JP4111273B2 - 画像復号装置、プログラム、記憶媒体及び画像復号方法 - Google Patents
画像復号装置、プログラム、記憶媒体及び画像復号方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
【0002】
本発明は、インターネット画像、医療用画像、衛星通信用画像などの画像を扱う機器であるパーソナルコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、デジタルカメラ等に用いられる画像復号装置、プログラム、記憶媒体及び画像復号方法に関する。
【従来の技術】
【0003】
画像入力技術およびその出力技術の進歩により、画像に対して高精細化の要求が、近年非常に高まっている。例えば、画像入力装置として、デジタルカメラ(Digital Camera)を例にあげると、300万以上の画素数を持つ高性能な電荷結合素子(CCD:Charge Coupled Device)の低価格化が進み、普及価格帯の製品においても広く用いられるようになっている。
【0004】
一方、画像出力・表示装置に関しても、例えば、レーザプリンタ、インクジェットプリンタ、昇華型プリンタ等のハード・コピー分野における製品、そして、CRTやLCD(液晶表示デバイス)、PDP(プラズマ表示デバイス)等のフラットパネルディスプレイのソフト・コピー分野における製品の高精細化・低価格化は目を見張るものがある。
【0005】
こうした高性能・低価格な画像入出力製品の市場投入効果によって、高精細画像の大衆化が始まっており、今後はあらゆる場面で、高精細画像の需要が高まると予想されている。実際、パーソナルコンピュータ(Personal Computer)やインターネットをはじめとするネットワークに関連する技術の発達は、こうしたトレンドをますます加速させている。特に最近は、携帯電話やノートパソコン等のモバイル機器の普及速度が非常に大きく、高精細な画像を、あらゆる地点から通信手段を用いて伝送あるいは受信する機会が急増している。
【0006】
これらを背景に、高精細画像の取扱いを容易にする画像圧縮伸長技術に対する高性能化あるいは多機能化の要求は、今後ますます強くなっていくことは必至と思われる。
【0007】
そこで、近年においては、こうした要求を満たす画像圧縮方式の一つとして、高圧縮率でも高画質な画像を復元可能なJPEG2000という新しい方式が規格化されつつある。かかるJPEG2000においては、画像を矩形領域(タイル)に分割することにより、少ないメモリ環境下で圧縮伸長処理を行うことが可能である。すなわち、個々のタイルが圧縮伸長プロセスを実行する際の基本単位となり、圧縮伸長動作はタイル毎に独立に行うことができる。
【0008】
ところで、JPEG2000における分割処理は、タイリングと呼ばれ、省メモリ化・高速化に有効な手法であるが、非特許文献1にも記載があるように、圧縮率の高い条件で圧縮伸長処理を行った場合には、伸長後の画像においてタイルの境界が不連続となるという問題がある。
【0009】
従来、このような問題を解決するために、隣接するタイル同士で境界を互いにオーバーラップさせて処理を行う手法が提案されている。ところが、JPEG2000のベースラインでは、隣接するタイル境界を重複させないことになっている。
【0010】
そこで、このような問題を解決すべく、特許文献1においては、タイル境界の近傍のみに均一な平滑化フィルタをかけることにより、タイル境界を目立たなくするという技術が提案されている。
【非特許文献1】
J. X. Wei, M. R. Pickering, M. R. Frater and J. F. Arnold, ”A New Method for Reducing Boundary Artifacts in Block−Based Wavelet Image Compression,” in VCIP 2000, K. N. Ngan, T. Sikora, M−T Sun Eds., Proc. of SPIE Vol. 4067, pp. 1290−1295, 20−23 June 2000, Perth, Australia
【特許文献1】
特開平05−014735号公報
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1において提案されている技術によれば、タイル境界歪み抑制には効果があるが、タイル境界のエッジ度合いが強い場合には、平滑化フィルタをかけたことによりタイル境界の近傍でエッジがぼやけて帯状の画像品質劣化が現れてしまうという問題がある。
【0012】
本発明の目的は、品質の良い再生画像を得ることができる画像復号装置、プログラム、記憶媒体及び画像復号方法を提供することである。
【0013】
本発明の目的は、タイル境界歪み抑制のための処理時間を短縮することができる画像復号装置、プログラム、記憶媒体及び画像復号方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の画像復号装置は、画像をタイル毎にウェーブレット変換し、さらにエントロピー符号化した符号をトランケーションすることにより得られた圧縮符号を復号する画像復号装置において、画像の高周波成分をカットするローパスフィルタを用いて復号後のタイル境界の歪みを平滑化するタイル境界平滑化手段を備え、前記タイル境界平滑化手段は、所定階層以下のサブバンドにおける、全ビットプレーン数に対するトランケーションされずに残ったビットプレーン数の割合を量子化率Rとし、当該量子化率Rに応じて前記ローパスフィルタの強度を制御する。
【0015】
