JP4112087B2

JP4112087B2 - Coffee production method

Info

Publication number: JP4112087B2
Application number: JP24263698A
Authority: JP
Inventors: 博行星川; 公一吉村; 博司笹井
Original assignee: Yakult Honsha Co Ltd
Current assignee: Yakult Honsha Co Ltd
Priority date: 1998-08-28
Filing date: 1998-08-28
Publication date: 2008-07-02
Anticipated expiration: 2018-08-28
Also published as: JP2000069910A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コーヒー感の強いコーヒー飲料、特に乳蛋白質を０.５重量％以下で含有するコーヒー飲料の製造方法に関し、更に詳細には、コーヒー感の強いコーヒー飲料を缶コーヒー等の保存可能なものとして製造するにあたり、加熱殺菌処理によっても凝集物や沈殿物の発生を防止した製造方法およびこの方法により製造されたコーヒー飲料に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、保存可能であり、しかも手軽に場所を問わず飲めるコーヒー飲料として缶コーヒー等が提供されており、広く消費されている。このようなコーヒー飲料には、乳成分を含有したものも多く提供されているが、乳成分を配合するコーヒー飲料の実際の製造に当たっては問題点があった。
【０００３】
すなわち、乳成分を含有したコーヒー飲料（以下、「乳成分含有コーヒー飲料」という）の製造に当たっては、まずコーヒー豆を焙煎した後、これを粉砕し、抽出してコーヒー抽出液を得、これに牛乳等の乳成分を添加し、加熱殺菌する方法が一般的であった。しかし、この方法によると、加熱殺菌後にコーヒー抽出物や乳成分の凝集物や沈澱物が発生し、商品価値が大きく損なわれるという問題があった。
【０００４】
このような凝集、沈澱の発生は、缶コーヒー等の製品に占めるコーヒー濃度が高い場合、特に顕著である。一般に製品に占めるコーヒー濃度は可溶性固形分（以下、「ＲＩ」と略称する）で表現するが、現在提供されている缶コーヒー等の製品に占めるコーヒー濃度としてのＲＩは１.０乃至１.３程度であり、この程度ではそれほど多量の沈澱等が発生することはない。しかし、よりコーヒー感の強い濃厚な飲料を製造するためには、ＲＩを高くする必要があり、この場合には沈澱等の発生が著しい。また、製品に占めるコーヒー濃度（ＲＩ）が高い場合には、乳成分が含有されていないコーヒー飲料でさえ上記のような凝集・沈澱が生じてしまう。
【０００５】
そこでこのような凝集・沈澱の問題を防ぐ手段として以下の様な方法が提案されている。
▲１▼ 乳化剤または安定剤等の添加
▲２▼ 重層等の添加によるｐＨの調整
▲３▼ プロテアーゼによる乳蛋白の分解処理（特開平９−２７１３２３号）
【０００６】
しかしながら、▲１▼の乳化剤または安定剤等の添加は、添加効果はあるもののコーヒーの風味を損なう場合があり、商品によっては必ずしも満足のゆくものではなく、生産コストを上げる原因にもなっていた。
【０００７】
また、▲２▼の重層等の添加によるｐＨの調整は一般的ではあるが、これだけでは十分な効果が得られず、乳化剤または安定剤等の添加と併用する必要があった。
【０００８】
更に、▲３▼のプロテアーゼによる乳蛋白の分解処理では、分解された乳蛋白質が苦味を呈するために風味を損なうという問題があるばかりか、酵素剤を使用するため生産コストを上げる原因となっていた。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、乳成分含有コーヒー飲料の加熱殺菌後の凝集・沈澱を防ぐ方法は種々提案されてはいるが、これらはいずれも満足のゆくものではなく、特にコーヒー感の強い乳成分含有コーヒー飲料の凝集・沈澱を防ぐことは困難であった。このため、更に優れた方法の提供が求められている。
【００１０】
