JP2005261364A - 動物胚の移植装置及び移植方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】子宮内膜を傷つけることなく、動物胚を確実に子宮深部まで注入できる動物胚の移植装置及び移植方法を提供することを目的とする。
【解決手段】閉塞された前端に小孔10を穿設したシース管1と、濃度0.4%のアルブミンを添加したヘミカルシウムラクテート及びアポ・トランスフェリンを含む無血清培地を成分とする530〜630mm3の移植液3及び動物胚2を中空部に収容し中空部後端を栓体4により閉塞されたストロー5と、可撓性チューブ8と、ストロー5の後端と可撓性チューブ8の前端を接合する中空ソケット6と、可撓性チューブ8を固定するホルダ7と、可撓性チューブ8の後端と接合された空気ポンプ9とを備えた移植装置を用いる移植方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、牛等の家畜動物の胚(受精卵)を移植するための装置及びその方法に係り、特に受胎率を向上させうる移植装置及びその方法に関する。
動物胚の移植は、主に単胎動物の改良と繁殖効率の向上を目的として行われ、牛を例にとって説明すると、供胚雌牛の卵巣にホルモン剤を使用して一度に多数の卵胞を誘起させた後、人工的に体外授精を行い、それによって得られた受精卵を受胚雌牛に移植して妊娠させる技術である。一般に、子宮体内の子宮角入口まで挿入した移植装置を操作して移植装置内に収容してある動物胚を子宮角深部に注入するという手順で行われる。動物胚の移植作業においては、動物胚の移植位置が子宮卵管移行部に近いほど受胎率が向上することが知られているが、子宮内膜を傷つける危険性が高いため、実際には子宮卵管移行部の近くに動物胚を移植することは容易でない。
このような課題に対処するため、いくつかの発明及び考案が開示されている。例えば、特許文献1には、「家畜の人工授精用精子または受精卵移植用卵子の注入器及びその操作方法」という名称で、子宮内膜を傷つけることなく、精液あるいは卵子を確実に子宮深部まで注入できる器具とその操作方法に関する発明が開示されている。
以下、図5(a)、(b)を参照しながら、特許文献1に開示された技術について説明する。図5(a)は従来技術に係る精液注入器の全体的構成を示す分解斜視図であり、同図(b)は従来技術に係る精液注入器を用いた注入作業終段階を示す説明図である。
特許文献1に開示された精液注入器17は、図5(a)に示すように保温筒18と、保温筒18の先端に平行に固定された子宮挿入用の外側パイプ19と、保温筒18の後部からその内部に挿入された注入用の注射器20と、保温筒18の先端に引き出されるとともに、外側パイプ19の中空内部に摺動可能に挿通された弾性及び柔軟性のある注入用チューブ21と、注射器20及びチューブ21に接続され内部に精液を収容したストロー22と、チューブ21の先端に一体化され、かつ外側パイプ19の先端に突出する吐出ノズル23とを備えている。
このような構造により、外側パイプ19を子宮内の所要深さまで挿通した後、保温筒18からの突出位置と外側パイプ19との間のチューブ21の余長部21aを繰出すと吐出ノズル23が子宮形状に沿って子宮深部に到達する。
次に図5(b)を参照しながら、精液注入器17を用いた注入作業について説明する。 まず、片手を肛門を通じて直腸24内に挿入し、子宮頸管25を直腸24を介して把持し、次いで、他方の手で精液注入器17の外側パイプ19を子宮内に挿入し、子宮頸管25の位置で手の感触により位置を確かめつつ、外側パイプ19をさらに挿入する。
子宮頸管25を超えて排卵側の子宮角26に向けて外側パイプ19をさらに約5cm挿入した後、ループ状に巻かれた精液注入用チューブ21の余長部21aを繰出して外側パイプ19の先端から吐出ノズル23を押し出して子宮角26の深部に吐出ノズル23の先端を到達させる。