本発明のプログラムは、画像をタイル毎にウェーブレット変換し、さらにエントロピー符号化した符号をトランケーションすることにより得られた圧縮符号の復号をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、画像の高周波成分をカットするローパスフィルタを用いて復号後のタイル境界の歪みを平滑化するタイル境界平滑化機能を前記コンピュータに実行させ、前記タイル境界平滑化機能では、所定階層以下のサブバンドにおける、全ビットプレーン数に対するトランケーションされずに残ったビットプレーン数の割合を量子化率Rとし、当該量子化率Rに応じて前記ローパスフィルタの強度を前記コンピュータに制御させる。
【0016】
本発明の記憶媒体は、本発明のプログラムを記憶していることを特徴とするコンピュータに読取り可能な記憶媒体である。
【0017】
本発明の画像復号方法は、画像をタイル毎にウェーブレット変換し、さらにエントロピー符号化した符号をトランケーションすることにより得られた圧縮符号を復号する画像復号方法において、画像の高周波成分をカットするローパスフィルタを用いて復号後のタイル境界の歪みを平滑化するタイル境界平滑化工程を含み、前記タイル境界平滑化工程では、所定階層以下のサブバンドにおける、全ビットプレーン数に対するトランケーションされずに残ったビットプレーン数の割合を量子化率Rとし、当該量子化率Rに応じて前記ローパスフィルタの強度を制御する。
【0018】
[JPEG2000について]
最初に、本実施の形態の前提となる「JPEG2000」における量子化、符号破棄および画質制御について説明する。JPEG2000の符号化処理は、概ね図1の流れで行われる。すなわち、画像データを圧縮符号化するときは、画像をタイル分割して、このタイルにDCレベルシフト、色変換を施し(a)、タイルごとにWavelet変換を行って(b)、サブバンドごとに量子化する(c)。そして、コードブロック毎にビットプレーン符号化を行い(d)、不要な符号を破棄して、必要な符号をまとめて、パケットを生成する(e)。後は、パケットを並べて符号形成を行う(f)。圧縮後の符号を伸長するには、これらの処理の流れを逆にたどればよい。
【0019】
図2は、画像、タイル、サブバンド、プリシンクト、コードブロックの関係を示す説明図である。タイルとは、画像を矩形に分割した単位であり、分割数=1の場合、画像=タイルである。JPEG2000では個々のタイルを独立した1つの画像と見なし、Wavelet変換がなされ、サブバンドが生成される。JPEG2000の基本仕様では、Wavelet変換として9×7変換を用いる場合、同一のサブバンドに含まれる係数を同一の数で除算し、線形に量子化することができる。したがって、線形量子化による画質制御は、サブバンド単位で可能である(線形量子化による画質制御単位はサブバンドである)。
【0020】
プリシンクトとは、サブバンドを(ユーザが指定可能なサイズの)矩形に分割した単位で、大まかには画像中の場所(Position)を表すものであり、インプリメンテーションでメモリを効率的に使うために導入されたものである。プリシンクトは、HL,LH,HHの3つのサブバンドにおいて空間的に一致している。つまり、プリシンクトは3つで1つのまとまりを成すものである。ただし、LLサブバンドを分割したプリシンクトは1つで1つのまとまりを成すものである。このようなプリシンクトは、サブバンドと同じサイズにすることも可能である。
【0021】
更に、個々のプリシンクトは、重複しない(ユーザが指定可能なサイズの)矩形の「コードブロック」に分けられる。これは、エントロピー・コーディングを行う際の基本単位となる。
【0022】
また、量子化後のサブバンドの係数は、コードブロック単位でビットプレーン符号化される(1つのビットプレーンは3つのサブビットプレーンに分解されて符号化される)。
【0023】
プリシンクトに含まれる全てのコードブロックから、符号の一部を取り出して集めたもの(例えば、全てのコードブロックのMSB(Most Significant Bit:最上位ビット)から3枚目までのビットプレーンの符号を集めたもの)がパケットである。ここで、符号の“一部”とは“空”でもいいので、パケットの中身が符号的には“空(から)”という場合もある。全てのプリシンクト(すなわち、全てのコードブロック、全てのサブバンド)のパケットを集めると、画像全域の符号の一部(例えば、画像全域のWavelet係数のMSBから3枚目までのビットプレーンの符号)ができるが、これをレイヤとよぶ。レイヤは、大まかには画像全体のビットプレーンの符号の一部であるから、復号されるレイヤ数が増えれば画質は上がる。レイヤはいわば画質の単位である。
【0024】
全てのレイヤを集めると、画像全域の全てのビットプレーンの符号になる。図3は、Wavelet変換の階層数(デコンポジションレベル)=2、プリシンクトサイズ=サブバンドサイズとしたときのレイヤ、図4はそれに含まれるパケットの例である。これらの場合は、プリシンクトサイズ=サブバンドサイズであり、図2でいうプリンシンクトの大きさと同じ大きさのコードブロックを採用しているため、デコンポジションレベル2のサブバンドは4個のコードブロックに、デコンポジションレベル1のサブバンドは9個のコードブロックに分割されている。パケットは、プリシンクトを単位とするものであるから、プリシンクト=サブバンドとした場合、HL〜HHサブバンドを跨いだものとなる。図4中、いくつかのパケットを太線で囲んで示している。
【0025】
ここで、パケットは「コードブロックの符号の一部を取り出して集めたもの」であり、不要な符号は、パケットとして生成する必要はない。例えば、図3のレイヤNo.9に含まれるような下位ビットプレーンの符号は、破棄するのが通常である。
【0026】
したがって、符号破棄による画質制御は、コードブロック単位(かつ、サブビットプレーン単位)で可能である(符号破棄による画質制御単位はコードブロックである)。なお、パケットの並びをプログレッション順序と呼ぶ。
