JP4111040B2 - 光沢評価方法および装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、物体の光沢に関する評価値を求める光沢評価方法および装置に関する。たとえば、カラープリンタなどの画像形成装置により形成された画像および画像印字媒体の光沢について、主観的な光沢度と対応の取れた評価値を求めることができる光沢評価方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラープリンタなどの画像形成装置により形成された画像および画像印字媒体の光沢は、ドキュメントの高級感や文字の読み易さなどに強く影響する重要な画質因子であり、品質管理項目の1つとして用いられている。
【0003】
従来、物体表面の光沢を測定する方法としては、光を表面に投射した正反射方向で反射光量を測定して光沢度を求める鏡面光沢度測定方法(JIS−Z8741−1893)が広く知られている。
【0004】
この鏡面光沢度測定方法は、被測定物に入射角θで平行光を入射し、被測定物からの正反射光を規定された受光開き角で検出し、検出した反射光束を標準面の反射光束で規準化したものを鏡面光沢度とする方法である。入射角θの違いにより、20°,45°,60°,75°,85°の測定方法が規定されており、一般的には、高光沢試料の測定には入射角が小さい方法を、低光沢試料の測定には入射角が大きい方法を用いることが好ましいといわれている。中でも、入射角θを60°とした60°鏡面光沢度測定が広く用いられている。
【0005】
しかし、鏡面光沢度は正反射方向の反射光束の大きさを示す指標であって、必ずしも人間の見た目の光沢度に一致するとは言えない。このような場合、定量的な品質管理が行なわれているとは言えず、品質上で問題が生じてくる。そこで、このような問題を解決するために、前述の鏡面光沢度測定方法に代わる様々な評価手法が提案されている(たとえば特許文献1〜4を参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−322764号公報
【特許文献2】
特開平11−304703号公報
【特許文献3】
特開2001−4541号公報
【特許文献4】
特開2001−27604号公報
【0007】
たとえば特許文献1には、被測定物にレーザ光とスポット光を照射し、それぞれの正反射光から表面粗さとシボ深さを求め、両者のデータから基準マップを参照して人間の官能評価に一致する光沢度を求める方法が開示されている。
【0008】
また、特許文献2には、受光器を入射角と等しく取った反射角上を含む複数箇所に配置し、各受光器での測定値および各受光器の反射角上の受光器との間の角度に基づいて人間の目視感と一致する光沢度を求める方法が開示されている。
【0009】
また、特許文献3には、被測定物の表面から正反射した光を受光する正反射光受光器と被測定物の表面から拡散反射した光を受光する拡散反射光受光器とを具有し、正反射光と拡散反射光との比により被測定物の光沢を検知する方法が開示されている。
【0010】
さらに、特許文献4には、正反射光源と乱反射光源とを順次点灯させることにより測定受光用素子で正反射光強度および乱反射光強度を測定し、正反射光強度と乱反射光強度との比に補正値、比例定数を乗じて、つや値を算出する方法が開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示された光沢測定方法では、被測定物からの正反射光のみを受光して光沢度を求めているため、カラー画像の光沢を測定する場合に問題が生じる。すなわち、画像の色によって正反射光強度と主観的な光沢度との相関傾向が異なるため、異なる色の光沢を正反射光強度のみで比較すると、見た目との対応が悪くなる。
【0012】
また、特許文献2〜4に開示された光沢測定方法でも、カラー画像の光沢を正しく測定できない。すなわち、カラー画像は、明度、彩度、および色相といった色の3属性で表現されるものであり、特許文献2〜4でそれぞれ扱う正反射光以外の反射強度、拡散反射光強度および乱反射光強度は、このうち明度に相当するものである。
【0013】
したがって、特許文献2〜4に開示された光沢測定方法では、拡散反射光成分として明度という1つの光学情報を用いて光沢値を算出していると言えるが、実際には、主観的な光沢度は明度だけでなく彩度の違いでも変化するため、明度が一定で彩度のみ変化したカラー画像の光沢に対しては、得られた光沢値と主観的な光沢度との対応は悪くなる。
【0014】
また、特許文献3,4に開示された光沢測定方法では、正反射光強度と拡散反射光強度の比、つまり対比光沢を用いて光沢値を算出しているが、正反射光強度が変化するような場合には、単純な正反射光強度と拡散反射光強度との比、もしくは比に重み係数を乗じた値では主観的な光沢度との相関は高くならない。詳しくは後述するが(図7(A)とその説明を参照)、低光沢から高光沢までの幅広い光沢範囲について見れば、被測定物の有する色の影響を受け、算出された光沢指標値は、必ずしも人間の見た目の光沢度に一致しないと言うことが分かった。
【0015】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、従来の手法よりも一層、主観的な光沢度と対応の取れた評価値を求めることができる光沢評価方法および装置を提供することを目的とする。
【0016】
より具体的には、被測定物が異なる色を有する場合であっても、主観的な光沢度と対応の取れた評価値を求めることができる光沢評価方法および装置を提供することを第1の目的とする。また、被測定物が低光沢から高光沢までの幅広い光沢範囲を有する場合であっても、主観的な光沢度と対応の取れた評価値を求めることができる光沢評価方法および装置を提供することを第2の目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明に係る第1の光沢評価方法は、物体から得られる正反射光と拡散反射光とに基づいて物体の光沢に関する評価値を求める光沢評価方法であって、正反射光に基づいて得られる光沢指標値と、拡散反射光に基づいて得られる明度に関する指標値と、拡散反射光に基づいて得られる彩度に関する指標値とを参照して、物体の光沢に関する評価値を求めることとした。
【0018】
また、本発明に係る第2の光沢評価方法は、物体から得られる正反射光と拡散反射光とに基づいて物体の光沢に関する評価値を求める光沢評価方法であって、正反射光に基づいて得られる光沢指標値と、拡散反射光に基づいて得られる明度に関する指標値と、拡散反射光から得られる明度の前記評価値に与える影響が小さくなるようにするための修正要素とを参照して、物体の光沢に関する評価値を求めることとした。
【0019】
本発明に係る第1の光沢評価装置は、上記本発明に係る第1の光沢評価方法を実施するのに好適な装置であって、正反射光に基づいて得られる光沢指標値と、拡散反射光に基づいて得られる明度に関する指標値と、拡散反射光に基づいて得られる彩度に関する指標値とを参照して、物体の光沢に関する評価値を求める光沢評価値取得部を備えるものとした。
【0020】
この第1の光沢評価装置において、光沢評価値取得部は、正反射光に基づいて得られる光沢指標値と拡散反射光に基づいて得られる明度に関する指標値とを参照して物体の光沢に関する評価値を求め、この求めた評価値に対して、拡散反射光に基づいて得られる彩度に関する指標値を参照して前記物体の色の影響を低減する方向に補正を加えるものとすることが望ましい。
【0021】
たとえば、光沢評価値取得部は、光沢指標値が大きいほど物体の光沢に関する評価値が大きくなるように、かつ、明度が大きいほど物体の光沢に関する評価値が小さくなるように、かつ、彩度が大きいほど物体の光沢に関する評価値が大きくなるように、光沢指標値、明度に関する指標値、および彩度に関する指標値のそれぞれに対して所定の重み係数を乗じる重付け演算部と、この重付け演算部により得られた値(さらに好ましくは補正項も)の線形和を取ることで物体の色の影響が低減された物体の光沢に関する評価値を求める加算部とを有するものとするのがよい。
【0022】
なお、線形和は、重付け係数に正負の符号を持たせた重付け演算の結果値の和を取ることに限らず、全ての重付け係数を“正”の値としておき、重付け演算の結果値の和あるいは差を取ることも含む。後述する第2の光沢評価装置における線形和でも同様である。
【0023】
本発明に係る第2の光沢評価装置は、上記本発明に係る第2の光沢評価方法を実施するのに好適な装置であって、正反射光に基づいて得られる光沢指標値と、拡散反射光に基づいて得られる明度に関する指標値と、拡散反射光から得られる明度の評価値に与える影響が小さくなるようにするための修正要素とを参照して、物体の光沢に関する評価値を求める光沢評価値取得部を備えるものとした。
【0024】
この第2の光沢評価装置において、光沢評価値取得部は、正反射光に基づいて修正要素を求める修正要素演算部と、正反射光に基づいて得られる光沢指標値と拡散反射光に基づいて得られる明度に関する指標値とを参照して得られる物体の光沢に関する評価値を求める演算部とを有するものとするのがよい。この場合、光沢評価値取得部は、演算部が求めた評価値に対して、修正要素演算部が求めた修正要素を参照して物体の光沢範囲の影響を低減する方向に補正を加えるものとする。
【0025】
