JP4114619B2 - 光ファイバ及びファイバレーザ発振装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザ活性物質を含むコア部材と励起光を透過させるクラッド部材とを有し、特にファイバレーザ発振装置に用いる光ファイバに関する。
従来より、比較的ビーム品質の劣る励起光を用いて非常に高品質のレーザ光を高効率で得ることができる種々のファイバレーザ発振装置が提案されている。
図4(A)に示すようにファイバレーザに用いられる一般的な光ファイバ2zは、断面の中心にコア部材10(シングルモードのレーザ光を透過させ、希土類元素(Nd、Er)等がドープされた直径2〜12[μm]程度のファイバ形状の部材)を有している。そして、コア部材10の周囲に、コア部材10よりも低い屈折率を持つ第1クラッド部材21(励起光Linを透過させる部材)を有することで、出力レーザ光Loutをコア部材10内に閉じ込めている。更に第1クラッド部材21の周囲に、第1クラッド部材21の屈折率よりも低い屈折率を持つ第2クラッド部材22zを有することで、励起光Linを第1クラッド部材21内に閉じ込めている。
そして、この光ファイバ2zに入射された励起光Linがコア部材10を通ると(コア部材10に衝突すると)コア部材10内の希土類元素が励起されて出力レーザ光Loutが発生し、コア部材10内にはシングルモードの出力レーザ光Loutが残る。この出力レーザ光Loutは、小径(コア部材10の径に依存する)であり、かつ広がり角が小さい(出力レーザ光Loutの波長、コア部材10及び第1クラッド部材21の屈折率等に依存する)ため、ビーム品質が非常に高い(出力レーザ光Loutのビーム品質は、出射光の半径と、出射光の広がり角の半角との積で表され、この積が小さい程ビーム品質が高い)。そして出力レーザ光Loutは集光レンズ42を用いて集光され、種々の用途に用いられる。
なお、一般的な光ファイバ2zでは、より高品質なレーザ光を得るためにコア部材10の径は約2〜12[μm]に設定されており、第1クラッド部材21の径は約数100〜1000[μm]に設定されている。
従って、図4(A)の例に示す端面励起型ファイバレーザ発振装置では、励起光Linを入射する第1クラッド部材21の端面の面積が小さいため、比較的大出力の出力レーザ光Loutを発生させることは非常に困難である。また、第1クラッド部材21の断面積に対するコア部材10の断面積が非常に小さく、励起光Linがコア部材10を通る確率もあまり高くなく、発振効率が高くない。
なお、励起光Linは比較的ビーム品質が劣るので、コア部材10に衝突するように狙って入射することは非常に困難である。
そこで、特許文献1に示す従来技術では、図4(B)に示すように、コア部材10を平面に渦巻き状に配置し、コア部材10を略円柱状(円盤状)の第1クラッド部材21内に収めている。そして第1クラッド部材21の上下の底面に第2クラッド部材22z(底屈折率層)を形成し、第1クラッド部材21の側面には励起光Linを第1クラッド部材21内に導入するレンズダクトLDを設けている。そして、渦巻き状のコア部材10の一方の終端にはミラー44が設けられ、他方の終端からは出力レーザ光Loutが出力される。また、第2クラッド部材22zの下には熱伝導シートThが設けられ、熱伝導シートThは水冷ユニットWUと当接している。
これにより、レンズダクトLDからより多くの励起光Linを導入して大出力の出力レーザ光Loutを得るとともに、発熱したコア部材10を水冷ユニットWUにて冷却している。
特開2001−119084号公報
一般的なファイバレーザ発振装置に用いる光ファイバ2zにおいて、第1クラッド部材21の直径は数100〜1000[μm]である。従来の端面励起型ファイバレーザ発振装置の励起光Linに半導体レーザを用いた場合、比較的大きな出力の励起光Linを第1クラッド部材21の端面に集光することは困難である(半導体レーザは一般的にビーム品質が悪く集光性が比較的悪いため)。
