JP4109660B2 - オートクレーブの熱風循環方法・装置 - Google Patents

オートクレーブの熱風循環方法・装置 Download PDF

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Description

本発明は、航空機、レーシングカー、産業機械等の部品としての複合材料(FRP、CFRPなど)を用いた積層構造体又は強化合せガラス、プラズマディスプレーガラス等の成形材料を加圧、加熱して、硬化、接着・成形するのに用いられるオートクレーブにおける熱風循環方法及びその装置に関する。
従来、接着又は圧着成形する材料をオートクレーブ内で加圧、加熱する際の、オートクレーブ内における熱風循環方法として、例えば、特開昭58−62018号公報、特開昭60−258996号公報、特開昭61−94742号公報、特開昭62−28228号公報、特開平2−14730号公報記載のもの等、多数が知られている。
これらの構成は、大方、図4(a)に示すように、一方開放端に密閉可能な扉(蓋)1を備えた筒形圧力容器2内に、これと同心に両端開放の筒形マッフル炉3を配置して圧力容器内壁とマッフル炉外壁との間に外通風路(風胴)4を設けると共に、マッフル炉3の開放端の一方に前記マッフル炉と直列にヒーター5・クーラー6を配置し、これと直列に圧力容器2の軸心方向一端外部に設備したモーター7の回転軸を容器底壁を貫いて内部に延長させ、その先端に取り付けた循環ファン8との間を風胴9によって連結させている。
前記筒形圧力容器2の内又は外壁は、熱効率の観点から隙間無く断熱材のライニングが施されている。
なお、マッフル炉3の内側空間はワークゾーン10を形成し、ここに成形材(被加工材)11、治具・工具及び台車を収容する。
圧力容器2内部は、別途、加圧設備(真空手段を含む)12とバルブを介して連通して成るオートクレーブが一般である。
当該オートクレーブ内での加圧・加熱ガスの流通経路は、通常、次の通りである。
即ち、成形材11を治具・工具及び台車と共にワークゾーン10内に収容したのち、扉1で圧力容器2を密閉すると共に、バルブを開いて加圧設備12から(通常)高圧ガスを圧力容器2内に供給して成形材11を治具・工具に対し加圧する一方、モーター7を駆動して循環ファン8を回転させ、ヒーター5・クーラー6により加熱・調整した前記高圧ガスを風胴9を介して吸引し、これを放射方向に圧力容器2底壁に沿って旋回させながら外通風路4方向に送り出し、扉1側に向かって流通させる(矢印参照)。
圧力容器内壁に沿って、マッフル炉3外壁との間を略、水平に流れる高温・高圧ガスは、圧力容器2の他端(扉1)壁面に当って反転し、マッフル炉3の一方の開口部からワークゾーン10内に流入し、成形材11、治具・工具及び台車に沿って略、水平に流れ、再び、クーラー6・ヒーター5及び風胴9を介して循環ファン8側に吸引されるような循環流を形成している。
上述のような熱風循環方式(仮りに水平循環型と称する)を採用した従来のオートクレーブでは、循環ファン一台でオートクレーブ内の高圧・高温ガスを水平方向に流しているので、ガスが(ワークゾーン10内で)上流側から下流側へ流れる途中で、成形材11(治具・工具及び台車を含む)に熱を与えた分だけ、下流側の雰囲気温度が低下する。
モデルで示せば、図4(b)のような雰囲気温度曲線が得られる。
図中、x軸をワークゾーン10の上流側から下流側長さL、y軸は、雰囲気温度t°Cとしている。
因に、上述タイプのオートクレーブにおいて、成形材11の容量が4φm×12mの場合、相対的に下流側の雰囲気温度が略、2°C程度、低くなり、4φm×28mの場合は、下流側の雰囲気温度が相対的に略、5°C程度、低くなると言う、資料がある。