本発明は、このような状況においてなされたものであり、コーヒー感が強いコーヒー飲料について加熱殺菌後に発生する凝集及び沈澱、特に乳成分を含有せしめた場合の加熱殺菌後に発生する凝集及び沈澱を有効かつ経済的に防止する方法を提供することを目的とする。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意研究を行った結果、製品に占めるコーヒー濃度が高くコーヒー感の強い乳成分含有コーヒー飲料を製造する際に、コーヒーの熱水抽出液とコーヒーエキスとを適宜の割合に混合することにより、加熱殺菌後の凝集や沈澱の発生を防止できることを見出した。
【００１２】
また、製品に占めるコーヒー濃度が高くコーヒー感の強い乳成分含有コーヒー飲料を製造する際に、Ｌ値２０未満の豆から得られるコーヒー抽出液を用いることによっても、加熱殺菌後の凝集や沈澱の発生を防止できることを見出した。
【００１３】
本発明は、上記知見に基づき完成されたものであり、製品に占めるコーヒー濃度がＲＩとして１.４乃至１.８であり、最終製品中に乳成分を含まないか、最終製品中の乳蛋白質が０.５重量％以下となる量の乳成分を含有するコーヒー飲料を製造するに際し、コーヒーの熱水抽出液とコーヒーエキスとを、製品に含まれるＲＩとして８：２乃至２：８となるように混合する工程を含むことを特徴とするコーヒーの製造方法を提供するものである。
【００１４】
また本発明は、製品に占めるコーヒー濃度がＲＩとして１.４乃至１.８であり、最終製品中に乳成分を含まないか、最終製品中の乳蛋白質が０.５重量％以下となる量の乳成分を含有するコーヒー飲料を製造するに際し、Ｌ値２０未満のコーヒー豆より得られるコーヒー抽出液を用いることを特徴とするコーヒーの製造方法を提供するものである。
【００１５】
更に本発明は、上記の方法により製造されたコーヒー飲料をも提供するものである。
【００１６】
【発明の実施の形態】
本明細書中において、コーヒー感の強いコーヒー飲料とは、製品に占めるコーヒー濃度がＲＩ１.４乃至１.８のものをいう（ここでいう、ＲＩすなわち可溶性固形分は、物質が水溶液中で光を屈折させる性質とその度合いが溶液の糖度に比例することを利用し、水に対するショ糖濃度を目盛り化したものである）。通常、この程度の固形分を有するコーヒー飲料は、濃厚なコーヒー感を有するが、その物性が安定し難い。他方、ＲＩ１.３以下では強いコーヒー感を有する濃厚なコーヒー飲料を得ることはできず、１.８以上ではコーヒー由来の苦味や雑味等が強すぎ、風味が劣化してしまう。
【００１７】
また、本明細書中において、乳成分含有コーヒー飲料とは、焙煎したコーヒーの抽出液に乳成分を添加し、加熱殺菌したものをいう。更に本明細書において「コーヒー飲料」とは、「コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約」に定める「コーヒー入り清涼飲料」、「コーヒー飲料」、「コーヒー」を全て含めたものを意味する。
【００１８】
本発明において、強いコーヒー感を有しながら加熱殺菌後の凝集や沈澱の発生を抑制したコーヒー飲料を得るための方法の一つとしては、焙煎処理したコーヒー豆から得られるコーヒー抽出液とコーヒーエキスとを特定の割合に混合する方法が挙げられる。
【００１９】
この方法は、コーヒーエキスをコーヒー抽出液に、製品に占めるコーヒー濃度で２０％以上（ＲＩ比）となるよう加えることにより実施される。より具体的には、コーヒー抽出液とコーヒーエキスとの混合比率を製品に占めるコーヒー濃度のＲＩ比で８：２乃至２：８とすることが好ましい。特に、風味や安定性の面からは、製品に占めるコーヒー濃度がＲＩとして１.５乃至１.７で、コーヒー抽出液とコーヒーエキスの混合比率が、８：２乃至４：６であることが好ましい。
【００２０】
コーヒー抽出液とコーヒーエキスを、上記混合比率としたときに好適な沈澱防止効果が得られるが、コーヒーエキスの割合が高すぎると、コーヒー飲料の香立ちが悪く、製造コストが増加するといった問題が発生してしまう。
【００２１】
本発明方法において、コーヒー抽出液を得るための原料として用いられるコーヒー豆は、特に限定されず、各種のコーヒー豆を通常の方法により焙煎して用いることができる。また、数種の焙煎したコーヒー豆をブレンドして用いることもできる。
【００２２】
この、コーヒー抽出液を調製する際の抽出温度は、作業性及び設備面の問題等を考慮して５０℃乃至１００℃程度が好ましく、特に風味的に８０℃乃至９５℃が好ましい。また、抽出倍率は特に限定されないが、好ましくは生豆１０重量部に対し５０乃至１２０重量部の熱水で抽出することが適当である。
【００２３】