たとえば光沢評価値取得部は、光沢指標値が大きいほど物体の光沢に関する評価値が大きくなるように、かつ、明度が大きいほど物体の光沢に関する評価値が小さくなるように、かつ、光沢指標値が大きいほど明度の評価値に与える影響が小さくなるように、光沢指標値と明度に関する指標値のそれぞれに対して所定の重み係数を乗じる重付け演算部と、この重付け演算部により得られた値(さらに好ましくは補正項も)の線形和を取ることで物体の光沢範囲の影響が低減された物体の光沢に関する評価値を求める加算部とを有するものとするのがよい。
【0026】
なお、本発明に係る光沢評価方法および装置を、電子計算機(コンピュータ)を用いてソフトウェアで実現するために好適なプログラムあるいはこのプログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体を発明として抽出することもできる。なお、プログラムは、コンピュータ読取り可能な記憶媒体に格納されて提供されてもよいし、有線あるいは無線による通信手段を介して配信されてもよい。
【0027】
【作用】
本発明に係る上記第1の構成では、拡散反射光強度から得られる彩度の情報を用いて、彩度が大きいほど光沢評価値が大きくなる方向に補正を加えるなど、彩度も参照することで、被測定物の色の影響を低減可能な光沢評価値を求める。
【0028】
また、本発明に係る上記第2の構成では、光沢指標値に基づいて正反射光から得られる明度の光沢評価値に与える影響が小さくなるようにする修正要素を光沢評価値の取得に取り入れるなど、光沢指標値を参照して拡散反射光から得られる明度の影響を調整することで、被測定物の光沢範囲の影響を低減可能な光沢評価値を求める。
【0029】
つまり、鏡面光沢度以外で主観的な光沢度に影響を及ぼす拡散反射光強度を測定し、拡散反射光強度から得られる明度や彩度の情報を用いて、被測定物の色や光沢範囲の影響を低減可能な光沢に関する評価値を求めることで、従来の手法よりも一層忠実に、主観的な光沢度と対応の取れた評価値を求める。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0031】
<光沢評価装置の構成>
図1は、本発明に係る光沢評価装置の全体構成の概略を示す図である。光沢評価装置1は、被測定物3の正反射光強度および拡散反射光強度を測定する図示しない所定形状の本体の先端側に設けられた光学部4、光学部4の動作を制御する光学系制御部5、被測定物3を載置する支持台(ステージ)6、支持台6をX(図中の左右)−Y(図中の奥行き)方向に移動させる支持台駆動部7、および光学系制御部5の制御の元で光学部4にて取得される信号に基づいて被測定物3の光沢に関する指標値を求める信号処理部8を備えて構成されている。
【0032】
支持台6は、光沢評価装置1の図示しない本体に固定されている。支持台駆動部7は、図示しないモータやこのモータを駆動する制御回路などを備えてなり、図示しないプリント基板上に搭載され、本体内の支持台6の近傍に収容されている。この支持台6は、たとえばXYステージなどの機構に類する構造を有し、被測定物3を載置したままで、モータの回転によって図中の左右方向(X方向)や図中の奥行き方向(Y方向)に移動するようになっている。したがって、支持台6の上方向から光学部4にて被測定物3の表面を測定することができる。
【0033】
支持台6には、光学部4を支持する図示しない支柱の一端が固定されており、この支柱の他端には光学部4が配設されている。そして、この支柱の他端には、さらに図示しない基板保持具が取り付けられており、光学系制御部5および信号処理部8が図示しないプリント基板上に搭載され、本体内の基板保持具にて光学部4の近傍に収容されるようになっている。
【0034】
光学部4は、被測定物3に照明光を照射する光源部10と、被測定物3の測定ポイントzにて反射された反射光を受光する受光部30とを有している。光源部10と受光部30とは、光軸が所定の関係を常に満たすように、本体の先端側に一体化されて収容されている。
【0035】
受光部30は、被測定物3にて反射された反射光のうちの正反射光成分L3を受光する正反射光受光部30aと拡散反射光(乱反射光)成分L4を受光する拡散反射光受光部30bとを有して構成される。光源部10は、光学系制御部5の制御の元で、所定タイミングで照明光を被測定物3に照射する。このため、光源部10には、制御信号CN1,CN2が光学系制御部5から入力される。光源部10についても、正反射光成分を正反射光受光部30aに受光させるための照明光L1を発する正反射光光源部10aと拡散反射光成分を拡散反射光受光部30bに受光させるための照明光L2を発する拡散反射光光源部10bとを有して構成される。なお、正反射光光源部10aと拡散反射光光源部10b、また正反射光受光部30aと拡散反射光受光部30bは、それぞれ1つの機能部にて兼用する構成とすることも可能であるし、別体の機能部で構成することも可能である。
【0036】
受光部30は、正反射光受光部30aで検知した受光信号S1と拡散反射光受光部で検知した受光信号S2とに基づき所定の信号処理を施して所定の基礎情報(光沢指標値D1と色彩指標値D2)を得、信号処理部8に渡す。必要に応じて、受光部30にて所望の信号処理を施した後、処理済みのデータを基礎情報(それぞれD1,D2)として信号処理部8に渡してもよい。
【0037】
信号処理部8は、受光部30により得られた受光信号S1,S2あるいは基礎情報D1,D2に基づき、主観的な光沢度と対応の取れた評価値を算出する。光学系制御部5は、光学部4の動作と信号処理部8による信号処理とが連動して行なわれるよう制御する。このため、光学系制御部5から信号処理部8には制御信号CN3が入力されている。
【0038】
なお、測定中、被測定物3が支持台6に対して移動しないように、支持台6には図示しない保持具によって被測定物3が支持台6へ取付可能になっている。支持台6は、拡散性のある(好ましくは光吸収性の良好な)、たとえば濃度1.5以上の黒紙で覆い、被測定物3を通過してきた照明光L1,L2が支持台6で反射して光学部4の各受光部30a,30bに入射することを防止するようにする。黒紙で覆うことに代えて、硬質TiO2膜などの反射防止膜がコーティングされたガラス材を支持台6に用いることもできる。
【0039】
ここで、光の反射を取り扱う場合、様々な扱い方があるが、本実施形態では、以下のように取り扱うこととする。先ず、光の反射には、物体の表面にて反射する光沢に対しての寄与度が大きい成分(表面反射成分)と、物体内部で吸収、散乱を繰り返した後で表面から放射され色(明度および彩度)に対しての寄与度が大きい成分(内部反射成分)とに分類できる。また、反射角度の側面では、反射面において巨視的に見て鏡面反射のような反射の法則に従う成分である正反射成分と、反射面において正反射角以外の方向へ散乱する反射の成分である拡散反射(乱反射とも言われる)成分とに分類できる。
【0040】
光源から発せられ物体で反射した光を表面反射成分と内部反射成分とに分離する方法はいくつかあるが、人間はこれらを分離して光沢や色を見ていない。また、市販の光沢度計や測色計は受光器の角度を変えることで正反射成分と拡散反射成分に分けて物体からの反射光を受光しており、表面反射成分と内部反射成分という切り分けはしていない。一般的に、正反射成分は表面反射成分の割合が内部反射成分のそれより大きいため光沢に対しての寄与度が大きく、拡散反射成分は表面反射成分の割合が小さいため色(明度および彩度)に対しての寄与度が大きくなる。
【0041】
そこで、信号処理部8では、JISによる鏡面光沢度測定方法と同様に正反射光に基づき求められる光沢指標値と、拡散反射光L4に基づき求められる色彩指標値とを使用するとともに、光沢指標値に対して、色彩指標値を用いて、被測定物の色や光沢範囲の影響を低減可能な光沢に関する評価値を求めることとする。
【0042】
このための光学部4の構成としては、正反射光L3用の照射と受光の光学系は、レンズの焦点距離にスリットをおくことで、JISと同様に、平行光の光学系となっている。一方、拡散反射光L4用の照射と受光の光学系は平行光の光学系でもよいし、それ以外の図示するような光学系でもよい。なお、これら測定の光学系の構成や測定方法については、たとえば鏡面光沢度−測定方法(Z 8741)や特開平8−29258号など参照するとよい。
【0043】
<光学部の構成>
図2は、光学部4の構成例を説明する図である。ここで、図2(A)に示す第1例は、被測定物3の法線のθ方向に光源12を、法線の−θ方向に正反射光L3を受光する正反射光受光部32を、法線方向に拡散反射光L4を受光する拡散反射光受光部34を配置した点に特徴を有する。ここで、法線方向とは、被測定物3の測定ポイントzに向かってその真上の位置である。この構成では、光源12が、正反射光検出用と拡散反射光検出用の各光源として兼用され、正反射光L3の検出にはθ度入射−θ度受光系が使用され、拡散反射光L4の検出にはθ度入射−0度受光系が使用されるようになっている。
【0044】
すなわち、この第1例の構成は、共通の光源を使用して、正反射光L3と拡散反射光L4とを、それぞれ異なる受光部にて検出するものである。光沢評価装置1では、被測定物3の規定された1つの領域から正反射光L3と拡散反射光L4を受光する。ここで第1例の構成は、光源が1つの光学系であり、正反射光L3と拡散反射光L4を同時(一度)に受光できる利点がある。
【0045】