このように成形材の長さが長い程、ワークゾーン10の上流部と下流側との雰囲気温度差が大きくなる傾向が見られる。
又、例えば、 マッフル炉容量 :4000φmm×25000mm
加工材・治具・台車:30000Kg
ガス循環量 :1200m3/min
平均流速 :1.6m/sec
の条件を与え、
後部のヒーター5(クーラー6の調節を含め)と循環ファン8を制御して、成形材11を1°C/minで昇温させた場合は、ワークゾーン10の上流側と下流側との温度差が約、10.5°Cに達する。
と言った、資料(成形材の形状、材質によっても異なるが)も得られている。
このタイプでは、長尺材料に沿って水平方向に雰囲気ガスが流れるので流速ムラはでき難いが、長手軸方向の中央部付近で台車や材料の影響で、ワークゾーン10の上部側が流れ易く偏流が生じる傾向がある。加えて、成形材が異形の場合は、ワークゾーン10内の流速分布が乱れ、雰囲気ガスの温度分布・風速にバラツキが生じる。
又、機械構造的に見ても、負荷熱量はマッフル炉3の炉床部の方が天井部に比べて圧倒的に大きくなるので、床面に向かって温度も下がり易く、ガス流速も低下する。
要するに、稼働時にワークゾーン10内空間域で雰囲気ガスの上下流方向で温度差が生じる。
ワークゾーン内空間の雰囲気ガスの温度分布に不均一が生じると、加工後の成形品の品質にバラツキが生じる恐れもあり、加工時間に余裕を採らねばならず、稼働能率に影響する。
オートクレーブ内での高圧・加熱ガスの流通経路には外に断面循環型と呼ばれる方式が知られている。これは、図5(a)に横断面略図で示すように、一端開口に密封式扉1を備えた筒形圧力容器2内空間に、これと略、同心に両端開放のマッフル炉3を設けて、前記圧力容器2内壁とマッフル炉3外壁との間に外通風路(風胴)4を形成すると共に、マッフル炉3内空間をワークゾーン10として、この空間に成形材、治具・工具及び台車などを収納する(図6も参照のこと)。
前記圧力容器2(マッフル炉3)内空間を長手軸方向に境界無しで複数セクションに区画し、各セクション毎に、それぞれ圧力容器2の上部外壁の長手軸線方向に沿い、圧力容器2(若しくは、マッフル炉3)の軸心線に直角方向の回転軸を備えた撹拌モーター13a、13b、13c…を配置し、当該回転軸を圧力容器2壁を貫いて外通風路4内に延伸させて、先端にそれぞれ撹拌扇14a、14b、14c…を取り付け、これらを外通風路4内に配置する。
また、各セクション毎に、前記撹拌扇14…(14a、14b、14c…を代表する)に対向してマッフル炉3底壁にそれぞれ、ヒーター・クーラー15a・16a、15b・16b、15c・16c…を重ねて配置する。なお、各撹拌扇14…のガス吸い込み口は、それぞれ対面するマッフル炉3壁に開口しており、各ヒーター15…(15a、15b、15c…を代表する)・クーラー16…(16a、16b、16c…を代表する)の配置位置には、それぞれ外通風路4とワークゾーン10内空間との連通口を穿設する。
図6は、上記断面循環型オートクレーブの断面図を示し、同図(一つのセクションについて代表して解説をする。他のセクションも同様)を参照して、圧力容器2内の天井側でマッフル炉3の外側に配置された撹拌扇14は、撹拌モーター13の駆動によって回転し、ワークゾーン10内のガスを吸込み口から吸い込んで、これを外通風路4側の左右方向で圧力容器2内壁に沿って遠心、送風(矢印方向)すると、外通風路4内のガスは、その流れに押し出され底部連通口を介しマッフル炉3内に流入して上昇流を形成し、その際、ヒーター15・クーラー16により加熱・調整されて、ワークゾーン10内に送り込まれれる。