【0027】
[発明の実施の形態]
[第一の実施の形態]
以下、本発明の第一の実施の形態について説明する。なお、ここでは、JPEG2000を代表とする画像圧縮伸長技術に関する例について説明するが、言うまでもなく、本発明は以下の説明の内容に限定されるものではない。
【0028】
図5は、本発明が適用される画像処理装置1を含むシステムを示すシステム構成図、図6は画像処理装置1の機能ブロック図である。図5に示すように、本発明が適用される画像処理装置1は、例えばパーソナルコンピュータであり、インターネットであるネットワーク5を介して各種画像データを記憶保持するサーバコンピュータSに接続可能とされている。サーバコンピュータSには、「JPEG2000アルゴリズム」に従って生成された圧縮符号である画像データが記憶保持されている。
【0029】
そして、図6に示すように、画像処理装置1は、ネットワーク5を介して画像処理装置1に出力された符号列データ(JPEG2000データ)を伸長(復号)して画像の画像データとする画像復号装置である画像伸長装置2と、この伸長後の画像データによる画像を表示する画像表示装置3と、ネットワーク5を介して画像処理装置1に出力された符号列データ(JPEG2000データ)を記憶する符号列記憶部4とを備えている。符号列記憶部4は、一般的なバッファとしての機能、あるいは、画像の符号列データの貯蔵庫として機能し、用途により使い分けられる。
【0030】
図7は、画像処理装置1のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。図7に示すように、画像処理装置1は、コンピュータの主要部であって各部を集中的に制御するCPU(Central Processing Unit)6を備えている。このCPU6には、BIOSなどを記憶した読出し専用メモリであるROM(Read Only Memory)7と、各種データを書換え可能に記憶するRAM(Random Access Memory)8とがバス9で接続されている。RAM8は、各種データを書換え可能に記憶する性質を有していることから、CPU6の作業エリアとして機能し、例えば入力バッファ等の役割を果たす。
【0031】
さらにバス9には、符号列記憶部4として機能するHDD(Hard Disk Drive)10と、配布されたプログラムであるコンピュータソフトウェアを読み取るための機構としてCD(Compact Disc)−ROM11を読み取るCD−ROMドライブ12と、画像処理装置1とネットワーク5との通信を司る通信制御装置13と、キーボードやマウスなどの入力装置14と、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)である表示装置15とが、図示しないI/Oを介して接続されている。
【0032】
そして、ネットワーク5を介してサーバコンピュータSからダウンロードした圧縮符号は、符号列記憶部4として機能するHDD10に格納されることになる。
【0033】
また、図7に示すCD−ROM11は、この発明の記憶媒体を実施するものであり、OS(Operating System)や各種コンピュータソフトウェアが記憶されている。CPU6は、CD−ROM11に記憶されているコンピュータソフトウェアをCD−ROMドライブ12で読み取り、HDD10にインストールする。
【0034】
このような構成の画像処理装置1のHDD10には、コンピュータソフトウェアの一つとして、画像を処理する画像処理プログラムが記憶されている。この画像処理プログラムは本発明のプログラムを実施するものである。そして、この画像処理プログラムに基づいてCPU6が実行する処理により、画像伸長装置2の機能を実現する。
【0035】
なお、記憶媒体としては、CD−ROM11のみならず、DVDなどの各種の光ディスク、各種光磁気ディスク、フレキシブル・ディスクなどの各種磁気ディスク等、半導体メモリ等の各種方式のメディアを用いることができる。また、通信制御装置13を介してインターネットなどのネットワーク5からコンピュータソフトウェアをダウンロードし、HDD10にインストールするようにしてもよい。この場合に、送信側のサーバでコンピュータソフトウェアを記憶している記憶装置も、この発明の記憶媒体である。なお、コンピュータソフトウェアは、所定のOS(Operating System)上で動作するものであってもよいし、その場合に後述の各種処理の一部の実行をOSに肩代わりさせるものであってもよいし、所定のアプリケーションソフトやOSなどを構成する一群のプログラムファイルの一部として含まれているものであってもよい。
【0036】
ここで、画像処理装置1の各部の動作について図6を参照しつつ簡単に説明する。ネットワーク5を介して画像処理装置1に出力された符号列データ(JPEG2000データ)は、符号列記憶部4に格納され、また、画像伸長装置2で伸長処理される。そして、画像伸長装置2で伸長処理されて生成された画像の画像データは、画像表示装置3に出力され、この伸長後の画像データによる画像が表示装置15に表示される。
【0037】
続いて、本発明の主要部分である画像伸長装置2について詳述する。ここで、図8は画像伸長装置2の機能ブロック図である。図8に示すように、CPU6がコンピュータソフトウェア(画像処理プログラム)に基づいて動作することで、タグ処理手段21、エントロピー復号化手段22、逆量子化手段23、2次元Wavelet逆変換手段24、色空間逆変換手段25、タイル境界制御手段26、タイル境界の近傍の平滑化処理を行うタイル境界平滑化手段27の各機能を有する画像伸長装置2を実現する。
【0038】
