JP4111523B2 - 家畜用胚移植器 - Google Patents

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Description

本発明は、家畜の胚(受精卵)が収容されたチューブを家畜の子宮に挿入し、この胚をチューブから押し出して家畜の子宮に胚を移植する所謂子宮角移植法を実施するのに適した家畜用胚移植器に係り、特に、子宮頸管を拡張させながらチューブを挿入することのできる家畜用胚移植器に関する。
一般に、家畜として例えば牛の場合で説明すると、胚を移植する受胚牛は、性周期7日±1日の黄体期のため子宮頸管が緊縮して糊状の粘液で栓塞されている。そのため、子宮腔内に移植器を誘導し易くし移植操作を円滑ならしめるために、家畜用胚移植器に子宮頸管を拡張させる機能を持たせる技術が開発されている。
この種の家畜用胚移植器としては、例えば、特表平8−501718号公報(特許文献1)に掲載されたものが知られている。
この家畜用胚移植器は、図8に示すように、牛などの家畜の胚が収容されたストローSが挿入されて装着されるチューブ100と、チューブ100の後端から進退可能に挿入され前端側への進出時に装着されたストロー100内の胚を押し出すピストン101と、チューブ100の前端部に設けられストローSから押し出される胚が通過する通路102及びこの通路の開放端で構成され胚を吐出する吐出口103を有したヘッド104とを備えて構成されている。
ヘッド104の先端部105は、チューブ100の外径より大きくなるよう樹脂で膨出形成されており、金属製の基端部106に固定されている。この基端部106の後端106aはストロー100の先端Saが外嵌するように円柱状に形成されている。また、基端部106には雄ネジ107が形成されており、チューブ100の前端に形成した雌ネジ108に螺合して取り付けられる。
尚、胚は、耐凍剤とともにストローS内に収容されて、予め、凍結されており、使用時にストローSを温湯に入れることにより、融解して用いられる。
この家畜用胚移植器Kaにより例えば家畜としての牛に胚を移植する場合は、先ず、ストローSを温湯に入れ、胚を耐凍剤とともに融解する。それから、このストローSの先端Saをヘッド104の基端部106に装着し、ストローSをチューブ100の前端から内部に挿入してヘッド104の基端部106をチューブ100の前端にネジ込み固定する。
そして、図9に示すように、例えば直腸膣法により移植を行なう。詳しくは、家畜の直腸に手を挿入するとともに、家畜用胚移植器Kaを例えばビニール製の鞘Cで覆って家畜の膣内に挿入し、手で直腸からヘッド104を保持して誘導しながら、子宮外口を通ってヘッド104を子宮頸管Wa内に挿入し、適宜箇所で鞘Cの先端を破り、ヘッド104を子宮角Wbのところまで挿入する。この場合、ヘッド104が膨出形成されているので、子宮頸管Waが拡張されながら挿入されていく。その後、家畜用胚移植器Kaのピストン101を押し、ストローS内の胚を押し出して子宮角Wb内へ胚を吐出させる。
特表平8−501718号公報
ところで、上記従来の家畜用胚移植器Kaにあっては、ヘッド104は膨出形成されて球状なので、子宮頸管Waを拡張して挿入できるようにはなっているが、子宮頸管Waは、特に未経産牛や初産牛の子宮頸管Waは、細く迂曲し、緊縮した状態にあるため、頸管通過操作時にヘッド104が不安定に動いて輪状ヒダに引っかかって、進行が阻害されやすく、必ずしも、円滑な挿入が行なわれないという問題があった。特に、ヘッド104が樹脂で形成されているので変形し易く、引っかかり易くなる。また、ある程度直腸から手でヘッド104を保持して誘導するが、ヘッド104は膨出形成されて球状なので、掴みにくく、必ずしも手による誘導が十分ではなく、この点でも、円滑な挿入が行なわれないという問題があった。