一方、本発明方法において用いられるコーヒーエキスは、コーヒー豆から抽出した抽出液を凍結濃縮、加熱濃縮、膜濃縮あるいは連続多管抽出等の濃縮工程を経て、ＲＩをおよそ１０以上にしたものをいう。このコーヒーエキスは、コーヒー豆と同様その風味により適宜選択すればよく、特に限定されないが、焙煎、粉砕したコーヒー粉末を連続多管抽出し、一晩静置冷却（チルド）保存後、濾過または遠心分離して得られたものを用いることが好適である。
【００２４】
コーヒー抽出液及びコーヒーエキスの素材としては、同一の種類のコーヒー豆を利用しても、また、別の種類のコーヒー豆を用いても良い。そして、上記のようにして得られるコーヒー抽出液及びコーヒーエキスを混合する際には、前記したように製品に占めるコーヒー濃度（ＲＩ）に対してＲＩ比で混合割合を決定すれば良く、その混合割合や用いる豆は、目的とする風味等にあわせ適宜決定すればよい。
【００２５】
一方、本発明において、強いコーヒー感を有しながら加熱殺菌後の凝集や沈澱の発生を抑制したコーヒー飲料を得るための別の方法としては、明度（明るさの度合い）を示すＬ値が２０未満のコーヒー豆より得られるコーヒー抽出液を用いる方法が挙げられる。
【００２６】
ここでいう、Ｌ値２０未満のコーヒー豆とは、粉砕したコーヒー豆の明度を色差計で測定した際のＬ値が２０未満となるように焙煎したコーヒー豆を指す。このようなコーヒー豆を原料として得られるコーヒー抽出液を用いれば、そのＲＩを１.８程度としても、製造されたコーヒー飲料にほとんど沈澱は認められず、沈澱等を発生させることなくコーヒー飲料を製造できる。
【００２７】
なお、以上説明した２通りの方法によっては、コーヒー抽出物由来のＲＩが１.８を超える範囲での凝集・沈澱を抑制することは困難である。しかし、これらの方法を併用すれば、より高いＲＩのコーヒー飲料についても、沈澱等を発生させることなく製造することも可能である。
【００２８】
本発明方法において、最終目的物であるコーヒー飲料を調製するには、第一の方法で得られたコーヒー抽出液とコーヒーエキスの混合物乃至は第二の方法で得られたコーヒー抽出液の濃度を適宜調製した後、必要に応じて乳成分を添加する。添加する乳成分としては、牛乳、全粉乳、脱脂乳、部分脱脂乳、濃縮乳、クリーム等を挙げることができる。乳成分の添加量は、特に限定されないが、最終製品中の乳蛋白質が０.５重量％以下となるように添加した場合に本発明の効果が著しい。
【００２９】
また、乳成分を添加する際に適宜甘味料等を添加してもよい。甘味料の種類は特に限定されないが、例えば、砂糖、果糖、ブドウ糖、トレハロース等の糖類の他、エリスリトール、キシリトール等の糖アルコールを甘味料として用いることができる。
【００３０】
更に、本発明方法で得られるコーヒー抽出液には、沈澱物や凝集物の発生抑制効果をより高めるために、公知の乳化剤、安定化剤を併用することもできる。また、必要により香料等を添加してもよい。特にＬ値２０未満の豆から調製したコーヒー抽出液を用いる場合には、いわゆるコゲ臭が発生するため各種香料をフレーバーを単独または組み合わせで用いることが好ましい。
【００３１】
本発明のコーヒー感の強いコーヒー飲料は、常法により重曹等でそのｐＨを６.０乃至８.０程度の範囲に調整した後、加熱殺菌することにより製品化される。この加熱殺菌は、缶容器等に充填した後の高温・加圧殺菌（レトルト殺菌）あるいは、紙、プラスチック容器等へ充填する際に行われる１２０乃至１６０℃程度の超高温殺菌（ＵＨＴ殺菌）のいずれであってもよく、いずれも常法により実施される。
【００３２】
【実施例】
次に試験例および実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例等になんら制約されるものではない。
【００３３】
試験例１
焙煎したコーヒー豆（コロンビアスプレモ、モカシダモ、タンザニアＡＡ、ブルーマウンテン、マンデリンＧ−１、ブラジルサントスＮｏ.２、ガテマラＳＨＢ：Ｌ値＝２４）１００ｇを粉砕し、９０℃の熱水によるドリップ抽出で豆の１０倍量の抽出液（ＲＩ＝２.５）を得た。
【００３４】
この抽出液に、グラニュー糖および牛乳を表１の処方で混合（重曹にてｐＨ調整）した。８５℃まで加温し、容器に充填後、１２２℃、２５分間のレトルト殺菌を行い、乳成分含有コーヒー飲料を製造した（コーヒー濃度ＲＩ＝１.７）。レトルト殺菌後、得られた乳成分含有コーヒー飲料中の凝集物及び沈澱物の有無を目視により確認した。その結果を表２に示す。
【００３５】
【表１】