図2(B)に示す第2例は、被測定物3の法線のθ方向に正反射光検出用の光源14を、法線方向に拡散反射光検出用の光源16を、法線の−θ方向に正反射光L3と拡散反射光L4とを受光する反射光受光部36を配置した点に特徴を有する。つまり、正反射光検出用の光源14と拡散反射光検出用の光源16は、被測定物3を位置させる測定ポイントzに対して異なる角度から光を照射するように、それぞれ照射光軸が測定ポイントzで交差するように配され、測定用受光センサが内部に設けられている反射光受光部36は、測定ポイントzに置かれた被測定物3の表面で正反射もしくは拡散反射される反射光軸上に配されている。
【0046】
この構成では、反射光受光部36が、正反射光検出用と拡散反射光検出用の各受光部として兼用され、正反射光L3の検出にはθ度入射−θ度受光系が使用され、拡散反射光L4の検出には0度入射−θ度受光系が使用されるようになっている。すなわち、この第2例の構成は、それぞれ異なる光源から発せられ被測定物3にて反射した正反射光L3と拡散反射光L4とを、共通の受光部を使用して検出するものである。この第2例の構成では、受光部が1つの光学系であり、正反射光L3と拡散反射光L4を切り分けて同時に受光することはできないので、2つの光源14,16を制御して所定のタイミングで順次点灯させ、正反射光L3と拡散反射光L4を異なるタイミングで受光する。なお、この第2例の構成のように、共通の受光部を使用する場合、受光センサの感度ばらつきや分光感度特性のばらつきによる測定誤差が生じないという利点が得られる。
【0047】
図2(C)に示す第3例は、被測定物3の法線のθ方向に正反射光検出用の光源14を、法線のθ1方向に拡散反射光検出用の光源16を、法線の−θ方向に正反射光L3を受光する正反射光受光部32を、法線方向に拡散反射光L4を受光する拡散反射光受光部34を配置する構成である。この構成では、正反射光L3の検出にはθ度入射−θ度受光系が使用され、拡散反射光L4の検出にはθ1度入射−0度受光系が使用されるようになっている。
【0048】
すなわち、この第3例の構成は、それぞれ異なる光源から発せられ被測定物3にて反射した正反射光L3と拡散反射光L4とを、それぞれ異なる受光部を使用して検出するものである。この第3例の構成では、各受光部32,34はそれぞれ異なる光源14,16から発せられ被測定物3にて反射した光を切り分けることはできないので、第2例と同様に、2つの光源14,16を制御して所定のタイミングで順次点灯させ、正反射光L3と拡散反射光L4を異なるタイミングで受光する。
【0049】
図2(D)に示す第4例は、被測定物3の法線のθ方向に正反射光検出用の光源14を、法線方向に拡散反射光検出用の光源16を、法線の−θ方向に正反射光を受光する正反射光受光部32を、法線のθ1方向に拡散反射光を受光する拡散反射光受光部34を配置する構成である。この構成では、正反射光の検出にはθ度入射−θ度受光系が使用され、拡散反射光の検出には0度入射−θ1度受光系が使用されるようになっている。
【0050】
すなわち、この第4例の構成は、それぞれ異なる光源14,16から発せられ被測定物3にて反射した正反射光と拡散反射光とを、それぞれ異なる受光部を使用して検出するものである点で第3例と共通するが、拡散反射光測定時の入射角と受光角が第3例と異なる(逆の関係となっている)。測定時には、第3例と同様に、2つの光源14,16を制御して所定のタイミングで順次点灯させ、正反射光L3と拡散反射光L4を異なるタイミングで受光する。
【0051】
一般的に、光沢成分に対応する正反射光を検出する際の光学系として、20度入射−20度受光、45度入射−45度受光、60度入射−60度受光、75度入射−75度受光、85度入射−85度受光の光学系が、色彩成分に対応する拡散反射光を検出する際の光学系として、45度入射−0度受光、0度入射−45度受光の光学系がそれぞれ用いられることが多い。ただし、本実施形態の光沢評価装置1においては、必ずしも、このようなものに限らない。すなわち、光源の入射角θ,θ1、あるいは受光角θ,θ1は任意の角度を指定してよい。
【0052】
色成分の検知に関わる拡散反射光L4のための光源や受光部については、分光分布特性を取得可能なものとする必要がある。たとえば、光源として白色光源を用い、受光部として色分離フィルタ(たとえば6チャンネルのフィルタ)が設けられ分光分布特性を取得可能なものを用いるのがよい。また、装置の小型化には適さないが、分光器を用いて分光分布特性を取得してもよい。あるいは、光源側で分光した各照明光を順次各別に発し単一の受光部(色分離フィルタは不要)にて順次受光することで分光分布特性を取得する構成としてもよい。最終的に3刺激値に対応する受光信号が得られればよい。
【0053】
正反射光L3については、単一波長を発する光源と、その波長に対しての受光感度が高い受光センサを用いることができる。たとえば、白色光を発し分光して受光する構成は、必ずしも必要ではない。ただし、人間の視覚特性をより忠実に反映した受光信号を得るのが好ましく、本実施形態では、光源側では白色光を使用し、受光部側で視感度補正フィルタ(緑色フィルタでよい)を使用することとする。
【0054】
<信号処理部;その1>
図3は、信号処理系統の第1の構成例(以下、第1実施形態の信号処理部40という)を説明する図である。
【0055】
第1実施形態の信号処理部40は、図1、図2に示した光学部4の受光部32,34,36を構成する受光信号処理部42と、受光信号処理部42により検知された受光信号(基礎情報)に基づき、主観的な光沢度と対応の取れた評価値を算出する信号処理部8に相当する評価値算出処理部44とを備える。
【0056】
受光信号処理部42は、正反射光L3についての信号処理系統をなす正反射光信号処理部50として、被測定物3に対し光源の光を照射することで被測定物3にて反射した正反射光L3を受光する正反射光受光器52および正反射光受光器52により得られた受光信号S1に基づき、分光鏡面反射率データS3を取得する分光鏡面反射率取得部54とを有する。また、分光鏡面反射率取得部54で得られた分光鏡面反射率データS3を鏡面光沢度GSに変換する鏡面光沢度変換部56を有する。鏡面光沢度変換部56は、正反射光受光部32(または36)により検知された受光信号に基づいて光沢指標値GUを求めるための基礎情報としての鏡面光沢度GSを取得する正反射光基礎情報取得部の一例である。鏡面光沢度GSを算出する際の基準面は、たとえば全波長領域における屈折率が1.567である黒ガラス表面とする。
【0057】
正反射光受光器52、正反射光信号処理部54、および鏡面光沢度変換部56により、正反射光信号処理部50が構成される。正反射光受光器52と分光鏡面反射率取得部54は、図2に示した正反射光受光部32や、反射光受光部36の正反射光受光状態のものに対応する。
【0058】
また、受光信号処理部42は、拡散反射光L4についての信号処理系統をなす拡散反射光信号処理部60として、被測定物3に対し光源の光を照射することで被測定物3にて反射した拡散反射光L4を受光する拡散反射光受光器62および拡散反射光受光器62により得られた受光信号S2に基づき、分光反射率データS4を取得する分光反射率取得部64とを有する。また、分光反射率取得部64にて得られた分光反射率データS4を、デバイス非依存の信号である3刺激値X,Y,Zに変換する色変換部66を有する。色変換部66は、拡散反射光受光部34(または36)により検知された受光信号に基づいて色彩指標値を求めるための基礎情報としての3刺激値X,Y,Zを取得する拡散反射光基礎情報取得部の一例である。3刺激値X,Y,Zを算出する際の基準面は、完全拡散反射面とする。
【0059】
拡散反射光受光器62、分光反射率取得部64、および色変換部66により、拡散反射光信号処理部60が構成される。拡散反射光受光器62と分光反射率取得部64は、図2に示した拡散反射光受光部34や、反射光受光部36の拡散反射光受光状態のものに対応する。
【0060】
評価値算出処理部44は、鏡面光沢度変換部56にて得られた正反射光L3に基づく鏡面光沢度GSと主観的な光沢度との関係が線形になるように鏡面光沢度GSを光沢指標値GU(D1)に変換する線形変換部72を有する。線形変換部72は、光沢指標算出部の一例である。一般に、鏡面光沢度GSと主観的な光沢度との関係は、普通紙のような低光沢領域から写真のような高光沢領域までの幅広い光沢範囲では非線形となる。
【0061】
そこで、線形変換部72は、たとえば式(1)のように、鏡面光沢度GSのべき乗変換、または対数変換を行なう。係数k1〜k5については、予め、使用する光学系で得られた鏡面光沢度GSと官能評価実験で得られた主観的な光沢度との回帰分析から最適な値を求めておく。線形変換部72は、このようにして変換された値を光沢指標値GUとする。なお、鏡面光沢度GSの線形変換を行なわず、鏡面光沢度GSそのものを光沢指標値GUとして使用することも可能である。
【数1】
Figure 0004111040
【0062】
また、評価値算出処理部44は、色変換部66にて得られた拡散反射光L4に基づく3刺激値X,Y,Zを均等色空間の表色値L*,a*,b*(以下L,a,bと記す)に変換し、さらに表色値L,a,bを色の3属性を構成する明度L*、彩度C*、色相h(以下L,C,hと記す)に変換する線形変換部74を有する。線形変換部74は、色彩指標値算出部の一例である。
【0063】
この線形変換部74は、このようにして得た明度Lを明度(輝度や濃度に対応)情報に関する色彩指標値CL1、並びに彩度Cを色情報に関する色彩指標値CL2とする。色彩指標値CL1と色彩指標値CL2とを纏めて色彩指標値D2とする。なお、視感反射率Yや視感反射率Yのべき乗項もしくは対数項を、色彩指標値CL1とすることも可能である。
【0064】