このガスは、ヒーター15・クーラー16を通過する間に加熱、調整され、さらに成形材(治具・工具及び台車を含む)の間を通り、再び、撹拌扇14に戻るような、断面循環流を形成する。
上記に説明の断面循環流は、圧力容器2の長手軸方向に境界無しで区画した各セクション内で、それぞれ略、独立して生じる〔図5(a)参照〕。
各セクション毎にヒーター15・クーラー16の制御を行い、ワークゾーン10内空間域での雰囲気の温度を調節する。尤も、ワークゾーン10内でマッフル炉底のヒーター15・クーラー16側から撹拌扇14に立ち上がる各循環流の間には境界が無いから、相互に干渉がある事は当然である。
また、相互に加熱温度を制御して、ワークゾーン10内長手軸方向の雰囲気の温度を可及的に均一になし得る。
この撹拌扇14の回転によるガスの断面循環流は、図6〔図5(a)も参照〕に示すように、圧力容器2内壁とマッフル炉3外壁との間に形成された外通風路4を圧力容器2内周壁に沿って両側下方に流下し、オートクレーブの底部付近に配置されたヒーター15・クーラー16の連通口を通過して、ワークゾーン10内に流れ、再び、マッフル炉3天井の開口を介して撹拌扇14の吸い込み口に戻る。
要するに、加熱ガスは、各セクション毎に独立して圧力容器2内壁に沿って流れワークゾーン10(セクション毎)内を循環して、マッフル炉3(ワークゾーン10)の長手軸方向の流れ要素は、積極的には与えられることがない。
即ち、当該ガス流は、さきに見た水平循環型のガス熱風流路の形を、マッフル炉3内の各セクション断面内に現出したと理解することができる。但し、異なる処は、ワークゾーン10内で加熱ガスが、形成材(治具・工具及び台車を含む)の面(長手方向)に対し直角方向に流れる事である。
上述のような熱風循環方式(ここでは断面循環型と称する)を採用した従来のオートクレーブでは、加熱ガスは、各セクション毎に殆ど独立して循環し、ワークゾーン10内での長手軸方向の雰囲気温度が、例えば、図5(b)に示すように、各セクションの接続(隣接)部分で、若干、平均よりも低下する曲線となる。
図5(b)中、x軸をワークゾーン10の上流側から下流側長さL、y軸は、ワークゾーン内における雰囲気温度t°Cとしている。当然に、圧力容器炉床部分の不均一な熱負荷による影響も解消する。
このタイプの循環流では、さきに述べたように長尺材料に対して直角方向に雰囲気ガスが流れるため、成形材の形状又は積載形式によっては、セクション内で殆ど流れが生じない場所ができる。
成形材の2段積みは不可で、一段積みでも上面と下面とでは温度差が生じる事がある。
長尺材料の処理には不向きである。
特開昭61−94742号公報 特開昭62−28228号公報 特開平2−14730号公報
上述のように、従来構造、ガス循環方式のオートクレーブでは、加工材の長さが長い程、上流側と下流部との雰囲気温度の差が大きくなる傾向にある。
又、機械構造的に見ても、負荷熱量は炉床部の方が天井部に比べて圧倒的に大きくなるので、床面に向かって温度も下がり易く、ガスの流速も低下傾する。
ワークゾーン内のガス流れが成形材に直角方向の場合は、成形材の上下面で温度差が生じ易く、流れが生じない場所ができる事がある。流速分布が乱れ、雰囲気ガスの温度分布・風速にバラツキが生じる。
ワークゾーン内における雰囲気ガスの温度分布が不均一だと、成形品の品質にバラツキが生じる恐れがあって成形材の装填方法にも留意する必要があり、又、加工時間に余裕を採らねばならず、オートクレーブの稼働能率に影響する。
特に、最近の航空機の開発目標としての、高速化・機体の軽量化に伴って、繊維強化プラスチックの多用化が進展しており、長尺用複合材の一体加工設備の整備要望が急速に高まり、長尺用オートクレーブの設置が早急に求められる情勢になっている。