【表２】

【００３６】
試験例２
焙煎したコーヒー豆（コロンビア：Ｌ値＝２４）１００ｇを粉砕し、９０℃の熱水によりドリップ抽出して、豆の８倍量の抽出液（ＲＩ＝３.３）を得た。この抽出液にグラニュー糖と牛乳（牛乳量：０、５、１０、１５、２０、４０重量％）を表３の処方で加え、混合した（重曹にてｐＨ調整）。
【００３７】
８５℃まで加温し、容器に充填後、１２２℃、２５分間のレトルト殺菌を行い乳成分含有コーヒー飲料を製造した（コーヒー濃度ＲＩ＝１.７）。レトルト殺菌後、得られた乳成分含有コーヒー飲料中の凝集物及び沈澱物の有無を目視により確認した。その結果を表４に示す。
【００３８】
【表３】

【表４】

【００３９】
実施例１
焙煎したコーヒー豆（コロンビアスプレモ：それぞれＬ値が１７、２０、２２、２４、２６および２８となるように焙煎）１００ｇを粉砕し、９０℃の熱水によるドリップ抽出で豆の１０倍量の抽出液（ＲＩ＝２.５）を得た。この抽出液全量にグラニュー糖および牛乳を前記表１の処方で加え、混合した（重曹にてｐＨ調整）。
【００４０】
８５℃まで加温し、容器に充填後、１２２℃・２５分間のレトルト殺菌を行い乳成分含有コーヒー飲料を製造した（コーヒー濃度ＲＩ＝１.７）。レトルト殺菌後、得られた乳成分含有コーヒー飲料中の凝集物及び沈澱物の有無を目視により確認した。その結果を表５に示した。
【００４１】
【表５】

【００４２】
実施例２
コーヒー抽出液の調製：
焙煎したコーヒー豆（コロンビア、Ｌ値＝２４）２００ｇを、９０℃の熱水によるドリップ抽出で８倍抽出し、コーヒー抽出液（ＲＩ＝３.３）を得た。
【００４３】
コーヒーエキスの調製：
コーヒー豆を焙煎、粉砕後、連続多管方式で抽出した。その抽出液を一晩静置冷却（チルド）保存し、濾布濾過によりコーヒーエキス（ＲＩ＝１５）を得た。
【００４４】
コーヒー飲料の調製：
上記のようにして調製した抽出液とコーヒーエキスとを、製品に占めるコーヒー濃度（ＲＩ）に対して下記表６に示す割合（ＲＩ換算）で混合した。これにグラニュー糖６０ｇ（６％）、牛乳９０ｇ（９％）を混合し（重曹によりｐＨ調整）、水で全量１,０００ｇとした。
【００４５】
８５℃まで加温し、容器に充填後、１２２℃、２５分間のレトルト殺菌を行い、乳成分含有コーヒー飲料を製造した。レトルト殺菌後、得られた乳成分含有コーヒー飲料中の凝集物および沈殿物の有無を目視により確認した。この結果も表６に示す。
【００４６】
【表６】

【００４７】
次に、表６の各サンプルに関して風味評価を行った。風味評価は、パネル１０名がコーヒー感及び香立ちを指標に判定を行った。判定結果の平均値を表７に示す。
【００４８】
【表７】