このため、無理な操作が行なわれたり、ヘッド104を子宮角Wbのところまで挿入する時間がかかりすぎたりすることがあり、この場合には、頸管粘膜を損傷したり、細菌の持ち込みの危険が増加し、また、時間のかかりすぎによって、融解した耐凍剤が胚に悪影響を与え易くなり、そのため、胚の生存性の低下などを招き、受胎率低下の要因となっているという問題があった。
本発明は上記の問題点に鑑みて為されたもので、ヘッドの拡張機能を確保しつつ子宮頸管の通過を円滑にできるようにするとともに、直腸からの手での誘導操作を行ない易くし、ヘッドの子宮角への到達時間をできるだけ短縮できるようにして、頸管粘膜の損傷を確実に防止できるようにし、細菌の持ち込みの危険度を低減し、更には、融解した耐凍剤の胚への悪影響を低減して、受胎率の向上を図った家畜用胚移植器を提供することを目的とする。
このような目的を達成するための本発明の家畜用胚移植器は、家畜の胚が収容されたストローが挿入されて装着されるチューブと、該チューブの後端から進退可能に挿入され前端側への進出時に上記装着されたストロー内の胚を押し出すピストンと、上記チューブの前端部に設けられ上記ストローから押し出される胚が通過する通路及び該胚を吐出する吐出口を有したヘッドとを備えた家畜用胚移植器において、
上記ヘッドを、上記チューブより外径の大きい所定長さの拡径部と、該拡径部の一端に連設され該連設部から尖端に向けて漸次縮径するテーパ部を有するとともに尖端側に上記吐出口が形成された先端部と、上記拡径部の他端に連設され該連設部から上記チューブの後端側に向けて漸次縮径するテーパ部を有した基端部とを備えて構成している。
これにより、例えば家畜としての牛に、例えば直腸膣法により胚を移植する場合は、予め家畜用胚移植器のチューブにストローを装着しておき、家畜の膣内にチューブを挿入するとともに家畜の直腸に手を挿入し、子宮外口を通ってヘッドを子宮頸管内に挿入し、更に、直腸から挿入した手指で子宮頸を介してヘッドを保持して誘導しながら、ヘッドを子宮角のところまで挿入する。この際には、ヘッドの先端部にはテーパ部がありテーパ部に続く拡径部があるので、子宮頸管が拡張されながらヘッドが挿入されていく。
この場合、子宮頸管は、特に未経産牛や初産牛の子宮頸管は、細く迂曲し、緊縮した状態にあるため、頸管通過操作時にヘッドが輪状ヒダに引っかかって進行が阻害されやすいが、ヘッドの拡径部は、所定長さを有しているので、一度先端部のテーパ部で拡張された部位が拡径部で保持されることになり、そのため従来の膨出形のヘッドに比較して、ヘッドが不安定に動くことがなく、安定して進行していくことから、円滑な挿入が行なわれる。更に、直腸から挿入した手指で子宮頸を介してヘッドを保持して誘導する際にも、ヘッドの拡径部は所定長さを有しているので、把持しやすく、手による誘導を確実に行なうことができるようになり、この点でも、円滑な挿入が行なわれる。
このため、無理な操作が行なわれたり、ヘッドを子宮角のところまで挿入する時間がかかりすぎたりすることが防止され、頸管粘膜を損傷する事態が防止され、細菌の持ち込みの危険が低減される。
そして、ヘッドが目的の子宮角遊離部に到達したならば、家畜用胚移植器のピストンを押す。これにより、ピストンがストロー内に挿入された胚を押し出し、胚は子宮角内へ吐出される。この場合、ヘッドは円滑に進行して、子宮角遊離部に到達するので、挿入時間の短縮が図られる。そのため、ストロー内において一般に入れられている融解した耐凍剤に胚が混合している時間が極めて短いものになり、このため、胚がこの耐凍剤によって悪影響を与えられる事態が防止され、胚の生存性の低下が防止され、受胎率が向上させられる。
また、胚の吐出が終わったならば、家畜用胚移植器のチューブを緩除に回転しながら抜き取り、操作を終了する。この場合も、ヘッドは、子宮頸管内を通過するが、この際には、ヘッドの基端部にはテーパ部があるので、子宮頸管が拡張されながらヘッドが引き抜かれていく。この場合も、ヘッドの拡径部は、所定長さを有しているので、一度基端部のテーパ部で拡張された部位が拡径部で保持されることになり、そのため従来の膨出形のヘッドに比較して、ヘッドが不安定に動くことがなく、安定して進行していくことから、円滑な引抜が行なわれ、このため、無理な操作が行なわれたり、引抜の時間がかかりすぎたりすることが防止され、頸管粘膜を損傷したりする事態が防止される。
