JP4113801B2 - 画像データの圧縮処理方法及び圧縮システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像読取手段で読み取ったカラー画像データを、多色画像域とカラー2値画像域とに分離し、多色画像域は所定の画像圧縮形式により圧縮する一方、カラー2値画像域は所定の2値圧縮形式により圧縮する画像データの圧縮方法、及びこの方法を実施するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、カラースキャナの普及により、自然画像などの多色画像と文字、線図などのカラー2値画像とを含むカラードキュメントを読み取って電子化し、CD−ROMで顧客に頒布したり、インターネットを通じて頒布することが増えてきているが、カラー画像を高品質で電子化するには、300〜400dpi程度の高解像度にて読み取ることが必要であり、インターネットで頒布するにはデータ量が大きくなり、その配信時間に時間がかかる。
【0003】
そのため、電子化したカラー画像については、圧縮してデータ量を小さくすることが必要となってくるが、多色画像とカラー2値画像とをひとまとめにして、従来から使用されているJPEG圧縮方式などの多値画像圧縮形式で圧縮すると、多色画像については品質は確保できるが、カラー2値画像については、圧縮率が悪化したり文字や線図周辺の画質の劣化が否めなかった。
【0004】
そこで、下記特許文献1〜5に示すような、カラー画像を電子化した後、圧縮する前に、多色画像とカラー2値画像とを予め分離し、多色画像は多値画像圧縮形式で圧縮する一方、カラー2値画像については2値画像圧縮形式で圧縮する技術が提案されている。
【0005】
しかしながら、これらの従来技術では、多色画像とカラー2値画像とを識別するためのアルゴリズムがとりわけ複雑なものとなっている。
【0006】
すなわち、特許文献1、2では、電子化画像(以下原画像という)を圧縮するに際して、文字や線図の輪郭を辿り、その輪郭により囲まれる箇所をカラー2値画像と認識して、原画像よりカラー2値画像を抜き出して、多色画像とカラー2値画像とに分離させ、多色画像を多値画像圧縮形式で、一方、カラー2値画像を2値画像圧縮形式で圧縮するようにしている。
【0007】
また、特許文献3では、原画像を複数のブロックに分割し、そのブロック内で、各画像が前景色(暗い部分)と後景色(明るい部分)とに分類し、その平均で前景色と後景色とを更新し、それが収束するまでグリッドのサイズを小さくしていくことにより、カラー2値画像を判断するようにしている。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−308463号公報
【特許文献2】
特開平2002−369011号公報
【特許文献3】
米国特許5900953号
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特許文献1,2においては、カラー2値画像の検出に、文字や線図の輪郭を辿る必要があるため、その作業に時間がかかるほか、メモリ容量の確保の必要や制御負担があった。また、上記特許文献3においては、いわゆる再帰的にブロックのサイズを小さくしてゆく必要があるため、その処理に時間がかかり、原画像の種類によっては計算時間の変動も多く、コピー機などの機器内に組み込むには不適当であった。
【0010】
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであり、少ない計算量で、メモリ領域を大きく確保することもなく、効率的に、原画像をカラー2値画像と多色画像とに分離し、圧縮することのできる画像データの圧縮処理方法、および、それを行うシステムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1〜6においては、圧縮処理方法を提案している。つまり、本方法は、画像データを複数の画素ブロックに分割し、それぞれの画素ブロックの画素分布情報の分散の度合いを用いて、1色ブロック、2色ブロック、多色ブロックを識別するアルゴリズムを実行する方法を提案するものである。
【0012】