画像伸長装置2は、このような構成により符号列データ(JPEG2000データ)から画像データを生成する。この場合、タグ処理手段21は入力した符号列データ(JPEG2000データ)に付加されたタグ情報を解釈し、復号化の対象となるビットの位置を定める。エントロピー復号化手段22は符号列データから確率推定によって復号化を行い、対象ビットを生成し、それを対象ビットの位置に書き込む。逆量子化手段23は対象ビット位置の周辺ビット(既に復号化を終えている)の並びからコンテキストを生成する。このようにして復号化されたデータは周波数帯域毎に空間分割されているため、これを2次元Wavelet逆変換手段24で2次元Wavelet逆変換を行うことにより、画像データの各コンポーネントの各タイルが復元される。復元されたデータは色空間逆変換手段25によって元の表色系の画像データ(RGBデータ)に変換され、タイル境界制御手段26に出力される。
【0039】
ところで、「JPEG2000アルゴリズム」においては、符号列データ(JPEG2000データ)の符号化に際し、前述したような符号の破棄を行うポスト量子化(トランケーション)が実行される。このようなポスト量子化(トランケーション)は、量子化テーブルを用いて実行される。
【0040】
図9に量子化テーブルとトランケート数の関係を示す。図9(a)はトランケート前の符号の例である。本例では色成分が3種類あり、図9(a)は、その中の一つ(C0)を示している。また、本例では、階層数は3である。図9(a)に示すように、ここでは縦横方向に、3LL,3HL,3LH,3HH,2HL,2LH,2HH,1HL,1LH,1HHの10種類のサブバンドに分かれ、深さ方向に8つのビットプレーンで構成されている符号を表している。本例では、深さ方向はビットプレーンに分けているが、一つのビットプレーンをさらに3つのサブビットプレーンに分ける構成にしてもよい。図9(b)は量子化テーブルの一例である。各コンポーネント(色成分)、サブバンド毎に、破棄するビットプレーンの数が記述してある。図9(c)は、図9(b)の量子化テーブルを用いた、トランケーション(ビットプレーンの破棄)の一例である。これもコンポーネントはC0の例である。3LL係数は、C0成分では1という値を示しているので、8枚のビットプレーンのうち1枚を破棄する。1HH係数は、C0成分では7という値を示しているので、8枚のビットプレーンのうち7枚を破棄する(破棄するビットプレーンが網掛けで示されている)。このようにして、すべてのサブバンドについて、量子化テーブルの値によりトランケートした後の符号が図9(d)である。同図においては、破棄されたビットプレーンが網掛けで示されている。
【0041】
そして、エントロピー復号化手段22は、このようなトランケートした後の符号を受け取ると、全てのコンポーネントと全てのサブバンドにおいて破棄されたビットプレーンの総数を算出し、その算出した値(トランケートされたビットプレーン数)をタイル境界制御手段26とタイル境界平滑化手段27に出力する。
【0042】
タイル境界制御手段26は、タイル境界平滑化手段27によるタイル境界の近傍の平滑化処理が必要であるか否かを判定する機能を発揮するものであって、このタイル境界制御手段26には、色空間逆変換手段25によって得られた画像データ(RGBデータ)が入力されるとともに、エントロピー復号化手段22から出力されたトランケートされたビットプレーン数が入力される。
【0043】
タイル境界の近傍の平滑化処理が必要であるか否かは、量子化率に応じて判定される。量子化率とは、5×3フィルタによるウェーブレット変換の場合では、各サブバンドのビットプレーン数の総数に破棄されずに残ったビットプレーン数を除算した値である。そして、量子化率が所定の閾値よりも小さい画像では、タイル境界の歪みが目立たないので、タイル境界の近傍の平滑化処理が不要であると判定する。これにより、タイル境界歪み抑制のための処理時間を短縮することが可能になる。一方、量子化率が大きい画像では、タイル境界の歪みが目立つので、タイル境界の近傍の平滑化処理が必要であると判定する。
【0044】
これにより、タイル境界制御手段26は、タイル境界の近傍の平滑化処理が必要であると判定した場合には、タイル境界平滑化手段27に対して色空間逆変換手段25によって得られた画像データ(RGBデータ)を出力し、タイル境界の近傍の平滑化処理が不要であると判定した場合には、タイル境界の近傍の平滑化処理を行わずに、色空間逆変換手段25によって得られた画像データ(RGBデータ)をそのまま画像表示装置3に出力する。
【0045】
タイル境界平滑化手段27は、色空間逆変換手段25によって得られた画像データ(RGBデータ)に対し、タイル境界の近傍の画素を平滑化してタイル境界の歪みを目立たなくするものである。より詳細には、タイル境界歪み抑制のために画像の高周波成分をカットするローパスフィルタの強度を量子化率に応じて強くすることにより、タイル境界の近傍の画素を平滑化するものである。
【0046】
ここで、タイル境界平滑化手段27における処理の具体例を示す。図10はタイル境界平滑化手段27における処理の一例を示す説明図である。図10に示すように、タイル境界平滑化手段27は、タイル境界の近傍の画素(図10中、タイル境界画素を含む網掛け領域の画素)に対してローパスフィルタをかける。
【0047】
ここで、図11は縦方向タイル境界におけるローパスフィルタの一例を示す説明図である。図11に示すように、縦方向タイル境界a(図10参照)に対しては、縦方向タイル境界aに垂直なローパスフィルタ(1次元の横長のフィルタ)F1をかけることにより、縦方向のタイル境界歪みを抑制することができる。なお、本実施の形態では、1次元の横長のフィルタの例で説明したが、横方向の周波数成分を落とすような周波数特性を有するローパスフィルタであればいかなるフィルタであっても良い。
【0048】