そして、必要に応じ、上記チューブの外径Daと上記拡径部の外径Dbとの関係を、Da<Dbとし、上記拡径部の外径Dbを、3mm≦Db≦6mm、上記拡径部の所定長さLaを、30mm≦La≦60mmに設定した構成としている。拡径部の所定長さLaを十分確保でき、一度先端部のテーパ部で拡張された部位を拡径部で確実に保持できるとともに安定した進行が行なわれる。また、直腸から挿入した手指で子宮頸を介してヘッドを保持して誘導する際にも、把持しやすく、手による誘導を確実に行なうことができるようになる。30mmより短いと安定性に劣る。60mmより長いと、挿入抵抗が増し進行が不安定になりやすい。
また、必要に応じ、上記先端部の長さLbを、8mm≦Lb≦16mm、上記基端部の長さLcを、8mm≦Lc≦16mmに設定している。十分な角度及び長さのテーパ部を設けることができ、確実に拡張を図ることができる。
更に、必要に応じ、上記ヘッドの拡径部を、一端側拡径部及び他端側拡径部に分割し、該一端側拡径部及び他端側拡径部をネジ手段により互いに着脱可能に連結した構成としている。ストローの装着の際は、ストローをその先端から、一端側拡径部に挿入し、その後、ストローを他端側拡径部から基端部を通してチューブ内部に挿入し、一端側拡径部と他端側拡径部とをネジ結合する。この場合、ヘッドの一端側拡径部は、ある程度の長さを有しているので、把持しやすくなっており、そのため、従来に比較して取付が容易であり、ストローの装着作業性が向上させられる。
更にまた、上記ヘッドの通路の内径を上記ストローが挿通される大きさに形成し、該通路の上記吐出口の後位近傍に上記ストローの先端が嵌着する嵌着部を形成した構成としている。ストローの装着時に、ストローの先端を嵌着部に嵌着させて保持できるので、ストローの保持が確実になり、より一層、ストローの装着作業性が向上させられる。
また、上記チューブ,ピストン及びヘッドを金属で形成し、上記ヘッドの基端部を上記チューブの前端部に溶接固定した構成としている。製造が容易になるとともに、基端部の固定が確実になりヘッドのチューブに対する固定が確実になる。また、ヘッドは金属製なので変形することがなく、家畜への挿入時に、ヘッドが不安定に動くことがなく、安定して進行していくことから、円滑な挿入が行なわれる。更に、消毒するだけで、繰り返し本移植器を用いることができるので、使い捨ての装置に比較して無駄がなくなり、低コスト化が図られる。
更に、上記ヘッドの先端部と拡径部とをネジ手段により連結するとともに溶接により一体に結合した構成としている。先端部と拡径部とを別々に加工して連結できるので、製造が容易になるとともに、先端部の固定が確実になる。
本発明の家畜用胚移植器によれば、ヘッドの拡径部を所定長さを有して構成し拡径部の前後にテーパ部を設けたので、チューブを子宮頸管内に挿入する際、先端部のテーパ部で子宮頸管の拡張を行なうことができ、拡張した部位を拡径部で保持してヘッドの子宮頸管の通過を円滑にできるようにすることができるとともに、直腸からの手での誘導操作を行ない易くすることができ、頸管粘膜の損傷を確実に防止でき、細菌の持ち込みの危険度を低減することができる。
また、ヘッドの子宮頸管の通過が円滑になるので、ヘッドの子宮角への到達時間をできるだけ短縮することができ、そのため、融解した耐凍剤の胚への悪影響を低減して、受胎率を大幅に向上させることができる。
更に、チューブを引き抜く際も、後端部のテーパ部で子宮頸管の拡張を行なうことができ、拡張した部位を拡径部で保持してヘッドの子宮頸管の通過を円滑にできるようにすることができることから、この点でも、頸管粘膜の損傷を確実に防止できるようになるなど、種々の効果を奏する。
