JP4109925B2 - 圧電アクチュエータ及び圧電アクチュエータ付き電子機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は流体中でも駆動できる圧電アクチュエータ、特に医療機器等への応用が期待される超小型のモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、各種電子機器の駆動源として電磁型のモータが広く一般的に使われている。また、最近では小型で高トルク、磁気の影響を受けず発生もしない等の特徴を有する超音波モータも使われ始めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら例えば超音波内視鏡において、超音波センサーの駆動をさせようとした場合、極めて小型の構造が要求されるが電磁型のモータは巻き線を有し、小型化が難しいだけでなく、小型化するとトルクが極めて小さくなると共に、高速になるためこれらセンサーの駆動を行うには減速機構が必要となる。また小型で低速、高トルクの超音波モータを用いた場合、超音波センサーから入出力する超音波信号を減衰させない様に超音波内視鏡の周囲はオイル等の流体で満たされており、ロータと振動体間の摺動面にオイル等の流体が入らないようにシール等の工夫が必要なため、機構の大型化ともにトルクの損失を招いてしまう。更には、シールによる損失トルクの変動により回転数の変動も招く恐れがあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は圧電素子を有する振動体と、振動体の振動変位方向に設けられ、振動変位方向に凹部を有する移動体と、移動体を振動体に加圧する機構と、振動体と移動体の間に介在する流体とによって構成され、振動体の振動によって発生する流体の圧力によって、移動体を駆動することを特徴とする圧電アクチュエータを用いる。
これによれば一般的な超音波モータにおいて用いている固体の摩擦力を用いずに、オイル等の流体を介して移動体を駆動する圧電アクチュエータを提案するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を基に説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1にかかわる圧電アクチュエータを示す図である。
【0006】
この圧電アクチュエ−タの断面図である図1(a)において、円筒状の圧電素子1の内周面、外周面には電極1aが設けられており、圧電素子1は径方向に分極処理されている。二つの電極間に所定の周波数の電圧信号を印加することにより、圧電素子1は中央部を節とし、両端部で振幅が最大となる縦振動を発生する。
【0007】
振動体1は振動の節となる中央部を支持部材2で支持され、ケーシング3の内面に固定されている。ケーシング3内にはオイル等の液体、空気等の気体からなる流体100で満たされている。振動体1の端面にはロータ5が配置されている。ロータ5に設けられた中心軸5bはケーシング3に設けられた軸受け4で案内されている。ロータ5と軸受け4の間にはばね6が設けられ、ロータ5を圧電素子1からなる振動体に押し付ける方向に力が働いている。
【0008】
また、ロ−タ5を圧電素子厚み方向から見た図1(b)において、ロータ5の振動体側の面内にはスパイラル状に複数の凹状の溝5aが設けられている。圧電素子1からなる振動体が超音波領域の振動をすると、ロータ5には圧電素子1とロータ5との間にある流体から高い圧力を受けるいわゆるスクイーズ効果が発生する。このとき、ロータ5にはスパイラル状の溝5aが設けられているため、溝5a内に働く流体の圧力により、ロータ5には回転力が生じる。
【0009】
ここで、振動体の形態は本実施の形態に示したものに限るものではなく、同一方向に変位するものであれば良く、例えばランジュバン型の振動子やバイモルフ構造等からなる撓み振動子を用いても構わない。
【0010】
図2は本実施の形態のロータの変形例を示すものである。ロータ7には厚み方向に対して一定の角度を有する凹状の溝7aがロータ7の外周一周に渡って設けられている。また、ロータ7に設けられた中心軸7bは、ロ−タ7の溝7aが設けられた面と反対側に延びている。この場合、振動体の振動により生じた流体の圧力は溝7aの一方の側面7a’に働くため、ロータ7は回転する。
(実施の形態2)
実施の形態2を図3を基にして説明する。
【0011】
この圧電アクチュエ−タの断面図である図3(a)において、円板状の圧電素子8の表裏面には電極が設けられており、圧電素子8は厚み方向に分極処理されている。二つの電極間に所定の周波数の電圧信号を印加することにより、圧電素子8は厚み方向に振動する。
【0012】
圧電素子8の一方の面には発泡ポリスチレン等からなる吸音材9が接合されており、ケーシング10の底面に固定されている。ケーシング10内にはオイル等の液体、空気等の気体からなる流体100で満たされている。圧電素子8の他方の面側にはロータ11が配置されている。ロータ11に設けられた中心軸11bはケーシング10に設けられた軸受け12で案内されている。ロータ11と圧電素子8の間には一定の間隔が保たれている。
【0013】