すなわち、請求項1では、カラー画像を含む原画像を、所定画素数を含んだ複数の画素ブロックに分割するブロック化処理と、分割した画素ブロックのそれぞれに対して、濃度、色相などの画素の分布情報について、画素ブロックの全体としての分散の度合い求めて、分散の小さい少色画素ブロック群と、分散の大きい多色画素ブロック群とに識別する像域識別化処理と、次いで上記少色画素ブロック群に基づいてカラー2値画像データを生成して、その画像データを所定の2値画像圧縮形式で圧縮する一方、上記多色画素ブロック群に基づいて自然背景画像データを生成して、その画像データを所定の多値画像圧縮形式で圧縮する画像データ像域分離圧縮処理とを備えた画像データの圧縮処理方法において、上記像域識別化処理では、所定の演算処理によって、上記少色画素ブロックとして1色ブロック、2色ブロックを判別し、かつ、上記多色画素ブロックとして多色ブロックを判別し、このうちで2色ブロックと判別された画素ブロックを注目画素ブロックとして、そのブロック内の所定の輪郭枠のそれぞれにおいて、注目画素ブロックの前景色と同色の画素を計数し、その結果、注目画素ブロックの前景色と同色の画素が所定値以上存在していれば、該輪郭枠に隣接している画素ブロックを2色ブロックとみなして上記少色画素ブロック群に含ませる。
【0013】
ここに、画素ブロックの分散度合いは、簡易な方法では、画素ブロック全体の分散値や加重平均とを用いて求めるが、そのようなものには限定されない。
【0014】
また、画素ブロックを閾値に基づいて分割するに際し、閾値は予め定めた値、ブロック全体の分散の平均値であってもよいし、所定の演算により求めてもよい。なお、この演算手法の一つとして、任意の閾値を変動させてゆき、その閾値を越えるものと越えないものとのそれぞれのクラスの分散比が最大となるところで、閾値を固定する手法がある。
【0015】
また、閾値に基づいて分割する領域とは、ここでは、画素の濃度や色相の領域を意味するが、これに限られるものではない。
【0016】
更に、画像データ像域分離圧縮処理では、自然背景画像データは、原画像から抽出した多色画素ブロックに、少色画素ブロックに相当する部分を、少色画素ブロックの背景色で塗りつぶしたものを補間させて形成する。この場合、少色画素ブロック部分のみを透明にした画像と、多色画素ブロックのみを透明にして、少色画素ブロック部分を、その背景色で塗りつぶした部分を有効画像とする画像とをレイヤー構造にして、組み合わせて形成してもよい。そして、このようにして生成された自然背景画像データは、多値画像圧縮形式では、必要に応じて間引いてから、JPEG,ウェーブレットなどで圧縮される。
【0017】
一方のカラー2値画像データは、少色画素ブロックに、多色画素ブロックに相当する部分を透明にしたものを補間させて形成する。本発明でいうカラー2値画像とは、画素ブロック毎に、異なるカラー文字が表示可能なデータを意味し、通常の白、黒からなる2値画像とは異なる。この場合、多色画素ブロック部分を透明にし、少色画素ブロック部分のみを有効画像とする画像を形成し、レイヤー構造としてもよい。そして、このようにして生成されたカラー2値画像データは、2値画像圧縮形式では、生成したカラー2値画像データを、MR,MMRなどの方式で圧縮する。
【0019】
また、請求項2では、請求項1において、上記像域識別化処理では、上記分割した画素ブロックのそれぞれについて、濃度、色相などの画素分布情報としてヒストグラムを作成し、そのヒストグラムに対して演算処理を実行することで、分散の小さい少色画素ブロックと、分散の大きい多色画素ブロックとに識別する。
【0020】
請求項3では、請求項1または2において、上記像域識別化処理では、グラディエーション判別処理が更に実行され、上記グラディエーション判別処理では、1色ブロックとして判別された画素ブロックが連続した位置にあり、かつ、それらの連続した画素ブロックの代表色が同じ場合には、それらの画素ブロックを1色ブロックとみなす一方、そうでない場合には、それらを多色ブロックとみなす処理を行う。
【0021】
このような請求項3の手法は、請求項1の像域分離圧縮処理と置換して実行されてもよい。
【0022】
この請求項3では、画素ブロックが1色ブロックであっても、それに一方向に連続する1色ブロックの代表色が変化している場合には、多色ブロックとみなすことで、自然背景画像をグラディエーション表示できる。ここに、代表色は、画素ブロックの平均値、頻度などから判別すればよい。
【0024】
請求項4〜7では、請求項1〜3の方法を実施する画像データの圧縮処理システムを同時に提案している。
【0025】
