JP4110373B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療用等の超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
超音波診断装置は、超音波探触子を介して被検体内に超音波を送信する一方、超音波探触子によって受信された反射波等の受波信号または受信信号に基づいて画像を生成したり、例えば血流速さ等のデータを得るものである。このような超音波診断装置において、超音波信号の伝送に伴なって信号強度が減衰し、ノイズに埋没する。信号対ノイズレベル比(SNR)を改善する手段として符号を用いることが提案されている。ランダムエラー訂正符号による符号化送受信とは、符号化された送信信号を送信し、これに対し得られたエコー信号に所定の復調処理を施すことによって、分散された送信エネルギを集束し、感度のよい復調信号が得られるものである。
【0003】
例えば、アメリカ合衆国特許第5,984,869号および第6,146,328号において、符号の一種であるゴーレイ(Golay)符号を用いて符号化送受信を行うことが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来技術においては、実際に生体を対象として符号化送受信を行なうと、本来得られるべき復調信号の前後にタイムサイドローブが発生し、時間応答がよくないという問題点があった。
【0005】
上述した課題に鑑み、本発明の課題は、符号化送受信を行う超音波診断装置の時間応答を向上することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、超音波診断装置を、超音波探触子と、超音波探触子を介して被検体に複数の超音波信号を時間軸方向に分散して符号化した送波信号を送信する送信部と、超音波探触子を介して被検体からのエコー信号を受信し、受信した信号を符号化された送波信号に対応して予め定められた復調係数を用いて符号復調処理する受信部と、受信部の出力信号に基づいて前記被検体の音響情報を演算する画像処理部とを有し、受信部は、エコー信号から符号復調の妨げとなる高調波成分を低減するフィルタを含むとともに、エコー信号の周波数分布を検出する周波数分布検出手段と、この周波数分布に基づいて低減対象の周波数成分と信号強度からなる高調波分布を求めてフィルタの特性を調節するフィルタ帯域演算手段とを有することによって上述した課題を解決する。
【0007】
すなわち、超音波信号が被検体である生体内を伝播する際に、非線型歪みの影響によって高調波成分が発生することが報告されている。発明者らは、この非線型歪みに起因する高調波成分が復調信号における誤差の原因となっていることを見出した。
【0008】
本発明によれば、エコー信号の周波数分布から求められた高調波分布に基づいて特性が調節される可変のフィルタによって高調波成分を低減することによ、基本波成分が相対的に強調された受波信号を符号復調できるから、高調波成分起因のタイムサイドローブが低減され、符号化送受信を行う超音波診断装置の時間応答を向上することができる。
【0009】
例えば、上述したゴーレイ符号による送受信技術は、例えば大きさと極性が(1,1,1,−1)である一群の送信信号G0と、その対コードである(1,−1,1,1)という一群の送信符号G1とを送信し、これらの受信信号をそれぞれ復調係数GR0(―1,1,1,1)及びGR1(1,1,−1,1)で復号化した後に合成すると、高調波成分の影響がない場合、Y(0,0,0,8,0,0,0)という信号を生成できるものである。このようなゴーレイ符号による符号化送受信及び復調処理を行なうと、基本波成分は送信信号と同じ極性を維持するから上述したように復調されるが、偶数次の高調波成分は極性が全て正となってしまい、例えば2次の高調波成分が復調され合成されると、Y(0,2,2,4,4,2,2)という信号が生成される。このため、本来得られるべき信号の前後に高調波成分に起因する余計な波形が現れることによってタイムサイドローブが発生し、時間応答が悪化してしまう。
【0010】