【００４９】
また、その他のコーヒー豆（コロンビアスプレモ、モカシダモ、タンザニアＡＡ、ブルーマウンテン、マンデリンＧ−１、ブラジルサントスNo. ２、ガテマラＳＨＢ：Ｌ値２４）に関しても、上記と同様にして缶入りコーヒーを製造し、レトルト殺菌後の凝集物及び沈澱物を目視により確認したところ同様の結果が得られた。
【００５０】
【発明の効果】
以上のように、本発明の製造方法によれば、コーヒー抽出液とコーヒーエキスとを特定の割合で混合するだけで、または焙煎をＬ値が２０未満となるまで行ったコーヒー豆より調製したコーヒー抽出液を用いるだけで、加熱殺菌後の凝集及び沈殿の発生を抑制したコーヒー感の強いコーヒー飲料を得ることができるので、凝集・沈殿の防止法として極めて簡便なものである。
【００５１】
更に、本発明方法により得られるコーヒー感の強いコーヒー飲料は、缶コーヒー等として保存可能なものであり、商品性も高いものである。
以上[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a coffee beverage having a strong coffee feeling, particularly a coffee beverage containing 0.5% by weight or less of milk protein, and more specifically, a coffee beverage having a strong coffee feeling can be stored such as canned coffee. In manufacturing as a thing, it is related with the coffee beverage manufactured by this manufacturing method and the manufacturing method which prevented generation | occurrence | production of the aggregate and the precipitate by heat sterilization treatment.
[0002]
[Prior art]
In recent years, canned coffee and the like have been provided and widely consumed as coffee beverages that can be stored and can be easily drunk anywhere. Many of such coffee beverages containing milk components are also provided, but there have been problems in the actual production of coffee beverages containing milk components.
[0003]
That is, in the production of a coffee beverage containing a milk component (hereinafter referred to as “milk component-containing coffee beverage”), coffee beans are first roasted and then ground and extracted to obtain a coffee extract. A general method is to add milk components such as milk to the paste and heat sterilize it. However, according to this method, there is a problem that a coffee extract or agglomerates or precipitates of milk components are generated after heat sterilization, and the commercial value is greatly impaired.
[0004]
The occurrence of such agglomeration and precipitation is particularly remarkable when the coffee concentration in products such as canned coffee is high. In general, the coffee concentration in the product is expressed by soluble solids (hereinafter abbreviated as “RI”), but the RI as the coffee concentration in products such as canned coffee currently provided is 1.0 to 1.3. At this level, so much precipitation does not occur. However, in order to produce a concentrated beverage with a stronger coffee feeling, it is necessary to increase the RI. In this case, the occurrence of precipitation or the like is significant. Further, when the coffee concentration (RI) occupying the product is high, the above-mentioned aggregation / precipitation occurs even in a coffee beverage that does not contain milk components.
[0005]
Therefore, the following methods have been proposed as means for preventing such agglomeration and precipitation problems.
(1) Addition of emulsifier or stabilizer, etc. (2) Adjustment of pH by addition of multi-layers, etc. (3) Degradation treatment of milk protein with protease (Japanese Patent Laid-Open No. 9-271323)
[0006]
However, the addition of the emulsifier or stabilizer of (1) has the effect of adding, but it may impair the flavor of the coffee, and depending on the product, it is not always satisfactory and has also caused the production cost to increase. .
[0007]
Moreover, although the adjustment of pH by the addition of the multilayered layer of (2) is general, it is not possible to obtain a sufficient effect by itself, and it is necessary to use it together with the addition of an emulsifier or a stabilizer.
[0008]
Furthermore, in the degradation treatment of milk protein with protease (3), there is not only a problem that the degraded milk protein has a bitter taste and the flavor is impaired, but it also causes the production cost to increase due to the use of the enzyme agent. It was.
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, various methods for preventing aggregation / precipitation after heat sterilization of a milk component-containing coffee beverage have been proposed. However, none of these methods are satisfactory, and especially a milk component-containing coffee with a strong coffee feeling. It was difficult to prevent aggregation and precipitation of beverages. For this reason, provision of a more excellent method is calculated | required.
[0010]
The present invention has been made in such a situation, and is effective for aggregation and precipitation that occurs after heat sterilization in coffee beverages with a strong coffee feeling, in particular, aggregation and precipitation that occurs after heat sterilization when milk components are included. And it aims at providing the method of preventing economically.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above problems, the present inventors have found that when producing a milk component-containing coffee beverage having a high coffee concentration and a strong coffee feeling in the product, a hot water extract of coffee and a coffee extract Has been found to be able to prevent the occurrence of aggregation and precipitation after heat sterilization.
