JP4109933B2 - 磁気粘性流体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、経時的に安定した磁気粘性特性を発現し、かつ、広い温度範囲、とりわけ低温においても大幅な粘度上昇をおこさない磁気粘性流体に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気粘性流体、磁性流体、又は、磁気レオロジー材料と呼ばれる、磁場に感応してその流体特性が変化する液状組成物は公知である。例えば、非特許文献1には、既に磁界に感応する磁性体含有液状組成物の記述が見られる。また、特許文献1には分散剤としてオレイン酸鉄等を含有する磁気粘性流体が開示されている。その他、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5等にも磁気粘性流体に関する技術が開示されている。
【0003】
これらの磁気粘性流体は何れも、平均粒子径が0.1〜十数μmの磁性粒子を液状媒体中に分散させたものであり、外部から磁場が加えられると分散された磁性粒子が磁場の方向に配向して鎖状のクラスタを形成することにより、増粘又はゲル化し、著しくその流動特性や降伏応力が変化するものである。なお、近年、平均粒子径が10nm前後の磁性粒子を液状媒体中に分散させたものは磁性流体と呼ばれているが、磁場に対する特性が大きく異なることから、本明細書における磁気粘性流体とは区別される。
【0004】
これらの磁気粘性流体の利用分野としては、軸受け、シール材、センタリング材、スピーカー、クラッチ、ブレーキ、ダンパー、緩衝器、エンジンマウントや昇降機能用部材、建築物制震装置等が提案されてきた。
これらのうち、クラッチ、ブレーキ、ダンパー、緩衝器等の用途においては、経時的に安定していることに加えて、広い温度範囲において磁気粘性流体としての特性を発現させることが求められる。
【0005】
磁気粘性流体が上述の特性を発現するためには、流体中の磁性粒子が均一に分散していることが必要である。しかし、磁性粒子の密度は、媒体の密度に比較して非常に大きいため、磁性粒子が沈殿しやすく、経時的に優れた分散安定性を付与することは困難であった。
磁気粘性流体の分散安定性を向上させるには、粘度の大きな媒体を用いることが有用であるが、あまりにも粘度の大きな媒体を用いることは磁気粘性流体自身の粘度をも上げることにつながり、取り扱いが困難になるという問題があった。
【0006】
一方、低温から高温までの広い温度範囲において磁気粘性流体としての特性を発現させるには、シリコン油をベースにした磁気粘性流体を用いることが有効である。しかし、シリコン油は優れた温度特性を発揮するものの、高価である、潤滑性に劣る、その分子構造から使用できる材料が制限される等の短所があるため使用範囲が限定されることがあるという問題があった。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第2661596号明細書
【特許文献2】
米国特許第3006656号明細書
【特許文献3】
米国特許第4604229号明細書
【特許文献4】
特開昭51−13995号公報
【特許文献5】
特開昭51−44579号公報
【非特許文献1】
AIEE Transactions、「磁気流体の特性」、1955年2月、p.149−152(J.D.クーリッジJr.及びR.W.ハルバーグ著の論文第55−170)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、これまでに、炭化水素系油及びスメクタイト有機誘導体からなる媒体に磁性粒子を分散させることにより、25℃、歪み10%での複素弾性率G*が1〜100000Paであり、かつ、損失係数tanδが0.001〜50である磁気粘性流体を完成し、提供してきた。この磁気粘性流体は、磁性粒子の分散安定性に優れており、軸受け、シール材、センタリング材、スピーカー、クラッチ、ブレーキ、ダンパー、緩衝器、エンジンマウントや昇降機能用部材、建築物制震装置等の用途に好適に用いることができた。
しかしながら、炭化水素系油は極性が小さいことから、磁性粒子の沈降を防止させるようスメクタイト有機誘導体に水素結合を発現させるためには高級アルコール/水や炭酸プロピレン等の極性添加剤(邂膠剤)を添加する必要があり、−30〜−40℃の低温領域においてはこの極性添加剤(邂膠剤)の粘度が上昇することにより磁気粘性流体の粘度が大幅に上昇してしまうことがあった。
本発明は、上記現状に鑑み、経時的に安定した磁気粘性特性を発現し、かつ、広い温度範囲、とりわけ低温においても大幅な粘度上昇をおこさない磁気粘性流体を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、特定の添加剤を含有する媒体を用いることにより、経時的に安定した磁気粘性特性を発現し、かつ、広い温度範囲、とりわけ低温においても大幅な粘度上昇をおこさない炭化水素系油ベースの磁気粘性流体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、炭化水素系油及びセピオライト有機誘導体からなる媒体に磁性粒子が分散している磁気粘性流体であって、25℃、歪み10%での複素弾性率G*が1〜100000Paであり、かつ、損失係数tanδが0.001〜50である磁気粘性流体である。