この点、本発明によれば、一対の対コードからなるゴーレイ符号による符号化送受信を行なう場合、可変フィルタによって2次以上の偶数次成分を低減することによって、タイムサイドローブを低減し、時間応答を向上することができる。
【0012】
また、フィルタ帯域演算手段は、可変フィルタがディジタルフィルタ演算を行なうものである場合に、低減周波数帯域に応じてディジタルフィルタの演算係数を算出するものであるとよい。
【0013】
また、フィルタ帯域演算手段は、周波数分布に基づいて低減対象の高調波成分の信号強度が極大となるピーク周波数及びピーク信号強度と、ピーク信号強度よりも信号強度が所定量低い周波数とを検出して高調波分布を求めてフィルタの特性を調節する構成としてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用してなる超音波診断装置の実施形態について説明する。先ず、第1の実施形態について説明する。図1は、本発明を適用してなる超音波診断装置の第1の実施形態の構成を示す図である。図1に示すように、超音波診断装置1は、図示しない被検体内との間で超音波の送受信を行う探触子3と、送波信号を生成する送信部5と、受波信号に対し整相、検波等の処理を行なう受信部7とを有する。また、送信部5が生成した送波信号を探触子3に送るとともに、探触子3が受信した受波信号を受信部7に送る送受分離回路9が設けられている。また、受信部7の出力信号に基づいて画像変換をする画像処理部11と、画像処理部11が出力する画像を表示するディスプレイ等の表示部13が設けられている。また、超音波診断装置1の各要素を統括的に制御する制御部15が設けられ、この制御部15には、図示しないユーザが各種操作を行なう入力部である入力段17が接続されている。
【0016】
送信部5は、送信波形制御手段19と、送信タイミング制御手段21とを有する。送信波形制御手段19は、符号変調された送波信号の波形(送信波形)を制御するものである。送信タイミング制御手段21は、超音波ビームの収束(フォーカシング)や偏向(ステアリング)のため、超音波探触子3が有する図示しない複数の振動子の各チャンネル(ch)の送信タイミングを生成するものである。送信部5は、さらに送信波形制御手段19が生成した送信波形を記憶する送信波形用メモリ23と、ディジタルの送信波形波形データをアナログ信号に変換するディジタル・アナログ・コンバータ(DAC)25と、このアナログ信号を増幅して振動子の駆動信号を出力するパワーアンプである送波アンプ27とを有する。
【0017】
また、受信部7は、超音波探触子3の各振動子が受信した各チャンネルの受信信号をそれぞれ増幅するプリアンプである受信アンプ29と、受信アンプ29の出力信号をディジタル変換するアナログ・ディジタル・コンバータ(ADC)31と、超音波受信ビームの収束(受信フォーカス)等を行なうため各チャンネルの受信信号に対しそれぞれ遅延制御をし、整相して加算する整相加算部33と、符号変調されている受信信号を符号復調する符号復調手段35と、符号復調手段35の出力信号の包絡線を検出する検波部37とを有する。
【0018】
次に、本実施形態の超音波診断装置の特徴部分を含む符号復調手段35の詳細な構成について説明する。図2は、本実施形態の符号復調手段の構成を示す図である。図2に示すように、符号復調手段35は、整相加算部33の出力信号が入力される符号復調フィルタ39と、符号復調フィルタ39の出力信号が入力されるラインメモリ41とを有する。また、ラインメモリが入力信号を一時的に記憶して遅延して出力した信号と、符号復調手段から直接入力される信号とを合成する対コード合成手段43とが設けられ、対コード合成手段43の出力信号は、上述した検波部37に入力される。
【0019】
また、符号復調フィルタ39は、図示しない可変のディジタルフィルタ演算手段を有してなり、整相加算部33からの入力信号から特定の周波数帯域成分を低減する周波数帯域低減フィルタまたは周波数帯域阻止フィルタである周波数帯域制御フィルタ45と、周波数帯域制御フィルタ45の出力信号に対して復号処理を行なうデコードフィルタ47と、デコードフィルタ47に符号復号用の符号信号を含む復号係数を入力する係数メモリ49とを含んでなる。
