JP4110825B2 - 電動送風機及びそれを用いた電気掃除機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般家庭において使用する交流と直流両使用型の電動送風機とそれを用いた電気掃除機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の電動送風機について、図9、図10を用いて説明する。
【0003】
図において、1は磁束を発生する界磁マグネットである。2はロータで、シャフト3に通されたロータコア4にAC側とDC側の2種類の電機子巻線5を施し、AC側の整流子6と、DC側の整流子7を同軸上にロータコア4を挟んで配置して、シャフト3の両端に設けられた第1の軸受8、第2の軸受9によって回転自在に支持されている。前記界磁マグネット1は反負荷側のブラケット11の内側でロータ2の外周に位置して固定され、ロータ2は負荷側のブラケット10、反負荷側のブラケット11に固定された第1の軸受8、第2の軸受9によって支持されている。また、反負荷側ブラケット11には、AC側のカーボンブラシ12と、DC側のカーボンブラシ13を、それぞれAC側の異形管14と、DC側の異形管15を介して挿入して装備している。そして、上記各部1〜15によりモータ部16を形成している。
【0004】
また、出力軸であるシャフト3の一方の端部(負荷側)には、インペラ17が備えられ、インペラ17の外周部には通風路を形成するエアーガイド18が配されており、ケーシング19がこれらを覆うように取り付けられており、これらによりファン部20を構成している。
【0005】
上記モータ部16とファン部20は、全体として電動送風機21を構成しているものである。
【0006】
図10は電動送風機21の駆動回路を示す。22は電池であり、DC側のカーボンブラシ13へと接続されている。23は交流電源で、整流器24、コンデンサ25を経て、AC側のカーボンブラシ12へと接続されている。
【0007】
上記構成において動作を説明すると、まず、AC駆動の場合は、界磁がマグネットで、磁束が一方向のため、交流を直流に変換する必要がある。交流電源23の正弦波は整流器24で整流され、次に、コンデンサ25によって平滑される。これがAC側のカーボンブラシ12に供給されると、次にAC側の整流子6に伝わり、界磁マグネット1で発生した磁束とAC側の電機子巻線5を通る電流との間で力が発生し、ロータ2が回転する。次にロータ2が回転することにより、ロータ2のシャフト3に固定された負荷であるインペラ17が回転し、インペラ17内の空気を増速し、増速された空気はエアーガイド18にて減速されて電動送風機21内部を流れ、ロータ2、界磁マグネット1、AC側のカーボンブラシ12を冷却しながら、反負荷側のブラケット11の排気口(図示せず)より排出される。
【0008】
また、DC駆動の場合は、電池22から直接DC側のカーボンブラシ13に電力が供給されると、それがDC側の整流子7に伝わり、界磁マグネット1で発生した磁束とDC側の電機子巻線5を通る電流との間で力が発生し、ロータ2が回転する。次にロータ2が回転することにより、ロータ2のシャフト3に固定されたインペラ17が回転し、インペラ17内の空気を増速し、増速された空気はエアーガイド18にて減速されて電動送風機21内部を流れ、ロータ2、界磁マグネット1、DC側のカーボンブラシ13を冷却しながら、反負荷側ブラケット11の排気口(図示せず)より排出される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の2つの整流子を備えた交直両用の電動送風機(以降、2整流子型電動送風機と呼ぶことにする)では、界磁にマグネットを用いているため、磁束が一定で、AC側の、または、DC側のどちらか一方のロータ巻線仕様に合わせてマグネットのフラックスを設定するか、あるいは、その中間あたりを狙ったフラックスを選定せざるを得ないため、モータの特性としては、ACまたはDCのどちらかに偏った特性になるか、どっちつかずの中途半端な特性とならざるを得なかった。特に、AC駆動時の電圧100Vに対し、DC駆動時の電圧が低い場合には、その傾向が顕著に表れた。また、AC駆動時には、整流回路24を介して交流を一旦直流に変換する必要があり、整流回路24での熱損失は必ず発生した。さらには、整流後の波形がリップルを多く含む場合には、電動送風機のブラシ寿命の低下や、効率の低下を招き、その対策として、大容量の平滑コンデンサが必要となることがあった。そうすると、さらに、突入電流抑制手段が必要になったり、コスト的な面でも不利になりやすかった。