そこで本願発明は、上述各不都合な現状を解決するオートクレーブのガス循環方法・装置を提供する事を目的とする。
本発明のガス循環方式を要約すると、次の通りである。
(1)圧力容器内に同容器と略、同心に設置した両端開放のマッフル炉の外壁と前記圧力容器内壁との間に外通風路を設け、前記マッフル炉の一方端に隣接してクーラー・メインヒーターを設けると共に、クーラー・メインヒーターに対して直列に圧力容器の一端に配置したファンを駆動し、マッフル炉内のガスをクーラー・メインヒーターを通して吸引し外通風路を流通させ、圧力容器の他方端で反転して、再び、マッフル炉内に戻すような循環経路を形成した、圧力容器内で材料を加圧・加熱、冷却し、成形材を接着成形するオートクレーブにおいて、前記マッフル炉内を長手軸方向に境界を設けずに複数のセクションに区画し、それぞれのセクション毎に、圧力容器外壁の長手軸方向に間隔を置いて撹拌用モーターを設置し、前記モーターのシャフトを圧力容器の長手軸心に対して直角方向に配置し、その端部を前記外通風路及びマッフル炉壁を貫通して前記炉内に伸出せしめ、前記シャフトの先端に撹拌扇を取付け、対応してマッフル炉内側壁に補助ヒーターを設置し、各補助ヒーターによってマッフル炉内を流通するガスへ成形材・治具・工具等に消費した熱量を補給する一方、撹拌扇で前記ガス流を撹拌・混合して、マッフル炉内のガスの主たる流れに混・乱流を発生させることを特徴とするオートクレーブの熱風循環方法。
(2)マッフル炉内を長手軸方向に境界を設けずに複数のセクションに区画し、それぞれのセクション毎に温度調節センサーを配置して、前記温度調節センサーからの信号に基づき、各セクション内の雰囲気温度を設定値に保持するよう、補助ヒーターの出力を制御することよりなる上記第(1)項記載のオートクレーブの熱風循環方法。
(3)筒形圧力容器内で、同圧力容器と略、同心に設置した両端開放のマッフル炉の外壁と圧力容器内壁との間に外通風路を設け、マッフル炉の一方端に隣接してクーラー・メインヒーターを設けると共に、クーラー・メインヒーターに対して直列に圧力容器の一端に配置したファンを駆動して、マッフル炉内のガスを吸引し外通風路を流通させ、圧力容器の他方端で反転して、再び、マッフル炉内に戻すような循環経路を形成した、圧力容器内で材料を加圧・加熱、冷却し、成形材を接着成形するオートクレーブにおいて、前記マッフル炉内を長手軸方向に境界を設けずに複数のセクションに区画し、それぞれのセクション毎に、圧力容器外壁上部の長手軸方向に間隔を置いて撹拌用モーターを設置し、前記モーターのシャフトを圧力容器の長手軸心に対し直角方向に配置して、その端部を前記外通風路及びマッフル炉壁を貫通して前記炉内に伸出せしめ、前記シャフトの先端に撹拌扇を取付け、マッフル炉内側壁に対応して一対の補助ヒーターを設置し、前記補助ヒーターによってマッフル炉内を流通するガスに対し、成形材・治具・工具等に消費した熱量を補給する一方、各撹拌扇で前記ガス流を撹拌・混合して、マッフル炉内のガスの主たる流れに混・乱流を発生させることよりなるオートクレーブの熱風循環装置。
ワークゾーン内を、長手軸方向に境界を設けず各セクションに区画し、それぞれのセクション毎に補助ヒーターを配置して、ゾーン内を上流側から下流側へガスが流れる途中で成形材等に吸収された熱量を補充し、水平方向での加熱ガス流の温度を略、一定に維持することにより、上流側と下流側との間に生じる雰囲気ガスの温度差を大幅に減少させ(例えば、2°C以内)、オートクレーブでの成形品の均一性成形・仕上がりの良さと、接着・成形工程の時間の短縮とを期待する事ができる。
又、各セクション毎に補助ヒーターを配置しただけでは、ヒーターの熱量配分に不均一が生じる恐れがあるので、ワークゾーン内の上部付近に撹拌扇を設け熱風を拡散、循環させ、雰囲気の温度分布の均等を図る。