また、評価値算出処理部44は、線形変換部72により得られた光沢指標値GUと線形変換部74により得られた色彩指標値CL1,CL2とを用いた所定の関数F(GU,CL1,CL2)にて被測定物の色の影響を低減可能な光沢評価値VGを算出することで、主観的な光沢度を従来よりも忠実に反映可能な光沢評価値VGを求める光沢評価値取得部78を有する。この光沢評価値取得部78は、たとえば光沢指標値GUと色彩指標値CL1,CL2に対して、それぞれ所定の重み係数を乗じて主観的な光沢度と対応の取れた光沢評価値VGを算出する。
【0065】
ここで、第1実施形態の光沢評価値取得部78においては、光沢指標値GUが大きいほど光沢評価値VGが大きくなるような、明度CL1が大きいほど光沢評価値VGが小さくなるような、彩度CL2が大きいほど光沢評価値VGが大きくなるような(逆に彩度が小さいほど光沢評価値が小さくなるような)重付け演算を行なう。3つの要素のうちの光沢指標値GUと明度CL1に関するものは、特許文献3,4に記載の評価値の求め方と類似しているが、彩度CL2に関する要素を光沢評価値VGの取得に取り入れた、すなわち彩度CL2も参照して光沢評価値VGを求める点に特徴を有する。
【0066】
たとえば、式(2)のような3指標GS,CL1,CL2についての重付け線形和(重付け処理の結果値の加算値)を用いることで、正反射光L3に基づいて得られる光沢指標値GUと拡散反射光L4に基づいて得られる明度Lに関する指標値CL1とを参照して得られる物体の光沢に関する評価値に対して、拡散反射光L4に基づいて得られる彩度Cに関する指標値CL2を参照して物体の色の影響を低減する方向に補正を加える。
【数2】
Figure 0004111040
【0067】
係数p1〜p4については、測定値から得られた光沢指標値GUと、色彩指標値CL1,CL2と官能評価実験から得られた主観的な光沢度との重回帰分析から予め最適な値を求めておく。特に係数p1〜p3については、光沢指標値GUとして鏡面光沢度、色彩指標値CL1としての明度L、色彩指標値CL2としての彩度Cを使用したときの重み係数の比が視覚的な相関に寄与する項目として重要であるという点に基づいて設定される。係数p4は、式(2)にて求めた光沢評価値VGが負の値を取らないようにするための補正値である。
【0068】
重み係数の比を決定する要因は以下の通りである。すなわち、先ず光沢評価値VGに与える主要要素は正反射光L3に基づいて得られる光沢指標値GUであるので、この光沢指標値GUに対する重み係数p1は、たとえばp1:p2:p3=0.991:0.243:0.030(後述する図5(B)の説明を参照)というように、他の重み係数p2,p3よりも大きい値とする。
【0069】
次に、人間の目視感と一致する光沢評価値にするため、特許文献3,4などと同様に拡散反射光L4に基づいて得られる明度Lに基づいて補正を加える要素としての重み係数p2と、本実施形態特有の部分として、拡散反射光L4に基づいて得られる彩度Cに基づいて補正を加える要素としての重み係数p3とを決定する。ここで、視覚上は明度の方が彩度よりも感度が高いので、たとえばp2:p3=0.243:0.030というように、明度L(色彩評価値CL1)についての重み係数p2を彩度C(色彩評価値CL2)についての重み係数p3よりも大きくする。すなわち、重み係数p1も含めて、人間の視覚特性を反映した適切な重付け係数を設定する。
【0070】
式(2)に従った演算を行なう光沢評価値取得部78には、光沢指標値GU、明度Lに関する指標値(色彩指標値CL1)、および彩度に関する指標値(色彩指標値CL2)のそれぞれに対して所定の重み係数p1〜p3を乗じる重付け演算部80と、これら重み係数が乗じられた値および補正項p4の線形和を取る加算部82とが設けられる。加算部82は、光沢指標値GUと拡散反射光L4に基づいて得られる明度Lに関する色彩指標値CL1とを参照して得られる物体の光沢に関する評価値(本例ではp1*GU−p2*CL1)に対して、彩度Cに関する指標値CL2に基づき物体の色の影響を低減する方向に補正を加える補正部としての機能を持つ。
【0071】
式(2)に従って重付け演算とその線形和により光沢評価値VGを求めるという非常に簡単な演算にて、後述するように、物体が有する色に拘わらず、従来の手法よりも一層忠実な、主観的な光沢度と対応の取れた光沢評価値VGを求めることが可能となった。特に、人間の視覚特性を反映した適切な重付け係数を設定することで、得られた光沢評価値VGと主観的光沢度との相関は非常に高くなる(図5と対応する説明を参照)。
【0072】
<評価値算出処理の手順>
図4は、第1実施形態の構成における、評価値算出処理の手順の一例を示すフローチャートである。ここでは、それぞれ異なる光源から発せられた正反射光と拡散反射光とを、それぞれ異なる受光部を使用して検出する、図2(C)や図2(D)に示した光学部4を用いることとする。
【0073】
先ず、被測定物3を支持台6の所定位置に載置し(S100)、支持台6を支持台駆動部7により駆動して、光源14,16から発せられる光線L1,L2が被測定物3を照射する位置(測定ポイントz)に被測定物3をセットする(S102)。この後、光源14,16で被測定物3の測定ポイントzを投光し、これによって得られる被測定物3からの反射光量の測定を開始する。正反射光L3と拡散反射光L4との何れを先に測定するかは自由であるが、ここでは正反射光L3の測定を先に行なうものとして説明を続ける。
【0074】
光学系制御部5は、正反射光測定用の光源である光源14に入力されている制御信号CN1をアクティブにして、光源14から照明光L1を発せさせる(S110)。これを受けて、対応する正反射光受光部32(具体的には正反射光受光器52)にて、被測定物3にて反射された正反射光L3を受光し、この受光により得た受光データS1を所定の記憶装置の所定の記憶領域に記憶する(S112)。このとき、光源14からの照明光L1が被測定物3の適正な測定ポイントzに照射されるよう、支持台駆動部7にて支持台6を適度に移動させ、複数ポイントのデータを取得し、その平均値などを受光データS1として用いるとよい。
【0075】
分光鏡面反射率取得部54は、正反射光受光器52により得られた受光データS1に基づき分光鏡面反射率データS3を取得し(S114)、鏡面光沢度変換部56は、分光鏡面反射率データS3を鏡面光沢度GSに変換する(S116)。この後、線形変換部72は、鏡面光沢度GSと主観的な光沢度との関係が線形になるように、上述した式(1)に従って光沢指標値GUを求め、この光沢指標値GUを所定の記憶装置の所定の記憶領域に記憶する(S118)。以上で正反射光L3についての測定や計算処理が完了する。
【0076】
次に、光学系制御部5は、拡散反射光測定用の光源である光源16に入力されている制御信号CN2をアクティブにして、光源16から照明光L2を発せさせる(S120)。これを受けて、対応する拡散反射光受光部34(具体的には拡散反射光受光器62)にて、被測定物3にて反射された拡散反射光L4を受光し、この受光により得た受光データS2を所定の記憶装置の所定の記憶領域に記憶する(S122)。このとき、光源16からの照明光が被測定物3の適正な測定ポイントzに照射されるよう、支持台駆動部7にて支持台6を適度に移動させ、複数ポイントのデータを取得し、その平均値などを受光データS2として用いるようにするとよい。
【0077】
分光反射率取得部64は、拡散反射光受光器62により得られた受光データS2に基づき分光反射率データS4を取得し(S124)、色変換部66は、分光反射率データS4を3刺激値X,Y,Zに変換する(S126)。この後、線形変換部74は、3刺激値X,Y,Zを均等色空間の表色値L,a,bに変換し、さらに明度L、彩度C、色相hに変換し、このうちの明度Lを色彩指標値CL1とし、彩度Cを色彩指標値CL2として、所定の記憶装置の所定の記憶領域に記憶する(S128)。以上で拡散反射光についての測定や計算処理が完了する。
【0078】
正反射光L3についての測定や計算処理と拡散反射光L4についての測定や計算処理が完了すると、光沢評価値取得部78は、ステップS118にて求めた光沢指標値GUと、ステップS128にて求めた色彩指標値CL1,CL2に対して、上述した式(2)に従って、主観的な光沢度と対応の取れた光沢評価値VGを算出し、この光沢評価値VGを所定の記憶装置の所定の記憶領域に記憶する(S130)。
【0079】
なお、後でも述べるが、正反射光L3についての基礎情報である鏡面光沢度GSの取得や、拡散反射光L4についての基礎情報である3刺激値X,Y,Zの取得に関しては、図3に示した光沢評価装置1のハードウェア構成によることに限らず、既製の測定器を用いて人手を介して取得することも可能である。たとえば、鏡面光沢度GSに関しては光沢度計を用いることができ、3刺激値X,Y,Zに関しては測色計を用いることができる。この場合、これらの測定器により取得したデータは、人手(テンキーを利用)により評価値算出処理部44に入力する手法を採用できるし、また、RS−232Cなどのインタフェースを利用することで、測定器から自動的に取り込む態様とすることもできる。後者は、パソコンなどの電子計算機を利用して評価値算出処理部44を構築するのに都合がよい。
【0080】
<実施例;その1>
図5は、第1実施形態の構成により、所定の被測定物3を測定対象として光沢評価値VGを算出した結果を説明する図である。比較例として、JIS−Z8741−1997記載の鏡面光沢度測定方法で測定した60度鏡面光沢度を図5(A)に示し、第1実施形態の構成による式(2)を用いて求めた光沢評価値VGを人間の主観的な光沢度との相関関係で示したものを図5(B)に示す。