【0010】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、AC駆動、DC駆動共に効率が高く、AC駆動時には、整流回路等が不要でコスト的にも有利な交直両用の電動送風機とそれを用いた電気掃除機を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の電動送風機は、AC側、DC側の2種類の巻線を施した1つのロータコアおよびAC側、DC側の2つの整流子を有するロータと、ロータコアの外周に位置し、1つのステータコアに前記ロータの巻線に応じた2種類の巻線を施してなるステータとを装備したものである。
【0012】
これにより、ロータの巻線仕様に合った、界磁の巻線(磁束の調整)が可能で、AC駆動、DC駆動共に効率が高く、AC駆動時には、整流回路等が不要でコスト的にも有利な交直両用の電動送風機とそれを用いた電気掃除機を提供することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、AC側、DC側の2種類の巻線を施した1つのロータコアおよびAC側、DC側の2つの整流子を有するロータと、それぞれの整流子に対して給電を行う2対のカーボンブラシと、ロータコアの外周に位置し、1つのステータコアに前記ロータの巻線に応じた2種類の巻線を施してなるステータと、前記ロータにより回転駆動されるインペラと、前記各部を内包するブラケットとを装備した電動送風機とすることにより、ロータの巻線仕様に合った、界磁の巻線(磁束の調整)が可能で、AC駆動、DC駆動共に効率が高く、AC駆動時には、整流回路等が不要でコスト的にも有利な交直両用の電動送風機を提供することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、DC側の整流子をインペラ側に、AC側の整流子を反インペラ側に配設した請求項1に記載の電動送風機とすることにより、DC側の整流子及びカーボンブラシにインペラで発生した冷却風が多量に当たるため、部品の温度上昇を抑えることが可能で、DC側のカーボンブラシ寿命も良化するものである。
【0015】
請求項3に記載の発明は、AC側の整流子をインペラ側に、DC側の整流子を反インペラ側に配設した請求項1に記載の電動送風機とすることにより、AC側の整流子及びカーボンブラシにインペラで発生した冷却風が多量に当たるため、部品の温度上昇を抑えることが可能で、AC側のカーボンブラシ寿命も良化するものである。
【0016】
請求項4に記載の発明は、ロータコアへのDC側の巻線をAC側の巻線よりも先に施した請求項1〜3のいずれか1項に記載の電動送風機とすることにより、AC側の巻線にインペラで発生した冷却風を多量に当てることができるため、巻線の温度上昇を抑えることができる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、ロータコアへのAC側の巻線をDC側の巻線よりも先に施した請求項1〜3のいずれか1項に記載の電動送風機とすることにより、DC側の巻線にインペラで発生した冷却風を多量に当てることができるため、巻線の温度上昇を抑えることができる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、AC側、DC側のいずれか一方の整流子をスリット式とした請求項1〜5のいずれか1項に記載の電動送風機とすることにより、スリット式とした方の整流子片の幅を小さく抑えることができ、全体として整流子の径小化が図れ、カーボンブラシと整流子の摺動損を抑えることができ、電動送風機の効率アップが図れるものである。
【0019】
請求項7に記載の発明は、AC、DC両側の整流子をスリット式とした請求項1〜5のいずれか1項に記載の電動送風機とすることにより、両方の整流子片の幅を小さく抑えることができ、全体として整流子の径小化が図れ、カーボンブラシと整流子の摺動損を抑えることができ、電動送風機の効率アップが図れるものである。
【0020】
請求項8に記載の発明は、DC側の整流子をスリット式とし、整流子片の数をロータコアのスロット数と同一に設定した請求項1〜5のいずれか1項に記載の電動送風機とすることにより、DC側の整流がよくなり、スパーク抑制か可能で、DC側のカーボンブラシ寿命を良化することができる。
【0021】
請求項9に記載の発明は、DC側の整流子をスリット式とし、整流子片の数をロータコアのスロット数の1/2に設定した請求項1〜5のいずれか1項に記載の電動送風機とすることにより、DC側の整流子の径小化が可能で、カーボンブラシと整流子の摺動損を抑えることができ、電動送風機の効率アップが図れるものである。
【0022】
請求項10に記載の発明は、ステータの巻線のうち、AC用の巻線をDC用の巻線よりも先に施した請求項1〜9のいずれか1項に記載の電動送風機とすることにより、DC側のステータの巻線にインペラで発生した冷却風を多量に当てることができるため、巻線の温度上昇を抑えることができる。