また、特許文献1に記載の従来技術では、比較的大出力の出力レーザ光Loutを得ることができるが、出力が大きくなるにつれ、コア部材10の発熱量も増大する。発熱が増大すると発振閾値が高くなり、レーザ発振のためのエネルギーがより多く必要となるため、出力レーザ光Loutの発振効率が低下する。そこで特許文献1の従来技術では水冷ユニットWUにて冷却を行っているが、発熱するコア部材10と水冷ユニットWUとの間の距離、及び間の部材(熱伝導シートTh、第2クラッド部材22z、第1クラッド部材21)に影響され、コア部材10を効率的に冷却することが困難である。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、より効率的にコア部材を冷却することができ、レーザ光の発振効率の低下を抑制することができる光ファイバを提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段として、本実施の形態に記載の光ファイバは、レーザ活性物質を含む略柱状のコア部材を、少なくとも一部を覆うように長手軸方向に含むとともに、コア部材よりも小さな屈折率を有し且つコア部材の径よりも大きな径を有する略柱状のクラッド部材と、クラッド部材の径よりも大きな径を有し、内部に且つ長手軸方向にクラッド部材を収容可能な略筒状のケース部材とで構成された光ファイバであって、ケース部材とクラッド部材との間には径方向に空間部が形成されており、当該空間部はクラッド部材の屈折率より小さな屈折率を有する冷却媒体で充填されている。
また、本実施の形態に記載の光ファイバのケース部材の内壁には、長手軸方向に螺旋状の凹部または凸部が設けられている。
また、本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりの光ファイバである。
請求項1に記載の光ファイバは、レーザ活性物質を含むコア部材と、前記コア部材よりも小さな屈折率を有するクラッド部材と、で構成された光ファイバである。
前記コア部材の形状は略柱状であり、前記クラッド部材の形状は略筒状であり、前記クラッド部材は、前記コア部材の径よりも大きな径を有し、前記コア部材の少なくとも一部を覆うように当該コア部材を長手軸方向に含む。
そして、略筒状の前記クラッド部材の長手軸方向に形成された空間部は、前記クラッド部材の屈折率よりも小さな屈折率を有する冷却媒体で充填されており、更に前記コア部材は、前記クラッド部材の長手軸方向に対して螺旋状に配置されている。
また、本発明の第2発明は、請求項2に記載されたとおりのファイバレーザ発振装置である。
請求項2に記載のファイバレーザ発振装置は、請求項1に記載の光ファイバと、前記光ファイバのコア部材を励起してレーザ光を発生させる励起光を出射する励起光照射手段と、冷却媒体循環手段と、を備える。
そして、前記冷却媒体循環手段を用いて、前記クラッド部材の屈折率よりも小さな屈折率を有する冷却媒体を、筒状の前記クラッド部材の空間部に通して循環させ、前記クラッド部材に前記励起光照射手段からの励起光を導光して前記コア部材を励起してレーザ光を発生させるファイバレーザ発振装置である。
本実施の形態に記載の光ファイバでは、コア部材の少なくとも一部がクラッド部材(第1クラッド部材)に覆われるように長手軸方向に配置されており、冷却媒体にて第2クラッド部材を構成している。
このため、コア部材のより近い位置を冷却することができ、より効率的にコア部材を冷却することができる。
また、本実施の形態に記載の光ファイバでは、ケース部材の内壁に螺旋状の凹部または凸部を設けているため、冷却媒体を循環させた場合、冷却媒体をケース部材の内壁の螺旋状の凹部または凸部に沿って流すことができる。
このため、冷却媒体をクラッド部材の側面を螺旋状にまんべんなく流すことができ、より効率的にコア部材を冷却することができる。
また、請求項1に記載の光ファイバでは、クラッド部材の形状を柱状でなく筒状に形成する。そして筒状の軸方向に形成された空間部を冷却媒体で充填する。請求項1ではクラッド部材の内側から冷却する。また、この冷却媒体の屈折率を第1クラッド部材より小さく設定すると第2クラッド部材として用いることができ、冷却媒体の屈折率を第1クラッド部材とほぼ同じに設定すると第1クラッド部材として用いることができる。
このため、コア部材のより近い位置を冷却することができ、より効率的にコア部材を冷却することができる。
また、本実施の形態に記載の光ファイバでは、コア部材がクラッド部材の縁部(側面の表面近く)に螺旋状に配置されているため、クラッド部材内に閉じ込められて全反射している励起光が通る確率が高く、更に冷却媒体との距離も非常に短くなる。
このため、より効率的にコア部材を冷却することができ、励起する確率の向上と冷却効率の向上とで、発振効率をより向上させることができる。
以下に本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて説明する。図1(A)〜(D)は本発明の光ファイバ2の概略構造を示している。
●[光ファイバの概略構造(図1)]
図1(A)〜(D)に示す光ファイバ2の図は各々、左図が軸CZに垂直な断面を示しており、右図が軸CZに平行な断面を示している。