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係る家畜用胚移植器について詳細に説明する。家畜としては、牛の場合で説明する。尚、上記と同様のものには同一の符号を付して説明する。
図1乃至図4に示すように、本発明の実施の形態に係る家畜用胚移植器Kの基本的構成は、家畜としての牛の胚が収容されたストローSが挿入されて装着されるチューブ1と、チューブ1の後端から進退可能に挿入され前端側への進出時に装着されたストローS内の胚を押し出すピストン10と、チューブ1の前端部に設けられストローSから押し出される胚が通過する通路21及び胚を吐出する吐出口22を有したヘッド20とからなる。
ストローSは、樹脂製であり、内部に胚が耐凍剤とともに収容されている。また、ストローSの後端内部には、ピストン10の先端が当接する綿栓mが摺動可能に収納されている。そして、ストローSは、胚及び耐凍剤が封入され、液体窒素などで凍結保存する保存器(図示せず)に入れられており、使用時に保存器から取出されて温湯に入れられ、胚及び耐凍剤を融解して用いられる。
チューブ1は、ステンレス等の金属製の管体であり、後端にピストン10を進出させる際に指を掛けるためのフランジ2が一体に設けられている。チューブ1の外径Daは、2mm≦Da≦4mmに設定されている。実施の形態では、Da=3mmのものが用いられる。チューブ1の全長は例えば460mm程度である。また、チューブ1の前端側の内径は前端側から挿入されたストローSが挿通される大きさであって、後端側の内径より大径に形成され、チューブ1内には、挿入されたストローSを位置決めするためにストローSの後端が衝止する段部3が形成されている。
ピストン10は、図1及び図3に示すように、ステンレス等の金属製の棒体であり、チューブ1内のストローS内に挿入されて綿栓mを介して胚を押し出す前側の小径の押出部11と、押出部11に連設されチューブ1内を摺動する後側の大径の一般部12とを備えている。また、ピストン10の後端には、指を載せてピストン10を進出させるための円盤状のプッシュ部13が設けられている。
ヘッド20は、図1及び図2に示すように、ステンレス等の金属製であり、チューブ1より外径の大きい所定長さの拡径部23と、拡径部23の一端に連設され連設部25aから尖端30に向けて漸次縮径するテーパ部25を有するとともに尖端30側に吐出口22が形成された先端部24と、拡径部23の他端に連設され連設部27aからチューブ1の後端側に向けて漸次縮径するテーパ部27を有した基端部26とを備えて構成されている。
詳しくは、ヘッド20の拡径部23は、直状に形成され、一端側拡径部23A及び他端側拡径部23Bに分割されており、一端側拡径部23A及び他端側拡径部23Bは、ネジ手段28により互いに着脱可能に連結されている。ネジ手段28は、一端側拡径部23Aの他端に形成された雄ネジ28aと、他端側拡径部23Bの一端に形成された雌ネジ28bとからなり、雄ネジ28a及び雌ネジ28bにより一端側拡径部23A及び他端側拡径部23Bは互いに着脱可能に連結される。
また、チューブ1の外径Daと拡径部23の外径Dbとの関係は、Da<Dbとなっており、拡径部23の外径Dbは、3mm≦Db≦6mm、実施の形態では、Db=5mmに設定されている。拡径部23の所定長さLaは、30mm≦La≦60mm、実施の形態では、La=37mmに設定されている。
また、図2及び図3に示すように、ヘッド20の先端部24と一端側拡径部23Aとは、雄ネジ29a及び雌ネジ29bからなるネジ手段29により連結されるとともに、溶接により一体に結合されている。先端部24の長さLbは、8mm≦Lb≦16mm、実施の形態では、Lb=12mmに設定されている。
先端部24は、略半球状に形成された尖端30と、尖端30に連設され外形が直状のストレート部31と、上記のテーパ部25とからなる。即ち、テーパ部25は、一端側拡径部23Aの連設部25aからストレート部31に亘って形成されている。