【0020】
また、符号復調手段35は、周波数帯域制御フィルタ45に、カットオフ周波数やリジェクションレベルに応じてディジタルフィルタ演算時の演算係数(フィルタ係数)を供給する係数切換手段51を有する。図4は、係数切換手段51の構成を示す図である。図4に示すように、係数切換手段51は、整相加算部33の出力信号を高速フーリエ変換(FFT)処理して周波数分布を求める周波数分布検出手段53と、周波数分布検出手段53の出力信号に基づいてカットオフ周波数を求める符号復調フィルタ係数用のパラメータ検出手段55と、このカットオフ周波数に応じてフィルタ係数を演算する係数演算手段57とを有して構成されている。
【0021】
そして、パラメータ検出手段55は、周波数分布検出手段53の出力波形のノイズを除去して平滑化する平滑フィルタ59と、平滑フィルタ59の出力信号から高調波成分のピークを検出する高調波ピーク検出手段61と、高調波ピーク検出手段61が検出したピークに応じてカットオフ周波数を求める高調波帯域検出手段63とを含んでなる。また、高調波ピーク検出手段61は、微分演算手段65と、極大値演算手段67とを含む。また、高調波帯域検出手段63は、第1および第2のレベル比較手段69、71と、第1および第2のカットオフ周波数検出手段73、75とを含んでなる。これら各要素は、周知の集中処理手段(MPU)、ディジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)、アプリケーション・スペシフィックIC(ASIC)およびプログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)等を用いて構成されている。各要素の動作については後に詳しく説明する。
【0022】
以下、本実施形態の超音波診断装置の動作について説明する。はじめに、送信部5の送信タイミング制御手段19および送信波形制御手段21は、制御部15からの指示に応じて、送信波形用メモリ23に記憶されている送信波形を読み出す。送信波形は送信波形用メモリ23から読み出されてDAC25でディジタル信号からアナログ信号に変換され、送波アンプ27にて増幅される。そして、この送信信号は、送受分離回路9を経て超音波探触子3に入力される。
【0023】
超音波探触子3は、図示しない被検体に対向して列状または面状に配列された図示しない複数の振動子を有する。送信信号は、これらの各振動子の個数に対応するチャンネル数だけ超音波探触子3に送られる。各振動子は、当該チャンネルの送信信号を受けて、送信信号の波形に応じた超音波を発生する。そして、各振動子から発生した超音波は、それぞれの波面が一致する方向に進行する超音波ビームを形成する。
【0024】
ここで、符号化送受信技術としてゴーレイ符号を用いた場合の送波信号、受波信号、復調後の受波信号および対コード合成後の受波信号について、図4ないし図7を参照して説明する。先ず、図4は送波信号の波形を示す図である。図4(1)、(2)はそれぞれ対になるバイポーラの1回目の送波信号G0および2回目の送波信号G1の波形を示す。図示するように、G0は(1,1,1,−1)という信号であり、G1は(1,−1,1,1)という信号である。なお、ここで数字の絶対値は信号波形のピーク強度を、数字の正負は波形の極性を示すものである。
【0025】
このような送波信号は被検体内の音響インピーダンスが変化する箇所において反射し、反射した信号は超音波探触子3によって検出される。図5は、このような受波信号の波形を示す図である。ところで、受波信号は、送波信号と同様の基本波成分に加え、超音波が生体内を伝播する際の非線型歪みに起因する高調波成分をも含む。なお、図5ないし図7においては、説明の簡単化のため、3次以上の高調波成分については省略し、基本波成分と2次の高調波成分とを分けて図示している。
【0026】