光ファイバ2は、略柱状(円柱形状等)のコア部材10を長手軸方向に有しており、コア部材10にはレーザ活性物質(希土類元素であるNd、Er等)がドープされている。また、コア部材10はクラッド部材21(以下、クラッド部材21を「第1クラッド部材21」と記載する)に少なくとも一部が覆われるように長手軸方向に配置されており「コア部材10の径<第1クラッド部材21の径」に設定されている。
[図1(A)に示す光ファイバ]
図1(A)に示す光ファイバ2では、第1クラッド部材21が略柱状(円柱形状または多角柱形状等)であり、当該第1クラッド部材21が略筒状(円筒形状または多角筒形状等)のケース部材30内に、ケース部材30の長手軸方向(Z軸方向)に収められている。
また、ケース部材30と第1クラッド部材21との間には径方向に所定間隙が設けられており、ケース部材30と第1クラッド部材21との間には径方向に空間部Kを形成している。この空間部Kに冷却媒体(冷却水、冷却油、冷却用気体等)を充填する。もちろん、冷却媒体は循環させることが好ましい。また、冷却媒体は以下に説明する所定の屈折率を有することが必要である。
なお、各部材の屈折率は、コア部材10の屈折率をn10、第1クラッド部材21の屈折率をn21、冷却媒体の屈折率をn22とすると、n10>n21>n22となるように設定し、冷却媒体と第2クラッド部材とを兼用している。
そして、励起光は第1クラッド部材21の端面(軸CZに垂直な面)から入射される。
なお、コア部材10は、第1クラッド部材21内に1本のみでなく、複数本を配置するようにしてもよい。また、コア部材10は第1クラッド部材21の軸方向に配置してあればどこに配置されていてもよいが、図1(A)に示すように第1クラッド部材21の縁部に配置すると、第1クラッド部材21内を全反射しながら伝播する励起光がコア部材10を通る確率が向上するとともに、冷却媒体と近接するため、より好ましい。これにより、光ファイバ2の端面から入射された励起光(例えば半導体レーザ光)が第1クラッド部材21の外周部で全反射しながら進行しても、より確実に励起光をコア部材10に衝突させて、コア部材10のレーザ活性物質を励起して出力レーザ光を発生させることができるとともに、コア部材10を効率良く冷却することができる。
また、屈折率の関係をn10>n21≧n22としてもよい。n21=n22に設定した場合、ケース部材30の内壁は励起光を全反射する部材でコーティングされている。ここで、ケース部材30の内壁で励起光が全反射するような屈折率を持つ材質でケース部材30を形成してもよい。
[図1(B)に示す光ファイバ]
次に図1(B)に示す光ファイバ2の構造について、図1(A)に示した光ファイバ2との相違点を説明する。
図1(B)に示す光ファイバ2は、図1(A)に示す光ファイバ2に対して、コア部材10が第1クラッド部材21の長手軸方向(軸CZの方向)に螺旋状に配置されている。更にコア部材10は第1クラッド部材21の縁部(この場合、第1クラッド部材21の側面近く)に配置されている。このため、第1クラッド部材21内を全反射しながら伝播する励起光がコア部材10を通る確率が向上する。また、コア部材10と冷却媒体(空間部Kに充填されている)との距離がほとんどなくなり、コア部材10をより効率的に冷却することができる。
[図1(C)に示す光ファイバ]
次に図1(C)に示す光ファイバ2の構造について、図1(A)に示した光ファイバ2との相違点を説明する。
図1(C)に示す光ファイバ2は、図1(A)に示す光ファイバ2に対して、第1クラッド部材21の形状が略柱状から略筒状に変更されている。また、ケース部材30が省略されている。そして、冷却媒体を第1クラッド部材21の内側に形成した空間部Kに充填する(冷却媒体は循環させることが好ましい点は同じ)。この例では、第1クラッド部材21の径方向における実体部の厚さはコア部材10の径よりも大きく設定している。従って第1クラッド部材21の側面(外側及び内側)を凹凸のない形状に仕上げることができるので、第1クラッド部材21の側面での励起光の乱反射を防止することができる。
なお、各部材の屈折率は、コア部材10の屈折率をn10、第1クラッド部材21の屈折率をn21、冷却媒体の屈折率をn22とすると、n10>n21>n22、且つn21>空気の屈折率となるように設定し、第1クラッド部材21の内側では冷却媒体と第2クラッド部材とを兼用し、第1クラッド部材21の外側では空気と第2クラッド部材とを兼用している。もちろん第1クラッド部材21の外側を、第1クラッド部材21よりも小さな屈折率を有する第2クラッド部材(セラミックス前駆体等)で覆ってもよいし、図1(A)に示すようにケース部材30内に収め、第1クラッド部材21の外側を冷却媒体で充填させてもよい。
また、屈折率の関係をn10>n21≧n22としてもよい。n21=n22に設定した場合、冷却媒体を第1クラッド部材21とみなすことができる。
