JP4110566B2 - 燃焼制御装置 - Google Patents

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃焼装置に関し、詳細には、排気ガスにNOx(窒素酸化物)が含まれる燃焼装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等の燃焼装置の下流側で排気ガスに含まれるNOxを検出することにより、燃焼装置の下流側に配置された排気ガス浄化装置の劣化状態や、燃焼装置での燃焼状態等を知ることが出来る。このため、燃焼装置の排気系にNOxセンサを取り付けることが行われる。
【0003】
例えば、エンジンの排気管に取付けられた三元触媒の下流側にNOxセンサを配置し、このNOxセンサの出力値に基づいて、三元触媒の上流側に配置された酸素センサによる閉ループ制御の空燃比制御を補正し、さらに、三元触媒の劣化を検出するエンジン排気ガスの制御法が知られている(特開平10−68346号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本件発明の発明者は、上記装置等でNOxセンサの出力が利用されている酸素濃度の領域では、図6に示されているように、NOx検出装置からの出力が低下し、NOxの検出精度が低下し、その結果、上記診断が不正確になることを見出した。そして、この問題について検討した結果、NOxを検出する検出素子を保護するために設けられた金属カバーに含まれる金属が、この酸素濃度の領域で触媒として作用し、検出すべきNOxをCO、H2、HC等の還元ガスと反応させてしまい、検出素子に到達するNOxが減少すること等が原因であることを見出した。
【0005】
本発明はこのような状況においてなされたものであり、排気ガス中のNOxを正確に検出することができる燃焼装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、燃焼装置の排気通路に配置され排気ガス中のNOxを検出するNOx検出素子と、該NOx検出素子を覆う金属のカバーとを備えたNOxセンサと、前記燃焼装置を制御して前記排気ガス中の酸素濃度を制御する酸素濃度制御手段とを備え、前記カバーには、特定の酸素濃度領域において触媒として作用することによりNOxセンサの出力を低下させる金属が含まれており、前記酸素濃度制御手段は、前記NOxセンサによるNOx検出中は、前記排気ガス中の酸素濃度が、0.3%以下または0.5%以上である時間が、前記特定の酸素濃度である0.3%より高く0.5%未満である時間より長くなるように、前記酸素濃度を制御することを特徴とする燃焼装置が提供される。なお、「NOxセンサによるNOx検出中」とは、少なくともNOxセンサの出力を利用している期間を意味する。
【0007】
このような構成によれば、酸素濃度制御手段の制御により、NOxセンサによるNOx検出中は、NOxセンサの出力が低下する酸素濃度の継続時間が短くなるため、NOxセンサによるNOx検出精度が向上する。
【0008】
本発明の好ましい態様によれば、前記排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサを更に備え、前記酸素濃度制御手段は、前記酸素センサの出力値に基づいて、前記酸素濃度が目標酸素濃度を挟んで周期的に反転するフィードバック制御を行う。
【0009】
本発明の他の好ましい態様によれば、前記NOxセンサによるNOx検出中は、前記フィードバック制御のゲインが、前記検出時以外のゲインより大きく設定される。
【0010】
このような構成によれば、目標空燃比による排気ガスの酸素濃度が、NOxセンサの出力を低下させる濃度であっても、フィードバック制御の振れ幅が大きくなるので、NOxセンサの出力が低下しない、或いは、低下しにくい領域に酸素濃度に速やかに移行させることができる。
【0011】
本発明の好ましい態様によれば、前記酸素濃度制御手段は、前記NOxセンサによるNOx検出中は、前記排気ガス中の酸素濃度が0.3以下または0.5%以上に維持されるような酸素濃度制御を行う。このような構成によれば、NOxセンサの出力を低下させる酸素濃度以外の領域でNOxを検出でき、NOxの検出濃度が向上する。