以下に本発明を詳述する。
【0010】
本発明の磁気粘性流体は、媒体に磁性粒子が分散している磁気粘性流体であって、25℃、歪み10%での複素弾性率G*が1〜100000Paであり、損失係数tanδが0.001〜50である。また、媒体についても、25℃、歪み10%での複素弾性率G*が1〜100000Paであり、損失係数tanδが0.001〜50であることが好ましい。
複素弾性率G*が1Pa未満であると、弾性率が小さすぎるために磁気粘性流体の安定性が乏しく、100000Paを超えると、磁気粘性流体の流動性が乏しくなり、取り扱いが困難になる。また、損失係数tanδが0.001未満であると、流動性が乏しくなり、50を超えると、磁気粘性流体の安定性が乏しくなる。本発明の磁気粘性流体は、損失係数tanδが0.001〜50と比較的小さいため、不使用時には磁気粘性流体の粘度が大きく、使用時には粘度が小さくなるという機能を有している。
【0011】
本発明の磁気粘性流体は、−30℃、歪み200%、周波数1Hzでの複素粘度が100Pa・s以下であることが好ましい。100Pa・sを超えると、低温下における流動性が乏しくなり、取り扱いが困難になることがある。
【0012】
上記媒体は、炭化水素系油及びセピオライト有機誘導体からなる。炭化水素系油に添加剤としてセピオライト有機誘導体を添加したものを媒体として用いることにより、上述の粘弾特性を発現することができる。
上記炭化水素系油としては、例えば、高級アルキルベンゼン、高級アルキルナフタレン、ポリブテン、ポリαオレフィン油等を挙げることができる。これらの炭化水素系油は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記炭化水素系油は、セピオライト有機誘導体との濡れ性を充分に発現させるため、10重量%以上の芳香族化合物を含んでいることがより好ましい。
【0013】
上記セピオライト有機誘導体とは、セピオライトの第4級アンモニウム塩、有機アミン塩、アルカリ金属塩のことを意味する。なかでも、第4級アンモニウム塩が好適に用いられる。
媒体に上記セピオライト有機誘導体を添加することにより媒体及び/又は磁気粘性流体の損失係数tanδを0.001〜50とすることができる。
上記セピオライト有機誘導体が媒体及び/又は磁気粘性流体の損失係数tanδを小さくする機構は、有機ベントナイトや有機スメクタイト等の膨潤性粘土鉱物による機構とは全く異なっているものと考えられる。膨潤性粘土鉱物は、層状化合物であり、層間に極性添加剤を取り込み、自身の数倍から数十倍にまで膨潤することによって損失係数tanδを小さくすることができる。しかし、極性の小さい炭化水素系油では、膨潤性粘土鉱物間に水素結合を結ぶための極性添加剤(邂膠剤)を別に添加しないと損失係数tanδを小さくすることができない。一方、セピオライト有機誘導体は、凝集塊を高せん断・高分散させるだけで3次元網目構造を形成することから、極性添加剤(邂逅剤)を添加しなくても媒体の損失係数tanδを小さくする効果が得られる。したがって、低温においても極性添加剤(邂逅剤)の粘度上昇に基づく不必要な磁気粘性流体の粘度上昇が起きることがない。
【0014】
上記セピオライト有機誘導体の添加量は、炭化水素系油100重量部に対して0.1〜20重量部であることが好ましい。0.1重量部未満であると、磁気粘性流体の損失係数tanδが50を超え充分な分散安定性が得られないことがあり、20重量部を超えると、媒体の複素弾性率が100000Paより大きくなるために、磁気粘性流体の流動性が阻害されることがある。
【0015】
上記磁性粒子としては磁性を有するものであれば特に限定されず、鉄、窒化鉄、炭化鉄、カルボニル鉄、二酸化クロム、低炭素鋼、ニッケル、コバルトや、アルミニウム含有鉄合金、ケイ素含有鉄合金、コバルト含有鉄合金、ニッケル含有鉄合金、バナジウム含有鉄合金、モリブデン含有鉄合金、クロム含有鉄合金、タングステン含有鉄合金、マンガン含有鉄合金、銅含有鉄合金等の鉄合金からなる粒子及びこれらの混合物からなる粒子を挙げることができる。
【0016】
上記磁性粒子の粒子径は0.01〜100μmであることが好ましい。0.01μm未満であると、粒子径が小さすぎるために得られた磁気粘性流体の磁場印加時の大幅な粘度上昇は期待できないことがあり、100μmを超えると、媒体中での磁性粒子の沈降が生じやすくなるために磁気粘性流体の分散安定性が低下することがある。より好ましくは0.5〜20μmである。
【0017】
上記磁性粒子の配合量は、磁気粘性流体全体に対して10〜90重量%であることが好ましい。10重量%未満であると、得られた磁気粘性流体の磁場印加時の粘度上昇が小さく、90重量%を超えると、磁気粘性流体の流動性が低下することがある。より好ましくは、50〜85重量%である。
【0018】