[図1(D)に示す光ファイバ]
次に図1(D)に示す光ファイバ2の構造について、図1(C)に示した光ファイバ2との相違点を説明する。
図1(D)に示す光ファイバ2は、図1(C)に示す光ファイバ2に対して、コア部材10が第1クラッド部材21の長手軸方向(軸CZの方向)に螺旋状に配置されている。更にコア部材10は第1クラッド部材21の縁部(この場合、第1クラッド部材21の側面近く)に配置されている。このため、第1クラッド部材21内を全反射しながら伝播する励起光がコア部材10を通る確率が向上する。また、コア部材10と冷却媒体(空間部Kに充填されている)との距離がほとんどなくなり、コア部材10をより効率的に冷却することができる。
●[光ファイバの詳細構造(図2)]
次に図2(A)を用いて、図1(B)に示した光ファイバ2の詳細構造の例を説明する。なお、図1(A)、(C)及び(D)に示した光ファイバ2も同様であるので、これらの説明は省略する。
コア部材10の径φcoreは約10〜100[μm]に設定され、コア部材10の破損の回避と強度を向上するために、コア部材10を更にコア用クラッド部材11で覆っている。
また、第1クラッド部材21内に(コア用クラッド部材11で覆われた)コア部材10を螺旋状に配置するために、例えば略円柱状のクラッド用コア20を用意し、当該クラッド用コア20の外周に(コア用クラッド部材11で覆われた)コア部材10を螺旋状に巻きつける。そして、例えば溶液状のセラミックス前駆体で、コア部材10を螺旋状に巻きつけたクラッド用コア20の外周を覆い、焼成して第1クラッド部材21を形成する。第1クラッド部材21の径φcladは、例えば約5〜30[mm]に設定する。
そして、コア部材10を内部に有する第1クラッド部材21をケース部材30に収容する。第1クラッド部材21とケース部材30とで形成された空間部Kにおいて、間隙Dを例えば約1〜5[mm]に設定する。この空間部Kを冷却媒体で充填し、当該冷却媒体をコア部材10の冷却として用いるだけでなく、励起光を第1クラッド部材21内に閉じ込める第2クラッド部材としても用いる。
ここで、コア部材10の屈折率をn10、コア用クラッド部材11の屈折率をn11、クラッド用コア20の屈折率をn20、第1クラッド部材21の屈折率をn21、冷却媒体の屈折率をn22とした場合、以下の関係式が成立するように各部材の屈折率を選定する。
n10>n11≧n21≧n20>n22 (式1)
これにより、コア部材10内で発生した出力レーザ光Loutはコア部材10内に閉じ込められ、第1クラッド部材21内に入射された励起光Linは第1クラッド部材21内に閉じ込められる。
例えば冷却媒体に水(屈折率=約1.333)を選定した場合、コア部材10には屈折率=約1.502を有するフッ化物ガラスのシングルモードファイバを選定し、コア用クラッド部材11には屈折率=約1.494を有するフッ化ガラスを選定し、第1クラッド部材21には屈折率=約1.487を有するフッ化ガラスを選定し、クラッド用コア20には屈折率=約1.487を有するフッ化ガラスを選定する。
なお、コア用クラッド部材11、クラッド用コア20は省略してもよい。
また、コア部材10の少なくとも一部が第1クラッド部材21に覆われるように長手軸方向に配置されている様子の例を図2(B)(図1(A)及び(B)に対する例)、及び図2(C)(図1(C)及び(D)に対する例)に示す。このように、コア部材10は第1クラッド部材21の内部に配置(10a)されていてもよいし、コア部材10が第1クラッド部材21の表面と接するように配置(10b)されていてもよいし、コア部材10の一部が第1クラッド部材21の表面から突出するように配置(10c)されていてもよい。
●[ファイバレーザ発振装置(図3)]
次に図3(A)及び(B)を用いて、図2に示した光ファイバ2を用いたファイバレーザ発振装置1の例を説明する。
光ファイバ2において、コア部材10を、少なくとも一部を覆うように長手軸方向に含む第1クラッド部材21は、ケース部材30の保持部Hにてケース部材30内に保持されている。また、コア部材10の両端は第1クラッド部材21から引き出されており、コア部材10の一方の端面には出力レーザ光Loutを反射するミラー44(出力レーザ光Loutを反射するコーティング等でもよい)が設けられており、他方の端面に対向する位置には出力レーザ光Loutを集光する集光レンズ42が設けられている。
また、図3(A)及び(B)に示す例では励起光Linを第1クラッド部材21内に入射する励起光照射手段40を光ファイバ2の一方の端面に設けているが、光ファイバ2の両端面に励起光照射手段40を設けるようにしてもよい。