【0023】
請求項11に記載の発明は、ステータの巻線のうち、DC用の巻線をAC用の巻線よりも先に施した請求項1〜9のいずれか1項に記載の電動送風機とすることにより、AC側のステータの巻線にインペラで発生した冷却風を多量に当てることができるため、巻線の温度上昇を抑えることができる。
【0024】
請求項12に記載の発明は、ステータの2種類の巻線を、同時にステータコアへ巻き付けた請求項1〜9のいずれか1項に記載の電動送風機とすることにより、ステータの巻線工程が一度で済み、組立て工数の削減につながるものである。
【0025】
請求項13に記載の発明は、請求項1〜12記載の電動送風機を用いた電気掃除機とすることにより、高い吸込性能と耐久性を備え、コスト的にも安価な交直両用の電気掃除機を提供できる。
【0026】
【実施例】
以下本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0027】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1における電動送風機を示したものである。
【0028】
図において、31はステータコア32にAC側およびDC側の2種類の巻線33を施してなるステータである。34はロータで、シャフト35に通されたロータコア36にAC側とDC側の2種類の巻線37を施し、AC側の整流子38と、DC側の整流子39を同軸上にロータコア36を挟んで配置して、シャフト35の両端に設けられた第1の軸受40、第2の軸受41によって回転自在に支持されている。ステータ31は反負荷側のブラケット43の内側でロータ34の外周に位置して固定され、ロータ34は負荷側ブラケット42、反負荷側ブラケット43に固定された第1の軸受40、第2の軸受41によって支持されている。また、反負荷側ブラケット43には、AC側のカーボンブラシ44と、DC側のカーボンブラシ45を、それぞれAC側の異形管46と、DC側の異形管47を介して挿入して装備している。そして、上記各部31〜47によりモータ部48を形成している。
【0029】
また、出力軸であるシャフト35の一方の端部(負荷側)には、インペラ49が備えられ、インペラ49の外周部には通風路を形成するエアーガイド50が配されており、ケーシング51がこれらを覆うように取り付けられており、これらによりファン部52を構成している。
【0030】
上記モータ部48とファン部52は、全体として電動送風機53を構成しているものである。
【0031】
上記構成において動作を説明すると、まず、AC駆動の場合、AC側の巻線33に電力が供給されると、AC側のカーボンブラシ44、AC側の整流子38に伝わり、AC側の巻線33で発生した磁束とAC側の巻線37を通る電流との間で力が発生し、ロータ34が回転する。次にロータ34が回転することにより、ロータ34のシャフト35に固定されたインペラ49が回転し、インペラ49内の空気を増速し、増速された空気はエアーガイド50にて減速されて電動送風機53内部を流れ、ロータ34、巻線33、AC側のカーボンブラシ44を冷却しながら、反負荷側ブラケット43の排気口(図示せず)より排出される。
【0032】
また、DC駆動の場合も同様に、DC側の巻線33に電力が供給されると、DC側のカーボンブラシ45、DC側の整流子39に伝わり、DC側の巻線33で発生した磁束とDC側の巻線37を通る電流との間で力が発生し、ロータ34が回転する。次にロータ34が回転することにより、ロータ34のシャフト35に固定されたインペラ49が回転し、インペラ49内の空気を増速し、増速された空気はエアーガイド50にて減速されて電動送風機53内部を流れ、ロータ34、巻線33、DC側のカーボンブラシ45を冷却しながら、反負荷側ブラケット43の排気口(図示せず)より排出される。
【0033】
このように、AC駆動、DC駆動それぞれにおいて、電気の流れとしては、ステータの巻線→カーボンブラシ→整流子→ロータの巻線→整流子→カーボンブラシ→ステータの巻線となるが、回路的にはACとDCはそれぞれ完全に分離されている。また、従来は、界磁にマグネットを用いていたので、磁束が一定であったのに対し、本実施例では、ロータだけでなく、ステータの巻線仕様も、AC、DCそれぞれに必要な磁束が得られるように巻くことが可能であるため、所望の電動送風機のPQ特性を得ることができる。また、このようないわゆるユニバーサルモータはもともと交直両用であることから、AC駆動時にも、波形を整流することなくそのままインプットできるため、界磁マグネット式にくらべて、コスト的にも有利である。さらには、界磁マグネット式の場合は、電動送風機に流れる電流が大きい場合、波形を平滑する大容量のコンデンサも必要であり、そのため、起動時の突入電流を防止する手段が必要であった。本実施例の電動送風機ではそのようなコンデンサや突入防止手段も必要なく、この点でも大変有利となっている。