請求項4では、カラー画像を含む原画像データを、所定画素数を含んだ複数の画素ブロックに分割するブロック化処理手段と、分割した画素ブロックのそれぞれについての、濃度、色相などの画素分布情報に基づいて、少色画素ブロック群と、それ以外の多色を含む多色画素ブロック群とに識別する像域識別化処理手段と、次いで上記少色画素ブロック群に基づいてカラー2値画像データを生成して、その画像データを所定の2値画像圧縮形式で圧縮する一方、上記多色画素ブロック群に基づいて自然背景画像データを生成して、その画像データを所定の多値画像圧縮形式で圧縮する画像データ像域分離圧縮処理とを備え、上記像域識別化処理手段は、所定の演算処理によって、上記少色画素ブロックとして1色ブロック、2色ブロックを判別し、かつ、上記多色画素ブロックとして多色ブロックを判別し、更に、このうちで2色ブロックと判別された画素ブロックを注目画素ブロックとして、そのブロック内の所定の輪郭枠のそれぞれにおいて、注目画素ブロックの前景色と同色の画素を計数し、 その結果、注目画素ブロックの前景色と同色の画素が所定値以上存在していれば、該輪郭枠に隣接している画素ブロックを2色ブロックとみなして上記少色画素ブロック群に含ませる。
【0026】
請求項5では、請求項4において、上記像域識別化処理手段は、上記分割した画素ブロックのそれぞれについて、前景色、後景色のいずれか一方のみが含まれていると判断したときには、その画素ブロックを1色ブロックと判断し、そうでない場合には、更に、その画素ブロックを、所定の閾値を用いて、前景色側、後景色側の領域に分割して、それぞれの分散度合いを求め、分割された領域の分散度合いが、所定の閾値よりも小さければ、2色ブロックと判別し、そうでなければ多色ブロックと判別する演算処理手段を更に備えている。
【0027】
請求項6では、請求項4または5において、上記演算処理手段は、1色ブロックとして判別された画素ブロックが連続した位置にあり、かつ、それらの連続した画素ブロックの代表色が同じ場合には、それらの画素ブロックを1色ブロックとみなす一方、そうでない場合には、それらを多色ブロックとみなすグラディエーション判別処理を更に実行する。
【0028】
請求項7では、請求項4〜6のいずれかにおいて、上記像域識別化処理手段は、上記分割した画素ブロックのそれぞれについて、濃度、色相などの画素分布情報としてヒストグラムを作成し、そのヒストグラムに対して演算処理を実行することで、分散の小さい少色画素ブロックと、分散の大きい多色画素ブロックとに識別する。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の基本処理を説明する図である。
【0030】
本発明方法によれば、電子化処理によって生成したカラー原画像を、所定画素数(例えば256ドット)を含んだ複数の画素ブロックに分割するブロック化処理(1)を行う。ついで、分割した画素ブロックのそれぞれに対して、少なくとも濃度と色相情報とを含む属性情報についてのヒストグラムを作成し、作成したヒストグラムから分散値を求めて、予め特定された閾値と比較して、分散の小さい少色画素ブロック群と、分散の大きい多色画素ブロック群とに識別する像域識別化処理を行う(2)。
【0031】
そして、この像域識別化処理(2)によって識別された少色画素ブロック群から2値画像データを生成し(3)、その画像データを所定の2値画像圧縮形式で圧縮する(4)。
【0032】
一方、像域識別化処理(2)によって識別された多色画素ブロック群に背景色を加えて自然画像データを生成し(4)、その自然画像データを所定の多値画像圧縮形式で画素データを圧縮する(5)。
【0033】
ここで、ステップ(3)〜(6)による一連の処理を画素データ像域分離圧縮処理(6)という。
【0034】
次に、ブロック化処理(1)、像域識別化処理(2)のそれぞれについて、図2とともに詳しく説明する。
【0035】
すなわち、図2(a)に示す原画像があるとする。この原画像では、多色画像に対し、「HG」、「ABC」といった文字画像や直線といったカラー2値画像が描かれている。
【0036】
ブロック化処理(1)においては、このような原画像をまず、所定画素数を含む複数ブロックに分割する。複数ブロックに分割されたものが図2(b)である。
【0037】
図2(b)に示すようなブロック化処理された原画像に対し、像域識別化処理(2)を行う。すなわち、各ブロック中の画素につき、その画素の属性情報(ここでは、濃度あるいは色相)についてのヒストグラムを作成する。
【0038】
ここに、ブロック10を多色画像であるとすると、そのヒストグラムは濃度の小さいものから大きなものまで満遍なく分散したものとなる(図5(a)参照)。また、ブロック11を1色画像であるとすると、そのヒストグラムは濃度がある程度一定したものとなる(図5(c)参照)。更に、ブロック12を2色画像であるとすると、そのヒストグラムは濃度がある程度一定したものが2箇所出現することになる(図5(b)参照)。
【0039】