そして冷却媒体の循環と温度等を制御する冷却媒体循環手段46(チラー等)を備え、光ファイバ2の空間部Kに冷却媒体を供給、及び空間部Kから冷却媒体を排出する配管48を冷却媒体循環手段46に接続する。なお、ケース部材30の内壁には、ケース部材30の長手軸方向(Z軸方向)に螺旋状の凹部または凸部32が第1クラッド部材21に当接しないように設けられており、当該螺旋状の凹部または凸部32に沿って冷却媒体が第1クラッド部材21の側面をまんべんなく周回しながら排出されるように構成している。
このファイバレーザ発振装置1にて、例えば波長800[nm]の半導体レーザを励起光Linとして用いた場合、波長1064[nm]の出力レーザ光Loutを得ることができる。
以上に説明した実施の形態における光ファイバ2では、第1クラッド部材21の縁部に螺旋状にコア部材10を配置しているため、第1クラッド部材21内を全反射しながら伝播する励起光Linがコア部材10を通る確率が高い。このため、第1クラッド部材21の径φcladを従来よりも充分大きくすることができる。これにより、励起光Linを入射する第1クラッド部材21の端面の面積が大きくなり、より多くの励起光Linを第1クラッド部材21内に入射することができる。
従って、より高出力の出力レーザ光Loutを得ることができる。また発熱したコア部材10を冷却媒体で効率良く冷却できるので発振効率の低下を抑制することができる。なお、冷却媒体は第2クラッド部材も兼ねており、コア部材10とほとんど隣接する位置を流れるため、非常に効率的にコア部材10を冷却することができる。
このファイバレーザ発振装置1による出力レーザ光Loutは、より高いビーム品質にて高い出力と精度を有しており、レーザ加工、レーザ溶接等、種々の用途に用いることが可能である。
本発明の光ファイバ2は、本実施の形態で説明した形状、構成、構造、方法、材質等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
本実施の形態で説明したファイバレーザ発振装置は、本実施の形態に示した構成に限定されず、図1に示す本発明の光ファイバ2を用いて、種々の形態に構成することができる。
本実施の形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。
本実施の形態では、励起光Linに半導体レーザを用いたが、励起光には種々のものを用いることができる。
本発明の光ファイバ2は、ファイバレーザ発振装置に用いることで、レーザ加工装置等のレーザ光を用いた種々の装置に適用できる。
本発明の光ファイバ2の概略構造の例を示す図である。 本発明の光ファイバ2の詳細構造の例を示す図である。 本発明の光ファイバ2を用いたファイバレーザ発振装置1の例を説明する図である。 従来の光ファイバ2z、及び従来のファイバレーザ発振装置の例を説明する図である。
符号の説明
1 ファイバレーザ発振装置
2 光ファイバ
10 コア部材
11 コア用クラッド部材
20 クラッド用コア
21 第1クラッド部材
30 ケース部材
32 螺旋状の凹部または凸部
40 励起光照射手段
42 集光レンズ
44 ミラー
46 冷却媒体循環手段
K 空間部
H 保持部
Lin 励起光
Lout 出力レーザ光

Claims (2)

  1. レーザ活性物質を含むコア部材と、
    前記コア部材よりも小さな屈折率を有するクラッド部材とで構成された光ファイバにおいて、
    前記コア部材の形状は略柱状であり、前記クラッド部材の形状は略筒状であり、
    前記クラッド部材は、前記コア部材の径よりも大きな径を有し、前記コア部材の少なくとも一部を覆うように当該コア部材を長手軸方向に含み、
    略筒状の前記クラッド部材の長手軸方向に形成された空間部は、前記クラッド部材の屈折率よりも小さな屈折率を有する冷却媒体で充填されており、
    更に前記コア部材は、前記クラッド部材の長手軸方向に対して螺旋状に配置されている、
    ことを特徴とする光ファイバ。
  2. 請求項1に記載の光ファイバと、
    前記光ファイバのコア部材を励起してレーザ光を発生させる励起光を出射する励起光照射手段と、
    冷却媒体循環手段と、を備え、
    前記冷却媒体循環手段を用いて、前記クラッド部材の屈折率よりも小さな屈折率を有する冷却媒体を、筒状の前記クラッド部材の空間部に通して循環させ、
    前記クラッド部材に前記励起光照射手段からの励起光を導光して前記コア部材を励起してレーザ光を発生させる、
    ファイバレーザ発振装置。
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