【0081】
なお、図5(B)では、図2(D)で示した光学部4の構成を用いて、正反射光の検出にはθ=60度とした60度入射−60度受光系を、また拡散反射光の検出にはθ1=45度とした0度入射−45度受光系を用いている。また、光沢指標値GUとして8.987*GS^0.536−13.442を、色彩指標値CL1として明度Lを、CL2として彩度Cを使用している。重み係数はそれぞれ、p1=0.991、p2=0.243、p3=0.030、p4=9.292である。被測定物3は電子写真で普通紙に形成された1次色(C,M,Y,K)、2次色(R,G,B)、3次色(pK)の画像および画像印字媒体で、60度鏡面光沢度で5.1〜24.0の光沢範囲にある。ここで、2次色とは、1次色C,M,Yの任意の2色を組み合わせて得られる色である。また3次色とは、1次色C,M,Yの全てを組み合わせて得られる黒色(プロセス黒)である。
【0082】
図5からも明らかなように、60度鏡面光沢度と主観的光沢度との相関が寄与率(R^2)=0.6632であるのに対し、第1実施形態の構成に依れば、光沢評価値VGと主観的光沢度との相関は非常に高く、寄与率(R^2)=0.9341を示している。
【0083】
したがって、正反射光成分から算出した光沢指標値GUと拡散反射光成分から算出した明度、彩度(すなわち色彩指標値D2)に対して、光沢指標値GUが大きいほど光沢評価値VGが大きくなるように、明度(色彩指標値CL1)が大きいほど光沢評価値VGが小さくなるように、彩度(色彩指標値CL2)が大きいほど光沢評価値VGが大きくなるように、それぞれ所定の重みを乗じて光沢評価値VGを求めることで、被測定物3が異なる色を有する場合であっても、人間の主観的な光沢度と対応の取れた結果を得ることが可能である。
【0084】
<信号処理部;その2>
図6は、信号処理系統の第2の構成例(以下、第2実施形態の信号処理部40という)を説明する図である。
【0085】
第2実施形態の信号処理部40は、光沢評価値取得部78の機能が第1実施形態の構成と異なり、この光沢評価値取得部78は、線形変換部72により得られた光沢指標値GUと線形変換部74により得られた色彩指標値CL1とを用いた所定の関数F(GU,CL1)にて、被測定物の光沢範囲の影響を低減可能な光沢評価値VGを算出することで、主観的な光沢度を従来よりも忠実に反映可能な光沢評価値VGを求める。
【0086】
具体的には、光沢評価値取得部78における光沢評価値VGの算出に際して、光沢指標値GUが大きいほど光沢評価値VGが大きくなるように、明度(色彩指標値CL1)が大きいほど光沢評価値VGが小さくなるように、光沢指標値GUが大きいほど明度(色彩指標値CL1)の影響が小さくなるように、それぞれ所定の重みを乗じて光沢評価値VGを算出する点に特徴を有する。3つの要素のうちの光沢指標値GUと明度CL1に関するものは、特許文献3,4に記載の評価値の求め方と類似しているが、光沢指標値GUに基づいて拡散反射光から得られる明度の影響が小さくなるようにする修正要素を光沢評価値VGの取得に取り入れた点、すなわち光沢指標値GUを参照して拡散反射光から得られる明度の影響を調整する点に特徴を有する。
【0087】
光沢指標値GUが大きいほど明度(色彩指標値CL1)の影響が小さくなるようにするには、明度(色彩指標値CL1)に乗じる鏡面光沢度GSが単調減少する関数を修正要素として用いる。そして、正反射光L3に基づいて得られる光沢指標値GUと拡散反射光L4に基づいて得られる明度Lに関する指標値CL1とを参照して得られる物体の光沢に関する評価値に対して、この修正要素を参照して物体の光沢範囲の影響を低減する方向に補正を加えるとよい。つまり、第2実施形態の信号処理部40は、光沢指標値GUと色彩指標値CL1,CL2とではなく、光沢指標値GUと色彩指標値CL1とを重み付け演算して、光沢評価値VGを算出する。この場合にも、求めた光沢評価値VGが負の値を取らないようにするための補正値を加味する。
【0088】
たとえば、式(3)のような2指標に基づく重付け線形和を用いる。明度に乗じる関数f(GU)は鏡面光沢度GSによって単調減少する関数である。
【数3】
Figure 0004111040
【0089】
式(3)に従った演算を行なう光沢評価値取得部78には、関数f(GU)の値を求める修正要素演算部84と、光沢指標値GUと明度Lに関する指標値(色彩指標値CL1)のそれぞれに対して、所定の重み係数p1を乗じるあるいは重み係数p2と関数f(GU)の値とを乗じる重付け演算部80と、これら重み係数が乗じられた値および補正項p3の線形和を取る加算部82とが設けられる。修正要素演算部84は、光沢指標値GUが大きいほど明度Lの光沢評価値VGに与える影響が小さくなるようにする修正要素である関数f(GU)を求める機能を有する。
【0090】
なお、この式(3)は、式(4)のように表すこともできる。この式(4)では、明度Lに乗じる関数を(p2−p3*GU)としたが、鏡面光沢度GSによって単調減少する関数であればその他の関数を用いてもよい。
【数4】
Figure 0004111040
【0091】
図示を割愛するが、式(4)に従った演算を行なう光沢評価値取得部78には、光沢指標値GUが大きいほど明度Lの光沢評価値VGに与える影響が小さくなるようにする修正要素(p2−p3*GU)を求める修正要素演算部84と、光沢指標値GUに対して所定の重み係数p1を乗じるとともに明度Lに関する指標値(色彩指標値CL1)に対し修正要素(本例ではf(GU);重み係数と等価)を乗じる重付け演算部80と、これら重み係数が乗じられた値および補正項p4の線形和を取る加算部82とが設けられる。この場合、修正要素演算部84は、光沢指標値GUに対して所定の重み係数(本例ではp3)を乗じ、所定の重み係数(初期値に対応)との差を取ることで、拡散反射光L4に基づく修正要素を求めることとなる。
【0092】
式(3)と式(4)の何れを用いる場合であっても、係数p1〜p4については、測定値から得られた光沢指標値GUと、色彩指標値CL1と官能評価実験から得られた主観的な光沢度との重回帰分析から、予め最適な値を求めておく。
【0093】
特に式(4)における係数p1〜p3については、第1実施形態と同様に、光沢指標値GUとして鏡面光沢度、色彩指標値CL1としての明度Lを使用したときの重み係数の比(本例ではp1:p2:p3=0.856:0.326:0.003)が視覚的な相関に寄与する項目として重要であるという点に基づいて設定される。式(4)を展開すると、式(5)となり、p1とp2とp3の比が重要なことは、実施形態1と同様である。
【数5】
Figure 0004111040
【0094】
図示を割愛するが、(5)に従った演算を行なう光沢評価値取得部78には、光沢指標値GU、明度Lに関する指標値(色彩指標値CL1)、および光沢指標値GUと明度Lに関する指標値(色彩指標値CL1)との積のそれぞれに対して所定の重み係数p1〜p3を乗じる重付け演算部80と、これら重み係数が乗じられた値および補正項p4の線形和を取る加算部82とが設けられる。
【0095】
上記式(3)〜(5)において重み係数の比を決定する要因は以下の通りである。すなわち、第1実施形態と同様に、先ず光沢評価値VGに与える主要要素は正反射光L3に基づいて得られる光沢指標値GUであるので、この光沢指標値GUに対する重み係数p1は、たとえば式(4),(5)で言えば、p1:p2:p3=0.856:0.326:0.003(後述する図7(B)の説明を参照)というように、他の重み係数p2(やp3)よりも大きい値とする。
【0096】
次に、人間の目視感と一致する光沢評価値にするため、特許文献3,4などと同様に拡散反射光L4に基づいて得られる明度Lに基づいて補正を加える要素としての重み係数p2と、本実施形態特有の部分として、明度Lに基づいて補正を加える要素に対する修正要素(式(4),(5)では重み係数)とを決定する。ここで、修正要素としては、前記物体の光沢度(正反射光L3に基づく光沢指標値GUでよい)が大きいほど拡散反射光L4から得られる明度の光沢評価値VGに与える影響が小さくものとするが、その修正の寄与度は少なくてよい。よって、式(4),(5)で言えば、たとえばp2:p3=0.326:0.003というように、初期値に相当する重み係数p2を修正分についての重み係数p3よりも大きくする。すなわち、光沢指標値GUに対する明度Lでの補正と、この補正に対する光沢指標値GUを参照した修正に際しては、人間の視覚特性を反映した適切な重付け係数を設定して重付け線形和を取る。
【0097】
式(3)〜(5)に従って重付け演算とその線形和により光沢評価値VGを求めるという非常に簡単な演算にて、物体の光沢範囲に拘わらず、従来の手法よりも一層忠実な、主観的な光沢度と対応の取れた光沢評価値VGを求めることが可能となった。特に、人間の視覚特性を反映するように、光沢指標値GUに対する明度Lでの補正、およびこの補正に対する光沢指標値GUを参照した修正に際して、適切な重付け係数を設定することで、得られた光沢評価値VGと主観的光沢度との相関は、広い主観的光沢度の範囲に亘って非常に高くなる(図7と対応する説明を参照)。また、光沢範囲の影響を相殺するための修正要素を光沢指標値GUに施す際には、式(3)〜(5)に示したように様々な手法(演算式)を用いることができ便利である。
【0098】
<実施例;その2>