図12は横方向タイル境界におけるローパスフィルタの一例を示す説明図である。図12に示すように、横方向タイル境界b(図10参照)に対しては、横方向タイル境界bに垂直なローパスフィルタ(1次元の縦長のフィルタ)F2をかけることにより、横方向のタイル境界歪みを抑制することができる。なお、本実施の形態では、1次元の縦長のフィルタの例で説明したが、縦方向の周波数成分を落とすような周波数特性を有するローパスフィルタであればいかなるフィルタであっても良い。
【0049】
図13は縦方向タイル境界と横方向タイル境界との交点の近傍におけるローパスフィルタの一例を示す説明図である。図13に示すように、縦方向タイル境界aと横方向タイル境界bとの交点の近傍に対しては、十字型のローパスフィルタF3をかけることにより、縦方向タイル境界aと横方向タイル境界bとの交点付近のタイル境界歪みを抑制することができる。なお、本実施の形態では、十字型のフィルタの例で説明したが、縦方向と横方向との周波数成分を共に落とすような周波数特性を有するローパスフィルタであればいかなるフィルタであっても良い。
【0050】
ところで、ローパスフィルタF1,F2,F3のフィルタ中心の重み付けの係数mは復号化される符号量に応じて可変制御される。5×3フィルタによるウェーブレット変換の場合、ローパスフィルタの中心の重み付けの係数mは、量子化率(全ビットプレーン数に対する破棄されずに残ったビットプレーン数の割合)Rに応じて、
m=K*R(K:定数)
R=サブバンド毎の全ビットプレーン数/サブバンド毎の破棄されずに残ったビットプレーン数
という式に基づいて制御されることになる。この制御例はあくまで一例であり、全ビットプレーン数に対する破棄されずに残ったビットプレーン数の割合Rが大きくなるほど、ローパスフィルタの中心の重み付けの係数mの値が大きくなるような制御方法であればいかなる制御方法でも良い。
【0051】
したがって、図14に示すように、量子化率(全ビットプレーン数に対する破棄されずに残ったビットプレーン数の割合)Rが小さい場合には、タイル境界歪み抑制のためのローパスフィルタの強度を弱くすることができる。逆に、量子化率(全ビットプレーン数に対する破棄されずに残ったビットプレーン数の割合)Rが大きい場合には、タイル境界歪み抑制のためのローパスフィルタの強度を強くすることができる。なお、量子化率(全ビットプレーン数に対する破棄されずに残ったビットプレーン数の割合)Rが所定の数より小さい場合には、タイル境界抑制のためのローパスフィルタをかけない構成にすることもできる。
【0052】
ここに、量子化率(全ビットプレーン数に対する破棄されずに残ったビットプレーン数の割合)Rに応じてローパスフィルタの強度を制御しつつ、復号後の各フレームにおけるタイル境界に対してローパスフィルタをかけることで、タイル境界の歪みを平滑化する。これにより、全ビットプレーン数に対するトランケート後のビットプレーン数の割合をローパスフィルタの強度のパラメータとすることで、圧縮しやすい画像にも圧縮しにくい画像にも精度良くタイル境界歪み抑制のローパスフィルタがかけられるので、品質の良い再生画像を得ることが可能となる。
【0053】
なお、量子化率Rは、所定階層以下のサブバンドに基づいて算出するものであっても良いし、LL以外のサブバンドに基づいて算出するものであっても良い。このようにすることで、タイル境界歪み抑制のための処理時間を短縮することが可能になる。
【0054】
また、本実施の形態においては、「JPEG2000アルゴリズム」に従った画像圧縮伸長方式で説明したが、これに限るものではなく、画像を周波数空間に変換する画像圧縮伸長方式であれば、いかなる画像圧縮伸長方式を用いても良い。
【0055】
[第二の実施の形態]
次に、本発明の第二の実施の形態について説明する。なお、第一の実施の形態において説明した部分と同一部分については同一符号を用い、説明も省略する(以降の実施の形態においても同様とする)。第一の実施の形態では、5×3フィルタによるウェーブレット変換の場合について説明したが、本実施の形態では、9×7フィルタによるウェーブレット変換の場合について説明したものである。
【0056】
9×7フィルタによるウェーブレット変換の場合には、5×3フィルタによるウェーブレット変換の場合とは量子化率の定義が異なる。9×7フィルタによるウェーブレット変換の場合の量子化率Rは、サブバンドiの量子化分母をQiとし、サブバンドiにおけるビットプレーン数をNiとし、サブバンドiで破棄されずに残ったビットプレーン数をXiとすると、
【0057】
【数3】
として定義される。すなわち、9×7フィルタによるウェーブレット変換の場合の量子化率Rは、あるサブバンドの2のビットプレーン数乗にそのサブバンドの量子化分母を乗じた値をサブバンドの分だけ加算した値をあるサブバンドの破棄されずに残った2のビットプレーン数乗の値をサブバンドの分だけ加算した値で除算した値である。
【0058】
これにより、9×7フィルタによるウェーブレット変換の場合、ローパスフィルタの中心の重み付けの係数mは、量子化率Rに応じて、
m=K*R(K:定数)
という式に基づいて制御されることになる。この制御例はあくまで一例であり、全ビットプレーン数に対する破棄されずに残ったビットプレーン数の割合Rが大きくなるほど、ローパスフィルタの中心の重み付けの係数mの値が大きくなるような制御方法であればいかなる制御方法でも良い。
【0059】
したがって、図14に示すように、量子化率Rが小さい場合には、タイル境界歪み抑制のためのローパスフィルタの強度を弱くすることができる。逆に、量子化率Rが大きい場合には、タイル境界歪み抑制のためのローパスフィルタの強度を強くすることができる。なお、量子化率Rが所定の数より小さい場合には、タイル境界抑制のためのローパスフィルタをかけない構成にすることもできる。
【0060】