[0012]
Further, when producing a milk component-containing coffee beverage having a high coffee concentration in the product and a strong coffee feeling, a coffee extract obtained from beans having an L value of less than 20 can be used to cause aggregation and precipitation after heat sterilization. It was found that the occurrence can be prevented.
[0013]
The present invention has been completed based on the above findings, and the coffee concentration in the product is 1.4 to 1.8 as RI, and the milk product is not contained in the final product or the milk protein in the final product. When producing a coffee beverage containing a milk component in an amount of 0.5% by weight or less, the hot water extract of coffee and the coffee extract are from 8: 2 to 2: 8 as RI contained in the product. The method for producing coffee is characterized by including a mixing step.
[0014]
In the present invention, the coffee concentration in the product is 1.4 to 1.8 in terms of RI, and the final product does not contain milk components or the milk protein in the final product is 0.5% by weight or less. The present invention provides a method for producing coffee, characterized in that a coffee extract obtained from coffee beans having an L value of less than 20 is used in producing a coffee beverage containing the milk component of
[0015]
Furthermore, this invention also provides the coffee drink manufactured by said method.
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In the present specification, a coffee beverage with a strong coffee feeling is one having a coffee concentration of RI 1.4 to 1.8 in the product (here, RI, ie, soluble solids, means that the substance is light in an aqueous solution. The concentration of sucrose with respect to water is calibrated by utilizing the property of refracting water and its degree proportional to the sugar content of the solution). Usually, a coffee beverage having such a solid content has a rich coffee feeling, but its physical properties are difficult to stabilize. On the other hand, a thick coffee beverage having a strong coffee feeling cannot be obtained at RI 1.3 or less, and at 1.8 or more, the bitterness or miscellaneous taste derived from coffee is too strong and the flavor deteriorates.
[0017]
Moreover, in this specification, a milk component containing coffee drink means the thing which added the milk component to the extract of the roasted coffee, and heat-sterilized it. Further, in the present specification, “coffee beverage” means a product including all “soft drinks with coffee”, “coffee beverages”, and “coffee” defined in “Fair Competition Rules for Display of Coffee Drinks”.
[0018]
In the present invention, as one of the methods for obtaining a coffee beverage having a strong coffee feeling and suppressing the occurrence of aggregation and precipitation after heat sterilization, a coffee extract obtained from roasted coffee beans and coffee The method of mixing an extract with a specific ratio is mentioned.
[0019]
This method is carried out by adding the coffee extract to the coffee extract so that the coffee concentration in the product is 20% or more (RI ratio). More specifically, the mixing ratio of the coffee extract and the coffee extract is preferably 8: 2 to 2: 8 in terms of the RI ratio of the coffee concentration in the product. In particular, in terms of flavor and stability, the coffee concentration in the product is 1.5 to 1.7 as RI, and the mixing ratio of the coffee extract and coffee extract is 8: 2 to 4: 6. preferable.
[0020]
A suitable precipitation-preventing effect can be obtained when the coffee extract and the coffee extract are mixed at the above-mentioned mixing ratio. However, if the ratio of the coffee extract is too high, there is a problem that the aroma of the coffee beverage is bad and the manufacturing cost increases. Will occur.
[0021]
In the method of the present invention, the coffee beans used as a raw material for obtaining the coffee extract are not particularly limited, and various coffee beans can be roasted and used by an ordinary method. Also, several types of roasted coffee beans can be blended and used.
[0022]
The extraction temperature when preparing the coffee extract is preferably about 50 ° C. to 100 ° C., particularly 80 ° C. to 95 ° C. in view of workability and equipment problems. The extraction ratio is not particularly limited, but it is preferable to extract with 50 to 120 parts by weight of hot water with respect to 10 parts by weight of green beans.
[0023]
On the other hand, the coffee extract used in the method of the present invention refers to an extract obtained by extracting the coffee beans from the coffee beans through a concentration step such as freeze concentration, heat concentration, membrane concentration, continuous multi-tube extraction, or the like, so that the RI is about 10 or more. . This coffee extract may be appropriately selected depending on the flavor as in the case of coffee beans, and is not particularly limited. However, roasted and pulverized coffee powder is continuously extracted in a multi-tube, stored overnight (chilled), filtered, or filtered. It is preferable to use one obtained by centrifugation.
