JP4113065B2

JP4113065B2 - テレスコープ形アクチュエータ

Info

Publication number: JP4113065B2
Application number: JP2003208322A
Authority: JP
Inventors: 忠昭川堀
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 2003-08-21
Filing date: 2003-08-21
Publication date: 2008-07-02
Anticipated expiration: 2023-08-21
Also published as: JP2005069251A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、介護用入浴補助具に組み込み、身体の不自由な方やお年寄りの方々の身体を浴槽の中で上昇、下降させる装置に有効なテレスコープ形アクチュエータに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来のテレスコープ形アクチュエータは、テレスコープ形シリンダーの内部にピストンが組み込まれており、ピストンとシリンダーとはパッキンでシールされているため摩擦抵抗が大きい欠点がある。この欠点の解消のため、図４に示すテレスコープ形シリンダー１が提案されている（特許文献１参照）。
【０００３】
【特許文献】
特開２０００−１７０７１２（第１−３頁、図１−２）
【０００４】
テレスコープ形シリンダー１は、筒群と、ゴムベローズ２とからなり、注入口５からエアーを注入するとゴムベローズ２は上方向と横方向に膨張して、それぞれの筒を上に変位させる。この際にゴムベローズ２は膨張して筒の内壁に全面接触してシリンダーの上昇下降に摩擦抵抗を生じる。このため、アクチュエータの上昇出力が低減するとともに、摩擦により磨耗、損傷を生じゴムベローズ２の寿命が短い問題が生じている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の目的は、ゴムベローズ２と筒の内壁との摩擦を無くして、上昇出力の増大を図るとともに、ゴムベローズ２の磨耗、損傷を防止できるテレスコープ形アクチュエータの提供にある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
この発明のテレスコープ形アクチュエータは、径のそれぞれ違う剛体筒を伸縮するように組み合わせたテレスコープ形シリンダー１と、該テレスコープ形シリンダー１の端部に取り付けた台座４と、前記テレスコープ形シリンダー１の内側に同軸的に挿入されたゴム、樹脂などのエラストマーで形成された（この実施例ではゴム）ベローズ２と、該ベローズ２の外側を被覆するとともに前記ベローズ２と分離し、かつ内径が前記ベローズ２の外径（最大径）に近似した円筒形（ベローズ形状ないし蛇腹形状を除く）である布筒３と、前記ベローズ２への作動流体給排手段（注入口）５とからなる。
【０００７】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を図１、図２とともに説明する。テレスコープ形アクチュエータ１０は、径のそれぞれ違う剛体筒１１、１２、１３を伸縮するように組み合わせたテレスコープ形シリンダー１を備えている。テレスコープ形シリンダー１の下端部には台座４が取り付けられ、上端部には蓋板１４が固定されている。剛体としては、金属、樹脂、セラミックなどが用途に応じて適宜に選択され、剛体筒１１、１２、１３の数および寸法は、使用目的により設定される。
【０００８】
テレスコープ形シリンダー１内には、ゴムベローズ２および布筒３が同軸的に収容されている。布筒３は、内径がほぼゴムベローズ２の外径に等しい円筒形であり、織布であっても不織布であってもよいが、十分な可撓性と小さい伸縮性を有することが望ましい。なお、布筒３は、ゴムベローズ２の伸縮を円滑に行う観点から、ベローズ形状ないし蛇腹形状であっも良いが、製造コスト、装着性および作動性の観点から円筒形であることが望ましい。また、伸縮性向上のため、ゴムベローズ２と布筒３とは接着などで一体でなく分離していることが必要である。さらに、布筒３はシームレスであると、耐久性の観点から有利である。