図5に示すように、送波信号G0及びG1にそれぞれ対応する受波信号GR0およびGR1の基本波成分は、G0およびG1と同様にそれぞれ(1,1,1,−1)および(1,−1,1,1)である。しかし、これらの2次の高調波成分は、図5に示すように、(1,1,1,1)および(1,1,1,1)となっている。これは、高調波が基本波の自乗により発生するためであり、2次の高調波の場合には、すべて正の符号になってしまう。例えば、この例においては、2次高調波成分は基本波成分に対し−20dBで発生している。
【0027】
そして、受波信号は、それぞれG0用の復調フィルタ係数(−1,1,1,1)およびG1用の復調フィルタ係数(1,1,−1,1)を用いて、符号復調がなされる。図6は、受波信号GR0およびGR1をそれぞれ符号復調した信号の波形を示す図である。図6(1)に示すように、GR0を符号復調した信号GRG0は、基本波成分が(−1,0,1,4,1,0,−1)であり、2次の高調波成分が(−1,0,1,2,3,2,1)である。また、図6(2)に示すように、GR1を符号復調した信号GRG1は、基本波成分が(1,0,−1,4,−1,0,1)であり、2次の高調波成分が(1,2,1,2,1,0,1)である。
【0028】
そして、信号GRG0とGRG1とを合成した信号Yを図7に示す。図7に示すように、信号Yの基本波成分は(0,0,0,8,0,0,0)であり、中心に大きさ8の波形が合成され、GRG0とGRG1の基本波成分に見られたタイムサイドローブは相殺され、0となる。しかし、信号Yの2次の高調波成分は、(0,2,2,4,4,2,2)であり、結果的に基本波の8に対し、約−26dBのタイムサイドローブが発生してしまう。
【0029】
そこで、本実施形態においては、符号復調手段の周波数帯域制御フィルタにおいて、受波信号に含まれる高調波成分を低減してから符号復調を行なうことを特徴とする。図3に示す周波数帯域制御フィルタ45は、この高調波成分を低減するためのものである。そして、この周波数帯域制御フィルタ45のカットオフ周波数等に応じたディジタルフィルタ演算用の係数を、符号復調フィルタ用係数切り替え手段51を用いて決定している。以下、このフィルタ係数切換手段51の動作について説明する。図4に示す様に、整相加算部からでた受信信号は、周波数分布検出手段53に入力され、高速フーリエ変換(FFT)によって受信信号は時間応答から周波数応答へと変換される。図8は、整相加算部の出力信号、つまり周波数分布検出手段53の入力信号の波形を示す図である。図9は、この周波数分布検出手段53の出力波形を示す図である。図9に示すように、この出力波形には主に信号の切出し窓に起因して微細なジグザグ状となる。そこで、この信号波形は、平滑フィルタ59に入力され、微細なジグザグ状が誤ってピークとみなされないように平滑化処理を施される。図10は、平滑フィルタ59の出力信号波形を示す図である。次に、この信号は高調波ピーク検出手段61に入力され、高調波成分のピーク周波数を検出される。図3に示すように、平滑フィルタ59の出力信号は高調波ピーク検出手段61の微分演算手段65に入力され、ここで高調波成分に対応する周波数の所定の範囲にわたって、信号強度を時間によって逐次微分される。つまり、微小な区間における変化量Ynが逐次求められる。このとき、周波数fのときの信号強度XをXfとして表わすと、変化量Ynは式1によって表わされる。
Yn=Xn−Xn−1
【式1】
そしてこの変化量がプラスからマイナスに転じる周波数、すなわち信号強度が極大となるピーク周波数fpが検出される。次に、信号波形およびピーク周波数fpが極大値演算手段67に入力される。ここで、ピーク周波数における信号の強度レベルが検出される。
【0030】
そして、本実施形態では、ピーク周波数fpを挟んで、それぞれ信号強度がその極大値Xpよりも6dB低くなる周波数を求め、これらを第1(低域側)および第2(高域側)のカットオフ周波数としている。図11は、第1のカットオフ周波数の求め方を示す図である。図11に示すように、第1レベル比較手段は、ピーク周波数fpから微小周波数Δfずつ周波数を下げながら、その周波数Δfp−n’に対応する信号強度Xp−n’をピークの信号強度Xpと比較し、Xpよりも例えば6dB以上減衰されていたときに、そのときの周波数Δfn’を第1カットオフ周波数検出手段73に入力し、これを第1のカットオフ周波数とする。すなわち、このときの信号強度Xp−n’は、下記の式2を見たし、その周波数Δfp−n’は式3によって表わされる。