像域識別化処理(2)では、このようなヒストグラムを抽出する。すなわち、それぞれのブロックについて分散値を求め後述する処理を行って、分散の小さな少色画素ブロックと、分散の大きな多色画素ブロックとに識別する。その結果、ブロック11,12は少色画素ブロック、ブロック10は多色画素ブロックに識別される。
【0040】
なお、この像域識別化処理(2)においては、ヒストグラムを作成せずに、各ブロック全体の分散度合いを求めるようにしてもよい。
【0041】
図4のフローチャートは像域識別化処理の基本動作を示す。
【0042】
まず、ブロック化処理(1)で画像を複数の画素ブロックに分ける(S1)。これ以降、像域識別化処理(2)が始まる。
【0043】
この像域識別処理では、各ブロックの濃度と色相についての画素分布情報を抽出し、ブロック全体の濃度、色相の分散σ1を求める(S2,3)。
【0044】
そして、ブロック全体の分散σ1の度合いが予め設定された定数Kより小さければ(S4)、1色ブロック(図5(c)参照)と識別する(S9)。
図例では、ステップS9では、直ちに1色ブロックとして判定せずに、1色ブロック候補として扱っているが、後述する2色ブロック周辺処理やグラデーション処理を行うためであり、そのような処理を行わない場合には、1色ブロックとして判定する。
【0045】
一方、濃度あるいは色相の分散値σ1の度合いの一方が定数Kをよりも十分に大きければ、2色ブロック(図5(b)参照)あるいは多色ブロック(図5(a)参照)と識別するが、この判別のため、図6に示すような判別手法を用いる。
【0046】
図6では、濃度や色相につき、適当な閾値を定め、前景色側と後景色側の分散比が最大となるように閾値を固定して、それぞれの領域についての分散を求めて2色ブロックか多色ブロックかの判定を行う。
【0047】
すなわち、以上のようにして、画素ブロックについて分割した画素分布情報について、分割された領域の分散の度合いが、ブロック全体の分散よりも十分に小さいときには、図6(b)のようなヒストグラムになると推定されるので、2色ブロックと識別するが、これらの分散の度合いがブロック全体の分散よりも十分に小さくなければ、図6(a)のようなヒストグラムになると推察されるので、多色ブロックと識別する。
【0048】
より具体的には、分割した画素ブロックについて、前景色、後景色それぞれのクラスの分散σf,σbを求めたあと(S6)、濃度、色相についての分散σf,σbがブロック全体の閾値σ1よりも十分に小さければ(S7)、2色ブロックと識別する(S8)が、そうでなければ(S7)、多色ブロックと判定する(S5)。
【0049】
ここに、このような2色ブロック、多色ブロックの判定は、例えば、以下の3通りで行える。
【0050】
すなわち、単純に、σf<σ1×定数、かつ、σb<σ1×定数を満たすかどうか、次に、(σf+σb)÷2<σ1×定数を満たすかどうか、更に、(σf×Nf+σb×Nb)÷(Nf+Nb)<σ1×定数を満たすかどうか、で判定できる。ここに、Nfはσfに属するクラスの画素数、Nbはσbに属するクラスの画素数を意味する。
【0051】
このようなステップS2〜S9の処理を全ブロックにつき行えば(S10,11)、原画像すべてにつき、多色、2色、1色それぞれのブロックに類別できる。
【0052】
図7は、2色ブロック周辺処理について説明するフローチャートである。ここでは、先述した像域識別化処理において、輪郭判別処理として2色ブロックと識別されたブロックの隣接ブロックを2色ブロックとみなして圧縮処理すべきか否かを判定するものである。
【0053】
この処理においては、2色ブロックと判定されたブロック内のそれぞれについて、そのブロック内の輪郭枠に、2色ブロック(注目画素ブロックとする)のものと同じ前景色の画素の数が閾値nth以上であれば(S20,21)、その隣接ブロックは2色ブロックとみなして保存する(S22)。一方、そうでなければ、当初判別したブロック、つまり、1色ブロックまたは多色ブロックとみなして保存し(S23)、像域圧縮分離処理(3)を行う。
【0054】
図7Aはこの処理を説明するための図である。ここでは、2色ブロックB0,B0’を注目画素ブロックとして、それぞれのブロックB0,B0’内の4つの輪郭枠S1〜S4に、それぞれのブロックB0,B0’の前景色と同じ画素があるかどうかを見る。そして、その画素数が閾値nth以上あれば、それぞれの輪郭枠に隣接したブロックを2色ブロックとみなす。その結果、文字や直線の一部がかかっているブロックB1,2、ブロックB1’の各々は、2色ブロックとして扱われることになる。
【0055】