【0012】
本発明の他の好ましい態様によれば、前記NOxセンサの上流側に三元触媒が配置され、前記NOxセンサの検出結果に基づいて、前記三元触媒の劣化診断を行う三元触媒劣化診断手段を更に備えている。このような構成によれば、NOxセンサの出力を低下させる酸素濃度以外の領域でのNOxの検出に基づいて、三元触媒の劣化診断が行われるので、診断精度が向上する。
【0013】
本発明のもう一つの好ましい態様によれば、前記NOxセンサの検出結果に基づいて、前記燃焼装置の燃焼状態を判定する燃焼状態判定手段と、該燃焼状態判定手段の判定結果に基づいて、前記燃焼装置の燃焼条件を補正する燃焼条件補正手段と、を備えている。燃焼条件の補正としては、例えば、燃料噴射量制御、燃焼噴射時期制御、点火時期制御、EGR制御等のエンジンの運転パラメータの補正がある。
【0014】
このような構成によれば、NOxセンサの出力を低下させる酸素濃度以外の領域でのNOxの検出に基づいて、燃焼装置の燃焼条件を補正できるので、補正の精度が向上する。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して本発明の第1の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態の燃焼制御装置を備えた自動車用火花点火式のエンジンシステム100の構成を概略的に示す図面である。
【0016】
エンジンシステム100は、エンジン本体1を備えている。エンジン本体1は、複数の気筒2と、気筒2内に往復動可能に配置されたピストン3とを備え、気筒2とピストン3とによって燃焼室4が形成されている。燃焼室4の上部には、点火回路5に接続された点火プラグ6が燃焼室4に臨むように取付けられ、さらに、燃焼室4に燃料を直接噴射するインジェクタ7が取り付けられている。
【0017】
このインジェクタ7には、高圧燃料ポンプ、プレッシャレギュレータ等を有する燃料供給回路が接続されている。この燃料供給回路によって燃料タンクからの燃料が適正な圧力に調整されてインジェクタ7に供給される。また、燃料供給回路には、燃料圧力を検出する燃圧センサ8が取付けられている。
【0018】
燃焼室4は、吸気弁9が設けられた吸気ポートを介して吸気通路10に連通している。この吸気通路10には、その上流側から順に、吸気を濾過するエアクリーナ11と、吸入空気量を検出するエアフローメータ12と、吸気通路10を絞る電気式スロットル弁13と、サージタンク14とが設けられている。電気式スロットル弁13は、モータ15により開閉駆動されるように構成されている。さらに、電気式スロットル弁13の近傍には、その開度を検出するスロットル開度センサ16が配置され、また、サージタンク14には、吸気圧を検出する吸気圧センサ17が取付けられている。
【0019】
吸気通路10は、サージタンク14より下流の部分が、気筒毎に分岐した独立通路とされている。各独立通路の下流端部は、2つに分割され、それぞれが同一気筒の吸気ポートに連結され、その一方にスワール弁18が設けられている。このスワール弁18は、アクチュエータ19によって駆動される。スワール弁18が閉じると、吸気は他方の分岐通路のみから燃焼室4に供給され、燃焼室4内に強い吸気スワールが生成される。また、スワール弁18の近傍には、スワール弁18の開度を検出するスワール弁開度センサ20が設けられている。
【0020】
燃焼室4には、排気弁21が設けられた排気ポートを介して排気通路22が接続され、各気筒からの排気通路22は下流側で合流している。合流した排気通路22には、上流側から順に、排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサ(O2センサ)24と、HC、CO、NOxを浄化する三元触媒25、NOxセンサ26とが設けられている。三元触媒25は、白金、ロジウム、パラジウム等を触媒金属として含んでいる。
【0021】