図7は、第2実施形態の構成により、所定の被測定物3を測定対象として光沢評価値VGを算出した結果を説明する図である。なお、第2実施形態の構成における、評価値算出処理の手順は、光沢評価値取得部78の重付け演算の処理内容が異なるだけであるので、図示を割愛する。
【0099】
ここで、図7(A)は正反射光強度と拡散反射光強度との比である対比光沢度と人間の主観的な光沢度との相関関係を示したもので、対比光沢度としてLOG(60度鏡面光沢度GS/明度)+1を使用している。分母の明度は拡散反射光の明度であり色彩指標値CL1である。つまり、正反射光受光部32が受光した正反射光量と、拡散反射光受光部34が受光した拡散反射光量との比を演算し、その数値に対応した値(本例では対数値)を対比光沢度として使用する。
【0100】
一方、図7(B)は、式(4)を用いて求めた光沢評価値VGと主観的光沢度との相関を示したもので、正反射光の検出には60度入射−60度受光系、拡散反射光の検出には0度入射−45度受光系を用いている。光沢指標値GUとして8.987*GS0.536−13.442を、色彩指標値CL1として明度Lを使用している。重み係数はそれぞれ、p1=0.856、p2=0.326、p3=0.003である。
【0101】
被測定物3は電子写真で普通紙およびコート紙に形成された1次色(C,M,Y,K)、2次色(R,G,B)、3次色(pK)の画像および画像印字媒体で、60度鏡面光沢度で5.1〜50.6の光沢範囲にある。
【0102】
図7からも明らかなように、対比光沢度と主観的光沢度との相関が寄与率(R^2)=0.7443である。本願発明者の検討に依れば、相関寄与率を低くする要因は、被測定物3の持つ色にあることが分かった。たとえば、図7(A)中で、黒系統、青系統、および白・黄系統で示すように、色別の系統で見る限りでは、広い光沢度の範囲に亘って相関寄与率は比較的高いが、色の違いによって、相関寄与率が低くなっている。
【0103】
また、光沢度の低い領域では色の違いによる対比光沢度の差が小さく、特許文献3(特開平2001−4541号公報)や特許文献4(特開平2001−27604号公報)に記載のように、正反射光強度と乱反射光強度との比(対比光沢)に基づいて被測定物の光沢を検知することでも、人間の官能評価に一致する値として得られる。ところが、光沢度の高い領域では色の違いによる対比光沢度の差が大きくなっている。つまり、JIS−Z8741−1997記載の鏡面光沢度測定方法で測定した光沢度における広い領域で見ると(つまり正反射光強度が変化するような場合)、単純な正反射光強度と拡散反射光強度との比もしくは比に重み係数を乗じた値では主観的な光沢度との相関は高くならない。
【0104】
本願発明者の実験に依れば、カラープリンタなどで使用される普通紙または普通紙に形成された画像などの低光沢領域では、拡散反射光の影響が強く対比光沢と主観的な光沢度との対応が良くなるが、写真のような高光沢領域になるに連れて、拡散反射光の影響が小さくなることが分かった。そこで、第2実施形態では、この点を考慮して、光沢指標値GUを参照した修正を加えるように、式(3)や式(4)(あるいはその変形である式(5))に従って光沢評価値VGを求めることとした。
【0105】
図7(B)は、その結果を示しており、第2実施形態にて求められた光沢評価値VGと主観的光沢度との相関は、広い主観的光沢度の範囲に亘って非常に高く、寄与率(R^2)=0.9557を示している。したがって、正反射光成分から算出した光沢指標値GUと拡散反射光成分から算出した明度Lに対して、光沢指標値GUが大きいほど光沢評価値VGが大きくなるように、明度(色彩指標値CL1)が大きいほど光沢評価値VGが小さくなるように、光沢指標値GUが大きいほど明度(色彩指標値CL1)の影響が小さくなるように、それぞれ所定の重みを乗じて光沢評価値VGを求めることで、被測定物3が低光沢から高光沢までの幅広い光沢範囲を有する場合であっても、人間の主観的な光沢度と対応の取れた結果を得ることが可能である。
【0106】
なお、上述した第1および第2実施形態ともに、従来では取り上げなかった彩度と重み関数を加えているが、それぞれの重み係数はp1の0.991、0.856に対し、0.03と0.003であり、寄与は低い。ここで、本実施形態の光沢評価装置1の特徴は2つあるが、1)の影響が大きかったため、相関は高くなっている。
1)従来は単純な光沢指標値GUと明度(色彩指標値CL1)の比であったのを、異なる重み付けの関数(和)とした。
2)従来取り上げていなかった彩度Cと鏡面光沢度GSで単調減少する重み関数を加えた。
【0107】
<パソコンなどの電子計算機を利用した構成>
なお、上述した一連の光沢に関する評価値算出処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の評価値算出処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ(組込みマイコンなど)、あるいは、CPU、論理回路、記憶装置などの機能を1つのチップ上に搭載して所望のシステムを実現するSOC(System On a Chip:システムオンチップ)、または、各種のプログラムをインストールすることで各種の機能を実行することが可能な汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
【0108】
記録媒体は、コンピュータのハードウェア資源に備えられている読取装置に対して、プログラムの記述内容に応じて、磁気、光、電気などのエネルギの変化状態を引き起こして、それに対応する信号の形式で、読取装置にプログラムの記述内容を伝達できるものである。たとえば、コンピュータとは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory )、DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini Disc )を含む)、または半導体メモリなどよりなるパッケージメディア(可搬型の記憶媒体)により構成されるだけでなく、コンピュータに予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROMやハードディスクなどで構成されてもよい。または、ソフトウェアを構成するプログラムが、有線あるいは無線などの通信網を介して提供されてもよい。
【0109】
図8は、CPUやメモリを利用してソフトウェア的に光沢評価装置1を構成する、すなわちパーソナルコンピュータなどの電子計算機を利用して光沢評価装置1を構築する場合のハードウェア構成の一例を示した図である。
【0110】
光沢評価装置1を構成するコンピュータシステム900は、CPU902、ROM(Read Only Memory)904、RAM906、および通信I/F(インタフェース)908を備える。RAM906は、撮像画像データを格納する領域を含んでいる。
【0111】
また、たとえばメモリ読出部907、ハードディスク装置914、フレキシブルディスク(FD)ドライブ916、あるいはCD−ROM(Compact Disk ROM)ドライブ918などの、記憶媒体からデータを読み出したり記録したりするための記録・読取装置を備えてもよい。データは、データバスを通じて各ハードウェア間をやり取りされる。
【0112】
ハードディスク装置914、FDドライブ916、あるいはCD−ROMドライブ918は、たとえば、CPU902に周波数変換や周波数解析などの処理をソフトウェアにて実行させるためのプログラムデータを登録するなどのために利用される。また、ハードディスク装置914は、処理対象データを格納する領域を含んでいる。
【0113】
通信I/F908は、インターネットなどの通信網との間の通信データの受け渡しを仲介する。またコンピュータシステム900は、測定データ入力のインタフェースの機能をなすI/F部930を備える。
【0114】
なお、上記実施形態で示した光沢評価装置1の各機能部分(特に受光信号処理部42や評価値算出処理部44)の全ての処理をソフトウェアで行なうのではなく、これら機能部分の一部をハードウェアにて行なう処理回路940として設けてもよい。
【0115】
光学部4からの出力信号は、図示しないA/D変換部によってデジタルデータに変換される。A/D変換部から出力されるデジタルの検知データは、図示しない出力バッファを介してコンピュータシステム900側のI/F部930に入力される。
【0116】
このような構成のコンピュータシステム900は、上記実施形態に示した光沢評価装置1のデータ処理に関わる部分や制御に関わる部分の基本的な構成および動作と同様とすることができる。また、上述した処理をコンピュータに実行させるプログラムは、CD−ROM922などの記録媒体を通じて配布される。あるいは、プログラムは、CD−ROM922ではなくFD920に格納されてもよい。また、MOドライブを設け、MOに前記プログラムを格納してもよく、またフラッシュメモリなどの不揮発性の半導体メモリカード924など、その他の記録媒体に前記プログラムを格納してもよい。
【0117】
さらに、他のサーバなどからインターネットなどの通信網を経由して前記プログラムをダウンロードして取得したり、あるいは更新したりしてもよい。なお、記録媒体としては、FD920やCD−ROM922などの他にも、DVDなどの光学記録媒体、MDなどの磁気記録媒体、PDなどの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、ICカードやミニチュアカードなどの半導体メモリを用いることができる。記録媒体の一例としてのFD920やCD−ROM922などには、上記実施形態で説明した光沢評価装置1における処理の一部または全ての機能を格納することができる。