20log(Xp−n’/Xp)≦−6dB
【式2】
Δfp−n’=fp−Δf・n
【式3】
図12は、第2のカットオフ周波数の求め方を示す図である。第1のカットオフ周波数を求める場合と逆に、第2レベル比較手段は、ピーク周波数fpから微小周波数Δfずつ周波数を上げながら、その周波数Δfm’(=fp+m・Δf、但しm=1,2,・・,m)に対応する信号強度Xp+m’をピークの信号強度Xpと比較し、Xpよりも例えば6dB以上減衰されていたときに、そのときの周波数Δfm’を第2カットオフ周波数検出手段77に入力し、これを第2のカットオフ周波数とする。すなわち、このときの信号強度Xp+m’は、下記の式4を満たし、その周波数Δfp+m’は式5によって表わされる。
20log(Xp+m’/Xp)≦−6dB
【式4】
Δfp−m’=fp+Δf・m
【式5】
そして、第1および第2のカットオフ周波数は、それぞれ係数演算手段57に入力され、係数演算手段57はこれら第1および第2のカットオフ周波数に応じて所定の減衰レベルが得られるバンドカットフィルタのフィルタ演算用の係数を演算し、出力する。なお、このようなフィルタ係数の演算は、この超音波診断装置による診断に先立って、あるいは診断の途中において随時行われる。このフィルタ係数は、符号復調フィルタ39内の周波数帯域制御フィルタ45に入力される。そして、周波数帯域制御フィルタ45は、このフィルタ係数に応じて、整相加算部33から入力された受信信号から高調波成分を低減する。図13は、周波数帯域制御フィルタ45の出力信号波形を示す図である。そして、周波数帯域制御フィルタ45の出力信号はデコードフィルタ47において、係数メモリ49に記憶されている上述した符号復調フィルタ係数に基づいて符号復調処理される。デコードフィルタ47の出力信号は対コード合成手段43およびラインメモリ41に入力され、ラインメモリ41は所定の時間間隔遅延させてから信号を対コード合成手段43に出力する。これによって、時間間隔をおいて送信された一対の送信信号G0、G1にそれぞれ対応する受信信号GR0およびGR1をそれぞれ符号復調した符号復調信号GRG0と、GRG1との合成が対コード合成手段43にて行われる。つまり、ラインメモリ41に記憶されていた符号復調信号GRG0と、デコードフィルタ47から直接対コード合成手段43に入力された符号復調信号GRG1とが合成される。そして、GRG0とGRG1とが合成された信号Yは、検波部37に送られる。
【0031】
以上のように、本実施形態によれば、受信信号の2次成分を低減することによって基本波成分が相対的に強調された受信信号を符号復調できるから、2次成分起因のタイムサイドローブが低減され、符号化送受信を行う超音波診断装置の時間応答を向上することができる。
【0032】
次に、本発明を適用してなる超音波診断装置の参考例について説明する。説明の簡単のため、第1の実施形態に係る超音波診断装置におけるものと同一のものについては同一の符号を付して説明を省略する。
【0033】
参考例の超音波診断装置は、第1の実施形態に係るものとフィルタ係数切換手段の構成のみにおいて相違する。図14は、本参考例の超音波診断装置の係数切換手段51’の構成を示す図である。図14に示すように、係数切換手段51’は、整相加算部33の出力信号が入力される高調波検出手段81と、高調波検出手段81の出力信号がそれぞれ入力される周波数分布検出手段53’および周波数帯域制御フィルタ83と、周波数分布検出手段53’の出力信号に応じてフィルタ係数を求めるパラメータ検出手段55’と、パラメータ検出手段55’および周波数帯域制御フィルタ83の出力信号がそれぞれ入力される最小二乗演算手段85とを有して構成されている。高調波検出手段81は、整相加算部33から入力された受信信号の基本波成分を低減するハイパスフィルタである周波数帯域制御フィルタ87と、周波数帯域制御フィルタ87に提供されるフィルタ係数を保持してなるSRAMを有する係数メモリ89とを有する。