ここに、量子化率Rに応じてローパスフィルタの強度を制御しつつ、復号後の各フレームにおけるタイル境界に対してローパスフィルタをかけることで、タイル境界の歪みを平滑化する。これにより、全ビットプレーン数に対するトランケート後のビットプレーン数の割合をローパスフィルタの強度のパラメータとすることで、圧縮しやすい画像にも圧縮しにくい画像にも精度良くタイル境界歪み抑制のローパスフィルタがかけられるので、品質の良い再生画像を得ることが可能となる。
【0061】
なお、量子化率Rは、所定階層以下のサブバンドに基づいて算出するものであっても良いし、LL以外のサブバンドに基づいて算出するものであっても良い。このようにすることで、タイル境界歪み抑制のための処理時間を短縮することが可能になる。
【0062】
[第三の実施の形態]
次に、本発明の第三の実施の形態について説明する。本実施の形態は、全てのタイル境界近傍画素にローパスフィルタをかけるのではなく、ローパスフィルタをかけるべきタイル境界を限定して、そのタイル境界近傍画素にのみにローパスフィルタをかけるようにしたものである。
【0063】
図15は本実施の形態の画像伸長装置2の機能ブロック図である。図15に示すように、CPU6はコンピュータソフトウェア(画像処理プログラム)に基づいて動作することで、タグ処理手段21、エントロピー復号化手段22、逆量子化手段23、2次元ウェーブレット逆変換手段24、色空間逆変換手段25、タイル境界制御手段26、補正タイル境界限定手段28、タイル境界平滑化手段27の各機能を有する画像伸長装置2を実現する。
【0064】
補正タイル境界限定手段28は、タイル境界平滑化手段27においてローパスフィルタをかけるべきタイル境界を限定する機能を発揮するものであって、この補正タイル境界限定手段28には、色空間逆変換手段25によって得られ、タイル境界制御手段26でタイル境界の近傍の平滑化処理が必要であると判定された画像データ(RGBデータ)が入力される。
【0065】
ここで、図16及び図17は、ROI(Region Of Interest)領域内のタイル境界のみにローパスフィルタをかける処理の一例を示す説明図である。このROI領域とは、画像全体から切り出して拡大したり、他の部分に比べて強調したりする場合の、画像全体から見たある一部分である。
【0066】
量子化率が大きい場合には、ROI領域内はタイル境界歪みが目立ってしまう。そこで本実施の形態においては、量子化率が所定の閾値よりも大きい場合には、ROI領域内のタイル境界のみにローパスフィルタをかけるようにしたものである。
【0067】
図16は、ROI領域がタイル境界に沿った領域である場合について示すものである。図16(a)に示すようにROI境界が設定されたら、ローパスフィルタをかけるタイル境界は図16(b)に点線で示す部分に設定する。図16(b)に太線で示すROI境界部にはローパスフィルタをかけない。
【0068】
図17は、ROI領域がタイル境界に沿っていない領域である場合について示すものである。図17(a)に示すようにROI境界が設定されたら、ローパスフィルタをかけるタイル境界は図17(b)に点線で示す部分に設定する。タイル境界画素がROI内部か否かを演算によって算出し、該タイル境界画素がROI内部であればその画素にローパスフィルタをかける。該タイル境界画素がROI外部であれば、その画素にはローパスフィルタをかけない。
【0069】
なお、本実施の形態では、ROI内部か否かで、ローパスフィルタをかけるか否かを判定したが、それ以外にも、縦または横成分のエッジ量が大きい部分のタイル境界画素のみにローパスフィルタをかけるという制御を行っても良い。
【0070】
これにより、補正タイル境界限定手段28は、ローパスフィルタをかけるべきタイル境界画素を限定して、タイル境界平滑化手段27に対して色空間逆変換手段25によって得られた画像データ(RGBデータ)を出力する。
【0071】
ここに、ローパスフィルタをかけるべきタイル境界画素を制御することにより、タイル境界歪み抑制のための処理時間を短縮することができる。
【0072】
[第四の実施の形態]
次に、本発明の第四の実施の形態について説明する。なお、第三の実施の形態において説明した部分と同一部分については同一符号を用い、説明も省略する。本実施の形態も、全てのタイル境界近傍画素にローパスフィルタをかけるのではなく、ローパスフィルタをかけるべきタイル境界を限定して、そのタイル境界近傍画素にのみにローパスフィルタをかけるようにした点で第三の実施の形態と同様である。しかしながら、本実施の形態においては、第三の実施の形態とは、ローパスフィルタをかけるべきタイル境界の限定手法が異なっている。
【0073】
量子化率が小さい場合には、ROI領域内はタイル境界歪みが目立たない場合が多く、逆に、ROI領域外のタイル境界歪みが目立ってしまう。そこで本実施の形態においては、量子化率が所定の閾値よりも小さい場合には、ROI領域外のタイル境界のみにローパスフィルタをかけるようにしたものである。
【0074】
ここで、図18及び図19は、ROI領域外のタイル境界のみにローパスフィルタをかける処理の一例を示す説明図である。
【0075】
図18は、ROI領域がタイル境界に沿った領域である場合について示すものである。図18(a)に示すようにROI境界が設定されたら、ローパスフィルタをかけるタイル境界は図18(b)に点線で示す部分以外に設定する。
【0076】
図19は、ROI領域がタイル境界に沿っていない領域である場合について示すものである。図19(a)に示すようにROI境界が設定されたら、ローパスフィルタをかけるタイル境界は図19(b)に点線で示す部分以外に設定する。タイル境界画素がROI内部か否かを演算によって算出し、該タイル境界画素がROI内部であればその画素にはローパスフィルタをかけない。該タイル境界画素がROI外部であれば、その画素にはローパスフィルタをかける。
【0077】
