JP4113019B2 - 自浄性道路標識柱 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路の車線分離、側縁表示等を目的として設置される柱状の標識体に設けられる反射体について自浄性を備えた道路標識柱に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、道路標識柱においては、夜間においての視認性を高めるために、再帰反射性を有する反射シートを貼着する等で反射体を設けることは周知である。その反射体が車両の踏み付けや道路周辺の汚染物質の付着等により汚染されると再帰反射性が著しく損なわれる恐れがあり、かかる汚染を防止するための発明が開示されてきている。
【0003】
例えば特許文献1において、車両が接触したときに曲がる中空のポールをもつ可倒式視線誘導標識柱において、ポールが壁を顔料を混入されたポリウレタン系熱可塑性エラストマーからなる内層と内層表面の一部の領域に配置された反射標識体とポリウレタン系熱可塑性エラストマーからなりかつ内層表面の残余の領域に密着する外層とからなっていること、を特徴とする可倒式視線誘導標識柱が開示されている。
【0004】
また本出願人による特許文献2において、視線誘導をするために車両運転者に視認させる標示面上にシリコーン系塗料による下塗り層が形成され、その上に光触媒としての二酸化チタンを含有する被膜が形成され、該被膜に紫外光を照射することにより二酸化チタンが活性化されてその表面が親水化され、降雨等によって表面に付着した汚染物質が洗浄されるようになされたことを特徴とする自浄式視線誘導標示体が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−158319号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平11−81255号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の可倒式視線誘導標識柱では、外層を形成するにおいて、予め形成された内層と反射標識体の上に押出成形等により外層を被覆成形する必要があり、手間と材料を要するものであった。またポリウレタン系熱可塑性エラストマーからなる外層が汚染されると、反射標識体そのものが汚染されていなくても外層により光線が妨げられ、再帰反射性が低下するという問題点があった。
【0008】
また特許文献2に記載の自浄式視線誘導標示体では、表面に付着した汚染物質は光触媒による親水化により容易に洗い流され、また光触媒による酸化作用により分解されることが期待できるが、標示面上に光触媒含有層を形成するにおいて、まず標示面にシリコーン塗料を塗布して硬化させ、更に光触媒微粒子を含有する塗料を塗布するといった作業が必要であり、かかる作業により簡便に光触媒含有層を形成できるとは言い難く、また既設のものや、施工を行う現地において対応するのは困難であった。
【0009】
本発明は上記の如き課題に鑑みてなされたものであり、形成に係わる手間が少なく、既設のものや施工する現地における対応が容易である自浄性道路標識柱を提供せんとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は以下のような構成としている。すなわち、本発明に係わる自浄性道路標識柱は、円形外周のポール部とベース部及びアンカーボルトにより構成され、前記ポール部の円形外周面に反射シートからなる反射体が貼着されると共に、反射体の上に光触媒含有層を形成し該光触媒含有層に紫外光照射することにより光触媒が活性化されてその表面が親水化され、降雨等によって表面に付着した汚染物質が洗浄されるようになされた道路標識柱であって、前記光触媒含有層は、可視光を透過し且つ可撓性を有する基材の一方の面に形成され、他方の面にはアクリル系ポリマーをベースポリマーとした接着層が設けられて光触媒フィルムが形成され、この光触媒含有層が形成された光触媒フィルムが前記接着層により、ポール部の円形外周面に貼着された反射シートからなる反射体の外周に貼着されて、反射体に光触媒による自浄性が具備されると共に、光触媒フィルムは貼着された後に重なり部が形成されて、光触媒フィルムが剥離しにくくなされていることを特徴とするものである。
【0011】
本発明によれば、光触媒フィルムが可撓性を有する基材を用いて形成されていることで道路標識柱の側面のような曲面に対しても容易に貼着ができ、また透明で接着力が強く且つ屋外においても劣化の少ないアクリル系ポリマーをベースポリマーとした接着層により反射体の外面に貼着できることで、光触媒フィルムは強固に且つ安定して反射体に貼着される。更に光触媒フィルムを貼着するのみで反射体に自浄性を具備させることができ、形成に係わる手間を少なくできると共に、既設のものや施工する現地においても対応が容易となり得る。
【0012】
また前記光触媒含有層は、シリコーン系塗料により形成された下塗り層を介して基材の一方の面に形成されていれば、シロキサン結合により光触媒の活性による強い酸化力に対しても基材が侵されにくくなり、耐候性を向上させることができ好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図面に基づき以下に具体的に説明する。
図1は、本発明が適用される道路標識柱を示す正面図である。道路標識柱10は主としてポール部P、ベース部B及びアンカーボルトAにより構成され、ポール部Pは例えばウレタン系やオレフィン系等のエラストマーを用いて形成され、車両の衝突や踏み付け等に対して曲がり、且つ復元するものである。ベース部Bは熱可塑性合成樹脂を射出成形等して形成されており、ポール部Pとは接着、融着等により一体化されて車両の衝突や踏み付けによりポール部Pが脱落しないようになされている。またベース部Bには、その周囲を取り囲むように合成樹脂からなるベルトにガラスビーズを埋め込んだガラスビーズ反射体Rが巻装されている。ベース部Bの下面にはアンカーボルトAが埋設されて突設され、路面に埋設されたアンカーナットと螺着されることで道路標識柱10は路面に固定される。
【0014】