【0118】
たとえば、鏡面光沢度GSに関しては光沢度計を用いて、また3刺激値XYZに関しては測色計を用いることで、各測定データGS,XYZを取得し、これらをRS−232Cなどのインタフェースを介して(あるいはテンキーを用いた手入力で)パソコンに取り込んで光沢評価値VGを求める形態で説明すると、以下のようになる。なお、この場合、パソコン(コンピュータシステム900)は評価値算出処理部44として機能することとなる。
【0119】
すなわち、RAM906などにインストールされるソフトウェアは、上記実施形態に示された光沢評価装置1と同様に、線形変換部72,74や光沢評価値取得部78などの機能部をソフトウェアとして備える。このようなソフトウェアは、光沢評価値VG算出用のアプリケーションソフトとして、CD−ROMやFDなどの可搬型の記憶媒体に格納され、あるいはネットワークを介して配布されるとよい。
【0120】
そして、光沢評価装置1をコンピュータにより構成する場合、CD−ROMドライブ918は、CD−ROM922からデータまたはプログラムを読み取ってCPU902に渡す。そしてソフトウェアはCD−ROM922からハードディスク装置914にインストールされる。ハードディスク装置914は、FDドライブ916またはCD−ROMドライブ918によって読み出されたデータまたはプログラムや、CPU902がプログラムを実行することにより作成されたデータを記憶するとともに、記憶したデータまたはプログラムを読み取ってCPU902に渡す。
【0121】
ハードディスク装置914に格納されたソフトウェアは、RAM906に読み出された後にCPU902により実行される。たとえばCPU902は、記録媒体の一例であるROM904およびRAM906に格納されたプログラムに基づいて上記の処理を実行する。たとえば、鏡面光沢度GSと主観的な光沢度との関係が線形になるように、上述した式(1)に従って光沢指標値GUを求め、また3刺激値X,Y,Zを均等色空間の表色値L,a,bに変換し、さらに明度L、彩度C、色相hに変換することで、色彩指標値CL1(明度Lに対応),CL2(彩度Cに対応)を求める。そして、光沢指標値GUと色彩指標値CL1,CL2に対して、上述した式(2)に従って、主観的な光沢度と対応の取れた光沢評価値VGを算出する。
【0122】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0123】
また、上記の実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組合せにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0124】
すなわち、本願発明は、被測定物の色や光沢範囲に拘わらず、従来の手法よりも一層、主観的な光沢度と対応の取れた評価値を求めることができるようにしたものであり、被測定物の色や光沢範囲の影響を低減可能なものである限り、光沢に関する評価値を算出する式は、上述の式に限るものではなく、必ずしも、重付け線形和を用いた式に限らない。
【0125】
たとえば、被測定物の色の影響を低減可能なものとするには、特許文献3,4に記載の計算式により求められる評価値に対して、彩度が大きいほど光沢評価値が大きくなるように、彩度に関する補正を加えることで、被測定物の色に拘わらず主観的な光沢度と対応の取れた光沢評価値を算出するとよい。この場合、四則演算の何れかもしくは任意の組合せ、あるいは任意の次数の関数を利用して、彩度に関する補正を行なうとよい。
【0126】
たとえば、第1実施形態の構成を基本としつつ、光沢評価値取得部78にて光沢評価値VGを求める際に、重付け線形和を取る式(2)に代えて、3指標GS,CL1,CL2の比を取るたとえば、式(2−2)のようなものを使用することができる。
【数6】
Figure 0004111040
【0127】
重み係数k1〜k4については、測定値から得られた光沢指標値GUと、色彩指標値CL1,CL2と官能評価実験から得られた主観的な光沢度との非線形回帰分析から予め最適な値を求めておく。係数k1〜k4については、光沢指標値GUとして鏡面光沢度、色彩指標値CL1としての明度L、色彩指標値CL2としての彩度Cを使用したときの重み係数の比が視覚的な相関に寄与する項目として重要であるという点に基づいて設定される。
【0128】
式(2−2)では重み係数k1〜k4の比が重要で、この比が一定ならば寄与率は変わらない。先に示した式(2)においてp1>p2>p3となるのは、式(2)の重付け線形和の場合であって、式(2−2)の重み付けした指標の線形和と比からなる評価値VGでは、k1>k4>k2>k3となる。
【0129】
図9は、第1実施形態の構成を基本としつつ、光沢評価値取得部78にて光沢評価値VGを求める際に、式(2−2)を用いて求めた光沢評価値VGを算出した結果を説明する図である。この第1実施形態の変形例を示す図9は、図5(B)と同様に、光沢評価値VGを人間の主観的な光沢度との相関関係で示している。なお、図9では図5(B)と同様の光学系、指標値を使用している。重み係数はそれぞれ、k1=0.459、k2=0.012、k3=0.005、k4=0.295である。
【0130】
図9からも明らかなように、60度鏡面光沢度と主観的光沢度との相関が寄与率(R^2)=0.6632であるのに対し、第1実施形態の変形例の構成に依れば、光沢評価値VGと主観的光沢度との相関は非常に高く、式(2−2)を用いた場合には寄与率(R^2)=0.8965を示している。
【0131】
この結果から分かるように、重付け線形和を取ることに限らず、重付け演算結果を参照した所定の演算(たとえば式(2−2)のように比を取る)を行なうことでも、被測定物3が有する色に拘わらず、人間の主観的な光沢度と対応の取れた光沢評価値VGを得ることが可能である。
【0132】
なお、重付け線形和を取る式(2)に基づく結果では寄与率(R^2)=0.9341となっているのに対して、重付け比を取る式(2−2)に基づく結果では寄与率(R^2)=0.8965となっており、重付け線形和を用いた方が、より好ましい結果が得られている。
【0133】
一方、被測定物の光沢範囲の影響を低減可能なものとするには、特許文献3,4に記載の計算式により求められる評価値に対して、光沢指標が大きいほど拡散反射光に基づいて求められる明度の影響が小さくなるように、明度に関する補正を拡散反射光側の指標値(明度)に加えることで、被測定物の光沢範囲に拘わらず主観的な光沢度と対応の取れた光沢評価値を算出するとよい。この場合にも、被測定物の色の影響を低減可能なものとするための上記変形例と同様に、四則演算の何れかもしくは任意の組合せ、あるいは任意の次数の関数を利用して、明度に関する補正を拡散反射光側の指標値(明度)に加えるとよい。
【0134】
また、光沢度と対応の取れた評価値を求める際には、数式により算出するものに限らず、正反射光強度や拡散反射光強度(その明度と彩度)と評価値とを数表として記憶したルックアップテーブルを利用するものであってもよい。
【0135】
また、図6に示した第2実施形態の信号処理部の構成では、彩度Cに関する色彩指標値CL2は不要であり、たとえば色変換部66および線形変換部74に代えて、明度Lに関する色彩指標値CL1のみを取得可能な機能部分を設ける構成とすることができる。たとえば、拡散反射光受光部34に視感度補正フィルタを入れて検知する構成とすれば、分光反射率取得部64で得られた分光反射率データS4を明度Lに関する色彩指標CL1に変換する変換部を分光反射率取得部64と線形変換部74との間に設けるとよい。
【0136】
また、図1に示した構成では、光源および測定用の受光部を本体先端部に配しかつ支持台6に固定して設け、支持台6上に被測定物3を配して測定する場合について説明したが、これに限らず、たとえば細長い円筒状や角筒状で手に持つことのできる(グリップ性能の良好な)大きさを有するスティック状の本体とし、たとえば髪、肌、繊維、布など任意のものの、表面性状に起因するつやを定量的に測定するものとして構成してもよい。
【0137】
また、光沢評価装置1を構成する場合、図3もしくは図6に示した構成要素のうち、光沢評価値取得部78を備えるものを光沢評価装置1とすることができる。本願発明は、拡散反射光強度から得られる明度や彩度の情報を用いて被測定物の色や光沢範囲の影響を低減可能な光沢に関する評価値を求める点を技術思想とするものであり、この評価値を求めるために使用される基礎データ(たとえば光沢指標値GUや色彩指標値CL1,CL2)の取得は別の装置にて行なっても構わないからである。図8に示したパソコンなどのコンピュータを用いた態様はその一例である。
【0138】
勿論、光沢評価値取得部78の他、光源、正反射光受光部、拡散反射光受光部(正反射光受光部と兼用も可)、正反射光基礎情報取得部、および拡散反射光基礎情報取得部、さらには光沢指標算出部や色彩指標値算出部など、図3もしくは図6に示した機能要素の全てを搭載した装置として光沢評価装置1を構築してもよい。
【0139】
【発明の効果】
以上のように、本発明に依れば、鏡面光沢度以外で主観的な光沢度に影響を及ぼす拡散反射光強度を測定し、拡散反射光強度から得られる明度や彩度の情報を用いて、被測定物の色や光沢範囲の影響を低減可能な光沢に関する評価値を求めるようにしたので、従来の手法よりも一層、主観的な光沢度と対応の取れた評価値を求めることができるようになった。