【0034】
また、本実施例においては、DC側の整流子39、カーボンブラシ45はインペラ49側(負荷側)に、AC側のそれらは、反負荷側に備えられている。交直両用の電気掃除機の場合、DCの電圧は電池本数によって定まるが、通常、電気掃除機本体の質量や体積の関係で、電池本数は制限され、DCはACよりもかなり低い電圧での運転となる場合が多い。しかしながら、DC運転時の吸込み力を重視したいときには、その分入力を上げる必要があるため、電流値が増大し、DC側のカーボンブラシ45、整流子39に温度的に大きな負担がかかる。そのような使い方をするときには、本実施例のようにDC側の整流子39、カーボンブラシ45をインペラ49側に配設すると、それらの部品に発生した冷却風が当たりやすくなるため、効率よく冷却が可能で、温度上昇抑制や、ブラシ寿命の改善等につがなる。なお、AC使用時の吸込み性能を重視し、AC使用時にDC使用時よりも大きな電流を流したい時には、AC側の整流子38、カーボンブラシ44を負荷側へ配設することで、AC側の冷却効率をあげることも同様に可能である。
【0035】
このように本実施例によれば、AC、DC両方の効率を高めた電動送風機および、コスト的にもより安価な電動送風機を提供できる。また、AC側、DC側のいずれかのカーボンブラシ、整流子を効率良く冷却することができ、温度上昇に有利で、耐久性に対しても、高い信頼性が得られるものである。
【0036】
(実施例2)
次に、本発明の実施例2における電動送風機について図2を用いて説明する。なお、上記実施例1と同一構成部品については同一符号を付して、その説明を省略する。
【0037】
図はロータコア36への巻線の様子を簡素化して示しているが、DC用の巻線37DをAC用の巻線37Aよりも先に施しているものである。
【0038】
これによる効果を説明すると、通常、DC用の巻線径は温度上昇や電動送風機効率の問題などから、AC用の巻線径よりも太くせざるを得ない。そのとき、巻線の単位長さあたりの質量はDCの巻線の方が重くなる。ロータコア36を共用する2整流子型の電動送風機53では、ロータコア36に巻かれた巻線のボリュームは自ずと大きくなり、質量も増える。つまり、巻線に働く回転時の遠心力が大きくなるので、本実施例のように、太くて重いDC用の巻線37Dを先に巻き、その上から細くて軽いAC用の巻線37Aを施した方が、巻線にかかる起動時の遠心力が少なく、巻線のズレによるレイヤーショート等を防止することができる。
【0039】
このように本実施例によれば、AC側の巻線37Aより、DC側の巻線37Dを先に施したことにより、起動時の耐久性を良化することができ、信頼性の高い電動送風機を提供できる。
【0040】
(実施例3)
次に、本発明の実施例3における電動送風機について図3を用いて説明する。なお、上記実施例1、2と同一構成部品については同一符号を付して、その説明を省略する。
【0041】
図はロータコア36への巻線の様子を簡素化して示しているが、AC用の巻線37AをDC用の巻線37Dよりも先に施しているものである。
【0042】
これによる効果を説明すると、通常、DC用の巻線径は温度上昇や電動送風機効率の問題などから、AC用の巻線径よりも太くせざるを得ない。そのため、DC用の巻線37Dは屈曲性が悪く、小さく巻き付けにくいことになる。そのため、DCよりも屈曲性のよい、AC用の巻線37Aを先にコアに巻きつける方が、巻線が容易で、占積率も高くなる。また、電気掃除機の仕様にもよるが、電圧の低いDC用の巻線37Dの方が流れる電流が多い場合が多く、それが外側に巻かれる方が、巻線からの放熱性という点では有利に働く。
【0043】
このように本実施例によれば、DC用の巻線37Dより、AC用の巻線37Aを先に施したことにより、コアに対して効率良く巻く事ができ、温度的にも信頼性の高い電動送風機を提供できる。
【0044】
(実施例4)
次に、本発明の実施例4における電動送風機について図4を用いて説明する。なお、上記実施例1〜3と同一構成部品については同一符号を付して、その説明を省略する。
【0045】
図はロータ34の一部を示し、DC側(またはAC側)の整流子39を示している。ロータ34の巻線はスリットの切られた整流子片へヒュージングにより溶着されている。
【0046】