ただし、前記撹拌扇は各セクション内でガスの撹拌を行うので、ワークゾーン10内を長手軸方向に上流側から下流側に流れるガス流量は、圧力容器底に配置した熱風循環ファン8の風量である。
ワークゾーン内の加熱ガスの主流に対し、直交する方向に撹拌扇で加熱ガスを補助的に拡散・混合させる事により、従来技術において直角断面内に生じるガスの偏流を減少させる結果、成形材に接触するガスの流速ムラが減少し、全体的に温度差を減少させる。
従って、ガスの平均流速は水平方向の何処の断面においても略、一定で、断面内の流速ムラを解消し、水平方向でのガスの温度分布を、略、一定に保つことができる。
主熱風循環ファンは従来通りとして全体のガス循環方式を堅持する水平循環型オートクレーブにおいて、ワークゾーンを水平軸方向(ガス循環方向き)に境界を設けずに複数のセクションに区画し、各セクション毎に補助ヒーターを設け、これにより途中で成形材等により吸収されるガス熱量を補充して、上流側と下流側とのガス雰囲気温度を可及的に均一にして、成形材の間に生じる温度差を大幅に減少させる。
ただし、複数個の補助ヒーターを追加するだけでは、各ヒーターの近傍の成形材のみを加熱するだけの可能性があるため、各セクション内でそれぞれ撹拌扇を回して、補助熱量をガス流中に均等に拡散させる。
この撹拌扇は、容量が小さいので、ワークゾーン10内のガスの主たる流れは熱風循環ファンの流れに従い、略、水平方向である事を特徴とする。
加熱ガスは、主調節用温度プログラム調節計(TPC)により、炉内温度を調節する一方、その設定温度を各セクションに対応する温度調節計(TC1〜TC4)に送り、各セクション毎の温度調節を可能にする(図3参照)。
図1(a)は、本発明方法・装置の一実施例の横断面図、図2は、その縦断面図で、図中、全体構造、使用されている部品名、形状、添付符号はそれぞれ、前述背景技術の説明、特に水平循環型オートクレーブの解説に挙げたものと同一であるから、ここでは、そこで説明されていない部材、特に説明を要する構成要素以外は、解説を省略する。
本実施例においては、ワークゾーン10を長手軸方向に境界を設けず複数のセクションに区画すると共に、それぞれのセクション毎に、筒形圧力容器2の上部外壁の軸線方向に沿い前記容器の軸心に直角方向の回転軸を備えた撹拌モーター13a、13b、13c…を配置し、当該回転軸を圧力容器2壁、外通風路(ガス循環路)4及びマッフル炉3壁を貫いてワークゾーン10内に延伸させ、先端にそれぞれ撹拌扇14a、14b、14c…を取り付ける。各撹拌扇14…(14a、14b、14c…を代表する)は、従って、ワ,ークゾーン10内、マッフル炉3内壁天井付近に配置され、それぞれ区画された各セクション内に流通するガスを格別に撹拌、混合する。
なお、圧力容器2の内壁とマッフル炉3外壁との間に形成された外通風路4は、水平循環型オートクレーブの加熱ガスの水平往路に使用されているため、撹拌扇14…がその領域で作動する余地は全く無い。
更に、各セクション毎に、撹拌扇14…に対応してマッフル炉3内壁の対向面にそれぞれ、補助ヒーター17a、17b、17c…が配置されている。
前記一対の補助ヒーター17…(17a、17b、17c…を代表する)は、容量に較べて薄くかつ表面積を拡げて設け、補助ヒーター17…の表面に沿ってガスが流通する事を妨げず、又その間に満遍なく、かつ均等に加熱するように配慮されている。