なお、この2色ブロック周辺処理においては、この手法には限られず、2色ブロックに隣接する隣接ブロックにつき、2色ブロック(以下注目画素ブロックという)の代表色(前景色)と同一の画素が一定以上あるかどうかを見て、そうであれば、そのブロックを2色ブロックとして保存する手法を用いることもできる。
【0056】
図8は、グラデーション判別処理について説明するフローチャートである。ここでは、先述した像域識別化処理により1色ブロックと認定された一連のブロックがグラデーションを構成していることがあることから、その代表色(前景色)が一定でないブロックについては多色ブロックとして識別する。
【0057】
つまり、1色ブロックが連続しており、かつ、代表色が変化していれば(S30)、これら連続するブロックは多色ブロックとして保存する(S31)。一方、そうでなければ元の一色ブロックとして保存し(S32)、像域圧縮処理をなす。
【0058】
こうすることにより、1色ブロックと判定された連続ブロックが、先述の背景色により補完された場合、同一色で塗りつぶされてグラデーションでなくなってしまうことを防止できる。
【0059】
図9は、先述した圧縮処理方法を実現できる圧縮処理システムの要部構成例を示す図である。このものは、ブロック化処理(1)を行うブロック化処理手段A、像域識別化処理(2)を行い、2色ブロック周辺処理やグラデーション判別処理を行う演算処理手段Cを有する像域識別化処理手段B、像域分離圧縮処理(3)を行う像域分離圧縮処理手段Dを備える。
【0060】
【発明の効果】
以上の説明からも理解できるように、本発明の画像データの圧縮処理方法によれば、簡易なアルゴリズムでカラー原画像をカラー2値画像と自然背景画像とに分離出来るので、少ない計算量で、かつメモリ領域を大きく確保することもなく、高速でデータを圧縮することができる。
【0061】
また、画素ブロックのヒストグラムの特性を簡易な方法で分析して、1色、2色、多色ブロックとして判別するので、少ない計算量で、かつメモリ領域を大きく確保することもなく、高速でデータを圧縮することができる。
【0062】
また、カラー原画像にグラディエーションがある場合でも、簡易な方法で識別して、その特徴を損なわれることなく圧縮することが出来る。カラー原画像に文字や線、罫線などが含まれている場合でも、それらが欠落したり、かすんだり、劣化することなく、効率よく圧縮できる。
【0063】
本発明の画像データの圧縮処理システムによれば、ブロック化処理をする手段、像域分離化処理をする手段、画素データ圧縮処理をする手段を備えるため、請求項1の方法を実現できる。また、このシステムでは、画素ブロックにおいて前景色、後景色、これらの分布パターンを識別することで、カラー2値画像、自然背景画像を生成して圧縮処理できる。
【0064】
また、画素ブロックのヒストグラムの特性を簡易な方法で分析して、1色、2色、多色ブロックとして判別して圧縮できる。
【0065】
また、カラー原画像にグラディエーションがある場合、その特徴を損ねることなく、効率よく圧縮できる。カラー原画像に文字や線、罫線などが含まれている場合でも、それらが欠落したり、かすんだり、劣化することなく、効率よく圧縮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本処理を説明する図
【図2】(a),(b)は、本発明におけるブロック化処理、像域識別化処理の説明図
【図3】(a),(b)は、本発明において生成される自然画像データ、抽出画像データの説明図
【図4】像域識別化処理の基本動作を示すフローチャート
【図5】(a),(b),(c)は、多色ブロック、2色ブロック、1色ブロックのそれぞれのヒストグラムを示す図
【図6】(a)、(b)は、多色画素ブロック、2色画素ブロックの説明図
【図7】2色ブロック周辺処理の基本動作を説明するフローチャート
【図7A】2色ブロックの周辺処理の説明図
【図8】グラデーション処理の基本動作を説明するフローチャート
【図9】本発明システムの要部構成例を示す図
【符号の説明】
1・・・ブロック化処理
2・・・像域識別化処理
3〜6・・・像域分離圧縮処理
A・・・ブロック化手段
B・・・像域識別化処理手段
C・・・演算処理手段
D・・・像域分離圧縮処理手段
Claims (7)
- カラー画像を含む原画像を、所定画素数を含んだ複数の画素ブロックに分割するブロック化処理と、
分割した画素ブロックのそれぞれに対して、濃度、色相などの画素の分布情報について、画素ブロックの全体としての分散の度合い求めて、分散の小さい少色画素ブロック群と、分散の大きい多色画素ブロック群とに識別する像域識別化処理と、