排気通路22には、排気ガスの一部を吸気系に還流させるEGR通路27の上流端が、酸素濃度センサ24の上流側位置に接続されている。EGR通路27の下流端は、スロットル弁13とサージタンク14との間で吸気通路10に接続されている。また、EGR通路27には、開度が電気的に調整可能であるEGR弁28と、EGR弁28のリフト量を検出するリフトセンサ29とが設けられ、これらにより排気還流手段が構成されている。
【0022】
更に、排気通路22には、吸気の一部を、吸気通路10から三元触媒25の上流側位置に送り込む2次エア供給通路30が接続されている。この2次エア供給通路30には、制御可能な流量調整弁31が設けられている。
【0023】
エンジンシステム100は、さらに、システム全体の制御を行うECU(電子制御ユニット)32を備えている。このECU3には、エアフローセンサ12、スロットル開度センサ16、吸気圧センサ17、スワール制御弁開度センサ20、酸素濃度センサ24、EGR弁28のリフトセンサ29からの信号が入力される。ECU32には、さらに、エンジン本体1の冷却水温度を検出する水温センサ33、吸気温度を検出する吸気温度センサ34、大気圧を検出する大気圧センサ35、エンジン回転数を検出する回転数センサ36、および、アクセルペダルの開度(アクセル操作量)を検出するアクセル開度センサ37からの信号等も入力される。
【0024】
ECU32は、エンジンの運転状態に応じてインジェクタ7から噴射される燃料の噴射量および時期を制御する燃料噴射制御、点火プラグ6による混合気の点火時期を制御する点火時期制御、EGR量などを制御するEGR制御、三元触媒の劣化を診断する三元触媒劣化診断等を行う。また、本実施形態には、三元触媒が劣化していたと診断されたとき、これを乗員に知らせる警告灯等を含む表示手段41が設けられている。
【0025】
燃料噴射制御では、エンジンの運転状態に応じて燃料噴射を制御するように構成されている。燃料噴射制御は、酸素センサ24の出力に基づいて、目標空燃比を挟んで空燃比を周期的に反転制御する空燃比フィードバック制御である。詳細には、空燃比を、まずP値だけ変化させ、次いで、I値づつ徐々に変化させる、いわゆるPI制御が行われている。
【0026】
次に、本実施形態のECU32が行う燃焼制御の内容を、図2のフローチャートに沿って説明する。
まず、ステップS1において、エアフローセンサ12、酸素濃度センサ24、NOxセンサ26、水温センサ33、吸気温センサ34、大気圧センサ35、回転数センサ36およびアクセル開度センサ37等の出力信号が入力される。
次いで、ステップS2で、スロットルバルブ開度Tvを設定する。スロットルバルブの開度Tvは、アクアセル開度αとエンジン回転数Neによって所定のマップから決定される。さらに、ステップS3で、設定されたスロットルバルブ開度Tvとなるようにスロットル弁を駆動させる。
【0027】
次に、ステップS4で、基本燃料噴射量Qb、基本燃料噴射時期Ib、基本点火タイミングθbが設定される。これら基本燃料噴射量Qb、基本燃料噴射時期Ib、基本点火タイミングθbは、吸入空気量とエンジンに基づいて、所定のマップから求められる。
【0028】
次に、ステップS5で、NOxセンサ26の出力に基づく三元触媒の劣化診断の要否が判定される。本実施形態は、この三元触媒劣化診断を、1ドライに一回、最初の温間状態での定常運転時に1ないし5分間、行うように構成されているので、ステップS5では、この条件が成立しているか否かを判定する。本実施形態では、この三元触媒劣化診断中には、酸素センサ24の出力に基づいてλ=1を挟んで空燃比を周期的に反転制御する空燃比フィードバック制御のゲイン(P値)を大きくし、排気ガス中の酸素濃度がNOxセンサ26の検出精度が高い状態にある時間を長くしている。
【0029】
詳細には、図3(a)に示されているように、三元触媒劣化診断中には、PI制御によるフィードバック制御で用いるゲインP値を、診断時以外より大きい値に設定することにより、図3(b)に示されているように、フィードバック補正時の空燃比の振れ幅を大きくし、排気ガス中の酸素濃度がNOxセンサ26の検出精度が高い状態にある時間を長くしている。