本発明の磁気粘性流体においては、分散安定性を高めることを目的として、媒体の特性を阻害しない範囲において分散剤を使用することができる。上記分散剤としては、例えば、パーフルオロエーテルカルボン酸塩、パーフルオロカルボン酸アミド、オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸、ミリスチン酸、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸アンモニウム、ステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、エルカ酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸カリウム、ベヘン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、ジアルコキシルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、アルコール硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸、リン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリンエステル、アミノアルコールエステル、又は、下記一般式(1)で表されるシランカップリング剤等を挙げることができる。これらの分散剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
【0019】
【化1】
【0020】
式中、Yは(CH2)k又はC6H4CH2CH2を表し、kは1〜4の整数を表し、Rはアルキル基(メチル、エチル、プロピル、ブチル基等)を表し、Lはハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ基)、アシルオキシ基(ホルミル、アセトキシ、ピロビオニルオキシ、ブチリルオキシ基)を表し、aは1〜20の整数を表し、bは1〜3の整数を表す。
【0021】
本発明の磁気粘性流体は、その磁気粘性特性に重大な影響を与えない限りにおいて、酸化防止剤、老化防止剤、安定剤、防腐剤、粘度調製剤、難燃剤や界面活性剤等の添加剤を併用することができる。
【0022】
本発明の磁気粘性流体は、媒体中に磁性粒子及び添加剤を混入後ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、三本ロール等の分散機で混合することにより得ることができる。
【0023】
本発明の磁気粘性流体は、媒体として炭化水素系油にセピオライト有機誘導体を添加したものを用いることにより、磁性粒子の分散安定性に優れ、かつ、広い温度範囲、とりわけ低温下でも大幅な粘度上昇を起こすことがない。
本発明の磁気粘性流体の用途としては特に限定されず、例えば、軸受け、シール材、センタリング材、スピーカー、クラッチ、ブレーキ、ダンパー、緩衝器、エンジンマウントや昇降機能用部材、建築物制震装置等に好適である。
【0024】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0025】
(実施例1)
表1に示した組成で、下記の方法により磁気粘性流体を作製した。
ポリ−α−オレフィン(出光石油化学社製:PA05002、粘度1.8cP(100℃))にセピオライト有機誘導体(TOLSA社製:パンゲルB−20)を混合し、ホモジナイザーにより3000rpm×10分間攪拌して、媒体を作製した。媒体と磁性粒子(BASF社製:カルボニル鉄粉CM)とをヘラを用いて予備混合した後、その予備混合物を内径90mm、容量900mLのポットに200mLになるように投入し、更に1/2インチスチールボール2000gを入れ、ボールミル回転台で100rpm×24時間回転させ、磁気粘性流体を作製した。
【0026】
(実施例2)
表1に示した組成で、下記の方法により磁気粘性流体を作製した。
アルキルベンゼン(総研化学社製:NeoSK−OIL 170、粘度1.3cP(0℃))にセピオライト有機誘導体(TOLSA社製:パンゲルB−20)を混合し、ホモジナイザーにより3000rpm×10分間攪拌して、媒体を作製した。次いで、分散剤としてステアリン酸をトルエンに溶解させた所定量の溶液に磁性粒子(BASF社製:カルボニル鉄粉CM)を浸し、トルエンを揮発させた後、媒体と予備混合させた。その予備混合物を内径90mm、容量900mLのポットに200mLになるように投入し、更に1/2インチスチールボール2000gを入れ、ボールミル回転台で100rpm×24時間回転させ、磁気粘性流体を作製した。
【0027】
(実施例3)
表1に示した組成で、下記の方法により磁気粘性流体を作製した。
分散剤としてステアリン酸をトルエンに溶解させた所定量の溶液に磁性粒子(BASF社製:カルボニル鉄粉CM)を浸し、トルエンを揮発させた後、媒体と予備混合した以外は実施例1と同様の方法により、磁気粘性流体を作製した。
【0028】
(比較例1)
表1に示した組成で、下記の方法により磁気粘性流体を作製した。