圧電素子8が振動すると圧電素子8の吸音材が設けられていない面からロータ11の方向に向けて超音波が放射される。この際、超音波の波長に対しロータ11の大きさは十分大きいため、ロータ11が障害となりロータ11の、圧電素子8側である第一の面側のオイル100aと、第一の面と対向する第二の面側のオイル100bとには放射圧に差が生じる。即ち100aでは圧力が高く、100bでは圧力が低い状態となるが、ロ−タ11を圧電素子方向から見た図3(b)において、ロータ11の側面にはスパイラル状に複数の凹状の溝11aがロ−タ11の厚み方向に対して傾斜を有し設けられていることにより、溝11aの傾斜部に圧力が生じ、ロータ11には回転力が生じる。
【0014】
ここで、振動体の形態は本実施の形態に示したものに限るものではなく、同一方向に変位するものであれば良く、例えばランジュバン型の振動子やバイモルフ構造からなる撓み振動子を用いても構わない。
【0015】
尚、ロータには図2で示した構造のものを用いても構わない。
【0016】
そして、これまで実施の形態1及び2で、回転型のアクチュエータについてのみ述べてきたが、本発明のアクチュエータの原理はリニヤ型のアクチュエータにも展開が可能である。
(実施の形態3)
実施の形態3を図4を基にして説明する。本実施の形態では、前述の本発明にかかわる圧電アクチュエータをカテーテル(電子機器の例)に適用した例を示す。図4に示すように、内視鏡先端部に本発明の圧電アクチュエータ19を配置し、回転軸20にミラー13を取り付ける。圧電アクチュエ−タ19への電力の供給はリ−ド線1bによってなされる。ここで、圧電アクチュエ−タ19と回転軸20は、実施の形態1で述べた圧電アクチュエ−タ3と回転軸5bまたは7bでも良いし、実施の形態2で述べた圧電アクチュエ−タ10と回転軸11bまたは7bでも良い。
【0017】
内視鏡の管部にはオプティカルファイバー14が通されており、支持部材15でケーシング16に固定されている。オプティカルファイバー14の一端(ミラー13と反対側(体外))に設けられた超音波振動子からの超音波信号17を導くと共に、ミラー13を介して患部に照射し、戻ってくる信号を再度ミラー13を介して体外の超音波振動子まで導く働きをする。内視鏡の先端部、即ちオプティカルファイバー14とミラー13の間には体液や患部と音響インピーダンスの整合が取れたオイル等の液体100で満たされており、超音波信号を減衰させないように患部に照射し、戻ってきた信号を効率良く超音波振動子に戻す働きをする。
【0018】
このように本発明の圧電アクチュエータ19により超音波信号を血管内面や臓器等の内面を360度観察することのできる超音波内視鏡を構成する。従来の超音波モータではロータと振動体の摺動部にオイルが入り込まないようにシール等の工夫をしなければならなかったが、本発明の圧電アクチュエータ19を用いることにより、オイル100自身を駆動の伝達に使えるためシールによるトルクのロスや機構部の大型化、複雑化を防ぐことが可能となるとともに、シールがない為に、より回転速度の安定化が図られ、得られる画像の精度もよくなる。尚、オプテイカルファイバー14を用いずに、超音波振動子を直接回転させても良い。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば駆動源に圧電素子を用いることで小型、高トルク、低速回転が実現できるとともに流体を利用する原理とすることでシール等の工夫が必要ないためアクチュエータの損失がないばかりでなく構造も簡素化、小型化される。そして、磁気の影響を受けず発生もしないため、MRIを始めとする磁気を用いる計測器等の環境下でも使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかわる圧電アクチュエータを示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかわる圧電アクチュエータのロータの別の例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態2にかかわる圧電アクチュエータを示す図である。
【図4】本発明の圧電アクチュエータをカテーテル(超音波内視鏡)に応用した例を示す図である。
【符号の説明】
1、8 圧電素子
3、10 圧電アクチュエータ
5、7、11 ロータ
13 ミラー
14 オプテイカルファイバー
Claims (6)
- 圧電素子を有する振動体と、前記振動体の振動変位方向に設けられ、前記振動変位方向に凹部を有する移動体と、前記移動体を前記振動体に加圧する機構と、前記振動体と前記移動体の間に介在する流体とによって構成され、前記振動体の振動によって発生する前記流体の圧力によって、前記移動体を駆動することを特徴とする圧電アクチュエータ。
- 前記凹部は前記移動体の、前記振動体側の面内にスパイラル状に設けられていることを特徴とする請求項1記載の圧電アクチュエータ。
- 前記凹部は前記移動体の厚み方向に対して傾斜を有すること
を特徴とする請求項1記載の圧電アクチュエータ。 - 前記振動体の振動は前記振動体の厚み方向への変位であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の圧電アクチュエータ。
- 前記振動体の両端のうち、前記移動体側と反対の端部には吸音材が設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の圧電アクチュエータ。
- 請求項1から5のいずれかに記載の圧電アクチュエータを搭載した電子機器。
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