【0030】
具体的には、ステップS5で、YES即ち三元触媒劣化診断を行う時には、ステップS6に進み、酸素センサ24の出力値Oxが、空燃比14.7(λ=1)の排気ガスに対する出力値Ox0より大きいか否かに基づいて、空燃比がリッチであるリーンであるかを判定する。
【0031】
ステップS6でYES即ち空燃比がリッチであると判定されたときには、ステップS7に進み、前回はリーンであったか否かが判定される。ステップS7でYES即ち前回リーンであったと判定されたときには、ステップS8に進み、フィードバック制御用の噴射量補正値QF/Bから所定値Pnを引いた値を噴射量補正値QF/Bとして設定する。また、ステップS7でNO即ち前回リーンでなかったと判定されたときには、ステップS9に進み、フィードバック制御用の噴射量補正値QF/Bから所定値Inを引いた値を噴射量補正値QF/Bとして設定する。
【0032】
一方、ステップS6でNO即ち空燃比がリーンであると判定されたときには、ステップS10に進み、前回はリッチであったか否かが判定される。ステップS10でYES即ち前回はリッチであったと判定されたときには、ステップS11に進み、フィードバック制御用の噴射量補正値QF/Bに所定値Pnを加算した値を噴射量補正値QF/Bとして設定する。また、ステップ10でNO即ち前回リッチでなかったと判定されたときには、ステップS12に進み、フィードバック制御用の噴射量補正値QF/Bに所定値Inを加算した値を噴射量補正値QF/Bとして設定する。
【0033】
さらに、ステップS5で、NO即ち三元触媒劣化診断を行う必要がない時には、ステップS13に進み、酸素センサ24の出力値Oxが、空燃比14.7(λ=1)の排気ガスに対する出力値Ox0より大きいかに基づいて、空燃比がリッチであるリーンであるかを判定する。
【0034】
ステップS13でYES即ち空燃比がリッチであると判定されたときには、ステップS14に進み、前回はリーンであったか否かが判定される。ステップS14でYES即ち前回リーンであったと判定されたときには、ステップS15に進み、フィードバック制御用の噴射量補正値QF/Bから所定値P0を引いた値を噴射量補正値QF/Bとして設定する。また、ステップS14でNO即ち前回リーンでなかったと判定されたときには、ステップS16に進み、フィードバック制御用の噴射量補正値QF/Bから所定値I0を引いた値を噴射量補正値QF/Bとして設定する。
【0035】
一方、ステップS13でNO即ち空燃比がリーンであると判定されたときには、ステップS17に進み、前回はリッチであったか否かが判定される。ステップS17でYES即ち前回はリッチであったと判定されたときには、ステップS18に進み、フィードバック制御用の噴射量補正値QF/Bに所定値P0を加算した値を噴射量補正値QF/Bとして設定する。また、ステップ17でNO即ち前回リッチでなかったと判定されたときには、ステップS19に進み、フィードバック制御用の噴射量補正値QF/Bに所定値I0を加算した値を噴射量補正値QF/Bとして設定する。
【0036】
ついで、ステップS20に進み、ステップS8、ステップS9、ステップS11、ステップS12、ステップS15、ステップS16、ステップS18、ステップS19で設定されたフィードバック制御用の噴射量補正値QF/Bが基本噴射量Qbに加算され、燃料噴射量Qが決定される。そして、ステップS21で、燃料噴射量Q等に基づいて、燃焼噴射及び点火制御が実行される。
【0037】
本実施形態では、Pn>P0であり、In>I0またはIn=I0である。また、Pnは、ステップS8またはステップS11で設定された噴射量補正値QF/Bによる燃料噴射で、排気ガス中の酸素濃度が、0.3以下または0.5%以上になるように設定されるのが好ましい。排気ガス中の酸素濃度0.3%は、空燃比14.5に相当し、酸素濃度0.5%は空燃比14.8に相当する。
【0038】
このように構成された本実施形態のエンジンシステムでは、三元触媒の劣化診断中には、図3に示されているように、排気ガス中の酸素濃度が0.3以下または0.5%以上である時間が、0.3%より高く0.5%未満である時間より長くなる。