ポール部Pの側面上方には三体の反射体1が貼着されている。反射体1はシート状のもので、反射シートとして周知のものであり、基材の一方の面に接着剤層を設け、他方の面にガラスビーズやプリズム等の反射層を設け、その外面に透明な保護層を設けて一体となしたものである。
【0015】
図2及び図3は、本発明に係わる実施の一形態を示す説明図である。図2において、図1に示す如き道路標識柱10の反射体1の外面に、基材に光触媒含有層が光触媒フィルム2が貼着される。光触媒フィルム2の上下方向の幅は反射体1の上下方向の幅と同程度となされ、長さは反射体外周の長さより僅かに長くなされている。
【0016】
図3は、光触媒フィルム2が貼着された図2におけるA−A断面図である。イ)において、ポール部Pの外周面に反射シートである反射体1が設けられ、更にその外周に光触媒フィルム2が貼着されている。光触媒フィルム2は反射体1の外周より僅かに長くなされていることで、貼着された後に重なり部Kが形成されて光触媒フィルム2が剥離しにくくなされている。ロ)は反射体1付近の詳細を示す断面図であるが、反射体1の外周に貼着された光触媒フィルム2は、基材21の一方の面にアクリル系ポリマーをベースポリマーとした接着層24が形成され、他方の面にシリコーン系塗料により形成された下塗り層22が設けられ、更にその外面に光触媒含有層23が設けられる。
【0017】
かかる構成により、光触媒フィルム2を貼着するのみで反射体1の外面に光触媒含有層23を形成でき、道路標識柱10の反射体1に光触媒による自浄性を容易に具備させることができ、光触媒フィルム2を予め用意しておき、要望に応じて通常の道路標識柱10の反射体1外周に貼着することで自浄性の道路標識柱を形成することができ、納期への迅速な対応が可能となったり、道路標識柱と光触媒フィルムとを別体で施工する現地に持ち運び、施工する現地において必要な数量だけに対して光触媒フィルムを貼着し、自浄性とする道路標識柱の数量を調整することも可能となる。
【0018】
基材21は反射体1への光線の入射及び反射体1からの再帰反射光の出射を妨げない可視光を透過するものであり、且つ円筒状の曲面に対しても貼着が容易となるよう可撓性を有するものであれば特に限定されるものではなく、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリメタクリレート、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ABS等の透明或いは半透明の透光性を有する合成樹脂を用いて形成することができる。
【0019】
下塗り層22を形成するシリコーン系塗料は特に限定されず公知のものを用いることができるが、基材21が耐熱性に劣る合成樹脂より形成されるものであるから、反応性(硬化性)が極めて高く、また100℃付近の比較的低温で硬化し、しかも合成樹脂を侵しにくいアルコール系溶剤にシリコーン系化合物を溶解した、所謂シリコーンハードコート剤と称されて市販されているものを用いるのが好ましい。このシリコーンハードコート剤は、多官能性のシロキサンを主成分とし、シラノール基の脱水縮合反応により、硬い薄膜を形成するものであり、主としてポリカーボネートやアクリル樹脂表面の耐磨耗性の向上のために用いられるものである。かかるシリコーンハードコート剤としては東芝シリコーン株式会社製トスガード510(硬化剤として同社製PH91)等がある。
【0020】
光触媒含有層23は、バインダーとしてシリコーン系化合物等を用い、光触媒微粒子を含有する被膜を形成したものであるが、光触媒としての二酸化チタンは、ルチル型でもよいが、活性の高さからアナターゼ型のものが好ましく、この二酸化チタンに波長領域が300〜400nm付近の紫外光を照射することによって活性化され、その活性化によって強い酸化力が発現されて、表面に付着した汚染物質は分解されると共に、活性化によってその表面は水との接触角でほぼ0〜20度程度まで親水化され、かかる親水化によって汚染物質は付着しにくくなり、例え付着しても降雨等によって容易に洗い流されるようになる。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、光触媒フィルムが可撓性を有する基材を用いて形成されていることで道路標識柱の側面のような曲面に対しても容易に貼着ができ、また透明で接着力が強く且つ屋外においても劣化の少ないアクリル系ポリマーをベースポリマーとした接着層により反射体の外面に貼着できることで、光触媒フィルムは強固に且つ安定して反射体に貼着される。更に光触媒フィルムを貼着するのみで反射体に自浄性を具備させることができ、形成に係わる手間を少なくできると共に、既設のものや施工する現地においても対応が容易である
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される道路標識柱を説明する正面図である。
【図2】本発明に係わる実施の一形態を示す説明図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【符号の説明】
1 反射体
2 光触媒フィルム
21 基材
22 下塗り層
23 光触媒含有層
24 接着層
10 道路標識柱
P ポール部
B ベース部
A アンカーボルト
Claims (1)
- 円形外周のポール部とベース部及びアンカーボルトにより構成され、前記ポール部の円形外周面に反射シートからなる反射体が貼着されると共に、反射体の上に光触媒含有層を形成し該光触媒含有層に紫外光照射することにより光触媒が活性化されてその表面が親水化され、降雨等によって表面に付着した汚染物質が洗浄されるようになされた道路標識柱であって、前記光触媒含有層は、可視光を透過し且つ可撓性を有する基材の一方の面に形成され、他方の面にはアクリル系ポリマーをベースポリマーとした接着層が設けられて光触媒フィルムが形成され、この光触媒含有層が形成された光触媒フィルムが前記接着層により、ポール部の円形外周面に貼着された反射シートからなる反射体の外周に貼着されて、反射体に光触媒による自浄性が具備されると共に、光触媒フィルムは貼着された後に重なり部が形成されて、光触媒フィルムが剥離しにくくなされていることを特徴とする自浄性道路標識柱。
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