次いで上記少色画素ブロック群に基づいてカラー2値画像データを生成して、その画像データを所定の2値画像圧縮形式で圧縮する一方、上記多色画素ブロック群に基づいて自然背景画像データを生成して、その画像データを所定の多値画像圧縮形式で圧縮する画像データ像域分離圧縮処理とを備えた画像データの圧縮処理方法において、
上記像域識別化処理では、
所定の演算処理によって、上記少色画素ブロックとして1色ブロック、2色ブロックを判別し、かつ、上記多色画素ブロックとして多色ブロックを判別し、
このうちで2色ブロックと判別された画素ブロックを注目画素ブロックとして、そのブロック内の所定の輪郭枠のそれぞれにおいて、注目画素ブロックの前景色と同色の画素を計数し、
その結果、注目画素ブロックの前景色と同色の画素が所定値以上存在していれば、該輪郭枠に隣接している画素ブロックを2色ブロックとみなして上記少色画素ブロック群に含ませることを特徴とする画像データの圧縮処理方法。 - 請求項1において、
上記像域識別化処理では、上記分割した画素ブロックのそれぞれについて、濃度、色相などの画素分布情報としてヒストグラムを作成し、そのヒストグラムに対して演算処理を実行することで、分散の小さい少色画素ブロックと、分散の大きい多色画素ブロックとに識別することを特徴とする、画像データの圧縮処理方法。 - 請求項1または2において、
上記像域識別化処理では、グラディエーション判別処理が更に実行され、
上記グラディエーション判別処理では、1色ブロックとして判別された画素ブロックが連続した位置にあり、かつ、それらの連続した画素ブロックの代表色が同じ場合には、それらの画素ブロックを1色ブロックとみなす一方、そうでない場合には、それらを多色ブロックとみなす処理を行うことを特徴とする画像データの圧縮処理方法。 - カラー画像を含む原画像データを、所定画素数を含んだ複数の画素ブロックに分割するブロック化処理手段と、
分割した画素ブロックのそれぞれについての、濃度、色相などの画素分布情報に基づいて、少色画素ブロック群と、それ以外の多色を含む多色画素ブロック群とに識別する像域識別化処理手段と、
次いで上記少色画素ブロック群に基づいてカラー2値画像データを生成して、その画像データを所定の2値画像圧縮形式で圧縮する一方、上記多色画素ブロック群に基づいて自然背景画像データを生成して、その画像データを所定の多値画像圧縮形式で圧縮する画像データ像域分離圧縮処理とを備え、
上記像域識別化処理手段は、所定の演算処理によって、上記少色画素ブロックとして1色ブロック、2色ブロックを判別し、かつ、上記多色画素ブロックとして多色ブロックを判別し、更に、このうちで2色ブロックと判別された画素ブロックを注目画素ブロックとして、そのブロック内の所定の輪郭枠のそれぞれにおいて、注目画素ブロックの前景色と同色の画素を計数し、
その結果、注目画素ブロックの前景色と同色の画素が所定値以上存在していれば、該輪郭枠に隣接している画素ブロックを2色ブロックとみなして上記少色画素ブロック群に含 ませることを特徴とする画像データの圧縮処理システム。 - 請求項4において、
上記像域識別化処理手段は、上記分割した画素ブロックのそれぞれについて、前景色、後景色のいずれか一方のみが含まれていると判断したときには、その画素ブロックを1色ブロックと判断し、そうでない場合には、更に、その画素ブロックを、所定の閾値を用いて、前景色側、後景色側の領域に分割して、それぞれの分散度合いを求め、分割された領域の分散度合いが、所定の閾値よりも小さければ、2色ブロックと判別し、そうでなければ多色ブロックと判別する演算処理手段を更に備えていることを特徴とする画像データの圧縮処理システム。 - 請求項4または5において、
上記演算処理手段は、1色ブロックとして判別された画素ブロックが連続した位置にあり、かつ、それらの連続した画素ブロックの代表色が同じ場合には、それらの画素ブロックを1色ブロックとみなす一方、そうでない場合には、それらを多色ブロックとみなすグラディエーション判別処理を更に実行するようにしている画像データの圧縮処理システム。 - 請求項4〜6のいずれかにおいて、
上記像域識別化処理手段は、分割された画素ブロックのそれぞれについて、濃度、色相などの画素分布情報としてヒストグラムを作成し、そのヒストグラムに対して演算処理を実行することで、分散の小さい少色画素ブロックと、分散の大きい多色画素ブロックとに識別する画像データの圧縮処理システム。
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