これにより、補正タイル境界限定手段28は、ローパスフィルタをかけるべきタイル境界画素を限定して、タイル境界平滑化手段27に対して色空間逆変換手段25によって得られた画像データ(RGBデータ)を出力する。
【0078】
ここに、ローパスフィルタをかけるべきタイル境界画素を制御することにより、タイル境界歪み抑制のための処理時間を短縮することができる。
【0079】
なお、各実施の形態においては、画像処理装置1としてパーソナルコンピュータを適用したが、これに限るものではない。例えば、デジタルカメラ、携帯情報端末(PDA)や携帯電話などを画像処理装置1として適用することもできる。
【0080】
本実施の形態によれば、全ビットプレーン数に対するトランケート後のビットプレーン数の割合を量子化に関する量子化率Rとし、この量子化率Rに応じてローパスフィルタの強度を制御しつつ、復号後の各フレームにおけるタイル境界に対してローパスフィルタをかけることで、タイル境界の歪みを平滑化することにより、全ビットプレーン数に対するトランケート後のビットプレーン数の割合をローパスフィルタの強度のパラメータとすることで、圧縮しやすい画像にも圧縮しにくい画像にも精度良くタイル境界歪み抑制のローパスフィルタがかけられるので、品質の良い再生画像を得ることができる。
【0081】
本実施の形態によれば、5×3フィルタによるウェーブレット変換の場合における量子化率Rを確実に得ることができる。
【0082】
本実施の形態によれば、タイル境界歪み抑制のための処理時間を短縮することができる。
【0083】
本実施の形態によれば、9×7フィルタによるウェーブレット変換の場合における量子化率Rを確実に得ることができる。
【0084】
本実施の形態によれば、量子化率Rが大きい画像ではタイル境界の歪みが目立つことから、強いローパスフィルタをかけ、逆に量子化率Rが小さい画像ではタイル境界の歪みが 目立ちにくいことから、弱いローパスフィルタをかけることにより、フレーム毎に最適な適応的ポストフィルタをかけることができる。
【0085】
本実施の形態によれば、量子化率Rが大きいほど、ローパスフィルタのフィルタ中心の重み付けの係数mも大きくなることにより、量子化率Rが大きいほど、ローパスフィルタの強度を強くすることができる。
【0086】
本実施の形態によれば、量子化率Rが所定の閾値よりも小さい画像では、タイル境界の歪みが目立たないと判断し、タイル境界の歪み平滑化処理を回避することにより、タイル境界歪み抑制のための処理時間を短縮することができる。
【0087】
本実施の形態によれば、ローパスフィルタをかけるべきタイル境界画素を制御することにより、タイル境界歪み抑制のための処理時間を短縮することができる。
【0088】
本実施の形態によれば、量子化率Rが所定の閾値よりも大きい場合には、ROI領域内のタイル境界にのみローパスフィルタをかけることにより、タイル境界歪み抑制のための処理時間を短縮することができる。
【0089】
本実施の形態によれば、量子化率Rが所定の閾値よりも小さい場合には、ROI領域外のタイル境界にのみローパスフィルタをかけることにより、タイル境界歪み抑制のための処理時間を短縮することができる。
【0090】
本実施の形態のコンピュータに読取り可能な記憶媒体によれば、本実施形態のプログラムを記憶していることにより、この記憶媒体に記憶されたプログラムをコンピュータに読み取らせることで、本実施形態のプログラムと同様の作用を得ることができる。
【発明の効果】
【0091】
本発明によれば、圧縮しやすい画像にも圧縮しにくい画像にも精度良くタイル境界歪み抑制のローパスフィルタがかけられるので、品質の良い再生画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の前提となるJPEG2000における量子化、符号破棄および画質制御についての処理の説明図である。
【図2】画像、タイル、サブバンド、プリシンクト、コードブロックの関係を示す説明図である。
【図3】Wavelet変換の階層数が2として、プリシンクトサイズをサブバンドサイズとしたときのレイヤの例の説明図である。
【図4】図3のレイヤに含まれるパケットの例の説明図である。
【図5】本発明の第一の実施の形態の画像処理装置を含むシステムを示すシステム構成図である。
【図6】画像処理装置の機能ブロック図である。
【図7】画像処理装置のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。
【図8】画像伸長装置の機能ブロック図である。
【図9】量子化テーブルとトランケート数の関係を示す説明図である。
【図10】タイル境界平滑化手段における処理の一例を示す説明図である。
【図11】縦方向タイル境界におけるローパスフィルタの一例を示す説明図である。
【図12】横方向タイル境界におけるローパスフィルタの一例を示す説明図である。
【図13】縦方向タイル境界と横方向タイル境界との交点の近傍におけるローパスフィルタの一例を示す説明図である。
【図14】量子化率Rとローパスフィルタの強度との関係を示す説明図である。
【図15】本発明の第二の実施の形態の画像伸長装置の機能ブロック図である。
【図16】本発明の第三の実施の形態における処理の一例であり、ROI領域内のタイル境界のみにローパスフィルタをかける処理の一例を示す説明図である。
【図17】ROI領域内のタイル境界のみにローパスフィルタをかける処理の一例を示す説明図である。
【図18】本発明の第四の実施の形態における処理の一例であり、ROI領域外のタイル境界のみにローパスフィルタをかける処理の一例を示す説明図である。
【図19】ROI領域外のタイル境界のみにローパスフィルタをかける処理の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
2 画像復号装置