また、最小二乗演算手段85は、周波数帯域制御フィルタ83の出力信号の信号強度の二乗を演算して積分する二乗演算手段91と、以前行った二乗演算の結果を保持する最小値保持手段93と、二乗演算手段91の出力信号と最小値保持手段93に保持されている値とを比較し、二乗演算手段91の出力信号のほうが小さかった場合にはその値を最小値保持手段93に上書きする比較手段95とを有する。そして、この場合の周波数帯域制御フィルタのフィルタ係数をパラメータ検出手段55’から入力され、保持する係数保持手段97とを有して構成されている。なお、このような最小二乗演算手段は、MPU、DSP、ASICおよびPLD等の演算手段と、レジスタ、ルックアップテーブル等を組み合わせて構成することができる。
【0034】
以下、本参考例の超音波診断装置特有の動作について説明する。先ず、整相加算部33の出力信号が周波数帯域フィルタ87に入力される。図15は、整相加算部33の出力信号を周波数領域において表わした図である。周波数帯域フィルタ87において、この信号のうち基本波成分に対応する所定の低周波成分が低減される。そして、周波数帯域制御フィルタ87の出力信号は、第1の実施形態における周波数分布検出手段53と同様に構成される周波数分布検出手段53’に入力され、ここで時間領域から周波数領域に変換される。図16は、周波数分布検出手段53’の出力信号の波形を示す図である。図15と比較すると明らかなように、基本波成分が低減されているのがわかる。そして、パラメータ検出手段55’において、上述した第1の実施形態のパラメータ検出手段55と同様にして2次成分のピーク値及び、ピーク値から所定のリジェクションレベルだけ低減された第1および第2のカットオフ周波数を検出する。ここで、本参考例においては、パラメータ検出手段55’は、リジェクションレベルを少しずつ異ならせながら複数のフィルタ係数を順次算出する。そして、周波数帯域フィルタ83は、そのそれぞれのフィルタ係数に応じて周波数帯域制御フィルタ87の出力信号にバンドカットフィルタ処理を行なう。図17は、周波数帯域制御フィルタ83の出力信号を周波数領域において表わしたものである。
【0035】
そして、最小二乗演算手段85は、パラメータ検出手段55’が順次出力した複数のフィルタ係数の中から、周波数帯域制御フィルタ83の出力信号の二乗を積分した値が最小となるものを選択する。すなわち、二乗演算手段手段91は周波数帯域制御フィルタ83の出力信号の強度を二乗し、所定の周波数帯域にわたって積分した値を演算する。そして、比較手段91は最初に二乗演算手段が出力した値を最小値保持手段93に保持させる。一方、そのときのフィルタ係数は、係数保持手段97に保持される。そして、比較手段91は、その後のフィルタ係数に対応する二乗演算手段91の出力値と、最小値保持手段93に保持された値とを比較し、二乗演算手段91の出力値のほうが小さい場合には、その値を最小値保持手段93に保持させるとともに、係数保持手段97は、対応するフィルタ係数を保持する。そして、符号復調フィルタ39は、係数保持手段97に保持されたフィルタ係数を用いて、上述した第1の実施形態と同様の処理を行なう。
【0036】
以上のように、本参考例によれば、上述した第1の実施形態の効果に加え、いわば候補となる複数のフィルタ係数を準備し、その中で2次成分を最も効果的に低減できるフィルタ係数を選択して用いることができるから、受信信号の2次成分をより一層低減し、換言すれば基本波成分をより一層強調することができる。そして、この受信信号を符号復調することによって、2次成分に起因するタイムサイドローブをさらに低減することができる。
【0037】
なお、上述した実施形態及び参考例では、符号としてゴーレイ符号を用いたが、他の符号を用いてもよい。例えば、バーカー(Barker)符号を用いてもよい。バーカー符号を用いる場合にはゴーレイ符号と異なり1回の超音波送受信で符号変調、復調ができるから、対コード合成手段は不要である。
【0038】