【0039】
次に、本実施形態のECU32が行う三元触媒25の劣化判定の処理内容を、図4のフローチャートに沿って説明する。
まず、ステップS40で、ステップS1と同様のデータが入力され、ステップS41で、ステップS5と同様に、三元触媒の劣化診断の要否が判定される。ステップS41でYESのときには、ステップS42に進み、NOxセンサ26の出力であるNOxinを記憶する。次いで、ステップS43に進み、タイマTに1を加算し、ステップS44で、タイマTがT0を越えたか否かで、所定時間が経過したか否かを判定する。
【0040】
所定時間が経過していないときには、ステップS42ないしステップS44の処理を繰り返す。所定時間が経過したときには、ステップS45に進み、記憶しているNOxinを加算してTで除し、NOxinの平均NOxinAveを算出する。次いで、ステップS46で、NOxinAveが劣化判定用のしきい値NOx0より大きいか否かを判定する。ステップS46でYES、即ち、NOxinAveが劣化判定用のしきい値NOx0より大きいときには、ステップS47で、警告灯などの表示手段41を点灯させるなどの劣化ワーニングを行う。さらに、ステップS48でタイマT、NOxin等をリセットしてリターンする。また、ステップS46でNOであったとき、ステップS48でタイマT、NOxin等をリセットしてリターンする。さらに、ステップS41でNOであったときは、そのままリターンする。
【0041】
このように構成された本実施形態のエンジンシステムでは、上述したように、三元触媒の劣化診断中には、排気ガス中の酸素濃度が0.3以下または0.5%以上である時間が、0.3%より高く0.5%未満である時間より長くなるので、三元触媒の劣化診断の精度が向上する。
【0042】
次に、本発明の第2の実施態様のエンジンシステムを説明する。第2の実施態様は、NOxセンサの検出結果に基づいてエンジンの燃焼状態を検出し、エンジンの燃焼制御を補正するものである。第2の実施態様のエンジンシステムは、第1の実施形態と基本的には同一の構成を備えている。第1の実施形態とのハード構成上の相違点は、NOxセンサが三元触媒の上流側に配置されている点である。
【0043】
第2の実施態様のエンジンシステムのECUも、図2、図4のフローチャートの処理と同様の処理を行う。ただし、第1実施形態では、ステップS5(図2)、ステップS41(図4)で三元触媒の劣化診断の要否を判定しているが、第2実施態様では、これに代えて、エンジンの燃焼状態の検出の要否が判定される。
【0044】
また、第1実施形態では、NOxAveがしきい値より大きいときには、ステップS47(図)で劣化ワーニングが行われるが、第2実施態様では、エンジンの燃焼制御の補正が行われる。燃焼制御の補正としては、例えば、リタード制御の補正、EGR制御の補正がある。第2実施態様では、第1実施形態のNOxOとは異なった補正用しきい値NOxOが設定される。
【0045】
例えば、排気ガス中のNOxを減少させるべく、所定条件下では、点火時期をリタードさせているが、NOxAveがしきい値NOxOより大きくなったときには、図5のグラフに示すように、NOxAveの値に応じて、点火時期修正値θncを変更する。さらに、基本点火時期Ibに加えられる、点火時期修正値θncの係数kを変更して、点火時期がリタード側に移行するように、点火時期のマップを変更する。変更後のマップで修正した点火時期が限界値よりリタードしていたときには、限界値にガードする処理が行われる。
【0046】
また、EGR制御を補正するときも、NOxAveがしきい値NOxOより大きくなったときには、NOxAveの値に応じて、EGR開度が大きくなるようにEGR制御の内容を変更する。
【0047】
本発明は上記実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された技術事項の範囲内で種々の変更又は変形が可能である。