11 記憶媒体
27 タイル境界平滑化手段
28 補正タイル境界限定手段
Claims (22)
- 画像をタイル毎にウェーブレット変換し、さらにエントロピー符号化した符号をトランケーションすることにより得られた圧縮符号を復号する画像復号装置において、
画像の高周波成分をカットするローパスフィルタを用いて復号後のタイル境界の歪みを平滑化するタイル境界平滑化手段を備え、
前記タイル境界平滑化手段は、所定階層以下のサブバンドにおける、全ビットプレーン数に対するトランケーションされずに残ったビットプレーン数の割合を量子化率Rとし、当該量子化率Rに応じて前記ローパスフィルタの強度を制御することを特徴とする画像復号装置。 - 前記ウェーブレット変換が5×3フィルタによるウェーブレット変換の場合、前記量子化率Rは、下記の式
R=サブバンド毎の全ビットプレーン数/サブバンド毎の破棄されずに残ったビットプレーン数
に基づいて算出されることを特徴とする請求項1記載の画像復号装置。 - 前記量子化率Rは、LL以外のサブバンドに基づいて算出されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像復号装置。
- 前記量子化率Rが大きいほど、前記ローパスフィルタの強度を強くすることを特徴とする請求項1記載の画像復号装置。
- 前記ローパスフィルタのフィルタ中心の重み付けの係数mを、下記の式
m=K*R (K:定数)
に基づいて算出することを特徴とする請求項5記載の画像復号装置。 - 前記量子化率Rが所定の閾値よりも小さい場合には、前記タイル境界平滑化手段によるタイル境界の歪み平滑化処理を行わないようにしたことを特徴とする請求項1記載の画像復号装置。
- タイル境界を限定する補正タイル境界限定手段を備え、
この補正タイル境界限定手段により限定されたタイル境界の近傍画素にのみ、前記タイル境界平滑化手段によるタイル境界の歪み平滑化処理を行うようにしたことを特徴とする請求項1ないし7の何れか1項に記載の画像復号装置。 - 前記量子化率Rが所定の閾値よりも大きい場合には、前記補正タイル境界限定手段により限定されるタイル境界は、ROI(Region Of Interest)領域内であることを特徴とする請求項8記載の画像復号装置。
- 前記量子化率Rが所定の閾値よりも小さい場合には、前記補正タイル境界限定手段により限定されるタイル境界は、ROI(Region Of Interest)領域外であることを特徴とする請求項8記載の画像復号装置。
- 画像をタイル毎にウェーブレット変換し、さらにエントロピー符号化した符号をトランケーションすることにより得られた圧縮符号の復号をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
画像の高周波成分をカットするローパスフィルタを用いて復号後のタイル境界の歪みを平滑化するタイル境界平滑化機能を前記コンピュータに実行させ、
前記タイル境界平滑化機能では、所定階層以下のサブバンドにおける、全ビットプレーン数に対するトランケーションされずに残ったビットプレーン数の割合を量子化率Rとし、当該量子化率Rに応じて前記ローパスフィルタの強度を前記コンピュータに制御させることを特徴とするプログラム。 - 前記ウェーブレット変換が5×3フィルタによるウェーブレット変換の場合、前記量子化率Rは、下記の式
R=サブバンド毎の全ビットプレーン数/サブバンド毎の破棄されずに残ったビットプレーン数
に基づいて算出されることを特徴とする請求項11記載のプログラム。 - 前記量子化率Rは、LL以外のサブバンドに基づいて算出されることを特徴とする請求項11ないし13のいずれか1項に記載のプログラム。
- 前記量子化率Rが大きいほど、前記ローパスフィルタの強度を強くすることを特徴とする請求項11記載のプログラム。
- 前記ローパスフィルタのフィルタ中心の重み付けの係数mを、下記の式
m=K*R (K:定数)
に基づいて算出することを特徴とする請求項15記載のプログラム。 - 前記量子化率Rが所定の閾値よりも小さい場合には、前記タイル境界平滑化手段によるタイル境界の歪み平滑化処理を行わないようにしたことを特徴とする請求項11記載のプログラム。
- タイル境界を限定する補正タイル境界限定手段を備え、
この補正タイル境界限定手段により限定されたタイル境界の近傍画素にのみ、前記タイル境界平滑化手段によるタイル境界の歪み平滑化処理を行うようにしたことを特徴とする請求項11ないし17の何れか1項に記載のプログラム。 - 前記量子化率Rが所定の閾値よりも大きい場合には、前記補正タイル境界限定手段により限定されるタイル境界は、ROI(Region Of Interest)領域内であることを特徴とする請求項18記載のプログラム。
- 前記量子化率Rが所定の閾値よりも小さい場合には、前記補正タイル境界限定手段により限定されるタイル境界は、ROI(Region Of Interest)領域外であることを特徴とする請求項18記載のプログラム。
- 請求項11ないし20いずれか1項に記載のプログラムを記憶していることを特徴とするコンピュータに読取り可能な記憶媒体。
- 画像をタイル毎にウェーブレット変換し、さらにエントロピー符号化した符号をトランケーションすることにより得られた圧縮符号を復号する画像復号方法において、
画像の高周波成分をカットするローパスフィルタを用いて復号後のタイル境界の歪みを平滑化するタイル境界平滑化工程を含み、
前記タイル境界平滑化工程では、所定階層以下のサブバンドにおける、全ビットプレーン数に対するトランケーションされずに残ったビットプレーン数の割合を量子化率Rとし、当該量子化率Rに応じて前記ローパスフィルタの強度を制御することを特徴とする画像復号方法。
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