次に、注射器20のピストンを押すことにより精液を精液注入用チューブ21を通して吐出ノズル23より吐出させ、子宮深部に注入する。
なお、以上の作業は同一要領で卵子の移植にも適用可能である。
次に、特許文献2には、「動物用胚の移植器具とその移植方法」という名称で、使い捨て部品を最小にして操作を簡単にし、且つランニングコストを低減するとともに、煩雑な作業現場でも、安全で且つ簡便迅速にセットできる動物用胚の移植器具とその移植方法に関する発明が開示されている。
特許文献2に開示された動物用胚の移植器具は、先端に注出チップを一体形成した可撓性内管と、この内管に注出チップ部分を除いて被嵌される硬質性外管と、先端部が可撓性を有し、この先端部の挿入により可撓性内管に装着されたストロー管内の胚液を押出すことができる押出し棒と、先端にストロー管に螺入可能な螺条を設けたストロー管引出し棒とを備えている。
次に、この移植器具を用いた動物胚の移植方法について説明する。まず、移植器具を動物体内に挿入し注出チップが子宮頸管を越えたところで内管を押出して注出チップを子宮角深部に到達させる。次いで、押出し棒を押込んでストロー管内の胚液を注出チップから子宮奥部に放出させる。最後に、移植器具全体を動物体内から取り出した後、使用した内管をストロー管とともに捨て、外管を消毒し新たなストロー管を装着して、以下同様な方法で別の受胎動物に胚の移植を行う。
このような構造の移植器具においては、押出し棒の代わりに内管にストロー管引出し棒を差し入れてストロー管を取り出すことができるため、上記ストローの交換作業が容易となる。
さらに特許文献3には、「牛受精卵移植器」という名称で、牛の受精卵移植を子宮頸管を介して簡便に行い得る牛受精卵移植器に関する発明が開示されている。
特許文献3に開示された牛受精卵移植器は、先端部が子宮頸管を介して子宮角内の移植部位に達する嘴管体と、嘴管体の基端部に螺着接続される管状体と、受精卵移植用極細ストロー内の受精卵及び保存液を注出穴から排出する押出杵とを備えており、特に嘴管体の先端部が先細りにして丸みを帯びた形状に形成されていることを特徴とする。
このような構造により、嘴管体の子宮頸管通過が容易になるため、子宮頸管を損傷せずに移植作業を迅速に行うことができる。従って、細菌汚染及び不受胎の原因除去が可能となって受胎率が向上する。
特開2001−17026号公報 特開2001−120581号公報 特開平6−296628号公報
しかしながら、上述の従来技術である特許文献1に開示された発明においては、精液注入用チューブ21が弾性及び柔軟性を有するものであっても、精液注入用チューブ21の余長部21aを繰出す過程で吐出ノズル23の先端により子宮内膜を損傷する可能性がある。また、注射器20を操作する過程では外側パイプ19の保持を片手で行わなければならず、外側パイプ19の固定が不十分となる。その結果、外側パイプ19の先端部により子宮内膜が傷つけられる可能性が高くなる。
また、特許文献2に開示された発明においては、可撓性内管を押出して注出チップを子宮角深部に到達させる過程で注出チップの先端が子宮内膜を損傷する可能性がある。また、押出し棒を押込んでストロー管内の胚液を放出する過程では移植器具の保持を片手で行う必要があるため、移植器具の固定が不十分となり易く、移植器具の一部で子宮内膜を損傷する可能性が高い。
最後に、特許文献3に開示された発明においては、特許文献1及び特許文献2の発明の場合と同様に、嘴管体の先端部を子宮角内の移植部位に到達させる際及び受精卵移植用極細ストロー内の受精卵及び保存液を押出杵により排出する際に移植器具の一部で子宮内膜を損傷する可能性がある。