[0024]
As a material for the coffee extract and the coffee extract, the same kind of coffee beans may be used, or another kind of coffee beans may be used. When mixing the coffee extract and coffee extract obtained as described above, the mixing ratio may be determined by the RI ratio with respect to the coffee concentration (RI) in the product as described above. What is necessary is just to determine a ratio and the beans to be used suitably according to the target flavor.
[0025]
On the other hand, in the present invention, as another method for obtaining a coffee beverage having a strong coffee feeling and suppressing the occurrence of aggregation and precipitation after heat sterilization, an L value indicating lightness (degree of brightness) is 20 The method of using the coffee extract obtained from less than coffee beans is mentioned.
[0026]
The coffee beans having an L value of less than 20 herein refer to coffee beans roasted so that the L value is less than 20 when the brightness of the ground coffee beans is measured with a color difference meter. If a coffee extract obtained using such coffee beans as a raw material is used, even if the RI is about 1.8, almost no precipitation is observed in the produced coffee beverage, and the coffee beverage can be produced without causing precipitation. Can be manufactured.
[0027]
In addition, it is difficult to suppress aggregation and precipitation in the range where RI derived from the coffee extract exceeds 1.8 by the two methods described above. However, if these methods are used in combination, it is possible to produce a coffee drink with a higher RI without causing precipitation or the like.
[0028]
In the method of the present invention, in order to prepare a coffee beverage as a final object, the concentration of the coffee extract obtained by the first method and the coffee extract obtained by the second method or the concentration of the coffee extract obtained by the second method is used. After preparing appropriately, a milk component is added as needed. Examples of milk components to be added include cow's milk, whole milk powder, skim milk, partially skimmed milk, concentrated milk, and cream. The addition amount of the milk component is not particularly limited, but the effect of the present invention is remarkable when the milk protein is added so that the milk protein in the final product is 0.5% by weight or less.
[0029]
Moreover, you may add a sweetener etc. suitably, when adding a milk component. Although the kind of sweetener is not specifically limited, For example, sugar alcohols, such as erythritol and xylitol other than saccharides, such as sugar, fructose, glucose, and trehalose, can be used as a sweetener.
[0030]
Furthermore, in the coffee extract obtained by the method of the present invention, known emulsifiers and stabilizers can be used in combination in order to further enhance the effect of suppressing the generation of precipitates and aggregates. Moreover, you may add a fragrance | flavor etc. as needed. In particular, when a coffee extract prepared from beans having an L value of less than 20 is used, it is preferable to use various flavors alone or in combination because of the so-called burnt odor.
[0031]
The coffee beverage having a strong coffee feeling of the present invention is commercialized by adjusting the pH to a range of about 6.0 to 8.0 with baking soda or the like by a conventional method and then heat sterilizing. This heat sterilization is performed at a high temperature / pressure sterilization (retort sterilization) after filling a can container or the like, or an ultra-high temperature sterilization (UHT sterilization) of about 120 to 160 ° C. performed when filling a paper, plastic container or the like. Any of them may be used, and all are carried out by a conventional method.
[0032]
【Example】
EXAMPLES Next, although a test example and an Example are given and this invention is demonstrated in more detail, this invention is not restrict | limited at all by these Examples.
[0033]
Test example 1
100 g of roasted coffee beans (Colombia premo, mocadamo, Tanzania AA, Blue Mountain, Mandelin G-1, Brazil Santos No. 2, Guatemala SHB: L value = 24) is pulverized and drip extracted with hot water at 90 ° C. An extract (RI = 2.5) of 10 times the amount of beans was obtained.
[0034]
To this extract, granulated sugar and milk were mixed according to the formulation shown in Table 1 (pH adjustment with sodium bicarbonate). After heating to 85 ° C. and filling the container, retort sterilization at 122 ° C. for 25 minutes was performed to produce a milk component-containing coffee beverage (coffee concentration RI = 1.7). After retort sterilization, the presence or absence of aggregates and precipitates in the obtained milk component-containing coffee beverage was visually confirmed. The results are shown in Table 2.
[0035]
[Table 1]