また、吐出口22は、ストレート部31においてその軸線と直交する方向の軸線に沿って一対開設されているとともに、通路21の終端に連通して形成されている。
更に、図1及び図2に示すように、他端側拡径部23Bと基端部26とは一体形成されており、基端部26側には、上記のチューブ1の前端が嵌挿される嵌挿孔33が形成され、チューブ1の前端はこの嵌挿孔33に嵌挿されて溶接され、これにより他端側拡径部23Bと基端部26とはチューブ1の前端部に一体に溶接固定されている。製造が容易になるとともに、基端部26の固定が確実になりヘッド20のチューブ1に対する固定が確実になる。基端部26のテーパ部27は、他端側拡径部23Bとの連設部27aからチューブ1の外面に亘って形成されている。基端部26の長さLcは、8mm≦Lc≦16mm、実施の形態では、Lb=10mmに設定されている。
更にまた、ヘッド20の通路21の内径は、ストローSが挿通される大きさに形成されており、この通路21の吐出口22の後位近傍は、その内径がストローSの外径より漸次縮径する大きさに形成され、ストローSの先端Saが嵌着されて保持される嵌着部34として構成されている。
従って、この実施の形態に係る家畜用胚移植器Kによって、家畜としての牛に、胚を移植する場合は、以下のようにして行なう。
先ず、予め、家畜用胚移植器Kを、移植操作前に充分に洗浄し、エチレンオキサイドガスやオートクレーブ等で滅菌、または煮沸消毒を行なっておく。また、ストローSを温湯に入れ、胚を耐凍剤とともに融解する。ストローSは消毒用アルコールで浸した綿花で充分に消毒しておく。
それから、ヘッド20の一端側拡径部23A側を他端側拡径部23Bから外し、ストローSをその先端Saから、一端側拡径部23Aに挿入し、通路21の嵌着部34にストローSの先端Saを嵌着して保持する。その後、ストローSを他端側拡径部23Bから基端部26を通してチューブ1内部に挿入し、一端側拡径部23A側の雄ネジ28aを他端側拡径部23Bの雌ネジ28bにネジ込み固定する。この場合、ヘッド20の一端側拡径部23Aは、ある程度の長さを有しているので、把持しやすくなっており、そのため、従来に比較して取付が容易であり、ストローSの装着作業性が向上させられる。また、ストローSの先端を嵌着部34に嵌着させて保持できるので、ストローSの保持が確実になり、より一層、ストローSの装着作業性が向上させられる。
一方、受胚牛においては、保定後に外陰部の洗浄と消毒を行なっておく。そして、図5に示すように、例えば直腸膣法により移植を行なう。詳しくは、図5(a)に示すように、ストローSを装着した家畜用胚移植器Kのチューブ1に例えば滅菌ビニール等の鞘Cを被覆し、家畜の膣内に挿入するとともに、家畜の直腸に手を挿入(図9参照)し、子宮外口を通ってヘッド20を子宮頸管Wa内に挿入する。それから、図5(b)に示すように、子宮頸管Wa内に誘導した後に鞘Cの先端を策引して破孔し、直腸から挿入した手指で子宮頸を介してヘッド20を保持して誘導しながら、チューブ1を軽く前方に押し、ヘッド20を子宮角Wbのところまで挿入する。この際には、ヘッド20の先端部24にはテーパ部25がありテーパ部25に続く拡径部23があるので、子宮頸管Waが拡張されながらヘッド20が挿入されていく。
この場合、子宮頸管Waは、特に未経産牛や初産牛の子宮頸管Waは、細く迂曲し、緊縮した状態にあるため、頸管通過操作時にヘッド20が輪状ヒダに引っかかって進行が阻害されやすいが、ヘッド20の拡径部23は、所定長さを有しているので、一度先端部24のテーパ部25で拡張された部位が拡径部23で保持されることになり、そのため従来の膨出形のヘッド20に比較して、ヘッド20が不安定に動くことがなく、安定して進行していくことから、円滑な挿入が行なわれる。また、ヘッド20は金属製なので変形することがなく、この点でも、ヘッド20が不安定に動くことがなく、安定して進行していくことから、円滑な挿入が行なわれる。更に、直腸から挿入した手指で子宮頸を介してヘッド20を保持して誘導する際にも、ヘッド20の拡径部23は所定長さを有しているので、把持しやすく、手による誘導を確実に行なうことができるようになり、この点でも、円滑な挿入が行なわれる。