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、子宮内膜を傷つけることなく、動物胚を子宮深部まで確実に注入できる動物胚の移植装置及び移植方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明である動物胚の移植装置は、閉塞された前端に小孔を穿設したシース管と、中空部前端は開放され中空部後端は栓体により閉塞されたストローと、可撓性チューブと、ストローの後端と可撓性チューブの前端とを接合し両者の中空部を連通させる中空ソケットと、可撓性チューブの後端が空気排出口に接合された空気ポンプとを備え、中空ソケットにより一体に接合され中空部に動物胚及び移植液を収容したストローをシース管内部に挿入配設したことを特徴とする。
上記構成の動物胚の移植装置においては、空気ポンプから送出され可撓性チューブを経由してストロー内部に流入した空気が栓体を押動することによりストロー内部に収容されている動物胚及び移植液がシース管前端の小孔より吐出されるという作用を有する。また、シース管の内部に押し出し棒を内蔵しないため、シース管の外径を細くすることができるとともに、シース管の内部に従来より長いストローを配設することが可能となる。さらに、ストロー内部の動物胚及び移植液を押し出す操作が容易となる。
請求項2記載の発明である動物胚の移植装置は、請求項1に記載の動物胚の移植装置において、シース管の後端にホルダを装着し可撓性チューブを固定したことを特徴とする。
上記構成の動物胚の移植装置においては、可撓性チューブと一体に接合されシース管内部に挿入配設されたストローの落脱を防ぐとともに可撓性チューブの外径とシース管の内径の差が大きい場合に可撓性チューブのがたつきを抑えることができる。また、可撓性チューブに対して後方に引っ張るような力を加えても中空ソケットを介した可撓性チューブとストローの接合部には力が加わらないため、仮に可撓性チューブが後方に引っ張られた場合でも可撓性チューブとストローの接合ははずれることがない。
請求項3記載の発明である動物胚の移植装置は、請求項1又は請求項2に記載の動物胚の移植装置において、ストローとシース管により形成される空間に逆止弁を備えたことを特徴とする。
上記構成の動物胚の移植装置においては、ストロー内部から吐出された動物胚及び移植液がストローとシース管により形成される空間を通ってシース管後方へ逆流しないという作用を有する。また、ストローの外径とシース管の内径の差が大きい場合でもストローがシース管に対してがたつかないようにすることができる。
請求項4記載の発明である動物胚の移植装置は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の動物胚の移植装置において、手や足で操作することができる空気ポンプを備えたことを特徴とする。
上記構成の動物胚の移植装置は、空気ポンプから可撓性チューブ内へ手動あるいは電動で空気が送出されるという作用を有する。また、特に空気ポンプをシース管の後端から離して足で操作できる構造とした場合には、シース管の固定及び動物胚の押し出し操作を手と足で各々独立して行うことができる。
請求項5記載の発明である動物胚の移植装置は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の動物胚の移植装置において、手や足で操作することができるシリンジを備えたことを特徴とする。
上記構成の動物胚の移植装置は、シリンジから可撓性チューブ内へ手動で空気を送出することができるとともに、請求項4記載の発明と同様の作用を有する。
請求項6記載の発明である動物胚の移植方法は、請求項4又は請求項5に記載の動物胚の移植装置を用いる動物胚の移植方法であって、移植液にヘミカルシウムラクテート及びアポ・トランスフェリンを含む無血清培地を用いることを特徴とする。
移植に使用する動物胚は通常、凍結保存されており、移植時に融解して使用される。このとき、移植液としてヘミカルシウムラクテート及びアポ・トランスフェリンを含む無血清培地を用いると凍結融解後における動物胚の生存性を高めることができる。
請求項7記載の発明である動物胚の移植方法は、請求項6に記載の動物胚の移植装置を用いる動物胚の移植方法であって、移植液の量を530〜630mm3としたことを特徴とする。