【０００９】
作動流体給排手段（注入口）５は、この実施例では台座４に設けられており、ゴムベローズ２に水、空気、油などの流体を給排する。作動流体給排手段（注入口）５は、蓋板１４に設けられていてもよい。
【００１０】
【実施例】
ゴムベローズ２の長さは、必要とする最大伸長長さによってゴムベローズ２のヒダの谷間の深さとヒダの数とを定め、ゴムベローズ２の外径（最大径）は必要とする出力に応じて径を定める。このゴムベローズ２の一方（上端）を密封して、他方（下端）には孔を設け、孔の付いている側を台座４に取り付ける。つぎにゴムベローズ２を、内径がゴムベローズ２の外径に近似した円筒径の布筒３で被い、布筒３の上部はゴムベローズ２の上部に固定し、下部はゴムベローズ２の下部に固定する。布筒３の長さはゴムベローズ２の必要とする最大伸長時の長さと同じ長さにする。
【００１１】
こうして出来た布筒３で包まれたゴムベローズ２の最大径が入る内径を有する剛体筒１１、１２、１３を組み合わせて必要長さのテレスコープ形シリンダー１を作り、これをゴムベローズ２に被せて台座４に固定する。そして台座４の注入口５から水などの作動流体を注入すると、ゴムベローズ２と布筒３とは一体となって上方に伸びテレスコープ形シリンダー１を伸長させる。
【００１２】
注入口５から作動流体を排出するとゴムベローズ２は下方に縮み、テレスコープ形シリンダー１は、蓋板１４に加わる負荷により縮小する。このとき、布筒３はゴムベローズ２の谷間に順次たたみ込まれ、テレスコープ形シリンダー１は円滑に縮小できる。このようにして、テレスコープ形シリンダー１は伸縮し、アクチュエータとして作用する。
【００１３】
【発明の作用、効果】
この発明のテレスコープ形アクチュエータ１０では、テレスコープ形シリンダー１の伸縮の際に、ゴムベローズ２が布筒３に被覆されて保持されているため、横に膨れることを抑止されるため、テレスコープ形シリンダー１（または剛体筒１１、１２、１３）の内周壁に圧接することが防止され、円滑に上方に伸びる。しかし、この過程で布筒３に覆われたゴムベローズ２は、上部に加えられた加重により多少は湾曲して一部分はテレスコープ形シリンダー１の内周壁に当たるが全面には当たらず摩擦力は減少され上昇出力の低減はほとんど生じない。また、ゴムベローズ２の摩擦による磨耗、剛体筒１１、１２、１３の隙間への挟み込みによる損傷も確実に阻止され、耐久性が向上する。
【００１４】
【用途例】
本発明の用途を図３に示す水道水を利用した身体昇降装置とともに説明する。本装置は身体の不自由な方やお年寄りの方々の入浴を補助するためのものである。椅子６１には支柱６２に滑車６３を介して上昇、下降をするように、昇降動力として本発明のテレスコープ形アクチュエータ１０を装着している。本装置は、浴槽の中に設置され、人を椅子６１に乗せて注入口５からバルブ６６を経て水道水を供給、排出する。これにより、人は浴槽の中で上下することができ、介護者の負担を軽減できる。摩擦抵抗が少なく、上昇出力の大きいテレスコープ形アクチュエータ１０は、何処の家庭にもある水道水圧を有効利用し、身体昇降装置に適用する効果が著しい。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のテレスコープ形アクチュエータの最小縮小時の斜視図である。
【図２】本発明のテレスコープ形アクチュエータの最大伸長時の斜視図である。
【図３】身体昇降装置の側面図である。
【図４】従来のテレスコープ形アクチュエータの断面図である。
【符号の説明】
１テレスコープ形シリンダー
２ゴムベローズ（エラストマー製ベローズ）
３布筒
４台座
５作動流体給排手段（注入口）
１０テレスコープ形アクチュエータ
１１〜１３剛体筒

Claims

径のそれぞれ違う剛体筒を伸縮するように組み合わせたテレスコープ形シリンダーと、該テレスコープ形シリンダーの端部に取り付けた台座と、前記テレスコープ形シリンダーの内側に同軸的に挿入されたエラストマー製ベローズと、前記ベローズの外側を被覆するとともに前記ベローズと分離し、かつ内径が前記ベローズの外径（最大径）に近似した円筒形である布筒と、前記ベローズへの作動流体給排手段とからなるテレスコープ形アクチュエータ。