このため、無理な操作が行なわれたり、ヘッド20を子宮角Wbのところまで挿入する時間がかかりすぎたりすることが防止され、頸管粘膜を損傷する事態が防止され、細菌の持ち込みの危険が低減される。
そして、図5(c)に示すように、ヘッド20が目的の子宮角遊離部に到達したならば、家畜用胚移植器Kのピストン10を押す。これにより、ピストン10の押出部11がチューブ1内のストローS内に挿入されて綿栓mを介して胚を押し出し、胚は子宮角Wb内へ吐出される。この場合、上記のようにヘッド20は円滑に進行して、子宮角遊離部に到達するので、挿入時間が短縮され、それだけ、ストローS内において融解した耐凍剤が胚に悪影響を与える事態が防止される。そのため、胚の生存性の低下が防止され、受胎率が向上させられる。
胚の吐出が終わったならば、家畜用胚移植器Kのチューブ1を緩除に回転しながら抜き取り、操作を終了する。この場合も、ヘッド20は、子宮頸管Wa内を通過するが、この際には、ヘッド20の基端部26にはテーパ部27がありテーパ部27に続く拡径部23があるので、子宮頸管Waが拡張されながらヘッド20が引き抜かれていく。この場合も、ヘッド20の拡径部23は、所定長さを有しているので、一度基端部26のテーパ部27で拡張された部位が拡径部23で保持されることになり、そのため従来の膨出形のヘッドに比較して、ヘッド20が不安定に動くことがなく、安定して進行していくことから、円滑な引抜が行なわれる。また、ヘッド20は金属製なので変形することがなく、この点でも、ヘッド20が不安定に動くことがなく、安定して進行していくことから、円滑な引抜が行なわれる。このため、無理な操作が行なわれたり、引抜の時間がかかりすぎたりすることが防止され、頸管粘膜を損傷したりする事態が防止される。
そして、再び、別の牛に胚移植を行なう場合には、上記と同様に、家畜用胚移植器Kを、移植操作前に充分に洗浄し、エチレンオキサイドガスやオートクレーブ等で滅菌、または煮沸消毒を行なう。この場合、消毒するだけで、繰り返し本移植器を用いることができるので、使い捨ての装置に比較して無駄がなくなり、省力化が図られる。また、拡径部23を設けたことにより、初心者であっても一人で容易に使用することが可能となった。
[試験例]
上述した本発明の実施の形態に係る家畜用胚移植器Kを実施例とし、この実施例について移植試験を行ない、移植操作時間を測定し、受胎率について調べ、比較例と比較した。比較例は、従来からある、チューブとヘッドの外径が同じストレートタイプの移植器とした。
移植操作時間についての結果を図6に示す。これによれば、比較例では、5分未満の処理が、全体の78%程度であるが、実施例では、5分未満の処理が、全体の100%となり、操作時間の短縮が確実に図られていることが分かった。
受胎率の結果を図7に示す。これによれば、比較例では、受胎率が51.1%であるのに対し、実施例では75%にもなり、大幅に受胎率が向上したことが分かる。
尚、上記実施の形態においては、ヘッド20の先端部24にストレート部31を設けてあるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、全幅に亘ってテーパ部25としてよい。尚、先端部24の尖端30は半球状にしておくことが望ましい。
尚また、上記実施の形態では、家畜として牛の場合に用いた場合で説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、牛以外の家畜に適用できることは勿論である。