分散剤であるステアリン酸を予めポリ−α−オレフィン(出光石油化学社製:PA05002、粘度1.8cP(100℃))に70℃で溶解させた後に、磁性粒子(BASF社製:カルボニル鉄粉CM)を混合させた。その混合物を内径90mm容量900mLのポットに200mLになるように投入し、更に1/2インチスチールボール2000gを入れ、ボールミル回転台で100rpm×24時間回転させ、磁気粘性流体を作製した。
【0029】
(比較例2)
表1に示した組成で、下記の方法により磁気粘性流体を作製した。
ポリ−α−オレフィン(出光石油化学社製:PA05002、粘度1.8cP(100℃))にスメクタイト有機誘導体(RHEOX社製:ベントン34)及び極性添加剤として炭酸プロピレンを混合し、ホモジナイザーにより3000rpm×10分間攪拌して、媒体を作製した。媒体と磁性粒子(BASF社製:カルボニル鉄粉CM)とをヘラを用いて予備混合した後、その予備混合物を内径90mm、容量900mLのポットに200mLになるように投入し、更に1/2インチスチールボール2000gを入れ、ボールミル回転台で100rpm×24時間回転させ、磁気粘性流体を作製した。
【0030】
【表1】
【0031】
実施例1〜3及び比較例1、2で得られた磁性粘性流体について、以下の項目についての評価を行った。結果を表2に示した。
(1)磁気粘性流体及び媒体の粘弾特性
平行平板型粘弾性装置により25℃、歪み10%、周波数0.1Hzの条件での磁気粘性流体及び媒体の複素弾性率G*と損失係数tanδを測定した。
【0032】
(2)低温時の粘度特性
平行平板型粘弾性装置により−30℃、歪み200%、周波数1Hzの条件での磁気粘性流体の複素粘度を測定した。
【0033】
(3)初期磁気粘性特性
図1に示すシリンダー装置に作製直後の磁気粘性流体を充填し、磁場0及び900ガウス・周波数1Hz・振幅10mmで振幅−荷重を測定した。図2に測定例を示した。
1.磁場0時の荷重を読み取った。
2.磁場0時の振幅−荷重ループの面積に対する磁場900ガウス時の振幅−荷重ループ面積の比より、磁場0時の損失エネルギーに対する900ガウス時の損失エネルギーの増加率を算出した。なお、いずれの磁気粘性流体においても損失エネルギーは3サイクル目には一定値となり、3サイクル目の損失エネルギーを採用した。
【0034】
(4)磁気粘性特性の回復性
初期磁気粘性特性測定後、磁気粘性流体を充填したままシリンダー装置を25℃で3カ月間静置させた。3カ月経過後、室温下24時間放置させた後、磁場0時の振幅−荷重を測定し、上記(3)で測定した作製直後の損失エネルギー値に至るまでのサイクル数を記録した。その後、直ちに900ガウスを印加し、3サイクル目の損失エネルギーを測定し、損失エネルギー増加率を算出した。
【0035】
(5)25℃における分散安定性
メスシリンダーに作製直後の磁気粘性流体を25mL入れ、25℃で3カ月静置させた。3カ月後の上澄み層の容量を測定した。
【0036】
(6)50℃における分散安定性
メスシリンダーに作製直後の磁気粘性流体を25mL入れ、50℃で3カ月静置させた。3カ月後の上澄み層の容量を測定した。
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、経時的に安定した磁気粘性特性を発現し、かつ、広い温度範囲、とりわけ低温においても大幅な粘度上昇をおこさない磁気粘性流体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いた磁気粘性特性測定装置の模式図である。
【図2】磁気粘性特性の測定例を示す図である。
【符号の説明】
1 分散安定化磁気粘性流体
2 シリンダー
3 ピストン
4 電磁石
5 油圧サーボ試験機
6 制御・計測用パソコン
7 変位―荷重ループ
8 磁場0時の変位―荷重ループ
9 磁場900ガウス時の変位―荷重ループ
Claims (3)
- 炭化水素系油及びセピオライト有機誘導体からなる媒体に磁性粒子が分散している磁気粘性流体であって、
25℃、歪み10%での複素弾性率G*が1〜100000Pa、損失係数tanδが0.001〜50であり、
−30℃、歪み200%、周波数1Hzでの複素粘度が100Pa・s以下であり、
前記炭化水素系油は、高級アルキルベンゼン、高級アルキルナフタレン、ポリブテン及びポリαオレフィン油からなる群より選択される少なくとも1種であり、
前記セピオライト有機誘導体は、セピオライトの第4級アンモニウム塩、有機アミン塩及びアルカリ金属塩からなる群より選択される少なくとも1種で、かつ当該セピオライト有機誘導体の添加量は前記炭化水素系油100重量部に対して0.1〜20重量部であり、
前記磁性粒子の配合量は、前記磁気粘性流体全体に対して10〜90重量%である
ことを特徴とする磁気粘性流体。 - 炭化水素系油は、10重量%以上の芳香族化合物を含んでいることを特徴とする請求項1記載の磁気粘性流体。
- 媒体は、25℃、歪み10%での複素弾性率G*が1〜100000Paであり、かつ、損失係数tanδが0.001〜50であることを特徴とする請求項1又は2記載の磁気粘性流体。
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