各撹拌扇14…は、撹拌モーター13…(13a、13b、13c…を代表する)の回転・駆動によって各セクション内を流れる加熱ガスをマッフル炉3(断面)左右内壁に沿って炉底面側に送風する間に、加熱ガスは一対の補助ヒーター17…に触れて加熱されると共に、各セクションの底部付近で対向・反転(反転補助駒を備える事も可)して上昇し、ワークゾーン10内の成形材の間を通って流れ、再び、撹拌扇14…に戻る循環流を、各セクション内で形成する(図2参照)。
この撹拌扇14…の回転によるガスの流れは、各セクション内において、太線矢印の示す通り〔図1(a)、図2参照〕である。これにより、成形材の長手方向中央部で、台車や材料の影響を受けて偏るガスの流れを上部から下底部に、かつ、下底部から上部に流して偏流を防ぐ事ができる。
また、圧力容器炉床部分の不均一な熱負荷による影響も解消する。
但し、撹拌扇14…によるガス流れの撹拌・混合範囲は各セクションの領域内に限られるよう小規模に制御されており、全体の(水平)循環流を無効にするおそれはない。
上記各セクションに所属する撹拌モーター13…、撹拌扇14…の配置は、必ずしも圧力容器2の上部外壁のみを選択する事を要さず、例えば、容器2底面外側壁又は容器の上部外壁と底面外側壁とに交互に分配、配置しても良い。
再度、図1(a)に戻って、ワークゾーン10の各セクションには、マッフル炉天井壁を貫いて、それぞれ、温度調節センサーJ、J1、J2、J3…が設けてあって、それぞれの信号を主温度調節計TC、補助温度調節計TC1、TC2、TC3…に入力するようにされており、ワークゾーン10内の加熱ガス温度を調節、制御することができる制御システムに繋がっている。
図3は、上記制御システムのフローチャートの一実施例を示すもので、主調節センサーJは主温度調節計TCに連結しており、調節計TCは、温度プログラム調節計TPCのコントロールを受けてオートクレーブ全体の雰囲気ガス温度を調節するため、それぞれ、ヒーター5、クーラー6及び循環ファン8を制御する。
各セクションに属する補助センサーJ1、J21、J3…は、主温度調節計TCのコン
トロールの許にある補助温度調節計TC1、TC2、TC3…に信号を入力して、各SCR1(電力調整器)、SCR2、SCR3…を介して補助ヒーター17…に印加される電力をコントロールするよう配置されている。
各セクションの雰囲気温度がプログラム設定値から逸脱したときには、補助ヒーター17…に印加される電力を加減して、循環ガスに与える熱量を調節し、各セクションの雰囲気温度が設定値に戻る方向に制御される。
本実施例の場合、撹拌扇14…は、所定回転数で駆動されている。
図1(b)は、ワークゾーン10内の長手軸方向の雰囲気温度をグラフにして示したもので、図中、x軸は、ワークゾーンの上流側から下流側長さL、y軸は、雰囲気温度t°Cとした。
水平循環型ガス流の雰囲気温度は、ワークゾーン内を成形材に沿って流れ下る間に、成形材、治具・工具、台車等に熱を奪われて、漸次、温度が低下する傾向にあるが、上流側から下流側に連なる補助ヒーターの制御と撹拌扇の回転とによって、その都度、熱量を補充され、ワークゾーン内の各部分の雰囲気ガスの温度を所望の範囲内に制御する事ができる。
従って、長尺材料、異形成形品の成形加工にも最適で、かつ、複数段積みの装填も可能である。
ワークゾーン内の各部分の雰囲気ガスの温度を所望の範囲内で制御する事ができたから、異形材、成形品に部分的な加工ムラが生じるおそれが無いし、操業(稼働)時間の短縮、作業効率も向上する。
航空機その他、大型で品質の安定した積層材の成形を必要とする産業の将来が期待されている。本願発明は、当該需要を見込んで、直径と軸方向長さとの比、所謂アスペクト比が大きいとか、ワークゾーン容量が巨大なオートクレーブに対しても、ワークゾーン内空間域の雰囲気温度差を許容範囲内に制御する技術を提供し、加工ムラのない安定した成形品を、経済的に製造することを可能にする。