[Table 2]

[0036]
Test example 2
100 g of roasted coffee beans (Colombia: L value = 24) were pulverized and drip extracted with hot water at 90 ° C. to obtain an extract liquid (RI = 3.3) of 8 times the amount of beans. Granulated sugar and milk (milk amount: 0, 5, 10, 15, 20, 40% by weight) were added to this extract according to the formulation shown in Table 3 and mixed (pH adjustment with sodium bicarbonate).
[0037]
The mixture was heated to 85 ° C., filled in a container, sterilized by retort at 122 ° C. for 25 minutes to produce a milk component-containing coffee beverage (coffee concentration RI = 1.7). After retort sterilization, the presence or absence of aggregates and precipitates in the obtained milk component-containing coffee beverage was visually confirmed. The results are shown in Table 4.
[0038]
[Table 3]

[Table 4]

[0039]
Example 1
100g of roasted coffee beans (Colombia premo: roasted so that the L value is 17, 20, 22, 24, 26 and 28, respectively), and 10 times the amount of beans by drip extraction with hot water at 90 ° C Extract (RI = 2.5) was obtained. Granulated sugar and milk were added to the total amount of the extract according to the formulation shown in Table 1 and mixed (pH adjustment with sodium bicarbonate).
[0040]
After heating to 85 ° C. and filling into a container, retort sterilization at 122 ° C. for 25 minutes was carried out to produce a milk component-containing coffee beverage (coffee concentration RI = 1.7). After retort sterilization, the presence or absence of aggregates and precipitates in the obtained milk component-containing coffee beverage was visually confirmed. The results are shown in Table 5.
[0041]
[Table 5]

[0042]
Example 2
Preparation of coffee extract:
200 g of roasted coffee beans (Colombia, L value = 24) was extracted 8 times by drip extraction with hot water at 90 ° C. to obtain a coffee extract (RI = 3.3).
[0043]
Preparation of coffee extract:
Coffee beans were roasted and ground, and then extracted by a continuous multi-tube method. The extract was allowed to cool overnight (chilled) and stored, and a coffee extract (RI = 15) was obtained by filtration through a filter cloth.
[0044]
Coffee beverage preparation:
The extract prepared as described above and the coffee extract were mixed at a ratio (RI conversion) shown in Table 6 below with respect to the coffee concentration (RI) in the product. This was mixed with 60 g (6%) of granulated sugar and 90 g (9%) of milk (pH adjustment with sodium bicarbonate) to make a total amount of 1,000 g with water.
[0045]
After heating to 85 ° C. and filling the container, retort sterilization at 122 ° C. for 25 minutes was performed to produce a milk component-containing coffee beverage. After retort sterilization, the presence or absence of aggregates and precipitates in the obtained milk component-containing coffee beverage was visually confirmed. The results are also shown in Table 6.
[0046]
[Table 6]

[0047]
Next, flavor evaluation was performed on each sample in Table 6. The taste evaluation was performed by 10 panelists using coffee feeling and aroma as indexes. Table 7 shows the average value of the determination results.
[0048]
[Table 7]

[0049]
For other coffee beans (Colombia premo, mocadamo, Tanzania AA, Blue Mountain, Mandelin G-1, Brazil Santos No. 2, Guatemala SHB: L value 24) When the aggregate and the precipitate after retort sterilization were confirmed by visual observation, the same result was obtained.
[0050]
【The invention's effect】
As described above, according to the production method of the present invention, the coffee extract and the coffee extract were mixed only at a specific ratio, or roasting was prepared from coffee beans that had been performed until the L value was less than 20. Since only a coffee extract can be used to obtain a coffee beverage with a strong coffee feeling that suppresses the occurrence of aggregation and precipitation after heat sterilization, it is an extremely simple method for preventing aggregation and precipitation.
[0051]
Further, the coffee beverage having a strong coffee feeling obtained by the method of the present invention can be stored as canned coffee or the like, and has a high commercial value.
more than

Claims

When producing a coffee beverage containing a milk component in an amount such that the coffee concentration in the product is 1.5 to 1.7 as soluble solids and the milk protein in the final product is 0.5% by weight or less, For 10 parts by weight of raw beans, extract hot coffee water extracted with 50 to 120 parts by weight of hot water at 80 ° C. to 95 ° C. and roasted and crushed coffee bean powder continuously through multiple tube extraction. A step of mixing a coffee extract having a soluble solid content of 10 or more obtained by filtration or centrifugation after standing and storage at a storage temperature of 8: 2 to 4: 6 as a soluble solid content contained in the product. A method for producing coffee.

The method for producing coffee according to claim 1, comprising a step of heat sterilization.

When producing a coffee beverage containing a milk component in an amount such that the coffee concentration in the product is 1.5 to 1.7 as soluble solids and the milk protein in the final product is 0.5% by weight or less, A hot coffee water extract obtained by extracting 50 to 120 parts by weight of hot water of 80 to 95 ° C. with respect to 10 parts by weight of green coffee beans having an L value of 17 to less than 20 is used. A method for producing coffee.

The method for producing coffee according to claim 3, comprising a step of heat sterilization.