また、上述した実施形態及び参考例では、高調波成分として2次成分を低減する場合について説明したが、3次以上の成分を低減してもよい。なお、上述したゴーレイ符号を用いる場合には偶数次の高調波成分が問題となるので、偶数次の高調波成分を低減するとよい。ただし、生体を対象とした超音波診断装置の場合、2次成分による影響が大きいので、上述した実施形態及び参考例のように2次成分を低減することによる効果が特に大きい。
【0039】
また、上述した実施形態及び参考例では、受信信号の周波数分布を検出するのに高速フーリエ変換処理を行なっているが、この他の方法であってもよく、たとえばウェーブレット(Wavelet)変換を用いてもよい。この場合、ウェーブレット変換を演算する演算手段は、MPU、DSP、ASICおよびPLD等を組み合わせて構成することができる。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、符号化送受信を行う超音波診断装置の時間応答を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなる超音波診断装置の第1の実施形態の構成を示す図である。
【図2】図1の超音波診断装置の符号復調手段の構成を示す図である。
【図3】図1の超音波診断装置の係数切換手段の構成を示す図である。
【図4】ゴーレイ符号を用いた送信信号G0、G1の波形を示す図である。
【図5】ゴーレイ符号を用いた送信信号に対する受信信号GR0、GR1の波形を示す図である。
【図6】図5の受信信号を復号した信号GRG0、GRG1の波形を示す図である。
【図7】図6の復号された受信信号を合成した信号Yの波形を示す図である。
【図8】図1の超音波診断装置の整相加算部の出力信号波形を示す図である。
【図9】図1の超音波診断装置の周波数分布検出手段の出力信号波形を示す図である。
【図10】図1の超音波診断装置の平滑フィルタの出力信号波形を示す図である。
【図11】図1の超音波診断装置の第1のカットオフ周波数の求め方を示す図である。
【図12】図1の超音波診断装置の第2のカットオフ周波数の求め方を示す図である。
【図13】図1の超音波診断装置の周波数帯域制御フィルタの出力信号波形を示す図である。
【図14】 本発明を適用してなる超音波診断装置の参考例の係数切換手段の構成を示す図である。
【図15】図14の超音波診断装置の整相加算部の出力信号を周波数領域で表わした図である。
【図16】図14の超音波診断装置の周波数分布検出手段の出力信号の波形を示す図である。
【図17】図14の超音波診断装置の周波数帯域フィルタ83の出力信号を周波数領域で表わした図である。
【符号の説明】
1 超音波診断装置
3 超音波探触子
5 送信部
7 受信部
11 画像処理部
35 符号復調手段
45 周波数帯域制御フィルタ
47 デコードフィルタ
51 フィルタ係数切換手段

Claims (2)

  1. 超音波探触子と、前記超音波探触子を介して被検体に複数の超音波信号を時間軸方向に分散して符号化した送波信号を送信する送信部と、前記超音波探触子を介して被検体からのエコー信号を受信し、受信した信号を前記符号化された送波信号に対応して予め定められた復調係数を用いて符号復調処理する受信部と、前記受信部の出力信号に基づいて前記被検体の音響情報を演算する画像処理部とを有し、前記受信部は、前記エコー信号から符号復調の妨げとなる高調波成分を低減するフィルタを含むとともに、前記エコー信号の周波数分布を検出する周波数分布検出手段と、該周波数分布に基づいて低減対象の周波数成分と信号強度からなる高調波分布を求めて前記フィルタの特性を調節するフィルタ帯域演算手段とを有することを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記フィルタ帯域演算手段は、前記周波数分布に基づいて低減対象の高調波成分の信号強度が極大となるピーク周波数及びピーク信号強度と、前記ピーク信号強度よりも信号強度が所定量低い周波数とを検出して、前記高調波分布を求めて前記フィルタの特性を調節することを特徴とする請求項に記載の超音波診断装置。
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