本発明ガス循環方法、装置の一実施例の横断面略図 本発明ガス循環方法、装置の一実施例の縦断面略図 本発明ガス循環方法、装置に付属する制御装置のフローチャート 公知のガス水平循環型オートクレーブの横断面略図 公知のガス断面循環型オートクレーブの横断面略図 公知のガス断面循環型オートクレーブの縦断面略図
符号の説明
1 密閉扉
2 円筒状圧力容器
3 マッフル炉
4 外通風路(風胴)
5,15 ヒーター
6,16 クーラー
7 モーター
8 循環ファン
9 風胴
10 ワークゾーン
11 成形材(被加工材)
12 加圧設備
13 撹拌モーター
14 撹拌扇
17 補助ヒーター

Claims (3)

  1. 圧力容器内に同容器と略、同心に設置した両端開放のマッフル炉の外壁と前記圧力容器内壁との間に外通風路を設け、前記マッフル炉の一方端に隣接してクーラー・メインヒーターを設けると共に、クーラー・メインヒーターに対して直列に圧力容器の一端に配置したファンを駆動し、マッフル炉内のガスをクーラー・メインヒーターを通して吸引し外通風路を流通させ、圧力容器の他方端で反転して、再び、マッフル炉内に戻すような循環経路を形成した、圧力容器内で材料を加圧・加熱、冷却し、成形材を接着、成形するオートクレーブにおいて、前記マッフル炉内を長手軸方向に境界を設けずに複数のセクションに区画し、それぞれのセクション毎に、圧力容器外壁の長手軸方向に間隔を置いて撹拌用モーターを設置し、前記モーターのシャフトを圧力容器の長手軸心に対して直角方向に配置し、その端部を前記外通風路及びマッフル炉壁を貫通して前記炉内に伸出せしめ、前記シャフトの先端に撹拌扇を取付け、対応してマッフル炉内側壁に補助ヒーターを設置し、各補助ヒーターによってマッフル炉内を流通するガスへ成形材・治具・工具等に消費した熱量を補給する一方、撹拌扇で前記ガス流を撹拌・混合して、マッフル炉内のガスの主たる流れに混・乱流を発生させることを特徴とするオートクレーブの熱風循環方法。
  2. マッフル炉内を長手軸方向に境界を設けずに複数のセクションに区画し、それぞれのセクション毎に温度調節センサーを配置して、前記温度調節センサーからの信号に基づき、各セクション内の雰囲気温度を設定値に保持するよう、補助ヒーターの出力を制御することを特徴とする請求項1記載のオートクレーブの熱風循環方法。
  3. 筒形圧力容器内で、同圧力容器と略、同心に設置した両端開放のマッフル炉の外壁と圧力容器内壁との間に外通風路を設け、マッフル炉の一方端に隣接してクーラー・メインヒーターを設けると共に、クーラー・メインヒーターに対して直列に圧力容器の一端に配置したファンを駆動して、マッフル炉内のガスを吸引し外通風路を流通させ、圧力容器の他方端で反転して、再び、マッフル炉内に戻すような循環経路を形成した、圧力容器内で材料を加圧・加熱、冷却し、成形材を接着、成形するオートクレーブにおいて、前記マッフル炉内を長手軸方向に境界を設けずに複数のセクションに区画し、それぞれのセクション毎に、圧力容器外壁上部の長手軸方向に間隔を置いて撹拌用モーターを設置し、前記モーターのシャフトを圧力容器の長手軸心に対し直角方向に配置して、その端部を前記外通風路及びマッフル炉壁を貫通して前記炉内に伸出せしめ、前記シャフトの先端に撹拌扇を取付け、マッフル炉内側壁に対応して一対の補助ヒーターを設置し、前記補助ヒーターによってマッフル炉内を流通するガスに対し、成形材・治具・工具等に消費した熱量を補給する一方、各撹拌扇で前記ガス流を撹拌・混合して、マッフル炉内のガスの主たる流れに混・乱流を発生させることを特徴とするオートクレーブの熱風循環装置。
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