移植液の量が上記範囲を下回る場合には移植液の流動性が低下し、上記範囲を上回る場合には子宮角への負担が増加する。従って、移植液の量を530〜630mm3とする上記構成の動物胚の移植方法は、子宮角深部への動物胚の流れ込みを促進するという作用を有する。
請求項8記載の発明である動物胚の移植方法は、請求項6又は請求項7に記載の動物胚の移植装置を用いる動物胚の移植方法であって、移植液に濃度0.4%のアルブミンを添加したことを特徴とする。
一般に牛に代表される単胎動物の体液中のアルブミンの濃度は0.2%〜0.3%であり、アルブミンの濃度を上げることにより洗浄作用が高まって動物胚の移動が促進されるが、その濃度が0.4%を超えると酸性度が強すぎるため使用できない。従って、アルブミン濃度を0.4%とする上記構成の動物胚の移植方法は、子宮角深部への動物胚の移動を促進するという作用を有する。
以上説明したように、本発明の請求項1に記載の動物胚の移植装置においては、内部に押し出し棒を内蔵した従来の移植装置に比べてシース管の外径を細くすることができ、また、ストロー内部の動物胚及び移植液の押し出し操作が簡便となるため、シース管を子宮内に挿入する際に子宮内膜を傷つけることがない。
また、本発明の請求項2に記載の動物胚の移植装置においては、ストローの落脱を防ぐあるいはストロー又は可撓性チューブのがたつきを抑える作業を特に必要としない。また、可撓性チューブが後方に引っ張られた場合でも可撓性チューブ又はストローが中空ソケットから落脱しない。これにより、作業に専念することができるため、動物胚の移植を安全かつ確実に行うことができる。
本発明の請求項3に記載の動物胚の移植装置においては、ストロー内部に収容された動物胚及び移植液がシース管前端の小孔以外の箇所から漏れ出さないため、動物胚及び移植液が無駄にならず移植作業の効率を高めることができる。また、ストローの外径とシース管の内径の差が大きい場合でもストローのがたつきを抑えられるため、ストローの破損を防ぐことができる。
本発明の請求項4又は請求項5に記載の動物胚の移植装置においては、動物胚及び移植液の押し出しのためにストロー内部に空気を送り込む操作が簡便となる。また、特に空気ポンプを足で操作可能な構造とした場合には、シース管の固定と動物胚及び移植液の押し出しの各操作にそれぞれ専念することができるため、動物胚の移植作業の安全性が高まる。
本発明の請求項6に記載の動物胚の移植方法においては、凍結融解後における動物胚の生存性が高まるため、それに伴い受胎率が向上する。
本発明の請求項7又は請求項8に記載の動物胚の移植方法においては、子宮角深部への動物胚の流れ込みが促進されるため、それに伴い受胎率が向上する。
以下に、本発明の最良の実施の形態に係る動物胚の移植装置及び移植方法の実施例を図1乃至図4に基づき説明する。
図1は本発明の実施例1に係る動物胚の移植装置の分解図である。
動物胚の移植装置は、牛に代表されるような単胎動物に対して動物胚を人工的に移植する際に使用するものである。
図1に示すように動物胚の移植装置は、閉塞された前端に小孔10を穿設したプラスチック製のシース管1と、プラスチック製のストロー5と、シリコン製の可撓性チューブ8と、プラスチック製の中空ソケット6と、可撓性チューブ8の後端が空気排出口に接合された空気ポンプ9と、プラスチック製のホルダ7と、プラスチック製の逆止弁11を備えた構造となっている。ストロー5は中空部に動物胚2及び移植液3を収容し、中空部前端は開放され中空部後端は綿を素材とする栓体4により閉塞されており、ストロー5及び可撓性チューブ8は両者の中空部を連通させる中空ソケット6により一体に結合されてシース管1の内部に挿入配設されている。また、ホルダ7はシース管1の後端に装着され、逆止弁11はストロー5とシース管1により形成される空間に装着されている。