このようなスリット式の整流子片では、フック式とは異なり、少ない幅の範囲内でヒュージングが行えるため、子片の幅を狭くすることが可能であり、その結果、整流子39の径を小さくできる。電動送風機53はそのロータ34が回転する際、カーボンブラシ45と整流子39との接触が摺動損失となり、その分、効率が低下するが、整流子39の径が小さければ小さいほど、その損失は低減する方向となり、電動送風機の効率は良化する。
【0047】
このように本実施例によれば、DC側(またはAC側)の整流子39をスリット式にすることで、電動送風機の効率低下を抑制することができるものである。
【0048】
なお、AC、DC両方の整流子38、39をスリット式にすることで、この効果はさらに増大する。
【0049】
(実施例5)
次に、本発明の実施例5における電動送風機について図5を用いて説明する。なお、上記実施例1〜4と同一構成部品については同一符号を付して、その説明を省略する。
【0050】
図はロータ34の一部を示しており、上側にDC側の整流子39を、下側にロータコア36を示している(巻線は図示せず)。整流子39は子片に溝を掘って巻線を挟み込みヒュージングを行う、スリット式である。また各断面より明らかなように、整流子39の子片の数とロータコア36のスロット60の数は同一の12個である。
【0051】
これによる効果を説明すると、通常、DC用の巻線はAC用の巻線より太い線が巻かれるため、フック式だと整流子39の径が大きくなってしまう。また、整流子片の数は多い方が、整流がよくなってスパークが抑制され、その結果、ブラシ寿命が良化するが、フック式だと整流子39の径が大きくなるため、その代償として、電動送風機の効率が低下する。ところが、本実施例のように、子片数を増やすと同時にスリット式を用いると、整流をよくしながら、電動送風機の効率の低下を防ぐことができる。
【0052】
このように本実施例では、整流子39をスリット式とし、前記整流子片の数をロータコア36のスロット60の数と同一に設定したので、DC側の整流がよくなり、スパーク抑制が可能で、DC側のカーボンブラシ寿命を良化しつつ、電動送風機の効率低下を防ぐものである。
【0053】
(実施例6)
次に、本発明の実施例6における電動送風機について図6を用いて説明する。なお、上記実施例1〜5と同一構成部品については同一符号を付して、その説明を省略する。
【0054】
図6はロータ34の一部を示しており、上側にDC側の整流子39を、下側にロータコア36を示している(巻線は図示せず)。整流子39はスリット式である。また各断面より明らかなように、整流子39の子片の数はロータコア36のスロット60数の1/2で、6個である。カーボンブラシ45と整流子39の摺動損を極力減らし、電動送風機の効率を向上したい場合、子片の数を少なくし、スリット式の整流子を用いるとよい。
【0055】
このように本実施例では、整流子39をスリット式とし、前記整流子片の数をロータコア36のスロット数の1/2に設定したので、整流子39の径をかなり小さくすることができ、電動送風機の効率を向上させることができる。
【0056】
(実施例7)
次に、本発明の実施例7における電動送風機について図7を用いて説明する。なお、上記実施例1〜6と同一構成部品については同一符号を付して、その説明を省略する。
【0057】
図は電動送風機53のステータコア32への巻線33の様子を簡素化して示しているが、AC用の巻線33AをDC用の巻線33Dよりも先に施したものである。
【0058】
これによる効果を説明すると、通常、DC用の巻線径は温度上昇や電動送風機効率の問題などから、AC用の巻線径よりも太くせざるを得ない。そのため、DC用の巻線33Bよりも屈曲性のよい、AC用の巻線33Aを先にコアに巻きつける方が、巻線が容易で、占積率も高くなる。また、電気掃除機の仕様にもよるが、電圧の低いDC巻線の方が流れる電流が多い場合が多く、それが外側に巻かれる方が、巻線からの放熱性という点では有利に働く。
【0059】
このように本実施例によれば、DC用の巻線33BよりもAC用の巻線33Aを先に施したことにより、コアに対して効率良く巻く事ができ、温度的にも信頼性の高い電動送風機を提供できる。
【0060】
(実施例8)
次に、本発明の実施例8における電動送風機について図8を用いて説明する。なお、上記実施例1〜7と同一構成部品については同一符号を付して、その説明を省略する。
【0061】
図は電動送風機53のステータコア32への巻線33の様子を簡素化して示しているが、DC用の巻線33DをAC用の巻線33Aよりも先に施したものである。
【0062】