例えば、上記第1および第2実施態様では、三元触媒の劣化診断時または燃焼制御の補正時に理論空燃比を挟んで振れ幅(ゲイン)が大きくなるフィードバック制御を行っているが、三元触媒の劣化診断時または燃焼制御の補正時には、常時、排気ガス中の酸素濃度が、0.3以下または0.5%以上になるように制御する構成でもよい。
【0048】
また、上記第2実施態様では、燃焼制御の補正時にのみ、燃焼制御の補正時に理論空燃比を挟んで振れ幅(ゲイン)が大きくなるフィードバック制御をおこなっているが、常時、このような補正を行い、常時、燃焼制御の補正を行う構成でもよい。
【0049】
さらに、上記実施形態では、エンジンシステムは、火花点火式のエンジンシステムであるが、本発明は、ディーゼルエンジン、または、ボイラ、石油ガスファンヒータなどの他の燃焼装置を含む種々の燃焼装置に適用できる。
【0050】
【発明の効果】
以上のように、本件発明によれば、排気ガス中のNOxを正確に検出することができる燃焼装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のエンジンシステムの概略構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態のECUが行う燃焼制御の内容を示すフローチャートである。
【図3】フィードバック補正における、フィードバック値と空燃比との関係を示すタイムチャートである。
【図4】本発明の第1実施形態のECUが行う三元触媒の劣化診断の内容を示すフローチャートである。
【図5】NOxセンサの出力の平均値NOxAveと、点火時期修正値θncとの関係を示すグラフである。
【図6】同一のNOx濃度における、酸素濃度とNOxセンサの出力値との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1:エンジン本体
24:酸素濃度センサ
25:三元触媒
26:NOxセンサ
32:ECU

Claims (6)

  1. 燃焼装置の排気通路に配置され排気ガス中のNOxを検出するNOx検出素子と、該NOx検出素子を覆う金属のカバーとを備えたNOxセンサと、
    前記燃焼装置を制御して前記排気ガス中の酸素濃度を制御する酸素濃度制御手段とを備え、
    前記カバーには、特定の酸素濃度において触媒として作用することによりNOxセンサの出力を低下させる金属が含まれており、
    前記酸素濃度制御手段は、前記NOxセンサによるNOx検出中は、前記排気ガス中の酸素濃度が、0.3%以下または0.5%以上である時間が、前記特定の酸素濃度である0.3%より高く0.5%未満である時間より長くなるように、前記酸素濃度を制御する、
    ことを特徴とする燃焼装置。
  2. 前記排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサを更に備え、
    前記酸素濃度制御手段は、前記酸素センサの出力値に基づいて、前記酸素濃度が目標酸素濃度を挟んで周期的に反転するフィードバック制御を行う、
    請求項1に記載の燃焼装置。
  3. 前記NOxセンサによるNOx検出中は、前記フィードバック制御のゲインが、前記検出時以外のゲインより大きく設定される、
    請求項1または2に記載の燃焼制御装置。
  4. 前記酸素濃度制御手段は、前記NOxセンサによるNOx検出中は、前記排気ガス中の酸素濃度が0.3以下または0.5%以上に維持されるような酸素濃度制御を行う、
    請求項1または2に記載の燃焼制御装置。
  5. 前記NOxセンサの上流側に三元触媒が配置され、
    前記NOxセンサの検出結果に基づいて、前記三元触媒の劣化診断を行う三元触媒劣化診断手段を更に備えている、
    請求項1ないし4の何れか1項に記載の燃焼装置。
  6. 前記NOxセンサの検出結果に基づいて、前記燃焼装置の燃焼状態を判定する燃焼状態判定手段と、
    該燃焼状態判定手段の判定結果に基づいて、前記燃焼装置の燃焼条件を補正する燃焼条件補正手段と、を備えている
    請求項1ないし5のいずれか1項に記載の燃焼装置。
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