シース管1は、本実施例ではプラスチック製としているが子宮内膜を損傷し難い表面状態を有する硬質性材料であればよく、例えば金属製としてもよい。また、本実施例のシース管1は前端を閉塞し側面に小孔10を穿設した構造としているが、前端を開放端としても良いし、閉塞した前端面に小孔10を穿設した構造としても良い。また小孔10の数は2箇所に限定されるものではなく、1箇所でも良いし、3箇所以上でも良い。
可撓性チューブ8は、本実施例ではシリコン製としているが、可撓性を有する他のプラスチック材料を用いても良い。
中空ソケット6は、本実施例ではプラスチック製としているが気密性を有する材料であれば良く、例えば金属製としてもよい。また、中空ソケット6の外径がシース管1の内径とほぼ同一であって、中空ソケット6がストロー5の落脱防止あるいは動物胚2及び移植液3の逆流防止の作用を有する場合には、ホルダ7又は逆止弁11を省略しても良い。
次に、本実施例の動物胚の移植装置の動作について説明する。図2は本発明の実施例1に係る動物胚の移植装置の断面図である。まず、空気ポンプ9の上部を手や足で押し下げると、空気ポンプ9内部から送出された空気は可撓性チューブ8の内部を通って、中空ソケット6により可撓性チューブ8の中空部と連通されているストロー5の中空部へ流入する。この空気の圧力によりストロー5の中空部後端を閉塞している栓体4が押動され、ストロー5内部に収容されている動物胚2及び移植液3がシース管1前端の小孔10より吐出される。
以上説明したように、本実施例の動物胚の移植装置は、押し出し棒を本体に内蔵した図示しない従来の移植装置に比べてシース管1の外径を細くすることができるため、シース管1を子宮内に挿入する際に子宮内膜を傷つけることがない。また、ストロー5の落脱やストロー5又は可撓性チューブ8のがたつきあるいは可撓性チューブ8又はストロー5の中空ソケット6からの落脱がないため、動物胚2の注入作業に専念することができる。さらに、動物胚2及び移植液3の押し出しのために空気をストロー5内部に送り込む操作が簡便であるとともに、シース管1の固定と動物胚2及び移植液3の押し出しの操作を各々独立して行うことができる。これにより、動物胚の移植作業の安全性が高まる。
また、シース管1の内部に長いストロー5を配設することが可能となるため、従来よりも多くの移植液3を収容することができる。さらに、動物胚2及び移植液3がシース管1前端の小孔10以外の箇所から漏れ出さないため、移植作業の効率が高まる。加えて、がたつきによるストロー5の破損を防ぐことができる。
図3は本発明の実施例2に係る動物胚の移植装置に係る空気ポンプの外観図である。実施例1では可撓性チューブ8に空気を送り出す機構を手や足で操作可能な空気ポンプ9としているのに対し、本実施例では手や足を用いてピストン13を操作するシリンジ12としたことを特徴とする。
本実施例の動物胚の移植装置は、ピストン13の上面を矢印の方向に押し下げることによりシリンジ12内部の空気が矢印で示すように可撓性チューブ8内に送出されて実施例1と同様の効果を有する。
次に、実施例1又は実施例2の動物胚の移植装置を用いた動物胚の移植方法について説明する。図4は本発明の実施例に係る動物胚の移植方法の説明図である。
図4において、まず、肛門を通じて片手を直腸14内に挿入し、直腸14を介して子宮頸管15を把持し、次いで、他方の手で動物胚の移植装置のシース管1を子宮内に挿入し、先に直腸14内に挿入した方の手で子宮頸管15を介してシース管1を把持して固定する。次に空気ポンプ9の上部を足の裏で踏み込み、空気ポンプ9内の空気を可撓性チューブ8を経由して図示しないストロー5の中空部に送り込み、動物胚2及び濃度0.4%のアルブミンを添加したヘミカルシウムラクテート及びアポ・トランスフェリンを含む無血清培地を成分とする530〜630mm3の移植液3をシース管1の前端から子宮深部16に注入する。