【0140】
たとえば、拡散反射光強度から得られる彩度の情報を用いて、彩度が大きいほど光沢評価値が大きくなる方向に補正を加えるなど、彩度も参照して光沢評価値を求めることで、従来よりも主観的な光沢度と対応の取れた評価値を求めることができる。
【0141】
また、光沢指標値に基づいて拡散反射光から得られる明度の影響が小さくなるようにする修正要素を光沢評価値の取得に取り入れるなど、光沢指標値を参照して拡散反射光から得られる明度の影響を調整することで、従来よりも主観的な光沢度と対応の取れた評価値を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る光沢評価装置の全体構成の概略を示す図である。
【図2】 光学部の構成例を説明する図である。
【図3】 第1実施形態の信号処理部を説明する図である。
【図4】 第1実施形態の構成における、評価値算出処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】 第1実施形態の構成(重付け線形和)により、所定の被測定物を測定対象として光沢評価値を算出した結果を説明する図である。
【図6】 第2実施形態の信号処理部を説明する図である。
【図7】 第2実施形態の構成により、所定の被測定物を測定対象として光沢評価値を算出した結果を説明する図である。
【図8】 電子計算機を用いて光沢評価装置を構成する場合のハードウェア構成の一例を示した図である。
【図9】 第1実施形態の変形例の構成(重付け比)により、所定の被測定物を測定対象として光沢評価値を算出した結果を説明する図である。
【符号の説明】
1…光沢評価装置、3…被測定物、4…光学部、5…光学系制御部、6…支持台、7…支持台駆動部、8…信号処理部、10…光源部、12,14,16…光源、30…受光部、32…正反射光受光部、34…拡散反射光受光部、36…反射光受光部、40…信号処理部、42…受光信号処理部、44…評価値算出処理部、50…正反射光信号処理部、52…正反射光受光器、54…分光鏡面反射率取得部、56…鏡面光沢度変換部(正反射光基礎情報取得部)、60…拡散反射光信号処理部、62…拡散反射光受光器、64…分光反射率取得部、66…色変換部(拡散反射光基礎情報取得部)、72…線形変換部(光沢指標算出部)、74…線形変換部(色彩指標値算出部)、78…光沢評価値取得部、80…重付け演算部、82…加算部(補正部)、84…修正要素演算部

Claims (13)

  1. 物体から得られる正反射光と拡散反射光とに基づいて前記物体の光沢に関する評価値を求める光沢評価方法であって、
    前記正反射光に基づいて得られる光沢指標値と、前記拡散反射光に基づいて得られる明度に関する指標値と、前記拡散反射光に基づいて得られる彩度に関する指標値とを参照して、前記物体の光沢に関する評価値を求める
    ことを特徴とする光沢評価方法。
  2. 物体から得られる正反射光と拡散反射光とに基づいて前記物体の光沢に関する評価値を求める光沢評価方法であって、
    前記正反射光に基づいて得られる光沢指標値と、前記拡散反射光に基づいて得られる明度に関する指標値と、前記拡散反射光から得られる明度の前記評価値に与える影響が小さくなるようにするための修正要素とを参照して、前記物体の光沢に関する評価値を求める
    ことを特徴とする光沢評価方法。
  3. 物体から得られる正反射光と拡散反射光とに基づいて前記物体の光沢に関する評価値を求める光沢評価装置であって、
    前記正反射光に基づいて得られる光沢指標値と、前記拡散反射光に基づいて得られる明度に関する指標値と、前記拡散反射光に基づいて得られる彩度に関する指標値とを参照して、前記物体の光沢に関する評価値を求める光沢評価値取得部を備える
    ことを特徴とする光沢評価装置。
  4. 前記光沢評価値取得部は、前記正反射光に基づいて得られる光沢指標値と前記拡散反射光に基づいて得られる明度に関する指標値とを参照して前記物体の光沢に関する評価値を求め、この求めた評価値に対して、前記拡散反射光に基づいて得られる彩度に関する指標値を参照して前記物体の色の影響を低減する方向に補正を加える
    ことを特徴とする請求項3に記載の光沢評価装置。
  5. 前記光沢評価値取得部は、前記光沢指標値が大きいほど前記物体の光沢に関する評価値が大きくなるように、かつ、前記明度が大きいほど前記物体の光沢に関する評価値が小さくなるように、かつ、前記彩度が大きいほど前記物体の光沢に関する評価値が大きくなるように、前記光沢指標値、前記明度に関する指標値、および前記彩度に関する指標値のそれぞれに対して所定の重み係数を乗じる重付け演算部と、当該重付け演算部により得られた値の線形和を取ることで前記物体の色の影響が低減された前記物体の光沢に関する評価値を求める加算部とを有する
    ことを特徴とする請求項4に記載の光沢評価装置。
  6. 前記加算部は、前記重付け演算部により得られる重付け処理の結果値を使用して、前記正反射光に基づいて得られる前記光沢指標値に対して前記拡散反射光に基づいて得られる前記明度に関する指標値で前記物体の明度の影響を低減する方向に補正を加えるとともに、この補正された指標値に対してさらに、前記拡散反射光に基づいて得られる前記彩度に関する指標値で前記物体の色の影響を低減する方向に補正を加える
    ことを特徴とする請求項5に記載の光沢評価装置。
  7. 前記重付け演算部は、前記所定の重み係数として、それぞれの絶対値が、前記光沢指標値についての重付け係数は前記明度に関する指標値および前記彩度に関する指標値のそれぞれについての重付け係数よりも大きく、かつ前記明度に関する指標値についての重付け係数は前記彩度に関する指標値についての重付け係数よりも大きいものを用いる
    ことを特徴とする請求項6に記載の光沢評価装置。
  8. 物体から得られる正反射光と拡散反射光とに基づいて前記物体の光沢に関する評価値を求める光沢評価装置であって、
    前記正反射光に基づいて得られる光沢指標値と、前記拡散反射光に基づいて得られる明度に関する指標値と、前記拡散反射光から得られる明度の前記評価値に与える影響が小さくなるようにするための修正要素とを参照して、前記物体の光沢に関する評価値を求める光沢評価値取得部を備える
    ことを特徴とする光沢評価装置。
  9. 前記光沢評価値取得部は、前記正反射光に基づいて前記修正要素を求める修正要素演算部と、前記正反射光に基づいて得られる光沢指標値と前記拡散反射光に基づいて得られる明度に関する指標値とを参照して得られる前記物体の光沢に関する評価値を求める演算部とを有し、当該演算部が求めた評価値に対して、前記修正要素演算部が求めた修正要素を参照して前記物体の光沢範囲の影響を低減する方向に補正を加える
    ことを特徴とする請求項8に記載の光沢評価装置。
  10. 前記光沢評価値取得部は、前記光沢指標値が大きいほど前記物体の光沢に関する評価値が大きくなるように、かつ、前記明度が大きいほど前記物体の光沢に関する評価値が小さくなるように、かつ、前記光沢指標値が大きいほど前記明度の前記評価値に与える影響が小さくなるように、前記光沢指標値と前記明度に関する指標値のそれぞれに対して所定の重み係数を乗じる重付け演算部と、当該重付け演算部により得られた値の線形和を取ることで前記物体の光沢範囲の影響が低減された前記物体の光沢に関する評価値を求める加算部とを有する
    ことを特徴とする請求項8に記載の光沢評価装置。
  11. 前記光沢評価値取得部は、前記光沢指標値が大きいほど前記明度の前記評価値に与える影響が小さくなるように所定の重み係数を乗じ所定の重み係数との差を取ることで前記拡散反射光に基づく前記修正要素を求める修正要素演算部と、前記光沢指標値が大きいほど前記物体の光沢に関する評価値が大きくなるようにする所定の重付け係数を前記光沢指標値に乗じるとともに、前記修正要素演算部により得られた修正要素を前記拡散反射光に基づいて得られる明度に関する指標値に乗じる重付け演算部と、当該重付け演算部により得られた値の線形和を取ることで前記物体の光沢範囲の影響が低減された前記物体の光沢に関する評価値を求める加算部とを有する
    ことを特徴とする請求項8に記載の光沢評価装置。
  12. 前記所定の重み係数として、それぞれの絶対値が、前記光沢指標値についての重付け係数は前記明度に関する指標値に関する指標値についての重付け係数よりも大きく、かつ前記明度に関する指標値についての重付け係数は前記修正要素についての重付け係数よりも大きいものを用いる
    ことを特徴とする請求項10または11に記載の光沢評価装置。
  13. 前記物体に投光する光源と、
    この投光によって得られる前記物体からの反射光のうちの正反射光を受光する正反射光受光部と、
    前記反射光のうちの拡散反射光を受光する拡散反射光受光部と、
    前記正反射光受光部により検知された受光信号に基づいて前記光沢指標値を求めるための基礎情報を取得する正反射光基礎情報取得部と、
    前記拡散反射光受光部により検知された受光信号に基づいて前記拡散反射光に基づいて得られる指標値を求めるための基礎情報を取得する拡散反射光基礎情報取得部と
    を備えたことを特徴とする請求項3から12のうちの何れか1項に記載の光沢評価装置。
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