに少なくとも1つのラッチを有し、前記第2のラッチ及び前記少なくとも1つのラッチのそれぞれは連続した前記1周期のカウント値を保持し、
前記速度情報算出手段は、前記機構の速度情報を算出する際に使用した周期数と前記加算値とを用いて速度情報を算出することを特徴とする請求項3に記載のモータの制御装置。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載のモータの制御装置を用いてキャリッジの移動又は記録媒体の搬送を行なうことを特徴とする記録装置。
- モータを動力源として使用して機構を駆動する機器におけるモータの制御装置であって、
前記機構の所定距離の移動に応じて検出信号を出力する検出手段と、
前記検出信号の周期に関する情報をデジタル値で出力する周期情報出力手段と、
前記所定距離及び前記デジタル値に基づいて、前記機構の速度情報を算出する速度情報算出手段と、
前記速度情報に基づいて、前記機構の駆動を制御する制御手段と、を備えており、
前記周期情報出力手段は、所定の周期の間に入力されたクロック信号の数をカウントする第1のカウンタと、前記所定の周期の連続する複数周期の間に入力された前記クロック信号の数をカウントする第2のカウンタとを有し、前記第1のカウンタのカウント値に基づいて、前記第1のカウンタまたは前記第2のカウンタのいずれか一方のカウント値を前記デジタル値として出力することを特徴とするモータの制御装置。 - 前記周期情報出力手段は、前記第1のカウンタのカウント値と所定の閾値とを比較する比較手段を有し、前記第1のカウンタのカウント値が前記閾値より小さい場合に、前記前記第2のカウンタのカウント値を前記デジタル値として出力する請求項6に記載のモータの制御装置。
- モータを動力源として使用して機構を駆動する機器におけるモータの制御方法であって、
前記機構の所定距離の移動に応じて検出信号を出力する検出工程と、
前記検出信号と所定周波数のクロック信号とを入力し前記検出信号の1周期の間に入力した前記クロック信号の数をカウンタでカウントし、前記検出信号が新たに入力されるご とに前記カウンタから出力されたカウント値を第1のラッチに保持し、前記検出信号が新たに入力されるごとに前記第1のラッチから出力されたカウント値を第2のラッチに保持し、前記第1のラッチ及び前記第2のラッチに保持されたカウント値を出力する周期情報出力工程と、
前記第1のラッチに保持されたカウント値または該カウント値と前記第2のラッチに保持されたカウント値との演算値と、所定の閾値と、に基づいて、前記機構の速度情報を算出する速度情報算出工程と、
前記速度情報に基づいて、前記機構の駆動を制御する制御工程と、を備えていることを特徴とするモータの制御方法。 - モータを動力源として使用して機構を駆動する機器におけるモータの制御方法であって、
前記機構の所定距離の移動に応じて検出信号を出力する検出工程と、
前記検出信号の周期に関する情報をデジタル値で出力する周期情報出力工程と、
前記所定距離及び前記デジタル値に基づいて、前記機構の速度情報を算出する速度情報算出工程と、
前記速度情報に基づいて、前記機構の駆動を制御する制御工程と、を備えており、
前記周期情報出力工程において、所定の周期の間に入力されたクロック信号の数をカウントする第1のカウンタと、前記所定の周期の連続する複数周期の間に入力された前記クロック信号の数をカウントする第2のカウンタとによってカウントされたそれぞれのカウント値に基づいて、前記第1のカウンタまたは前記第2のカウンタのいずれか一方のカウント値を前記デジタル値として出力することを特徴とするモータの制御方法。
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