以上説明したように、本実施例の動物胚の移植方法は、空気ポンプ9を足で操作するため、シース管1の保持を両手で確実に行うことが可能となる。従って、子宮内膜を傷つけることなく、安全に動物胚2の移植を行うことができる。また、本実施例の移植液は、凍結融解後における動物胚の生存性を高めるとともに、動物胚の洗浄作用を高める。さらに、移植液の量を多くすることにより子宮角深部への動物胚の流れ込みが促進される。これらにより、動物胚の受胎率が向上する。
本発明と従来例の動物胚の受胎率を比較した試験結果を表1に示す。表1において、本発明の実施例の方法によっては、9例に対して7例の受胎が確認されたが、従来例では、11例に対して6例の受胎が確認された。本発明の実施例では従来例と同じ移植液(濃度0.25%のアルブミンを添加した修正リン酸カルシウム液)を用い、移植液の量は従来例の約250mm3に対して、約2倍の580mm3とした。この試験結果から移植液を従来の2倍程度とすることで受胎率が向上していることが理解できる。
牛のみでなく馬その他の単胎動物に対して胚(受精卵)の移植及び人工授精を行う場合に適用できる。
本発明の実施例1に係る動物胚の移植装置の分解図である。 本発明の実施例1に係る動物胚の移植装置の断面図である。 本発明の実施例2に係る動物胚の移植装置に係る空気ポンプの外観図である。 本発明の実施例3に係る動物胚の移植方法の説明図である。 (a)は従来技術に係る精液注入器の全体的構成を示す分解斜視図であり、(b)は従来技術の注入器を用いた注入作業を示す説明図である。
符号の説明
1…シース管 2…動物胚 3…移植液 4…栓体 5…ストロー 6…中空ソケット 7…ホルダ 8…可撓性チューブ 9…空気ポンプ 10…小孔 11…逆止弁 12…シリンジ 13…ピストン 14…直腸 15…子宮頸管 16…子宮深部 17…精液注入器 18…保温筒 19…外側パイプ 20…注射器 21…精液注入用チューブ 21a…余長部 22…ストロー 23…吐出ノズル 24…直腸 25…子宮頸管 26…子宮角

Claims (8)

  1. 閉塞された前端に動物胚排出用の小孔を穿設したシース管と、中空部に動物胚及び移植液を収容し中空部前端は開放され中空部後端は栓体により閉塞されたストローと、可撓性チューブと、前記ストローの後端と前記可撓性チューブの前端とを接合し両者の中空部を連通させる中空ソケットと、前記可撓性チューブの後端が空気排出口に接合された空気ポンプとを備え、前記中空ソケットにより一体に接合された前記ストローが前記シース管の内部に挿入配設されることを特徴とする動物胚の移植装置。
  2. 前記シース管の後端に前記可撓性チューブの落脱を防止するホルダを装着したことを特徴とする請求項1記載の動物胚の移植装置。
  3. 前記ストローと前記シース管により形成される空間に動物胚及び移植液の逆流を防ぐ逆止弁を備えた請求項1又は請求項2に記載の動物胚の移植装置。
  4. 前記空気ポンプは、手や足で操作することにより前記可撓性チューブ内へ手動あるいは電動で空気が送出される構造を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の動物胚の移植装置。
  5. 前記空気ポンプは、ピストンを手や足で押動することにより前記可撓性チューブ内へ手動で空気が送出されるシリンジ構造としたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の動物胚の移植装置。
  6. 請求項4又は請求項5に記載の動物胚の移植装置を用いる動物胚の移植方法であって、移植液にヘミカルシウムラクテート及びアポ・トランスフェリンを含む無血清培地を用いることを特徴とする動物胚の移植方法。
  7. 前記移植液の量を530〜630mm3としたことを特徴とする請求項6記載の動物胚の移植方法。
  8. 前記移植液に濃度0.4%のアルブミンを添加したことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の動物胚の移植方法。
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