これによる効果を説明すると、通常、DC用の巻線径は温度上昇や電動送風機効率の問題などから、AC用の巻線径よりも太くせざるを得ない。そのとき当然、巻線の質量はDCの方が重くなる。ステータコア32を共用する2整流子型の電動送風機53では、ステータコア32に巻かれた巻線のボリュームは自ずと大きくなり、質量も増える。つまり、DC用の巻線33DがAC用の巻線33Aよりも外側に巻かれた場合、電動送風機53の回転時の振動によって、巻線のズレが発生しやすく、その結果、界磁巻線のレイヤーショートが起こる可能性が高い。そこで、質量の大きいDC側の巻線を先に巻いてやれば、そのようなことは回避しやすい。
【0063】
このように本実施例によれば、AC用の巻線33Aより、DC側の巻線33Dを先に施したことにより、電動送風機53の振動に対して、耐久性を良化することができ、信頼性の高い電動送風機53を提供できる。
【0064】
なお、AC用の巻線とDC用の巻線を並列に同時に巻く方法も考えられる。この場合は、巻線工程が1回で済むため、工数の削減につながるという効果が期待できる。
【0065】
上記した実施例1〜8は適宜組み合わせて電動送風機を構成することができることは言うまでもない。そして、各実施例の電動送風機を用いて電気掃除機を構成することにより、高い吸込性能と耐久性を備え、コスト的にも安価な交直両用の電気掃除機が提供できる。
【0066】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、ロータの巻線仕様に合った、界磁の巻線(磁束の調整)が可能で、AC駆動、DC駆動共に効率が高く、AC駆動時には、整流回路等が不要でコスト的にも有利な交直両用の電動送風機とそれを用いた電気掃除機を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を示す電動送風機の側断面図
【図2】本発明の実施例2を示す電動送風機のロータ部の部分断面図
【図3】本発明の実施例3を示す電動送風機のロータ部の部分断面図
【図4】本発明の実施例4を示す電動送風機のロータ部の部分側面図
【図5】本発明の実施例5を示すロータと整流子の構成図
【図6】本発明の実施例6を示すロータと整流子の構成図
【図7】本発明の実施例7を示す電動送風機のステータ部の部分断面図
【図8】本発明の実施例8を示す電動送風機のステータ部の部分断面図
【図9】従来の電動送風機の側断面図
【図10】同電気掃除機の駆動回路図
【符号の説明】
31 ステータ
32 ステータコア
33、37 巻線
34 ロータ
35 シャフト
36 ロータコア
38 AC側の整流子
39 DC側の整流子
40 第1の軸受
41 第2の軸受
42 負荷側のブラケット
43 反負荷側のブラケット
44 AC側のカーボンブラシ
45 DC側のカーボンブラシ
48 モータ部
49 インペラ
52 ファン部
53 電動送風機
60 スロット

Claims (13)

  1. AC側、DC側の2種類の巻線を施した1つのロータコアおよびAC側、DC側の2つの整流子を有するロータと、それぞれの整流子に対して給電を行う2対のカーボンブラシと、ロータコアの外周に位置し、1つのステータコアに前記ロータの巻線に応じた2種類の巻線を施してなるステータと、前記ロータにより回転駆動されるインペラと、前記各部を内包するブラケットとを装備した電動送風機。
  2. DC側の整流子をインペラ側に、AC側の整流子を反インペラ側に配設した請求項1に記載の電動送風機。
  3. AC側の整流子をインペラ側に、DC側の整流子を反インペラ側に配設した請求項1に記載の電動送風機。
  4. ロータコアへのDC側の巻線をAC側の巻線よりも先に施した請求項1〜3のいずれか1項に記載の電動送風機。
  5. ロータコアへのAC側の巻線をDC側の巻線よりも先に施した請求項1〜3のいずれか1項に記載の電動送風機。
  6. AC側、DC側のいずれか一方の整流子をスリット式とした請求項1〜5のいずれか1項に記載の電動送風機。
  7. AC、DC両側の整流子をスリット式とした請求項1〜5のいずれか1項に記載の電動送風機。
  8. DC側の整流子をスリット式とし、整流子片の数をロータコアのスロット数と同一に設定した請求項1〜5のいずれか1項に記載の電動送風機。
  9. DC側の整流子をスリット式とし、整流子片の数をロータコアのスロット数の1/2に設定した請求項1〜5のいずれか1項に記載の電動送風機。
  10. ステータの巻線のうち、AC用の巻線をDC用の巻線よりも先に施した請求項1〜9のいずれか1項に記載の電動送風機。
  11. ステータの巻線のうち、DC用の巻線をAC用の巻線よりも先に施した請求項1〜9のいずれか1項に記載の電動送風機。
  12. ステータの2種類の巻線を、同時にステータコアへ巻き付けた請求項1〜9のいずれか1項に記載の電動送風機。
  13. 請求項1〜12記載の電動送風機を用いた電気掃除機。
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