本発明によれば、ストローSの着脱はヘッド20を螺着接続にすれば容易に行なえ、金属製にすれば、堅牢で外套鞘を必要としないためコストの軽減が図られ、全体の部品点数が少ないため、洗浄,消毒等が簡便となり、反復利用が容易である。また、操作性に優れ、低コストで使用ができ、反復利用が簡便なため胚移植技術の普及定着に寄与できるとともに受胎率を大幅に向上させることができる極めて有用な家畜用胚移植器Kを提供することができる。
本発明の実施の形態に係る家畜用胚移植器を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る家畜用胚移植器のヘッドの構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る家畜用胚移植器を示す分解図である。 本発明の実施の形態に係る家畜用胚移植器を示す組立図である。 本発明の実施の形態に係る家畜用胚移植器を用いて、家畜としての牛に胚を移植する工程を示す図である。 試験例に係り本発明の実施例に係る家畜用胚移植器における移植処理時間を比較例との比較において示す表図である。 試験例に係り本発明の実施例に係る家畜用胚移植器における受胎率を比較例との比較において示す表図である。 従来の家畜用胚移植器の一例を示す断面図である。 家畜用胚移植器を用いて家畜としての牛に胚を移植する状態を示す図である。
符号の説明
K 家畜用胚移植器
S ストロー
Sa 先端
m 綿栓
1 チューブ
2 フランジ
10 ピストン
11 押出部
12 一般部
13 プッシュ部
20 ヘッド
21 通路
22 吐出口
23 拡径部
23A 一端側拡径部
23B 他端側拡径部
24 先端部
25 テーパ部
25a 連設部
26 基端部
27 テーパ部
27a 連設部
28 ネジ手段
28a 雄ネジ
28b 雌ネジ
29 ネジ手段
29a 雄ネジ
29b 雌ネジ
30 尖端
31 ストレート部
33 嵌挿孔
34 嵌着部
C 鞘
Wa 子宮頸管
Wb 子宮角

Claims (5)

  1. 家畜の胚が収容されたストローが挿入されて装着されるチューブと、該チューブの後端から進退可能に挿入され前端側への進出時に上記装着されたストロー内の胚を押し出すピストンと、上記チューブの前端部に設けられ上記ストローから押し出される胚が通過する通路及び該胚を吐出する吐出口を有したヘッドとを備えた家畜用胚移植器において、
    上記ヘッドを、上記チューブより外径の大きい所定長さの拡径部と、該拡径部の一端に連設され該連設部から尖端に向けて漸次縮径するテーパ部を有するとともに尖端側に上記吐出口が形成された先端部と、上記拡径部の他端に連設され上記チューブの後端側に向けて漸次縮径するテーパ部を有した基端部とを備えて構成し、
    上記チューブの外径Daと上記拡径部の外径Dbとの関係を、Da<Dbとし、上記拡径部の外径Dbを、3mm≦Db≦6mm、上記拡径部の所定長さLaを、30mm≦La≦60mmに設定し、
    上記先端部の長さLbを、8mm≦Lb≦16mm、上記基端部の長さLcを、8mm≦Lc≦16mmに設定したことを特徴とする家畜用胚移植器。
  2. 上記ヘッドの拡径部を、一端側拡径部及び他端側拡径部に分割し、該一端側拡径部及び他端側拡径部をネジ手段により互いに着脱可能に連結したことを特徴とする請求項1記載の家畜用胚移植器。
  3. 上記ヘッドの通路の内径を上記ストローが挿通される大きさに形成し、該通路の上記吐出口の後位近傍に上記ストローの先端が嵌着する嵌着部を形成したことを特徴とする請求項2記載の家畜用胚移植器。
  4. 上記チューブ,ピストン及びヘッドを金属で形成し、上記ヘッドの基端部を上記チューブの前端部に溶接固定したことを特徴とする請求項2または3記載の家畜用胚移植器。
  5. 上記ヘッドの先端部と拡径部とをネジ手段により連結するとともに溶接により一体に結合したことを特徴とする請求項4記載の家畜用胚移植器。
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